以下、発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。本発明の遊技用装置は、図1及び図2に示すように遊技場内において、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、該遊技機での遊技に使用できる有価価値の大きさ(カード度数)及び当該記録媒体を個々に特定できる記録媒体特定情報(カードID)が記録された記録媒体(プリペイドカード5)を受け付けて、該記録媒体の使用可否の判定を要求する使用可否判定要求を管理装置(システムコントローラ50)に対して送信し、該管理装置から使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信したことを条件として、前記記録された有価価値の大きさを遊技機での遊技に使用させるための遊技使用処理(カード玉貸処理)を行うカードユニット20である。このカードユニット20は、当該カードユニット20への電力の供給が停止しても記憶内容を保持することができ、読み取った記録媒体特定情報を記憶する記録媒体特定情報記憶手段(EEPROM29)を備え、当該カードユニット20への電力の供給が停止したことを検出し、その後に電力の供給が復旧したことを検出したときに、受け付けている記録媒体の記録媒体特定情報を再度読み取り、該読み取った記録媒体特定情報と前記記録媒体特定情報記憶手段により記憶している記録媒体特定情報とが一致しているか否かを判定し、一致していないと判定されたことを条件として、受け付けている記録媒体を返却せずに内部に留保することを特徴とするものである。
ここで本発明には、図4に示すように、上記判定によって記録媒体特定情報(カードID)が一致していると判定されたことを条件として、記録媒体処理手段(プリペイドカードR/W27)により受け付けている記録媒体(プリペイドカード5)を返却する第1実施形態に係る遊技用装置(カードユニット20)と、図5に示すように、上記判定によって記録媒体特定情報(カードID)が一致していると判定されたことを条件として、前記使用可否判定要求を管理装置(システムコントローラ50)に対して再度送信する第2実施形態に係る遊技用装置(カードユニット20)と、が含まれる。以下においては、まず第1実施形態に係る遊技用装置について説明し、次に第2実施形態に係る遊技用装置について第1実施形態に係る遊技用装置と異なる点についてのみ説明する。
なお、本例では電力の供給が停止することを電断と呼び、この電断は電力の供給が一時的に完全に停止する場合に限らず、カードユニット20に供給される電圧が、当該カードユニット20が動作しなくなる程度となる場合も含む。
[1.第1実施形態に係るカードユニット20]
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る遊技用装置であるカードユニット20の構成について説明する。なお、以下においては、リーダライタを「R/W」,データベースを「DB」と略記する。また、本例の遊技用装置では、紙幣2,硬貨3,封入カード4,及びプリペイドカード5が使用される。
このカードユニット20で使用される紙幣2は、図2に示すように、1000円紙幣である。また硬貨3は、図2に示すように、100円硬貨,及び500円硬貨の2種類の硬貨である。これら紙幣2及び硬貨3は、遊技用装置外部から挿入されて使用される。これらの紙幣2及び硬貨3は後述する現金玉貸処理において使用される。
封入カード4は、プリペイドカード5が受け付けられていない状態で後述する紙幣識別機23又は硬貨識別機24により受け付けられ、使用可能な貨幣と識別された(即ち入金された)紙幣2又は硬貨3の金額(入金金額)を記憶するものである。この記録された入金金額に相当する数のパチンコ玉(例えば100円で25個)の貸出(以下「現金玉貸処理」と呼ぶ)により、プリペイドカード5を所有していない遊技者であっても、新たにプリペイドカード5を購入することなく貨幣(紙幣2又は硬貨3)を使用して遊技を行うことが可能となる。
この封入カード4は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、前記入金金額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。この封入カード4は、遊技者が指触不能な態様でカードユニット20の内部に封入されている。
プリペイドカード5は記録媒体の一例であって、遊技機であるパチンコ機10での遊技に使用できる有価価値の大きさであるカード度数と、プリペイドカード5を個々に特定できる記録媒体特定情報であるカードIDが記録されている。このプリペイドカード5は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カード度数及びカードID等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。このプリペイドカード5を有する遊技者は、該プリペイドカード5に記録されたカード度数を使用したパチンコ玉の貸出(以下「カード玉貸処理」と呼ぶ)によって遊技を行うことが可能となる。このプリペイドカード5は、遊技用装置外部から挿入されて使用される。なお、図示しない発行装置に貨幣を挿入することにより、当該貨幣額に対応するカード度数(挿入された貨幣の金額を100で除した値であり、例えば1000円の金額に対して10度数)の記録されたプリペイドカード5が発行される。
パチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技場における遊技島(図示外)において機種等に従って所定の位置に配置され、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応するカードユニット20と通信可能であり、該カードユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理(前述したカード玉貸処理又は現金玉貸処理)が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、カードユニット20の後述する玉貸通信部21と通信可能に接続され、パチンコ機10とカードユニット20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。さらに払出制御基板12は、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16とも接続されている。玉払出装置13は、玉貸処理が行われて遊技者に貸し出されたパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
残度数表示器14は、後述するユニット制御部22のRAMに記憶されているカード度数(プリペイドカード5に記録されているカード度数)を、残度数として表示するための表示器である。また、現金玉貸処理が行われるときには、後述する制御部22のRAMに記憶されている入金金額に相当する度数(例えば100円=1度数)を、残度数として表示する。
玉貸ボタン15は、カード玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が押下操作されて玉貸操作が受け付けられることにより、前述したカード玉貸処理が行われる。なお前述した現金玉貸処理は、玉貸操作の受付によらずに行われる。
