JP3923578B2 - 加熱調理容器の外装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直火、電子レンジ等で内装容器ごと加熱調理された食品をそのままの熱い状態で食卓に置ける機能を持たせた外装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
調理済み冷凍食品、チルド食品、あるいは常温流通の乾燥食品、無菌包装食品等を内装容器から取り出し食器に移し代えてから直火、電子レンジ等で加熱調理する代わりに、内装容器ごと加熱調理し、熱いうちに、そのまま食卓に供する場合が多くなってきている。これは、調理の手間が省けることは無論、食後の食器洗いの手間も省け、節水にも繋がるからである。
このような加熱調理食品には、トレー状、ボウル状等のプラスチックあるいはアルミ容器、トレー状、カップ状の紙容器が内装容器として使用され、また流通時には商品の物理的な保護、販売時の陳列効果を高めるために、板紙による外装体が施され、さらに最外装をシュリンクフィルムで包装されたものが多い。
図4は、従来の外装体の説明図である。従来の外装体50は、最小限の板紙を使用して、製造コストを下げるため、カートンよりは筒状体(以下スリーブと称する)によるものが多い。それらの中からいくつかの例を挙げると、
図4(a)は、逆台形状のスリーブを使用した最もシンプルなものであり、起こされたスリーブの一方から内装容器が挿入してセッティングされる。
図4(b)は、四角柱のスリーブの一側面を延長してPOPディスプレーパネルを兼用させたものである。底部はフラップが折り返されて有底となる。
図4(c)は、スリーブに内装容器を挿入してから四隅を折り返し、内装容器の固定を図ったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の外装体40は消費段階で取り外されると、それ以上の利用価値がなく、そのまま棄てられるという問題がある。
一方、ガスレンジ、電子レンジで内装容器のまま加熱調理された食品を熱い状態で食卓に供しようとすると、内装容器自体も高温になっているため食卓には直接置けず、断熱性があり、体裁の良い鍋敷き、受け台、あるいは別の食器を使用しなければならないという問題がある。
また、図4、(b)、(c)で示す外装体50では、組み立てに手間と時間が掛かるという問題がある。
さらに、外装体50を施すことによって、商品一個あたりの容積が大きくなり過ぎるという問題もある。これは今日のコンビニエンスストアの限られた陳列棚に多様な商品を陳列するという小売り側の方針に反するばかりか、物流コスト、また、包装材料コストそのものに影響する問題でもある。
本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたもので、加熱調理され、熱いうちに内装容器装ごと食卓に供する場合に、鍋敷き代わりとなり、内装容器との組み立てが極めて容易で、体裁がよく、コンパクトで材料コストを低く押さえることができる外装体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明の加熱調理容器の外装体は、
フランジの付いたトレー状あるいはボウル状の内装容器が落としこまれて、前記内装容器の側壁の上端部周辺が受け止められる大きさの開口部と受け止めた状態で前記内装容器の底部が食卓面に接触しないような高さを有する筒状体並びに前記内装容器の前記フランジ内側の開口端縁に内嵌合する天板からなり、
前記筒状体は、それぞれ縦方向の折り曲げ線を介して第1〜第4の側壁パネルと糊代片がこの順に横並びに連接され、且つ、該第2と第4の側壁パネルの下辺にはそれぞれ横方向の折り曲げ線を介して二片の折り返し片が連接された構成のブランク板を用い、該二片の折り返し片をそれぞれ内側に折り返すと共に、前記糊代片を前記第1の側壁パネルの側縁部に貼り合わせて偏平に折り畳まれた形状の筒状体に形成する。また、前記筒状体及び前記天板を組み立てた後、その全体をシュリンク包装でオーバーラップする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を図面を用いて、更に詳しく説明する。
図1は本発明による加熱調理容器の外装体のブランク展開図である。
図1に示すように、本発明による加熱調理容器の外装体のブランクは、図1(a)で示すスリーブブランク10と天板30とからなる。
スリーブブランク10は、折線a〜dを介して側壁パネル1〜4と糊代5がこの順で連接された帯状のもので、側壁パネル2、4の下辺には折り返し片6が折線eを介して連接されている。
以上のスリーブブランク10の折り返し片6を折線6で内側に折り返し、折線a,cでサック貼りするとフラットな折り畳みブランクが得られる。これを起こすと図1(c)に示すような四角の枠状の筒状体20となる。
なお、折り返し片6は、側壁パネル2、4の補強用であって、側壁パネル2、4の内側に折り返される。これは、最終段階で外装体全体がシュリンク包装された場合に、側壁パネル2、4、さらに1、3が内側に倒れ込むのを防止するためである。
天板30は、図1(b)に示すような平板であって、後述するように内装容器に内嵌合するように打ち抜かれている。また内嵌合された後に取り出し易くする切欠7が設けられている。
【0006】
図2は、本発明による加熱調理容器の外装体の組み立て完了外観図である。
