JP3925718B2 - Lithographic printing plate support and lithographic printing plate precursor - Google Patents

Lithographic printing plate support and lithographic printing plate precursor Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体および平版印刷版原版に関する。
詳しくは、本発明は、平版印刷版としたときに、クリーナで拭かれても耐刷性が劣化しない性質(クリーナ耐刷性)に優れ、かつ、インキの種類によらず、湿し水の量を絞ったときにシャドー部のつまり、即ち、網点部における非画像部へのインキ付着を防止することができる、最適な表面形状を有する平版印刷版用支持体およびそれを用いた平版印刷版原版に関する。
更に、本発明は、上述した特性に加えて、平版印刷版としたときに、耐放置汚れ性に優れ、また、ベタ部(ベタ画像部)の着肉不良が発生しにくい平版印刷版用支持体およびそれを用いた平版印刷版原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷法は水と油が本質的に混じり合わないことを利用した印刷方式であり、これに使用される平版印刷版の印刷版面には、水を受容して油性インキを反撥する領域(以下、この領域を「非画像部」という。)と、水を反撥して油性インキを受容する領域(以下、この領域を「画像部」という。)とが形成される。
【0003】
平版印刷版に用いられる平版印刷版用アルミニウム支持体(以下、単に「平版印刷版用支持体」という。)は、その表面が非画像部を担うように使用されるため、親水性および保水性が優れていること、更にはその上に設けられる画像記録層との密着性が優れていること等の相反する種々の性能が要求される。
支持体の親水性が低すぎると、印刷時に非画像部にインキが付着するようになり、ブランケット胴の汚れ、ひいてはいわゆる地汚れが発生する。また、支持体の保水性が低すぎると、印刷時に湿し水を多くしないとシャドー部のつまりが発生する。よって、いわゆる水幅が狭くなる。
【0004】
一方、非画像部においては、汚れにくさを維持するため、不要なインキが付着しないように、表面の凹凸形状がなだらかである方が好ましいが、表面の凹凸形状をなだらかにすると、画像記録層と支持体との密着性が低下し、耐刷性が低下する。即ち、耐汚れ性と耐刷性とは、トレードオフの関係にある。
【0005】
これらの性能の良好な平版印刷版用支持体を得るためには、アルミニウム板の表面を砂目立て(粗面化処理)して凹凸を付与するのが一般的である。この凹凸については下記に示すように、様々な形状が提案されている。
例えば、中波と小波の開口径を規定した大波、中波および小波を有する3重構造(特許文献1参照。)、大小の2重構造において小波の径を規定する構造(特許文献2および3参照。)、大小の2重の凹部(ピット)に加えて更に微小な突起を付与する技術(特許文献4参照。)、開口径を規定した2重構造(特許文献5参照。)、表面の滑らかさを示す因子a30を規定した2重構造(特許文献6参照。)、複数の電気化学的粗面化処理(以下「電解粗面化処理」ともいう。)に際して重畳されるピット径の比を規定した構造(特許文献7参照。)が提案されている。
【0006】
この砂目立てには、ボールグレイニング、ブラシグレイニング、ワイヤーグレイニング、ブラストグレイニング等の機械的粗面化方法、塩酸および/または硝酸を含む電解液中でアルミニウム板を電解エッチングする電解粗面化方法、および、機械的粗面化方法と電解粗面化方法を組み合わせた複合粗面化方法(特許文献8参照。)等が用いられている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−300844号公報
【特許文献2】
特開平11−99758号公報
【特許文献3】
特開平11−208138号公報
【特許文献4】
特開平11−167207号公報
【特許文献5】
特許第2023476号明細書
【特許文献6】
特開平8−300843号公報
【特許文献7】
特開平10−35133号公報
【特許文献8】
米国特許第4,476,006号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷の途中において、版面をクリーナと称する薬品を用いて清掃する作業を行う場合があるが、このクリーナは、非画像部の表面に付着した不要なインキを除去すると同時に、画像記録層と支持体との間に浸透し、これらの密着性を低下させ、耐刷性が劣化するという不具合をもたらすことがある。したがって、クリーナで拭かれても耐刷性が劣化しない性質(クリーナ耐刷性)は、平版印刷版にとって重要な特性である。
【0009】
また、現在、印刷現場では、種々のインキが用途に応じて使用されており、それぞれのインキは異なる液物性を有する。そのため、上記技術において、インキの種類によっては、湿し水の量を絞ったときに、シャドー部(画像面積率の高い網点部)のつまり、即ち、非画像部へのインキ付着(以下、この現象を「インキの絡み」といい、この現象の発生しにくさを「絡みにくさ」という。)が発生しやすいという問題がある。
【0010】
また、印刷を途中で中断し、平版印刷版にガム引きを行わずに放置すると、印刷再開時に、インキが取れにくくなり、汚れが生じる現象(放置汚れ)が起こりやすくなる問題がある。本発明者の知見によれば、放置汚れは、特に湿度が低いときに起こりやすい。
【0011】
また、平版印刷版のベタ部の近傍にインキや紙粉が蓄積すると、ベタ部においてインキの着肉不良が生じることがあり、問題となっている。特に、被印刷体として、白色度を増すために表面に塗工成分を塗布された再生紙(以下「塗工再生紙」という。)を用いる場合に問題となりやすい。このインキの着肉不良は、一旦発生すると、印刷を中断してブランケットや版面を掃除する必要があるため、印刷の生産性の向上の観点からは、極めて有害な現象である。
【0012】
しかしながら、上記従来技術には、従来から課題となっていた耐汚れ性と耐刷性との両立を実現させたものはなかった。また、上述したクリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさも両立が困難であり、これらの両立を実現させたものはなかった。更に、耐放置汚れ性およびベタ部の着肉性を含めて、これらの特性をバランスよく実現させたものはなかった。
【0013】
したがって、本発明は、平版印刷版としたときに、クリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさに優れる平版印刷版原版およびそれに用いられる平版印刷版用支持体、更には、上記特性に加えて、平版印刷版としたときに、耐放置汚れ性に優れ、また、ベタ部の着肉性に優れる平版印刷版用支持体およびそれを用いた平版印刷版原版を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく、平版印刷版用支持体の表面形状について鋭意検討した結果、原子間力顕微鏡を用いて求められる表面形状を表す種々のファクターを特定の範囲とした場合に、クリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさがいずれも優れたものとなり、更には、耐放置汚れ性およびベタ部の着肉性も優れたものとなることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
【0016】
(1)原子間力顕微鏡を用いて、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける傾斜度45゜以上の部分の面積率である急峻度a455(0.02-0.2) が20〜65%であり、
原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから求められる表面粗さRa 50が0.50μm以上である平版印刷版用支持体。
【0017】
(2)原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.2μm以上2μm以下の成分を抽出して得られるデータから求められる表面粗さRa 50(0.2-2) が0.10〜0.30μmである上記(1)に記載の平版印刷版用支持体。
【0018】
(3)原子間力顕微鏡を用いて、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータから近似三点法により求められる実面積Sx 5(0.02-0.2)と、幾何学的測定面積S0 5とから、下記式(S1)により求められる表面積比ΔS5(0.02-0.2)と、
前記3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける傾斜度45゜以上の部分の面積率である急峻度a455(0.02-0.2)とが、下記式(1)を満足する関係にあり、
前記急峻度a45 5(0.02-0.2) が20〜65%である平版印刷版用支持体。
【0019】
ΔS5(0.02-0.2) =(Sx 5(0.02-0.2) −S0 5)/S0 5×100(%) (S1)
【0020】
ΔS5(0.02-0.2) ≧1.3×a455(0.02-0.2) (1)
【0021】
(4)Fe含有量が0.2〜0.7質量%、Si含有量が0.04〜0.15質量%、Ti含有量が0.001〜0.05質量%、Cu含有量が0.000〜0.05質量%であるアルミニウム板に少なくとも電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
【0022】
(5)アルミニウム板に少なくとも電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体であって、
表面に、平均円相当径0.5μm以下のピットを有し、かつ、前記平均円相当径0.5μm以下のピットのうち10%以上が、略正方形または長方形である平版印刷版用支持体。
【0023】
(6)表面のSi原子付着量が1〜20mg/m2 である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
【0024】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けてなる平版印刷版原版。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の態様の平版印刷版用支持体は、原子間力顕微鏡を用いて、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける傾斜度45゜以上の部分の面積率である急峻度a455(0.02-0.2) が20〜65%であり、
原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから求められる表面粗さRa 50が0.50μm以上であることを特徴とする。
【0026】
a455(0.02-0.2) は、支持体表面の微細な形状のとがり具合を表すファクターである。具体的には、支持体表面の凹凸の中で、45゜以上の大きさの傾斜を有する面積の実面積Sx 5(0.02-0.2) に対する割合を表す。本発明者は、種々検討した結果、波長0.02μm以上2μm以下の成分におけるとがった部分が多いと、クリーナ耐刷性が優れたものになることを見出した。即ち、波長0.02μm以上0.2μm以下の成分に関し、a455(0.02-0.2) を大きくすることで、クリーナ耐刷性を優れたものにすることができることを見出した。
【0027】
一方、本発明者は、a455(0.02-0.2) が大きすぎると、即ち、波長0.02μm以上0.2μm以下の成分におけるとがった部分が多すぎると、インキが引っかかりやすくなり、インキの絡みにくさが低下することも見出した。
そこで、本発明者は、更に検討した結果、原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから求められる表面粗さRa 50を大きくすることにより、クリーナ耐刷性を向上させるためにa455(0.02-0.2) を大きくしても、インキの絡みにくさにも優れたものとすることができることを見出し、従来、両立することができなかったクリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさのいずれにも優れる本発明の第一の態様の平版印刷版用支持体を完成させたのである。
【0028】
表面粗さRa 50は、平版印刷版用支持体の表面の大きなうねりも含む凹凸形状を表す指標である。表面粗さRa 50を大きくするとインキの絡みにくさが優れたものとなる理由は、明らかではないが、以下の二つの理由が考えられる。
第一に、表面粗さRa 50を大きくすると、平版印刷版の非画像部の保水性が大きくなるため、非画像部へのインキの移動を抑制しやすくなる。
第二に、平版印刷版原版の画像記録層の表面形状は、平版印刷版用支持体の表面形状をある程度反映するため、表面粗さRa 50を大きくすると、平版印刷版の画像部の表面の凹凸も大きくなり、印刷時に版胴とブランケット胴との接触によりインキの付着した画像部に圧力がかかっても、インキが非画像部にはみ出すことなく、画像部の凹部に吸収される。
【0029】
本発明の第一の態様においては、a455(0.02-0.2) は20%以上であり、30%以上であるのが好ましい。a455(0.02-0.2) は大きすぎると上述したようにインキの絡みにくさが低下する場合があり、また、後述するように耐放置汚れ性が低下する場合があるため、65%以下である。
【0030】
本発明の第一の態様においては、Ra 50は、0.50μm以上である。上記範囲であると、保水性が大きくなるため、インキの絡みが優れたものとなるうえ、以下に述べるようにベタ部の着肉性も優れたものとなる。
【0031】
本発明者は、塗工再生紙を用いた場合のベタ部の着肉不良について、鋭意検討した結果、支持体の波長0.2〜2μmの成分における表面粗さの値に応じて、紙から湿し水を介して供給される塗工成分の引っかかりやすさが変化し、これによりブランケット上にインキカスが堆積し、特にベタ部の近傍で堆積物が物理的な障害となり、ブランケットから紙へのインキの転写が不十分になる場合があることを見出した。そして、本発明者は、後述するRa 50(0.2-2) を0.10〜0.30μmの範囲にすることで、ベタ部の着肉性をより良好にすることができることを見出した。Ra 50(0.2-2) が小さすぎると、波長0.2〜2μmの成分の砂目の保水量が不足することがある。Ra 50(0.2-2) が大きすぎると、ベタ部の着肉性が悪化することがある。Ra 50(0.2-2) は、0.10〜0.20μmであるのがより好ましく、0.10〜0.15μmであるのが更に好ましい。
一方、表面粗さRa 50を大きくすることにより、非画像部の保水性が向上して、インキカスの堆積が抑制されるため、Ra 50(0.2-2) が多少大きくても(具体的には、0.15〜0.30μm)、ベタ部の着肉性を優れたものとすることができる。
【0032】
また、本発明者は、a455(0.02-0.2) が大きすぎると、即ち、波長0.02μm以上0.2μm以下の成分におけるとがった部分が多すぎると、インキが引っかかりやすくなり、耐放置汚れ性が低下することも見出した。
そこで、本発明者は、本発明の第一の態様の平版印刷版用支持体について、更に検討した結果、原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.2μm以上2μm以下の成分を抽出して得られるデータから求められる表面粗さRa 50(0.2-2) を大きくすることにより、耐放置汚れ性をより優れたものとすることができることを見出した。
【0033】
表面粗さRa 50(0.2-2) は、平版印刷版用支持体の表面の波長0.2μm以上2μm以下の凹凸形状を表す指標である。表面粗さRa 50(0.2-2) を大きくすると耐放置汚れ性が優れたものとなる理由は、明らかではないが、印刷版を印刷の途中で放置したときに、非画像部の上記波長の凹部(ピット)に湿し水が残るため、インキがこびりつきにくいためであると考えられる。
【0034】
本発明の第一の態様においては、Ra 50(0.2-2) は、0.10μm以上であるのが好ましい。また、Ra 50(0.2-2) は、大きすぎるとベタ部の着肉不良が起こりやすくなるため、0.30μm以下であるのが好ましく、0.20μm以下であるのがより好ましく、0.15μm以下であるのが更に好ましい。
【0035】
本発明の第二の態様の平版印刷版用支持体は、原子間力顕微鏡を用いて、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータから近似三点法により求められる実面積Sx 5(0.02-0.2)と、幾何学的測定面積S0 5とから、下記式(S1)により求められる表面積比ΔS5(0.02-0.2)と、
前記3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける傾斜度45゜以上の部分の面積率である急峻度a455(0.02-0.2)とが、下記式(1)を満足する関係にあり、
前記急峻度a45 5(0.02-0.2) が20〜65%であることを特徴とする。
【0036】
ΔS5(0.02-0.2) =(Sx 5(0.02-0.2) −S0 5)/S0 5×100(%) (S1)
【0037】
ΔS5(0.02-0.2) ≧1.3×a455(0.02-0.2) (1)
【0038】
ΔS5(0.02-0.2) は、幾何学的測定面積S0 5に対する粗面化処理による実面積Sx 5(0.02-0.2) の増加の程度を示すファクターである。ΔS5(0.02-0.2) が大きくなると、画像記録層との接触面積が大きくなり、結果として耐刷性を向上させることができる。ここでは、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける表面積比ΔS5(0.02-0.2) 、即ち、波長の短い成分の寄与する表面積比を大きくすることで、画像記録層と支持体との接触面積を大きくさせ、耐刷性を向上させるとともに、画像記録層と支持体との間へのクリーナの浸透を大幅に抑制し、クリーナ耐刷性を向上させることができる。ΔS5(0.02-0.2) を大きくするためには、例えば、塩酸電解液中で、アノード反応にあずかる電気量の総和が10〜100C/dm2 となるように交流電解粗面化処理を行う方法、 硝酸電解液中で交流電解粗面化処理を行った後、アルカリ溶液でアルミニウムを微少量(例えば、0.1〜0.3g/m2 )溶解させる方法等を用いることができる。
【0039】
一方、本発明者は、通常、ΔS5(0.02-0.2)を大きくするとa455(0.02-0.2)も大きくなることを見出した。そして、上述したように、a455(0.02-0.2)が大きすぎるとインキの絡みにくさが低下する。
そこで、本発明者は、更に検討した結果、ΔS5(0.02-0.2)とa455(0.02-0.2)とが上記式(1)の関係を満足し、前記急峻度a45 5(0.02-0.2) が20〜65%であると、クリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさがいずれも優れたものになることを見出し、本発明の第二の態様の平版印刷版用支持体を完成させたのである。
【0040】
本発明の第一および第二の態様の平版印刷版用支持体(以下、両者を併せて、単に「本発明の平版印刷版用支持体」ともいう。)において、a455(0.02-0.2) 、Ra 50、Ra 50(0.2-2) およびΔS5(0.02-0.2) を求める方法は、以下の通りである。
【0041】
(1)原子間力顕微鏡による表面形状の測定
本発明においては、a455(0.02-0.2) 、Ra 50、Ra 50(0.2-2) およびΔS5(0.02-0.2) を求めるために、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)により表面形状を測定し、3次元データを求める。
測定は、例えば、以下の条件で行うことができる。即ち、平版印刷版用支持体を1cm角の大きさに切り取って、ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえる。ピエゾスキャナーは、XY方向について150μm、Z方向について10μm、走査可能なものを使用する。カンチレバーは共振周波数120〜400kHz、バネ定数12〜90N/mのもの(SI−DF20、セイコーインスツルメンツ社製、NCH−10、NANOSENSORS社製、または、AC−160TS、オリンパス社製)を用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。また、求めた3次元データを最小二乗近似することにより試料のわずかな傾きを補正し基準面を求める。
計測の際は、a455(0.02-0.2) およびΔS5(0.02-0.2) については、表面の5μm□を512×512点測定する。XY方向の分解能は0.01μm、Z方向の分解能は0.15nm、スキャン速度は5μm/secとする。
また、Ra 50およびRa 50(0.2-2) については、表面の50μm□を512×512点測定する。XY方向の分解能は0.1μm、Z方向の分解能は0.15nm、スキャン速度は50μm/secとする。
【0042】
(2)3次元データの補正
a455(0.02-0.2) およびΔS5(0.02-0.2) の算出には、上記(1)で求められた表面の5μm□の測定に基づく3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出したものを用いる。波長0.02μm以上0.2μm以下の成分の抽出は、上記(1)で求められた3次元データを高速フーリエ変換をして周波数分布を求め、ついで、波長0.02μm未満の成分および波長0.2μmを超える成分を除去した後、フーリエ逆変換をすることにより行う。
また、Ra 50の算出には、上記(1)で求められた表面の50μm□の測定に基づく3次元データをそのまま用いる。
また、Ra 50(0.2-2) の算出には、上記(1)で求められた表面の50μm□の測定に基づく3次元データから波長0.2μm以上2μm以下の成分を抽出したものを用いる。波長0.2μm以上2μm以下の成分の抽出は、上記(1)で求められた3次元データを高速フーリエ変換をして周波数分布を求め、ついで、波長0.2μm未満の成分および波長2μmを超える成分を除去した後、フーリエ逆変換をすることにより行う。
【0043】
(3)各ファクターの算出
▲1▼a455(0.02-0.2)
上記(2)で補正して得られた3次元データ(f(x,y))を用い、各基準点と所定の方向(例えば、右と下)の隣接する2点との3点で形成される微小三角形と基準面とのなす角を各基準点について算出する。微小三角形の傾斜度が45度以上の基準点の個数を、全基準点の個数(全データの個数である512×512点から所定の方向の隣接する2点がない点の個数を減じた個数、即ち、511×511点)で除して、傾斜度45度以上の部分の面積率a455(0.02-0.2) を算出する。
【0044】
▲2▼Ra 50およびRa 50(0.2-2)
上記(1)で求められた3次元データ(f(x,y))を用い、下記式から表面粗さRa を算出し、Ra 50とする。
また、上記(2)で補正して得られた3次元データ(f(x,y))を用い、下記式から表面粗さRa を算出し、Ra 50(0.2-2) とする。
【0045】
【数1】

Figure 0003925718
【0046】
式中、Lx およびLy は、それぞれ測定領域(長方形)のx方向およびy方向の辺の長さを表し、本発明においてはLx =Ly =50μmである。また、S0 は幾何学的測定面積であり、S0 =Lx ×Ly で求められる。
【0047】
▲3▼ΔS5(0.02-0.2)
上記(2)で補正して得られた3次元データ(f(x,y))を用い、隣り合う3点を抽出し、その3点で形成される微小三角形の面積の総和を求め、実面積Sx 5(0.02-0.2) とする。表面積比ΔS5(0.02-0.2) は、得られた実面積Sx 5 (0.02-0.2)と幾何学的測定面積S0 5とから、上記式(1)により求められる。
【0048】
また、本発明の平版印刷版用支持体が、アルミニウム板に少なくとも電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる場合には、表面に、平均円相当径0.5μm以下のピットを有し、かつ、前記平均円相当径0.5μm以下のピットのうち10%以上が、略正方形または長方形であるのが好ましい。ピットの性状が上記のようであると、本発明の第一の態様の平版印刷版用支持体においては、a455(0.02-0.2) が20%以上となりやすく、また、本発明の第二の態様の平版印刷版用支持体においては、表面積比ΔS5(0.02-0.2) が上記式(1)を満足しやすくなる。
【0049】
上述したピットの性状の測定方法は、以下の通りである。
高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて支持体の表面を真上から倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において平均円相当径0.5μm以下のピットの総数を数える。ついで、SEM写真において、真円でないピットであって、角部の曲率半径(R)がそのピットの円相当径の1/4以下であるものを略正方形または長方形であるとして、その個数を数える。略正方形または長方形のピットの個数を平均円相当径0.5μm以下のピットの総数で除して、略正方形または長方形のピットの割合を算出する。
【0050】
<表面処理>
本発明の平版印刷版用支持体は、後述するアルミニウム板に表面処理を施すことによって、上述した表面の砂目形状をアルミニウム板の表面に形成させたものである。本発明の平版印刷版用支持体の製造工程は、特に限定されない。
以下に、上述した表面の砂目形状を形成させるための代表的方法として、
アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、
アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法、
アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、
アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法
が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらの方法において、前記電気化学的粗面化処理の後、更に、アルカリエッチング処理および酸によるデスマット処理を施してもよい。
【0051】
表面形状を表すファクターであるa455(0.02-0.2) 、Ra 50、Ra 50(0.2-2) およびΔS5(0.02-0.2) が、それぞれ特定の条件を満足するようにするのに好適に用いられる粗面化処理としては、他の処理(アルカリエッチング処理等)の条件にもよるが、機械的粗面化処理、塩酸電解(塩酸を含有する電解液を用いた電気化学的粗面化処理)、硝酸電解(硝酸を含有する電解液を用いた電気化学的粗面化処理)、これらを組み合わせた処理を順次施す方法等が挙げられる。
【0052】
これらの方法により得られ、表面形状を表す上記各ファクターが、それぞれ特定の条件を満足する本発明の平版印刷版用支持体は、平版印刷版としたときに耐刷性および耐汚れ性に優れるだけでなく、クリーナ耐刷性に優れ、インキの絡みが発生しにくく、耐放置汚れ性に優れ、かつ、ベタ部の着肉不良が発生しにくい。
以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
【0053】
<機械的粗面化処理>
機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理と比較してより安価に、平均波長5〜100μmの凹凸のある表面を形成することができるため、粗面化処理の手段として有効である。
機械的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に記載されているナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法を用いることができる。
また、凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開昭55−74898号、特開昭60−36195号、特開昭60−36196号、特開昭60−203496号、特開昭61−162351号、特公平4−30358号の各公報に記載されている方法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−55871号公報、表面が弾性であることを特徴とした特願平4−204235号明細書(特開平6−024168号公報)に記載されている方法も適用可能である。
後述するように、ブラシグレイン法では、特にナイロンブラシを複数用いるのが好ましく、研磨剤としては、後述の種々のものを用いることができるが、パミストン、ケイ砂、水酸化アルミニウム等を用いるのが好ましい。また、転写方法では、ブラシを回転させる駆動モータの回転数、負荷等を適宜調整するのが好ましい。
【0054】
また、放電加工、ショットブラスト、レーザ、プラズマエッチング等を用いて、微細な凹凸を食刻した転写ロールを用いて繰り返し転写を行う方法や、微細粒子を塗布した凹凸のある面を、アルミニウム板に接面させ、その上より複数回繰り返し圧力を加え、アルミニウム板に微細粒子の平均直径に相当する凹凸パターンを複数回繰り返し転写させる方法を用いることもできる。転写ロールへ微細な凹凸を付与する方法としては、特開平3−8635号、特開平3−66404号、特開昭63−65017号の各公報等に記載されている公知の方法を用いることができる。また、ロール表面にダイス、バイト、レーザ等を使って2方向から微細な溝を切り、表面に角形の凹凸をつけてもよい。このロール表面には、公知のエッチング処理等を行って、形成させた角形の凹凸が丸みを帯びるような処理を行ってもよい。
また、表面の硬度を上げるために、焼き入れ、ハードクロムメッキ等を行ってもよい。
そのほかにも、機械的粗面化処理としては、特開昭61−162351号公報、特開昭63−104889号公報等に記載されている方法を用いることもできる。
本発明においては、生産性等を考慮して上述したそれぞれの方法を併用することもできる。これらの機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理の前に行うのが好ましい。
【0055】
以下、機械的粗面化処理として好適に用いられるブラシグレイン法について説明する。
ブラシグレイン法は、一般に、円柱状の胴の表面に、ナイロン(商標名)、プロピレン、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる合成樹脂毛等のブラシ毛を多数植設したローラ状ブラシを用い、回転するローラ状ブラシに研磨剤を含有するスラリー液を噴きかけながら、上記アルミニウム板の表面の一方または両方を擦ることにより行う。上記ローラ状ブラシおよびスラリー液の代わりに、表面に研磨層を設けたローラである研磨ローラを用いることもできる。
ローラ状ブラシを用いる場合、曲げ弾性率が好ましくは10,000〜40,000kg/cm2 、より好ましくは15,000〜35,000kg/cm2 であり、かつ、毛腰の強さが好ましくは500g以下、より好ましくは400g以下であるブラシ毛を用いる。ブラシ毛の直径は、一般的には、0.2〜0.9mmである。ブラシ毛の長さは、ローラ状ブラシの外径および胴の直径に応じて適宜決定することができるが、一般的には、10〜100mmである。
本発明では、ナイロンブラシは複数本用いるのが好ましく、具体的には、3本以上がより好ましく、4本以上が特に好ましい。ブラシの本数を調整することにより、アルミニウム板表面に形成される凹部の波長成分を調整できる。
また、ブラシを回転させる駆動モータの負荷は、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して1kWプラス以上が好ましく、2kWプラス以上がより好ましく、8kWプラス以上が特に好ましい。該負荷を調整することにより、アルミニウム板表面に形成される凹部の深さを調製することができる。ブラシの回転数は、100回転以上が好ましく、200回転以上が特に好ましい。
【0056】
研磨剤は公知の物を用いることができる。例えば、パミストン、ケイ砂、水酸化アルミニウム、アルミナ粉、炭化ケイ素、窒化ケイ素、火山灰、カーボランダム、金剛砂等の研磨剤;これらの混合物を用いることができる。中でも、パミストン、ケイ砂が好ましい。特に、ケイ砂は、パミストンに比べて硬く、壊れにくいので粗面化効率に優れる点で好ましい。また、水酸化アルミニウムは過度の荷重がかかると粒子が破損するため、局所的に深い凹部を生成させたくない場合に好適である。
研磨剤の平均粒径は、粗面化効率に優れ、かつ、砂目立てピッチを狭くすることができる点で、3〜50μmであるのが好ましく、6〜45μmであるのがより好ましい。研磨剤の平均粒径を調製することにより、アルミニウム板表面に形成される凹部の深さを調製することができる。
研磨剤は、例えば、水中に懸濁させて、スラリー液として用いる。スラリー液には、研磨剤のほかに、増粘剤、分散剤(例えば、界面活性剤)、防腐剤等を含有させることができる。スラリー液の比重は0.5〜2であるのが好ましい。
機械的粗面化処理に適した装置としては、例えば、特公昭50−40047号公報に記載された装置を挙げることができる。
【0057】
以下、機械的粗面化処理として用いられる転写法の一例について説明する。
一般的に、転写法は、ショットブラスト処理や刻印やレーザー加工またはパターンエッチング等でエンボス加工した圧延ロール(転写ロール)にアルミニウム板を通して圧延ロールの凹凸を転写し、あるいは、紙またはプラスチックシートに研磨材やガラスビーズ等を塗布したものをアルミニウム板と重ね合わせて圧延して転写し、アルミニウム板を粗面化する方法である。
該転写法は、上記した方法以外に、以下の方法等を用いることができる。
転写ローラの圧下率を低く設定することにより転写ローラの寿命やアルミニウム板の延伸の問題を回避することができる方法 (特開平7−205565号公報);転写を複数回、好ましくは4回以上繰り返し行うことにより転写ロールの円筒度等の加工精度にこだわる必要もなく、アルミニウム板の伸びを少なくし、印刷版用アルミニウム支持体として充分均一な粗面が得られる方法(特開平6−55871号公報);化学的に粗面化を行った、平版印刷版用アルミニウムより硬度の高い金属面に、アルミニウム板を1〜6回プレスして粗面化することにより、ランダムな配列のしかも均一な分布の凹凸を安価につくることができる方法(特開平6−171258号公報);アルミニウム板の表面に方向性のない多数のプレス凹部を形成させる方法(特開平6−171256号公報、特開平6−171259号公報);金属面上に塗布乾燥したフォトレジストまたはプラスチック樹脂を赤外光、レーザー等で露光、照射してレジストパターンをつくり、その後化学的なエッチング等を行い金属面上に粗面を作製し転写することにより、充分均一な凹凸を転写させる方法(特開平6−171262号公報)等を用いることができる。
【0058】
転写法において、転写ロール等に設けられる凸部の大きさ(転写ロールの表面粗さ)と、該転写ロールにより転写されたアルミニウム板に形成される凹部の大きさ(転写法によるアルミニウム板の表面粗さ)は、ほぼ同じである。
したがって、アルミニウム板に、所望の該表面粗さを形成させるには、該表面粗さと略同一の表面粗さを有する転写ロール等を用いればよい。
転写ローラは、例えばSUS304やSUS316、SCM鋼、SUJ鋼、SS41等からなるローラ芯金の表面に、溶射やレーザ、あるいは機械加工等により微細な凸部を付与して構成される。
溶射による方法では、粒径10〜60μm程度のセラミックス粒子やセラミックス焼結体を、プラズマ溶射やDJガンによる溶射、ワイヤによる溶射によりローラ表面に0.1〜0.6mm程度の厚さにコーティングし、表面を研磨して得られる。セラミックスの種類としては、酸化クロムを主成分とする酸化物セラミックスや窒化ケイ素を主成分とする窒化物セラミックスが強度の点から好ましい。また、溶射により形成されたローラ表面は粗いため、研磨処理される。
一方、レーザにより凸部を形成する方法は、ローラ表面のレーザ照射部分が溶融して盛り上がることを利用するもので、レーザによりローラ表面に縦溝と横溝とを直交またはある角度をもって格子状に形成することで、両溝で切り取られた互いに独立した凸部を形成することができる。使用されるレーザは、CO2 レーザやYAGレーザ、エキシマレーザ等を挙げることができる。また、レーザの種類により形成される溝幅が異なる。従って、所望する凸部の大きさに応じてレーザの種類を選択する必要があり、より微細な凹凸形状を持つ転写ローラを得るにはエキシマレーザ等の波長の短いレーザを使用する必要がある。また、ダイヤモンド砥石やセラミック砥石、あるいはこれらを含んだ研磨紙により仕上げられる。
【0059】
同様に、ローラ表面にダイスやバイトを使って2方向から微細な溝を格子状に切り、角形の凹凸を付けることもできる。
アルミニウム板あるいはアルミニウム合金板は、前記転写ローラと鏡面仕上げされた金属ローラ(バックアップロール)との間に挿通されると共に、線圧下力3〜30kg/mm程度の下で転写ローラの凸部からなる凹凸パターンが転写される。なお、詳細は、特開平7−205565号公報に記載されている。
該転写法における、組成物面化処理の条件は、所望の表面粗さにより、適宜調整することができる。
【0060】
<電気化学的粗面化処理>
電気化学的粗面化処理には、通常の交流を用いた電気化学的粗面化処理に用いられる電解液を用いることができる。中でも、塩酸または硝酸を主体とする電解液を用いるのが、表面形状を表す上記各ファクターがそれぞれ特定の条件を満足するようにするのに好適である。
本発明における電解粗面化処理としては、陰極電解処理の前後に酸性溶液中での交番波形電流による第1および第2の電解処理を行うことが好ましい。陰極電解処理により、アルミニウム板の表面で水素ガスが発生してスマットが生成することにより表面状態が均一化され、その後の交番波形電流による電解処理の際に均一な電解粗面化が可能となる。
この電解粗面化処理は、例えば、特公昭48−28123号公報および英国特許第896,563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記載されている波形を用いることもできる。また、特開昭55−158298号、特開昭56−28898号、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭54−85802号、特開昭60−190392号、特開昭58−120531号、特開昭63−176187号、特開平1−5889号、特開平1−280590号、特開平1−118489号、特開平1−148592号、特開平1−178496号、特開平1−188315号、特開平1−154797号、特開平2−235794号、特開平3−260100号、特開平3−253600号、特開平4−72079号、特開平4−72098号、特開平3−267400号、特開平1−141094の各公報に記載されている方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コンデンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数の交番電流を用いて電解することも可能である。例えば、米国特許第4,276,129号明細書および同第4,676,879号明細書に記載されている。
【0061】
電解槽および電源については、種々提案されているが、米国特許第4203637号明細書、特開昭56−123400号、特開昭57−59770号、特開昭53−12738号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32823号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特開昭62−127500号、特開平1−52100号、特開平1−52098号、特開昭60−67700号、特開平1−230800号、特開平3−257199号の各公報等に記載されているものを用いることができる。また、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭53−12738号、特開昭53−12739号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32833号、特開昭53−32824号、特開昭53−32825号、特開昭54−85802号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特公昭48−28123号、特公昭51−7081号、特開昭52−133838号、特開昭52−133840号、特開昭52−133844号、特開昭52−133845号、特開昭53−149135号、特開昭54−146234号の各公報等に記載されているもの等も用いることができる。
【0062】
電解液である酸性溶液としては、硝酸、塩酸のほかに、米国特許第4,671,859号、同第4,661,219号、同第4,618,405号、同第4,600,482号、同第4,566,960号、同第4,566,958号、同第4,566,959号、同第4,416,972号、同第4,374,710号、同第4,336,113号、同第4,184,932号の各明細書等に記載されている電解液を用いることもできる。
【0063】
酸性溶液の濃度は0.5〜2.5質量%であるのが好ましいが、上記のスマット除去処理での使用を考慮すると、0.7〜2.0質量%であるのが特に好ましい。また、液温は20〜80℃であるのが好ましく、30〜60℃であるのがより好ましい。
【0064】
塩酸または硝酸を主体とする水溶液は、濃度1〜100g/Lの塩酸または硝酸の水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオンを有する硝酸化合物または塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸化合物の少なくとも一つを1g/Lから飽和するまでの範囲で添加して使用することができる。また、塩酸または硝酸を主体とする水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。好ましくは、塩酸または硝酸の濃度0.5〜2質量%の水溶液にアルミニウムイオンが3〜50g/Lとなるように、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等を添加した液を用いることが好ましい。