カード返却ボタン16は、後述する遊技媒体処理手段(プリペイドカードR/W27)により受け付けているプリペイドカード5を遊技者に返却するための返却操作を受け付けるボタンである。具体的には、遊技者がこのカード返却ボタン16を押下操作することによって、該押下操作の検出信号が払出制御基板12に入力され、さらに払出制御基板12からカード返却ボタン16が操作された旨を示す信号が後述する玉貸通信部21及びユニット制御部22を介してカードR/W制御部25に入力され、カードR/W制御部25がプリペイドカード5を排出するための制御信号をプリペイドカードR/W27に送信し、プリペイドカードR/W27が受け付けているプリペイドカード5を排出して返却する。
カードユニット20は遊技用装置の一例であって、図2(a)に示すように、パチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられており、図1に示すように後述する管理装置であるシステムコントローラ50と通信可能に接続されている。このカードユニット20は、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ31,紙幣挿入口23a,紙幣利用可ランプ23b,硬貨挿入口24a,硬貨利用可ランプ24b,硬貨返却ボタン24e,硬貨返却口24g,封入カード確認窓26a,及びプリペイドカード挿入口27a等を備え、図1及び図2(b),(c)に示すように、その内部に紙幣識別機23,ユニット制御部22,玉貸通信部21,EEPROM29,電源基板30,リセットボタン32,硬貨識別機24,封入カードR/W26,プリペイドカードR/W27,カードR/W制御部25,及びシステムコントローラ用通信部28等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
玉貸通信部21は、パチンコ機10に設けられる払出制御基板12と接続されている。これにより、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。
ユニット制御部22は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、接続される各構成要素(ここでは、図1に示す玉貸通信部21,カードR/W制御部25,紙幣識別機23,紙幣利用可ランプ23b,硬貨識別機24,硬貨利用可ランプ24b,EEPROM29,電源基板30,多機能ランプ31,リセットボタン32)の動作を制御して(又は各構成要素からの信号を受信して)各種の処理を行うものである。このユニット制御部22のRAMには、後述するプリペイドカードR/W27にて受け付けたプリペイドカード5から読み取られ、カードR/W制御部25から送信されてきたカード度数が記憶される。また現金玉貸処理の際には、前記入金金額が一時的に記憶される。
このユニット制御部22は遊技使用処理手段の一例であって、後述する使用可否判定結果情報受信手段(システムコントローラ用通信部28)によりプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信したことを条件として、該プリペイドカード5に記録されたカード残額(即ちRAMに記憶されたカード残額)をパチンコ機10での遊技に使用させるためのカード玉貸処理を行うものである。また、本例では、封入カード4に記録された入金金額(即ちRAMに記憶された入金金額)をパチンコ機10での遊技に使用させるための現金玉貸処理を行うものでもある。
さらにユニット制御部22は判定手段の一例であって、後述するプリペイドカードR/W27により読み取ったカードIDと後述する記録媒体特定情報記憶手段(EEPROM29)により記憶しているカードIDとが一致しているか否かを判定するものであり、電力の供給が復旧したことを検出したときにこの判定を行う。
紙幣識別機23は紙幣2を受け付けるものであり、ここではプリペイドカード5が後述するプリペイドカードR/W27に受け付けられていない状態のときに、紙幣挿入口23aから紙幣2(ここでは1000円紙幣)を受け付けて、該受け付けた紙幣2を識別する識別機である。なお紙幣識別機23により使用可能な紙幣と識別された紙幣2は、紙幣通路23cを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。また、カードユニット20がプリペイドカード5を受け付けている状態のときや、受け付けた紙幣が使用不可能な紙幣と識別された場合には、紙幣挿入口23aから紙幣を返却する。
紙幣利用可ランプ23bは紙幣挿入口23aの横に設けられ、紙幣2を受付可能な状態である旨を報知するためのランプであり、紙幣識別機23が紙幣2を受付可能な状態のときに点灯し、受付不可能な状態のとき(プリペイドカード5が受け付けられている状態や図4のS203に示すように電力の復旧を検出した直後等)には消灯している。
硬貨識別機24は硬貨3を受け付けるものであり、ここではプリペイドカード5が後述するプリペイドカードR/W27に受け付けられていない状態のときに、硬貨挿入口24aから前記2種類の硬貨3を受け付けて、硬貨通路24cを通じて搬送された硬貨3を識別する識別機である。なお硬貨識別機24により使用可能な硬貨と識別された硬貨3も、硬貨通路24dを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた硬貨搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。硬貨返却ボタン24eは、硬貨通路24cや硬貨識別機24において詰まった硬貨3の返却操作を受け付けるためのボタンであり、遊技者により硬貨返却ボタン24eが操作されると、該詰まった硬貨3が硬貨通路24fを通じて硬貨返却口24gに戻る。また、カードユニット20がプリペイドカード5を受け付けている状態のときや、受け付けた硬貨が使用不可能な硬貨と識別された場合には、硬貨排出口24gから硬貨を返却する。
硬貨利用可ランプ24bは硬貨挿入口24aの横に設けられ、硬貨3を受付可能な状態である旨を報知するためのランプであり、硬貨識別機24が硬貨3を受付可能な状態のときに点灯し、受付不可能な状態のとき(プリペイドカード5が受け付けられている状態や図4のS203に示すように電力の復旧を検出した直後等)には消灯している。
カードR/W制御部25は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、図1に示すように該カードR/W制御部25に接続される封入カードR/W26,プリペイドカードR/W27,及びシステムコントローラ用通信部28の動作を制御して各種の処理を行うものである。このカードR/W制御部25は、ユニット制御部22と通信可能に接続されており、ユニット制御部22との各種情報の送受が可能となっている。
封入カードR/W26は、該封入カードR/W26の内部に封入されている封入カード4に対して、プリペイドカード5が受け付けられていない状態で紙幣識別機23又は硬貨識別機24により受け付けられ、使用可能と識別された(即ち入金された)紙幣2又は硬貨3の金額(入金金額)を記録する処理を行うと共に、該封入カード4に記録された入金金額を読み取るものであり、ここでは前記ICカードである封入カード4に対応したICカードR/Wを備えている。なお封入カードR/W26の内部に封入されている封入カード4は、封入カード確認窓26aを介して遊技者が視認可能であると共に指触不能である。
