JP3922445B2 - 三次元画像処理装置、三次元画像処理プログラムおよび三次元画像処理プログラムが記録された記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レイキャスティングによって三次元表示をおこなう三次元画像処理装置、三次元画像処理プログラムおよび三次元画像処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、CT(Computed Tomography)撮影などによって得られた検査対象物のスライス画像を三次元に配列した仮想的な空間(以下、ボクセル空間と言う。)に対して、それを観察する視線に沿って当該ボクセル空間に仮想的な光(以下、レイと言う。)を照射し、そのボクセル空間内の部分ごとのレイの透過量に基づいてその検査対象物の三次元画像を構成し、表示装置などにおいて二次元に表示するボリュームレンダリング法がある。
【0003】
このボリュームレンダリング法によれば、本来連続体として存在する検査対象物が、有限な微小体積要素(以下、ボクセルという)のX線吸収係数によって表現される。
【0004】
ボクセルは、ボクセル値Vを有し、このボクセル値Vは、X線吸収係数で決定される検査対象物固有の値であり、CT撮影画像から得る場合にはCT値とも呼ばれるものである。
【0005】
このボクセル値Vは、検査対象物を構成する要素によって異なる。例えば検査対象物が人体であって、CT撮影画像から三次元データが得られた場合には、解剖学的な組織によって異なり、例えばCT撮影画像から得る場合には骨のCT値は約1000付近、血液のCT値は20から80付近、肺のCT値は約−200の値を有する。
【0006】
次に、レイキャスティングについて図15を用いて説明する。
【0007】
レイキャスティングとは、ボクセル空間でのレイの透過に伴う演算により、内部構造を多重に合成して投影する方法である(文献名:三次元血管造影法 血管疾患の新しい診断法 東京メディカルサイエンスインターナショナル 永井純、安達秀雄 編書 1994.5)。
【0008】
ここで、図15(a)および(b)におけるオパシティ値αとは、ボクセルの不透明度を示す値であり、オパシティ値αが0の場合、ボクセルに入射したレイである入射光データIのすべてがボクセルを透過し、オパシティ値αが1の場合、ボクセルに入射した入射光データIのすべてがボクセルから反射されることになる。
【0009】
つまり、ボクセル空間内の複数のボクセルにより構成される検査対象物のうち、可視化を所望する組織が有するボクセル値Vに対して高いオパシティ値αを設定することにより、ボクセルを透過しないでボクセルから反射する減衰光データDが大きくなり、組織の抽出が可能になる。
【0010】
次に、シェーディング係数βについて図16を用いて説明する。
【0011】
シェーディング係数βは、下記の式(1)に示す如く、グラディエントベクトルGと視線の方向を示すビューベクトルvの内積により求められる、ボクセルの輝度を表現する値である。
【0012】
【数1】
ここで、簡単のため、光源の方向と視線の方向(ビューベクトルv)を一致させているが、一致しない場合は、さらにβvと光源ベクトルの内積を計算すればよい。
【0013】
式(1)に示すグラディエントベクトルGは、図17に示す如く、グラディエントベクトルGの算出を所望する対象ボクセル(図17中の中央に位置するボクセル)のボクセル値をV(x,y)とすると、対象ボクセルのx方向およびy方向に隣接する4つのボクセルのボクセル値より、a=V(x-1,y)−V(x+1,y)、b=V(x,y-1)−V(x,y+1)とおくと、対象ボクセルのグラディエントベクトルGのx成分、y成分を以下に示す式(2)、式(3)より求められる。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
グラディエントベクトルは絶対値が1になるように正規化されている。
【0016】
このように、ボクセルのグラディエントベクトルGはその近傍に位置する複数のボクセルが互いに影響を及ぼし合って求められる。
【0017】
上述の説明において、グラディエントベクトルGの算出を二次元の場合について述べたが、三次元の場合も同様である。
【0018】
以上説明した如く、グラディエントベクトルGとビューベクトルvにより、シェーディング係数βが決定される。
【0019】
次に、図を参照して三次元空間におけるレイキャスティングについて説明する。 図18は、レイの進行方向に沿って並んだボクセルである。
【0020】
入射光データをIn、ボクセルのボクセル値Vn、オパシティ値αn、シェーディング係数βnとし、透過しない光を減衰光データDn、ボクセルによって反射される光を部分反射光データFn、そして部分反射光データFnを合成して得られる光である合成反射光データEは、それぞれ以下に示す式(4)、式(5)、式(6)、式(7)によって求められる。
【0021】
【数4】
【0022】
【数5】
【0023】
【数6】
【0024】
【数7】
以上により求められた合成反射光データEを投影面に対応づけられる二次元表示におけるピクセル値P(x,y)として採用し、投影面に対応する表示装置などに表示することが可能になる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、あるボクセルのグラディエントベクトルGはその近傍に位置する複数のボクセルが互いに影響を及ぼし合って求められる値であるため、図17に示す如く、中央に位置する対象ボクセルに隣接する4つのボクセルのうち、x方向に隣接する2つのボクセルのボクセル値が等しく、かつ、y方向に隣接する2つのボクセルのボクセル値が等しい場合には、式(2)および式(3)によって求められる対象ボクセルのグラディエントベクトルGnのx成分、y成分がそれぞれ0になり、グラディエントベクトルGの絶対値|G|=(Gx 2+Gy 2)1/2が0になる。
【0026】
このように、絶対値が0のグラディエントベクトルをゼログラディエントベクトルGzeroと言う。
【0027】
図19に示す如く、ゼログラディエントベクトルGzeroを有するボクセル(ボクセル値V1)は、上述した式(6)より、その部分反射光データF1が0となってしまう。このため、例えばゼログラディエントベクトルGzeroを有するボクセルのオパシティ値α1が非常に大きいと、それに伴って、このボクセルからそれ以降のボクセルへ透過する透過光I2が非常に小さくなり、以降のボクセルの部分反射光データFnが小さくなってしまい、全体としてこれらすべての部分反射光データFnを合成した値ΣFnで得られる合成反射光データEに影響し、合成反射光データEを採用するピクセル値が周辺のピクセル値と極端に異なることになる。これにより、投影面200上に偽像を投影したり、図20に白点にて示す如く、完全に像を投影せず、表示装置に表示されない箇所を作り出すなどの問題があった。
【0028】
また、検査対象物が人体である場合など、造影血管のように均一なボクセル値を持つボクセルによって三次元データが構成されている場合など、特にゼログラディエントベクトルGzeroの発生が多くなり、誤診や医療ミスが発生する可能性を有していた。
【0029】
そこで、本発明は上記の問題点を鑑みて為されたもので、ゼログラディエントが発生しても、偽像を表示しない三次元画像処理装置等を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載した発明によれば、レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置において、あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する演算部などの第1の取得手段と、前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示部などの表示手段と、レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する制御部などの第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルでないと判定された前記グラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルとし、当該補正処理用グラディエントベクトルに基づいて補正グラディエントベクトルを算出する演算部などの第1の算出手段と、当該補正グラディエントベクトルによって前記ゼログラディエントベクトルを置き換えて補正する制御部などの第1の補正手段と、を有することを特徴とする。
【0031】
よって、ボクセル空間内に、ゼログラディエントベクトルが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルによって算出した補正グラディエントベクトルによって補正することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0032】
上記課題を解決すべく、請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載の三次元画像処理装置において、前記補正処理用グラディエントベクトルは、補正される前記ゼログラディエントベクトルの周辺に位置するグラディエントベクトルであることを特徴とする。
【0033】
よって、補正対象領域の性質を反映した補正処理用グラディエントベクトルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0034】
上記課題を解決すべく、請求項3に記載した発明によれば、レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置に含まれるコンピュータを、あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する演算部などの第1の取得手段、前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示部などの表示手段、レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する制御部などの第1の判定手段、前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルでないと判定された前記グラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルとし、当該補正処理用グラディエントベクトルに基づいて補正グラディエントベクトルを算出する演算部などの第1の算出手段および、当該補正グラディエントベクトルによって前記ゼログラディエントベクトルを置き換えて補正する制御部などの第1の補正手段として機能させることを特徴とする。
【0035】
よって、ボクセル空間内に、ゼログラディエントベクトルが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルによって算出した補正グラディエントベクトルによって補正するようコンピュータが機能することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0036】
上記課題を解決すべく、請求項4に記載した発明によれば、請求項3に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、前記補正処理用グラディエントベクトルは、補正される前記ゼログラディエントベクトルの周辺に位置するグラディエントベクトルとするよう前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0037】
よって、補正対象領域の性質を反映した補正処理用グラディエントベクトルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0038】
上記課題を解決すべく、請求項5に記載した発明によれば、請求項3または請求項4に記載の三次元画像処理プログラムが、前記コンピュータによって読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【0039】
