JP3923736B2 - 分散電源用発電機の制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機システムにおける系統連系の構成に関する。より詳しくは, 発電された電力を供給する複数のインバータの制御構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電機により発電された電力を、インバータを介して負荷に供給する構成は知られている。そして、発電機システム制御ユニットと系統連系インバータ間においては、制御信号および異常信号が接点信号により、やり取りされるものである。発電機システム制御ユニットには、該発電機システムの制御信号を伝達する端子、異常信号を伝達する接続端子が設けられており、入出力する信号の点数に応じて、接続端子が設けられているものである。このため、正常な制御操作を行うためには、システム制御用ユニット、そしてインバータそれぞれの入出力点数を制約するものである。
【0003】
さらに、特開2000−209872号公報に示されるように、インバータ回路を含む2つの発電系統を直列・並列切換部によって接続切換えを行えるようにするとともに、接続時に、2つの発電系統間で基準波形信号を、通信線を通じて、互いに送受するものである。そして、これらの基準波形信号の位相差が所定の範囲内に入るように基準波形信号の周波数を増減させ、インバータ回路を駆動して発電を開始するものである。
【0004】
この通信構成においては、2つの制御部を直接接続し、該制御部間の情報により出力の制御を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成においては、発電機システム制御ユニットと系統連系インバータ間の接続が複雑になり、配線作業に労力を要するものである。さらに、システム制御ユニット、インバータそれぞれの入出力の接点数が制約され、設計上の自由度が低くなる場合がある。さらに、複雑な接続構成をとった場合には、異常信号や制御信号等の信号の伝達量が阻害される場合があり、詳細な異常内容の情報等を含む信号の伝達を行うことが困難である。
【0006】
特開2000−209872号公報に示される技術においては、接続部が多数構成されており、該接続構成が複雑になる。このため、接続の労力が増大し、メンテナンス性も低下する。また、複数の発電装置により電力の供給システムを構成する場合にいて、システム全体としての制御を行うことが困難であり、インバータ間の情報の送受信においては、一対一の構成となる。さらに、この構成においても通信線の接続が複雑となり、二台より多いインバータを接続することは困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
請求項1に記載のごとく、インバータを介して電力を供給する発電機を複数配置した分散電源用発電機の制御方法において、発電機システム制御ユニットと複数台の系統連系インバータ間をマルチドロップ方式の通信線で接続するとともに、該通信線を介して、系統連系インバータから発電機システム制御ユニットへ送信し、送信された入力電圧・電流、出力電圧・電流、積算電力データを、該発電機システム制御ユニットにおいて、メータ表示および発電日報データ等のエネルギー管理データとして利用するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は分散電源用発電機の全体構成を示す模式図、図2は発電装置の構成を示す図、図3は複数の発電装置に配設されるインバータの接続構成を示す図、図4はインバータの構成を示す図である。
【0009】
まず、図1を用いて分散電源用発電機の全体構成について説明する。発電システムは、複数の発電装置2および該発電装置2に搭載された発電機システム制御ユニット31、そして、該発電機システム制御ユニット31間を接続する通信線3、そして該通信線3により発電機システム制御ユニット31に接続する管理システム50により構成されるものである。複数の発電装置2・2・2・・のそれぞれには、発電機システム制御ユニット31が搭載されており、該発電機システム制御ユニット31は通信線3により接続されているものである。該通信線3は発電装置2・2・2・・をマルチドロップ方式で接続するものである。通信線3は、それぞれの発電装置2を介して、隣の発電装置2と接続されるものである。すなわち、複数個配設された発電装置2・2・2・・において、それぞれ隣り合う発電装置2・2同士が、通信線3により接続されるものである。そして、末端の発電機2は、通信線3を介して管理システム50に接続することができるものである。管理システム50への接続は、常時接続して該管理システム50により、発電機システムの管理を行うことも可能である。また、管理システム50への接続は、必要に応じて行うことができるものである。すなわち、発電機システムは管理システム50から独立して稼動することも可能である。このため、発電機システムが管理システム50に常時接続する必要がなく、発電システムの状態を定期的に送信する場合などに接続されれば良い。管理システム50と通信線3の接続には、一般の電話線などの通信網を利用して行うことが可能である。この様な場合には、管理システム50により発電機システムを遠隔管理することも可能である。