プリペイドカードR/W27は記録媒体処理手段の一例であって、プリペイドカード5を受け付けて、該受け付けたプリペイドカード5の記録情報を読み取る処理を行うものであり、プリペイドカード挿入口27aから挿入されたプリペイドカード5を受け付けて、該受け付けたプリペイドカード5に記録されているカードID及びカード度数を読み取る処理を行う。また、プリペイドカードR/W27は、プリペイドカード5に更新後のカード度数を記録する(書き込む)ものであり、ここでは前記ICカードであるプリペイドカード5に対応したICカードR/Wを備えている。
また記録媒体処理手段として機能するプリペイドカードR/W27は、後述する図4に示すように、使用可否判定結果情報受信手段(システムコントローラ用通信部28)によりプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信した後に、後述する電力供給監視手段(ユニット制御部22及び電源基板30)により当該カードユニット20への電力の供給が停止したことを検出し、その後に電力供給監視手段(ユニット制御部22)により当該カードユニット20への電力の供給が復旧したことを検出したときに、当該プリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5に記録されているカードIDを再度読み取る処理を行う。本例ではこのときカード度数も読み取る。
さらにプリペイドカードR/W27は留保手段の一例であって、判定手段(ユニット制御部22)により記録媒体特定情報(カードID)が一致していないと判定されたことを条件として、記録媒体処理手段(プリペイドカードR/W27)により受け付けているプリペイドカード5を返却せずにカードユニット内部に留保するものである。具体的には、このプリペイドカードR/W27は、受け付けている(挿入されている)プリペイドカード5をロックするためのロック機構を有しており、判定手段(ユニット制御部22)により記録媒体特定情報(カードID)が一致していないと判定されたときに、受け付けているプリペイドカード5が前記ロック機構によって抜き取り不能にロックされ、該プリペイドカードR/W27内に留保される。この留保された状態では、返却ボタン15が操作されてもプリペイドカード5は返却されない。
なお、本第1実施形態においては、判定手段(ユニット制御部22)により記録媒体特定情報(カードID)が一致していると判定されたときには、前記記録媒体処理手段(プリペイドカードR/W27)により受け付けているプリペイドカード5が排出され、返却される。
システムコントローラ用通信部28は、後述するシステムコントローラ50の通信部51と通信可能に接続されており、カードユニット20とシステムコントローラ50との間における通信を司るものである。
このシステムコントローラ用通信部28は使用可否判定要求送信手段の一例であって、プリペイドカードR/W27により受け付けたプリペイドカード5の使用可否の判定を要求する使用可否判定要求を後述する管理装置(システムコントローラ50)に対して送信するものである。この使用可否判定要求には、前記プリペイドカードR/W27が読み取ったカードIDとカード度数,及び当該カードユニット20を識別可能な装置IDが含まれる。
またシステムコントローラ用通信部28は使用可否判定結果情報受信手段の一例であって、上記使用可否判定要求送信手段(システムコントローラ用通信部32)により送信した使用可否判定要求に応じて前記プリペイドカード5の使用可否の判定を行った管理装置(システムコントローラ50)から送信されてくる、該プリペイドカード5の使用可否の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信するものである。
不揮発性メモリであるEEPROM29は記録媒体特定情報記憶手段の一例であって、当該カードユニット20への電力の供給が停止しても記憶内容を保持することができるものであり、プリペイドカードR/W27により読み取ったカードIDを記憶する。なお本例では、プリペイドカードR/W27により読み取ったカードIDは、後述するシステムコントローラ50から送信され、プリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を、システムコントローラ用通信部28が受信したことを条件として、カードR/W制御部25からユニット制御部22に送信され、EEPROM29に記憶される。また本例では、後述する電力供給監視手段により電断の発生が検出された際に、電断が発生した旨がこのEEPROM29に記憶される。
電源基板30は、外部の交流電源から供給される交流電圧のレベルを変換するトランス,該レベル変換後の交流電圧から直流電圧を生成する整流回路,該整流回路により生成された直流電圧を各電機部品の動作電圧レベルに変換して出力するためのDC−DCコンバータ等を備えていて、カードユニット20の各電機部品に直流電圧を供給する役割を果たす。なお、このDC−DCコンバータの入力側には比較的大容量のコンデンサが接続されている。従って、外部からのカードユニット20に対する電力供給が停止したとき(電断が発生したとき)に、各電機部品に供給される直流電圧は、比較的緩やかに低下する。また、電源基板30には、電源監視回路としての電源監視用ICが搭載されている。電源監視用ICは、前記DC−DCコンバータ入力側の直流電圧が低下して所定値以下になった場合に、電断が生ずるとして電断検出信号をユニット制御部22に対して出力し、ユニット制御部22は電断検出信号の受信によって電断の発生を認識する。なお、前記所定値は通常時の電圧よりも低いが、前記電機部品(特にユニット制御部22)が動作する程度の電圧である。従って、ユニット制御部22は、当該ユニット制御部22に供給される直流電圧が動作電圧より低くなる前に電断の発生を認識し、これに応じた所定の処理(例えばEEPROM29に電断が発生した旨を記憶する等)を行うことが出来る。
即ちユニット制御部22及び電源基板30は電力供給監視手段の一例であって当該カードユニット20で用いられる電力の供給状態を監視するものであり、当該カードユニット20への電力の供給が停止したこと(電断が発生したこと)を検出するものである。ここでユニット制御部22は、電断検出信号を受信したときに、電断が発生した旨をEEPROM29に記憶しておく。なお、カードユニット20への電力の供給が復旧したときには外部の交流電源から交流電圧が再び供給され、前記各電機部品に通常の直流電圧が供給される。このとき電力供給監視手段として機能するユニット制御部22は、EEPROM29の記憶内容を参照して電断が発生した旨が記憶されていることを確認し、電力の供給が復旧したこと(電断が発生した後に電力が供給されたこと)を検出して、これに応じた所定の処理(例えば前述した判定手段によるカードIDの一致判定等)を行うことが出来る。
多機能ランプ31は、予め定められた複数の色のうちのいずれかの色で点灯又は点滅することによってカードユニット20の状態を報知するランプである。この多機能ランプ31はここでは通常状態では緑で点灯しており、プリペイドカード5が受け付けられている状態では青で点灯する。また図4のS203に示すように電力の復旧を検出した直後には消灯している。
また多機能ランプ31は留保報知手段の一例であって、記録媒体特定情報記憶手段(EEPROM29)により記憶しているカードIDと異なるカードIDが記録されたプリペイドカード5を留保手段(プリペイドカードR/W27)により留保している旨を報知するものであり、ここでは図4のS222に示すように赤で点滅することにより報知する。