よって、請求項3に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータによって読み出して実行することにより、ボクセル空間内に、ゼログラディエントベクトルが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルによって算出した補正グラディエントベクトルによって補正することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0040】
また、請求項4に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータによって読み出して実行することにより、補正対象領域の性質を反映した補正処理用グラディエントベクトルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0041】
上記課題を解決すべく、請求項6に記載した発明によれば、レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置において、あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する演算部などの第1の取得手段と、前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示部などの表示手段と、レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する制御部などの第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルであると判定されたボクセルを含むレイに対応する前記投影面上のピクセルに、無効ピクセルを設定する制御部などの第1の設定手段と、前記投影面上のピクセルのうち、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含まずレイキャスティングが完了したレイに対応するピクセルに有効ピクセルを設定する制御部などの第2の設定手段と、前記投影面上のピクセルが無効ピクセルか否かを判別するスキャンを行い、無効ピクセルである場合には、該無効ピクセルを補正するための補正処理用ピクセル候補を、前記投影面上のピクセルから取得する制御部などの第2の取得手段と、前記取得した補正処理用ピクセル候補のうち有効ピクセルの数が、あらかじめ定められた有効ピクセル数閾値以上であるか否かを判定する制御部などの第2の判定手段と、前記第2の判定手段によって、有効ピクセル数閾値以上であった場合に、前記取得した補正処理用ピクセル候補のうちの有効ピクセルを補正処理用ピクセルとして、当該補正処理用ピクセルに基づいて補正ピクセルを算出する演算部などの第2の算出手段と、当該補正ピクセルによって前記無効ピクセルを置き換えて補正する制御部などの第2の補正手段と、を有することを特徴とする。
【0042】
よって、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含むレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、また、補正処理用ピクセルによって算出した補正ピクセルによって、無効ピクセルを置き換えることにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0043】
上記課題を解決すべく、請求項7に記載した発明によれば、請求項6に記載の三次元画像処理装置において、前記ゼログラディエントベクトルであると判定された時点で当該ボクセルを含むレイのレイキャスティングを中止する制御部などの中止手段をさらに有することを特徴とする。
【0044】
よって、ゼログラディエントベクトルを有するレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、ゼログラディエントベクトルが存在した時点で、当該ボクセル列のレイキャスティングを中止することにより、以降、ボクセル空間のレイがあらかじめ定められた終端条件を満たすまでの種々の演算をおこなわないため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0045】
上記課題を解決すべく、請求項8に記載した発明によれば、請求項6または請求項7に記載の三次元画像処理装置において、前記第2の取得手段は、補正処理用ピクセル候補を補正される前記無効ピクセルの周辺に位置するピクセルから取得することを特徴とする。
【0046】
よって、補正対象領域の性質を反映した補正処理用ピクセルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0047】
上記課題を解決すべく、請求項9に記載した発明によれば、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の三次元画像処理装置において、スキャン中に前記補正ピクセルによって置き換えて補正されたピクセルを、未だ投影面上に存在する他の無効ピクセルを補正するための前記補正処理用ピクセルとして同一スキャン中に利用することを特徴とする。
【0048】
よって、直前に補正されたピクセルも補正処理用ピクセルとして用いることができるため、補正処理速度がより速くなる。
【0049】
上記課題を解決すべく、請求項10に記載した発明によれば、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の三次元画像処理装置において、前記投影面上のピクセルを所定の一の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する制御部などの第3の判定手段をさらに有し、前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記有効ピクセル数閾値を所定値分だけ減少させて、再度スキャンすることを特徴とする。
【0050】
よって、有効ピクセル数閾値を減少させて再スキャンすることにより、補正できなかった無効ピクセルを確実に補正することができる。
【0051】
上記課題を解決すべく、請求項11に記載した発明によれば、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の三次元画像処理装置において、前記投影面上のピクセルを第1の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する制御部などの第3の判定手段をさらに有し、前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記投影面上のピクセルを第1の方向とは異なる第2の方向にスキャンすることを特徴とする。
【0052】
よって、種々の方向からスキャンすることにより、補正処理速度がより速くなる。また、直前に補正されたピクセルを補正処理用ピクセルとして用いれば、2回のスキャンで投影面上の全ての無効ピクセルを補正することができる。
【0053】
上記課題を解決すべく、請求項12に記載した発明によれば、レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置に含まれるコンピュータを、あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する演算部などの第1の取得手段、前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示部などの表示手段、レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する制御部などの第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルであると判定されたボクセルを含むレイに対応する前記投影面上のピクセルに、無効ピクセルを設定する制御部などの第1の設定手段、前記投影面上のピクセルのうち、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含まずレイキャスティングが完了したレイに対応するピクセルに有効ピクセルを設定する制御部などの第2の設定手段、前記投影面上のピクセルが無効ピクセルか否かを判別するスキャンを行い、無効ピクセルである場合には、該無効ピクセルを補正するための補正処理用ピクセル候補を、前記投影面上のピクセルから取得する制御部などの第2の取得手段、前記取得した補正処理用ピクセル候補のうち有効ピクセルの数が、あらかじめ定められた有効ピクセル数閾値以上であるか否かを判定する制御部などの第2の判定手段、前記第2の判定手段によって、有効ピクセル数閾値以上であった場合に、前記取得した補正処理用ピクセル候補のうちの有効ピクセルを補正処理用ピクセルとして、当該補正処理用ピクセルに基づいて補正ピクセルを算出する演算部などの第2の算出手段および、当該補正ピクセルによって前記無効ピクセルを置き換えて補正する制御部などの第2の補正手段として機能させることを特徴とする。
【0054】
よって、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含むレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、また、補正処理用ピクセルによって算出した補正ピクセルによって、無効ピクセルを置き換えるようコンピュータが機能することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0055】
上記課題を解決すべく、請求項13に記載した発明によれば、請求項12に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記ゼログラディエントベクトルであると判定された時点で当該ボクセルを含むレイのレイキャスティングを中止する制御部などの中止手段として機能させることを特徴とする。
【0056】
よって、ゼログラディエントベクトルを有するレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、ゼログラディエントベクトルが存在した時点で、当該ボクセル列のレイキャスティングを中止することにより、以降、ボクセル空間のレイがあらかじめ定められた終端条件を満たすまでの種々の演算をおこなわないため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0057】
上記課題を解決すべく、請求項14に記載した発明によれば、請求項12または請求項13に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、前記第2の取得手段は、補正処理用ピクセル候補を補正される前記無効ピクセルの周辺に位置するピクセルから取得することを特徴とする。
【0058】
よって、補正対象領域の性質を反映した補正処理用ピクセルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0059】
上記課題を解決すべく、請求項15に記載した発明によれば、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、スキャン中に前記補正ピクセルによって置き換えて補正されたピクセルを、未だ投影面上に存在する他の無効ピクセルを補正するための前記補正処理用ピクセルとして利用するよう前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0060】
よって、直前に補正されたピクセルも補正処理用ピクセルとして用いることができるため、補正処理速度がより速くなる。
【0061】