図2に示すように、本発明による加熱調理容器の外装体40は、内装容器Cのフランジ8を残して内装容器C全体をコンパクトに覆った状態で組み立てられる。なお、フランジ8には2か所突出させた部分を設け把手9としている。これは加熱調理後レンジから熱い内装容器Cを取り出す場合に有効に機能する。
この組み立ては、スリーブブランク10を図1(c)に示すように起こして、スリーブ20とし、その状態で、内装容器Cを落としこんで嵌め込むか、あるいは内装容器Cに対して下からスリーブ20を嵌め込むことによって行われる。そして最後に、天板30を内装容器Cのフランジ8の内側の端縁に内勘合するように押し込む。以上の操作は外箱封入等に較べれば極めて簡単である。
なお、組み立て後にシュリンク包装がされ、シュリンク包装フィルムSHが全体を覆った状態となり、本発明による加熱調理容器の外装体40は確実に固定される。
【0007】
図3は、組み立てられた内装容器と外装体の中央縦断面図である。
組み立ての状況は図3からさらに明らかになる。スリーブ20の上端部は内装容器Cの側壁の上端と接している。スリーブ20の上端部の内周は、内装容器Cの側壁上端部の外周より僅かに小さく設計されており、接着剤を使用しなくとも、スリーブ20を嵌め込めば容易には外れない。しかし、手で強く引っ張れば取り外すことができる。
このスリーブ20の上端の位置は図3に示すようにフランジ8の下に設けられているアンダーカットまで届かなくて、テーパーのある内装容器側壁の途中で止まっていてもよい。
内装容器Cには、バリアー性のあるフィルム蓋材Fによってシールされ、その上から天板20がフィルム蓋材F全面を保護するように重合されている。
【0008】
つぎに本発明による加熱調理容器の外装体40による調理の手順について説明する。
ガスレンジによって加熱調理する場合は、外装体40のスリーブ20と天板30を取り外し、アルミ内装容器を取り出し、フィルム蓋材を剥がしてから直火にかけて調理する。調理後、加熱された内装容器Cごと、一旦取り外したスリーブ20に落としこんで再び組み立てれば、内装容器Cの底面と食卓面との間に空間が生じるので、これが断熱効果となって、鍋敷き等がなくともそのままの状態で食卓に供することができる。
電子レンジによる加熱調理の場合の内装容器Cの素材は、プラスチックか板紙が主になるが、加熱調理にあたって、上記のようにスリーブ20を外してもよく、またスリーブ20を装着したままの状態で加熱調理することができ、調理後そのまま食卓に供すればよい。
内装容器Cの深さとスリーブ20の側壁パネルの高さの差によって生ずる内装容器Cの底面と食卓面との距離は、食品メニューによる調理温度、内装容器の底面の大きさ、全体の熱容量等を勘案して、適宜決定することができる。
【0009】
外装体20に対する印刷は、周知の印刷方式によって板紙のシート段階でプレプリントが可能であるため優れた印刷効果を発揮する。特に本発明による加熱調理容器の外装体40の場合、図2で明らかなように、殆ど全面が板紙で覆われているために売り場におけるデザイン効果にすぐれ、また食卓上における形態が食器代わりに使用しても違和感を感じさせないばかりか、食卓の雰囲気にあったデザインをスリーブ20に施すことが可能である。
【0010】
【発明の効果】
本発明による加熱調理容器の外装体によれば、スリーブ20が鍋敷き代わりになるので、加熱調理された食品を熱い状態で内装容器ごと食卓に供することができる。組み立てられた外観は印刷の自由度とあいまって陳列効果を高め、また意匠性に優れ、食器代わりに使用しても違和感がない。また内装容器Cとの組み立ては極めて容易であり、また板紙の使用量が最低に押さえられることから製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加熱調理容器の外装体のブランク展開図
【図2】本発明による加熱調理容器の外装体の組み立て完了後の外観図
【図3】組み立てられた内装容器と外装体の中央縦断面図
【図4】従来の外装体の説明図
【符号の説明】
1〜4 側壁パネル
5 糊代
6 折り返し片
7 切り込み
8 フランジ
9 把手
10 スリーブブランク
20 スリーブ
30 天板
40 本発明による加熱調理容器の外装体
50 従来の外装体
C 内装容器
F フィルム蓋材
S 食品
SH シュリンクフィルム

Claims (2)

  1. フランジの付いたトレー状あるいはボウル状の内装容器が落としこまれて、前記内装容器の側壁の上端部周辺が受け止められる大きさの開口部と受け止められた状態で前記内装容器の底部が食卓面に接触しないような高さの側壁パネルを有する筒状体並びに前記内装容器の前記フランジ内側の開口端縁に内嵌合する天板からなり、
    前記筒状体は、それぞれ縦方向の折り曲げ線を介して第1〜第4の側壁パネルと糊代片がこの順に横並びに連接され、且つ、該第2と第4の側壁パネルの下辺にはそれぞれ横方向の折り曲げ線を介して二片の折り返し片が連接された構成のブランク板を用い、該二片の折り返し片をそれぞれ内側に折り返すと共に、前記糊代片を前記第1の側壁パネルの側縁部に貼り合わせて偏平に折り畳まれた形状の筒状体に形成することを特徴とする加熱調理容器の外装体。
  2. 前記筒状体及び前記天板が組み立てられた後、その全体がシュリンク包装でオーバーラップされることを特徴とする請求項1記載の加熱調理容器の外装体。
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