【0010】
図1においては、発電装置2の出力は、それぞれ商用電源4に接続されているものである。該商用電力4には、負荷5・5・5・・がそれぞれ接続されるものである。発電装置2の電力出力側と、負荷5と、商用電源4がそれぞれ接続されるものである。これにより、発電装置2・2・2・・を起動し、該発電装置2により発電を行う際には、電力が負荷5・5・・に供給されるものである。そして、負荷5・5・・の負荷量が発電装置2・2・・の出力を上回る場合には、不足分の電力が商用電源4より供給されるものである。これにより、負荷5・5・・に対して、安定的に電力を供給できるものである。
【0011】
発電装置2としてコジェネレータを利用することも可能である。コジェネレータは熱量を発生させるべく、内燃機関を有するものであり、該内燃機関により、発電機を駆動し、熱量と同時に電力も製造するものである。内燃機関に冷却水を導入し、該冷却水により内燃機関より発生する熱量を外部に取り出すものである。そして、取り出された熱量は、お湯などとして貯湯タンクなどに貯蔵されるものである。発電装置2をコジェネレータとした場合には、負荷5への電力供給は、主に発電装置2・2・2により行われるものであり、負荷5の要求する電力量が、発電装置2・2・・の出力電力量を上回る場合に、商用電源4より負荷5・5・・に電力の供給が行われるものである。これにより、安定的に熱量を発生させながら、給湯用のお湯をためることができ、安定した電力供給を負荷5・5・・に行うことができるものである。また、発電装置2を非常用電源として、利用することも可能である。発電装置2・2・・が商用電源4に対してそれぞれ並列に接続されることにより、複数ある発電装置2・2・・の内数台が停止した場合においても負荷5・5・・に対して安定的に電力供給を行うことができるものである。
【0012】
次に、図2において、発電装置2の構成について説明する。発電装置2はエンジン6、発電機7、そしてインバータ8により構成されるものである。エンジン6は発電機7に接続されており、該エンジン6により発電機7が駆動されるものである。なお、エンジン6に、冷却水を導入し、該冷却水によりエンジン6に発生する熱量を外部に取り出すことが可能である。発電機7にはインバータ8に接続されており、発電機7により出力された電力は、インバータ8に導入され、発電機7により発生した交流出力が、直流電力に変換されたのちに、周波数を制御した交流電力を出力するものである。インバータ8にはコントローラが配設されており、該コントローラにより、交流電力の周波数の制御等を行うものである。なお、発電機7に対して、複数個のインバータ8を接続し、個々のインバータ8により電力供給を行うことも可能である。
【0013】
インバータ8には、前述の通信線3が接続されるものであり、該通信線3はインバータ8に配設されるコントローラに接続されるものである。インバータ8においては、発電装置2の運転状態、発電装置2における異常の有無、発電機7よりの入力電圧および入力電流、そしてインバータ8の出力電圧、出力電流そして、インバータ8の積算電力量が認識されるものである。インバータ8において、認識された情報は、通信データとして通信線3を介して発電機システム制御ユニット31に送信される。そして、該発電機システム制御ユニット31より、通信線3を介して、管理システム50に送信されるものである。発電機システム制御ユニット31には、通信線3によりすべての発電装置2に配設されるインバータ8が接続されるものである。該通信線3を介して発電機システムを構成するすべてのインバータ8より、前述した発電装置2の状態を示す情報が発電機システム制御ユニット31に伝達されるため、該発電機システム制御ユニット31において、インバータ8より伝達される入力電圧、入力電流、出力電圧、出力電流および積算電力のデータを、メータ表示および発電日報データ等のエネルギー管理データに利用することができるものである。さらに、発電機システム制御ユニット31において認識される情報を管理システム50に送信することも可能である。また、発電機システム制御ユニット31において、発電装置2における異常の有無、発電機7よりの入力電圧および入力電流、そしてインバータ8の出力電圧、出力電流そして、インバータ8の積算電力量を認識させることも可能である。このばあいには、インバータ8を簡易なものとすることが可能であり、インバータ8の制御を発電機システム制御ユニット31により行うことも可能である。
【0014】
発電装置2の情報は、該発電装置2に配設される発電機システム制御ユニット31に送信されるものである。発電機システム制御ユニット31は、発電装置2の状態を示す情報を認識し、該情報を通信信号として、通信線3を介して他の発電機システム制御ユニット31もしくはインバータ8に送信するものであり、発電機システム制御ユニット31においては、発電装置2の情報およびインバータ8の情報を発電装置2の管理用情報として利用するものである。上記構成は、管理情報として利用する方法を特定するものではなく、発電機システム制御ユニット31において、発電装置2の情報を認識し、これらの情報を記憶装置に保持し、該保持された情報を利用して、発電装置2の管理を行うことが可能であれば良いものである。さらに、管理システム50に、通信線3などを介して発電機システム制御ユニット31より発電装置2の情報を送信し、該管理システム50において発電システムを管理することもできるものである。