上記課題を解決すべく、請求項16に記載した発明によれば、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記投影面上のピクセルを所定の一の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する制御部などの第3の判定手段として機能させ、前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記有効ピクセル数閾値を所定値分だけ減少させて、再度スキャンすることを特徴とする。
【0062】
よって、有効ピクセル数閾値を減少させて再スキャンすることにより、補正できなかった無効ピクセルを確実に補正することができる。
【0063】
上記課題を解決すべく、請求項17に記載した発明によれば、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記投影面上のピクセルを第1の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する制御部などの第3の判定手段として機能させ、前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記投影面上のピクセルを第1の方向とは異なる第2の方向にスキャンすることを特徴とする。
【0064】
よって、種々の方向からスキャンすることにより、補正処理速度がより速くなる。また、直前に補正されたピクセルを補正処理用ピクセルとして用いれば、2回のスキャンで投影面上の全ての無効ピクセルを補正することができる。
【0065】
上記課題を解決すべく、請求項18に記載した発明によれば、請求項12から請求項17のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムが、前記コンピュータによって読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【0066】
よって、請求項12に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含むレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、また、補正処理用ピクセルによって算出した補正ピクセルによって、無効ピクセルを置き換えるようにコンピュータが機能することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0067】
また、請求項13に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、ゼログラディエントベクトルを有するレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、ゼログラディエントベクトルが存在した時点で、当該ボクセル列のレイキャスティングを中止する制御部などの中止手段としてコンピュータが機能することにより、以降、到達座標ベクトルが終端条件を満たすまでの種々の演算をおこなわないため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0068】
また、請求項14に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、補正対象領域の性質を反映した補正処理用ピクセルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0069】
また、請求項15に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、直前に補正されたピクセルも補正処理用ピクセルとして用いることができるため、補正処理速度がより速くなる。
【0070】
さらに、請求項16に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、有効ピクセル数閾値を減少させて再スキャンすることにより、補正できなかった無効ピクセルを確実に補正することができる。
【0071】
さらに、請求項17に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、種々の方向からスキャンすることにより、補正処理速度がより速くなる。
【0072】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について図1に示す三次元画像処理装置の概要構成を示すブロック図を用いて説明する。
【0073】
三次元画像処理装置100は、記憶部101、第1の取得手段および第1の算出手段としての演算部102、表示手段としての表示部103、さらには第1の判定手段および第1の補正手段としての制御部104により構成されている。
【0074】
記憶部101は、あらかじめCT撮影などによって撮影された検査対象物のスライス画像と、このスライス画像により得られた検査対象物の三次元画像データと、この検査対象物の三次元画像データを構成するすべてのボクセルのボクセル値Vと、そのボクセル値Vに対応するオパシティ値αおよびビューベクトルvとを記憶している。
【0075】
また、この記憶部101は、読出し書込みが可能なデータ記憶領域101aを有し、このデータ記憶領域101aは、後に詳述するレイキャスティングにおける入射光データIと、レイキャスティング処理によって決定される投影面200に対応する前記表示部103に映し出すための二次元画像のピクセルP、始点座標ベクトルO、ステップベクトルΔS、到達座標ベクトルR、部分反射光データF、合成反射光データE、有効グラディエントベクトル数CGを記憶している。
【0076】
このデータ記憶領域101aに対する読出しおよび書込みの動作は、図示しない入力部により操作者が所望のデータについて読出しまたは書込みを行う旨の指示を入力しても、制御部104によって自動で行うようにしてもよい。
【0077】
演算部102は、レイキャスティングにおける種々の演算を行うためのものである。
【0078】
表示部103は、CRTモニタや液晶モニタなどであり、レイキャスティングにおける投影面の画像を表示するものであるが、これに限らず、必要に応じて記憶部101内に記憶したスライス画像を表示することも可能である。
【0079】
制御部104は、後に詳述するこれら各部の動作を制御するためのものである。
【0080】
レイキャスティングにおけるボクセル空間300と投影面200について図2を用いて説明する。
【0081】
投影面200の座標を(u,v)とし、ここに位置するピクセルをP(u,v)とする。また、ピクセルP(u,v)に対応するレイの進行方向に沿って並んだボクセルのボクセル空間300内の座標を(x(u,v),y(u,v),z(u,v))とし、ボクセル空間座標(x,y,z)に位置するボクセルのボクセル値を、V(x,y,z)とする。
【0082】
始点座標ベクトルO(u0,v0)は、投影面200上のレイキャスティングが始まる座標(u0,v0)のボクセル空間内のベクトルであり、この始点座標ベクトルO(u0,v0)に対応するボクセル空間300内の座標は(Ox(u0,v0),Oy(u0,v0),Oz(u0,v0))である。
【0083】
また、到達座標ベクトルR(u,v)は、投影面200上の座標(u,v)におけるレイキャスティング処理中のボクセル空間内のベクトルであり、この到達座標ベクトルR(u,v)に対応するボクセル空間300内の座標は(Rx(u,v),Ry(u,v),Rz(u,v))である。
【0084】
ボクセル空間300内において、始点座標ベクトルO(Ox(u,v),Oy(u,v),Oz(u,v))からあらかじめ定められたステップベクトルΔS(ΔSx(u,v),ΔSy(u,v),ΔSz(u,v))ごとにレイキャスティングが行われる。
【0085】
レイキャスティングは投影面200上の始点座標ベクトルO(u,v)からあらかじめ定められた順序で投影面200上のピクセル値P(u,v)ごとに行う。投影面200上のすべてのピクセル値Pを設定した後に終了する。
【0086】
以下、図3に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態におけるレイキャスティング処理動作について説明する。
【0087】
まず投影面200における一のピクセルについて、ボクセル空間300内におけるレイキャストループを開始する(ステップS10)。
【0088】
最初に、あらかじめ定められた始点座標ベクトルOおよびステップベクトルΔSをデータ記憶領域101aに書込み、初期化する(ステップS11)。
【0089】
次に、到達座標ベクトルRを始点座標ベクトルOと同じ値に設定し、あらかじめ定められた入射光データIをデータ記憶領域101aに書込み、同様にして部分反射光データFおよび合成反射光データEの値を0として記憶領域101aに書込んで初期化する(ステップS12)。
【0090】
到達座標ベクトルRのボクセル空間300の座標(Rx(u,v),Ry(u,v),Rz(u,v))に位置するボクセルのグラディエントベクトルGを演算部102によって式(2)および式(3)に従って算出し(ステップS13)、算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroか否かを制御部104の制御に基づいて判定する(ステップS14)。
【0091】
算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroでない場合には(ステップS14:No)、ボクセル値Vに対応付けられてあらかじめ設定されたオパシティ値αを記憶部101より取得するとともに、算出されたグラディエントベクトルGおよび記憶部101に記憶されたビューベクトルvより、シェーディング係数βを演算部102の演算により式(1)に従って算出する(ステップS15)。
【0092】
そして、ステップS15で算出したシェーディング係数βと取得したオパシティ値αより、ボクセルの減衰光データDおよび部分反射光データFを演算部102の演算により式(5)および式(6)に従って算出する(ステップS16)。
【0093】
その後、前記データ記憶領域101aに記憶した入射光データIを前記減衰光データDだけ減少させると共に、得られた部分反射光データFを合成反射光データEに加算して更新し、データ記憶領域101aに記憶した前記到達座標ベクトルRをステップベクトルΔSだけ更新する(ステップS17)。
【0094】
一方、算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroである場合には(ステップS14:Yes)、後に詳述するグラディエントベクトル補正処理を行った後(ステップS18)、再度グラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroであるか否かの判定を行う(ステップS19)。
【0095】
判定の結果、ゼログラディエントベクトルGzeroでない場合には(ステップS19:No)、ステップS15へ移行し、判定の結果、未だゼログラディエントベクトルGzeroである場合には(ステップS19:Yes)、ステップS20へ移行する。
【0096】
そして、前記ボクセル値Vに対応付けられてあらかじめ設定されたオパシティ値αを記憶部101より取得し(ステップS20)、取得したオパシティ値αより、前記ボクセルの減衰光データDを演算部102の演算により式(5)に従って算出する(ステップS21)。
【0097】
その後、前記データ記憶領域101aに記憶した入射光データIを式(4)に従って減衰光データDだけ減少させると共に、前記データ記憶領域101aに記憶した到達座標ベクトルRをステップベクトルΔSだけ更新する(ステップS22)。
【0098】
ステップS17およびステップS23によって前記データ記憶領域101aに記憶した到達座標ベクトルRをステップベクトルΔS分だけ増加させた結果、一直線上のすべての検査対象物をレイキャストしたか否かを判定するため、到達座標ベクトルRが既定の終端条件を満たすか否かを判定する(ステップS23)。ここで、終端条件とは、すべてのレイが吸収し尽くされ、入射光データIが0になったとき、あるいは、レイが検査対象物を透過し終わったときなど、自由に設定が可能である。