【0065】
更に、Cuと錯体を形成しうる化合物を添加して使用することによりCuを多く含有するアルミニウム板に対しても均一な砂目立てが可能になる。Cuと錯体を形成しうる化合物としては、例えば、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のアンモニアの水素原子を炭化水素基(脂肪族、芳香族等)等で置換して得られるアミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類が挙げられる。また、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩も挙げられる。
温度は10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
【0066】
電気化学的粗面化処理に用いられる交流電源波は、特に限定されず、サイン波、矩形波、台形波、三角波等が用いられるが、矩形波または台形波が好ましく、台形波が特に好ましい。台形波とは、図2に示したものをいう。この台形波において電流がゼロからピークに達するまでの時間(TP)は0.3〜3msecであるのが好ましい。0.3msec未満であると、アルミニウム板の進行方向と垂直に発生するチャタマークという処理ムラが発生しやすい。TPが3msecを超えると、特に硝酸電解液を用いる場合、電解処理で自然発生的に増加するアンモニウムイオン等に代表される電解液中の微量成分の影響を受けやすくなり、均一な砂目立てが行われにくくなる。その結果、平版印刷版としたときの耐汚れ性が低下する傾向にある。
【0067】
台形波交流のduty比は1:2〜2:1のものが使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているように、アルミニウムにコンダクタロールを用いない間接給電方式においてはduty比が1:1のものが好ましい。
台形波交流の周波数は0.1〜120Hzのものを用いることが可能であるが、50〜70Hzが設備上好ましい。50Hzよりも低いと、主極のカーボン電極が溶解しやすくなり、また、70Hzよりも高いと、電源回路上のインダクタンス成分の影響を受けやすくなり、電源コストが高くなる。
【0068】
電解槽には1個以上の交流電源を接続することができる。主極に対向するアルミニウム板に加わる交流の陽極と陰極との電流比をコントロールし、均一な砂目立てを行うことと、主極のカーボンを溶解することとを目的として、図3に示したように、補助陽極を設置し、交流電流の一部を分流させることが好ましい。図3において、11はアルミニウム板であり、12はラジアルドラムローラであり、13aおよび13bは主極であり、14は電解処理液であり、15は電解液供給口であり、16はスリットであり、17は電解液通路であり、18は補助陽極であり、19aおよび19bはサイリスタであり、20は交流電源であり、40は主電解槽であり、50は補助陽極槽である。整流素子またはスイッチング素子を介して電流値の一部を二つの主電極とは別の槽に設けた補助陽極に直流電流として分流させることにより、主極に対向するアルミニウム板上で作用するアノード反応にあずかる電流値と、カソード反応にあずかる電流値との比を制御することができる。主極に対向するアルミニウム板上で、陽極反応と陰極反応とにあずかる電気量の比(陰極時電気量/陽極時電気量)は、0.3〜0.95であるのが好ましい。
【0069】
電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型等の公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているようなラジアル型電解槽が特に好ましい。電解槽内を通過する電解液は、アルミニウムウェブの進行方向に対してパラレルであってもカウンターであってもよい。
【0070】
(硝酸電解)
硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理により、平均開口径0.5〜5μmのピットを形成することができる。ただし、電気量を比較的多くしたときは、電解反応が集中し、5μmを超えるハニカムピットも生成する。
このような砂目を得るためには、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜1000C/dm2 であるのが好ましく、50〜300C/dm2 であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜100A/dm2 であるのが好ましい。
【0071】
(塩酸電解)
塩酸はそれ自身のアルミニウム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけで表面に微細な凹凸を形成させることが可能である。この微細な凹凸は、平均開口径が0.01〜0.2μmであり、アルミニウム板の表面の全面に均一に生成する。このような砂目を得るためには電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜100C/dm2 であるのが好ましく、20〜70C/dm2 であるのがより好ましい。この際の電流密度は、10〜50A/dm2 であるのが好ましい。
【0072】
このような塩酸を主体とする電解液での電気化学的粗面化処理では、アノード反応にあずかる電気量の総和を400〜2000C/dm2 と大きくすることでクレーター状の大きなうねりを同時に形成することも可能である。この場合は平均開口径10〜30μmのクレーター状のうねりに重畳して平均開口径0.01〜0.4μmの微細な凹凸が全面に生成する。
【0073】
上記の硝酸、塩酸等の電解液中で行われる第1および第2の電解粗面化処理の間に、アルミニウム板は陰極電解処理を行うことが好ましい。この陰極電解処理により、アルミニウム板表面にスマットが生成するとともに、水素ガスが発生してより均一な電解粗面化処理が可能となる。この陰極電解処理は、酸性溶液中で陰極電気量が好ましくは3〜80C/dm2 、より好ましくは5〜30C/dm2 で行われる。陰極電気量が3C/dm2 未満であると、スマット付着量が不足する場合があり、また、80C/dm2 を超えると、スマット付着量が過剰となる場合があり、いずれも好ましくない。また、電解液は上記第1および第2の電解粗面化処理で使用する溶液と同一であっても異なっていてもよい。
【0074】
<アルカリエッチング処理>
アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解する処理である。
【0075】
電解粗面化処理より前に行われるアルカリエッチング処理は、機械的粗面化処理を行っていない場合には、前記アルミニウム板(圧延アルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等を除去することを目的として、また、既に機械的粗面化処理を行っている場合には、機械的粗面化処理によって生成した凹凸のエッジ部分を溶解させ、急峻な凹凸を滑らかなうねりを持つ表面に変えることを目的として行われる。
【0076】
アルカリエッチング処理の前に機械的粗面化処理を行わない場合、エッチング量は、0.1〜10g/m2 であるのが好ましく、1〜5g/m2 であるのがより好ましい。エッチング量が0.1g/m2 未満であると、表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等が残存する場合があるため、後段の電解粗面化処理において均一なピット生成ができずムラが発生してしまう場合がある。一方、エッチング量が1〜10g/m2 であると、表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等の除去が十分に行われる。上記範囲を超えるエッチング量とするのは、経済的に不利となる。
【0077】
アルカリエッチング処理の前に機械的粗面化処理を行う場合、エッチング量は、3〜20g/m2 であるのが好ましく、5〜15g/m2 であるのがより好ましい。エッチング量が3g/m2 未満であると、機械的粗面化処理等によって形成された凹凸を平滑化できない場合があり、後段の電解処理において均一なピット形成ができない場合がある。また、印刷時に汚れが劣化する場合がある。一方、エッチング量が20g/m2 を超えると、凹凸構造が消滅してしまう場合がある。
【0078】
電解粗面化処理の直後に行うアルカリエッチング処理は、酸性電解液中で生成したスマットを溶解させることと、電解粗面化処理により形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。
電解粗面化処理で形成されるピットは電解液の種類によって異なるためにその最適なエッチング量も異なるが、電解粗面化処理後に行うアルカリエッチング処理のエッチング量は、0.1〜5g/m2 であるのが好ましい。硝酸電解液を用いた場合、塩酸電解液を用いた場合よりもエッチング量は多めに設定する必要がある。
電解粗面化処理が複数回行われる場合には、それぞれの処理後に、必要に応じてアルカリエッチング処理を行うことができる。
【0079】
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、カセイソーダ、カセイカリが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、例えば、タケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチング速度が速い点および安価である点から、カセイアルカリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、カセイソーダの水溶液が好ましい。
【0080】
アルカリ溶液の濃度は、エッチング量に応じて決定することができるが、1〜50質量%であるのが好ましく、10〜35質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液中にアルミニウムイオンが溶解している場合には、アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜10質量%であるのが好ましく、3〜8質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液の温度は20〜90℃であるのが好ましい。処理時間は1〜120秒であるのが好ましい。
【0081】
アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
【0082】
<デスマット処理>
電解粗面化処理またはアルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。
上記デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
デスマット処理においては、酸性溶液として、上述した電解粗面化処理において排出される硝酸を主体とする水溶液もしくは塩酸を主体とする水溶液の廃液、または、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸を主体とする水溶液の廃液を用いることができる。
デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
【0083】
<陽極酸化処理>
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施されるのが好ましい。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以下の溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0084】
この際、少なくともアルミニウム板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イオン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げられ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていてもよい。
【0085】
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間15秒〜50分であるのが適当であり、所望の陽極酸化皮膜量となるように調整される。
【0086】
また、特開昭54−81133号、特開昭57−47894号、特開昭57−51289号、特開昭57−51290号、特開昭57−54300号、特開昭57−136596号、特開昭58−107498号、特開昭60−200256号、特開昭62−136596号、特開昭63−176494号、特開平4−176897号、特開平4−280997号、特開平6−207299号、特開平5−24377号、特開平5−32083号、特開平5−125597号、特開平5−195291号の各公報等に記載されている方法を使用することもできる。
【0087】
中でも、特開昭54−12853号公報および特開昭48−45303号公報に記載されているように、電解液として硫酸溶液を用いるのが好ましい。電解液中の硫酸濃度は、10〜300g/L(1〜30質量%)であるのが好ましく、また、アルミニウムイオン濃度は、1〜25g/L(0.1〜2.5質量%)であるのが好ましく、2〜10g/L(0.2〜1質量%)であるのがより好ましい。このような電解液は、例えば、硫酸濃度が50〜200g/Lである希硫酸に硫酸アルミニウム等を添加することにより調製することができる。
【0088】
硫酸を含有する電解液中で陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板と対極との間に直流を印加してもよく、交流を印加してもよい。
アルミニウム板に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜60A/dm2 であるのが好ましく、5〜40A/dm2 であるのがより好ましい。
連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板の一部に電流が集中していわゆる「焼け」が生じないように、陽極酸化処理の開始当初は、5〜10A/m2 の低電流密度で電流を流し、陽極酸化処理が進行するにつれ、30〜50A/dm2 またはそれ以上に電流密度を増加させるのが好ましい。
連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが好ましい。
このような条件で陽極酸化処理を行うことによりポア(マイクロポア)と呼ばれる孔を多数有する多孔質皮膜が得られるが、通常、その平均ポア径は5〜50nm程度であり、平均ポア密度は300〜800個/μm2 程度である。
【0089】
陽極酸化皮膜の量は1〜5g/m2 であるのが好ましい。1g/m2 未満であると版に傷が入りやすくなり、一方、5g/m2 を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の量は、1.5〜4g/m2 であるのがより好ましい。また、アルミニウム板の中央部と縁部近傍との間の陽極酸化皮膜量の差が1g/m2 以下になるように行うのが好ましい。
【0090】
陽極酸化処理に用いられる電解装置としては、特開昭48−26638号、特開昭47−18739号、特公昭58−24517号の各公報等に記載されているものを用いることができる。
中でも、図4に示す装置が好適に用いられる。図4は、アルミニウム板の表面を陽極酸化処理する装置の一例を示す概略図である。陽極酸化処理装置410において、アルミニウム板416は、図4中矢印で示すように搬送される。電解液418が貯溜された給電槽412にてアルミニウム板416は給電電極420によって(+)に荷電される。そして、アルミニウム板416は、給電槽412においてローラ422によって上方に搬送され、ニップローラ424によって下方に方向変換された後、電解液426が貯溜された電解処理槽414に向けて搬送され、ローラ428によって水平方向に方向転換される。ついで、アルミニウム板416は、電解電極430によって(−)に荷電されることにより、その表面に陽極酸化皮膜が形成され、電解処理槽414を出たアルミニウム板416は後工程に搬送される。前記陽極酸化処理装置410において、ローラ422、ニップローラ424およびローラ428によって方向転換手段が構成され、アルミニウム板416は、給電槽412と電解処理槽414との槽間部において、前記ローラ422、424および428により、山型および逆U字型に搬送される。給電電極420と電解電極430とは、直流電源434に接続されている。
【0091】
図4の陽極酸化処理装置410の特徴は、給電槽412と電解処理槽414とを1枚の槽壁432で仕切り、アルミニウム板416を槽間部において山型および逆U字型に搬送したことにある。これによって、槽間部におけるアルミニウム板416の長さを最短にすることができる。よって、陽極酸化処理装置410の全体長を短くできるので、設備費を低減することができる。また、アルミニウム板416を山型および逆U字型に搬送することによって、各槽412および414の槽壁にアルミニウム板416を通過させるための開口部を形成する必要がなくなる。よって、各槽412および414内の液面高さを必要レベルに維持するのに要する送液量を抑えることができるので、稼働費を低減することができる。
【0092】
<封孔処理>
本発明においては、必要に応じて陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアを封じる封孔処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平4−4194号公報、特願平4−33952号明細書(特開平5−202496号公報)、特願平4−33951号明細書(特開平5−179482号公報)等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
【0093】
<親水化処理>
陽極酸化処理後または封孔処理後、親水化処理を行ってもよい。親水化処理としては、例えば、米国特許第2,946,638号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細書および英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16893号公報および特開昭58−18291号公報に記載されている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、米国特許第3,860,426号明細書に記載されているように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛)を含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)の下塗層を設ける処理、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホ基を有する水溶性重合体を下塗りする処理が挙げられる。
【0094】
また、特開昭62−019494号公報に記載されているリン酸塩、特開昭62−033692号公報に記載されている水溶性エポキシ化合物、特開昭62−097892号公報に記載されているリン酸変性デンプン、特開昭63−056498号公報に記載されているジアミン化合物、特開昭63−130391号公報に記載されているアミノ酸の無機または有機酸、特開昭63−145092号公報に記載されているカルボキシ基またはヒドロキシ基を含む有機ホスホン酸、特開昭63−165183号公報に記載されているアミノ基とホスホン酸基を有する化合物、特開平2−316290号公報に記載されている特定のカルボン酸誘導体、特開平3−215095号公報に記載されているリン酸エステル、特開平3−261592号公報に記載されている1個のアミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化合物、特開平3−215095号公報に記載されているリン酸エステル、特開平5−246171号公報に記載されているフェニルホスホン酸等の脂肪族または芳香族ホスホン酸、特開平1−307745号公報に記載されているチオサリチル酸のようなS原子を含む化合物、特開平4−282637号公報に記載されているリンの酸素酸のグループを持つ化合物等を用いた下塗りによる処理も挙げられる。
更に、特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料による着色を行うこともできる。
【0095】
また、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸せきさせる方法、親水性ビニルポリマーまたは親水性化合物を塗布して親水性の下塗層を形成させる方法等により、親水化処理を行うのが好ましい。
【0096】
ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液による親水化処理(アルカリ金属ケイ酸塩処理、シリケート処理)は、米国特許第2,714,066号明細書および米国特許第3,181,461号明細書に記載されている方法および手順に従って行うことができる。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を適当量含有してもよい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩または4族(第IVA族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。これらのアルカリ土類金属塩および4族(第IVA族)金属塩は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0097】
本発明の平版印刷版用支持体の表面のSi原子付着量は、インキの絡みにくさが優れたものとなる点で、1g/m2 以上であるのが好ましく、5mg/m2 以上であるのがより好ましく、7mg/m2 以上であるのが更に好ましい。一方、耐刷性およびクリーナ耐刷性が優れたものとなる点で、20mg/m2 以下であるのが好ましく、15mg/m2 以下であるのがより好ましい。
【0098】
Si原子付着量は、蛍光X線分析装置(XRF:X−ray Fluorescence Spectrometer)を用いて検量線法により測定される単位面積あたりのSi原子の質量である。上記数値は、アルミニウム板がSi原子を含有する場合、含有されるSi原子量を補正した後のものである。
【0099】
検量線を作成するための標準試料としては、例えば、既知量のSi原子を含有するケイ酸ナトリウム水溶液を、アルミニウム板の上の30mmφの面積内に均一に滴下した後、乾燥させたものを用いることができる。蛍光X線分析の条件の例を以下に示す。
【0100】
蛍光X線分析装置:理学電機工業社製RIX3000、X線管球:Rh、測定スペクトル:Si−Kα、管電圧:50kV、管電流:50mA、スリット:COARSE、分光結晶:RX4、検出器:F−PC、分析面積:30mmφ、ピーク位置(2θ):144.75deg.、バックグランド(2θ):140.70deg.および146.85deg.、積算時間:80秒/sample
【0101】
アルカリ金属ケイ酸塩処理の条件は、特に限定されないが、例えば、濃度0.5〜5.0質量%の水溶液を用いて、温度20〜100℃で、1〜100秒間浸せきさせ、その後、流水により洗浄する。より好ましい水溶液の濃度は、1.0〜3.0質量%であり、より好ましい浸せき処理温度は40〜80℃であり、より好ましい浸せき時間は5〜30秒間である。上記条件とすることにより、平版印刷版用支持体の表面のSi原子付着量を1〜20mg/m2 とすることができる。その結果、感度、耐刷性、クリーナ耐刷性およびインキの絡みのいずれにも優れる平版印刷版原版を得ることができる。
【0102】
このアルカリ金属ケイ酸塩処理により、平版印刷版用支持体の表面のアルカリ現像液に対する耐溶解性向上の効果が得られ、アルミニウム成分の現像液中への溶出が抑制されて、現像液の疲労に起因する現像カスの発生を低減することができる。
【0103】
また、親水性の下塗層の形成による親水化処理は、特開昭59−101651号公報および特開昭60−149491号公報に記載されている条件および手順に従って行うこともできる。
この方法に用いられる親水性ビニルポリマーとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、スルホ基を有するp−スチレンスルホン酸等のスルホ基含有ビニル重合性化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の通常のビニル重合性化合物との共重合体が挙げられる。また、この方法に用いられる親水性化合物としては、例えば、−NH2 基、−COOH基およびスルホ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有する化合物が挙げられる。
【0104】
<水洗処理>
上述した各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、水道水等を用いることができる。具体的には、例えば、常温のまたは必要に応じて加温した温度20〜60℃の水が用いられる。また、各処理の工程間のうちpHが中性になるとスケールが発生しやすい場所においては、酸を少量添加した水も用いられる。
処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
【0105】
<アルミニウム板(圧延アルミ)>
本発明の平版印刷版用支持体を得るためには公知のアルミニウム板を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。
【0106】
本明細書においては、上述したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる各種の基板をアルミニウム板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。
【0107】
このように本発明に用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、例えば、アルミニウムハンドブック第4版(1990年、軽金属協会発行)に記載されている従来公知の素材、例えば、JIS A1050、JISA1100、JIS A1070、Mnを含むJIS A3004、国際登録合金 3103A等のAl−Mn系アルミニウム板を適宜利用することができる。また、引張強度を増す目的で、これらのアルミニウム合金に0.1質量%以上のマグネシウムを添加したAl−Mg系合金、Al−Mn−Mg系合金(JISA3005)を用いることもできる。更に、ZrやSiを含むAl−Zr系合金やAl−Si系合金を用いることもできる。更に、Al−Mg−Si系合金を用いることもできる。
【0108】
JIS1050材に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開昭59−153861号、特開昭61−51395号、特開昭62−146694号、特開昭60−215725号、特開昭60−215726号、特開昭60−215727号、特開昭60−216728号、特開昭61−272367号、特開昭58−11759号、特開昭58−42493号、特開昭58−221254号、特開昭62−148295号、特開平4−254545号、特開平4−165041号、特公平3−68939号、特開平3−234594号、特公平1−47545号および特開昭62−140894号の各公報に記載されている。また、特公平1−35910号公報、特公昭55−28874号公報等に記載された技術も知られている。
【0109】
JIS1070材に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開平7−81264号、特開平7−305133号、特開平8−49034号、特開平8−73974号、特開平8−108659号および特開平8−92679号の各公報に記載されている。
【0110】
Al−Mg系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特公昭62−5080号、特公昭63−60823号、特公平3−61753号、特開昭60−203496号、特開昭60−203497号、特公平3−11635号、特開昭61−274993号、特開昭62−23794号、特開昭63−47347号、特開昭63−47348号、特開昭63−47349号、特開昭64−1293号、特開昭63−135294号、特開昭63−87288号、特公平4−73392号、特公平7−100844号、特開昭62−149856号、特公平4−73394号、特開昭62−181191号、特公平5−76530号、特開昭63−30294号および特公平6−37116号の各公報に記載されている。また、特開平2−215599号公報、特開昭61−201747号公報等にも記載されている。
【0111】
Al−Mn系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開昭60−230951号、特開平1−306288号および特開平2−293189号の各公報に記載されている。また、特公昭54−42284号、特公平4−19290号、特公平4−19291号、特公平4−19292号、特開昭61−35995号、特開昭64−51992号、特開平4−226394号の各公報、米国特許第5,009,722号明細書、同第5,028,276号明細書等にも記載されている。
【0112】
Al−Mn−Mg系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開昭62−86143号公報および特開平3−222796号公報に記載されている。また、特公昭63−60824号、特開昭60−63346号、特開昭60−63347号、特開平1−293350号の各公報、欧州特許第223,737号、米国特許第4,818,300号、英国特許第1,222,777号の各明細書等にも記載されている。
【0113】
Al−Zr系合金に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特公昭63−15978号公報および特開昭61−51395号公報に記載されている。また、特開昭63−143234号、特開昭63−143235号の各公報等にも記載されている。
【0114】
Al−Mg−Si系合金に関しては、英国特許第1,421,710号明細書等に記載されている。
【0115】
本発明においては、上述したように、アルミニウム板の組成を特に限定されないが、Fe含有量が0.2〜0.7質量%、Si含有量が0.04〜0.15質量%、Ti含有量が0.001〜0.05質量%、Cu含有量が0.000〜0.05質量%であるアルミニウム板を用いるのが好ましい。更に、Cu含有量が0.015〜0.05質量%であるのが好ましい。
上記組成のアルミニウム板は、特にCu含有量を比較的多くすると、電解粗面化処理を含む粗面化処理を施した場合に、本発明の第一の態様においては、表面粗さRa 50(0.2-2) が上記好適範囲になりやすく、また、本発明の第二の態様においては、表面積比ΔS5(0.02-0.2) が、上記式(1)を満足しやすくなる。
【0116】
アルミニウム合金を板材とするには、例えば、下記の方法を採用することができる。まず、所定の合金成分含有量に調整したアルミニウム合金溶湯に、常法に従い、清浄化処理を行い、鋳造する。清浄化処理には、溶湯中の水素等の不要ガスを除去するために、フラックス処理、アルゴンガス、塩素ガス等を用いる脱ガス処理、セラミックチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレーク、アルミナボール等をろ材とするフィルタや、グラスクロスフィルタ等を用いるフィルタリング処理、あるいは、脱ガス処理とフィルタリング処理を組み合わせた処理が行われる。
【0117】
これらの清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物、酸化物等の異物による欠陥や、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために実施されることが好ましい。溶湯のフィルタリングに関しては、特開平6−57432号、特開平3−162530号、特開平5−140659号、特開平4−231425号、特開平4−276031号、特開平5−311261号、特開平6−136466号の各公報等に記載されている。また、溶湯の脱ガスに関しては、特開平5−51659号公報、実開平5−49148号公報等に記載されている。本願出願人も、特開平7−40017号公報において、溶湯の脱ガスに関する技術を提案している。
【0118】
ついで、上述したように清浄化処理を施された溶湯を用いて鋳造を行う。鋳造方法に関しては、DC鋳造法に代表される固体鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法がある。
DC鋳造においては、冷却速度が0.5〜30℃/秒の範囲で凝固する。1℃未満であると粗大な金属間化合物が多数形成されることがある。DC鋳造を行った場合、板厚300〜800mmの鋳塊を製造することができる。その鋳塊を、常法に従い、必要に応じて面削を行い、通常、表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmを切削する。その前後において、必要に応じて、均熱化処理を行う。均熱化処理を行う場合、金属間化合物が粗大化しないように、450〜620℃で1〜48時間の熱処理を行う。熱処理が1時間より短い場合には、均熱化処理の効果が不十分となることがある。
【0119】
その後、熱間圧延、冷間圧延を行ってアルミニウム板の圧延板とする。熱間圧延の開始温度は350〜500℃が適当である。熱間圧延の前もしくは後、またはその途中において、中間焼鈍処理を行ってもよい。中間焼鈍処理の条件は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜600℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で2〜10時間加熱するか、連続焼鈍炉を用いて400〜600℃で6分以下、好ましくは450〜550℃で2分以下加熱するかである。連続焼鈍炉を用いて10〜200℃/秒の昇温速度で加熱して、結晶組織を細かくすることもできる。
【0120】
以上の工程によって、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmに仕上げられたアルミニウム板は、更にローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によって平面性を改善してもよい。平面性の改善は、アルミニウム板をシート状にカットした後に行ってもよいが、生産性を向上させるためには、連続したコイルの状態で行うことが好ましい。また、所定の板幅に加工するため、スリッタラインを通してもよい。また、アルミニウム板同士の摩擦による傷の発生を防止するために、アルミニウム板の表面に薄い油膜を設けてもよい。油膜には、必要に応じて、揮発性のものや、不揮発性のものが適宜用いられる。
【0121】
一方、連続鋳造法としては、双ロール法(ハンター法)、3C法に代表される冷却ロールを用いる方法、双ベルト法(ハズレー法)、アルスイスキャスターII型に代表される冷却ベルトや冷却ブロックを用いる方法が、工業的に行われている。連続鋳造法を用いる場合には、冷却速度が100〜1000℃/秒の範囲で凝固する。連続鋳造法は、一般的には、DC鋳造法に比べて冷却速度が速いため、アルミマトリックスに対する合金成分固溶度を高くすることができるという特徴を有する。連続鋳造法に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開平3−79798号、特開平5−201166号、特開平5−156414号、特開平6−262203号、特開平6−122949号、特開平6−210406号、特開平6−26308号の各公報等に記載されている。
【0122】
連続鋳造を行った場合において、例えば、ハンター法等の冷却ロールを用いる方法を用いると、板厚1〜10mmの鋳造板を直接、連続鋳造することができ、熱間圧延の工程を省略することができるというメリットが得られる。また、ハズレー法等の冷却ベルトを用いる方法を用いると、板厚10〜50mmの鋳造板を鋳造することができ、一般的に、鋳造直後に熱間圧延ロールを配置し連続的に圧延することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得られる。
【0123】
これらの連続鋳造圧延板は、DC鋳造について説明したのと同様に、冷間圧延、中間焼鈍、平面性の改善、スリット等の工程を経て、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmの板厚に仕上げられる。連続鋳造法を用いた場合の中間焼鈍条件および冷間圧延条件については、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−220593号、特開平6−210308号、特開平7−54111号、特開平8−92709号の各公報等に記載されている。
【0124】
このようにして製造されるアルミニウム板には、以下に述べる種々の特性が望まれる。
アルミニウム板の強度は、平版印刷版用支持体として必要な腰の強さを得るため、0.2%耐力が140MPa以上であるのが好ましい。また、バーニング処理を行った場合にもある程度の腰の強さを得るためには、270℃で3〜10分間加熱処理した後の0.2%耐力が80MPa以上であるのが好ましく、100MPa以上であるのがより好ましい。特に、アルミニウム板に腰の強さを求める場合は、MgやMnを添加したアルミニウム材料を採用することができるが、腰を強くすると印刷機の版胴へのフィットしやすさが劣ってくるため、用途に応じて、材質および微量成分の添加量が適宜選択される。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平7−126820号公報、特開昭62−140894号公報等に記載されている。
【0125】
アルミニウム板の結晶組織は、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理を行った場合、アルミニウム板の表面の結晶組織が面質不良の発生の原因となることがあるので、表面においてあまり粗大でないことが好ましい。アルミニウム板の表面の結晶組織は、幅が200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましく、50μm以下であるのが更に好ましく、また、結晶組織の長さが5000μm以下であるのが好ましく、1000μm以下であるのがより好ましく、500μm以下であるのが更に好ましい。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−218495号、特開平7−39906号、特開平7−124609号の各公報等に記載されている。
【0126】
アルミニウム板の合金成分分布は、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理を行った場合、アルミニウム板の表面の合金成分の不均一な分布に起因して面質不良が発生することがあるので、表面においてあまり不均一でないことが好ましい。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−48058号、特開平5−301478号、特開平7−132689号の各公報等に記載されている。
【0127】
アルミニウム板の金属間化合物は、その金属間化合物のサイズや密度が、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理に影響を与える場合がある。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平7−138687号、特開平4−254545号の各公報等に記載されている。
【0128】
本発明においては、上記に示されるようなアルミニウム板をその最終圧延工程において、積層圧延、転写等により凹凸を付けて用いることもできる。
【0129】
本発明に用いられるアルミニウム板は、連続した帯状のシート材または板材である。即ち、アルミニウムウェブであってもよく、製品として出荷される平版印刷版原版に対応する大きさ等に裁断された枚葉状シートであってもよい。
アルミニウム板の表面のキズは平版印刷版用支持体に加工した場合に欠陥となる可能性があるため、平版印刷版用支持体とする表面処理工程の前の段階でのキズの発生は可能な限り抑制する必要がある。そのためには安定した形態で運搬時に傷付きにくい荷姿であることが好ましい。
アルミニウムウェブの場合、アルミニウムの荷姿としては、例えば、鉄製パレットにハードボードとフェルトとを敷き、製品両端に段ボールドーナツ板を当て、ポリチュ−ブで全体を包み、コイル内径部に木製ドーナツを挿入し、コイル外周部にフェルトを当て、帯鉄で絞め、その外周部に表示を行う。また、包装材としては、ポリエチレンフィルム、緩衝材としては、ニードルフェルト、ハードボードを用いることができる。この他にもいろいろな形態があるが、安定して、キズも付かず運送等が可能であればこの方法に限るものではない。
【0130】
本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1mm〜0.6mm程度であり、0.15mm〜0.4mmであるのが好ましく、0.2mm〜0.3mmであるのがより好ましい。この厚みは、印刷機の大きさ、印刷版の大きさ、ユーザーの希望等により適宜変更することができる。
【0131】
[平版印刷版原版]
本発明の平版印刷版用支持体には、画像記録層を設けて本発明の平版印刷版原版とすることができる。画像記録層には、感光性組成物が用いられる。
