JP3926461B2 - Paint composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として屋内・屋外における樹脂成型品;自動車のボディ;階段、床、家具等の木工製品;メッキ、蒸着、スパッタリング等の処理が施されたアルミホイール、ドアミラー等の製品;レンジフード、台所用キッチンパネル、ステンレスシンク、浴槽等の金属製品;窯業系壁材、玄関床等の無機建材等、特に耐擦傷性が要求される分野で用いられる塗料組成物に関するものである。
【0002】
【発明の背景及び従来の技術】
ポリカーボネート、アクリル板等の樹脂成型品は、硬度、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性等の諸物性に欠けるため、これらの物性を補うために通常は表面処理が施される。かかる表面処理としては、メッキ、蒸着、スパッタリングのごとき金属鏡面処理があるが、該金属鏡面処理を行った場合、該処理膜には傷が付きやすく、付いた傷は目立ちやすい。
【0003】
また、レンジフード、台所用キッチンパネル、ステンレスシンク、浴槽等は汚れや傷が付きやすく、階段、床、家具等の木工製品においても擦り傷が非常に付きやすい。一方、自動車用トップコートについても、近年では新車時の塗装外観を長期間保持するよう高耐久化指向が強まってきているため、洗車機や砂塵等によっても傷の付かない耐擦傷性が求められている。
【0004】
耐擦傷性を有する塗料としては、従来より、紫外線(UV)硬化型塗料、電子線エネルギー(EB)硬化型塗料、シリカ系ハードコート剤や、2液型アクリルウレタン系軟質塗料等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記UV硬化型塗料、EB硬化型塗料、シリカ系ハードコート剤では、高硬度にするための硬質モノマーの使用や、架橋密度を高めることによる硬化収縮時の歪みの増大により、素材への密着性が低下したり、クラックが発生するという問題が生じやすい。
【0006】
一方、上記2液型アクリルウレタン系軟質塗料は、チッピング、クラックの問題はないが、タック感が残る場合が多く、耐候性、耐汚染性に劣るという欠点を有する。このタック感の改善を図るために、該2液型アクリルウレタン系軟質塗料にポリジメチルシロキサンオイルを添加することが考えられるが、耐汚染性を向上させることはできず、また基材に対する密着性が低下するといった問題が生じる。
【0007】
従って、本発明の課題は、優れた耐擦傷性を有するとともに、チッピング、クラック等が発生せず、耐候性、耐汚染性、密着性等にも優れた塗料組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ポリジメチルシロキサン部分とビニル重合体鎖部分とを有するポリジメチルシロキサン系共重合体と、カプロラクトン成分と、シロキサン成分とを含有することを特徴とする塗料組成物を提供するものであり、更に上記塗料組成物と、ウレタン架橋剤及び/又はメラミン架橋剤とを含むことを特徴とする塗料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗料組成物は、ポリジメチルシロキサン部分とビニル重合体鎖部分とを有するポリジメチルシロキサン系共重合体(A)と、カプロラクトン成分(B)と、シロキサン成分(C)とを必須成分とする。
【0010】
(A)ポリジメチルシロキサン系共重合体
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(A)は、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有する共重合体であり、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
【0011】
ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体の合成は、(1) リビング重合法、(2) 高分子開始剤法又は(3) 高分子連鎖移動法等によって行うことができるが、工業的には、(2) 高分子開始剤法又は(3) 高分子連鎖移動法によって行うのが好ましい。
【0012】
(2) 高分子開始剤法では、例えば、
【化1】
のごとき高分子アゾ系ラジカル重合開始剤を使用してビニルモノマーと共重合させることにより、効率よくブロック共重合体を合成することができる。また、ペルオキシモノマーと不飽和基を有するポリジメチルシロキサンとを低温で共重合させて、過酸化物基を側鎖に導入したプレポリマーを合成し、該プレポリマーをビニルモノマーと共重合させる二段階の重合を行うこともできる。
【0013】
(3) 高分子連鎖移動法では、例えば、
【化2】
のごときシリコーンオイルに、HS−CH2COOHや、
HS−CH2CH2COOH等を付加してSH基を有するシリコーン化合物とした後、該SH基の連鎖移動を利用して該シリコーン化合物とビニルモノマーとを共重合させることにより、ブロック共重合体を合成することができる。
【0014】
一方、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体については、例えば、
【化3】
のごときポリジメチルシロキサンのメタクリルエステル等とビニルモノマーとを共重合させることにより、容易にかつ収率良くグラフト共重合体を合成することができる。
【0015】
ポリジメチルシロキサンとの共重合体に用いられるビニルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のOH基を有するビニルモノマーを用いることもできるし、カージュラEとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等との反応物を用いることもできる。
なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
【0016】
(B)カプロラクトン成分
本発明におけるカプロラクトン成分(B)としては、例えば、
【化4】
のごとき2官能カプロラクトンジオール類や、
【化5】
のごとき3官能カプロラクトントリオール類、その他4官能カプロラクトンポリオール等を使用することができる。
カプロラクトン成分(B)をポリジメチルシロキサン系共重合体(A)の骨格に導入する場合には、ラクトン変成ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類を使用するのが好ましく、例えば、
【化6】
の構造式で示されるラジカル重合性カプロラクトンが挙げられる。
【0017】
(C)シロキサン成分
本発明におけるシロキサン成分(C)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、または該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物を付加させたもの等を使用することができる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
該シロキサン成分(C)は、得られる塗料組成物に耐熱性、耐汚染性等を付与し、塗膜の表面硬度を向上させるのに重要な役割を果たす。
【0018】
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(A)は、通常溶液重合によって製造される。この溶液重合では、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤などが単独又は混合溶剤として用いられ、所望により、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性の重合開始剤が用いられる。
上記溶液重合の反応温度は、50〜150 ℃であるのが好ましく、反応時間は、3〜12時間であるのが好ましい。
【0019】
なお、上記ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)の骨格中にカプロラクトン成分(B)及び/又はシロキサン成分(C)を導入する場合には、該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)を重合する際に該カプロラクトン成分(B)及び/又はシロキサン成分(C)を添加して共重合すればよい。
【0020】