【0099】
ステップS23で到達座標ベクトルRが終端条件を満たさない場合には(ステップS23:No)、ステップS13へ移行して、一直線上のすべての検査対象物の三次元データについてステップS13からステップS22の処理を繰り返してレイキャスティングを行う。
【0100】
ステップS23で到達座標ベクトルRが終端条件を満たす場合には(ステップS23:Yes)、投影面200上の有効ピクセルPeとしてステップS17で得られた合成反射光データEの値を設定する(ステップS24)。
【0101】
そして、投影面上のすべてのピクセルPについてレイキャスティングを終了後、レイキャストループを終了する(ステップS25)。以上で図3に示す処理を終了する。
【0102】
これまで説明した図3に示すすべての処理は、制御部104の制御に基づいて実行される。
【0103】
次に、上述したレイキャスティング処理動作におけるステップS18に示すグラディエントベクトル補正処理について説明する。
【0104】
まず、ゼログラディエントベクトルGzeroを有するボクセルの周囲近傍に位置するボクセルのグラディエントベクトルを用いたゼログラディエントベクトルGzeroの補正について図4を用いて説明する。
【0105】
補正処理用グラディエントベクトルGmは、ゼログラディエントベクトルGzeroの周囲近傍に位置するグラディエントベクトルである。
【0106】
有効グラディエントベクトル数CGは、補正処理用グラディエントベクトルGmの数である。
【0107】
図4(a)は、平行投影の場合の補正処理用グラディエントベクトルの説明図である。レイキャスティング中の到達座標ベクトルRにてゼログラディエントベクトルGzeroが発生した場合、この周囲のボクセルが有する補正処理用グラディエントベクトルGm1、Gm2を使用して補正グラディエントベクトルGaとすることが可能である。ゼログラディエントベクトルGzeroは、補正処理用グラディエントベクトルGmのベクトルの和を、絶対値が1となるように正規化することにより求められる補正グラディエントベクトルGaの値に置き換えることにより補正可能である。
【0108】
なお、図4(a)では、ゼログラディエントベクトルGzeroが発生したレイキャスティングに対応する投影面200上の座標とは別の2つの投影面200上の座標に対応するレイキャスティングによって得られたグラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルGm1、Gm2としているが、このとき、ゼログラディエントベクトルGzeroが発生したレイの、ゼログラディエントベクトルGzero発生直前のステップベクトルΔSにおけるボクセルが有するグラディエントベクトル(図4(a)中、補正処理用グラディエントベクトルGm3によって示す。)を補正処理用グラディエントベクトルとして用いてもよい。
【0109】
図4(b)は、ゼログラディエントベクトルGzeroをその周囲4個の補正処理用グラディエントベクトルGmから求めた一例である。この場合、有効グラディエントベクトル数CGは4であり、以下に示す式(8)により補正グラディエントベクトルGaを求めることが可能である。
【0110】
【数8】
なお、Normalize( )とは、正規化を行う関数である。
【0111】
図4(c)は、ゼログラディエントベクトルGzeroをその周囲3個の補正処理用グラディエントベクトルGmから求めた一例である。この場合、有効グラディエントベクトル数CGは3であり、式(8)により補正グラディエントベクトルGaを求めることが可能である。
【0112】
図4(d)は、ゼログラディエントベクトルGzeroをその周囲2個の補正処理用グラディエントベクトルGmから求めた一例である。この場合、有効グラディエントベクトル数CGは2であり、式(8)により補正グラディエントベクトルGaを求めることが可能である。
【0113】
そして、図4(e)は、ゼログラディエントベクトルGzeroをその隣接する一の補正処理用グラディエントベクトルGmから求めた一例である。この場合、有効グラディエントベクトル数CGは1であり、式(8)により補正グラディエントベクトルGaを求めることが可能である。つまり、この場合は、隣接するボクセルのグラディエントベクトルをそのまま代用することになる。
【0114】
上述した例では、補正処理用グラディエントベクトルGmを1つから4つ用いて補正処理を行った場合について説明したが、これには限られず、5つ以上の補正処理用グラディエントベクトルGmを用いてもよい。
【0115】
次に、上述したレイキャスティング処理動作におけるステップS18に示すグラディエントベクトル補正処理の動作について図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0116】
まず、ゼログラディエントベクトルGzeroの周囲近傍に位置するM個のグラディエントベクトルGを補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'として演算部102により式(2)および式(3)に従って算出する(ステップS50)。
【0117】
次に、前記データ記憶領域101aに記憶した有効グラディエントベクトル数CGを0に設定し(ステップS51)、有効グラディエントベクトル数CGの数を求めるためのカウントループ処理を行う(ステップS52)。
【0118】
ステップS50で算出したM個の補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'のうち、一の補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'がゼログラディエントベクトルGzeroであるか否かを判定する(ステップS53)。
【0119】
ステップS53の判定の結果、補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'がゼログラディエントベクトルGzeroでなかった場合には(ステップS53:No)、データ記憶領域101aに記憶した有効グラディエントベクトル数CGに1を加算し(ステップS54)、次の一の補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'について、ステップS52のカウントループ処理により同様の処理を行う。
【0120】
一方、補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'がゼログラディエントベクトルGzeroである場合には(ステップS53:Yes)、そのままステップS55へ移行し、次の一の補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'について、ステップS52のカウントループ処理により同様の処理を行う。
【0121】
算出したM個の補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'のすべてについてゼログラディエントベクトルGzeroであるか否かの判定を終了したときに有効グラディエントベクトル数CGのカウントループ処理を終了する(ステップS55)。
【0122】
そして、上述したカウントループ処理の結果、有効グラディエントベクトル数CGが1以上であるか否かを前記データ記憶領域101aに記憶した有効グラディエントベクトル数CGを読み出して判定する(ステップS56)。
【0123】
判定の結果、有効グラディエントベクトル数CGが1以上であった場合には(ステップS56:Yes)、この有効な補正処理用グラディエントベクトル候補Gm'を補正処理用グラディエントベクトルGmとして用いて、補正グラディエントベクトルGaを演算部102の演算により式(8)に従って算出する(ステップS57)。
【0124】
そして、ゼログラディエントベクトルGzeroを、前記算出した補正グラディエントベクトルGaと置き換えることにより補正を行い(ステップS58)図5に示すフローチャートに基づく処理を終了し、図3のレイキャスティングのステップS19に戻る。
【0125】
判定の結果、有効グラディエントベクトル数CGが1未満であった場合、つまり0であった場合には(ステップS56:No)、図5に示すフローチャートに基づく処理を終了し、図3のレイキャスティングのステップS19に戻る。
【0126】
なお、これまで説明したグラディエントベクトル補正処理の動作は、すべてのステップにおいて制御部104の制御に基づいて実行される。
【0127】
なお、本実施の形態はレイの投影法にはよらず、平行投影、透視投影等の種々の投影法で実施可能である。
【0128】
また、ゼログラディエントベクトルGzeroの周辺に位置しないグラディエントベクトルを補正処理用グラディエントベクトルGmとして用いても本発明は実施可能であるが、周辺に位置する補正処理用グラディエントベクトルGmを用いることにより、補正対象領域の性質を反映し、高い補正精度を得ることが可能になる。
【0129】
以上説明した第1の実施の形態によれば、ボクセル空間300内に、ゼログラディエントベクトルGzeroが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルGzeroを、その周囲近傍に位置する補正処理用グラディエントベクトルGmによって算出した補正グラディエントベクトルGaによって置き換えて補正することにより、図14に示す如く、投影面に対応付けられる表示部に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0130】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について説明する。
【0131】
三次元画像処理装置100は、記憶部101、第1の取得手段および第2の算出手段としての演算部102、表示手段としての表示部103、さらには、第2の取得手段、第1および第2の設定手段、第1、第2および第3の判定手段、第2の補正手段および中止手段としての制御部104により構成されている。
【0132】
第2の実施の形態における三次元画像処理装置の構成のデータ記憶領域101aは、レイキャスティングにおける入射光データIと、レイキャスティング処理によって決定される投影面200に対応する前記表示部103に映し出すための二次元画像のピクセルP、始点座標ベクトルO、ステップベクトルΔS、到達座標ベクトルR、部分反射光データF、合成反射光データE、補正処理用ピクセル候補取得数MAおよび有効ピクセル数閾値MB,有効ピクセル数CP、スキャンフラグSF、スキャンカウントCSを記憶している。
【0133】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので細部の説明は省略する。
【0134】
以下、図6に示すフローチャートに基づいて、第2の実施の形態におけるレイキャスティング処理動作について説明する。
【0135】
まず投影面200における一のピクセルPについて、ボクセル空間300内におけるレイキャストループを開始する(ステップS60)。
【0136】
最初に、あらかじめ定められた始点座標ベクトルOおよびステップベクトルΔSをデータ記憶領域101aに書込み、初期化する(ステップS61)。
【0137】
次に、到達座標ベクトルRを始点座標ベクトルOと同じ値に設定し、あらかじめ定められた入射光データIをデータ記憶領域101aに書込み、同様にして部分反射光データFおよび合成反射光データEの値を0としてデータ記憶領域101aに書込んで初期化する(ステップS62)。
【0138】
到達座標ベクトルRのボクセル空間300の座標(Rx(u,v),Ry(u,v),Rz(u,v))に位置するボクセルのグラディエントベクトルGを演算部102によって式(2)および式(3)に従って算出し(ステップS63)、算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroか否かを判定する(ステップS64)。
【0139】