本発明に好適に用いられる感光性組成物としては、例えば、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルポジ型感光性組成物(以下、この組成物およびこれを用いた画像記録層について、「サーマルポジタイプ」という。)、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルネガ型感光性組成物(以下、同様に「サーマルネガタイプ」という。)、光重合型感光性組成物(以下、同様に「フォトポリマータイプ」という。)、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有するネガ型感光性組成物(以下、同様に「コンベンショナルネガタイプ」という。)、キノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性組成物(以下、同様に「コンベンショナルポジタイプ」という。)、特別な現像工程を必要としない感光性組成物(以下、同様に「無処理タイプ」という。)が挙げられる。以下、これらの好適な感光性組成物について説明する。
【0132】
<サーマルポジタイプ>
<感光層>
サーマルポジタイプの感光性組成物は、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルポジタイプの画像記録層においては、光熱変換物質が赤外線レーザ等の光のエネルギーを熱に変換し、その熱がアルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ溶解性を低下させている相互作用を効率よく解除する。
【0133】
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、分子中に酸性基を含有する樹脂およびその2種以上の混合物が挙げられる。特に、フェノール性ヒドロキシ基、スルホンアミド基(−SO2 NH−R(式中、Rは炭化水素基を表す。))、活性イミノ基(−SO2 NHCOR、−SO2 NHSO2 R、−CONHSO2 R(各式中、Rは上記と同様の意味である。))等の酸性基を有する樹脂がアルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい。
とりわけ、赤外線レーザ等の光による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有する樹脂が好ましく、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい)混合−ホルムアルデヒド樹脂(フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂)等のノボラック樹脂が好適に挙げられる。
更に、特開2001−305722号公報(特に[0023]〜[0042])に記載されている高分子化合物、特開2001−215693号公報に記載されている一般式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物、特開2002−311570号公報(特に[0107])に記載されている高分子化合物も好適に挙げられる。
【0134】
光熱変換物質としては、記録感度の点で、波長700〜1200nmの赤外域に光吸収域がある顔料または染料が好適に挙げられる。染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)が挙げられる。中でも、シアニン染料が好ましく、とりわけ特開2001−305722号公報に記載されている一般式(I)で表されるシアニン染料が好ましい。
【0135】
サーマルポジタイプの感光性組成物中には、溶解阻止剤を含有させることができる。溶解阻止剤としては、例えば、特開2001−305722号公報の[0053]〜[0055]に記載されているような溶解阻止剤が好適に挙げられる。
また、サーマルポジタイプの感光性組成物中には、添加剤として、感度調節剤、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤としての染料等の化合物、塗布性および処理安定性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。これらについては、特開2001−305722号公報の[0056]〜[0060]に記載されているような化合物が好ましい。
上記以外の点でも、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている感光性組成物が好ましく用いられる。
【0136】
また、サーマルポジタイプの画像記録層は、単層に限らず、2層構造であってもよい。
2層構造の画像記録層(重層系の画像記録層)としては、支持体に近い側に耐刷性および耐溶剤性に優れる下層(以下「A層」という。)を設け、その上にポジ画像形成性に優れる層(以下「B層」という。)を設けたタイプが好適に挙げられる。このタイプは感度が高く、広い現像ラチチュードを実現することができる。B層は、一般に、光熱変換物質を含有する。光熱変換物質としては、上述した染料が好適に挙げられる。
A層に用いられる樹脂としては、スルホンアミド基、活性イミノ基、フェノール性ヒドロキシ基等を有するモノマーを共重合成分として有するポリマーが耐刷性および耐溶剤性に優れている点で好適に挙げられる。B層に用いられる樹脂としては、フェノール性ヒドロキシ基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂が好適に挙げられる。
A層およびB層に用いられる組成物には、上記樹脂のほかに、必要に応じて、種々の添加剤を含有させることができる。具体的には、特開2002−3233769号公報の[0062]〜[0085]に記載されているような種々の添加剤が好適に用いられる。また、上述した特開2001−305722号公報の[0053]〜[0060]に記載されている添加剤も好適に用いられる。
A層およびB層を構成する各成分およびその含有量については、特開平11−218914号公報に記載されているようにするのが好ましい。
【0137】
<中間層>
サーマルポジタイプの画像記録層と支持体との間には、中間層を設けるのが好ましい。中間層に含有される成分としては、特開平11−109637号公報の[0036]に記載されている酸基とオニウム基とを有する高分子化合物が好適に挙げられる。また、特開2001−305722号公報の[0068]に記載されている種々の有機化合物が好適に挙げられる。
【0138】
<その他>
サーマルポジタイプの画像記録層の製造方法および製版方法については、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0139】
<サーマルネガタイプ>
サーマルネガタイプの感光性組成物は、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルネガタイプの画像記録層は、赤外線レーザ等の光で照射された部分が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層である。
<重合層>
サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、重合型の画像記録層(重合層)が好適に挙げられる。重合層は、光熱変換物質と、ラジカル発生剤と、硬化性化合物であるラジカル重合性化合物と、バインダーポリマーとを含有する。重合層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱によりラジカル発生剤が分解してラジカルが発生し、発生したラジカルによりラジカル重合性化合物が連鎖的に重合し、硬化する。
【0140】
光熱変換物質としては、例えば、上述したサーマルポジタイプに用いられる光熱変換物質が挙げられる。特に好ましいシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の[0017]〜[0019]に記載されているものが挙げられる。
ラジカル発生剤としては、オニウム塩が好適に挙げられる。特に、特開2001−133969号公報の[0030]〜[0033]に記載されているオニウム塩が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーが好適に挙げられる。水または弱アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが好適に挙げられる。中でも、アリル基、アクリロイル基等の不飽和基またはベンジル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れている点で好適である。
ラジカル重合性化合物およびバインダーポリマーについては、特開2001−133969号公報の[0036]〜[0060]に詳細に記載されているものを用いることができる。
【0141】
サーマルネガタイプの感光性組成物中には、特開2001−133969号公報の[0061]〜[0068]に記載されている添加剤(例えば、塗布性を向上させるための界面活性剤)を含有させるのが好ましい。
【0142】
重合層の製造方法および製版方法については、特開2001−133969号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0143】
<酸架橋層>
また、サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、酸架橋型の画像記録層(酸架橋層)も好適に挙げられる。酸架橋層は、光熱変換物質と、熱酸発生剤と、硬化性化合物である酸により架橋する化合物(架橋剤)と、酸の存在下で架橋剤と反応しうるアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する。酸架橋層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱により熱酸発生剤が分解して酸が発生し、発生した酸により架橋剤とアルカリ可溶性高分子化合物とが反応し、硬化する。
【0144】
光熱変換物質としては、重合層に用いられるのと同様のものが挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の熱分解化合物が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物;N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーが挙げられる。
【0145】
<フォトポリマータイプ>
光重合型感光性組成物は、付加重合性化合物と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを含有する。
付加重合性化合物としては、付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物が好適に挙げられる。エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物である。具体的には、例えば、モノマー、プレポリマー、これらの混合物等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。
また、付加重合性化合物としては、ウレタン系付加重合性化合物も好適に挙げられる。
【0146】
光重合開始剤としては、種々の光重合開始剤または2種以上の光重合開始剤の併用系(光開始系)を、使用する光源の波長により適宜選択して用いることができる。例えば、特開2001−22079号公報の[0021]〜[0023]に記載されている開始系が好適に挙げられる。
高分子結合剤は、光重合型感光性組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、画像記録層をアルカリ現像液に溶解させる必要があるため、アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が用いられる。そのような有機高分子重合体としては、特開2001−22079号公報の[0036]〜[0063]に記載されているものが好適に挙げられる。
【0147】
フォトポリマータイプの光重合型感光性組成物中には、特開2001−22079号公報の[0079]〜[0088]に記載されている添加剤(例えば、塗布性を向上させるための界面活性剤、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤)を含有させるのが好ましい。
【0148】
また、フォトポリマータイプの画像記録層の上に、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性保護層を設けることが好ましい。酸素遮断性保護層に含有される重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール、その共重合体が挙げられる。
更に、特開2001−228608号公報の[0124]〜[0165]に記載されているような中間層または接着層を設けるのも好ましい。
【0149】
<コンベンショナルネガタイプ>
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物は、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有する。中でも、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物(結合剤)とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
ジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等の活性カルボニル基含有化合物との縮合物;p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロリン酸塩またはテトラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公報に記載されている6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ましい。
結合剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分として含む共重合体が挙げられる。具体的には、特開昭50−118802号公報に記載されているような2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のモノマーの多元共重合体、特開昭56−4144号公報に記載されているようなアルキルアクリレート、(メタ)アクリロニトリルおよび不飽和カルボン酸からなる多元共重合体が挙げられる。
【0150】
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物には、添加剤として、特開平7−281425号公報の[0014]〜[0015]に記載されている焼出し剤、染料、塗膜の柔軟性および耐摩耗性を付与するための可塑剤、現像促進剤等の化合物、塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0151】
コンベンショナルネガタイプの感光層の下には、特開2000−105462号公報に記載されている、酸基を有する構成成分とオニウム基を有する構成成分とを有する高分子化合物を含有する中間層を設けるのが好ましい。
【0152】
<コンベンショナルポジタイプ>
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物は、キノンジアジド化合物を含有する。中でも、o−キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、米国特許第3,635,709号明細書に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルが挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂、ポリヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、特開平7−36184号公報に記載されているカルボキシ基含有ポリマー、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂、ウレタン系の樹脂が挙げられる。
【0153】
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物には、添加剤として、特開平7−92660号公報の[0024]〜[0027]に記載されている感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や、特開平7−92660号公報の[0031]に記載されているような塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0154】
コンベンショナルポジタイプの感光層の下には、上述したコンベンショナルネガタイプに好適に用いられる中間層と同様の中間層を設けるのが好ましい。
【0155】
<無処理タイプ>
無処理タイプの感光性組成物には、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、スルホン酸発生ポリマー含有型等が挙げられる。これらはいずれも光熱変換物質を含有する感熱型である。光熱変換物質は、上述したサーマルポジタイプに用いられるのと同様の染料が好ましい。
【0156】
熱可塑性微粒子ポリマー型の感光性組成物は、疎水性かつ熱溶融性の微粒子ポリマーが親水性高分子マトリックス中に分散されたものである。熱可塑性微粒子ポリマー型の画像記録層においては、露光により発生する熱により疎水性の微粒子ポリマーが溶融し、互いに融着して疎水性領域、即ち、画像部を形成する。
微粒子ポリマーとしては、微粒子同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散しうるものがより好ましい。具体的には、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号および同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーが好適に挙げられる。中でも、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸メチルが好ましい。親水性表面を有する微粒子ポリマーとしては、例えば、ポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性化合物を微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものが挙げられる。
微粒子ポリマーは、反応性官能基を有するのが好ましい。
【0157】
マイクロカプセル型の感光性組成物としては、特開2000−118160号公報に記載されているもの、特開2001−277740号公報に記載されているような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好適に挙げられる。
【0158】
スルホン酸発生ポリマー含有型の感光性組成物に用いられるスルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基またはsec−もしくはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマーが挙げられる。
【0159】
無処理タイプの感光性組成物に、親水性樹脂を含有させることにより、機上現像性が良好となるばかりか、感光層自体の皮膜強度も向上する。親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するもの、親水性のゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。
【0160】
無処理タイプの画像記録層は、特別な現像工程を必要とせず、印刷機上で現像することができる。無処理タイプの画像記録層の製造方法および製版印刷方法については、特開2002−178655号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0161】
<バックコート>
このようにして、本発明の平版印刷版用支持体上に各種の画像記録層を設けて得られる本発明の平版印刷版原版の裏面には、必要に応じて、重ねた場合における画像記録層の傷付きを防止するために、有機高分子化合物からなる被覆層を設けることができる。
【0162】
[製版方法(平版印刷版の製造方法)]
本発明の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版原版は、画像記録層に応じた種々の処理方法により、平版印刷版とされる。
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプが挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘリウム−ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム−カドミウムレーザ、KrFエキシマーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、YAG−SHGレーザが挙げられる。
【0163】
上記露光の後、画像記録層がサーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、コンベンショナルネガタイプ、コンベンショナルポジタイプおよびフォトポリマータイプのいずれかである場合は、露光した後、現像液を用いて現像して平版印刷版を得るのが好ましい。
現像液は、アルカリ現像液であるのが好ましく、有機溶剤を実質的に含有しないアルカリ性の水溶液であるのがより好ましい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液も好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液を用いて現像する方法としては、特開平11−109637号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液を用いることもできる。
【0164】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
1.平版印刷版用支持体の作成
(実施例1〜19および比較例1〜12)
<アルミニウム板>
第1表に示される異元素を含有する各アルミニウム板を以下に示す表面処理に供した。
【0165】
【表1】
Figure 0003925718
【0166】
<表面処理>
アルミニウム板に、以下の(a)〜(k)の各種表面処理を第2表に示す組み合わせで連続的に行い、実施例1〜19および比較例1〜12の平版印刷版用支持体を得た。各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
なお、第2表中、「−」は該当する表面処理を行わなかったことを表す。
【0167】
【表2】
Figure 0003925718
【0168】
【表3】
Figure 0003925718
【0169】
以下、各表面処理(a)〜(k)を説明する。
(a)機械的粗面化処理(ブラシグレイン法)
図1に模式的に示したような装置を使って、研磨剤(パミス)の水懸濁液(比重1.1g/cm3 )を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。機械的粗面化処理は、第3表に示す条件B−1〜B−3のいずれかで行った。
研磨剤のメジアン径は第3表に示したとおりであった。ローラ状ブラシは、ナイロンブラシをφ400mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。ここで、ローラ状ブラシとしては、第3表に示すように、ナイロンブラシの植毛の方法が異なる2種のものを用いた。ローラ状ブラシの種類については、後述する。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。
ローラ状ブラシは図1には2本しか示されていないが、実際には第3表に示す数で使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ250mm)の表面間の距離は300mmであった。ローラ状ブラシはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ローラ状ブラシをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して10kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向および回転数は第3表に示したとおりであった。なお、第3表におけるブラシの回転方向および回転数は、アルミニウム板の搬送方向上流側から順に、ブラシを1本目、2本目、3本目、4本目として表した。
【0170】
<ローラ状ブラシの種類>
第3表中の束植ブラシおよびチャンネルブラシについて説明する。
図5に、束植ブラシの模式図を示す。(A)は側面図であり、(B)はそのVB−VB線に沿った縦断面図である。図5に示されるように、束植ブラシ52は、ナイロンブラシ54を直径約10mmに束ねて、筒56の表面に、束ピッチが30mmとなるように、等ピッチで植毛したものである。
図6に、チャンネルブラシの模式図を示す。(A)は側面図であり、(B)はそのVIB−VIB線に沿った縦断面図である。図6に示されるように、チャンネルブラシ62は、ナイロンブラシ64を厚さ5mmとなるように直線上に植毛したチャンネル68と呼ばれるブラシユニットを、筒66の表面に、チャンネル68間のピッチが15mmとなるように、筒66の回転軸に傾きを持たせて円周上等ピッチに取り付けたものである。
【0171】
【表4】
Figure 0003925718
【0172】
(b)アルカリエッチング処理
アルカリエッチング処理は、第4表に示す条件E−1〜E−10のいずれかで行った。
具体的には、第4表に示すカセイソーダ濃度およびアルミニウムイオン濃度のカセイソーダ水溶液を用いスプレーにより、第4表に示すアルミニウム溶解量でエッチング処理を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。なお、アルカリエッチング処理の温度は、70℃であった。
【0173】
【表5】
Figure 0003925718
【0174】
(c)デスマット処理
デスマット処理は、第5表に示す条件D−1およびD−2のいずれかで行った。
具体的には、第5表に示す種類、濃度および温度の酸水溶液で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0175】
【表6】
Figure 0003925718
【0176】
(d)電気化学的粗面化処理
電気化学的粗面化処理は、第6表に示す条件C−1〜C−3および第7表に示す条件M−1〜M−4のいずれかで行った。具体的には、以下のようにして行った。
(d−1)硝酸電解(条件C−1〜C−3)
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2 、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で第6表に示す値とした。
その後、スプレーによる水洗を行った。
【0177】
【表7】
Figure 0003925718
【0178】
(d−2)塩酸電解(条件M−1〜M−4)
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2 であった。
塩酸電解に用いた電解液は第7表に示す塩酸濃度の水溶液(第7表に示す濃度のアルミニウムイオンを含む。)であり、塩酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で第7表に示す値とした。
その後、スプレーによる水洗を行った。
【0179】
【表8】
Figure 0003925718
【0180】
(e)アルカリエッチング処理
アルカリエッチング処理は、第4表に示す条件E−1〜E−10のいずれかで行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0181】
(f)デスマット処理
デスマット処理は、第5表に示す条件D−1およびD−2のいずれかで行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0182】
(g)電気化学的粗面化処理
電気化学的粗面化処理は、第6表に示す条件C−1〜C−3ならびに第7表に示す条件M−1〜M−4のいずれかで行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0183】
(h)アルカリエッチング処理
アルカリエッチング処理は、第4表に示す条件E−1〜E−10のいずれかで行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0184】
(i)デスマット処理
デスマット処理は、第5表に示す条件D−1およびD−2のいずれかで行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0185】
(j)陽極酸化処理
陽極酸化処理は、下記の条件A−1により行った。
<条件A−1>
図4に示す構造の直流電解による陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行い、平版印刷版用支持体を得た。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度15質量%(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度38℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.5g/m2 であった。
【0186】
(k)シリケート処理
シリケート処理は、第8表に示す条件S−1〜S−5のいずれかで行った。
具体的には、第8表に示す濃度および温度の3号ケイ酸ソーダ水溶液(Na2 O:SiO2 =1:3、SiO2 含有量30質量%、日本化学工業社製)に、第8表に示す時間浸せきさせた。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。
【0187】
【表9】
Figure 0003925718
【0188】
2.平版印刷版用支持体の表面形状のファクターの算出
上記で得られた平版印刷版用支持体の表面について、以下のようにしてa455(0.02-0.2) 、Ra 50、Ra 50(0.2-2) およびΔS5(0.02-0.2) を求めた。なお、実施例1〜4および9〜19ならびに比較例1〜6および9〜12については、a455(0.02-0.2) 、Ra 50およびRa 50(0.2-2) を求め、実施例5〜8ならびに比較例7および8については、a455(0.02-0.2) およびΔS5(0.02-0.2) を求めた。
結果を第9表〜第12表に示す。
【0189】
(1)原子間力顕微鏡による表面形状の測定
a455(0.02-0.2) 、Ra 50、Ra 50(0.2-2) およびΔS5(0.02-0.2) を求めるために、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)により表面形状を測定し、3次元データを求めた。
平版印刷版用支持体を1cm角の大きさに切り取って、ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾスキャナーは、XY方向について150μm、Z方向について10μm、走査可能なものを使用した。カンチレバーは共振周波数120〜400kHz、バネ定数12〜90N/mのもの(SI−DF20、セイコーインスツルメンツ社製、NCH−10、NANOSENSORS社製、または、AC−160TS、オリンパス社製)を用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定した。また、求めた3次元データを最小二乗近似することにより試料のわずかな傾きを補正し基準面を求めた。
計測の際は、a455(0.02-0.2) およびΔS5(0.02-0.2) については、表面の5μm□を512×512点測定した。XY方向の分解能は0.01μm、Z方向の分解能は0.15nm、スキャン速度は5μm/secとした。
また、Ra 50およびRa 50(0.2-2) については、表面の50μm□を512×512点測定した。XY方向の分解能は0.1μm、Z方向の分解能は0.15nm、スキャン速度は50μm/secとした。
【0190】
(2)3次元データの補正
a455(0.02-0.2) およびΔS5(0.02-0.2) の算出には、上記(1)で求められた表面の5μm□の測定に基づく3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出したものを用いた。波長0.02μm以上0.2μm以下の成分の抽出は、上記(1)で求められた3次元データを高速フーリエ変換をして周波数分布を求め、ついで、波長0.02μm未満の成分および波長0.2μmを超える成分を除去した後、フーリエ逆変換をすることにより行った。
また、Ra 50の算出には、上記(1)で求められた表面の50μm□の測定に基づく3次元データをそのまま用いた。
また、Ra 50(0.2-2) の算出には、上記(1)で求められた表面の50μm□の測定に基づく3次元データから波長0.2μm以上2μm以下の成分を抽出したものを用いた。波長0.2μm以上2μm以下の成分の抽出は、上記(1)で求められた3次元データを高速フーリエ変換をして周波数分布を求め、ついで、波長0.2μm未満の成分および波長2μmを超える成分を除去した後、フーリエ逆変換をすることにより行った。
【0191】
(3)各ファクターの算出
▲1▼a455(0.02-0.2)
上記(2)で補正して得られた3次元データ(f(x,y))を用い、各基準点と所定の方向(例えば、右と下)の隣接する2点との3点で形成される微小三角形と基準面とのなす角を各基準点について算出した。微小三角形の傾斜度が45度以上の基準点の個数を、全基準点の個数(全データの個数である512×512点から所定の方向の隣接する2点がない点の個数を減じた個数、即ち、511×511点)で除して、傾斜度45度以上の部分の面積率a455(0.02-0.2) を算出した。
【0192】
▲2▼Ra 50およびRa 50(0.2-2)
上記(1)で求められた3次元データ(f(x,y))を用い、下記式から表面粗さRa を算出し、Ra 50とした。
また、上記(2)で補正して得られた3次元データ(f(x,y))を用い、下記式から表面粗さRa を算出し、Ra 50(0.2-2) とした。
【0193】
【数2】
Figure 0003925718
【0194】
式中、Lx およびLy は、それぞれ測定領域(長方形)のx方向およびy方向の辺の長さを表し、本発明においてはLx =Ly =50μmである。また、S0 は幾何学的測定面積であり、S0 =Lx ×Ly で求められる。
【0195】
▲3▼ΔS5(0.02-0.2)
上記(2)で補正して得られた3次元データ(f(x,y))を用い、隣り合う3点を抽出し、その3点で形成される微小三角形の面積の総和を求め、実面積Sx 5(0.02-0.2) とした。表面積比ΔS5(0.02-0.2) は、得られた実面積Sx 5 (0.02-0.2)と幾何学的測定面積S0 5とから、上記式(1)により求めた。
【0196】
また、実施例9〜11ならびに比較例1および3については、平均円相当径0.5μm以下のピットの有無および略正方形または長方形のピットの割合を以下のようにして求めた。
FE−SEM(S−900、日立製作所社製)を用いて支持体の表面を真上から倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真においてSEM写真の1.6μm×1.8μmの視野を3視野観察して、平均円相当径0.5μm以下のピットの総数を数えた。ついで、SEM写真において、真円でないピットであって、角部の曲率半径(R)がそのピットの円相当径の1/4以下であるものを略正方形または長方形であるとして、その個数を数えた。略正方形または長方形のピットの個数を平均円相当径0.5μm以下のピットの総数で除して、略正方形または長方形のピットの割合を算出した。
結果を第13表に示す。
【0197】
3.平版印刷版用支持体の表面のSi原子付着量の測定
上記で得られた平版印刷版用支持体の表面のSi原子付着量を蛍光X線分析装置を用い、検量線法により測定した。結果を第12表に示す。なお、第12表中の値は、アルミニウム板に含有されるSi原子量を補正してある。
【0198】
検量線を作成するための標準試料としては、既知量のSi原子を含有するケイ酸ナトリウム水溶液を、アルミニウム板の上の30mmφの面積内に均一に滴下した後、乾燥させたものを用いた。蛍光X線分析の条件を以下に示す。
【0199】
蛍光X線分析装置:理学電機工業社製RIX3000、X線管球:Rh、測定スペクトル:Si−Kα、管電圧:50kV、管電流:50mA、スリット:COARSE、分光結晶:RX4、検出器:F−PC、分析面積:30mmφ、ピーク位置(2θ):144.75deg.、バックグランド(2θ):140.70deg.および146.85deg.、積算時間:80秒/sample
【0200】
4.平版印刷版原版の作成
上記で得られた各平版印刷版用支持体に、以下のようにしてサーマルポジタイプの画像記録層を設けて平版印刷版原版を得た。なお、画像記録層を設ける前には、後述するように下塗層を設けた。
【0201】
シリケート処理後の平版印刷版用支持体上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、下塗層の塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は10mg/m2 であった。
【0202】
<下塗液組成>
・下記高分子化合物 0.2g
・メタノール 100g
・水 1g
【0203】
【化1】
Figure 0003925718
【0204】
更に、下記組成の感熱層塗布液を調製し、下塗層を設けた平版印刷版用支持体に、この感熱層塗布液を乾燥後の塗布量(感熱層塗布量)が1.7g/m2 になるよう塗布し、乾燥させて感熱層(サーマルポジタイプの画像記録層)を形成させ、平版印刷版原版を得た。
【0205】
<感熱層塗布液組成>
・ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40、重量平均分子量7,000、未反応クレゾール0.5質量%含有) 1.0g
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.1g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.05g
・メチルエチルケトン 12g
【0206】
【化2】
Figure 0003925718
【0207】
5.露光および現像処理
上記で得られた各平版印刷版原版には、下記の方法で画像露光および現像処理を行い、平版印刷版を得た。
【0208】
平版印刷版原版を出力500mW、波長830nmビーム径17μm(1/e2 )の半導体レーザーを装備したCREO社製TrenndSetter3244を用いて主走査速度5m/秒、版面エネルギー量140mJ/cm2 で像様露光した。
その後、非還元糖と塩基とを組み合わせたD−ソルビット/酸化カリウムK2 Oよりなるカリウム塩5.0質量%およびオルフィンAK−02(日信化学社製)0.015質量%を含有する水溶液1LにC1225N(CH2 CH2 COONa)2 1.0gを添加したアルカリ現像液(現像液1)を用いて現像処理を行った。現像処理は、現像液1を満たした自動現像機PS900NP(富士写真フイルム(株)製)を用いて、現像温度25℃、12秒の条件で行った。現像処理が終了した後、水洗工程を経て、ガム(GU−7(1:1))等で処理して、製版が完了した平版印刷版を得た。
【0209】
6.平版印刷版の評価
上記で得られた平版印刷版のクリーナ耐刷性、インキの絡みにくさ、耐放置汚れ性およびベタ部の着肉性を下記の方法で評価した。なお、実施例5〜8ならびに比較例7および8については、クリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさのみを評価した。また、実施例12〜19および比較例10〜12については、クリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさに加え、感度および耐刷性を下記の方法で評価した。
(1)クリーナ耐刷性
小森コーポレーション社製のSPRINT印刷機で、大日本インキ化学工業社製のF−Gloss85墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像部をスポンジを用い、プレートクリーナ液(マルチクリーナ、富士写真フイルム(株)製)により、5000枚印刷するごとに洗浄し、ベタ画像部が薄くかすれ始めたことが目視で認められるまでの印刷枚数により、評価した。
結果を第14表〜第18表に示す。なお、クリーナ耐刷性は、比較例6のクリーナ耐刷性を100とした相対値で示した。
【0210】
(2)インキの絡みにくさ
ハイデルベルグ社製のSOR−M印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(H)墨を用いて、湿し水を少なくして印刷を行い、網点部におけるインキの絡みにくさを5段階で評価した。
結果を第14表〜第18表に示す。インキの絡みにくさに優れるものから順に、◎、○、○△、△、△×、×とした。
【0211】
(3)耐放置汚れ性
インキの絡みにくさの評価において、1万枚印刷して印刷を中断し、印刷版を印刷機から取り外して50%RHという低湿度環境下で1時間放置し、その後、印刷版を印刷機に取り付けて印刷を再開して、印刷版の非画像部の汚れを目視で6段階で評価した。
結果を第14表、第16表および第18表に示す。印刷版の非画像部の汚れが少ないものから順に、◎、○、○△、△、△×、×とした。
【0212】
(4)ベタ部の着肉性
三菱ダイヤ型F2印刷機(三菱重工業社製)で、東洋インキ製造社製のレオエコーSOYシアンのインキを用いて印刷し、ベタ部において画像の欠損、即ち、インキの着肉不良が発生するまでの印刷枚数により、ベタ部の着肉性を評価した。なお、印刷用紙としては、塗工再生紙(OKコート、王子製紙社製)を用いた。
結果を第14表、第16表および第18表に示す。ベタ部の着肉性は、実施例4を100とした相対値で示した。この値が大きいほど、着肉不良が発生しにくく、ベタ部の着肉性に優れていることを示す。
【0213】
(5)感度