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(A)中のポリジメチルシロキサン部分の量は、1〜30重量%であるのが好ましく、特に1〜20重量%であるのが好ましい。このポリジメチルシロキサン部分は、塗膜表面に潤滑性を与え、摩擦係数を低くすることにより、耐擦傷性を付与する働きを有するが、該ポリジメチルシロキサン部分の量が1重量%未満ではかかる効果が十分に発揮されず、一方、該ポリジメチルシロキサン部分の量が30重量%を超えると、塗膜の耐汚染性が低下する。
該ポリジメチルシロキサン部分の分子量は、1000〜30000 程度であるのが好ましく、効果的に塗膜表面に配向し、潤滑性を与える分子量としては、特に5000〜20000 程度であるのが好ましい。
【0021】
本発明におけるカプロラクトン成分(B)は、塗料固形分中5〜50重量%であるのが好ましい。このカプロラクトン成分(B)は、塗膜に対して高い反撥弾性と良好な密着性を付与し、擦過力が及ぼされると、該擦過力をエネルギー弾性変形により吸収する働きを有するが、該カプロラクトン成分(B)の量が5重量%未満では、塗膜の耐擦傷性及び耐チッピング性が低下し、一方、該カプロラクトン成分(B)の量が50重量%を超えると、塗膜の耐汚染性が低下する。
【0022】
本発明におけるシロキサン成分(C)は、塗料固形分中1〜20重量%であるのが好ましい。このシロキサン成分(C)は、塗膜に対して耐汚染性、耐候性、耐熱性を付与するとともに塗膜の表面硬度を向上させる働きを有するが、該シロキサン成分(C)の量が1重量%未満ではかかる効果が十分に発揮されず、一方、該シロキサン成分(C)の量が20重量%を超えると、塗膜の耐擦傷性が低下する。
【0023】
本発明の塗料組成物を硬化させるには、上記ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をウレタン架橋及び/又はメラミン架橋するのが好ましい。
該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をウレタン架橋するには、OH基を有する該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)に対して、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤を使用することができる。
一方、該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をメラミン架橋するには、アルコキシメチロールメラミン等のメラミン架橋剤を使用することができる。
【0024】
本発明の塗料組成物を硬化させて得られる塗膜は、各種素材への密着性に優れるとともに、所定の表面硬度を保持し、耐擦傷性、更には擦傷が発生した場合の自己治癒性にも優れる。また、この塗膜は、耐汚染性、耐候性、耐熱性等にも優れている。
かかる塗料組成物は、屋内・屋外における樹脂成型品;自動車のボディ;階段、床、家具等の木工製品;メッキ、蒸着、スパッタリング等の処理が施されたアルミホイール、ドアミラー等の製品;レンジフード、台所用キッチンパネル、ステンレスシンク、浴槽等の金属製品;窯業系壁材、玄関床等の無機建材等、特に耐擦傷性が要求される分野で用いられる塗料として好適である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔合成例1〕
シロキサン成分Aの合成
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500 ml容のフラスコに、エタノール106 重量部(以下、単に「部」という。)、テトラエトキシシラン320 部、脱イオン水21部及び1%塩酸1部を仕込み、85℃にて2時間保持した後、昇温しながらエタノールを回収し、180 ℃で30分保持した。その後冷却し、粘調なシロキサン成分A(外部添加用)を得た。
【0026】
〔合成例2〕
シロキサン成分Bの合成
合成例1と同様にして、エタノール106 部、メチルトリメトキシシラン270 部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシラン23部、脱イオン水100 部、1%塩酸1部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1 部を仕込み、シロキサンを合成した。これをメチルイソブチルケトンにより50%に調整し、シロキサン成分B(共重合用)とした。
【0027】
〔合成例3〕
シロキサン成分Cの合成
合成例1と同様の設備を使用して、オルガノシリカゾル(分散媒:メチルイソブチルケトン,固形分:30%)100 部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシラン1.5 部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.01部及びギ酸0.01部を仕込み、80℃で3時間反応させ、シロキサン成分C(共重合用)を得た。
【0028】
〔合成例4〕
ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体Dの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部、メチルイソブチルケトン50部、ポリジメチルシロキサン系高分子重合開始剤(和光純薬株式会社製,VPS-0501)20部、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、メタクリル酸1部及び1−チオグリセリン0.5 部を仕込み、80℃で8時間反応させ、ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体Dを得た。得られたブロック共重合体Dは、固形分50%、粘度X(ガードナーホルツ)であった。
【0029】
〔合成例5〕
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Eの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及びメチルイソブチルケトン50部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、メタクリル酸1部及び片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製,ABN-E )1部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に3時間かけて滴下した。その後6時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Eを得た。得られたグラフト共重合体Eは、固形分50%、粘度W(ガードナーホルツ)であった。
【0030】
〔合成例6〕
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Fの合成
モノマー組成をメタクリル酸メチル20部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、シロキサン成分B10部、メタクリル酸1部及び片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部とした以外、合成例5と同様の方法でポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Fを合成した。得られたグラフト共重合体Fは、固形分50%、粘度U(ガードナーホルツ)であった。
【0031】
〔合成例7〕
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Gの合成
シロキサン成分Bの代わりにシロキサン成分Cを使用する以外、合成例6と同様の方法でポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Gを合成した。得られたグラフト共重合体Gは、固形分50%、粘度T(ガードナーホルツ)であった。
【0032】
〔合成例8〕
