JP3928222B2 - 画像信号撮像および記録装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カメラ一体型ディジタルVCRまたはディジタルディスクカメラなどのパノラマ撮影に関するものであり、特に素早く動かしても解像度が悪くならないようにした画像信号撮像および記録装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカメラ一体型ディジタルVCRを用いてパノラマ画像を得るためには、撮影領域を少しずつ移動させて記録を行い、撮影開始点から連続的にフィールド(又はフレーム)画像が得られるようにする。そして、記録されたフィールド画像に対して、位置的に隣接するフィールド画像の重複部分を抽出し、この重複部分に対して所定の演算を行なうことによって、それぞれのフィールド画像をシームレスに合成して、全体として1枚の静止画像を得るような画像処理を行なう。このような画像処理は、例えばパーソナルコンピュータによるソフトウェア処理により行なわれる。
【0003】
このような撮影方法を応用することで、カメラ一体型ディジタルVCRで以てパノラマ画像を得ることができる。撮影者は、カメラを水平方向に移動させながら撮影を行なう。例えば、撮影者の周囲360°を連続的に撮影する。得られた画像を、重複部分に適当な処理を加えながらフィールド毎に繋ぐことで、横長のパノラマ画像を得ることができる。この画像処理は、例えばパーソナルコンピュータ上のソフトウェアで行なうことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような撮影方法でパノラマ画像を得ようとする場合、カメラを録画モードにして方向をゆっくり変えてやれば少しずつ位置のずれた複数枚の画像を記録することができる。ところが、かなりゆっくり動かさないと次のような問題が出てくる。例えば、水平画素数640の画像をフィールド単位で5%の移動率(重複率は95%)で右に回転したとき、1/60秒で32画素移動する。シャッター速度が1/120秒なら16画素分のブレを生じ、解像度を著しく損なってしまう。
【0005】
ブレを最小限に抑えることで、この解像度の低下を避けることができる。しかしながら、上述の撮影条件で、例えばブレを1画素以内に抑えようとした場合、シャッター速度を16倍速にして1/1920秒以下にするか、移動率を1/60の0.3%以下にしてゆっくり回転させ撮影を行う方法が考えられる。
【0006】
これらの方法のうち、シャッター速度を速くすると感度が低下するため、かなり明るい被写体でないと撮影された画像が暗くなってしまい、使用に耐えないという問題点がある。また、移動率を0.3%/フィールドで撮影すると、水平画角40度ppの標準レンズでも360度のパノラマ画像を撮影するために、48秒もの時間がかかってしまうという問題点がある。
【0007】
撮影に要する時間t(秒)は、以下のようにして求めることができる。レンズの水平画角をah(deg pp)、CCDの水平画素数をnhとすると、1画素の角度ap(deg )は、
ap=ah/nh
となる。
【0008】
ここで、シャッターが開いている時間ts(秒)にne(=1)画素移動しても良いと仮定する。すなわち、水平方向に1画素分のブレを許すとする。この場合、1フィールド期間tf(秒)に移動しても良い角度af(deg )は、
af=ne×ap×tf/ts
となる。ただし、ts≦1/60である。
【0009】
ここで得られた角度afに基づき、1秒間に移動する角度a(deg )を求めると、
a=af/tf
となり、360(deg )変化に要する時間tは、
t=360/a
となる。これまでの式を整理すると、
T=360×ts×nh/(ah×ne)
となる。
【0010】
このとき、1フィールドの時間に移動する角度afの、画角ahに対する割合を移動率Km(%/フィールド)とすれば、
Km=af/ah=ne×tf/(nh×ts)
となる。したがって、重複率K(%/フィールド)は、
K=1−Km
として求められる。
【0011】
このようにして求められた各値の一覧を図6Aおよび図6Bに示す。なお、この一覧において、水平画素数nh=640、ブレの許容画素数ne=1、フィールド周期tf=16.666(msec)として計算が行われる。
【0012】
この図6Aおよび図6Bによると、例えば水平画角20度ppでシャッター速度1/100秒だと115秒(約2分)もかけないと解像度を損ねてしまうことになる。然も、このときの移動率Kmは、0.26%/フィールド、重複率Kは99.7%となる。このように、パノラマ撮影時にカメラを連続的に移動させて撮影するだけでは、非常に無駄な部分の多い撮影を行わなければならないという問題点があった。
【0013】