【0015】
次に、複数配設される発電装置2・2・・に配設されるインバータ8・8・・の接続構成について、図3を用いて説明する。インバータ8・8・・はそれぞれ通信線3により接続されるものである。本発明において、通信線3はマルチドロップ方式でインバータ8に接続されるものである。通信線3は2つのインバータ8・8間を接続するものであり、隣り合うインバータ8・8は通信線3を介して接続されるものである。マルチドロップ方式で接続される複数台の内、一台のインバータ8には、商用電力4よりの電力供給量を認識するための手段である測定器11・11が接続されているものである。
【0016】
測定器11は負荷5と商用電源4を接続する経路において、インバータ8により電力を供給する経路の接続点より上流側(商用電源側4)に接続するものである。測定器11は負荷5・5・5・・に供給される商用電源4よりの電力供給量を認識するものである。発電機システムが停止している場合には、測定器11により商用電源4よりの電力供給の有無を認識できるものである。商用電源4が負荷に対して接続されている場合には、該商用電源4より負荷に対して電力供給があるものであり、商用電源4より電力の供給が成されない場合には、商用電源4よりの電力供給が停止したものと認識することができる。すなわち、測定器11により停電の有無を認識できるものである。発電機システムが作動している場合には、測定器11により、発電装置2の必要稼動量を認識することができるものである。発電装置2よりの電力供給が負荷に対して少ない場合には、商用電源4より多くの電力供給が成されるものであり、発電装置2よりの電力供給が負荷に対して十分である場合には、商用電源4より供給される電力量が少なくなるものである。このため、測定器11を用いて、商用電源4より供給される電力量を認識し、発電機システムの稼動量を決定するものである。測定器11としては、カレントトランスなどを用いることができるものである。
【0017】
測定器11の接続したインバータ8においては、停電の発生や、発電システムの必要稼動量を認識できるものである。そして、該インバータ8は、他のインバータ8に通信線3により接続されるため、他のインバータ8の運転状況を認識できるものである。これにより、通信線3が接続されたインバータ8を介して、発電システムの稼動状況などを認識することができるものである。そして、発電機システム制御ユニット31を、通信線3を介して、1つのインバータ8に接続することにより、発電機システムを管理することができるものである。発電機システム制御ユニット31により、個々のインバータ8に通信線3を接続する必要がないため、配線にかかる労力を軽減できるとともに、接続を簡便に構成することができ、メンテナンス性を向上するとともに、管理作業の労力を低減できるものである。
【0018】
次に、マルチドロップ方式によるインバータ8の接続構成について、より詳しく説明する。マルチドロップ方式により、三台のインバータ8・8・8を接続する際には、一番目のインバータ8と二番目のインバータ8を、二番目のインバータ8と三番目のインバータ8を接続するものである。さらに、4台のインバータを接続する際には、三番目のインバータ8と四番目のインバータ8を通信線3により接続するものである。通信線3は、隣接したインバータ8・8間を接続するため、配線経路を省略できるものである。上述の三台のインバータを接続した構成において、二番目のインバータ8は、一番目と二番目のインバータ8を接続する通信線3を介して、一番目のインバータ8に情報の伝達を行うものである。そして、三番目のインバータ8は、二番目と三番目のインバータ8を接続する通信線3および、一番目と二番目のインバータ8を接続する通信線3を介して、一番目のインバータ8に情報の伝達を行うものである。
【0019】
ここにおいて、一番目と二番目のインバータ8を接続する通信線3を共用することにより、通信線3の配線を省略することができ、省配線化を行うことができるものである。すなわち、マルチドロップ方式によりインバータ8同士を接続することにより、発電機システム制御ユニットと系統連系インバータ間の省配線化が実現できるものである。そして、発電機システムを構成する個々のインバータ8の情報を、該発電システムを構成する一つのインバータ8に接続することにより、取出すことができ、個々のインバータ8の制御を、発電システムを構成する一つのインバータ8に伝達することにより、行うことができるものである。
【0020】
次に、インバータ8の構成について、図4を用いて説明する。インバータ8には、コントローラ23、整流回路24、周波数制御部25および通信部21が設けられている。発電機により発電された交流電力は、整流回路24を介して直流に変換され、該直流電力は周波数制御部25に供給される。周波数制御部25においては、直流電力を交流電力に変換して、出力するものである。周波数制御部25にはコントローラ23が接続されており、該コントローラ23により、周波数制御部25より出力する電力制御を行うものである。そして、コントローラ23には、通信部21が接続されているものである。コントローラ23はインバータ8の状況情報を、通信部21を介して送信することも可能であり、インバータ8の制御信号を、通信部21を介して、受信し、インバータ8の出力制御を行うことも可能である。