算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroでない場合には(ステップS64:No)、前記ボクセル値Vに対応付けられてあらかじめ設定されたオパシティ値αを記憶部101より取得するとともに、前記算出されたグラディエントベクトルGおよび記憶部101に記憶されたビューベクトルvより、シェーディング係数βを演算部102の演算により式(1)に従って算出する(ステップS65)。
【0140】
そして、ステップS15で算出したシェーディング係数βと取得したオパシティ値αより、前記ボクセルの減衰光データDおよび部分反射光データFを演算部102の演算により式(5)および式(6)に従って算出する(ステップS66)。
【0141】
その後、前記データ記憶領域101aに記憶した入射光データIを減衰光データDだけ減少させると共に、得られた部分反射光データFを合成反射光データEに加算して更新し、データ記憶領域101aに記憶した到達座標ベクトルRをステップベクトルΔSだけ更新する(ステップS67)。
【0142】
そして、一直線上の検査対象物の三次元データをすべてレイキャストしたか否かを判定するため、データ記憶領域101aに記憶した到達座標ベクトルRが既定の終端条件を満たすか否かを判定する(ステップS68)。
【0143】
ここで、終端条件とは、すべてのレイが検査対象物の三次元データに吸収し尽くされ、入射光データIが0になったとき、あるいは、レイが検査対象物の三次元データを透過し終わり、ボクセル値Vが0となったときなど、自由に設定が可能である。
【0144】
ステップS68で到達座標ベクトルRが終端条件を満たさない場合には(ステップS68:No)、ステップS63へ移行して、一直線上の検査対象物の三次元データのすべてについてステップS63からステップ67の処理を繰り返してレイキャスティングを行う。
【0145】
一方、ステップS64にて算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroである場合には(ステップS64:Yes)、そのレイに対応する投影面200上のピクセルに無効ピクセルPzeroを設定してステップS71へ移行する(ステップS69)。つまり、ゼログラディエントベクトルGzeroが存在した段階で、以降レイの更新を行わない。
【0146】
ステップS68で到達座標ベクトルRが終端条件を満たす場合には(ステップS68:Yes)、そのレイに対応する投影面200上のピクセルを有効ピクセルPeとして合成反射光データEの値を設定する(ステップS70)。
【0147】
そして、投影面200上のすべてのピクセルについて有効ピクセルPeまたは無効ピクセルPzeroを設定してレイキャスティングを終了後、レイキャストループを終了する(ステップS71)。
【0148】
その後、ゼログラディエントベクトルGzeroにより発生した無効ピクセルPzeroの補正処理を後に詳述する動作に基づいて行う(ステップS72)。以上により図6に示す処理を終了する。
【0149】
これまで説明した図6に示すすべての処理は、制御部104の制御に基づいて実行される。
【0150】
次に、上述したレイキャスティング処理動作におけるステップS72に示すゼログラディエントベクトルGzeroにより発生した無効ピクセルPzeroの補正処理について説明する。
【0151】
まず、有効ピクセルPeを用いた無効ピクセルPzeroの補正について図7を用いて説明する。
【0152】
図7中、「○」は補正処理用ピクセルPmであり、「×」は無効ピクセルPzeroである。
【0153】
補正処理用ピクセルPmは、無効ピクセルPzeroの周囲近傍に位置する有効ピクセルPe(ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを透過していないレイに対応するピクセル)である。
【0154】
有効ピクセル数CPは、前記補正処理用ピクセルPmの数である。
無効ピクセルPzeroは、補正処理用ピクセルPmのピクセル値の和を、有効ピクセル数CPで割った値(式(9)参照。)より求められる補正ピクセルPaの値に置き換えることにより補正可能である。
【0155】
【数9】
図7(a)は、無効ピクセルPzeroをその周囲4個の補正処理用ピクセルPmから補正した一例である。この場合、有効ピクセル数CPは4であり、式(9)により補正ピクセルPaを求めることが可能である。
【0156】
図7(b)は、無効ピクセルPzeroをその周囲3個の補正処理用ピクセルPmから補正した一例である。この場合、有効ピクセル数CPは3であり、式(9)により補正ピクセルPaを求めることが可能である。
【0157】
図7(c)は、無効ピクセルPzeroをその周囲2個の補正処理用ピクセルPmから補正した一例である。この場合、有効ピクセル数CPは2であり、式(9)により補正ピクセルPaを求めることが可能である。
【0158】
そして、図7(d)は、無効ピクセルPzeroをその隣接する一の補正処理用ピクセルPmから補正した一例である。この場合、有効ピクセル数CPは1であり、式(9)により補正ピクセルPaを求めることが可能である。つまり、この場合は、隣接する有効ピクセルPeをそのまま代用することになる。
【0159】
上述した例では、補正処理用ピクセルPmを1つから4つ用いて補正処理を行った場合について説明したが、これには限られず、5つ以上の補正処理用ピクセルPmを用いてもよい。
【0160】
次に、上述したレイキャスティング処理動作におけるステップS72に示すピクセル補正処理における、投影面200上のスキャンについて説明する。
【0161】
無効ピクセルPzeroの補正処理に際し、投影面200上をピクセルPごとにスキャンを行い、無効ピクセルの周囲の補正処理用ピクセルPmを用いて無効ピクセルPzeroの補正処理を行う。
【0162】
投影面200上のスキャンはそのスキャンの方向により、図8に示す如く、第1の方向としての順方向スキャン(図8(a))と第2の方向としての逆方向スキャン(図8(b))がある。
【0163】
図9は無効ピクセルPzeroの補正処理について図8に示した順方向および逆方向にてスキャンしたときの説明図である。
【0164】
図9(a)は無効ピクセルPzeroの補正処理を行う前の説明図である。「○」は有効ピクセルPeであり、「×」は無効ピクセルPzeroである。
【0165】
図9(b)は順方向スキャンを行った場合の結果である。「○」は有効ピクセルPeであり、「△」は周囲の補正処理用ピクセルPmにより補正された補正ピクセルPaであり、「×」は順方向スキャンを行った後に補正されずに残った無効ピクセルPzeroである。
【0166】
図9(c)は図9(b)に示す順方向スキャンの後、続けて逆方向スキャンを行った場合の結果である。図9(c)中、「○」は有効ピクセルPeおよび順方向スキャンを行い補正された補正ピクセルPaであり、「△」は逆方向スキャンにより補正された補正ピクセルPaである。
【0167】
図9(a)中、無効ピクセルPzero1は、順方向スキャンによって補正処理用ピクセルPm1により補正されて、図9(b)中の補正ピクセルPa1と置き換えられ、無効ピクセルPzero2は補正処理用ピクセルPm2´と補正処理用ピクセルPm2´´により補正されて置き換えられ、図9(b)中の補正ピクセルPa2となる。このとき、補正処理用ピクセルPm2´´は、順方向スキャンによって直前に補正されたピクセルである。
【0168】
このように、スキャン中に補正されたピクセルを他の無効ピクセルPzeroの補正に利用する。
【0169】
同様にして、図9(b)中、無効ピクセルPzero3は、逆方向スキャンによって補正処理用ピクセルPm3により補正されて置き換えられ、図9(c)中の補正ピクセルPa3となる。
【0170】
なお、他のスキャン方向の例では図10に示す如く、図10(a)、図10(b)および図10(c)のような(示す例には限られない)順方向、逆方向の組み合わせであってもよい。
【0171】
これによれば、投影面上のピクセルのうち、有効ピクセルPeが1つしか存在せず、残りのすべてのピクセルが無効ピクセルPzeroであった場合であっても、順方向と逆方向のスキャンを行うことにより、只1つの有効ピクセルPeを補正処理用ピクセルPmとして用いて、投影面上に存在するすべての無効ピクセルPzeroを補正ピクセルPaと置き換えられて補正することが可能である。
【0172】
また、本実施の形態においては、有効ピクセル数閾値MBを1にあらかじめ設定する。有効ピクセル数閾値MBとは、補正処理用ピクセル候補Pm'のうち、補正を行う有効ピクセル数CPの閾値を設定するためのものである。
【0173】
つまり、補正処理用ピクセル候補Pm'をMA個取得し、そのうち有効ピクセル数CPが1個(有効ピクセル数閾値MB)以上でない場合は補正しないとするものである。この有効ピクセル数閾値MBは大きな値であるほど補正の精度が高くなり、1に近づくほど補正の精度が低くなる。
【0174】
次に、第2の実施の形態における無効ピクセルPzeroの補正処理(レイキャスティング処理動作のステップS72に示す。)の実施の動作について図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0175】
まず、データ記憶領域101aのスキャン方向を示すスキャンフラグSFおよびスキャンの回数を示すスキャンカウントCSを0としてデータ記憶領域101aに書込んで初期化し、また、有効ピクセル数閾値MBを1に設定する(ステップS90)。
【0176】
その後、スキャンカウントCSを1増加させて更新する(ステップS91)。
【0177】
そして、補正処理ループに移行する(ステップS92)。この補正処理ループにおいて、データ記憶領域101aのスキャンカウントCSが奇数である場合には投影面上のピクセルPを順方向にスキャンを行い、偶数である場合には逆方向にスキャンを行う。
【0178】
補正処理ループでは、投影面200上のピクセルが無効ピクセルPzeroであるか否かの判定を行う(ステップS93)。
【0179】
無効ピクセルPzeroでない場合には(ステップS93:No)、補正の必要がないので、ステップS103へ移行して次のピクセルPについて判定を行う。
【0180】
一方、ピクセルが無効ピクセルPzeroである場合には(ステップS93:Yes)、その周囲のMA個のピクセルPのピクセル値を補正処理用ピクセル候補Pm'として取得する(ステップS94)。
【0181】
そして、補正処理用ピクセル候補Pm'を取得した後、有効ピクセル数CPを0としてデータ記憶領域101aに書込み、初期化する(ステップS95)。
【0182】
次に、有効ピクセル数CPの数を求めるためのカウントループ処理を行う(ステップS96)。取得したMA個の補正処理用ピクセル候補Pm'のうち、一の補正処理用ピクセルが無効ピクセルPzeroであるか否かを判定する(ステップS97)。補正処理は有効ピクセルPeを使用して補正するからである。
【0183】
ステップS97の判定の結果、前記補正処理用ピクセル候補Pm'が無効ピクセルPzeroであった場合には(ステップS97:Yes)、そのままステップS99へ移行し、次の一の補正処理用ピクセル候補Pm'について、ステップS97のカウントループ処理により同様の処理を行う。
【0184】
一方、ステップS97の判定の結果、前記補正処理用ピクセル候補Pm'が無効ピクセルPzeroでなかった場合には(ステップS97:No)、前記補正処理用ピクセル候補Pm'は有効であるとして、データ記憶領域101aの有効ピクセル数CPに1を加算し、ステップS99へ移行する(ステップS98)。
【0185】
取得したMA個の補正処理用ピクセル候補Pm'のすべてについて無効ピクセルPzeroであるか否かの判定とカウントを終了したときに、有効ピクセル数のカウントループ処理を終了する(ステップS99)。
【0186】
そして、上述したカウントループ処理の結果、データ記憶領域101aに記憶された有効ピクセル数CPが有効ピクセル数閾値MB以上であるか否かを判定する(ステップS100)。
【0187】
判定の結果、有効ピクセル数CPが1以上(有効ピクセル数閾値MB以上)であった場合には(ステップS100:Yes)、この有効な補正処理用ピクセル候補Pm'を補正処理用ピクセルPmとして用いて、補正ピクセルPaを演算部102の演算により式(9)に従って算出し、無効ピクセルPzeroと置き換えられ(ステップS101)、その後、ステップS103へ移行する。