従って、この発明の目的は、パノラマ撮影時に撮像装置を素早く動かしても解像度が悪くならず、しかもシャッター速度を速くしなくても良い画像信号撮像および記録装置および方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、撮像装置を移動させながら複数枚の撮像画像を獲得し、複数枚の画像を合成することによって、パノラマ画像を生成するようにした画像信号撮像および記録装置において、光軸を変化させる光軸変化手段と、光軸変化手段を介して入射される映像を画像データへ変換する撮像素子を有し、パノラマ撮影時には、移動しながら撮影を行う撮像装置と、画像データを圧縮する圧縮手段と、圧縮された画像データを記録媒体に記録する記録手段と、パノラマ撮影時には、少なくとも撮像素子の電子シャッターが開いている間、撮像装置の移動を打ち消す方向に光軸を変化させ、電子シャッターが閉じている間、撮像装置の動きの略中心付近に光軸が戻るように光軸変化手段を制御する制御手段とからなることを特徴とする画像信号撮像および記録装置である。
【0015】
請求項10に記載の発明は、撮像装置を移動させながら複数枚の撮像画像を獲得し、複数枚の画像を合成することによって、パノラマ画像を生成するようにした画像信号撮像および記録方法において、光軸を変化させるステップと、パノラマ撮影時には、移動しながら撮影を行う撮像装置に含まれる撮像素子によって、入射される映像を画像データへ変換するステップと、画像データを圧縮するステップと、圧縮された画像データを記録媒体に記録するステップと、パノラマ撮影時には、少なくとも撮像素子の電子シャッターが開いている間、撮像装置の移動を打ち消す方向に光軸を変化させ、電子シャッターが閉じている間、撮像装置の動きの略中心付近に光軸が戻るように光軸を制御するステップとからなることを特徴とする画像信号撮像および記録方法である。
【0016】
パノラマ画像を撮影する場合、カメラ一体型ディジタルVCRを回転させる方向と逆方向に光軸可変素子を変化させ、光軸がリニアに移動している間にシャッターを開放し、シャッターが閉じている間に速やかに光軸を元に戻す動作を繰り返すようにして撮影する。すなわち、シャッター開放時間の間、被写体に対してCCDを静止させることができるので、カメラを素早く動かしても解像度が悪くならず、シャッター速度を速くしなくても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明が適用されたカメラ一体型ディジタルVCRの一実施形態のブロック図を示す。図1において、光軸可変素子11は、例えばアクティブプリズム方式またはミラーブロック方式のものが用いられ、ドライバ21によって制御される。レンズ系12は、アイリス、フォーカス、ズームなどの光学系の調節を行なうことができる。これらの調節は、レンズ系駆動回路22によってそれぞれ制御される。この制御は、後述するシステムコントローラ28の制御に基づき自動で行なわれる。光学系の調節は、これに限らず手動で以て行なうことも可能である。この制御に基づき、レンズ系駆動回路22から制御情報が出力される。この例では、アイリス、フォーカス、ズームのそれぞれの値が出力される。この制御情報は、システムコントローラ28および記録媒体15に供給される。
【0018】
光軸可変素子11、レンズ系12を介して被写体画像がCCD(Charge Coupled Device) 13に照射される。照射された被写体画像は、CCD13によって電気信号に変換される。なお、図示しないが、CCD13は、所定の信号処理回路を有し、この変換された電気信号をさらにディジタル画像データに変換して出力する。CCD13の画素数が動画領域の画像サイズに対応する。CCD13からは、フィールドのタイミングで画像データが出力される。
【0019】
CCD13の出力は、スイッチ17のREC端子に供給されると共に、圧縮回路14に供給される。圧縮回路14に対して動き検出回路24が結合される。この動き検出回路24は、時系列的に隣接するフィールド間の画像データを比較することで動きベクトルを求め、それにより画像データの動き検出を行なう。圧縮回路14では、この動きベクトルならびにDCT(Discrete Cosine Transform)などを用いて、供給された画像データの圧縮を行なう。動き検出回路24の出力は、混合(MIX)回路23に供給される。混合回路23では、後述する角速度センサ25からの動き情報と、動き検出回路24の出力とを混合させ、その混合結果がドライバ21および記録媒体15へ供給される。
【0020】
記録媒体15では、圧縮回路14からの圧縮画像データと、レンズ系駆動回路22からの制御情報と、混合回路23からの混合結果とが供給され、圧縮画像データ毎に制御情報と混合結果とがサブコードデータとして記録される。この記録媒体15は、ディジタル信号を記録可能な記録媒体であれば、どのような記録媒体でも良く、例えばハードディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、MD(Mini Disk )、半導体メモリ、磁気テープといった記録媒体を用いることができる。この記録媒体15から読み出された圧縮画像データおよびサブコードデータは、伸長回路16へ供給される。