上記で得られた各平版印刷版原版をCREO社製のTrendSetter3244を用いて版面エネルギー量を変更して全面露光した後、現像液1を標準使用条件で用いて、自動現像機900NPにより現像した。画像記録層が完全に除去されたと目視で観察されたときの最も低い版面エネルギー量により感度を評価した。
結果を第17表に示す。
【0214】
(6)耐刷性
小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。
結果を第17表に示す。
【0215】
第9表、第11表、第12表、第14表、第16表および第17表から明らかなように、急峻度a455(0.02-0.2) および表面粗さRa 50がそれぞれ特定の範囲にある本発明の第一の態様の平版印刷版用支持体(実施例1〜4および9〜11)を用いた本発明の平版印刷版原版は、平版印刷版としたときのクリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさに優れる。また、Ra 50(0.2-2) が0.10μm以上であると、耐放置汚れ性にも優れることが分かる。
【0216】
第10表および第15表から明らかなように、急峻度a455(0.02-0.2) とΔS5(0.02-0.2) とが特定の関係にある本発明の第二の態様の平版印刷版用支持体(実施例5〜8)を用いた本発明の平版印刷版原版は、平版印刷版としたときのクリーナ耐刷性およびインキの絡みにくさのバランスに優れる。
【0217】
第1表、第2表および第16表から明らかなように、Fe含有量が0.2〜0.7質量%、Si含有量が0.04〜0.15質量%、Ti含有量が0.001〜0.05質量%、Cu含有量が0.000〜0.05質量%であるアルミニウム板を用いた場合(実施例9〜11)は、上記範囲にない場合(比較例9)に比べ、同様の表面処理を施したときに、耐放置汚れ性が優れたものとなる。
【0218】
第12表および第17表から明らかなように、平版印刷版用支持体の表面のSi原子付着量が5〜20mg/m2 である場合(実施例12〜17)は、Si原子付着量が3.5mg/m2 である場合(実施例18)に比べ、インキの絡みにくさに更に優れ、かつ、感度にも優れる。
【0219】
第13表および第18表から明らかなように、平版印刷版用支持体が表面に、平均円相当径0.5μm以下のピットを有し、かつ、前記平均円相当径0.5μm以下のピットのうち10%以上が、略正方形または長方形である場合(実施例9〜11)は、上記範囲にない場合(比較例1および3)に比べ、a455(0.02-0.2) が20%以上となりやすく、その結果、クリーナ耐刷性が優れたものとなりやすい。
【0220】
【表10】
Figure 0003925718
【0221】
【表11】
Figure 0003925718
【0222】
【表12】
Figure 0003925718
【0223】
【表13】
Figure 0003925718
【0224】
【表14】
Figure 0003925718
【0225】
【表15】
Figure 0003925718
【0226】
【表16】
Figure 0003925718
【0227】
【表17】
Figure 0003925718
【0228】
【表18】
Figure 0003925718
【0229】
【表19】
Figure 0003925718
【0230】
【発明の効果】
以上に説明したように、表面形状に特徴を有する本発明の平版印刷版用支持体を用いれば、クリーナ耐刷性およびインキの絡みの両立を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平版印刷版用支持体の作成における機械粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す側面図である。
【図2】 本発明の平版印刷版用支持体の作成における電気化学的粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【図3】 本発明の平版印刷版用支持体の作成における交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるラジアル型セルの一例を示す側面図である。
【図4】 本発明の平版印刷版用支持体の作成における陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図である。
【図5】 本発明の実施例の平版印刷版用支持体の作成における機械粗面化処理に用いられる束植ブラシの模式図である。(A)は側面図であり、(B)はそのVB−VB線に沿った縦断面図である。
【図6】 本発明の実施例の平版印刷版用支持体の作成における機械粗面化処理に用いられるチャンネルブラシの模式図である。(A)は側面図であり、(B)はそのVIB−VIB線に沿った縦断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40 主電解槽
50 補助陽極槽
52 束植ブラシ
54、64 ナイロンブラシ
56、66 筒
62 チャンネルブラシ
68 チャンネル
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
414 電解処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 給電電極
422、428 ローラ
424 ニップローラ
430 電解電極
432 槽壁
434 直流電源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lithographic printing plate support and a lithographic printing plate precursor.
Specifically, the present invention is excellent in the property that the printing durability does not deteriorate even when wiped with a cleaner (cleaner printing durability) when a lithographic printing plate is used, and the fountain solution does not depend on the type of ink. Lithographic printing plate support having an optimum surface shape capable of preventing ink from adhering to a non-image area in a shadow area, that is, a halftone dot area when the amount is reduced, and lithographic printing using the same Regarding the original edition.
Furthermore, in addition to the above-described characteristics, the present invention provides a support for a lithographic printing plate that is excellent in anti-stain stain resistance when a lithographic printing plate is used, and is less liable to cause poor filling of a solid part (solid image part). And a planographic printing plate precursor using the same.
[0002]
[Prior art]
The lithographic printing method is a printing method that utilizes the fact that water and oil are not essentially mixed. The printing plate surface of the lithographic printing plate used for this is a region that accepts water and repels oil-based ink (hereinafter referred to as “removal”). This region is referred to as a “non-image portion”) and a region that repels water and receives oil-based ink (hereinafter, this region is referred to as “image portion”).
[0003]
An aluminum support for a lithographic printing plate used for a lithographic printing plate (hereinafter simply referred to as a “support for a lithographic printing plate”) is used so that its surface bears a non-image portion, and therefore has hydrophilicity and water retention. Are required to have various performances which are contradictory to each other, for example, excellent adhesion, and excellent adhesion to an image recording layer provided thereon.
If the hydrophilicity of the support is too low, ink will adhere to the non-image area during printing, and the blanket cylinder will be soiled, and so-called background soiling will occur. On the other hand, if the water holding capacity of the support is too low, the shadow portion is clogged unless dampening water is increased during printing. Therefore, the so-called water width is narrowed.
[0004]
On the other hand, in the non-image area, in order to maintain the resistance to dirt, it is preferable that the surface unevenness is gentle so that unnecessary ink does not adhere. However, if the surface unevenness is gentle, the image recording layer The adhesiveness between the substrate and the support is lowered, and the printing durability is lowered. That is, the stain resistance and the printing durability are in a trade-off relationship.
[0005]
In order to obtain a lithographic printing plate support having good performance, it is common to make the surface of an aluminum plate grained (roughening treatment) to give irregularities. Various shapes have been proposed for the unevenness as described below.
For example, a triple structure having a large wave, a medium wave and a small wave defining the opening diameters of the medium wave and the small wave (see Patent Document 1), and a structure defining the diameter of the small wave in a large and small double structure (Patent Documents 2 and 3). ), A technique for providing fine projections in addition to large and small double recesses (pits) (see Patent Document 4), a double structure that defines an opening diameter (see Patent Document 5), and surface Ratio of pit diameters superimposed in a double structure defining factor a30 indicating smoothness (see Patent Document 6) and a plurality of electrochemical roughening treatments (hereinafter also referred to as “electrolytic roughening treatment”) Has been proposed (see Patent Document 7).
[0006]
This graining includes mechanical graining methods such as ball graining, brush graining, wire graining, and blast graining, and an electrolytic grained surface for electrolytic etching of an aluminum plate in an electrolyte containing hydrochloric acid and / or nitric acid. And a composite roughening method (see Patent Document 8) in which a mechanical roughening method and an electrolytic roughening method are combined.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-8-300844
[Patent Document 2]
JP 11-99758 A
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-208138
[Patent Document 4]
JP 11-167207 A
[Patent Document 5]
Japanese Patent No. 2023476
[Patent Document 6]
JP-A-8-300843
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-35133
[Patent Document 8]
US Pat. No. 4,476,006
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the middle of printing, there is a case where the plate surface is cleaned using a chemical called a cleaner.This cleaner removes unnecessary ink adhering to the surface of the non-image area, and simultaneously with the image recording layer. It may permeate between the support and the adhesiveness of the base material, thereby reducing the printing durability. Therefore, the property that the printing durability does not deteriorate even when wiped with a cleaner (cleaner printing durability) is an important characteristic for a lithographic printing plate.
[0009]
Moreover, at present, various inks are used according to applications in the printing field, and each ink has different liquid properties. Therefore, in the above technique, depending on the type of ink, when the amount of dampening water is reduced, the ink adheres to the shadow part (halftone dot part having a high image area ratio), that is, to the non-image part (hereinafter, This phenomenon is called “ink entanglement”, and the difficulty of this phenomenon is called “entanglement difficulty”).
[0010]
Further, if printing is interrupted halfway and left on the planographic printing plate without gumming, there is a problem that it becomes difficult to remove ink when printing resumes, and a phenomenon that stains (leaving stains) easily occurs. According to the knowledge of the present inventor, neglected dirt is likely to occur particularly when the humidity is low.
[0011]
Further, when ink or paper dust accumulates in the vicinity of the solid portion of the lithographic printing plate, there is a problem that poor ink deposition may occur in the solid portion. In particular, it tends to be a problem when using recycled paper (hereinafter referred to as “coated recycled paper”) whose surface is coated with a coating component in order to increase whiteness. Once this ink imperfection occurs, it is necessary to interrupt printing and clean the blanket or printing plate. This is a very harmful phenomenon from the viewpoint of improving printing productivity.
[0012]
However, none of the above prior arts has realized both the stain resistance and the printing durability, which has been a problem in the past. In addition, it is difficult to achieve both the above-mentioned cleaner printing durability and the difficulty of entanglement of ink, and none of these have realized both of them. Further, none of these characteristics has been realized in a well-balanced manner including anti-stain resistance and solid-walledness.
[0013]
Therefore, when the present invention is a lithographic printing plate, the lithographic printing plate precursor and the lithographic printing plate support used therefor, which are excellent in cleaner printing durability and ink entanglement, and in addition to the above properties, An object of the present invention is to provide a support for a lithographic printing plate which is excellent in resistance to leaving stains and has excellent solid-walledness when formed into a lithographic printing plate, and a lithographic printing plate precursor using the same.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the surface shape of a lithographic printing plate support to solve the above problems, the present inventor has various factors representing the surface shape required using an atomic force microscope as a specific range. Further, the present inventors have found that the cleaner printing durability and the ink entanglement resistance are both excellent, and further, that they are also excellent in the resistance to leaving stains and in the solid area, and have completed the present invention. .
[0015]
That is, the present invention provides the following (1) to (7).
[0016]
(1) Inclination in data obtained by extracting components having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on a surface of 5 μm □ using an atomic force microscope Steepness a45 which is an area ratio of a portion of 45 ° or more5 (0.02-0.2)Is 20 to 65%,
Surface roughness R determined from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on a surface of 50 μm □ using an atomic force microscopea 50A lithographic printing plate support having a thickness of 0.50 μm or more.
[0017]
(2) Surface roughness obtained from data obtained by extracting components having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on a surface of 50 μm □ using an atomic force microscope Ra 50 (0.2-2)The support for a lithographic printing plate as described in (1) above, wherein is 0.10 to 0.30 μm.
[0018]
  (3) Using an atomic force microscope, approximate 3 from the data obtained by extracting components having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from the three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 5 μm □. Real area S obtained by the point methodx 5 (0.02-0.2)And geometric measurement area S0 FiveFrom the above, the surface area ratio ΔS determined by the following formula (S1)5 (0.02-0.2)When,
  Steepness a45 which is an area ratio of a portion having an inclination of 45 ° or more in data obtained by extracting a component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from the three-dimensional data.5 (0.02-0.2)Satisfying the following formula (1)The
Steepness a45 5 (0.02-0.2) Is 20-65%Support for lithographic printing plates.
[0019]
ΔS5 (0.02-0.2)= (Sx 5 (0.02-0.2)-S0 Five) / S0 Five× 100 (%) (S1)
[0020]
ΔS5 (0.02-0.2)≧ 1.3 × a455 (0.02-0.2)    (1)
[0021]
(4) Fe content is 0.2-0.7 mass%, Si content is 0.04-0.15 mass%, Ti content is 0.001-0.05 mass%, Cu content is 0. The lithographic printing plate according to any one of the above (1) to (3), which is obtained by subjecting an aluminum plate of .000 to 0.05% by mass to a roughening treatment including at least an electrochemical roughening treatment Support.
[0022]
(5) The lithographic printing plate support according to any one of the above (1) to (4), which is obtained by subjecting an aluminum plate to a roughening treatment including at least an electrochemical roughening treatment,
A support for a lithographic printing plate having pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less on the surface, and 10% or more of the pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less being substantially square or rectangular.
[0023]
(6) Si atom adhesion amount on the surface is 1 to 20 mg / m2The lithographic printing plate support according to any one of (1) to (5) above.
[0024]
(7) A lithographic printing plate precursor comprising an image recording layer provided on the lithographic printing plate support according to any one of (1) to (6) above.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The support for a lithographic printing plate according to the first aspect of the present invention has a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 5 μm □ using an atomic force microscope. Steepness a45 which is an area ratio of a portion having a slope of 45 ° or more in data obtained by extracting the following components5 (0.02-0.2)Is 20 to 65%,
Surface roughness R determined from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on a surface of 50 μm □ using an atomic force microscopea 50Is 0.50 μm or more.
[0026]
a455 (0.02-0.2)Is a factor representing the sharpness of the fine shape of the support surface. Specifically, the actual area S of the area having an inclination of 45 ° or more in the unevenness of the support surface.x 5 (0.02-0.2)Represents the ratio to. As a result of various studies, the present inventor has found that if there are many sharp portions in the component having a wavelength of 0.02 μm or more and 2 μm or less, the cleaner printing durability is excellent. That is, for a component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less, a455 (0.02-0.2)It has been found that by increasing the size, the cleaner printing durability can be improved.
[0027]
On the other hand, the present inventor5 (0.02-0.2)It has also been found that if the ink is too large, that is, if there are too many sharp parts in the component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less, the ink is easily caught and the difficulty of entanglement of the ink decreases.
Therefore, as a result of further studies, the present inventor has obtained a surface roughness R obtained from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points of 50 μm □ of the surface using an atomic force microscope.a 50In order to improve the cleaner printing durability by increasing the5 (0.02-0.2)The present invention has been found to be excellent in the resistance to ink entanglement even if it is increased, and is excellent in both the printing durability of the cleaner and the difficulty in entanglement of the ink, both of which have been impossible in the past. The lithographic printing plate support according to the first aspect of the present invention was completed.
[0028]
Surface roughness Ra 50Is an index representing a concavo-convex shape including large waviness on the surface of the support for a lithographic printing plate. Surface roughness Ra 50The reason why the entanglement of the ink is excellent when the value is increased is not clear, but the following two reasons can be considered.
First, surface roughness Ra 50When is increased, the water retention of the non-image area of the lithographic printing plate is increased, so that the ink movement to the non-image area is easily suppressed.
Second, since the surface shape of the image recording layer of the lithographic printing plate precursor reflects the surface shape of the lithographic printing plate support to some extent, the surface roughness Ra 50If the value is increased, the surface irregularities of the image area of the lithographic printing plate will also increase, and even if pressure is applied to the image area to which the ink has adhered due to the contact between the plate cylinder and the blanket cylinder during printing, the ink will protrude into the non-image area. Without being absorbed by the concave portion of the image portion.
[0029]
In the first embodiment of the present invention, a455 (0.02-0.2)Is 20% or more, preferably 30% or more. a455 (0.02-0.2)If it is too large, the difficulty in entanglement of the ink may decrease as described above, and the anti-stain resistance may decrease as described later.
[0030]
In the first embodiment of the present invention, Ra 50Is 0.50 μm or more. When the amount is within the above range, the water retention is increased, so that the entanglement of the ink is excellent, and the solid portion is also excellent in the fillability as described below.
[0031]
As a result of diligent investigations on poor solidification of the solid portion when using the coated recycled paper, the present inventor determined from the paper according to the value of the surface roughness in the component having a wavelength of 0.2 to 2 μm. The susceptibility of the coating components supplied via the fountain solution changes, and this causes ink scum to accumulate on the blanket. It has been found that ink transfer may be insufficient. And this inventor is R mentioned later.a 50 (0.2-2)It was found that by setting the thickness in the range of 0.10 to 0.30 μm, the solid part can be made more satisfactorily. Ra 50 (0.2-2)Is too small, the water retention amount of the grain having a wavelength of 0.2 to 2 μm may be insufficient. Ra 50 (0.2-2)If is too large, the solidity of the solid part may deteriorate. Ra 50 (0.2-2)Is more preferably 0.10 to 0.20 μm, still more preferably 0.10 to 0.15 μm.
On the other hand, surface roughness Ra 50Is increased, the water retention of the non-image area is improved and the accumulation of ink residue is suppressed.a 50 (0.2-2)Is somewhat large (specifically, 0.15 to 0.30 μm), it is possible to make the solid portion have excellent wall-thickness.