【0188】
一方、判定の結果、有効ピクセル数CPが1未満(有効ピクセル数閾値MB未満)であった場合、つまり0であった場合には(ステップS100:No)、スキャンフラグSFに1を設定し、S103へ移行する(ステップS102)。
【0189】
そして、投影面200上のすべてのピクセルPについて、補正処理が終了したときに、補正処理ループを終了する(ステップS103)。
【0190】
その後、▲1▼スキャンフラグSFが1であるか否か、▲2▼スキャンカウントCSが1であるか否か、を判定し(ステップS104)、▲1▼スキャンフラグSFが1ではない、または、▲2▼スキャンカウントCSが1ではない、場合は(ステップS104:No)、レイキャスティングによって無効ピクセルPzeroが存在しなかったか、あるいは1回目のスキャンによってすべての無効ピクセルPzeroが補正された状態であるので、図11のフローチャートに基づく処理を終了し、図6のフローチャートに戻る。
【0191】
一方、▲1▼スキャンフラグSFが1である、かつ、▲2▼スキャンカウントCSが1である、場合には(ステップS104:Yes)、まだ無効ピクセルPzeroが存在しているので、ステップS91に移行して逆方向スキャンを行う。
【0192】
なお、これまで説明したピクセル補正処理の動作におけるすべての処理は、制御部104の制御に基づいて実行される。
【0193】
ステップS92でスキャンカウントCSが奇数である場合には投影面200上のピクセルPを順方向にスキャンを行い、偶数である場合には逆方向にスキャンを行うとしたが、スキャンカウントCSが偶数である場合は順方向にスキャンを行い、奇数である場合に逆方向にスキャンを行うとしてもよい。
【0194】
また、以上の説明において補正処理用ピクセルPmの平均値を用いて無効ピクセルの補正を行っているが、補正の方法はこれには限られず、スプライン補間など他の補間方法によって補正を行ってもよい。
【0195】
また、無効ピクセルPzeroの周辺に位置しないピクセルを補正処理用ピクセルPmとして用いても本発明は実施可能であるが、周辺に位置する補正処理用ピクセルPmを用いることにより、補正対象領域の性質を反映し、高い補正精度を得ることが可能になる。
【0196】
なお、本実施の形態はレイの投影法にはよらず、平行投影、透視投影等の種々の投影法で実施可能である。
【0197】
以上説明した第2の実施の形態によれば、ボクセル空間300内に、ゼログラディエントベクトルGzeroが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルGzeroを有するレイに対応する投影面200上のピクセルPを無効ピクセルPzeroとし、以降、レイを更新しないことで到達座標ベクトルが終端条件を満たすまでの種々の演算を行わないようにするため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0198】
また、近傍に位置する補正処理用ピクセルPmによって算出した補正ピクセルPaによって、無効ピクセルPzeroを置き換えることにより、図14に示す如く、投影面200上に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0199】
さらに、直前に補正されたピクセルを補正処理用ピクセルPmとして用いたため、投影面200上に有効ピクセルPeが1つ以上存在すれば、順方向スキャンと逆方向スキャンの最大2回のスキャンで、投影面200上のすべての無効ピクセルPzeroを補正することが可能になる。
【0200】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について説明する。
【0201】
三次元画像処理装置100は、記憶部101、第1の取得手段および第2の算出手段としての演算部102、表示手段としての表示部103、さらには、第2の取得手段、第1および第2の設定手段、第1、第2および第3の判定手段、第2の補正手段および中止手段としての制御部104により構成されている。
【0202】
第3の実施の形態における三次元画像処理装置の構成のデータ記憶領域101aは、レイキャスティングにおける入射光データIと、レイキャスティング処理によって決定される投影面200に対応する前記表示部103に映し出すための二次元画像のピクセルP、始点座標ベクトルO、ステップベクトルΔS、到達座標ベクトルR、部分反射光データF、合成反射光データE、有効ピクセル数CP、前無効ピクセル情報CIPAおよび現無効ピクセル情報CIPB、補正処理用ピクセル候補取得数MAおよび有効ピクセル数閾値MBを記憶している。
【0203】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので細部の説明は省略する。
【0204】
以下、図6に示すフローチャートに基づいて、第3の実施の形態におけるレイキャスティング処理動作について説明する。
【0205】
まず投影面200における一のピクセルPについて、ボクセル空間300内におけるレイキャストループを開始する(ステップS60)。
【0206】
最初に、あらかじめ定められた始点座標ベクトルOおよびステップベクトルΔSをデータ記憶領域101aに書込み、初期化する(ステップS61)。
【0207】
次に、到達座標ベクトルRを始点座標ベクトルOと同じ値に設定し、あらかじめ定められた入射光データIをデータ記憶領域101aに書込み、同様にして部分反射光データFおよび合成反射光データEの値を0としてデータ記憶領域101aに書込んで初期化する(ステップS62)。
【0208】
到達座標ベクトルRのボクセル空間300の座標(Rx(u,v),Ry(u,v),Rz(u,v))に位置するボクセルのグラディエントベクトルGを演算部102によって式(2)および式(3)に従って算出し(ステップS63)、算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroか否かを判定する(ステップS64)。
【0209】
算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroでない場合には(ステップS64:No)、前記ボクセル値Vに対応付けられてあらかじめ設定されたオパシティ値αを記憶部101より取得するとともに、前記算出されたグラディエントベクトルGおよび記憶部101に記憶されたビューベクトルvより、シェーディング係数βを演算部102の演算により式(1)に従って算出する(ステップS65)。
【0210】
そして、ステップS15で算出したシェーディング係数βと取得したオパシティ値αより、前記ボクセルの減衰光データDおよび部分反射光データFを演算部102の演算により式(5)および式(6)に従って算出する(ステップS66)。
【0211】
その後、前記データ記憶領域101aに記憶した入射光データIを減衰光データDだけ減少させると共に、得られた部分反射光データFを合成反射光データEに加算して更新し、データ記憶領域101aに記憶した到達座標ベクトルRをステップベクトルΔSだけ更新する(ステップS67)。
【0212】
そして、一直線上の検査対象物の三次元データをすべてレイキャストしたか否かを判定するため、データ記憶領域101aに記憶した到達座標ベクトルRが既定の終端条件を満たすか否かを判定する(ステップS68)。
【0213】
ここで、終端条件とは、すべてのレイが検査対象物の三次元データに入射光データIが減衰し尽くされて0になったとき、あるいは、レイが検査対象物の三次元データを透過し終わり、ボクセル値Vが0となったときなど、自由に設定が可能である。
【0214】
ステップS68で到達座標ベクトルRが終端条件を満たさない場合には(ステップS68:No)、ステップS63へ移行して、一直線上の検査対象物の三次元データのすべてについてステップS63からステップ67の処理を繰り返してレイキャスティングを行う。
【0215】
一方、ステップS64にて算出されたグラディエントベクトルGがゼログラディエントベクトルGzeroである場合には(ステップS64:Yes)、そのレイに対応する投影面200上のピクセルを無効ピクセルPzeroに設定してステップS71へ移行する(ステップS69)。つまり、ゼログラディエントベクトルGzeroが存在した段階で、以降レイの更新を行わない。
【0216】
ステップS68で到達座標ベクトルRが終端条件を満たす場合には(ステップS68:Yes)、そのレイに対応する投影面200上のピクセルを有効ピクセルPeとして合成反射光データEの値を設定する(ステップS70)。
【0217】
そして、投影面200上のすべてのピクセルについて有効ピクセルPeまたは無効ピクセルPzeroを設定してレイキャスティングを終了後、レイキャストループを終了する(ステップS71)。
【0218】
その後、ゼログラディエントベクトルGzeroにより発生した無効ピクセルPzeroの補正処理を後に詳述する動作に基づいて行う(ステップS72)。以上により図6に示す処理を終了する。
【0219】
これまで説明した図6に示すすべての処理は、制御部104の制御に基づいて実行される。
【0220】
次に、無効ピクセルPzeroの補正処理について説明する。なお、図7に示す有効ピクセルPeを用いた無効ピクセルPzeroの補正についての説明は、第2の実施の形態と同様であるため省略する。
【0221】
まず、第3の実施の形態によるレイキャスティング処理動作におけるステップS72に示すピクセル補正処理における、投影面200上のスキャンについて説明する。
【0222】
無効ピクセルPzeroの補正処理に際し、投影面200上をピクセルPごとにスキャンを行い、無効ピクセルの周囲の補正処理用ピクセルPmを用いて無効ピクセルPzeroの補正処理を行う。
【0223】
図13は無効ピクセルPzeroの補正処理について図8に示した順方向(図8(a))にてスキャンを行ったときの説明図である。
【0224】
ここで、補正処理用ピクセル候補取得数MAと有効ピクセル数閾値MBについて説明する。補正処理用ピクセル候補取得数MAとは、無効ピクセルPzeroを補正するために取得する補正処理用ピクセル候補Pm'の数であり、有効ピクセル数閾値MBとは、取得したMA個の補正処理用ピクセル候補Pm'のうち、補正を行う有効ピクセル数CPの閾値を設定するためのものである。
【0225】
つまり、補正処理用ピクセル候補Pm'をMA個取得し、そのうち有効ピクセル数CPがMB個以上でない場合は補正しないとするものである。
【0226】
図7に示す例で、補正処理用ピクセル候補取得数MAが4、有効ピクセル数閾値MBが2である場合には、図7(a)、図7(b)、図7(c)の場合には、有効ピクセル数CPが有効ピクセル数閾値MB以上なので、補正可能であり、一方、図7(d)の場合には、有効ピクセル数CPが1であり有効ピクセル数閾値MB以下であるため無効ピクセルは補正されないことを示す。
【0227】
図13に示す例の場合は補正処理用ピクセル候補取得数MAが4、有効ピクセル数閾値MBが2である場合の例を示す。
【0228】
図中、マークのない箇所が有効ピクセルPeであり、「○」は前回までのスキャンによって補正された補正ピクセルPaであり、「△」は今回のスキャンによって補正された補正ピクセルPaであり、「×」は無効ピクセルPzeroである。
【0229】
図13(a)は無効ピクセルPzeroの補正処理を行う前の説明図である。
【0230】
図13(b)は図13(a)に対してスキャンを行った場合の結果であり、図13(c)は図13(b)に対して、図13(d)は図13(c)に対してスキャンを行った場合の結果である。
【0231】
図13(a)中、無効ピクセルPzero1は、スキャンによって補正処理用ピクセルPm1´と補正処理用ピクセルPm1´´により補正されて、図13(b)中の補正ピクセルPa1と置き換えられ、無効ピクセルPzero2は補正処理用ピクセルPm2´と補正処理用ピクセルPm2´´により補正されて置き換えられ、図13(b)中の補正ピクセルPa2となる。