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Hの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及びメチルイソブチルケトン50部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル27部、カプロラクトンメタクリルエステル(ダイセル化学工業製,プラクセルFM-5)35部、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート17部、メタクリル酸1部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製,ABN-E )1部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に2時間かけて滴下した。その後6時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Hを得た。得られたグラフト共重合体Hは、固形分50%、粘度Y(ガードナーホルツ)であった。
【0033】
以上のポリジメチルシロキサン系ブロック及びグラフト共重合体D〜Hの構成成分を表1に示す。
【表1】
【0034】
〔実施例1〕
合成例4で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体D75部、合成例1で得られたシロキサン成分A10部及びカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業株式会社製,プラクセル308 ,分子量:850 ,OH価(KOHmg/g):195 )15部を配合するとともに、架橋剤としてHMDIイソシアヌレート体(武田薬品工業株式会社製,タクネートD-170N,固形分:100 %,NCO%:20.7)36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
【0035】
〔実施例2〕
合成例5で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体E75部、オルガノシリカゾル(日産化学工業株式会社製,MIBKシリカゾル,分散媒:メチルイソブチルケトン,固形分:30%)10部及び4官能カプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業株式会社製,プラクセル410D,分子量:1000,OH価:220 )15部を配合するとともに、架橋剤としてHMDIトリメチロールプロパンアダクト体(大日本インキ化学工業株式会社製,バーノックDN-950,固形分:75%,NCO%:12)62部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
【0036】
〔実施例3〕
架橋剤としてメトキシ化メチロールメラミン(三井サイテック株式会社製,サイメル303 ,固形分:100 %)20部を使用する以外、実施例2と同様にして塗装を行った。
得られた塗装板を150 ℃で30分乾燥させ、これを試験板とした。
【0037】
〔比較例1〕
合成例5で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体E85部及び実施例1と同様のカプロラクトントリオール15部を配合するとともに、架橋剤として実施例1と同様のHMDIイソシアヌレート体36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
【0038】
〔比較例2〕
合成例6で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体F100 部に、架橋剤として実施例2と同様のHMDIトリメチロールプロパンアダクト体62部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
【0039】
〔比較例3〕
合成例7で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体G100 部に、架橋剤として実施例1と同様のHMDIイソシアヌレート体36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
【0040】
〔比較例4〕
合成例8で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体H100 部に、架橋剤として実施例3と同様のメトキシ化メチロールメラミン20部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を150 ℃で30分乾燥させ、これを試験板とした。
【0041】
〔比較例5〕
架橋剤としてIPDIトリメチロールプロパンアダクト体ブロックイソシアネート(三菱化学株式会社製,マイテック BL-280 ,固形分: 59.4 %,NCO%: 6.1 )122 部を使用する以外、比較例4と同様にして試験板を作製した。
【0042】
以上の実施例1〜3及び比較例1〜5における塗料の構成成分を表2に示す。
【表2】
【0043】
〔試験例〕
実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた試験板について、密着性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐溶剤性、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦傷性、耐汚染性、耐候性及び耐塩水性の評価を行った。なお、耐擦傷性のみガラス板の試験板を使用し、それ以外は磨き軟鋼板の試験板を使用した。
【0044】
密着性は、碁盤目セロテープ剥離試験により評価した。耐水性は、40℃の水に96時間浸漬することにより評価した。耐アルカリ性は、0.1 規定のNaOHを使用して、20℃の下、24時間スポット試験を行うことにより評価した。耐酸性は、0.1 規定のH2SO4を使用して、20℃の下、24時間スポット試験を行うことにより評価した。耐溶剤性は、キシレンを100 回ラビングすることにより評価した。耐衝撃性は、デュポン式衝撃試験機を使用して1/4 φ,500 g×50cmの条件で試験を行い、評価した。耐屈曲性は、3mmφの棒を使用した折り曲げ試験を行うことにより評価した。耐擦傷性は、#000 のスチールウールを使用して500 gの荷重で50回ラビングした後のヘイズ値(%)により評価した。耐汚染性は、試験板を屋外に6ヵ月暴露することにより評価した。耐候性は、サンシャインウェザーオメーターを2000時間使用することにより評価した。耐塩水性は、35℃、5%の食塩水を240 時間連続噴霧することにより評価した。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
表3から明らかなように、本発明の塗料組成物による塗膜は、密着性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐溶剤性、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦傷性、耐汚染性、耐候性及び耐塩水性のすべてにおいて優れている。
【0047】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物によれば、耐汚染性、耐候性等の諸物性に優れるとともに、特に耐擦傷性に優れた塗膜が得られる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention mainly includes resin molded products indoors and outdoors; automobile bodies; woodwork products such as stairs, floors, and furniture; products such as aluminum wheels and door mirrors that have been subjected to treatments such as plating, vapor deposition, and sputtering; range hoods, The present invention relates to a coating composition used in a field where scratch resistance is required, such as metal products such as kitchen panels for kitchens, stainless steel sinks and bathtubs; inorganic building materials such as ceramics wall materials and entrance floors.