[0032]
In addition, the present inventor5 (0.02-0.2)It has also been found that if the ink is too large, that is, if there are too many sharp parts in the component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less, the ink is easily caught and the stain resistance is lowered.
Therefore, as a result of further investigation on the lithographic printing plate support of the first aspect of the present invention, the present inventor obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 50 μm □ using an atomic force microscope. Surface roughness R obtained from data obtained by extracting components of wavelengths from 0.2 μm to 2 μm from three-dimensional dataa 50 (0.2-2)It has been found that by increasing the size, it is possible to further improve the resistance to leaving stains.
[0033]
Surface roughness Ra 50 (0.2-2)Is an index representing the concavo-convex shape having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less on the surface of the lithographic printing plate support. Surface roughness Ra 50 (0.2-2)The reason why the resistance to leaving stains becomes excellent when the value is increased is not clear, but when the printing plate is left in the middle of printing, dampening water remains in the recesses (pits) of the above-mentioned wavelength in the non-image area Therefore, it is considered that the ink is difficult to stick.
[0034]
In the first embodiment of the present invention, Ra 50 (0.2-2)Is preferably 0.10 μm or more. Ra 50 (0.2-2)Is too large, it is liable to cause poor filling of the solid part. Therefore, the thickness is preferably 0.30 μm or less, more preferably 0.20 μm or less, and further preferably 0.15 μm or less.
[0035]
  The support for a lithographic printing plate according to the second aspect of the present invention has a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 5 μm □ using an atomic force microscope. Real area S obtained by the approximate three-point method from the data obtained by extracting the following componentsx 5 (0.02-0.2)And geometric measurement area S0 FiveFrom the above, the surface area ratio ΔS determined by the following formula (S1)5 (0.02-0.2)When,
  Steepness a45 which is an area ratio of a portion having an inclination of 45 ° or more in data obtained by extracting a component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from the three-dimensional data.5 (0.02-0.2)Satisfying the following formula (1)The
Steepness a45 5 (0.02-0.2) Is 20-65%It is characterized by that.
[0036]
ΔS5 (0.02-0.2)= (Sx 5 (0.02-0.2)-S0 Five) / S0 Five× 100 (%) (S1)
[0037]
ΔS5 (0.02-0.2)≧ 1.3 × a455 (0.02-0.2)    (1)
[0038]
ΔS5 (0.02-0.2)Is the geometric measurement area S0 FiveSurface area S by roughening treatmentx 5 (0.02-0.2)It is a factor that indicates the degree of increase in. ΔS5 (0.02-0.2)When is increased, the contact area with the image recording layer is increased, and as a result, the printing durability can be improved. Here, the surface area ratio ΔS in the data obtained by extracting components having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 5 μm □.5 (0.02-0.2)That is, by increasing the surface area ratio contributed by the component having a short wavelength, the contact area between the image recording layer and the support is increased, the printing durability is improved, and the space between the image recording layer and the support is increased. It is possible to significantly suppress the penetration of the cleaner and improve the cleaner printing durability. ΔS5 (0.02-0.2)For example, the total amount of electricity involved in the anodic reaction in a hydrochloric acid electrolyte is 10 to 100 C / dm.2A method of performing an AC electrolytic surface roughening treatment so as to become, after performing an AC electrolytic surface roughening treatment in a nitric acid electrolytic solution, a very small amount of aluminum (for example, 0.1 to 0.3 g / m2) with an alkaline solution2) A dissolving method can be used.
[0039]
  On the other hand, the present inventor usually5 (0.02-0.2)Increase a to a455 (0.02-0.2)Also found that it would be bigger. And as mentioned above, a455 (0.02-0.2)If it is too large, the difficulty in entwining the ink will decrease.
  Therefore, as a result of further investigation, the present inventor has determined that ΔS5 (0.02-0.2)And a455 (0.02-0.2)Satisfies the relationship of the above formula (1)The steepness a45 5 (0.02-0.2) Is 20-65%The inventors found that the cleaner printing durability and the ink entanglement were both excellent, and the lithographic printing plate support according to the second aspect of the present invention was completed.
[0040]
In the lithographic printing plate support of the first and second aspects of the present invention (hereinafter, both are also simply referred to as “the lithographic printing plate support of the present invention”), a45.5 (0.02-0.2), Ra 50, Ra 50 (0.2-2)And ΔS5 (0.02-0.2)The method of obtaining is as follows.
[0041]
(1) Surface shape measurement by atomic force microscope
In the present invention, a455 (0.02-0.2), Ra 50, Ra 50 (0.2-2)And ΔS5 (0.02-0.2)Is obtained by measuring the surface shape with an atomic force microscope (AFM) and obtaining three-dimensional data.
The measurement can be performed, for example, under the following conditions. That is, the lithographic printing plate support is cut to a size of 1 cm square, set on a horizontal sample stage on a piezo scanner, the cantilever is approached to the sample surface, and when the region where the atomic force works is reached, XY Scanning in the direction, the unevenness of the sample is captured by the displacement of the piezo in the Z direction. A piezo scanner that can scan 150 μm in the XY direction and 10 μm in the Z direction is used. A cantilever having a resonance frequency of 120 to 400 kHz and a spring constant of 12 to 90 N / m (SI-DF20, manufactured by Seiko Instruments Inc., NCH-10, manufactured by NANOSENSORS Inc., or AC-160TS, manufactured by Olympus Corporation) is used in DFM mode. It is measured by (Dynamic Force Mode). Further, the reference plane is obtained by correcting the slight inclination of the sample by approximating the obtained three-dimensional data by least squares.
When measuring, a455 (0.02-0.2)And ΔS5 (0.02-0.2), Measure 512 × 512 points on the surface of 5 μm square. The resolution in the XY direction is 0.01 μm, the resolution in the Z direction is 0.15 nm, and the scan speed is 5 μm / sec.
Ra 50And Ra 50 (0.2-2)Measure the surface of 50 μm □ at 512 × 512 points. The resolution in the XY direction is 0.1 μm, the resolution in the Z direction is 0.15 nm, and the scan speed is 50 μm / sec.
[0042]
(2) Correction of 3D data
a455 (0.02-0.2)And ΔS5 (0.02-0.2)Is calculated by extracting a component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from three-dimensional data based on the measurement of 5 μm □ of the surface obtained in (1) above. Extraction of components having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less is performed by performing a fast Fourier transform on the three-dimensional data obtained in (1) above to obtain a frequency distribution, and then a component having a wavelength of less than 0.02 μm and a wavelength of 0 After removing components exceeding 2 μm, inverse Fourier transform is performed.
Ra 50For the calculation, the three-dimensional data based on the measurement of 50 μm □ of the surface obtained in the above (1) is used as it is.
Ra 50 (0.2-2)Is calculated by extracting a component having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less from three-dimensional data based on the measurement of 50 μm □ of the surface obtained in (1) above. Extraction of components having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less is performed by performing a fast Fourier transform on the three-dimensional data obtained in (1) above to obtain a frequency distribution, and then a component having a wavelength less than 0.2 μm and a wavelength exceeding 2 μm. After removing the components, the inverse Fourier transform is performed.
[0043]
(3) Calculation of each factor
▲ 1 ▼ a455 (0.02-0.2)
Using three-dimensional data (f (x, y)) obtained by correcting in (2) above, each reference point is formed by three points in the predetermined direction (for example, right and bottom). The angle formed by the small triangle to be formed and the reference plane is calculated for each reference point. The number of reference points whose inclination of the micro triangle is 45 degrees or more is obtained by subtracting the number of all reference points (the number of all data 512 × 512 points and the number of points having no two adjacent points in a predetermined direction). I.e., 511 × 511 points), and the area ratio a45 of the portion having the inclination of 45 degrees or more.5 (0.02-0.2)Is calculated.
[0044]
▲ 2 ▼ Ra 50And Ra 50 (0.2-2)
Using the three-dimensional data (f (x, y)) obtained in (1) above, the surface roughness RaTo calculate Ra 50And
Further, using the three-dimensional data (f (x, y)) obtained by the correction in (2) above, the surface roughness RaTo calculate Ra 50 (0.2-2)And
[0045]
[Expression 1]
Figure 0003925718
[0046]
Where LxAnd LyRepresents the lengths of the sides of the measurement region (rectangle) in the x and y directions, respectively.x= Ly= 50 μm. S0Is the geometric measurement area, S0= Lx× LyIs required.
[0047]
(3) ΔS5 (0.02-0.2)
Using the three-dimensional data (f (x, y)) obtained by the correction in (2) above, three adjacent points are extracted, and the total area of the micro triangles formed by the three points is obtained. Area Sx 5 (0.02-0.2)And Surface area ratio ΔS5 (0.02-0.2)Is the actual area S obtainedx 5 (0.02-0.2)And geometric measurement area S0 FiveFrom the above, it is obtained by the above formula (1).
[0048]
When the lithographic printing plate support of the present invention is obtained by subjecting an aluminum plate to a surface roughening treatment including at least an electrochemical surface roughening treatment, an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less is formed on the surface. It is preferable that 10% or more of the pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less are substantially square or rectangular. In the lithographic printing plate support according to the first aspect of the present invention, when the pit properties are as described above, a455 (0.02-0.2)In the lithographic printing plate support according to the second aspect of the present invention, the surface area ratio ΔS is likely to be 20% or more.5 (0.02-0.2)However, it becomes easy to satisfy said formula (1).
[0049]
The above-described pit property measuring method is as follows.
Using a high resolution scanning electron microscope (SEM), the surface of the support is photographed at a magnification of 50000 times from directly above, and the total number of pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less is counted in the obtained SEM photograph. Then, in the SEM photograph, the number of pits which are not perfect circles and whose corner radius of curvature (R) is 1/4 or less of the equivalent circle diameter of the pits is assumed to be substantially square or rectangular. . By dividing the number of pits of approximately square or rectangle by the total number of pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less, the ratio of pits of approximately square or rectangle is calculated.
[0050]
<Surface treatment>
The lithographic printing plate support of the present invention is one in which the above-mentioned surface grain shape is formed on the surface of the aluminum plate by subjecting the aluminum plate described later to surface treatment. The manufacturing process of the lithographic printing plate support of the present invention is not particularly limited.
In the following, as a representative method for forming the above-described surface grain shape,
A method of sequentially performing mechanical surface roughening treatment, alkali etching treatment, desmutting treatment with an acid and electrochemical surface roughening treatment using an electrolytic solution on an aluminum plate,
A method of performing mechanical surface roughening treatment, alkaline etching treatment, desmutting treatment with acid and electrochemical surface roughening treatment using different electrolytes a plurality of times on an aluminum plate,
A method of sequentially performing an alkali etching treatment, an acid desmutting treatment on an aluminum plate, and an electrochemical surface roughening treatment using an electrolytic solution,
A method of subjecting an aluminum plate to alkaline etching treatment, desmutting treatment with acid, and electrochemical surface roughening treatment using different electrolytes multiple times.
However, the present invention is not limited to these. In these methods, after the electrochemical roughening treatment, an alkali etching treatment and an acid desmutting treatment may be further performed.
[0051]
A45, a factor representing the surface shape5 (0.02-0.2), Ra 50, Ra 50 (0.2-2)And ΔS5 (0.02-0.2)However, the roughening treatment suitably used to satisfy each specific condition depends on the conditions of other treatments (alkali etching treatment, etc.), but mechanical roughening treatment, hydrochloric acid electrolysis (Electrochemical roughening treatment using an electrolytic solution containing hydrochloric acid), nitric acid electrolysis (electrochemical roughening treatment using an electrolytic solution containing nitric acid), a method of sequentially performing a combination of these, etc. Is mentioned.
[0052]
The lithographic printing plate support of the present invention obtained by these methods and having the above-described factors representing the surface shape satisfy specific conditions is excellent in printing durability and stain resistance when used as a lithographic printing plate. Not only is it excellent in cleaner printing durability, it is less likely to cause ink entanglement, it is excellent in stain resistance, and it is less likely to cause poor sticking of solid parts.
Hereinafter, each step of the surface treatment will be described in detail.
[0053]
<Mechanical roughening>
The mechanical roughening treatment is effective as a roughening treatment means because it can form an uneven surface with an average wavelength of 5 to 100 μm at a lower cost than the electrochemical roughening treatment. is there.
Examples of the mechanical surface roughening treatment include, for example, a wire brush grain method in which the aluminum surface is scratched with a metal wire, a ball grain method in which the aluminum surface is grained with a polishing ball and an abrasive, JP-A-6-135175, and Japanese Patent Publication A brush grain method in which the surface is grained with a nylon brush and an abrasive described in Japanese Patent No. 50-40047 can be used.
A transfer method in which the uneven surface is pressed against the aluminum plate can also be used. That is, JP-A 55-74898, JP-A 60-36195, JP-A 60-36196, JP-A 60-20396, JP-A 61-162351, JP-B-4-30358. In addition to the method described in the publication, JP-A-6-55871 characterized in that the transfer is carried out several times, and Japanese Patent Application No. 4-204235 characterized in that the surface is elastic (Japanese Unexamined Patent Publication No. 4-204235). 6-024168) is also applicable.
As will be described later, in the brush grain method, it is particularly preferable to use a plurality of nylon brushes, and various abrasive materials described later can be used as the abrasive, but it is preferable to use pumiston, silica sand, aluminum hydroxide or the like. preferable. In the transfer method, it is preferable to appropriately adjust the rotational speed, load, and the like of the drive motor that rotates the brush.
[0054]
In addition, by using electric discharge machining, shot blasting, laser, plasma etching, etc., a method of performing repetitive transfer using a transfer roll etched with fine irregularities, or an uneven surface coated with fine particles on an aluminum plate It is also possible to use a method in which an uneven pattern corresponding to the average diameter of the fine particles is repeatedly transferred to the aluminum plate a plurality of times by contacting the surface and applying a pressure a plurality of times from above. As a method for imparting fine irregularities to the transfer roll, known methods described in JP-A-3-8635, JP-A-3-66404, JP-A-63-65017, etc. may be used. it can. Further, a fine groove may be cut from two directions using a die, a cutting tool, a laser, or the like on the roll surface, and the surface may be provided with square irregularities. The roll surface may be subjected to a known etching process or the like so that the formed square irregularities are rounded.
Further, in order to increase the surface hardness, quenching, hard chrome plating, or the like may be performed.
In addition, as the mechanical surface roughening treatment, methods described in JP-A Nos. 61-162351 and 63-104889 can be used.
In the present invention, the above-described methods can be used in combination in consideration of productivity and the like. These mechanical surface roughening treatments are preferably performed before the electrochemical surface roughening treatment.
[0055]
Hereinafter, the brush grain method used suitably as a mechanical roughening process is demonstrated.
The brush grain method generally uses a roller-shaped brush in which a large number of brush hairs such as synthetic resin hair made of synthetic resin such as nylon (trade name), propylene, and vinyl chloride resin are implanted on the surface of a cylindrical body. This is carried out by rubbing one or both of the surfaces of the aluminum plate while spraying a slurry liquid containing an abrasive on a rotating roller brush. Instead of the roller brush and the slurry liquid, a polishing roller which is a roller having a polishing layer on the surface can be used.
When using a roller brush, the flexural modulus is preferably 10,000 to 40,000 kg / cm.2, More preferably 15,000-35,000 kg / cm2In addition, brush hair having a bristle waist strength of preferably 500 g or less, more preferably 400 g or less is used. The diameter of the brush bristles is generally 0.2 to 0.9 mm. The length of the brush bristles can be appropriately determined according to the outer diameter of the roller brush and the diameter of the body, but is generally 10 to 100 mm.
In the present invention, it is preferable to use a plurality of nylon brushes, specifically, 3 or more are more preferable, and 4 or more are particularly preferable. By adjusting the number of brushes, the wavelength component of the recess formed on the aluminum plate surface can be adjusted.
The load of the drive motor that rotates the brush is preferably 1 kW plus or more, more preferably 2 kW plus or more, and particularly preferably 8 kW plus or more with respect to the load before the brush roller is pressed against the aluminum plate. By adjusting the load, the depth of the recess formed on the surface of the aluminum plate can be adjusted. The number of rotations of the brush is preferably 100 or more, and particularly preferably 200 or more.
[0056]
A well-known thing can be used for an abrasive | polishing agent. For example, abrasives such as pumicestone, silica sand, aluminum hydroxide, alumina powder, silicon carbide, silicon nitride, volcanic ash, carborundum, and gold sand; a mixture thereof can be used. Of these, pumiston and silica sand are preferable. In particular, silica sand is preferable in terms of excellent surface roughening efficiency because it is harder and less likely to break than Pamiston. In addition, aluminum hydroxide is suitable when an excessive load is applied and the particles are damaged, so that it is not desired to generate deep recesses locally.
The average particle diameter of the abrasive is preferably 3 to 50 μm, and more preferably 6 to 45 μm in terms of excellent surface roughening efficiency and a narrow graining pitch. By adjusting the average particle size of the abrasive, the depth of the recesses formed on the aluminum plate surface can be adjusted.
For example, the abrasive is suspended in water and used as a slurry. In addition to the abrasive, the slurry liquid may contain a thickener, a dispersant (for example, a surfactant), a preservative, and the like. The specific gravity of the slurry liquid is preferably 0.5-2.
As an apparatus suitable for the mechanical surface roughening treatment, for example, an apparatus described in JP-B-50-40047 can be exemplified.
[0057]
Hereinafter, an example of a transfer method used as the mechanical roughening process will be described.
In general, the transfer method transfers the unevenness of the rolling roll through an aluminum plate to a rolling roll (transfer roll) embossed by shot blasting, engraving, laser processing or pattern etching, or polished on paper or plastic sheet. This is a method in which a material, glass beads, or the like applied is superimposed on an aluminum plate, rolled and transferred to roughen the aluminum plate.
In addition to the above-described method, the following method can be used for the transfer method.
Method for avoiding problems of transfer roller life and aluminum sheet stretching by setting the transfer roller rolling rate low (Japanese Patent Laid-Open No. 7-205565); Transfer is repeated a plurality of times, preferably four or more times This method eliminates the need for sticking to the processing accuracy such as the cylindricity of the transfer roll, reduces the elongation of the aluminum plate, and provides a sufficiently uniform rough surface as an aluminum support for a printing plate (JP-A-6-55871). ); Random arrangement and uniform distribution by pressing the aluminum plate 1-6 times on a chemically roughened metal surface that is harder than lithographic printing plate aluminum. A method that can make the unevenness of the metal sheet at a low cost (Japanese Patent Laid-Open No. 6-171258); Method (JP-A-6-171256, JP-A-6-171259): Photoresist or plastic resin coated and dried on a metal surface is exposed and irradiated with infrared light, laser or the like to form a resist pattern, and then A method of transferring a sufficiently uniform unevenness (Japanese Patent Laid-Open No. 6-171262) or the like by carrying out chemical etching or the like to produce and transfer a rough surface on a metal surface can be used.
[0058]
In the transfer method, the size of the projections (surface roughness of the transfer roll) provided on the transfer roll and the like, and the size of the recesses formed on the aluminum plate transferred by the transfer roll (surface of the aluminum plate by the transfer method) (Roughness) is almost the same.
Therefore, in order to form the desired surface roughness on the aluminum plate, a transfer roll having a surface roughness substantially the same as the surface roughness may be used.
The transfer roller is configured by providing fine convex portions on the surface of a roller metal core made of, for example, SUS304, SUS316, SCM steel, SUJ steel, SS41, or the like by thermal spraying, laser, machining, or the like.
In the thermal spraying method, ceramic particles having a particle size of about 10 to 60 μm and ceramic sintered bodies are coated on the roller surface to a thickness of about 0.1 to 0.6 mm by plasma spraying, thermal spraying with a DJ gun, or thermal spraying with a wire. It is obtained by polishing the surface. As the kind of ceramic, oxide ceramics mainly composed of chromium oxide and nitride ceramics mainly composed of silicon nitride are preferable from the viewpoint of strength. Moreover, since the roller surface formed by thermal spraying is rough, it is polished.
On the other hand, the method of forming the convex portion by laser uses the fact that the laser irradiated portion of the roller surface melts and rises, and the laser forms the vertical groove and the horizontal groove on the roller surface in a lattice shape at right angles or at an angle. By doing so, it is possible to form independent protrusions cut out by both grooves. The laser used is CO2A laser, a YAG laser, an excimer laser, etc. can be mentioned. Moreover, the groove width formed differs depending on the type of laser. Therefore, it is necessary to select the type of laser according to the desired size of the convex portion, and it is necessary to use a laser having a short wavelength such as an excimer laser in order to obtain a transfer roller having a finer uneven shape. Moreover, it is finished with a diamond grindstone, a ceramic grindstone, or a polishing paper containing these.
[0059]
Similarly, it is also possible to cut square grooves in two directions using a die or a bit on the roller surface to form a square irregularity.
The aluminum plate or aluminum alloy plate is inserted between the transfer roller and a mirror-finished metal roller (backup roll), and is composed of a convex portion of the transfer roller under a linear pressure reduction of about 3 to 30 kg / mm. The uneven pattern is transferred. Details are described in JP-A-7-205565.
The conditions for the composition surface treatment in the transfer method can be appropriately adjusted according to the desired surface roughness.
[0060]
<Electrochemical roughening treatment>
In the electrochemical surface roughening treatment, an electrolytic solution used for the electrochemical surface roughening treatment using a normal alternating current can be used. Among them, the use of an electrolytic solution mainly composed of hydrochloric acid or nitric acid is preferable so that each of the above factors representing the surface shape satisfies a specific condition.
As the electrolytic surface roughening treatment in the present invention, it is preferable to perform the first and second electrolytic treatments with an alternating waveform current in an acidic solution before and after the cathodic electrolytic treatment. By cathodic electrolysis, hydrogen gas is generated on the surface of the aluminum plate and smut is generated to make the surface state uniform, and it is possible to obtain a uniform electrolytic surface during the subsequent electrolysis with an alternating waveform current. .
This electrolytic surface roughening treatment can be performed according to, for example, an electrochemical grain method (electrolytic grain method) described in Japanese Patent Publication No. 48-28123 and British Patent No. 896,563. This electrolytic grain method uses a sinusoidal alternating current, but it may be performed using a special waveform as described in JP-A-52-58602. Further, the waveform described in JP-A-3-79799 can also be used. JP-A-55-158298, JP-A-56-28898, JP-A-52-58602, JP-A-52-152302, JP-A-54-85802, JP-A-60-190392, JP-A-58-120531, JP-A-63-176187, JP-A-1-5889, JP-A-1-280590, JP-A-1-118489, JP-A-1-148592, and JP-A-1-17896. JP-A-1-188315, JP-A-1-1549797, JP-A-2-235794, JP-A-3-260100, JP-A-3-253600, JP-A-4-72079, JP-A-4-72098, The methods described in JP-A-3-267400 and JP-A-1-141094 can also be applied. In addition to the above, it is also possible to perform electrolysis using an alternating current having a special frequency that has been proposed as a method of manufacturing an electrolytic capacitor. For example, it is described in US Pat. Nos. 4,276,129 and 4,676,879.
[0061]
Various electrolyzers and power sources have been proposed. U.S. Pat. No. 4,023,637, JP-A-56-123400, JP-A-57-59770, JP-A-53-12738, JP-A-53. -32821, JP-A 53-32822, JP-A 53-32823, JP-A 55-122896, JP-A 55-13284, JP-A 62-127500, JP-A-1-52100 JP-A-1-52098, JP-A-60-67700, JP-A-1-230800, JP-A-3-257199 and the like can be used. Also, JP-A-52-58602, JP-A-52-152302, JP-A-53-12738, JP-A-53-12739, JP-A-53-32821, JP-A-53-32822, JP 53-32833, JP 53-32824, JP 53-32825, JP 54-85802, JP 55-122896, JP 55-13284, JP 48-28123, JP-B-51-7081, JP-A-52-133638, JP-A-52-133840, JP-A-52-133844, JP-A-52-133845, JP-A-53-149135 And those described in JP-A No. 54-146234 and the like can also be used.
[0062]
As an acidic solution which is an electrolytic solution, in addition to nitric acid and hydrochloric acid, U.S. Pat. Nos. 4,671,859, 4,661,219, 4,618,405, 4,600, 482, 4,566,960, 4,566,958, 4,566,959, 4,416,972, 4,374,710, The electrolyte solution described in each specification of 4,336,113 and 4,184,932 can also be used.
[0063]
The concentration of the acidic solution is preferably 0.5 to 2.5% by mass, but it is particularly preferably 0.7 to 2.0% by mass in consideration of use in the smut removal treatment. Moreover, it is preferable that liquid temperature is 20-80 degreeC, and it is more preferable that it is 30-60 degreeC.
[0064]
An aqueous solution mainly composed of hydrochloric acid or nitric acid is an aqueous solution of hydrochloric acid or nitric acid having a concentration of 1 to 100 g / L, such as nitric acid compounds having nitrate ions such as aluminum nitrate, sodium nitrate, ammonium nitrate, or aluminum chloride, sodium chloride, ammonium chloride, etc. At least one of the hydrochloric acid compounds having hydrochloric acid ions can be used by adding in a range from 1 g / L to saturation. Moreover, the metal contained in aluminum alloys, such as iron, copper, manganese, nickel, titanium, magnesium, a silica, may melt | dissolve in the aqueous solution which has hydrochloric acid or nitric acid as a main component. Preferably, a solution obtained by adding aluminum chloride, aluminum nitrate or the like to an aqueous solution of hydrochloric acid or nitric acid having a concentration of 0.5 to 2% by mass so that aluminum ions are 3 to 50 g / L is preferably used.
[0065]
Further, by adding and using a compound capable of forming a complex with Cu, uniform graining is possible even for an aluminum plate containing a large amount of Cu. Examples of the compound capable of forming a complex with Cu include ammonia; hydrogen atom of ammonia such as methylamine, ethylamine, dimethylamine, diethylamine, trimethylamine, cyclohexylamine, triethanolamine, triisopropanolamine, EDTA (ethylenediaminetetraacetic acid). And amines obtained by substituting with a hydrocarbon group (aliphatic, aromatic, etc.); metal carbonates such as sodium carbonate, potassium carbonate, potassium hydrogen carbonate and the like. In addition, ammonium salts such as ammonium nitrate, ammonium chloride, ammonium sulfate, ammonium phosphate, and ammonium carbonate are also included.
The temperature is preferably 10-60 ° C, more preferably 20-50 ° C.
[0066]
The AC power supply wave used for the electrochemical surface roughening treatment is not particularly limited, and a sine wave, a rectangular wave, a trapezoidal wave, a triangular wave or the like is used, but a rectangular wave or a trapezoidal wave is preferable, and a trapezoidal wave is particularly preferable. A trapezoidal wave means what was shown in FIG. In this trapezoidal wave, the time (TP) until the current reaches a peak from zero is preferably 0.3 to 3 msec. If it is less than 0.3 msec, processing irregularities such as chatter marks that occur perpendicular to the traveling direction of the aluminum plate are likely to occur. When TP exceeds 3 msec, especially when a nitric acid electrolyte is used, it is easily affected by trace components in the electrolyte typified by ammonium ions and the like that spontaneously increase by electrolytic treatment, and uniform graining is performed. It becomes hard to be broken. As a result, the stain resistance tends to decrease when a lithographic printing plate is obtained.
[0067]
A trapezoidal wave alternating current duty ratio of 1: 2 to 2: 1 can be used. However, as described in Japanese Patent Laid-Open No. 5-195300, in an indirect power feeding method in which no conductor roll is used for aluminum. A duty ratio of 1: 1 is preferable.