【0021】
伸長回路16では、記録時に圧縮画像データに対して施された圧縮符号化が解かれ、再生画像データとされ出力される。伸長回路16から出力される再生画像データがスイッチ17のPB端子に供給される。データ出力端子20には、記録媒体15から取り出されたサブコードデータが導出される。
【0022】
なお、撮影時(記録時)には、スイッチ17において端子RECを選択することによって、CCD13で撮影中の画像をビューファインダ18に対して表示させることができる。また、この画像は、ビデオ出力端子19に対して導出させ、外部のビデオモニタなどで表示させることもできる。
【0023】
再生時には、このスイッチ17においてPB端子が選択され、再生画像データがビデオ出力端子19に対して導出される。また、それと共に、再生画像データは、ビューファインダ18に供給される。再生時にスイッチ17でPB端子を選択することによって、記録媒体15からの再生画像をビューファインダ18に表示させることができる。
【0024】
なお、システムコントローラ28は、CPUおよびRAMやROMなどから構成され、このカメラ一体型ディジタルVCRの動作を制御する。キー入力部27には、このカメラ一体型ディジタルVCRの種々の設定を行なうスイッチと共に、パノラマ撮影のON/OFFを切り替えるためのスイッチが設けられる。これら各種設定キーによる設定情報がキー入力部27からシステムコントローラ28に対して供給され、例えばRAMに記憶される。また、このシステムコントローラ28は、図示しないが、所定の時間を設定することが可能なタイマを有する。
【0025】
このカメラ一体型ディジタルVCRに対して、例えばジャイロセンサからなる角速度センサ25が設けられる。この角速度センサ25には、カメラ一体型ディジタルVCRに搭載されている、所謂手振れ防止機能のためのセンサを用いることができる。角速度センサ25の出力を積分回路26で積分して動き情報を得る。この積分回路26では、平均的な動きが生成される。すなわち、積分回路26は、細かい動きを抑えて、動き情報を生成する。この動き情報は、混合回路23に対して供給される。
【0026】
角速度センサ25の出力を動き情報として用いることで、平坦な被写体を撮影する際や、画像や暗がりでの撮影時などのような、動き検出回路24がうまく働かないような場合でも、撮影画像の相対的な位置を知ることができる。なお、この角速度センサ25並びに積分回路26は、省略可能である。
【0027】
この図1に示される例において、動き検出回路24からの出力と角速度センサ25からの出力とを適宜切り替えるようにすることも可能である。すなわち、被写体の平坦部分などで動き検出回路24による動きベクトルが正しく得られない場合には、角速度センサ25の出力に基づく動き情報を使用し、動き検出回路24によって正しく動き情報が得られる場合には、より精度の高い、動き検出回路24の出力を使用する。この切り替えは、手動によって行なわれる。また、これに限らず、例えば画像データのパターン検出を行なうことで、自動切り替えとすることも可能である。
【0028】
なお、このように撮影され記録された画像データは、再生され、所定の画像処理を行なうための機器、例えば対応する画像処理ソフトウェアが搭載されたパーソナルコンピュータに供給される。また、この画像データの供給と共に、データ出力端子20からサブコードデータが出力される。このサブコードデータも、画像データと共に、パーソナルコンピュータに対して供給される。供給された画像データに対して、画像処理ソフトウェアによってシームレスな合成処理が行なわれ、パノラマ画像を得ることができる。このとき、サブコードデータとして供給された、動き情報やズーム、アイリス、フォーカスといった各種撮影情報などを用いることで、より精度の高い合成処理を行なうことができる。
【0029】
例えば、サブコードデータに含まれる動き情報に基づき各フィールドの画像データの位置関係を知ることができる。これにより、各フィールド画像データ間の重複部分が求められ、この重複部分に対して所定の演算を行なうことによって、各フィールド画像データの合成を自動的に行なうことができる。また、サブコードデータに含まれる、ズーム、アイリス、フォーカスといった光学系の各種情報に基づき、画像補正を行ない、各フィールド画像データを均質にした上での静止画の合成を、自動的に行なうことが可能とされる。
【0030】
例えば、ズーム情報に基づき、フィールド画像データの平面への変換や、円筒面、球面への変換を行なうことができる。また、アイリス情報に基づき、各フィールド画像データの明度補正を行なうことができる。さらに、同じ撮影領域内でもフォーカスの異なるフィールド画像データが得られることがある。フォーカス情報に基づき、最も鮮明なフィールド画像データを画素単位で選択することが可能とされ、これにより焦点深度の深い画像を得ることができる。