リセットボタン32は、図2(b)に示すようにカードユニット20の背面側(島側)に設けられている。このリセットボタン32が、遊技場の店員によって押圧操作されると、EEPROM29にカードIDが記憶されている場合にはこれが消去され、プリペイドカードR/W27にプリペイドカード5が留保されている場合(即ち前述したようにロックされている場合)には、該プリペイドカード5の留保が解除され(即ちロックが解除され)、プリペイドカード挿入口27aから排出される。
システムコントローラ50は管理装置の一例であって、プリペイドカード5の使用可否の判定を行うものである。このシステムコントローラ50は、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられ、図1に示すように通信部51,制御部52,及びハードディスク53等を備える。これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
通信部51は、カードユニット20のシステムコントローラ用通信部28と通信可能に接続されており、システムコントローラ50とカードユニット20との間における通信を司るものであり、カードユニット20から送信される使用可否判定要求を受信する。また、プリペイドカード5の使用可否の判定結果を示す使用可否判定結果情報をカードユニット20に対して送信する。
記憶装置であるハードディスク53は、図1に示すカード度数DBを記憶している。このカード度数DBは、各プリペイドカード5に記録されているカードIDと対応付けてカード度数を管理している。
制御部52は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク53に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、接続される各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部52は、通信部51が受信した使用可否判定要求に含まれるカードIDと対応付けてカード度数DBで管理しているカード度数と、同使用可否判定要求に含まれるカード度数とを照合する。ここで、使用可否判定要求に含まれるカード度数とカード度数DBで管理しているカード度数が一致するときには、同使用可否判定要求に含まれる装置IDのカードユニット20に対してプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を通信部51より送信する。また、使用可否判定要求に含まれるカード度数とカード度数DBで管理しているカード度数が一致しなかったときには、前記カードユニット20に対してプリペイドカード5が使用不可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を通信部51より送信する。
また制御部52は、後述する図3のS134に示すように、カード玉貸処理が行われたカードユニット20からカードIDと使用度数を受信したときに、該カードIDと対応付けてカード情報DBで管理しているカード度数から、該受信した使用度数を減算する処理を行う。
次に、カードユニット20の作用について説明する。まず図示しないが、カードユニット20において貨幣が受け付けられて、現金玉貸処理が行われる場合の作用について説明する。この現金玉貸処理においては、紙幣2(1000円紙幣)及び硬貨3(500円硬貨及び100円硬貨)が使用可能である。
プリペイドカード5が受け付けられていない状態で、紙幣2又は硬貨3が紙幣挿入口23a又は硬貨挿入口24aから挿入されると、紙幣識別機23又は硬貨識別機24により識別が行われ、識別OKであれば識別された貨幣に対応する入金金額(例えば1000円)が、ユニット制御部22のRAMに記憶されると共にカードR/W制御部25に送信され、カードR/W制御部25は受信した入金金額を封入カードR/W26により封入カード4に記録した後に読み出し、読み出した入金金額をユニット制御部22に送信する。これを受信したユニット制御部22は、入金金額に相当する度数(ここでは10度数)を残度数表示器14に表示した後、玉貸処理(現金玉貸処理)を開始する。
まず、玉貸通信部21から1度数に相当するパチンコ玉数(例えば消費税を考慮しないのであれば25個、消費税を考慮するのであれば消費税率に応じて24個,23個…等の、具体的な玉数であり、予めシステムコントローラ50等により設定され、カードユニット20に配信されている)である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信する。
該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、前記払出要求玉数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から払出要求玉数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号を玉貸通信部21に対して送信する。
ユニット制御部22では払出結果信号を玉貸通信部21が受信したことに基づいて、前記払出要求信号に示される払出要求玉数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、1度数分の減算処理として、RAMに記憶している入金金額から同1度数に相当する金額(例えば100円)を減算すると共に、残度数表示器14の表示を更新し、カードR/W制御部25により封入カード4に記録された入金金額からパチンコ玉の貸与に使用された1度数に相当する金額(ここでは100円)を減算する処理を行う。これら1度数分の玉貸処理がユニット制御部22のRAMに記憶された入金金額(即ち封入カード4に記録された入金金額であり、ここでは1000円)が零になるまで繰り返され、該入金金額分の玉貸処理の終了に基づいて、玉貸終了信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信し、玉貸処理を終了する。この玉貸処理の終了に基づいて、ユニット制御部22からカードR/W制御部25に対して入金金額を消費した旨を送信し、カードR/W制御部25はシステムコントローラ用通信部28からシステムコントローラ50に対して消費金額(ここでは1000円)を送信し、システムコントローラ50においては、受信した消費金額を集計する。
なおパチンコ機10において、玉払出装置13から払い出されたパチンコ玉は、上皿に供給され、発射ハンドルの操作により遊技領域の内部に打ち込まれて、遊技が行われる。
次に図3及び図4を参照して、カードユニット20においてプリペイドカード5が受け付けられた場合の作用について説明する。以下では、まず図3を用いて通常処理について説明し、図4を用いて当該カードユニット20への電力の供給が停止したときの処理について説明する。
まず遊技場の営業時において、カードユニット20がプリペイドカード5を受け付けていない状態(初期状態)では、多機能ランプ31が緑で点灯しており、紙幣利用可ランプ23b及び硬貨利用可ランプ24bが点灯している(図3のS100)。この状態で、遊技者が遊技を行おうとして、所有するプリペイドカード5(カードIDとしてC−0001が記録されており、カード度数として10が記録されているものとする)をプリペイドカード挿入口27aから挿入すると、プリペイドカードR/W27がプリペイドカード5を受け付け(S110)、該受付に基づいて、カードR/W制御部25が、プリペイドカードを受け付けた旨と、貨幣を受け付け不可である旨を示す状態通知をユニット制御部22に送信する(S111)。