A trapezoidal AC frequency of 0.1 to 120 Hz can be used, but 50 to 70 Hz is preferable in terms of equipment. When the frequency is lower than 50 Hz, the carbon electrode of the main electrode is easily dissolved, and when the frequency is higher than 70 Hz, it is easily affected by an inductance component on the power supply circuit, and the power supply cost is increased.
[0068]
One or more AC power supplies can be connected to the electrolytic cell. As shown in FIG. 3, the current ratio between the AC anode and cathode applied to the aluminum plate facing the main electrode is controlled to achieve uniform graining and to dissolve the carbon of the main electrode. In addition, it is preferable to install an auxiliary anode and divert part of the alternating current. In FIG. 3, 11 is an aluminum plate, 12 is a radial drum roller, 13a and 13b are main poles, 14 is an electrolytic treatment liquid, 15 is an electrolytic solution supply port, and 16 is a slit. , 17 is an electrolyte passage, 18 is an auxiliary anode, 19a and 19b are thyristors, 20 is an AC power source, 40 is a main electrolytic cell, and 50 is an auxiliary anode cell. An anodic reaction that acts on the aluminum plate facing the main electrode by diverting a part of the current value as a direct current to an auxiliary anode provided in a tank separate from the two main electrodes via a rectifier or switching element It is possible to control the ratio between the current value for the current and the current value for the cathode reaction. On the aluminum plate facing the main electrode, the ratio of the amount of electricity involved in the anodic reaction and the cathodic reaction (the amount of electricity at the time of cathode / the amount of electricity at the time of anode) is preferably 0.3 to 0.95.
[0069]
As the electrolytic cell, electrolytic cells used for known surface treatments such as a vertical type, a flat type, and a radial type can be used, but a radial type electrolytic cell as described in JP-A-5-195300 is particularly preferable. . The electrolytic solution passing through the electrolytic cell may be parallel to the traveling direction of the aluminum web or may be a counter.
[0070]
(Nitric acid electrolysis)
Pits having an average opening diameter of 0.5 to 5 μm can be formed by electrochemical surface roughening using an electrolytic solution mainly composed of nitric acid. However, when the amount of electricity is relatively large, the electrolytic reaction is concentrated, and honeycomb pits exceeding 5 μm are also generated.
In order to obtain such a grain, the total amount of electricity involved in the anode reaction of the aluminum plate at the time when the electrolytic reaction is completed is 1 to 1000 C / dm.2Is preferably 50 to 300 C / dm.2It is more preferable that The current density at this time is 20 to 100 A / dm.2Is preferred.
[0071]
(Hydrochloric acid electrolysis)
Since hydrochloric acid itself has a strong ability to dissolve aluminum, it is possible to form fine irregularities on the surface with only slight electrolysis. These fine irregularities have an average opening diameter of 0.01 to 0.2 μm and are uniformly generated on the entire surface of the aluminum plate. In order to obtain such a grain, the total amount of electricity involved in the anode reaction of the aluminum plate at the time when the electrolytic reaction is completed is 1 to 100 C / dm.2It is preferable that it is 20-70 C / dm.2It is more preferable that The current density at this time is 10 to 50 A / dm.2Is preferred.
[0072]
In such an electrochemical surface roughening treatment with an electrolyte mainly composed of hydrochloric acid, the total amount of electricity involved in the anode reaction is 400 to 2000 C / dm.2It is also possible to form a large crater-like undulation at the same time. In this case, fine irregularities having an average opening diameter of 0.01 to 0.4 μm are generated on the entire surface by being superimposed on a crater-like wave having an average opening diameter of 10 to 30 μm.
[0073]
The aluminum plate is preferably subjected to cathodic electrolysis treatment during the first and second electrolytic surface-roughening treatments performed in the electrolytic solution such as nitric acid and hydrochloric acid. By this cathodic electrolysis treatment, smut is generated on the surface of the aluminum plate, and hydrogen gas is generated to enable more uniform electrolytic surface roughening treatment. The cathodic electrolysis is preferably performed in an acidic solution with a cathode electric quantity of 3 to 80 C / dm.2, More preferably 5-30 C / dm2Done in Cathode electricity is 3 C / dm2If it is less than 80, the smut adhesion amount may be insufficient, and 80 C / dm.2If it exceeds 1, the amount of smut adhesion may become excessive, which is not preferable. Further, the electrolytic solution may be the same as or different from the solution used in the first and second electrolytic surface roughening processes.
[0074]
<Alkaline etching treatment>
The alkali etching treatment is a treatment for dissolving the surface layer by bringing the aluminum plate into contact with an alkali solution.
[0075]
Alkaline etching performed before the electrolytic surface roughening treatment removes rolling oil, dirt, natural oxide film, etc. on the surface of the aluminum plate (rolled aluminum) if mechanical surface roughening treatment is not performed. If the surface of the unevenness generated by the mechanical surface roughening treatment is dissolved, the surface with sharp undulations is smoothed. It is done for the purpose of changing.
[0076]
When the mechanical surface roughening treatment is not performed before the alkali etching treatment, the etching amount is 0.1 to 10 g / m.21 to 5 g / m is preferable.2It is more preferable that Etching amount is 0.1g / m2If it is less than that, rolling oil, dirt, natural oxide film, etc. on the surface may remain, so that uniform pits cannot be generated in the subsequent electrolytic surface roughening treatment, and unevenness may occur. On the other hand, the etching amount is 1 to 10 g / m.2If it is, removal of rolling oil, dirt, natural oxide film, etc. on the surface is sufficiently performed. An etching amount exceeding the above range is economically disadvantageous.
[0077]
When mechanical roughening treatment is performed before the alkali etching treatment, the etching amount is 3 to 20 g / m.2Is preferably 5 to 15 g / m.2It is more preferable that Etching amount is 3g / m2If it is less than 1, the unevenness formed by mechanical surface roughening or the like may not be smoothed, and uniform pit formation may not be possible in the subsequent electrolytic treatment. In addition, the stain may deteriorate during printing. On the other hand, the etching amount is 20 g / m.2Exceeding may cause the concavo-convex structure to disappear.
[0078]
The alkali etching treatment performed immediately after the electrolytic surface roughening treatment is performed for the purpose of dissolving the smut generated in the acidic electrolytic solution and dissolving the edge portion of the pit formed by the electrolytic surface roughening treatment. .
Since the pits formed by the electrolytic surface roughening treatment are different depending on the type of the electrolytic solution, the optimum etching amount is also different, but the etching amount of the alkali etching treatment performed after the electrolytic surface roughening treatment is 0.1 to 5 g / m.2Is preferred. When a nitric acid electrolyte is used, the etching amount needs to be set larger than when a hydrochloric acid electrolyte is used.
When the electrolytic surface roughening treatment is performed a plurality of times, an alkali etching treatment can be performed as necessary after each treatment.
[0079]
Examples of the alkali used in the alkaline solution include caustic alkali and alkali metal salts. Specifically, examples of caustic alkali include caustic soda and caustic potash. Examples of alkali metal salts include alkali metal silicates such as sodium silicate, sodium silicate, potassium metasilicate, and potassium silicate; alkali metal carbonates such as sodium carbonate and potassium carbonate; sodium aluminate and alumina. Alkali metal aluminates such as potassium acid; alkali metal aldones such as sodium gluconate and potassium gluconate; dibasic sodium phosphate, dibasic potassium phosphate, tribasic sodium phosphate, tertiary potassium phosphate, etc. An alkali metal hydrogen phosphate is mentioned. Among these, a caustic alkali solution and a solution containing both a caustic alkali and an alkali metal aluminate are preferable from the viewpoint of high etching rate and low cost. In particular, an aqueous solution of caustic soda is preferable.
[0080]
Although the density | concentration of an alkaline solution can be determined according to the etching amount, it is preferable that it is 1-50 mass%, and it is more preferable that it is 10-35 mass%. When aluminum ions are dissolved in the alkaline solution, the concentration of aluminum ions is preferably 0.01 to 10% by mass, and more preferably 3 to 8% by mass. The temperature of the alkaline solution is preferably 20 to 90 ° C. The treatment time is preferably 1 to 120 seconds.
[0081]
Examples of the method of bringing the aluminum plate into contact with the alkaline solution include, for example, a method in which the aluminum plate is passed through a tank containing the alkaline solution, a method in which the aluminum plate is immersed in a tank containing the alkaline solution, The method of spraying on the surface of a board is mentioned.
[0082]
<Desmut treatment>
After the electrolytic surface roughening treatment or the alkali etching treatment, pickling (desmut treatment) is performed to remove dirt (smut) remaining on the surface. Examples of the acid used include nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, chromic acid, hydrofluoric acid, and borohydrofluoric acid.
The desmutting treatment is performed, for example, by bringing the aluminum plate into contact with an acidic solution having a concentration of 0.5 to 30% by mass (containing 0.01 to 5% by mass of aluminum ions) such as hydrochloric acid, nitric acid, and sulfuric acid. . Examples of the method of bringing the aluminum plate into contact with the acidic solution include, for example, a method of passing the aluminum plate through a bath containing the acidic solution, a method of immersing the aluminum plate in a bath containing the acidic solution, and an acidic solution containing aluminum. The method of spraying on the surface of a board is mentioned.
In the desmutting treatment, the acidic solution is mainly composed of an aqueous solution mainly composed of nitric acid or an aqueous solution mainly composed of hydrochloric acid discharged in the above-described electrolytic surface-roughening treatment, or sulfuric acid discharged in an anodic oxidation process described later. It is possible to use a waste solution of an aqueous solution.
It is preferable that the liquid temperature of a desmut process is 25-90 degreeC. Moreover, it is preferable that processing time is 1-180 second. Aluminum and aluminum alloy components may be dissolved in the acidic solution used for the desmut treatment.
[0083]
<Anodizing treatment>
The aluminum plate treated as described above is preferably further subjected to an anodizing treatment. The anodizing treatment can be performed by a method conventionally used in this field. In this case, for example, in a solution having a sulfuric acid concentration of 50 to 300 g / L and an aluminum concentration of 5% by mass or less, an anodized film can be formed by energizing an aluminum plate as an anode. As a solution used for the anodizing treatment, sulfuric acid, phosphoric acid, chromic acid, oxalic acid, sulfamic acid, benzenesulfonic acid, amidosulfonic acid and the like can be used alone or in combination of two or more.
[0084]
Under the present circumstances, the component normally contained at least in an aluminum plate, an electrode, tap water, groundwater, etc. may be contained in electrolyte solution. Furthermore, the 2nd, 3rd component may be added. Examples of the second and third components herein include metal ions such as Na, K, Mg, Li, Ca, Ti, Al, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, and Zn; Cation such as ammonium ion; anion such as nitrate ion, carbonate ion, chloride ion, phosphate ion, fluoride ion, sulfite ion, titanate ion, silicate ion, borate ion, etc., 0 to 10,000 ppm It may be contained at a concentration of about.
[0085]
The conditions for anodizing treatment vary depending on the electrolyte used, and thus cannot be determined unconditionally. In general, however, the electrolyte concentration is 1 to 80% by mass, the solution temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 0.5. ~ 60A / dm2It is appropriate that the voltage is 1 to 100 V and the electrolysis time is 15 seconds to 50 minutes, and the anodic oxide film amount is adjusted to a desired amount.
[0086]
Further, JP-A-54-81133, JP-A-57-47894, JP-A-57-51289, JP-A-57-51290, JP-A-57-54300, JP-A-57-136596, JP-A-58-107498, JP-A-60-200366, JP-A-62-136696, JP-A-63-176494, JP-A-4-17697, JP-A-4-280997, JP-A-6-280997 The methods described in JP-A-207299, JP-A-5-24377, JP-A-5-32083, JP-A-5-125597, JP-A-5-195291 and the like can also be used.
[0087]
Of these, as described in JP-A-54-12853 and JP-A-48-45303, it is preferable to use a sulfuric acid solution as the electrolytic solution. The sulfuric acid concentration in the electrolytic solution is preferably 10 to 300 g / L (1 to 30% by mass), and the aluminum ion concentration is 1 to 25 g / L (0.1 to 2.5% by mass). It is preferable that it is 2 to 10 g / L (0.2 to 1% by mass). Such an electrolytic solution can be prepared, for example, by adding aluminum sulfate or the like to dilute sulfuric acid having a sulfuric acid concentration of 50 to 200 g / L.
[0088]
When anodizing is performed in an electrolytic solution containing sulfuric acid, direct current may be applied between the aluminum plate and the counter electrode, or alternating current may be applied.
When direct current is applied to the aluminum plate, the current density is 1 to 60 A / dm.2Is preferably 5 to 40 A / dm.2It is more preferable that
In the case of continuous anodizing treatment, 5-10 A / m at the beginning of the anodizing treatment so that current is concentrated on a part of the aluminum plate and so-called “burning” does not occur.230 to 50 A / dm as the anodizing process proceeds at a low current density of2Alternatively, it is preferable to increase the current density further.
When the anodizing treatment is continuously performed, it is preferable that the anodizing process is performed by a liquid power feeding method in which power is supplied to the aluminum plate through an electrolytic solution.
By performing anodizing treatment under such conditions, a porous film having many pores called micropores can be obtained. Usually, the average pore diameter is about 5 to 50 nm, and the average pore density is 300. ~ 800 / μm2Degree.
[0089]
The amount of anodized film is 1-5g / m2Is preferred. 1g / m2If it is less than 5%, the plate is likely to be damaged, while 5 g / m.2Exceeding this requires a large amount of power for production, which is economically disadvantageous. The amount of anodized film is 1.5-4 g / m2It is more preferable that Further, the difference in the amount of the anodized film between the center portion of the aluminum plate and the vicinity of the edge portion is 1 g / m.2It is preferable to carry out as follows.
[0090]
As the electrolysis apparatus used for the anodizing treatment, those described in JP-A-48-26638, JP-A-47-18739, JP-B-58-24517, and the like can be used.
Among these, the apparatus shown in FIG. 4 is preferably used. FIG. 4 is a schematic view showing an example of an apparatus for anodizing the surface of an aluminum plate. In the anodizing apparatus 410, the aluminum plate 416 is transported as indicated by arrows in FIG. In the power supply tank 412 in which the electrolytic solution 418 is stored, the aluminum plate 416 is charged to (+) by the power supply electrode 420. The aluminum plate 416 is conveyed upward by the roller 422 in the power supply tank 412, changed in direction downward by the nip roller 424, and then conveyed toward the electrolytic treatment tank 414 in which the electrolytic solution 426 is stored. The direction is changed horizontally. Next, the aluminum plate 416 is charged to (−) by the electrolytic electrode 430 to form an anodized film on the surface thereof, and the aluminum plate 416 exiting the electrolytic treatment tank 414 is conveyed to a subsequent process. In the anodizing apparatus 410, the roller 422, the nip roller 424, and the roller 428 constitute a direction changing means, and the aluminum plate 416 is disposed between the power supply tank 412 and the electrolytic treatment tank 414 in the inter-tank section. By 428, it is conveyed into a mountain shape and an inverted U shape. The feeding electrode 420 and the electrolytic electrode 430 are connected to a DC power source 434.
[0091]
A feature of the anodizing apparatus 410 in FIG. 4 is that the feeding tank 412 and the electrolytic treatment tank 414 are partitioned by a single tank wall 432, and the aluminum plate 416 is conveyed in a mountain shape and an inverted U shape between the tanks. It is in. As a result, the length of the aluminum plate 416 in the inter-tank portion can be minimized. Therefore, the overall length of the anodizing apparatus 410 can be shortened, so that the equipment cost can be reduced. In addition, by conveying the aluminum plate 416 in a mountain shape and an inverted U shape, it is not necessary to form an opening for allowing the aluminum plate 416 to pass through the tank walls of the tanks 412 and 414. Therefore, since the liquid feeding amount required to maintain the liquid level height in each tank 412 and 414 at a required level can be suppressed, the operating cost can be reduced.
[0092]
<Sealing treatment>
In this invention, you may perform the sealing process which seals the micropore which exists in an anodic oxide film as needed. The sealing treatment can be performed according to a known method such as boiling water treatment, hot water treatment, steam treatment, sodium silicate treatment, nitrite treatment, ammonium acetate treatment and the like. For example, Japanese Patent Publication No. 56-12518, Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-4194, Japanese Patent Application No. 4-33952 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-202496), Japanese Patent Application No. 4-33951 (Japanese Patent Application Laid-Open No. -179482) etc. may be used for sealing treatment.
[0093]
<Hydrophilic treatment>
A hydrophilization treatment may be performed after the anodizing treatment or the sealing treatment. Examples of the hydrophilization treatment include treatment with potassium fluorinated zirconate described in US Pat. No. 2,946,638 and phosphomolybdate described in US Pat. No. 3,201,247. Treatment, alkyl titanate treatment described in British Patent 1,108,559, polyacrylic acid treatment described in German Patent 1,091,433, German Patent 1,134, No. 093 and British Patent No. 1,230,447, polyvinyl phosphonic acid treatment, Japanese Patent Publication No. 44-6409, phosphonic acid treatment, US Pat. No. 3,307,951 Phytic acid treatment described in the specification of JP, No. 58-16893 and JP-A No. 58-18291 Treatment with a salt of a molecular compound and a divalent metal, as described in US Pat. No. 3,860,426, hydrophilic cellulose (eg, zinc acetate) containing a water-soluble metal salt (eg, zinc acetate) Carboxymethyl cellulose) is provided with a subbing layer, and a water-soluble polymer having a sulfo group described in JP-A-59-101651.
[0094]
Further, phosphates described in JP-A No. 62-019494, water-soluble epoxy compounds described in JP-A No. 62-033692, and JP-A No. 62-097892 Phosphate-modified starch, diamine compounds described in JP-A-63-056498, amino acid inorganic or organic acids described in JP-A-63-130391, JP-A-63-145092 Organic phosphonic acids containing carboxy group or hydroxy group, compounds having amino group and phosphonic acid group described in JP-A-63-165183, and JP-A-2-316290 Specific carboxylic acid derivatives, phosphate esters described in JP-A-3-215095, JP-A-3-261592 Compounds having one amino group and one oxygen acid group of phosphorus described in the publication, phosphoric esters described in JP-A-3-215095, and JP-A-5-246171 Aliphatic or aromatic phosphonic acids such as phenylphosphonic acid, compounds containing S atoms such as thiosalicylic acid described in JP-A-1-307745, and phosphorus described in JP-A-4-282737 Examples of the treatment include undercoating using a compound having a group of oxygen acids.
Further, coloring with an acid dye described in JP-A-60-64352 can also be performed.
[0095]
Hydrophilicity can also be achieved by soaking in an aqueous solution of an alkali metal silicate such as sodium silicate or potassium silicate, or by applying a hydrophilic vinyl polymer or hydrophilic compound to form a hydrophilic primer layer. It is preferable to carry out the treatment.
[0096]
Hydrophilization treatment (alkali metal silicate treatment, silicate treatment) with an aqueous solution of an alkali metal silicate such as sodium silicate or potassium silicate is disclosed in US Pat. No. 2,714,066 and US Pat. It can be carried out according to the methods and procedures described in US Pat. No. 181,461.
Examples of the alkali metal silicate include sodium silicate, potassium silicate, and lithium silicate. The aqueous solution of alkali metal silicate may contain an appropriate amount of sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide or the like.
The aqueous solution of alkali metal silicate may contain an alkaline earth metal salt or a Group 4 (Group IVA) metal salt. Examples of the alkaline earth metal salt include nitrates such as calcium nitrate, strontium nitrate, magnesium nitrate, and barium nitrate; sulfates; hydrochlorides; phosphates; acetates; oxalates; Examples of the Group 4 (Group IVA) metal salt include titanium tetrachloride, titanium trichloride, potassium fluoride titanium, potassium oxalate, titanium sulfate, titanium tetraiodide, zirconium chloride, zirconium dioxide, zirconium oxychloride. And zirconium tetrachloride. These alkaline earth metal salts and Group 4 (Group IVA) metal salts are used alone or in combination of two or more.
[0097]
The adhesion amount of Si atoms on the surface of the lithographic printing plate support of the present invention is 1 g / m in that the ink is difficult to entangle.2Preferably, it is 5 mg / m or more.2More preferably, it is 7 mg / m2The above is more preferable. On the other hand, 20 mg / m in terms of excellent printing durability and cleaner printing durability.2Preferably, it is 15 mg / m2The following is more preferable.
[0098]
The amount of Si atom attachment is the mass of Si atoms per unit area measured by a calibration curve method using an X-ray Fluorescence Spectrometer (XRF: X-ray Fluorescence Spectrometer). In the case where the aluminum plate contains Si atoms, the above numerical values are after correcting the amount of Si atoms contained.
[0099]
As a standard sample for preparing a calibration curve, for example, a sodium silicate aqueous solution containing a known amount of Si atoms is uniformly dropped into an area of 30 mmφ on an aluminum plate and then dried. be able to. Examples of fluorescent X-ray analysis conditions are shown below.
[0100]
X-ray fluorescence analyzer: RIX3000 manufactured by Rigaku Corporation, X-ray tube: Rh, measurement spectrum: Si-Kα, tube voltage: 50 kV, tube current: 50 mA, slit: COARSE, spectral crystal: RX4, detector: F -PC, analysis area: 30 mmφ, peak position (2θ): 144.75 deg. , Background (2θ): 140.70 deg. And 146.85 deg. Integration time: 80 seconds / sample
[0101]
The conditions for the alkali metal silicate treatment are not particularly limited. For example, using an aqueous solution having a concentration of 0.5 to 5.0 mass%, the immersion is performed for 1 to 100 seconds at a temperature of 20 to 100 ° C. Wash with. The concentration of the aqueous solution is more preferably 1.0 to 3.0% by mass, the more preferable immersion treatment temperature is 40 to 80 ° C., and the more preferable immersion time is 5 to 30 seconds. By setting it as the above conditions, the Si atom adhesion amount on the surface of the lithographic printing plate support is 1 to 20 mg / m.2It can be. As a result, a lithographic printing plate precursor excellent in all of sensitivity, printing durability, cleaner printing durability and ink entanglement can be obtained.
[0102]
By this alkali metal silicate treatment, the effect of improving the dissolution resistance to the alkaline developer on the surface of the lithographic printing plate support is obtained, the dissolution of the aluminum component into the developer is suppressed, and the developer fatigue It is possible to reduce the occurrence of development residue due to the above.
[0103]
The hydrophilization treatment by forming a hydrophilic undercoat layer can also be performed according to the conditions and procedures described in JP-A Nos. 59-101651 and 60-149491.
Examples of the hydrophilic vinyl polymer used in this method include polyvinyl sulfonic acid, sulfo group-containing vinyl polymerizable compounds such as p-styrene sulfonic acid having a sulfo group, and ordinary vinyl polymerization such as (meth) acrylic acid alkyl ester. And a copolymer with a functional compound. Moreover, as a hydrophilic compound used for this method, for example, —NH2And a compound having at least one selected from the group consisting of a group, a —COOH group and a sulfo group.
[0104]
<Washing treatment>
It is preferable to perform water washing after the completion of the above-described processes. For washing, pure water, well water, tap water, or the like can be used. Specifically, for example, water having a temperature of 20 to 60 ° C. at room temperature or heated as necessary is used. In addition, water where a small amount of acid is added is also used in a place where scale is likely to be generated when the pH becomes neutral among the steps of each treatment.
A nip device may be used to prevent the processing liquid from being brought into the next process.
[0105]
<Aluminum plate (rolled aluminum)>
In order to obtain the lithographic printing plate support of the present invention, a known aluminum plate can be used. The aluminum plate used in the present invention is a metal whose main component is dimensionally stable aluminum, and is made of aluminum or an aluminum alloy. In addition to a pure aluminum plate, an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements can also be used.
[0106]
In the present specification, various substrates made of the above-described aluminum or aluminum alloy are generically used as an aluminum plate. The foreign elements that may be contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, titanium, and the content of the foreign elements in the alloy is 10% by mass or less. It is.
[0107]
Thus, the composition of the aluminum plate used in the present invention is not specified. For example, a conventionally known material described in the fourth edition of the Aluminum Handbook (1990, published by the Light Metal Association), for example, JIS Al-Mn based aluminum plates such as A1050, JISA1100, JIS A1070, JIS A3004 containing Mn, and internationally registered alloy 3103A can be appropriately used. For the purpose of increasing the tensile strength, an Al—Mg alloy or an Al—Mn—Mg alloy (JIS A3005) in which 0.1 mass% or more of magnesium is added to these aluminum alloys can also be used. Furthermore, an Al—Zr alloy or an Al—Si alloy containing Zr or Si can also be used. Furthermore, an Al—Mg—Si based alloy can also be used.
[0108]
Regarding the JIS 1050 material, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 59-153861, 61-51395, 62-146694, 60-215725, and 60-215725. JP 60-215726, JP 60-215727, JP 60-216728, JP 61-272367, JP 58-11759, JP 58-42493, JP 58- 221254, JP-A-62-148295, JP-A-4-254545, JP-A-4-165541, JP-B-3-68939, JP-A-3-234594, JP-B-1-47545, and JP-A-62. It is described in each publication of -140894. In addition, techniques described in Japanese Patent Publication No. 1-35910 and Japanese Patent Publication No. 55-28874 are also known.
[0109]
Regarding the JIS1070 material, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in JP-A-7-81264, JP-A-7-305133, JP-A-8-49034, JP-A-8-73974, JP-A-8-108659 and It is described in JP-A-8-92679.
[0110]
Regarding Al-Mg alloys, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in Japanese Patent Publication Nos. Sho 62-5080, Sho 63-60823, Shoko 3-61753, JP Sho 60-20396, JP-A-60-203497, JP-B-3-11635, JP-A-61-274993, JP-A-62-23794, JP-A-63-47347, JP-A-63-47348, JP-A-63-47349. JP-A 64-1293, JP-A 63-135294, JP-A 63-87288, JP-B 4-73392, JP-B 7-100844, JP-A 62-149856, JP-B JP-A-4-73394, JP-A-62-181191, JP-B-5-76530, JP-A-63-30294, and JP-B-6-37116. Also described in JP-A-2-215599, JP-A-61-201747, and the like.
[0111]
With regard to Al—Mn alloys, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 60-230951, 1-306288, and 2-293189. In addition, JP-B-54-42284, JP-B-4-19290, JP-B-4-19291, JP-B-4-19292, JP-A-61-35995, JP-A-64-51992, JP-A-4-19592, No. 226394, US Pat. No. 5,009,722, US Pat. No. 5,028,276 and the like.
[0112]
With regard to the Al—Mn—Mg alloy, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 62-86143 and 3-2222796. JP-B 63-60824, JP-A 60-63346, JP-A 60-63347, JP-A-1-293350, European Patent No. 223,737, US Pat. No. 4,818, No. 300, British Patent No. 1,222,777, etc.
[0113]
Regarding the Al—Zr alloy, the technique proposed by the applicant of the present application is described in Japanese Patent Publication No. 63-15978 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-51395. Also described in JP-A-63-143234 and JP-A-63-143235.
[0114]
The Al—Mg—Si alloy is described in British Patent 1,421,710.
[0115]
In the present invention, as described above, the composition of the aluminum plate is not particularly limited, but the Fe content is 0.2 to 0.7% by mass, the Si content is 0.04 to 0.15% by mass, and Ti is contained. It is preferable to use an aluminum plate having an amount of 0.001 to 0.05 mass% and a Cu content of 0.000 to 0.05 mass%. Furthermore, it is preferable that Cu content is 0.015-0.05 mass%.