【0031】
このような構成を有するカメラ一体型ディジタルVCRを用いて、撮影者は、キー入力部27に設けられた、パノラマ撮影ON/OFFの設定スイッチをONとして、パノラマ撮影を開始する。そして、レンズ系12を被写体の一部に向けて一瞬静止し、次に例えば50%重複した2番目の部分に向けて一瞬静止し、この動作を繰り返して被写体の前部を複数の画像に分けて記録する。このように、ゆっくり右に回転しながら連続する複数の画像データが記録され、その記録された画像データを再生して、例えば上述したような所定の画像処理ソフトウェアが搭載されたパーソナルコンピュータに転送して、シームレス処理を行なうことで、1枚のパノラマ画像を完成させることができる。
【0032】
シームレス処理を行いパノラマ画像を生成するために必要なパラメータの一例を以下に示す。
1)ズーム倍率または水平画角
2)アスペクト比
3)オートフォーカス値
4)オートアイリス値
5)角速度センサによる光軸の方向を示す情報
6)光軸可変素子の方向を示す情報
7)圧縮時の動き検出データ
a)上下左右の平均的な移動量
b)画像平面内の回転
c)画像の拡大率(被写体との角度の関係により、上の横倍率と下の横倍率が異なる場合がある。同様に左の縦倍率と右の縦倍率が異なる場合がある。)
8)撮像時刻(フィールド周期またはフレーム周期が一定でないとき)
これらは圧縮時の大量の動き検出データから得られる僅かな量のデータであり、これを圧縮画像データに含めてサブコードデータとして、記録媒体に記録する。
【0033】
1)ズーム倍率または水平画角
2)アスペクト比
3)オートフォーカス値
4)オートアイリス値
5)角加速度センサによる光軸の方向を示す情報
6)光軸可変素子の方向を示す情報
7)圧縮時の動き検出データ
a)上下左右の平均的な移動量
b)画像平面内の回転
c)画像の拡大率(被写体との角度の関係により、上の横倍率と下の横倍率が異なる場合がある。同様に左の縦倍率と右の縦倍率が異なる場合がある。)
8)撮像時刻(フィールド周期またはフレーム周期が一定でないとき)
これらは圧縮時の大量の動き検出データから得られる僅かな量のデータであり、これを圧縮画像データに含めてサブコードデータとして、記録媒体に記録する。
【0034】
このように、パノラマ画像を撮影するためには、上述した図4Aおよび図4Bに依れば、例えば水平画角20度ppでシャッター速度1/100秒だと115秒(約2分)かかる。このときの稼働率は0.26%/フィールドであり、角速度は、
20×0.26/100=0.052度/フィールド
となり、あまりにも小さい値である。
【0035】
そこで、5秒で360度回転して撮ることを考える。すると角速度は、
0.052×115/5=1.2度/フィールド
となる。
【0036】
このときの移動角と時間(フィールド)との関係を図3に示す。カメラ一体型ディジタルVCRの角速度を図3Aの線aに示す。この線aの角速度を角速度センサ25などを使って検出し、その検出結果に基づいて光軸可変素子11の光軸が図3Bの線bのように1.2(deg)の間で逆方向に制御される。この結果、図3Aの線cに示すように、シャッター開放時間SONの間、被写体に対してCCDを静止させることができる。すなわち、光軸は、シャッター開放時間SONの10(msec)の間、リニアに移動し、シャッターが閉じているSOFFの6.67(msec)の間、速やかに次のフィールドの光軸の略中心付近に戻る動作を繰り返す。もし、光量が十分でシャッター速度を速くできるとき、すなわちシャッター開放時間SONを短くできるときは、図3Cの線dに示すようにすることによって、光軸可変素子11の変化幅を狭くすることができる。
【0037】
上述したように、カメラが回転する速度(角速度)の検出精度を上げるため、画像のフィールド間の動き検出の結果を使う。こうすれば、1フィールド前後の平均移動速度がピクセル単位で得られる。ただし、平均値しか得られないためシャッター開放時間SON内にリニアな変化以外(2次、3次の変化)の成分があると補正できない。また、画像が平坦な場合には正しい動き検出ができないので角速度センサを併用する。
【0038】
上述したように、カメラが回転する速度(角速度)の検出精度を上げるため、画像のフィールド間の動き検出の結果を使う。こうすれば、1フィールド前後の平均移動速度がピクセル単位で得られる。ただし、平均値しか得られないためシャッター開放時間SON内にリニアな変化以外(2次、3次の変化)の成分があると補正できない。また、画像が平坦な場合には正しい動き検出ができないので角加速度センサを併用する。
【0039】