ユニット制御部22は、受信した状態通知に基づいてプリペイドカード5の受付を認識し、多機能ランプ31を青で点灯させることによりプリペイドカード5の受付を報知し、貨幣の受付を不可とすると共に、紙幣利用可ランプ23b及び硬貨利用可ランプ24bを消灯する(S112)。
またカードR/W制御部25は、プリペイドカードR/W27により、プリペイドカード5に記録されているカードIDとカード度数を読み取って(S113)、該読み取ったカードID(ここではC−0001)及びカード度数(ここでは10)と、当該カードユニット20を特定可能な装置IDを含む使用可否判定要求をシステムコントローラ用通信部28からシステムコントローラ50に送信する(S114)。
システムコントローラ50の制御部52は、通信部51が上記使用可否判定要求を受信したことに基づいて使用可否判定を行う(S115)。具体的には、該使用可否判定要求に含まれるカード度数(ここでは10)と、同含まれるカードIDと対応付けてカード度数DB(図1)で管理しているカード度数(ここでは10)とを照合して、照合OK(使用可否判定要求に含まれるカード度数とカード度数DBで管理しているカード度数とが一致する)であったときには、同使用可否判定要求に含まれる装置IDのカードユニット20に対してプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を通信部51より送信する(S116)。なお、照合NG(使用可否判定要求に含まれるカード度数とカード度数DBで管理しているカード度数とが一致しない)であるときには、プリペイドカード5が使用不可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報が上記使用可否判定要求に含まれる装置IDのカードユニット20に対して返信される。
カードユニット20においては、カードR/W制御部25が、システムコントローラ用通信部28によりプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信したことに基づいて、前記読み取ったカードID(ここではC−0001)及びカード度数(ここでは10)をユニット制御部22に送信する(S117)。ユニット制御部22においては受信したカード度数(ここでは10)をRAMに記憶し、受信したカードIDをEEPROM29に記憶する(S118)。ここで、ユニット制御部22は、RAMに記憶しているカード度数を残度数表示器14に表示する(S119)。ここで、玉貸ボタン15の操作の受付によりカード玉貸処理を行う状態となる。なお、使用不可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信したときには、カードR/W制御部25は、プリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5を排出する。
ここで玉貸ボタン15が押圧操作されて玉貸操作が受け付けられると(S130)、表示されているカード度数(=RAMに記憶されているカード度数)を使用して以下に説明するように玉貸処理(即ちカード玉貸処理)が行われる(S131)。以下カード玉貸処理について説明する。ユニット制御部22は、玉貸ボタン15の押圧操作を検出すると、前記現金玉貸処理の際と同様に、1度数に相当するパチンコ玉数である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信し、パチンコ機10は玉払出装置13から払出要求玉数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号をユニット制御部22に対して送信する。
該払出結果信号を受信したユニット制御部22は、前記払出要求信号に示される払出要求玉数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、RAMに記憶しているカード度数から1度数を減算して残度数表示器14に表示された残度数の表示を更新する。カードユニット20は、これら1度数分の玉貸処理を予め設定された玉貸単位度数分(例えば1〜5の範囲で設定される度数であり、ここでは5度数とする。)だけ繰り返し、該玉貸単位度数分の玉貸処理の終了に基づいて、玉貸終了信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信し、玉貸処理(カード玉貸処理)を終了する。このとき残度数表示器14では、減算後のカード度数(ここでは5)が表示される。
またカード玉貸処理の終了に伴い、ユニット制御部22が使用度数(ここでは玉貸単位度数であり5度数)と、EEPROM29に記憶しているカードIDをカードR/W制御部25に送信し(S132)、この使用度数及びカードIDが、装置IDと共にシステムコントローラ用通信部28からシステムコントローラ50に送信される(S133)。システムコントローラ50においては、制御部52が、通信部51により受信したカードIDと対応付けて前記カード度数DBで管理しているカード度数から受信した使用度数を減算し(S134)、該使用度数分の減算を行った旨を示す減算完了通知を、受信した装置IDのカードユニット20に送信する(S135)。カードR/W制御部25は、システムコントローラ用通信部28により減算完了通知を受信したことに基づいて、前記S132で受信した使用度数を減算した後のカード度数を、プリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5に記録して(S136)、該記録処理が終了した旨を示す記録終了通知をユニット制御部22に送信し(S137)、これを受信したユニット制御部22は再びカード玉貸処理が可能な状態となる。なお、プリペイドカード5のカード度数が0となったときには、カードR/W制御部25はプリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5を返却する。
なおパチンコ機10において、玉払出装置13から払い出されたパチンコ玉は、現金玉貸処理と同様に上皿に供給され、発射ハンドルの操作により遊技領域の内部に打ち込まれて、遊技が行われる。
またカード返却ボタン16が押圧操作されて返却操作が受け付けられると(S140)、残度数表示器14による度数の表示が中止され(S141)、ユニット制御部22からカードR/W制御部25に対してプリペイドカード5の返却を要求する返却要求が送信され(S142)、該カードR/W制御部25の制御によって、プリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5が排出されてプリペイドカード挿入口27aに返却され(S143)、該カードR/W制御部25からユニット制御部22に対して、プリペイドカード5の返却を完了した旨を示す返却完了通知が送信される(S144)と共に、プリペイドカード5の受付が可であり、貨幣の受付が可である旨を示す状態通知も送信される(S145)。この状態通知を受信したユニット制御部22の制御により、多機能ランプ31が緑点灯してプリペイドカード5を受付可能である旨が報知されると共に、紙幣利用可ランプ23b及び硬貨利用可ランプ24bが点灯されて貨幣を受付可能である旨が報知され(S146)、初期状態に戻る。