[0002]
BACKGROUND OF THE INVENTION AND PRIOR ART
Since resin molded products such as polycarbonate and acrylic plates lack various physical properties such as hardness, weather resistance, stain resistance, and solvent resistance, surface treatment is usually applied to supplement these physical properties. Such surface treatment includes metal mirror surface treatment such as plating, vapor deposition, and sputtering. However, when the metal mirror surface treatment is performed, the treated film is easily scratched, and the scratch is easily noticeable.
[0003]
In addition, range hoods, kitchen panels for kitchens, stainless steel sinks, bathtubs, etc. are easily stained and scratched, and woodwork products such as stairs, floors, furniture, etc. are very easily scratched. On the other hand, for automobile topcoats, in recent years, the trend toward high durability has been increasing to maintain the appearance of paints for new vehicles for a long period of time, so scratch resistance that is not damaged by car wash machines or dust is required. ing.
[0004]
Conventionally known as scratch-resistant paints are ultraviolet (UV) curable paints, electron beam energy (EB) curable paints, silica-based hard coat agents, two-component acrylic urethane-based soft paints, and the like. Yes.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the UV curable paint, EB curable paint, and silica-based hard coat agent, the use of a hard monomer for increasing the hardness and the increase in strain at the time of curing shrinkage by increasing the crosslink density, Problems such as poor adhesion and cracking are likely to occur.
[0006]
On the other hand, the above-mentioned two-component acrylic urethane-based soft paint has no problems of chipping and cracking, but often has a tacky feeling and has a disadvantage that it is inferior in weather resistance and stain resistance. In order to improve the tackiness, it is conceivable to add polydimethylsiloxane oil to the two-component acrylic urethane-based soft paint. However, the stain resistance cannot be improved, and the adhesion to the substrate is not possible. This causes a problem of lowering.
[0007]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a coating composition which has excellent scratch resistance, is free from chipping, cracks and the like, and is excellent in weather resistance, stain resistance, adhesion and the like.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention provides a paint comprising a polydimethylsiloxane copolymer having a polydimethylsiloxane portion and a vinyl polymer chain portion , a caprolactone component, and a siloxane component. The present invention provides a composition, and further provides a paint comprising the above-mentioned paint composition and a urethane crosslinking agent and / or a melamine crosslinking agent.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The coating composition of the present invention comprises a polydimethylsiloxane copolymer (A) having a polydimethylsiloxane portion and a vinyl polymer chain portion , a caprolactone component (B), and a siloxane component (C) as essential components. To do .
[0010]
(A) Polydimethylsiloxane-based copolymer The polydimethylsiloxane-based copolymer (A) in the present invention is a copolymer having a polydimethylsiloxane portion and a polymer chain portion of a vinyl monomer. It may be a coalescence or a graft copolymer.
[0011]
The synthesis of the polydimethylsiloxane block copolymer can be carried out by (1) living polymerization method, (2) polymer initiator method or (3) polymer chain transfer method, etc. It is preferably carried out by 2) polymer initiator method or (3) polymer chain transfer method.