In the first aspect of the present invention, the surface roughness R of the aluminum plate having the above composition is obtained when a roughening treatment including an electrolytic roughening treatment is performed, particularly when the Cu content is relatively large.a 50 (0.2-2)Tends to be in the preferred range, and in the second embodiment of the present invention, the surface area ratio ΔS5 (0.02-0.2)However, it becomes easy to satisfy said Formula (1).
[0116]
In order to use an aluminum alloy as a plate material, for example, the following method can be employed. First, a molten aluminum alloy adjusted to a predetermined alloy component content is subjected to a cleaning process and cast according to a conventional method. In the cleaning process, in order to remove unnecessary gas such as hydrogen in the molten metal, flux treatment, degassing process using argon gas, chlorine gas, etc., so-called rigid media filter such as ceramic tube filter, ceramic foam filter, A filtering process using a filter that uses alumina flakes, alumina balls or the like as a filter medium, a glass cloth filter, or a combination of a degassing process and a filtering process is performed.
[0117]
These cleaning treatments are preferably performed in order to prevent defects caused by foreign matters such as non-metallic inclusions and oxides in the molten metal and defects caused by gas dissolved in the molten metal. Regarding filtering of the molten metal, JP-A-6-57432, JP-A-3-162530, JP-A-5-140659, JP-A-4-231425, JP-A-4-276031, JP-A-5-311261, JP-A-5-311261 6-136466 and the like. Further, the degassing of the molten metal is described in JP-A-5-51659, Japanese Utility Model Laid-Open No. 5-49148, and the like. The applicant of the present application has also proposed a technique relating to degassing of molten metal in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-40017.
[0118]
Next, casting is performed using the molten metal that has been subjected to the cleaning treatment as described above. As for the casting method, there are a method using a solid mold typified by a DC casting method and a method using a driving mold typified by a continuous casting method.
In DC casting, solidification occurs at a cooling rate of 0.5 to 30 ° C./second. When the temperature is less than 1 ° C., many coarse intermetallic compounds may be formed. When DC casting is performed, an ingot having a thickness of 300 to 800 mm can be manufactured. The ingot is chamfered as necessary according to a conventional method, and usually 1 to 30 mm, preferably 1 to 10 mm, of the surface layer is cut. Before and after that, soaking treatment is performed as necessary. When performing a soaking treatment, heat treatment is performed at 450 to 620 ° C. for 1 to 48 hours so that the intermetallic compound does not become coarse. If the heat treatment is shorter than 1 hour, the effect of soaking may be insufficient.
[0119]
Then, hot rolling and cold rolling are performed to obtain a rolled aluminum plate. An appropriate starting temperature for hot rolling is 350 to 500 ° C. An intermediate annealing treatment may be performed before or after hot rolling or in the middle thereof. The conditions for the intermediate annealing treatment are heating at 280 to 600 ° C. for 2 to 20 hours, preferably 350 to 500 ° C. for 2 to 10 hours using a batch annealing furnace, or 400 to 600 ° C. using a continuous annealing furnace. Heating is performed for 6 minutes or less, preferably 450 to 550 ° C. for 2 minutes or less. The crystal structure can be made finer by heating at a heating rate of 10 to 200 ° C./second using a continuous annealing furnace.
[0120]
The flatness of the aluminum plate finished to a predetermined thickness, for example, 0.1 to 0.5 mm by the above steps may be further improved by a correction device such as a roller leveler or a tension leveler. The flatness may be improved after the aluminum plate is cut into a sheet shape, but in order to improve productivity, it is preferably performed in a continuous coil state. Further, a slitter line may be used for processing into a predetermined plate width. Moreover, in order to prevent generation | occurrence | production of the damage | wound by friction between aluminum plates, you may provide a thin oil film on the surface of an aluminum plate. As the oil film, a volatile or non-volatile film is appropriately used as necessary.
[0121]
On the other hand, as the continuous casting method, a twin roll method (hunter method), a method using a cooling roll typified by the 3C method, a double belt method (Hazley method), a cooling belt or a cooling block typified by Al-Swiss Caster II type The method using is industrially performed. When the continuous casting method is used, it solidifies at a cooling rate of 100 to 1000 ° C./second. Since the continuous casting method generally has a higher cooling rate than the DC casting method, it has a feature that the solid solubility of the alloy component in the aluminum matrix can be increased. Regarding the continuous casting method, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in JP-A-3-79798, JP-A-5-201166, JP-A-5-156414, JP-A-6-262203, and JP-A-6-122949. JP-A-6-210406 and JP-A-6-26308.
[0122]
When continuous casting is performed, for example, if a method using a cooling roll such as a Hunter method is used, a cast plate having a thickness of 1 to 10 mm can be directly cast continuously, and the hot rolling step is omitted. The advantage of being able to In addition, when a method using a cooling belt such as the Husley method is used, a cast plate having a thickness of 10 to 50 mm can be cast. Generally, a hot rolling roll is arranged immediately after casting and continuously rolled. Thus, a continuous cast and rolled plate having a thickness of 1 to 10 mm is obtained.
[0123]
These continuous cast and rolled plates are subjected to processes such as cold rolling, intermediate annealing, improvement of flatness, slits, and the like in the same manner as described for DC casting. Finished to a thickness of 5 mm. Regarding the intermediate annealing condition and the cold rolling condition when using the continuous casting method, the techniques proposed by the applicant of the present application are disclosed in JP-A-6-220593, JP-A-6-210308, JP-A-7-54111, It is described in JP-A-8-92709.
[0124]
Various characteristics described below are desired for the aluminum plate thus manufactured.
As for the strength of the aluminum plate, it is preferable that the 0.2% proof stress is 140 MPa or more in order to obtain the stiffness required for a lithographic printing plate support. Moreover, in order to obtain a certain level of waist strength even when performing a burning treatment, the 0.2% yield strength after heat treatment at 270 ° C. for 3 to 10 minutes is preferably 80 MPa or more, and 100 MPa or more. It is more preferable that In particular, when the waist strength is required for an aluminum plate, an aluminum material added with Mg or Mn can be used, but if the waist is strengthened, the ease of fitting to the plate cylinder of a printing press becomes inferior. Depending on the application, the material and the amount of trace components added are appropriately selected. With regard to these, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 7-126820 and 62-140894.
[0125]
The crystal structure of the aluminum plate may cause poor surface quality when the surface of the aluminum plate is subjected to chemical or electrochemical surface roughening. It is preferably not too coarse. The crystal structure on the surface of the aluminum plate preferably has a width of 200 μm or less, more preferably 100 μm or less, still more preferably 50 μm or less, and the length of the crystal structure is 5000 μm or less. Is preferably 1000 μm or less, and more preferably 500 μm or less. With regard to these, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Laid-Open Nos. 6-218495, 7-39906, and 7-124609.
[0126]
The alloy component distribution of the aluminum plate, when chemical surface roughening treatment or electrochemical surface roughening treatment is performed, poor surface quality occurs due to non-uniform distribution of the alloy component on the surface of the aluminum plate. Therefore, it is preferable that the surface is not very uneven. With regard to these, the techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Laid-Open Nos. 6-48058, 5-301478, and 7-132689.
[0127]
In the intermetallic compound of the aluminum plate, the size and density of the intermetallic compound may affect the chemical roughening treatment or the electrochemical roughening treatment. With regard to these, techniques proposed by the applicant of the present application are described in Japanese Patent Laid-Open Nos. 7-138687 and 4-254545.
[0128]
In the present invention, an aluminum plate as shown above can be used with unevenness by lamination rolling, transfer or the like in the final rolling step.
[0129]
The aluminum plate used in the present invention is a continuous belt-like sheet material or plate material. That is, it may be an aluminum web or a sheet-like sheet cut to a size corresponding to a planographic printing plate precursor shipped as a product.
Since scratches on the surface of the aluminum plate may become defects when processed into a lithographic printing plate support, it is possible to generate scratches at the stage prior to the surface treatment process for making a lithographic printing plate support It is necessary to suppress as much as possible. For that purpose, it is preferable that the package has a stable form and is not easily damaged during transportation.
In the case of an aluminum web, for example, the packing form of aluminum is, for example, laying a hardboard and felt on an iron pallet, applying cardboard donut plates to both ends of the product, wrapping the whole with a polytube, and inserting a wooden donut into the inner diameter of the coil Then, a felt is applied to the outer periphery of the coil, the band is squeezed with a band, and the display is performed on the outer periphery. Moreover, a polyethylene film can be used as the packaging material, and a needle felt or a hard board can be used as the cushioning material. There are various other forms, but the present invention is not limited to this method as long as it is stable and can be transported without being damaged.
[0130]
The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and more preferably 0.2 mm to 0.3 mm. This thickness can be appropriately changed according to the size of the printing press, the size of the printing plate, the user's desires, and the like.
[0131]
[Lithographic printing plate precursor]
The lithographic printing plate support of the present invention can be provided with an image recording layer to form the lithographic printing plate precursor of the present invention. A photosensitive composition is used for the image recording layer.
Examples of the photosensitive composition suitably used in the present invention include a thermal positive photosensitive composition containing an alkali-soluble polymer compound and a photothermal conversion substance (hereinafter, this composition and an image recording layer using the same). ), A thermal negative photosensitive composition containing a curable compound and a photothermal conversion substance (hereinafter also referred to as “thermal negative type”), a photopolymerizable photosensitive composition (hereinafter referred to as “thermal positive type”). , Also referred to as “photopolymer type”), negative photosensitive composition containing diazo resin or photocrosslinking resin (hereinafter also referred to as “conventional negative type”), and positive photosensitive composition containing quinonediazide compound. Product (hereinafter also referred to as "conventional positive type"), photosensitive composition that does not require a special development step (hereinafter referred to as As the referred to as "non-treatment type".), And the like. Hereinafter, these suitable photosensitive compositions will be described.
[0132]
<Thermal positive type>
<Photosensitive layer>
The thermal positive type photosensitive composition contains an alkali-soluble polymer compound and a photothermal conversion substance. In the thermal positive type image recording layer, the photothermal conversion substance converts the energy of light such as infrared lasers into heat, which effectively eliminates the interaction that reduces the alkali solubility of alkali-soluble polymer compounds. To do.
[0133]
Examples of the alkali-soluble polymer compound include a resin containing an acidic group in the molecule and a mixture of two or more thereof. In particular, phenolic hydroxy groups, sulfonamide groups (-SO2NH-R (wherein R represents a hydrocarbon group)), an active imino group (-SO2NHCOR, -SO2NHSO2R, -CONHSO2A resin having an acidic group such as R (wherein R has the same meaning as described above)) is preferable in terms of solubility in an alkali developer.
In particular, a resin having a phenolic hydroxy group is preferable in that it has excellent image-forming properties when exposed to light such as an infrared laser, and examples thereof include phenol-formaldehyde resins, m-cresol-formaldehyde resins, p-cresol-formaldehyde resins, m- / p-mixed cresol-formaldehyde resin, phenol / cresol (any of m-, p- and m- / p-mixed) mixed-formaldehyde resin (phenol-cresol-formaldehyde co-condensation resin) and other novolak resins Are preferable.
Furthermore, the polymer compound described in JP-A No. 2001-305722 (particularly [0023] to [0042]), and the repetition represented by the general formula (1) described in JP-A No. 2001-215893 Preferred examples also include polymer compounds containing units, and polymer compounds described in JP-A No. 2002-311570 (particularly [0107]).
[0134]
Preferable examples of the photothermal conversion substance include pigments or dyes having a light absorption region in the infrared region having a wavelength of 700 to 1200 nm in terms of recording sensitivity. Examples of the dye include azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, naphthoquinone dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, cyanine dyes, squarylium dyes, pyrylium salts, metal thiolate complexes (for example, , Nickel thiolate complex). Among these, cyanine dyes are preferable, and cyanine dyes represented by the general formula (I) described in JP 2001-305722 A are particularly preferable.
[0135]
The thermal positive type photosensitive composition may contain a dissolution inhibitor. As the dissolution inhibitor, for example, dissolution inhibitors described in JP-A-2001-305722, [0053] to [0055] are preferably exemplified.
In addition, in the thermal positive type photosensitive composition, as a additive, a sensitivity modifier, a printing agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, a compound such as a dye as an image colorant, a coating property In addition, it is preferable to include a surfactant for improving the processing stability. For these, compounds described in JP-A-2001-305722, [0056] to [0060] are preferable.
The photosensitive composition described in detail in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-305722 is also preferably used in other respects.
[0136]
Further, the thermal positive type image recording layer is not limited to a single layer but may have a two-layer structure.
As an image recording layer having a two-layer structure (multilayer image recording layer), a lower layer (hereinafter referred to as “A layer”) having excellent printing durability and solvent resistance is provided on the side close to the support, and a positive layer is provided thereon. A type provided with a layer having excellent image formability (hereinafter referred to as “B layer”) is preferable. This type has high sensitivity and can realize a wide development latitude. The B layer generally contains a photothermal conversion substance. Preferred examples of the photothermal conversion substance include the dyes described above.
As the resin used in the A layer, a polymer having a monomer having a sulfonamide group, an active imino group, a phenolic hydroxy group or the like as a copolymerization component is preferably used because it has excellent printing durability and solvent resistance. . As the resin used for the B layer, an alkaline aqueous solution-soluble resin having a phenolic hydroxy group is preferably exemplified.
In addition to the resin, the composition used for the A layer and the B layer can contain various additives as necessary. Specifically, various additives as described in JP-A-2002-3233769, [0062] to [0085] are preferably used. Further, the additives described in [0053] to [0060] of JP-A-2001-305722 described above are also preferably used.
About each component which comprises A layer and B layer, and its content, it is preferable to make it describe in Unexamined-Japanese-Patent No. 11-218914.
[0137]
<Intermediate layer>
An intermediate layer is preferably provided between the thermal positive type image recording layer and the support. Preferred examples of the component contained in the intermediate layer include polymer compounds having an acid group and an onium group described in JP-A-11-109637, [0036]. In addition, various organic compounds described in JP-A-2001-305722 [0068] are preferable.
[0138]
<Others>
As a method for producing a thermal positive type image recording layer and a plate making method, methods described in detail in JP-A No. 2001-305722 can be used.
[0139]
<Thermal negative type>
The thermal negative photosensitive composition contains a curable compound and a photothermal conversion substance. The thermal negative type image recording layer is a negative photosensitive layer in which a portion irradiated with light such as an infrared laser is cured to form an image portion.
<Polymerized layer>
As one of the thermal negative type image recording layers, a polymerization type image recording layer (polymerization layer) is preferably exemplified. The polymerization layer contains a photothermal conversion substance, a radical generator, a radical polymerizable compound that is a curable compound, and a binder polymer. In the polymerization layer, infrared light absorbed by the light-to-heat conversion substance is converted into heat, the radical generator is decomposed by this heat to generate radicals, and the radical polymerizable compound is polymerized in a chain by the generated radicals and cured. .
[0140]
As a photothermal conversion substance, the photothermal conversion substance used for the thermal positive type mentioned above is mentioned, for example. Specific examples of particularly preferred cyanine dyes include those described in JP-A-2001-133969, [0017] to [0019].
Preferred examples of the radical generator include onium salts. In particular, onium salts described in JP-A-2001-133969, [0030] to [0033] are preferable.
Examples of the radical polymerizable compound include compounds having at least one terminal ethylenically unsaturated bond, preferably two or more.
As the binder polymer, a linear organic polymer is preferably exemplified. Preferred examples include linear organic polymers that are soluble or swellable in water or weak alkaline water. Among them, a (meth) acrylic resin having an unsaturated group such as an allyl group or an acryloyl group or a benzyl group and a carboxy group in the side chain is preferable in that it has an excellent balance of film strength, sensitivity, and developability. .
As the radical polymerizable compound and the binder polymer, those described in detail in [0036] to [0060] of JP-A No. 2001-133969 can be used.
[0141]
The additive described in [0061] to [0068] of JP-A No. 2001-133969 is contained in the thermal negative photosensitive composition (for example, a surfactant for improving coatability). Is preferred.
[0142]
As a method for producing the polymerization layer and a plate making method, methods described in detail in JP-A No. 2001-133969 can be used.
[0143]
<Acid cross-linked layer>
Further, as one of the thermal negative type image recording layers, an acid cross-linked image recording layer (acid cross-linked layer) is also preferably exemplified. The acid cross-linking layer comprises a photothermal conversion substance, a thermal acid generator, a compound that cross-links with an acid that is a curable compound (cross-linking agent), and an alkali-soluble polymer compound that can react with the cross-linking agent in the presence of an acid. contains. In the acid cross-linking layer, infrared light absorbed by the photothermal conversion substance is converted into heat, the heat acid generator is decomposed by this heat to generate an acid, and the generated acid reacts with the cross-linking agent and the alkali-soluble polymer compound. And harden.
[0144]
Examples of the photothermal conversion substance include the same substances as those used for the polymerization layer.
Examples of the thermal acid generator include thermal decomposition compounds such as photoinitiators for photopolymerization, photochromic agents for dyes, and acid generators used in microresists.
Examples of the crosslinking agent include an aromatic compound substituted with a hydroxymethyl group or an alkoxymethyl group; a compound having an N-hydroxymethyl group, an N-alkoxymethyl group or an N-acyloxymethyl group; and an epoxy compound.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include a novolak resin and a polymer having a hydroxyaryl group in the side chain.
[0145]
<Photopolymer type>
The photopolymerization type photosensitive composition contains an addition polymerizable compound, a photopolymerization initiator, and a polymer binder.
As the addition polymerizable compound, an ethylenically unsaturated bond-containing compound capable of addition polymerization is preferably exemplified. The ethylenically unsaturated bond-containing compound is a compound having a terminal ethylenically unsaturated bond. Specifically, for example, it has a chemical form such as a monomer, a prepolymer, and a mixture thereof. Examples of monomers include esters of unsaturated carboxylic acids (eg, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid) and aliphatic polyhydric alcohol compounds, amides of unsaturated carboxylic acids and aliphatic polyvalent amine compounds. Is mentioned.
Moreover, as an addition polymerizable compound, a urethane type addition polymerizable compound is also preferably exemplified.
[0146]
As the photopolymerization initiator, various photopolymerization initiators or a combination system (photoinitiation system) of two or more kinds of photopolymerization initiators can be appropriately selected depending on the wavelength of the light source to be used. For example, an initiation system described in JP-A-2001-22079, [0021] to [0023] is preferably exemplified.
The polymer binder not only functions as a film-forming agent for the photopolymerization type photosensitive composition, but is soluble or swellable in alkaline water because it is necessary to dissolve the image recording layer in an alkaline developer. An organic high molecular polymer is used. As such an organic polymer, those described in JP-A-2001-22079, [0036] to [0063] are preferably exemplified.
[0147]
In the photopolymer type photopolymerization type photosensitive composition, additives described in JP-A-2001-22079, [0079] to [0088] (for example, a surfactant for improving coatability) , Colorants, plasticizers, thermal polymerization inhibitors).
[0148]
Further, it is preferable to provide an oxygen-blocking protective layer on the photopolymer type image recording layer in order to prevent the action of inhibiting the polymerization of oxygen. Examples of the polymer contained in the oxygen barrier protective layer include polyvinyl alcohol and copolymers thereof.
Furthermore, it is also preferable to provide an intermediate layer or an adhesive layer as described in [0124] to [0165] of JP-A-2001-228608.
[0149]
<Conventional negative type>
The conventional negative photosensitive composition contains a diazo resin or a photocrosslinking resin. Among them, preferred is a photosensitive composition containing a diazo resin and an alkali-soluble or swellable polymer compound (binder).
Examples of the diazo resin include condensates of aromatic diazonium salts and active carbonyl group-containing compounds such as formaldehyde; condensates of p-diazophenylamines and formaldehyde with hexafluorophosphate or tetrafluoroborate. Organic solvent-soluble diazo resin inorganic salts which are reaction products of In particular, a high molecular weight diazo compound containing 20 mol% or more of a hexamer described in JP-A-59-78340 is preferable.
Examples of the binder include a copolymer containing acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, or maleic acid as an essential component. Specifically, multi-component copolymers of monomers such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, (meth) acrylonitrile, and (meth) acrylic acid as described in JP-A-50-118802, Examples thereof include multi-component copolymers composed of alkyl acrylate, (meth) acrylonitrile and unsaturated carboxylic acid as described in JP-A-56-4144.
[0150]
The conventional negative type photosensitive composition has, as an additive, a printing agent, dye, and flexibility and abrasion resistance described in JP-A-7-281425, [0014] to [0015]. It is preferable to contain a plasticizer for imparting, a compound such as a development accelerator, and a surfactant for improving coating properties.
[0151]
Under the conventional negative type photosensitive layer, an intermediate layer containing a polymer compound having a component having an acid group and a component having an onium group as described in JP-A-2000-105462 is provided. Is preferred.
[0152]
<Conventional positive type>
The conventional positive type photosensitive composition contains a quinonediazide compound. Among these, a photosensitive composition containing an o-quinonediazide compound and an alkali-soluble polymer compound is preferable.
Examples of the o-quinonediazide compound include esters of 1,2-naphthoquinone-2-diazide-5-sulfonyl chloride and phenol-formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, described in US Pat. No. 3,635,709. And esters of 1,2-naphthoquinone-2-diazide-5-sulfonyl chloride and pyrogallol-acetone resin.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include phenol-formaldehyde resin, cresol-formaldehyde resin, phenol-cresol-formaldehyde co-condensation resin, polyhydroxystyrene, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide copolymer, A carboxy group-containing polymer described in JP-A-7-36184, an acrylic resin containing a phenolic hydroxy group as described in JP-A-51-34711, and described in JP-A-2-866 Examples thereof include acrylic resins having a sulfonamide group and urethane resins.
[0153]
Conventional positive type photosensitive compositions include compounds such as sensitivity modifiers, printing agents, dyes and the like described in JP-A-7-92660, [0024] to [0027] as additives. It is preferable to contain a surfactant for improving the coating property as described in [0031] of Kaihei 7-92660.
[0154]
Under the conventional positive type photosensitive layer, it is preferable to provide an intermediate layer similar to the intermediate layer suitably used for the above-described conventional negative type.
[0155]
<Non-treatment type>
Examples of the non-processing type photosensitive composition include a thermoplastic fine particle polymer type, a microcapsule type, and a sulfonic acid-generating polymer-containing type. These are all heat-sensitive types containing a photothermal conversion substance. The photothermal conversion substance is preferably the same dye as that used in the above-described thermal positive type.
[0156]
The thermoplastic fine particle polymer type photosensitive composition is obtained by dispersing a hydrophobic and heat-meltable fine particle polymer in a hydrophilic polymer matrix. In the image recording layer of the thermoplastic fine particle polymer type, the hydrophobic fine particle polymer is melted by heat generated by exposure, and is fused to form a hydrophobic region, that is, an image portion.
The fine particle polymer is preferably a polymer in which fine particles melt and coalesce with heat, and more preferably has a hydrophilic surface and can be dispersed in a hydrophilic component such as fountain solution. Specifically, Research Disclosure No. 33303 (January 1992), JP-A-9-123387, JP-A-9-131850, JP-A-9-171249, and JP-A-9-171250, and European Patent Application Publication No. 931,647. Preferred examples thereof include thermoplastic fine particle polymers. Of these, polystyrene and polymethyl methacrylate are preferred. Examples of the fine particle polymer having a hydrophilic surface include those in which the polymer itself is hydrophilic; those in which a hydrophilic compound such as polyvinyl alcohol and polyethylene glycol is adsorbed on the surface of the fine particle polymer to make the surface hydrophilic.
The fine particle polymer preferably has a reactive functional group.
[0157]
As a microcapsule type photosensitive composition, a compound having a heat-reactive functional group as described in JP-A No. 2000-118160 or JP-A No. 2001-277740 is included. A microcapsule type is preferable.
[0158]
Examples of the sulfonic acid generating polymer used in the sulfonic acid generating polymer-containing photosensitive composition include sulfonic acid ester groups, disulfone groups, and sec- or tert-sulfonamides described in JP-A No. 10-282672. Examples thereof include polymers having a group in the side chain.
[0159]
By incorporating a hydrophilic resin into the unprocessed photosensitive composition, not only on-press developability is improved, but also the film strength of the photosensitive layer itself is improved. Examples of the hydrophilic resin include those having a hydrophilic group such as hydroxy group, carboxy group, hydroxyethyl group, hydroxypropyl group, amino group, aminoethyl group, aminopropyl group, carboxymethyl group, and hydrophilic sol-gel conversion system. A binder resin is preferred.
[0160]
The unprocessed type image recording layer does not require a special development step and can be developed on a printing press. As a method for producing an unprocessed image recording layer and a plate-making printing method, methods described in detail in JP-A No. 2002-178655 can be used.
[0161]
<Back coat>
In this way, the image recording layer in the case of being overlaid on the back surface of the lithographic printing plate precursor of the present invention obtained by providing various image recording layers on the lithographic printing plate support of the present invention, if necessary. In order to prevent scratching, a coating layer made of an organic polymer compound can be provided.
[0162]
[Plate making method (lithographic printing plate production method)]
The lithographic printing plate precursor using the lithographic printing plate support of the present invention is converted into a lithographic printing plate by various treatment methods according to the image recording layer.
Examples of the actinic ray light source used for image exposure include a mercury lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, and a chemical lamp. Examples of the laser beam include a helium-neon laser (He-Ne laser), an argon laser, a krypton laser, a helium-cadmium laser, a KrF excimer laser, a semiconductor laser, a YAG laser, and a YAG-SHG laser.
[0163]
After the above exposure, if the image recording layer is any of thermal positive type, thermal negative type, conventional negative type, conventional positive type, and photopolymer type, after exposure, it is developed using a developer to obtain a lithographic printing plate. It is preferable to obtain.
The developer is preferably an alkaline developer, and more preferably an alkaline aqueous solution substantially free of an organic solvent.
Moreover, the developing solution which does not contain alkali metal silicate substantially is also preferable. As a method for developing using a developer substantially not containing an alkali metal silicate, a method described in detail in JP-A-11-109637 can be used.
A developer containing an alkali metal silicate can also be used.
[0164]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
1. Making a support for planographic printing plates
(Examples 1-19 and Comparative Examples 1-12)
<Aluminum plate>
Each aluminum plate containing the different elements shown in Table 1 was subjected to the following surface treatment.
[0165]
[Table 1]
Figure 0003925718
[0166]
<Surface treatment>
The following various surface treatments (a) to (k) are continuously performed on the aluminum plate in the combinations shown in Table 2 to obtain lithographic printing plate supports of Examples 1 to 19 and Comparative Examples 1 to 12. It was. After each treatment and water washing, the liquid was drained with a nip roller.
In Table 2, “-” indicates that the corresponding surface treatment was not performed.
[0167]
[Table 2]
Figure 0003925718
[0168]
[Table 3]
Figure 0003925718
[0169]
Hereinafter, each of the surface treatments (a) to (k) will be described.
(A) Mechanical roughening treatment (brush grain method)
Using an apparatus as schematically shown in FIG. 1, an aqueous suspension of abrasive (pumice) (specific gravity 1.1 g / cm)Three) Was supplied to the surface of the aluminum plate as a polishing slurry liquid, and a mechanical surface roughening treatment was performed with a rotating roller brush. In FIG. 1, 1 is an aluminum plate, 2 and 4 are roller brushes, 3 is a polishing slurry, and 5, 6, 7 and 8 are support rollers. The mechanical surface roughening treatment was performed under any of the conditions B-1 to B-3 shown in Table 3.