次に、システムコントローラ50からプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果を受信した後に、電断が発生したとき(図3に図示)のカードユニット20の作用について図4を用いて説明する。このときEEPROM29にはカードIDが記憶されている状態である。
電断が発生すると(S200)、前述したようにして電源基板30及びユニット制御部22により電断が検出され(S201)、ユニット制御部22がEEPROM29に電断が発生した旨を記録する。その後、電力の供給が復旧したときには、ユニット制御部22がEEPROM29に電断が発生した旨が記憶されていることを確認することによって該復旧を検出し(S202)、復旧検出に応じた所定の処理を行う。ここでは、ユニット制御部22は、プリペイドカード5及び貨幣の受付を不可とし、多機能ランプ31,紙幣利用可ランプ23b,及び硬貨利用可ランプ24bを消灯した状態とし(S203)、カードR/W制御部25に電力の供給が復旧した旨を示す起動通知を送信する(S204)。これを受信したカードR/W制御部25は、プリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5からカードIDとカード度数を読み取って(S205)、読み取ったカードIDをユニット制御部22に送信する(S206)。このカードIDを受信したユニット制御部22は、受信したカードIDとEEPROM29に記憶しているカードIDとの一致判定を行う(S207)。
ここで、ユニット制御部22が、カードIDが一致すると判定したときには、プリペイドカード5の返却要求をカードR/W制御部25に対して送信し(S211)、カードR/W制御部25はこれを受信したことによりプリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5を返却する(S212)。この返却に伴い、カードR/W制御部25はユニット制御部22に対して、返却完了通知を送信する(S213)と共に、プリペイドカード5の受付が可であり、貨幣の受付が可である旨を示す状態通知を送信する(S214)。この状態通知を受信したユニット制御部22の制御により、多機能ランプ31が緑点灯してプリペイドカード5を受付可能である旨が報知されると共に、紙幣利用可ランプ23b及び硬貨利用可ランプ24bが点灯されて貨幣を受付可能である旨が報知され(S215)、初期状態に戻る。
このように、電断前と電力の供給が復旧した後で、受け付けているプリペイドカード5のカードIDが一致したときにはプリペイドカード5を返却するので、不正の可能性の低い場合にまでプリペイドカード5が留保されることが無く、遊技場の売上げ低下を招くことが無い。さらに、カード玉貸処理を行うためには、プリペイドカード5を再度受け付けて使用可否判定要求を送信する必要が有るため、不正なプリペイドカード5の使用により遊技場に損害が発生することを防止することができる。
一方、S207におけるカードIDの一致判定において、受信したカードIDとEEPROM29に記憶しているカードIDとが一致しないと判定されたときには、ユニット制御部22はカードR/W制御部25に対してカードIDが一致しない旨を示すエラー通知を送信し(S221)、多機能ランプ31を赤で点滅させる(S222)。このように、電断前にEEPROM29に記憶していたカードIDと異なるカードIDが記録されたプリペイドカード5を留保している旨を報知するので、遊技場の店員は、不正行為が行われた可能性のあるカードユニット20を把握して迅速に対応することができる。
続けて、カードR/W制御部25は、エラー通知を受信すると、プリペイドカードR/W27にプリペイドカード5をロックする信号を送信し、これを受信したプリペイドカードR/W27は受け付けているプリペイドカード5をロックして留保する(S223)。なお、このときユニット制御部22は玉貸処理を行わない状態となっている。即ち、玉貸ボタン15の操作を無効として、玉貸ボタン15が操作されても玉貸処理を行わない。また、これと同様に、カード返却ボタン16についても操作を無効とし、カード返却ボタン16が操作されてもプリペイドカード5を返却しない。
このように電断前と電力の供給が復旧した後で、受け付けているプリペイドカード5のカードIDが一致しなければ該プリペイドカード5を返却せずにカードユニット20内部に留保するので、該カードユニット5に記録されたカード度数が使用されることが無く、電断を悪用したプリペイドカード5の差し替え等の不正により遊技場に損害が発生することを防止することができる。
なお、上記プリペイドカード5が留保されている状態で、遊技場の店員がリセットボタン32を操作すると(S230)、リセットボタン32が操作された旨を示すリセットパルスがカードR/W制御部25に送信される(S231)と共に、EEPROM29に記憶してあるカードIDが消去される(S232)。リセットパルスを受信したカードR/W制御部25は、プリペイドカードR/W27により留保されているプリペイドカード5のロックを解除し、該プリペイドカード5を返却する(S233)。返却されたプリペイドカード5は店員により回収されるので、不正の恐れのあるプリペイドカード5を証拠として確保し、検証することができる。
続けてカードR/W制御部25が、ユニット制御部22に対して、返却完了通知を送信し(S234)、プリペイドカード5の受付が可であり、貨幣の受付が可である旨を示す状態通知を送信する(S235)。この状態通知を受信したユニット制御部22の制御により、多機能ランプ31が緑点灯してプリペイドカード5を受付可能である旨が報知されると共に、紙幣利用可ランプ23b及び硬貨利用可ランプ24bが点灯されて貨幣を受付可能である旨が報知され(S236)、初期状態に戻る。
[2.第2実施形態に係るカードユニット20]
次に、図5を参照して、第2実施形態に係るカードユニット20について説明する。このカードユニット20は、第1実施形態と異なり、判定手段(ユニット制御部22)によりカードIDが一致していると判定されたときに、受け付けているプリペイドカード5を返却せずに、使用可否判定要求をシステムコントローラ50に対して再度送信するものであり、その他は第1実施形態と同様である。ここでは、図4のS207におけるカードIDの一致判定(電力の復旧後にプリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5から読みとったカードIDと、EEPROM29に記憶しているカードIDとが一致しているか否かの判定)により、一致していると判定されたときの作用について説明する。
このときユニット制御部22は、カードR/W制御部25に対して、使用可否判定要求をシステムコントローラ50に送信するよう指示する(S210’)と共に、多機能ランプ31を青で点灯させることによりプリペイドカード5の受付を報知する(S211’)。またカードR/W制御部25は、図4のS205で読み取ったカードIDとカード度数,及び当該カードユニット20の装置IDとを含む使用可否判定要求をシステムコントローラ用通信部32からシステムコントローラ50に再度送信する(S212’)。
システムコントローラの制御部52は、通信部51が上記使用可否判定要求を受信したことに基づいて使用可否判定を行う(S213’)。具体的には、該使用可否判定要求に含まれるカード度数と、同含まれるカードIDと対応付けてカード度数DB(図1)で管理されているカード度数とを照合して、照合OKであったときには、同使用可否判定要求に含まれる装置IDのカードユニット20に対してプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を通信部51より送信する(S214’)。