ここで、上述した光軸可変素子11の一例として、アクティブプリズムの概略図を図4に示し、簡単に説明する。このアクティブプリズムは、前面ガラス31と後面ガラス32の間を蛇腹33でつないだものである。この2枚のガラスの間に高屈折率の液体34が封入されている。2枚のガラスには、それぞれ縦と横に、回転軸を設け、自由に動作するようにしたものである。このアクティブプリズムを光軸可変素子11として使用することによって、光軸が縦と横に曲げられる。
【0040】
このときの液体34は、
(1)前面ガラス31および後面ガラス32と屈折率nが近い物質
(2)カメラの動作温度範囲で凍結などの異常が生じない物質
(3)万一破損し、液体34が流出しても人体には無害な物質
この3つの条件を満たす必要がある。
【0041】
アクティブプリズムの動作を簡単に説明する。前面ガラス31は、例えば水平の軸で保持され、後面ガラス32は、例えば垂直の軸で保持され、それぞれ軸のまわりを独立に回転できる。回転軸には、可動コイルを取り付けた。コイルに流れる電流によって回転角(頂角)を決められる。例えば、手振れによって、カメラが上を向いたとき、図4Aに示すアクティブプリズムの状態から図4Bに示すアクティブプリズムの状態へ変化する。
【0042】
具体的には、図4Aに示すように、2枚のガラス板が平行なときには、アクティブプリズムに入射した光線は直進する。ここで、手振れが発生し、2枚のガラス板が平行位置からある角度だけ回転したとすると、アクティブプリズム内部の屈折率nにより、入射した光線が出射するときには、図4Bに示すように、屈折する。
【0043】
また、光軸可変素子11の他の例として、2軸可動ミラーからなるミラーブロックの構造の一例を図5に示す。41は、平面鏡であり、その平面鏡41の左右に回転軸42があり、可動フレーム43の軸受けを中心として回転することができる。平面鏡41の上下にコイル44が固定されている。このコイルの左右にマグネット系45が可動フレーム43に固定されていて磁力線がコイル44をよぎるように配置されている。コイル44に電流を流すと平面鏡41を上に向けたり、下に向けたりすることができる。すなわち、緯度の制御ができる。
【0044】
可動フレーム43の上下に回転軸46があり、固定フレーム47の軸受けを中心として回転することができる。また、可動フレーム43の左右にコイル48が固定されている。このコイル48の上下にマグネット系49が固定フレーム47に固定されていて磁力線がコイル48をよぎるように配置されている。コイル48に電流を流すと平面鏡41を左に向けたり、右に向けたりすることができる。すなわち、経度の制御ができる。
【0045】
この一実施形態では、毎フィールド記録する動画モードであったが、自動シャッターで記録する動画モードとしても良い。この自動シャッターは、静止画の連続撮影のときには毎フィールド記録する必要はなく、適当な重複領域さえ確保できれば時々記録するだけで良い。そこで重複領域が適当な値になったことを検出して記録するようにすることによって、自動シャッターが可能となる。それには圧縮時の動き検出データから上下左右の平均的な移動量のベクトルを毎フィールド求め、その累計が予め設定した値を超えたとき、そのフレームを記録するようにすれば良い。同時に累計を0に初期化しておけば次々と勝手に記録が続いて行く。また、フレーム毎に記録するようにしても良い。
【0046】
この一実施形態では、動画用のカメラ一体型ディジタルVCRを用いて説明したが、ディジタルスチルカメラ、ディジタルディスクカメラなどを用いても可能である。すなわち、撮像装置の撮影領域を縦横に動かしながら複数の画像を記録し、記録された複数の画像を合成することにより、1回の撮影により得られる画像よりも広い範囲の静止画像を得ることができるものであれば、記録媒体は、どのようなものを用いても良い。例えば、テープ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどどのような記録媒体を用いても同様の作用、効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
この発明に依れば、解像度を低下させずにパノラマ画像が素早く撮影でき、しかもシャッター速度を速くしなくても良いので暗い被写体でも撮影することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカメラ一体型ディジタルVCRの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】この発明が適用された1フィールドに移動する角度、移動率および重複率を計算した結果を示したものである。
【図3】この発明のカメラ一体型ディジタルVCRのカメラの移動角と、光軸の変化を示したグラフである。
【図4】この発明に適用されるアクティブプリズムの一例を説明するための略線図である。
【図5】この発明に適用される2軸可動ミラーからなるミラーブロックの一例を説明するための略線図である。