【0232】
同様にして、図13(b)中、無効ピクセルPzero3は、再スキャンによって補正処理用ピクセルPm3´と補正処理用ピクセルPm3´´により補正されて置き換えられ、図13(c)中の補正ピクセルPa3となり、図13(c)中、無効ピクセルPzero4は、再々スキャンによって補正処理用ピクセルPm4´と補正処理用ピクセルPm4´´と補正処理用ピクセルPm4´´´により補正されて置き換えられ、図13(d)中の補正ピクセルPa4となる。
【0233】
また、スキャン中に補正されたピクセルを補正処理用ピクセルPmとして他の無効ピクセルPzeroの補正に利用した場合には図13(e)に示す如く、図13(a)中に示されたすべての無効ピクセルPzeroを1度のスキャンで補正可能である。
【0234】
また、第3の実施の形態では、スキャン方向は図10に示す如く、図10(a)、図10(b)および図10(c)のような(示す例には限られない)どのようなスキャンの方向であってもよく、順方向や逆方向など、スキャンの方向はいずれであってもよいが、補正処理を開始したら、本実施の形態においてはその方向は所定の一の方向に限るものとする。
【0235】
次に、第3の実施の形態における無効ピクセルPzeroの補正処理(レイキャスティング処理動作のステップS72に示す。)の実施の動作について図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0236】
まず、データ記憶領域101aの前無効ピクセル情報CIPAおよび現無効ピクセル情報CIPBを0としてデータ記憶領域101aに書込んで初期化し、また、有効ピクセル数閾値MBを設定する(ステップS150)。
【0237】
そして、補正処理ループに移行する(ステップS151)。この補正処理ループにおいて、投影面上のピクセルPのスキャンを行う。なお、本実施の形態においてはスキャンの方向は所定の一の方向に限るものとする。
【0238】
補正処理ループでは、投影面200上のピクセルが無効ピクセルPzeroであるか否かの判定を行う(ステップS152)。
【0239】
判定の結果、無効ピクセルPzeroでない場合には(ステップS152:No)、補正の必要がないので、ステップS162へ移行して次のピクセルPについて判定を行う。
【0240】
一方、判定の結果無効ピクセルPzeroである場合には(ステップS152:Yes)、その周囲のMA個のピクセルPのピクセル値を補正処理用ピクセル候補Pm'として取得する(ステップ153)。
【0241】
そして、補正処理用ピクセル候補Pm'を取得した後、有効ピクセル数CPを0としてデータ記憶領域101aに書込み、初期化する(ステップS154)。
【0242】
次に、有効ピクセル数CPの数を求めるためのカウントループ処理を行う(ステップS155)。取得したMA個の補正処理用ピクセル候補Pm'のうち、一の補正処理用ピクセルが無効ピクセルPzeroであるか否かを判定する(ステップS156)。補正処理は有効ピクセルPeを使用して補正するからである。
【0243】
ステップS156の判定の結果、前記補正処理用ピクセル候補Pm'が無効ピクセルPzeroであった場合には(ステップS156:Yes)、そのままステップS158へ移行し、次の一の補正処理用ピクセル候補Pm'について、ステップS155のカウントループ処理により同様の処理を行う。
【0244】
一方、ステップS156の判定の結果、前記補正処理用ピクセル候補Pm'が無効ピクセルPzeroでなかった場合には(ステップS156:No)、前記補正処理用ピクセル候補Pm'は有効であるとして、データ記憶領域101aの有効ピクセル数CPに1を加算し、ステップS158へ移行する(ステップS157)。
【0245】
取得したMA個の補正処理用ピクセル候補Pm'のすべてについて無効ピクセルPzeroであるか否かの判定とカウントを終了したときに、有効ピクセル数のカウントループ処理を終了する(ステップS158)。
【0246】
そして、上述したカウントループ処理の結果、データ記憶領域101aに記憶された有効ピクセル数CPがステップS150で設定した有効ピクセル数閾値MB以上であるか否かを判定する(ステップS159)。
【0247】
判定の結果、有効ピクセル数CPが有効ピクセル数閾値MB以上であった場合には(ステップS159:Yes)、この有効な補正処理用ピクセル候補Pm'を補正処理用ピクセルPmとして用いて、補正ピクセルPaを演算部102の演算によって式(9)に従って算出し、算出された補正ピクセルPaが無効ピクセルPzeroと置き換えられ(ステップS161)、その後、ステップS162へ移行する。
【0248】
一方、判定の結果、有効ピクセル数閾値MB未満であった場合は(ステップS159:No)、データ記憶領域101aの現無効ピクセル情報CIPBを1増加させて、S162へ移行する(ステップS160)。
【0249】
そして、投影面200上のすべてのピクセルPについて、補正処理が終了したときに、補正処理ループを終了する(ステップS162)。
【0250】
その後、現無効ピクセル情報CIPBが0であるか否かを判定する(ステップS163)。
【0251】
判定の結果、現無効ピクセル情報CIPBが0である場合には(ステップS163:Yes)、レイキャスティングによって無効ピクセルPzeroが存在しなかったか、あるいは1回目のスキャンによってすべての無効ピクセルPzeroが補正された状態であるので、図12のフローチャートに基づく処理を終了し、図6のフローチャートに戻る。
【0252】
一方、現無効ピクセル情報CIPBが0でない場合には(ステップS163:No)、ステップS164へ移行して、現無効ピクセル情報CIPBと前無効ピクセル情報CIPAが等しいか否かを判定する(ステップS164)。
【0253】
判定の結果、現無効ピクセル情報CIPBと前無効ピクセル情報CIPAが等しい場合には(ステップS164:Yes)、今回のスキャンによっては無効ピクセルPzeroがまったく補正されなかった状態であるので、補正できなかった無効ピクセルPzeroを補正するために有効ピクセル数閾値MBを1減少させてステップS166へ移行する。
【0254】
一方、現無効ピクセル情報CIPBと前無効ピクセル情報CIPAが異なる場合には(ステップS164:No)、前無効ピクセル情報CIPAには現無効ピクセル情報CIPBに記憶された数をデータ記憶領域101aに書込んで設定し、現無効ピクセル情報CIPBには0をデータ記憶領域101aに書込んで設定した後、ステップS151に移行して、無効ピクセルPzeroの補正処理を行う(ステップS166)。
【0255】
なお、これまで説明したピクセル補正処理の動作におけるすべての処理は、制御部104の制御に基づいて実行される。
【0256】
また、上述した動作においては、補正されたばかりのピクセルを同じスキャン中に補正処理用ピクセルPmとして採用してもしなくても実行可能である。
【0257】
また、以上の説明において補正処理用ピクセルPmの平均値を用いて無効ピクセルの補正を行っているが、補正の方法はこれには限られず、スプライン補間など他の補間方法によって補正を行ってもよい。
【0258】
なお、本実施の形態はレイの投影法にはよらず、平行投影、透視投影等の種々の投影法で実施可能である。
【0259】
以上説明した第3の実施の形態によれば、ボクセル空間300内に、ゼログラディエントベクトルGzeroが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルGzeroを有するレイに対応する投影面200上のピクセルPを無効ピクセルPzeroとし、以降、レイを更新しないことで到達座標ベクトルが終端条件を満たすまでの種々の演算を行わないようにするため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0260】
さらに、補正処理用ピクセル候補取得数MAをステップS150で例えば4や6や8など大きな値に設定しておけば、精度の高い無効ピクセルの補正が可能になる。
【0261】
また、近傍に位置する補正処理用ピクセルPmによって算出した補正ピクセルPaによって、無効ピクセルPzeroを置き換えることにより、図14に示す如く、投影面200上に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0262】
上述した動作フロー中のステップS166において、有効ピクセル数閾値MBを1づつ減少させることにより、補正処理用ピクセル候補Pm'として取得可能な有効なピクセル数を最大に保ったまま、つまり、補正精度を極端に落とすことなく補正することができる。
【0263】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した発明によれば、ボクセル空間内に、ゼログラディエントベクトルが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルによって算出した補正グラディエントベクトルによって補正することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0264】
また、請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明の効果に加えて、補正対象領域の性質を反映した補正処理用グラディエントベクトルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0265】
また、請求項3に記載した発明によれば、ボクセル空間内に、ゼログラディエントベクトルが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルによって算出した補正グラディエントベクトルによって補正するようコンピュータが機能することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0266】
また、請求項4に記載した発明によれば、請求項3に記載した発明の効果に加えて、補正対象領域の性質を反映した補正処理用グラディエントベクトルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0267】
また、請求項5に記載した発明によれば、請求項3に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータによって読み出して実行することにより、ボクセル空間内に、ゼログラディエントベクトルが存在する場合であっても、ゼログラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルによって算出した補正グラディエントベクトルによって補正することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を改善することが可能になる。
【0268】
また、請求項4に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータによって読み出して実行することにより、補正対象領域の性質を反映した補正処理用グラディエントベクトルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0269】
また、請求項6に記載した発明によれば、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含むレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、また、補正処理用ピクセルによって算出した補正ピクセルによって、無効ピクセルを置き換えることにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0270】