カードユニット20においては、カードR/W制御部25が、システムコントローラ用通信部28によりプリペイドカード5が使用可である旨の判定結果を示す使用可否判定結果情報を受信したことに基づいて、前記読み取ったカードID及びカード度数をユニット制御部22に送信する(S215’)。ユニット制御部22においては、受信したカード度数をRAMに記憶し、受信したカードIDをEEPROM29に記憶する(S216’)。なお、ここで記憶しようとするカードIDと同一のカードIDが既にEEPROM29には記憶されているため、カードID記憶処理は行わなくても良い。続けてユニット制御部22は、貨幣の受付を不可とすると共に、RAMに記憶しているカード度数を残度数表示器14に表示する(S217’)。ここで、前記図3のS130に示したように、玉貸ボタン15の操作を受付けてカード玉貸処理を行う状態となる。
このように、第2実施形態のカードユニット20では、電断前と電力の供給が復旧した後で、受け付けているプリペイドカード5のカードIDが一致したときには使用可否判定要求を再度送信するので、不正の可能性の低い場合にまでプリペイドカード5が留保されることが無く、遊技場の売上げ低下を招くことが無い一方、不正なプリペイドカード5の使用により遊技場に損害が発生することを防止することができる。さらに、第1実施形態のカードユニット20のようにプリペイドカード5を返却する場合に比べて、再度のプリペイドカード5を挿入する操作が必要無いので、遊技者の手間を省くことができる。
最後に、本発明に係る遊技用システム1の変形例について説明する。
上記の実施形態では、遊技機での遊技に使用できる有価価値の大きさがプリペイドカード5に記録されたカード度数である例について説明したが、これに限らず、前記有価価値の大きさはプリペイドカード5に記録された金額であっても良い。
上記の実施形態では、記録媒体が、遊技者が購入するプリペイドカード5である例について説明したが、これに限らず、記録媒体は会員登録を行った会員遊技者に対して発行される会員カードであっても良い。この場合には、記録媒体を個々に特定できる記録媒体特定情報は会員カードを個々に特定可能なカードIDでであっても良く、会員遊技者を個々に特定可能な会員IDでも良い。この会員カードに記録される前記有価価値の大きさはカード度数でも金額でも良い。
上記の実施形態では、遊技機が、パチンコ玉が外部に払い出される通常のパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えばパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,メダルやパチンコ玉が外部に払い出されるスロットマシンやパチロット,メダルが外部に払い出されることなく遊技可能なクレジット式のスロットマシン等であっても良く、さらにはパチンコ玉やメダル等を用いずにデータ等により遊技可能な遊技機,遊技盤やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良く、その種類や形態は特に限定されない。
上記の実施形態では、カードユニット20が、パチンコ機10との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りを行うことにより遊技媒体の貸与を行うCRユニットである例について説明したが、これに限らず、該カードユニットは、自ら玉払出装置を備えて遊技媒体の貸与を行うものでも良い。また上記の実施形態では、カードユニット20が、カード玉貸処理と現金玉貸処理を可能なものである例について説明したが、これに限らず、カード玉貸処理のみが可能なものでも良い。また、現金玉貸処理は貨幣の受付による玉貸処理に限らず、プリペイドカードを使用した玉貸処理であっても良い。
上記の実施形態では、現金玉貸処理において、使用可能な貨幣が1000円紙幣,100円硬貨,及び500円硬貨の3種類であり、入金金額が全額使用されて玉貸処理が行われる例について説明したが、これに限らず、2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣を使用可能としても良い。この場合は、入金金額が封入カード4に一旦記録された後、上記現金玉貸処理と異なり、遊技者が玉貸操作(例えば玉貸ボタンの操作等)を行うことによって、設定した玉貸単位度数に対応する金額分の玉貸処理が行われる。これにより遊技者は、高額紙幣しか持ち合わせていない場合でも、高額紙幣を入金して必要な分だけの玉貸を受けることができる。また、このとき玉貸に使用されなかった残額を精算カード(図示外)に記録して精算装置(図示外)に挿入することで残額が返却されるようにしても良い。
上記の実施形態では、有価価値の大きさを遊技機での遊技に使用させるための遊技使用処理がカード玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該遊技使用処理は、前記メダルを貸与するメダル貸出処理や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいて有価価値の大きさを遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
。
上記の実施形態では、遊技用装置(カードユニット20)において玉貸処理(カード玉貸処理,現金玉貸処理)が行われるときに、1度数に相当するパチンコ玉数(例えば消費税を考慮しないのであれば25個、消費税を考慮するのであれば消費税率に応じて24個,23個…等の、具体的な玉数)である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号がパチンコ機10に対して送信される例について説明したが、該玉貸処理は、例えば以下の変形例1又は変形例2に示す如く行われるようにしても良い。
まず変形例1として、パチンコ機10において、遊技用装置からの1回の払出要求に応じて払い出すパチンコ玉の数(以下「単位払出数」という。)を設定変更可能に構成すると共に、遊技用装置において、該設定された単位払出数を予め記憶可能に構成した場合には、以下のようにして玉貸処理を行う。まず遊技用装置は、玉貸ボタン15の操作をユニット制御部22により検出すると、パチンコ玉の払出を要求する払出要求信号(具体的な払出要求玉数は示さない信号)を払出制御基板12に対して送信する。該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、前記単位払出数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から単位払出数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号をユニット制御部22に対して送信する。該払出結果信号を受信した遊技用装置は、前記予め記憶している単位払出数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、前記1度数分の減算処理を行い、その後、前記玉貸設定度数分の玉貸処理を行う。