【図6】手振れを少なくするようにパノラマ画像の撮影を行なった際の、撮影に要する時間および移動率,重複率を計算した結果を示したものである。
【符号の説明】
11・・・光軸可変素子、12・・・レンズ系、13・・・CCD、14・・・圧縮回路、15・・・記録媒体、16・・・伸長回路、17・・・スイッチ、18・・・ビューファインダ、21・・・ドライバ、22・・・レンズ系駆動回路、23・・・混合回路、24・・・動き検出回路、25・・・角速度センサ、26・・・積分回路、27・・・キー入力部、28・・・システムコントローラ
Claims (10)
- 撮像装置を移動させながら複数枚の撮像画像を獲得し、上記複数枚の画像を合成することによって、パノラマ画像を生成するようにした画像信号撮像および記録装置において、
光軸を変化させる光軸変化手段と、
上記光軸変化手段を介して入射される映像を画像データへ変換する撮像素子を有し、パノラマ撮影時には、移動しながら撮影を行う撮像装置と、
上記画像データを圧縮する圧縮手段と、
圧縮された上記画像データを記録媒体に記録する記録手段と、
パノラマ撮影時には、少なくとも上記撮像素子の電子シャッターが開いている間、上記撮像装置の移動を打ち消す方向に上記光軸を変化させ、
上記電子シャッターが閉じている間、上記撮像装置の動きの略中心付近に上記光軸が戻るように上記光軸変化手段を制御する制御手段と
からなることを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項1において、
パノラマ撮影用のオン/オフキーとを設けたことを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項1において、
角速度センサを設け、
上記角速度センサからの信号を積分して上記撮像装置の回転角度を算出し、
算出された上記回転角度に応じて上記光軸の変化量を制御するようにしたことを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項1において、
上記撮像装置で撮像された隣り合う画像の動き成分を検出する動き検出手段を設け、
検出された上記動き成分に応じて上記光軸の変化量を制御するようにしたことを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項1において、
角速度センサと、
上記撮像装置で撮像された隣り合う画像の動き成分を検出する動き検出手段を設け、
上記角速度センサからの信号を積分して上記撮像装置の回転角度を算出し、
算出された上記回転角度と、上記動き成分とを用いて上記光軸の変化量を制御するようにしたことを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項1において、
上記記録媒体に圧縮された上記画像データを記録するときに、圧縮された上記画像データと共に、サブコードデータとして記録モードを示すデータや各種パラメータを記録するようにしたことを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項6において、
上記サブコードデータのうちシームレス画像合成時に必要なものを圧縮された上記画像データ内に含めるようにしたことを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項1において、
上記圧縮手段において検出された動き成分から、上下左右の平均的な移動量、画像平面内の回転および/または画像の拡大率を求め、上記上下左右の平均的な移動量、画像平面内の回転および/または画像の拡大率を圧縮された上記画像データに含めて記録することを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 請求項8において、
上記画像の拡大率は、上の横倍率、下の横倍率、左の縦倍率および/または右の縦倍率とすることを特徴とする画像信号撮像および記録装置。 - 撮像装置を移動させながら複数枚の撮像画像を獲得し、上記複数枚の画像を合成することによって、パノラマ画像を生成するようにした画像信号撮像および記録方法において、
光軸を変化させるステップと、
パノラマ撮影時には、移動しながら撮影を行う撮像装置に含まれる撮像素子によって、入射される映像を画像データへ変換するステップと、
上記画像データを圧縮するステップと、
圧縮された上記画像データを記録媒体に記録するステップと、
パノラマ撮影時には、少なくとも上記撮像素子の電子シャッターが開いている間、上記撮像装置の移動を打ち消す方向に上記光軸を変化させ、
上記電子シャッターが閉じている間、上記撮像装置の動きの略中心付近に上記光軸が戻るように上記光軸を制御するステップと
からなることを特徴とする画像信号撮像および記録方法。
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