The median diameter of the abrasive was as shown in Table 3. As for the roller-like brush, a nylon brush was planted so as to be dense by making a hole in a stainless steel cylinder having a diameter of 400 mm. Here, as shown in Table 3, two types of roller brushes having different nylon brushing methods were used. The type of roller brush will be described later. The material of the nylon brush was 6 · 10 nylon, the hair length was 50 mm, and the hair diameter was 0.3 mm.
Although only two roller brushes are shown in FIG. 1, the numbers shown in Table 3 were actually used. The distance between the surfaces of the two support rollers (φ250 mm) under the brush was 300 mm. The roller brush was pressed until the load of the drive motor for rotating the brush became 10 kW plus with respect to the load before the roller brush was pressed against the aluminum plate. The rotation direction and number of rotations of the brush were as shown in Table 3. In addition, the rotation direction and rotation speed of the brush in Table 3 are represented as the first, second, third, and fourth brushes in order from the upstream side in the conveyance direction of the aluminum plate.
[0170]
<Roller brush type>
The bundle brush and channel brush in Table 3 will be described.
In FIG. 5, the schematic diagram of a bundle planting brush is shown. (A) is a side view, (B) is a longitudinal cross-sectional view along the VB-VB line. As shown in FIG. 5, the bundle-planting brush 52 is obtained by bundling nylon brushes 54 with a diameter of about 10 mm, and flocking the surface of the cylinder 56 at an equal pitch so that the bundle pitch is 30 mm.
FIG. 6 shows a schematic diagram of a channel brush. (A) is a side view, (B) is a longitudinal cross-sectional view along the VIB-VIB line. As shown in FIG. 6, the channel brush 62 has a brush unit called a channel 68 in which a nylon brush 64 is linearly planted so as to have a thickness of 5 mm, and a pitch between the channels 68 is 15 mm on the surface of the cylinder 66. In this way, the rotation axis of the cylinder 66 is attached at an equal pitch on the circumference with an inclination.
[0171]
[Table 4]
Figure 0003925718
[0172]
(B) Alkali etching treatment
The alkali etching treatment was performed under any of the conditions E-1 to E-10 shown in Table 4.
Specifically, an etching process was performed with an aluminum dissolution amount shown in Table 4 by spraying using a caustic soda aqueous solution having a caustic soda concentration and an aluminum ion concentration shown in Table 4. Then, water washing by spraying was performed. The temperature for the alkali etching treatment was 70 ° C.
[0173]
[Table 5]
Figure 0003925718
[0174]
(C) Desmut treatment
The desmut treatment was carried out under any of the conditions D-1 and D-2 shown in Table 5.
Specifically, desmutting treatment was performed by spraying with an acid aqueous solution of the type, concentration and temperature shown in Table 5, followed by washing with water by spraying.
[0175]
[Table 6]
Figure 0003925718
[0176]
(D) Electrochemical roughening treatment
The electrochemical surface roughening treatment was performed under any of the conditions C-1 to C-3 shown in Table 6 and the conditions M-1 to M-4 shown in Table 7. Specifically, it was performed as follows.
(D-1) Nitric acid electrolysis (Conditions C-1 to C-3)
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a 1% by mass nitric acid aqueous solution (containing 0.5% by mass of aluminum ions) and a liquid temperature of 50 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2, the time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell shown in FIG. 3 was used.
The current density is 30 A / dm at the peak current value.2The auxiliary anode was shunted with 5% of the current flowing from the power source. The amount of electricity in the nitric acid electrolysis was set to the value shown in Table 6 as the total amount of electricity when the aluminum plate was an anode.
Then, water washing by spraying was performed.
[0177]
[Table 7]
Figure 0003925718
[0178]
(D-2) Hydrochloric acid electrolysis (Conditions M-1 to M-4)
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The liquid temperature was 50 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2, the time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell shown in FIG. 3 was used.
The current density is 25 A / dm at the peak current value.2Met.
The electrolytic solution used for hydrochloric acid electrolysis is an aqueous solution of hydrochloric acid concentration shown in Table 7 (including aluminum ions with the concentration shown in Table 7). The values shown in Table 7 were used.
Then, water washing by spraying was performed.
[0179]
[Table 8]
Figure 0003925718
[0180]
(E) Alkali etching treatment
The alkali etching treatment was performed under any of the conditions E-1 to E-10 shown in Table 4. Then, water washing by spraying was performed.
[0181]
(F) Desmut treatment
The desmut treatment was carried out under any of the conditions D-1 and D-2 shown in Table 5. Then, water washing by spraying was performed.
[0182]
(G) Electrochemical roughening treatment
The electrochemical surface roughening treatment was performed under any of the conditions C-1 to C-3 shown in Table 6 and the conditions M-1 to M-4 shown in Table 7. Then, water washing by spraying was performed.
[0183]
(H) Alkali etching treatment
The alkali etching treatment was performed under any of the conditions E-1 to E-10 shown in Table 4. Then, water washing by spraying was performed.
[0184]
(I) Desmut treatment
The desmut treatment was carried out under any of the conditions D-1 and D-2 shown in Table 5. Then, water washing by spraying was performed.
[0185]
(J) Anodizing treatment
The anodizing treatment was performed under the following condition A-1.
<Condition A-1>
Anodization was performed using a direct current electrolysis anodizing apparatus having the structure shown in FIG. 4 to obtain a lithographic printing plate support. Sulfuric acid was used as the electrolytic solution supplied to the first and second electrolysis units. All electrolytes had a sulfuric acid concentration of 15% by mass (containing 0.5% by mass of aluminum ions) and a temperature of 38 ° C. Then, water washing by spraying was performed. The final oxide film amount is 2.5 g / m2Met.
[0186]
(K) Silicate processing
The silicate treatment was performed under any of the conditions S-1 to S-5 shown in Table 8.
Specifically, No. 3 sodium silicate aqueous solution (Na2O: SiO2= 1: 3, SiO2A content of 30% by mass, manufactured by Nippon Chemical Industry Co., Ltd.) was immersed in the time shown in Table 8. Then, the water washing by the spray using well water was performed.
[0187]
[Table 9]
Figure 0003925718
[0188]
2. Calculation of surface shape factor of lithographic printing plate support
About the surface of the lithographic printing plate support obtained above, a455 (0.02-0.2), Ra 50, Ra 50 (0.2-2)And ΔS5 (0.02-0.2)Asked. In addition, about Examples 1-4 and 9-19 and Comparative Examples 1-6 and 9-12, a455 (0.02-0.2), Ra 50And Ra 50 (0.2-2)For Examples 5 to 8 and Comparative Examples 7 and 8, a455 (0.02-0.2)And ΔS5 (0.02-0.2)Asked.
The results are shown in Tables 9-12.
[0189]
(1) Surface shape measurement by atomic force microscope
a455 (0.02-0.2), Ra 50, Ra 50 (0.2-2)And ΔS5 (0.02-0.2)In order to obtain the three-dimensional data, the surface shape was measured with an atomic force microscope (AFM).
The planographic printing plate support is cut to a size of 1 cm square, set on a horizontal sample stage on a piezo scanner, and the cantilever is approached to the sample surface. Scanning was performed, and the unevenness of the sample was captured by the displacement of the piezoelectric element in the Z direction. A piezo scanner that can scan 150 μm in the XY direction and 10 μm in the Z direction was used. A cantilever having a resonance frequency of 120 to 400 kHz and a spring constant of 12 to 90 N / m (SI-DF20, manufactured by Seiko Instruments Inc., NCH-10, manufactured by NANOSENSORS Inc., or AC-160TS, manufactured by Olympus Corporation) is used in DFM mode. It was measured by (Dynamic Force Mode). Further, the reference plane was obtained by correcting the slight inclination of the sample by least-square approximation of the obtained three-dimensional data.
When measuring, a455 (0.02-0.2)And ΔS5 (0.02-0.2)For the surface, 512 × 512 points of 5 μm square on the surface were measured. The resolution in the XY direction was 0.01 μm, the resolution in the Z direction was 0.15 nm, and the scan speed was 5 μm / sec.
Ra 50And Ra 50 (0.2-2)For, the surface of 50 μm square was measured at 512 × 512 points. The resolution in the XY direction was 0.1 μm, the resolution in the Z direction was 0.15 nm, and the scan speed was 50 μm / sec.
[0190]
(2) Correction of 3D data
a455 (0.02-0.2)And ΔS5 (0.02-0.2)For the calculation, a component obtained by extracting a component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from three-dimensional data based on the measurement of 5 μm □ of the surface obtained in the above (1) was used. Extraction of components having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less is performed by performing a fast Fourier transform on the three-dimensional data obtained in (1) above to obtain a frequency distribution, and then a component having a wavelength less than 0.02 μm and a wavelength of 0 After removing components exceeding 2 μm, the inverse Fourier transform was performed.
Ra 50For the calculation, three-dimensional data based on the measurement of 50 μm square of the surface obtained in the above (1) was used as it was.
Ra 50 (0.2-2)For the calculation, a component obtained by extracting a component having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less from three-dimensional data based on the measurement of 50 μm □ of the surface obtained in (1) above was used. Extraction of components having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less is performed by performing a fast Fourier transform on the three-dimensional data obtained in (1) above to obtain a frequency distribution, and then a component having a wavelength less than 0.2 μm and a wavelength exceeding 2 μm After removing the components, the inverse Fourier transform was performed.
[0191]
(3) Calculation of each factor
▲ 1 ▼ a455 (0.02-0.2)
Using three-dimensional data (f (x, y)) obtained by correcting in (2) above, each reference point is formed by three points in the predetermined direction (for example, right and bottom). The angle formed between the small triangle formed and the reference plane was calculated for each reference point. The number of reference points whose inclination of the micro triangle is 45 degrees or more is obtained by subtracting the number of all reference points (the number of all data 512 × 512 points and the number of points having no two adjacent points in a predetermined direction). I.e., 511 × 511 points), and the area ratio a45 of the portion having the inclination of 45 degrees or more.5 (0.02-0.2)Was calculated.
[0192]
▲ 2 ▼ Ra 50And Ra 50 (0.2-2)
Using the three-dimensional data (f (x, y)) obtained in (1) above, the surface roughness RaTo calculate Ra 50It was.
Further, using the three-dimensional data (f (x, y)) obtained by the correction in (2) above, the surface roughness RaTo calculate Ra 50 (0.2-2)It was.
[0193]
[Expression 2]
Figure 0003925718
[0194]
Where LxAnd LyRepresents the lengths of the sides of the measurement region (rectangle) in the x and y directions, respectively.x= Ly= 50 μm. S0Is the geometric measurement area, S0= Lx× LyIs required.
[0195]
(3) ΔS5 (0.02-0.2)
Using the three-dimensional data (f (x, y)) obtained by the correction in (2) above, three adjacent points are extracted, and the total area of the micro triangles formed by the three points is obtained. Area Sx 5 (0.02-0.2)It was. Surface area ratio ΔS5 (0.02-0.2)Is the actual area S obtainedx 5 (0.02-0.2)And geometric measurement area S0 FiveFrom the above, it was determined by the above formula (1).
[0196]
Further, for Examples 9 to 11 and Comparative Examples 1 and 3, the presence or absence of pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less and the ratio of substantially square or rectangular pits were determined as follows.
Using a FE-SEM (S-900, manufactured by Hitachi, Ltd.), the surface of the support was photographed at a magnification of 50000 times from directly above, and the obtained SEM photograph had a field of view of 1.6 μm × 1.8 μm of the SEM photograph. Three fields of view were observed, and the total number of pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less was counted. Then, in the SEM photograph, the number of pits which are not perfect circles and whose corner radius of curvature (R) is 1/4 or less of the equivalent circle diameter of the pits is assumed to be substantially square or rectangular. It was. The number of substantially square or rectangular pits was divided by the total number of pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less to calculate the ratio of substantially square or rectangular pits.
The results are shown in Table 13.
[0197]
3. Measurement of Si atom adhesion on the surface of lithographic printing plate support
The adhesion amount of Si atoms on the surface of the lithographic printing plate support obtained above was measured by a calibration curve method using a fluorescent X-ray analyzer. The results are shown in Table 12. The values in Table 12 are corrected for the amount of Si atoms contained in the aluminum plate.
[0198]
As a standard sample for preparing a calibration curve, a sodium silicate aqueous solution containing a known amount of Si atoms was uniformly dropped into an area of 30 mmφ on an aluminum plate and then dried. The conditions for fluorescent X-ray analysis are shown below.
[0199]
X-ray fluorescence analyzer: RIX3000 manufactured by Rigaku Corporation, X-ray tube: Rh, measurement spectrum: Si-Kα, tube voltage: 50 kV, tube current: 50 mA, slit: COARSE, spectral crystal: RX4, detector: F -PC, analysis area: 30 mmφ, peak position (2θ): 144.75 deg. , Background (2θ): 140.70 deg. And 146.85 deg. Integration time: 80 seconds / sample
[0200]
4). Creating a lithographic printing plate precursor
Each lithographic printing plate support obtained above was provided with a thermal positive type image recording layer as follows to obtain a lithographic printing plate precursor. Before providing the image recording layer, an undercoat layer was provided as described later.
[0201]
On the lithographic printing plate support after the silicate treatment, an undercoat solution having the following composition was applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film of the undercoat layer. The coating amount of the coating after drying is 10 mg / m2Met.
[0202]
<Undercoat liquid composition>
・ The following polymer compound 0.2g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
[0203]
[Chemical 1]
Figure 0003925718
[0204]
Further, a heat-sensitive layer coating solution having the following composition was prepared, and the coating amount (heat-sensitive layer coating amount) after drying the heat-sensitive layer coating solution on a lithographic printing plate support provided with an undercoat layer was 1.7 g / m.2And dried to form a heat sensitive layer (thermal positive type image recording layer) to obtain a lithographic printing plate precursor.
[0205]
<Thermosensitive layer coating solution composition>
・ Novolak resin (m-cresol / p-cresol = 60/40, weight average molecular weight 7,000, containing 0.5% by mass of unreacted cresol) 1.0 g
-Cyanine dye A 0.1 g represented by the following structural formula
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.05g
・ 0.002 g of p-toluenesulfonic acid
-Ethyl violet counter ion with 6-hydroxy-β-naphthalenesulfonic acid 0.02 g
-Fluorosurfactant (Megafac F-177, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.) 0.05g
・ Methyl ethyl ketone 12g
[0206]
[Chemical 2]
Figure 0003925718
[0207]
5. Exposure and development processing
Each lithographic printing plate precursor obtained as described above was subjected to image exposure and development treatment by the following method to obtain a lithographic printing plate.
[0208]
The lithographic printing plate precursor is output 500 mW, wavelength 830 nm, beam diameter 17 μm (1 / e2) Using a TrendSetter 3244 manufactured by CREO equipped with a semiconductor laser, a main scanning speed of 5 m / sec, and a plate surface energy amount of 140 mJ / cm.2And imagewise exposure.
Thereafter, D-sorbite / potassium oxide K, which is a combination of a non-reducing sugar and a base2To 1 L of an aqueous solution containing 5.0% by mass of a potassium salt composed of O and 0.015% by mass of Olphine AK-02 (manufactured by Nissin Chemical)12Htwenty fiveN (CH2CH2COONa)2Development processing was performed using an alkali developer (Developer 1) to which 1.0 g was added. The development processing was performed using an automatic processor PS900NP (Fuji Photo Film Co., Ltd.) filled with the developer 1 at a development temperature of 25 ° C. for 12 seconds. After completion of the development treatment, a lithographic printing plate in which plate making was completed was obtained through a water washing step and treatment with a gum (GU-7 (1: 1)).
[0209]
6). Evaluation of planographic printing plates
The lithographic printing plate obtained above was evaluated for the cleaner printing durability, the resistance to ink entanglement, the resistance to leaving stains, and the solidity of the solid part by the following methods. In Examples 5 to 8 and Comparative Examples 7 and 8, only the cleaner printing durability and the difficulty of entanglement of the ink were evaluated. In addition, with respect to Examples 12 to 19 and Comparative Examples 10 to 12, in addition to cleaner printing durability and ink entanglement, sensitivity and printing durability were evaluated by the following methods.
(1) Cleaner printing durability
Printed with Komori Corporation's SPRINT printer using F-Gloss 85 black ink made by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., using a sponge for the solid image, and a plate cleaner solution (Multi Cleaner, Fuji Photo Film Co., Ltd.) )), Each time 5000 sheets were printed, it was washed and evaluated by the number of printed sheets until it was visually observed that the solid image portion began to be faintly faded.
The results are shown in Tables 14-18. The cleaner printing durability was shown as a relative value with the cleaner printing durability of Comparative Example 6 as 100.
[0210]
(2) Hard to entangle ink
Using a DIC-GEOS (H) ink made by Dainippon Ink & Chemicals, Inc. with a SOR-M printer manufactured by Heidelberg, printing with less dampening water is difficult to entangle ink at the halftone dots. Was evaluated on a five-point scale.
The results are shown in Tables 14-18. In order from those having excellent resistance to entanglement of the ink, ◎, ○, ○ △, Δ, Δ ×, and × were given.
[0211]
(3) Anti-stain resistance
In the evaluation of the difficulty of ink entanglement, printing 10,000 sheets is interrupted, the printing plate is removed from the printing machine and left in a low humidity environment of 50% RH for 1 hour, and then the printing plate is put into the printing machine. The printing was resumed after mounting, and the stain on the non-image area of the printing plate was visually evaluated in 6 stages.
The results are shown in Tables 14, 16, and 18. In order from the least non-image area on the printing plate, ◎, ○, ○ △, △, △ ×, and ×.
[0212]
(4) Solidity of solid part
Printing with Mitsubishi diamond F2 printing machine (Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.) using Toyo Ink Manufacturing's Rheo Echo SOY Cyan ink until the image is missing in the solid area, that is, the ink is not well-positioned The solidity of the solid portion was evaluated based on the number of printed sheets. In addition, as the printing paper, coated recycled paper (OK coat, manufactured by Oji Paper Co., Ltd.) was used.
The results are shown in Tables 14, 16, and 18. The solidity of the solid part is shown as a relative value with Example 4 as 100. The larger the value, the less likely the inking is to occur and the better the solidity of the solid part.
[0213]
(5) Sensitivity
Each of the lithographic printing plate precursors obtained above was exposed on the entire surface by changing the plate surface energy amount using a TrendSetter 3244 manufactured by CREO, and then developed with an automatic processor 900NP using the developer 1 under standard use conditions. Sensitivity was evaluated based on the lowest amount of plate surface energy when the image recording layer was observed to be completely removed.
The results are shown in Table 17.
[0214]
(6) Printing durability
Printing using Komori Corporation's Lithrone printing machine using DIC-GEOS (N) ink made by Dainippon Ink & Chemicals, Inc., when it is visually recognized that the density of the solid image has started to fade Printing durability was evaluated by the number of sheets.
The results are shown in Table 17.
[0215]
As apparent from Tables 9, 11, 12, 14, 14, 16, and 17, the steepness a455 (0.02-0.2)And surface roughness Ra 50When the lithographic printing plate precursor of the present invention using the lithographic printing plate support of the first aspect of the present invention (Examples 1 to 4 and 9 to 11) is a lithographic printing plate Excellent in printing durability and resistance to ink entanglement. Ra 50 (0.2-2)It can be seen that when the thickness is 0.10 μm or more, it is also excellent in resistance to leaving stains.
[0216]
As is apparent from Tables 10 and 15, the steepness a455 (0.02-0.2)And ΔS5 (0.02-0.2)The lithographic printing plate precursor of the present invention using the lithographic printing plate support of the second aspect of the present invention (Examples 5 to 8) having a specific relationship with Excellent balance of properties and resistance to ink entanglement.
[0217]
As is apparent from Tables 1, 2, and 16, the Fe content is 0.2 to 0.7% by mass, the Si content is 0.04 to 0.15% by mass, and the Ti content is 0. .001-0.05 mass%, when using the aluminum plate whose Cu content is 0.000-0.05 mass% (Examples 9-11), when not in the said range (comparative example 9) In comparison, when the same surface treatment is applied, the resistance to leaving stains is excellent.
[0218]
As is apparent from Tables 12 and 17, the Si atom adhesion amount on the surface of the lithographic printing plate support is 5 to 20 mg / m.2(Examples 12 to 17), the Si atom adhesion amount is 3.5 mg / m.2Compared to the case (Example 18), the ink is more difficult to entangle and the sensitivity is also excellent.
[0219]
As is apparent from Tables 13 and 18, the lithographic printing plate support has pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less on the surface and the average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less. When 10% or more of them are substantially square or rectangular (Examples 9 to 11), compared to the case where they are not in the above range (Comparative Examples 1 and 3), a455 (0.02-0.2)Tends to be 20% or more, and as a result, cleaner printing durability tends to be excellent.
[0220]
[Table 10]
Figure 0003925718
[0221]
[Table 11]
Figure 0003925718
[0222]
[Table 12]
Figure 0003925718
[0223]
[Table 13]
Figure 0003925718
[0224]
[Table 14]
Figure 0003925718
[0225]
[Table 15]
Figure 0003925718
[0226]
[Table 16]
Figure 0003925718
[0227]
[Table 17]
Figure 0003925718
[0228]
[Table 18]
Figure 0003925718
[0229]
[Table 19]
Figure 0003925718
[0230]
【The invention's effect】
As described above, if the lithographic printing plate support of the present invention having a surface shape is used, it is possible to achieve both cleaner printing durability and ink entanglement.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a concept of a brush graining process used for mechanical surface roughening in the production of a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing an example of an alternating waveform current waveform diagram used for electrochemical surface roughening treatment in producing a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 3 is a side view showing an example of a radial type cell in an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in the production of a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 4 is a schematic view of an anodizing apparatus used for anodizing treatment in the production of a lithographic printing plate support of the present invention.
FIG. 5 is a schematic view of a bundle-planting brush used for mechanical surface roughening in the production of a lithographic printing plate support according to an embodiment of the present invention. (A) is a side view, (B) is a longitudinal cross-sectional view along the VB-VB line.
FIG. 6 is a schematic view of a channel brush used for mechanical surface roughening in the production of a lithographic printing plate support according to an embodiment of the present invention. (A) is a side view, (B) is a longitudinal cross-sectional view along the VIB-VIB line.
[Explanation of symbols]
1 Aluminum plate
2, 4 Roller brush
3 Polishing slurry
5, 6, 7, 8 Support roller
11 Aluminum plate
12 Radial drum roller
13a, 13b Main pole
14 Electrolytic treatment liquid
15 Electrolyte supply port
16 slits
17 Electrolyte passage
18 Auxiliary anode
19a, 19b Thyristor
20 AC power supply
40 Main electrolytic cell
50 Auxiliary anode tank
52 Bundle plant brush
54, 64 nylon brush
56, 66 tubes
62 channel brush
68 channels
410 Anodizing equipment
412 Feeding tank
414 Electrolytic treatment tank
416 Aluminum plate
418, 426 electrolyte
420 Feeding electrode
422, 428 Roller
424 Nip roller
430 Electrolytic electrode
432 tank wall
434 DC power supply

Claims (7)

原子間力顕微鏡を用いて、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける傾斜度45゜以上の部分の面積率である急峻度a455(0.02-0.2)が20〜65%であり、
原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから求められる表面粗さRa 50が0.50μm以上である平版印刷版用支持体。
Using an atomic force microscope, the inclination of 45 ° or more in the data obtained by extracting components having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 5 μm □ The steepness a45 5 (0.02-0.2) which is the area ratio of the portion is 20 to 65%,
A lithographic printing plate support having a surface roughness R a 50 of 0.50 μm or more determined from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points of a surface of 50 μm □ using an atomic force microscope.
原子間力顕微鏡を用いて、表面の50μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.2μm以上2μm以下の成分を抽出して得られるデータから求められる表面粗さRa 50(0.2-2)が0.10〜0.30μmである請求項1に記載の平版印刷版用支持体。Surface roughness R a obtained from data obtained by extracting components having a wavelength of 0.2 μm or more and 2 μm or less from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points of a surface of 50 μm □ using an atomic force microscope The lithographic printing plate support according to claim 1, wherein 50 (0.2-2) is 0.10 to 0.30 µm. 原子間力顕微鏡を用いて、表面の5μm□を512×512点測定して得られる3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータから近似三点法により求められる実面積Sx 5(0.02-0.2)と、幾何学的測定面積S0 5とから、下記式(S1)により求められる表面積比ΔS5(0.02-0.2)と、
前記3次元データから波長0.02μm以上0.2μm以下の成分を抽出して得られるデータにおける傾斜度45゜以上の部分の面積率である急峻度a455(0.02-0.2)とが、下記式(1)を満足する関係にあり、
前記急峻度a45 5(0.02-0.2) が20〜65%である平版印刷版用支持体。
ΔS5(0.02-0.2)=(Sx 5(0.02-0.2)−S0 5)/S0 5×100(%) (S1)
ΔS5(0.02-0.2)≧1.3×a455(0.02-0.2) (1)
Using an atomic force microscope, an approximate three-point method is obtained from data obtained by extracting components having a wavelength of 0.02 μm to 0.2 μm from three-dimensional data obtained by measuring 512 × 512 points on the surface of 5 μm □. A surface area ratio ΔS 5 (0.02-0.2) calculated by the following formula (S1) from the actual area S x 5 (0.02-0.2) and the geometric measurement area S 0 5 ,
The steepness a45 5 (0.02-0.2) , which is the area ratio of the portion having a slope of 45 ° or more, in the data obtained by extracting the component having a wavelength of 0.02 μm or more and 0.2 μm or less from the three-dimensional data is expressed by (1) Ri relationship near to satisfy,
A lithographic printing plate support having a steepness a45 5 (0.02-0.2) of 20 to 65% .
ΔS 5 (0.02-0.2) = (S x 5 (0.02-0.2) −S 0 5 ) / S 0 5 × 100 (%) (S1)
ΔS 5 (0.02-0.2) ≧ 1.3 × a45 5 (0.02-0.2) (1)
Fe含有量が0.2〜0.7質量%、Si含有量が0.04〜0.15質量%、Ti含有量が0.001〜0.05質量%、Cu含有量が0.000〜0.05質量%であるアルミニウム板に少なくとも電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。  Fe content is 0.2-0.7 mass%, Si content is 0.04-0.15 mass%, Ti content is 0.001-0.05 mass%, Cu content is 0.000. The support for a lithographic printing plate according to any one of claims 1 to 3, obtained by subjecting an aluminum plate of 0.05% by mass to a roughening treatment including at least an electrochemical roughening treatment. アルミニウム板に少なくとも電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる請求項1〜4のいずれかに記載の平版印刷版用支持体であって、
表面に、平均円相当径0.5μm以下のピットを有し、かつ、前記平均円相当径0.5μm以下のピットのうち10%以上が、略正方形または長方形である平版印刷版用支持体。
The lithographic printing plate support according to any one of claims 1 to 4, obtained by subjecting an aluminum plate to a roughening treatment including at least an electrochemical roughening treatment,
A lithographic printing plate support having pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less on the surface, and 10% or more of the pits having an average equivalent circle diameter of 0.5 μm or less are substantially square or rectangular.
表面のSi原子付着量が1〜20mg/m2である請求項1〜5のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。The lithographic printing plate support according to any one of claims 1 to 5 Si atoms adhering amount of the surface is 1 to 20 mg / m 2. 請求項1〜6のいずれかに記載の平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けてなる平版印刷版原版。  A lithographic printing plate precursor comprising an image recording layer provided on the lithographic printing plate support according to any one of claims 1 to 6.
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