【0021】
通信部21には、2つの通信線3を接続するための接続ポート22が設けられている。インバータ8を複数個、通信線3を用いて接続する際には、該接続ポート22に通信線3を接続するものである。これにより、隣接する2つのインバータ8と通信線3により接続を行うことが可能となるものである。すなわち、インバータ8の接続ポート22は、通信線3をインバータ8に接続するものであるとともに、通信線3と他の通信線3を接続するポートを兼ねるものである。これにより、インバータ8・8間の通信線3の接続構成を簡便にし、接続にかかる労力を軽減することができるものである。
【0022】
次に、インバータ8間の通信構成について、例示する。本実施例は、インバータ間の通信構成の一例を示すものであり、特に通信構成を限定するものではない。複数個接続されたインバータにおいて、個々のインバータよりの情報が末端のインバータに伝達されるものであれば良いものである。通信構成の第一実施例においては、インバータ8より情報を発信する際に、通信線3に、他のインバータ8よりの信号が送信されているか否かを、まず調べるものである。そして、他の信号が送信されていない場合には、通信線3に送信を行うものである。他の信号が送信されている場合には、しばらく送信を待ち、この後に再度、他のインバータ8よりの信号が送信されているか否かを、まず調べるものである。このように構成することにより、簡便な構成で、インバータ8間において、情報の送信を行うことが可能である。
【0023】
第二実施例としては、管理システム50より通信開始の信号を発信し、該信号を、接続されたインバータ8・8・・の上流側(管理システム50側)より順番に受けとり、管理システム50より受けた信号に対して情報を送信するものである。管理システム50に複数個のインバータ8が接続されている場合に、該管理システム50側に接続されているインバータ8を一番目、その次を二番目・・とする。そして、管理システム50より通信開始の信号が発信されると、まず一番目のインバータ8の情報が管理システム50に返される。再び管理システム50より通信開始の信号が発信されると、二番目のインバータ8の情報が管理システム50に返される。このような通信構成をとることにより、安定した情報の送受信が行われるものである。
【0024】
上記構成の通信構成において、上述した管理システム50が行う情報の送信開始信号の発信などの制御を、上流側に配設される1つのインバータ8において、行うことも可能である。本発明の発電機システムにおいて、商用電源のモニターを行うインバータ8を1つ利用するため、該インバータ8を、情報管理を兼ねるインバータとすることができるものである。このように構成することにより、管理に必要な信号のみを管理システム50に送信するすることができ、通信効率が向上するとともに、安定した制御を行うことが可能である。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、インバータを介して電力を供給する発電機を複数配置した分散電源用発電機の制御方法において、発電機システム制御ユニットと複数台の系統連系インバータ間をマルチドロップ方式の通信線で接続するとともに、該通信線を介して、系統連系インバータから発電機システム制御ユニットへ送信し、送信された入力電圧・電流、出力電圧・電流、積算電力データを、該発電機システム制御ユニットにおいて、メータ表示および発電日報データ等のエネルギー管理データとして利用するので、発電機システム制御ユニットと系統連系インバータ間の省配線化が実現できる。
また、発電機システムをシンプルかつコンパクトに構成するとともに、発電機システムの管理を容易に行うことができ、発電機システムの詳細な情報を容易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分散電源用発電機の全体構成を示す模式図。
【図2】 発電装置の構成を示す図。
【図3】 複数の発電装置に配設されるインバータの接続構成を示す図。
【図4】 インバータの構成を示す図。
【符号の説明】
2 発電装置
3 通信線
4 商用電源
5 負荷
6 エンジン
7 発電機
8 インバータ
31 発電機システム制御ユニット
50 管理システム

Claims (1)

  1. インバータを介して電力を供給する発電機を複数配置した分散電源用発電機の制御方法において、発電機システム制御ユニットと複数台の系統連系インバータ間をマルチドロップ方式の通信線で接続するとともに、該通信線を介して、系統連系インバータから発電機システム制御ユニットへ送信し、送信された入力電圧・電流、出力電圧・電流、積算電力データを、該発電機システム制御ユニットにおいて、メータ表示および発電日報データ等のエネルギー管理データとして利用することを特徴とする分散電源用発電機の制御方法。
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