[0012]
(2) In the polymer initiator method, for example,
[Chemical 1]
A block copolymer can be efficiently synthesized by copolymerizing with a vinyl monomer using a polymer azo radical polymerization initiator such as Also, a two-stage process in which a peroxy monomer and polydimethylsiloxane having an unsaturated group are copolymerized at a low temperature to synthesize a prepolymer having a peroxide group introduced into a side chain, and the prepolymer is copolymerized with a vinyl monomer. The polymerization can also be carried out.
[0013]
(3) In the polymer chain transfer method, for example,
[Chemical 2]
To silicone oil, such as HS-CH 2 COOH,
A block copolymer is obtained by adding a HS-CH 2 CH 2 COOH or the like to form a silicone compound having an SH group, and then copolymerizing the silicone compound and a vinyl monomer using chain transfer of the SH group. Can be synthesized.
[0014]
On the other hand, for polydimethylsiloxane graft copolymers, for example,
[Chemical 3]
By copolymerizing a methacrylic ester of polydimethylsiloxane and the like with a vinyl monomer, a graft copolymer can be synthesized easily and with a high yield.
[0015]
Examples of vinyl monomers used in the copolymer with polydimethylsiloxane include methyl acrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, octyl acrylate, cyclohexyl acrylate, tetrahydrofurfuryl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n -Butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, stearyl methacrylate, lauryl methacrylate, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, n-propyl vinyl ether, n-butyl vinyl ether, isobutyl vinyl ether, styrene, α-methyl styrene, acrylonitrile, methacrylonitrile, Vinyl acetate, vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl Vinyl chloride, vinylidene fluoride, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, allyl glycidyl ether, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, crotonic acid, maleic acid, maleic anhydride, citraconic acid, acrylamide, methacrylamide, N-methylolacrylamide, N , N-dimethylacrylamide, N, N-dimethylaminoethyl methacrylate, N, N-diethylaminoethyl methacrylate, diacetone acrylamide and the like.
Also, vinyl monomers having an OH group such as 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, and allyl alcohol can be used. A reaction product with acid, itaconic acid, crotonic acid, maleic acid or the like can also be used.
In addition, the above illustration does not limit the present invention.
[0016]
(B) Caprolactone component As the caprolactone component (B) in the present invention, for example,
[Formula 4]
Bifunctional caprolactone diols such as
[Chemical formula 5]
Trifunctional caprolactone triols, other tetrafunctional caprolactone polyols, etc. can be used.
When the caprolactone component (B) is introduced into the skeleton of the polydimethylsiloxane copolymer (A), lactone-modified hydroxyethyl (meth) acrylates are preferably used.
[Chemical 6]
And radically polymerizable caprolactone represented by the structural formula:
[0017]
(C) Siloxane Component Examples of the siloxane component (C) in the present invention include tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltoxioxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, and γ-glycidoxy. Propyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropyl Triethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane, γ-acryloxypropyltrimethoxysilane, γ-acryloxypropylmethyldi The hydrolysis with or partial hydrolyzate of a silane compound having a hydrolyzable silyl group such as Tokishishiran, organosilica sol was stably dispersing fine particles of silicic anhydride in an organic solvent or a radically polymerizable in the organosilica sol, A product obtained by adding a partial hydrolyzate of a silane compound having a functional silyl group can be used. In addition, the above illustration does not limit the present invention.
The siloxane component (C) plays an important role in imparting heat resistance, stain resistance and the like to the resulting coating composition and improving the surface hardness of the coating film.
[0018]
The polydimethylsiloxane copolymer (A) in the present invention is usually produced by solution polymerization. In this solution polymerization, aromatic hydrocarbon solvents such as toluene and xylene, ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone, and methyl isobutyl ketone, ester solvents such as ethyl acetate, propyl acetate, isobutyl acetate, and butyl acetate, ethanol, isopropanol Alcohol solvents such as butanol and isobutanol are used alone or as a mixed solvent. If desired, oil-soluble polymerization initiators such as benzoyl peroxide, lauryl peroxide, cumene hydroperoxide, and azobisisobutyronitrile are used. Is used.
The reaction temperature for the solution polymerization is preferably 50 to 150 ° C., and the reaction time is preferably 3 to 12 hours.
[0019]
When the caprolactone component (B) and / or the siloxane component (C) are introduced into the skeleton of the polydimethylsiloxane copolymer (A), the polydimethylsiloxane copolymer (A) is polymerized. In this case, the caprolactone component (B) and / or the siloxane component (C) may be added and copolymerized.
[0020]
The amount of the polydimethylsiloxane moiety in the polydimethylsiloxane copolymer (A ) in the present invention is preferably 1 to 30% by weight, particularly preferably 1 to 20% by weight. This polydimethylsiloxane part has a function of imparting lubricity to the coating film surface and imparting scratch resistance by lowering the coefficient of friction, but if the amount of the polydimethylsiloxane part is less than 1% by weight, such an effect is exerted. On the other hand, if the amount of the polydimethylsiloxane portion exceeds 30% by weight, the stain resistance of the coating film decreases.