ここで払出結果玉数を示す払出結果信号は、パチンコ機10の払出制御基板12から出力されるようにしても良いし、払い出されたパチンコ玉の数を検出する図示しない払出検出センサから出力されるようにしても良い。また遊技用装置において予め記憶しておく単位払出数は、遊技場の管理装置(システムコントローラ50)で設定し、遊技用装置に配信して記憶するようにすれば良い。そして、例えば前記単位払出数と払出結果玉数との照合NGの場合に、遊技用装置を不能動化するように構成すれば、遊技場が実際の申告よりも小さい単位払出数をパチンコ機10において設定するような不正を防止できる。
また変形例2として、前記単位払出数が一定(例えば25個)である場合には、以下のようにして玉貸処理を行う。まず遊技用装置は、玉貸ボタン15の操作をユニット制御部22により検出すると、パチンコ玉の払出を要求する払出要求信号(具体的な払出要求玉数は示さない信号)を払出制御基板12に対して送信する。該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、玉払出装置13からパチンコ玉の払出が可能であるか否かを確認し、該確認結果が可能である場合には、玉貸準備信号をユニット制御部22に対して送信する。該玉貸準備信号を検出した遊技用装置は、玉貸指令信号を払出制御基板12に対して送信し、該玉貸指令信号を受信したパチンコ機10は、前記単位払出数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から単位払出数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、1度数分の玉貸処理の完了を示す玉貸完了信号をユニット制御部22に対して送信する。該払出結果信号を受信した遊技用装置は、前記1度数分の減算処理を行い、その後、前記玉貸設定度数分の玉貸処理を行う。
上記の実施形態では、遊技用装置であるカードユニット20が、現金玉貸処理を行う例について説明したが、これに限らず、現金玉貸処理を行なわず、記録媒体に記録された有価価値の大きさを使用するカード玉貸処理のみを行うようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技用装置への電力の供給が停止しても記憶内容を保持することができ、記録媒体処理手段により読み取った記録媒体特定情報を記憶する記録媒体特定情報記憶手段が不揮発性メモリであるEEPROM29である例について説明したが、これに限らず、該記録媒体特定情報記憶手段は、他の不揮発性メモリであっても良い。また、記録媒体特定情報記憶手段は、電断が発生しても記憶内容を保持可能に構成されているユニット制御部22のRAMであっても良い。例えば、前記RAMに対して電力を供給するためのバックアップ電源を電源基板30に設けておき、電源基板30が電断を検出したときには、バックアップ電源からRAMに電力を供給するようにしておく。これによれば、プリペイドカード5から読みとったカードIDをRAMに記憶しても、電断の発生により記憶内容が損なわれない。また、プリペイドカード5から読みとったカードIDをRAMやレジスタに記憶しておき、電源基板30が電断を検出したときに不揮発性メモリにカードIDを記憶するように構成しても良い。さらにRAM自体がFeRAM等のように不揮発性のメモリにより構成され、カードIDを記憶するものでも良い。
上記の実施形態では、電力供給監視手段であるユニット制御部22が、EEPROM29の記憶内容を参照して電断が発生した旨が記憶されていることを確認し、電力の供給が復旧したこと(電断が発生した後に電力が供給されたこと)を検出する例について説明したが、これに限らず、カードユニット20において正常終了(電源スイッチの操作等による通常の電力オフ)の際にはEEPROM29に記憶されているカードIDを消去するようにしておき、EEPROM29にカードIDが記憶されていることにより、電力の供給が復旧したことを検出するようにしても良い。
上記の実施形態では、記録媒体処理手段により受け付けている記録媒体を返却せずに遊技用装置内部に留保する留保手段がロック機構を備えるプリペイドカードR/W27であり、受け付けているプリペイドカード5をロックすることにより留保する例について説明したが、これに限らず、留保手段は、例えばプリペイドカードR/W27の奥(島側)に設けられているカードストッカでも良く、判定手段によりカードIDが一致しないと判定されたときにプリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5がローラによって搬送されカードストッカに留保されるようにしても良い。また、カード返却ボタン16が操作されてもユニット制御部22がその旨をカードR/W制御部25に通知せずプリペイドカード5が排出されない状態を留保としても良く、このとき留保手段はプリペイドカードR/W27である。
上記の実施形態では、留保報知手段が多機能ランプ31であり、記録媒体特定情報記憶手段により記憶している記録媒体特定情報と異なる記録媒体特定情報が記録された記録媒体を前記留保手段により留保している旨を、赤で点滅することにより報知する例について説明したが、これに限らず、例えば、カードユニット20にスピーカやディスプレイ等を設けてあるときには、これによって報知しても良い。また別のランプを設けて、これにより報知しても良く、前記留保している旨を遊技場の店員が認識することができる態様で報知すれば良い。
上記の実施形態では、判定手段(ユニット制御部22)の判定によって、記録媒体特定情報(カードID)が一致していると判定されたことを条件として、記録媒体処理手段(プリペイドカードR/W27)により受け付けている記録媒体(プリペイドカード5)を返却する第1実施形態に係る遊技用装置(カードユニット20)と、上記判定によって記録媒体特定情報(カードID)が一致していると判定されたことを条件として、使用可否判定要求を管理装置(システムコントローラ50)に対して再度送信する第2実施形態に係る遊技用装置(カードユニット20)とを別の実施形態として説明したが、遊技用装置(例えばカードユニット)においていずれかの処理方法を選択可能としても良い。即ち、上記第1実施形態に示した処理又は上記第2実施形態に示した処理のいずれかを設定可能であり、該設定に応じて処理を行う遊技用装置でも良い。また、この設定の入力(選択)は遊技場の管理装置等で行われ、入力結果(選択結果)がこれに接続される各遊技用装置に送信されて入力に応じた設定がなされるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技用装置(カードユニット20)において、ユニット制御部22とカードR/W制御部25が別々に設けられる例について説明したが、これに限らず、ユニット制御部22とカードR/W制御部25が一体であって、該一体の制御部により上記各構成要素(上記の実施形態においてユニット制御部22に接続される各構成要素及びカードR/W制御部25に接続される各構成要素)の制御を行うものであっても良い。
上記の実施形態では、プリペイドカード5のカード度数が0となったときには、プリペイドカードR/W27により受け付けているプリペイドカード5を返却する例について説明したが、これに限らず、プリペイドカード5のカード度数が0となったときには、遊技用装置(カードユニット)への入金を可能として、入金された金額に応じたカード度数をプリペイドカード5に記録するようにしても良い。このとき、2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣等の高額紙幣を入金(受付)可能としても良い。