The molecular weight of the polydimethylsiloxane portion is preferably about 1000 to 30000, and the molecular weight that is effectively oriented on the surface of the coating film and imparts lubricity is particularly preferably about 5000 to 20000.
[0021]
Caprolactone component in the present invention (B) is preferably a paint solid content 5 to 50 wt%. This caprolactone component (B) imparts high rebound resilience and good adhesion to the coating film and, when subjected to a rubbing force, has the function of absorbing the rubbing force by energy elastic deformation. When the amount of (B) is less than 5% by weight, the scratch resistance and chipping resistance of the coating film are lowered. On the other hand, when the amount of the caprolactone component (B) exceeds 50% by weight, the stain resistance of the coating film is reduced. Decreases.
[0022]
Siloxane component (C) in the present invention is preferably a paint solid content 20% by weight. The siloxane component (C) has a function of imparting stain resistance, weather resistance, and heat resistance to the coating film and improving the surface hardness of the coating film, but the amount of the siloxane component (C) is 1 weight. If the amount of siloxane component (C) exceeds 20% by weight, the scratch resistance of the coating film decreases.
[0023]
In order to cure the coating composition of the present invention, the polydimethylsiloxane copolymer (A ) is preferably urethane-crosslinked and / or melamine-crosslinked.
In order to urethane-crosslink the polydimethylsiloxane copolymer (A), methylenebis-4-cyclohexylisocyanate, trimethylol of tolylene diisocyanate is added to the polydimethylsiloxane copolymer (A) having an OH group. Propane adduct, hexamethylene diisocyanate trimethylolpropane adduct, isophorone diisocyanate trimethylolpropane adduct, tolylene diisocyanate isocyanurate, hexamethylene diisocyanate isocyanurate, isophorone diisocyanate isocyanurate, hexamethylene diisocyanate Use urethane crosslinkers such as polyisocyanates such as biuret bodies or block isocyanates of the above polyisocyanates It can be.
On the other hand, in order to melamine crosslink the polydimethylsiloxane copolymer (A), a melamine crosslinking agent such as alkoxymethylol melamine can be used.
[0024]
The coating film obtained by curing the coating composition of the present invention has excellent adhesion to various materials, retains a predetermined surface hardness, and is resistant to scratches, and further self-healing when scratches occur. Also excellent. Moreover, this coating film is excellent also in stain resistance, a weather resistance, heat resistance, etc.
Such coating compositions include resin molded products indoors and outdoors; automobile bodies; woodwork products such as stairs, floors and furniture; products such as aluminum wheels and door mirrors that have been subjected to plating, vapor deposition, sputtering, etc .; range hoods It is suitable as a paint for use in fields where scratch resistance is required, such as metal products such as kitchen panels for kitchens, stainless steel sinks and bathtubs; ceramic building wall materials, inorganic building materials such as entrance floors, and the like.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example etc. demonstrate this invention further more concretely, the scope of the present invention is not limited to these Examples.
[Synthesis Example 1]
Synthesis of Siloxane Component A In a 500 ml flask equipped with a stirrer, thermometer, condenser and nitrogen gas introduction tube, 106 parts by weight of ethanol (hereinafter simply referred to as “parts”), 320 parts of tetraethoxysilane, deionized water After 21 parts and 1 part of 1% hydrochloric acid were charged and maintained at 85 ° C. for 2 hours, ethanol was recovered while the temperature was raised and maintained at 180 ° C. for 30 minutes. Thereafter, the mixture was cooled to obtain a viscous siloxane component A (for external addition).
[0026]
[Synthesis Example 2]
Synthesis of Siloxane Component B As in Synthesis Example 1, 106 parts of ethanol, 270 parts of methyltrimethoxysilane, 23 parts of γ-methacryloxypropylmethyldimethoxylane, 100 parts of deionized water, 1 part of 1% hydrochloric acid and hydroquinone monomethyl ether 0.1 part was charged to synthesize siloxane. This was adjusted to 50% with methyl isobutyl ketone to obtain siloxane component B (for copolymerization).
[0027]
[Synthesis Example 3]
Synthesis of Siloxane Component C Using the same equipment as in Synthesis Example 1, 100 parts of organosilica sol (dispersion medium: methyl isobutyl ketone, solid content: 30%), 1.5 parts of γ-methacryloxypropylmethyldimethoxylane, hydroquinone monomethyl ether 0.01 part and 0.01 part formic acid were charged and reacted at 80 ° C. for 3 hours to obtain a siloxane component C (for copolymerization).
[0028]
[Synthesis Example 4]
Synthesis of Polydimethylsiloxane Block Copolymer D Using the same equipment as in Synthesis Example 1, 50 parts of toluene, 50 parts of methyl isobutyl ketone, polydimethylsiloxane polymer polymerization initiator (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., VPS-0501) 20 parts, 30 parts of methyl methacrylate, 26 parts of butyl methacrylate, 23 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate, 1 part of methacrylic acid and 0.5 part of 1-thioglycerin were allowed to react at 80 ° C. for 8 hours. Dimethylsiloxane block copolymer D was obtained. The obtained block copolymer D had a solid content of 50% and a viscosity X (Gardner Holtz).
[0029]
[Synthesis Example 5]
Synthesis of Polydimethylsiloxane Graft Copolymer E Using the same equipment as in Synthesis Example 1, 50 parts of toluene and 50 parts of methyl isobutyl ketone were charged and heated to 80 ° C. Separately, 30 parts of methyl methacrylate, 26 parts of butyl methacrylate, 23 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate, 1 part of methacrylic acid and methacrylic modified polydimethylsiloxane (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., X-22-174DX, molecular weight: 5000) 20 parts and 1 part of azobis-2-methylbutyronitrile (manufactured by Nippon Hydrazine Kogyo Co., Ltd., ABN-E) are mixed, and this mixed monomer is dropped into the above mixed solution of toluene and methyl isobutyl ketone over 3 hours. did. Thereafter, reaction was performed for 6 hours to obtain a polydimethylsiloxane graft copolymer E. The obtained graft copolymer E had a solid content of 50% and a viscosity W (Gardner Holtz).
[0030]
[Synthesis Example 6 ]
Synthesis of Polydimethylsiloxane Graft Copolymer F The monomer composition was 20 parts methyl methacrylate, 26 parts butyl methacrylate, 23 parts 2-hydroxyethyl methacrylate, 10 parts siloxane component B, 1 part methacrylic acid and one-end methacryl-modified polydimethyl. Polydimethylsiloxane-based graft copolymer F was synthesized in the same manner as in Synthesis Example 5 except that 20 parts of siloxane (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., X-22-174DX, molecular weight: 5000) was used. The obtained graft copolymer F had a solid content of 50% and a viscosity U (Gardner Holtz).
[0031]
[Synthesis Example 7 ]
Except using siloxane component C instead of the synthetic siloxane component B of polydimethylsiloxane graft copolymer G, it was synthesized polydimethylsiloxane graft copolymer G in the same manner as in Synthesis Example 6. The obtained graft copolymer G had a solid content of 50% and a viscosity T (Gardner Holtz).
[0032]
[Synthesis Example 8 ]
Synthesis of Polydimethylsiloxane Graft Copolymer H Using the same equipment as in Synthesis Example 1, 50 parts of toluene and 50 parts of methyl isobutyl ketone were charged and heated to 80 ° C. Separately, methyl methacrylate 27 parts, caprolactone methacrylic ester (manufactured by Daicel Chemical Industries, Plaxel FM-5), single-end methacryl-modified polydimethylsiloxane (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., X-22-174DX, molecular weight: 5000) 20 parts, 17 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate, 1 part of methacrylic acid and 1 part of azobis-2-methylbutyronitrile (manufactured by Nippon Hydrazine Kogyo Co., Ltd., ABN-E) are mixed. The solution was added dropwise to the isobutyl ketone mixture over 2 hours. Thereafter, the reaction was carried out for 6 hours to obtain a polydimethylsiloxane graft copolymer H. The obtained graft copolymer H had a solid content of 50% and a viscosity Y (Gardner Holtz).
[0033]
Table 1 shows the constituent components of the above polydimethylsiloxane block and graft copolymers D to H.
[Table 1]
[0034]
[Example 1]
D75 parts of the polydimethylsiloxane block copolymer obtained in Synthesis Example 4, 10 parts of the siloxane component A obtained in Synthesis Example 1 and caprolactone triol (Daicel Chemical Industries, Plaxel 308, molecular weight: 850, OH value ( KOHmg / g): 195) 15 parts are added, and 36 parts of HMDI isocyanurate (Takenate D-170N, solid content: 100%, NCO%: 20.7) is added as a crosslinking agent. The obtained paint was polished and coated on a mild steel plate and a glass plate so that the film thickness upon drying was 25-30 μm.
The obtained coated plate was dried at 60 ° C. for 1 hour and then allowed to stand at room temperature for 1 week, which was used as a test plate.
[0035]
[Example 2]
E75 parts of polydimethylsiloxane block copolymer obtained in Synthesis Example 5, 10 parts of organosilica sol (manufactured by Nissan Chemical Industries, MIBK silica sol, dispersion medium: methyl isobutyl ketone, solid content: 30%) and tetrafunctional caprolactone In addition to blending 15 parts of polyol (Daicel Chemical Industries, Plaxel 410D, molecular weight: 1000, OH number: 220), HMDI trimethylolpropane adduct as a cross-linking agent (Dainippon Ink & Chemicals, Vernock DN- 950, solid content: 75%, NCO%: 12) 62 parts were added, and the obtained paint was polished and coated on a mild steel plate and a glass plate so that the film thickness upon drying was 25-30 μm.
The obtained coated plate was dried at 60 ° C. for 1 hour and then allowed to stand at room temperature for 1 week, which was used as a test plate.
[0036]
Example 3
Coating was carried out in the same manner as in Example 2, except that 20 parts of methoxylated methylol melamine (Mitsui Cytec Co., Ltd., Cymel 303, solid content: 100%) was used as a crosslinking agent.
The obtained coated plate was dried at 150 ° C. for 30 minutes, and this was used as a test plate .
[0037]
[Comparative Example 1]
With formulating the same Ka caprolactone triol 15 parts of polydimethylsiloxane block copolymer E85 parts and Example 1 obtained in Synthesis Example 5, similar HMDI isocyanurate 36 parts Example 1 as a crosslinking agent Was added, and the obtained paint was polished and coated on a mild steel plate and a glass plate so that the film thickness upon drying was 25 to 30 μm.
The obtained coated plate was dried at 60 ° C. for 1 hour and then allowed to stand at room temperature for 1 week, which was used as a test plate.
[0038]
[Comparative Example 2]
62 parts of the same HMDI trimethylolpropane adduct as in Example 2 was added as a crosslinking agent to 100 parts of the polydimethylsiloxane block copolymer F obtained in Synthesis Example 6 , and the resulting paint was polished and treated with a mild steel plate and The glass plate was painted so that the film thickness upon drying was 25-30 μm.
The obtained coated plate was dried at 60 ° C. for 1 hour and then allowed to stand at room temperature for 1 week, which was used as a test plate.
[0039]
[Comparative Example 3]
To 100 parts of the polydimethylsiloxane block copolymer G obtained in Synthesis Example 7 , 36 parts of the same HMDI isocyanurate body as in Example 1 was added as a cross-linking agent, and the resulting paint was polished to a mild steel plate and a glass plate. The film was coated so that the film thickness when dried was 25-30 μm.
The obtained coated plate was dried at 60 ° C. for 1 hour and then allowed to stand at room temperature for 1 week, which was used as a test plate.
[0040]
[Comparative Example 4]
To 100 parts of the polydimethylsiloxane block copolymer H obtained in Synthesis Example 8 , 20 parts of a methoxylated methylol melamine similar to that of Example 3 was added as a cross-linking agent, and the resulting paint was polished to a mild steel plate and a glass plate. The film was coated so that the film thickness when dried was 25-30 μm.
The obtained coated plate was dried at 150 ° C. for 30 minutes, and this was used as a test plate.
[0041]
[Comparative Example 5]
As a crosslinking agent I PDI trimethylolpropane adduct blocked isocyanate (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, Mitec BL-280, solid content: 59.4%, NCO%: 6.1 ) except for using 122 parts, in the same manner as in Comparative Example 4 A test plate was prepared.
[0042]
Table 2 shows the constituent components of the paints in Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 5 described above.
[Table 2]
[0043]
[Test example]
About the test plates obtained in Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 5, adhesion, water resistance, alkali resistance, acid resistance, solvent resistance, impact resistance, flex resistance, scratch resistance, stain resistance The weather resistance and salt water resistance were evaluated. A glass plate test plate was used only for the scratch resistance, and a polished mild steel plate test plate was used for the others.
[0044]
Adhesion was evaluated by a cross cut cell tape peeling test. The water resistance was evaluated by immersing in water at 40 ° C. for 96 hours. The alkali resistance was evaluated by performing a spot test for 24 hours at 20 ° C. using 0.1 N NaOH. The acid resistance was evaluated by performing a 24 hour spot test at 20 ° C. using 0.1 N H 2 SO 4 . Solvent resistance was evaluated by rubbing xylene 100 times. The impact resistance was evaluated by testing using a DuPont impact tester under the conditions of 1/4 φ, 500 g × 50 cm. The bending resistance was evaluated by performing a bending test using a 3 mmφ bar. The scratch resistance was evaluated based on the haze value (%) after rubbing 50 times with a load of 500 g using # 000 steel wool. Contamination resistance was evaluated by exposing the test plate outdoors for 6 months. The weather resistance was evaluated by using a sunshine weatherometer for 2000 hours. The salt water resistance was evaluated by continuously spraying 5% saline at 35 ° C. for 240 hours. The results are shown in Table 3.
[0045]
[Table 3]
[0046]
As is clear from Table 3, the coating film of the coating composition of the present invention has adhesion, water resistance, alkali resistance, acid resistance, solvent resistance, impact resistance, flex resistance, scratch resistance, and stain resistance. Excellent in weather resistance and salt water resistance.
[0047]
【The invention's effect】
According to the coating composition of the present invention, a coating film excellent in various physical properties such as stain resistance and weather resistance and particularly excellent in scratch resistance can be obtained.
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