また、請求項7に記載した発明によれば、請求項6に記載した発明の効果に加えて、ゼログラディエントベクトルを有するレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、ゼログラディエントベクトルが存在した時点で、当該ボクセル列のレイキャスティングを中止することにより、以降、ボクセル空間のレイがあらかじめ定められた終端条件を満たすまでの種々の演算をおこなわないため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0271】
また、請求項8に記載した発明によれば、請求項6または請求項7に記載した発明の効果に加えて、補正対象領域の性質を反映した補正処理用ピクセルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0272】
また、請求項9に記載した発明によれば、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、直前に補正されたピクセルも補正処理用ピクセルとして用いることができるため、補正処理速度がより速くなる。
【0273】
また、請求項10に記載した発明によれば、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、有効ピクセル数閾値を減少させて再スキャンすることにより、補正できなかった無効ピクセルを確実に補正することができる。
【0274】
また、請求項11に記載した発明によれば、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、種々の方向からスキャンすることにより、補正処理速度がより速くなる。また、直前に補正されたピクセルを補正処理用ピクセルとして用いれば、投影面上に1つの有効ピクセルがあれば、最大2回のスキャンで投影面上のすべての無効ピクセルを補正することが可能になる。
【0275】
また、上記課題を解決すべく、請求項12に記載した発明によれば、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含むレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、また、補正処理用ピクセルによって算出した補正ピクセルによって、無効ピクセルを置き換えるようコンピュータが機能することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0276】
また、請求項13に記載した発明によれば、請求項12に記載の発明の効果に加えて、ゼログラディエントベクトルを有するレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、ゼログラディエントベクトルが存在した時点で、当該ボクセル列のレイキャスティングを中止することにより、以降、ボクセル空間のレイがあらかじめ定められた終端条件を満たすまでの種々の演算をおこなわないため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0277】
また、請求項14に記載した発明によれば、請求項12または請求項13に記載の発明の効果に加えて、補正対象領域の性質を反映した補正処理用ピクセルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0278】
また、請求項15に記載した発明によれば、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、直前に補正されたピクセルも補正処理用ピクセルとして用いることができるため、補正処理速度がより速くなる。
【0279】
また、請求項16に記載した発明によれば、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、有効ピクセル数閾値を減少させて再スキャンすることにより、補正できなかった無効ピクセルを確実に補正することができる。
【0280】
また、請求項17に記載した発明によれば、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、種々の方向からスキャンすることにより、補正処理速度がより速くなる。また、直前に補正されたピクセルを補正処理用ピクセルとして用いれば、投影面上に1つの有効ピクセルがあれば、最大2回のスキャンで投影面上のすべての無効ピクセルを補正することが可能になる。
【0281】
また、請求項18に記載した発明によれば、請求項12に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含むレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、また、補正処理用ピクセルによって算出した補正ピクセルによって、無効ピクセルを置き換えるようにコンピュータが機能することにより、投影面に対応付けられる表示部などの表示手段に偽像を表示したり、完全に像を表示しない状況を確実に改善することが可能になるため、より信頼性の高い三次元画像を提供することが可能になる。
【0282】
また、請求項13に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、ゼログラディエントベクトルを有するレイに対応する投影面上のピクセルを無効ピクセルとし、ゼログラディエントベクトルが存在した時点で、当該ボクセル列のレイキャスティングを中止する制御部などの中止手段としてコンピュータが機能することにより、以降、到達座標ベクトルが終端条件を満たすまでの種々の演算をおこなわないため、三次元画像処理装置としての処理速度が速くなり、大容量の三次元画像データを処理するにあたっては威力を発揮する。
【0283】
また、請求項14に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、補正対象領域の性質を反映した補正処理用ピクセルを用いることができるので、より精度の高い補正が可能になる。
【0284】
また、請求項15に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、直前に補正されたピクセルも補正処理用ピクセルとして用いることができるため、補正処理速度がより速くなる。
【0285】
さらに、請求項16に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、有効ピクセル数閾値を減少させて再スキャンすることにより、補正できなかった無効ピクセルを確実に補正することができる。
【0286】
さらに、請求項17に記載の三次元画像処理プログラムが記録されている場合には、これをコンピュータにより読み出して実行することにより、種々の方向からスキャンすることにより、補正処理速度がより速くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】レイキャスティングを示すイメージ図である。
【図3】第1の実施の形態におけるレイキャスティング動作を示すフローチャートである。
【図4】グラディエントベクトル補正の説明図である。
【図5】第1の実施の形態におけるグラディエントベクトル補正処理動作を示すフローチャートである。
【図6】第2および第3の実施の形態におけるレイキャスティング動作を示すフローチャートである。
【図7】グラディエントベクトル補正の説明図である。
【図8】投影面のスキャンを示す説明図である。
【図9】順方向と逆方向のスキャンによるピクセル補正処理の説明図である。
【図10】いろいろな順方向スキャンと逆方向スキャンを示す図である。
【図11】第2の実施の形態におけるピクセル補正処理動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態におけるピクセル補正処理動作を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態におけるスキャンによるピクセル補正処理の説明図である。
【図14】本発明による画像表示の例である。
【図15】レイキャスティングの説明図である。
【図16】シェーディング係数の説明図である。
【図17】グラディエントベクトルの算出を示す説明図である。
【図18】ボクセル列のレイキャスティングを示す説明図である。
【図19】ゼログラディエントベクトルが発生した場合のボクセル列のレイキャスティングを示す説明図である。
【図20】ゼログラディエントベクトルが存在する場合の従来技術による画像表示の例である。
【符号の説明】
100 三次元画像処理装置
101 記憶部
101a データ記憶領域
102 演算部
103 表示部
104 制御部
200 投影面
300 ボクセル空間
I 入射光データ
D 減衰光データ
V ボクセル値
α オパシティ値
β シェーディング係数
G グラディエントベクトル
v ビューベクトル
O 始点座標ベクトル
ΔS ステップベクトル
R 到達座標ベクトル
F 部分反射光データ
E 合成反射光データ
P ピクセル
Gzero ゼログラディエントベクトル
Pe 有効ピクセル
Pzero 無効ピクセル
Gm 補正処理用グラディエントベクトル
Gm' 補正処理用グラディエントベクトル候補
CG 有効グラディエントベクトル数
Ga 補正グラディエントベクトル
Pm 補正処理用ピクセル
Pm' 補正処理用ピクセル候補
Pa 補正ピクセル
CP 有効ピクセル数
SF スキャンフラグ
CS スキャンカウント
CIPA 前無効ピクセル情報
CIPB 現無効ピクセル情報
MA 補正処理用ピクセル候補取得数
MB 有効ピクセル数閾値
Claims (18)
- レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置において、
あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する第1の取得手段と、
前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示手段と、
レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルでないと判定された前記グラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルとし、当該補正処理用グラディエントベクトルに基づいて補正グラディエントベクトルを算出する第1の算出手段と、
当該補正グラディエントベクトルによって前記ゼログラディエントベクトルを置き換えて補正する第1の補正手段と、を有することを特徴とする三次元画像処理装置。 - 請求項1に記載の三次元画像処理装置において、
前記補正処理用グラディエントベクトルは、補正される前記ゼログラディエントベクトルの周辺に位置するグラディエントベクトルであることを特徴とする三次元画像処理装置。 - レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置に含まれるコンピュータを、
あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する第1の取得手段、
前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示手段、
レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する第1の判定手段、
前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルでないと判定された前記グラディエントベクトルを、補正処理用グラディエントベクトルとし、当該補正処理用グラディエントベクトルに基づいて補正グラディエントベクトルを算出する第1の算出手段および、
当該補正グラディエントベクトルによって前記ゼログラディエントベクトルを置き換えて補正する第1の補正手段として機能させることを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項3に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、
前記補正処理用グラディエントベクトルは、補正される前記ゼログラディエントベクトルの周辺に位置するグラディエントベクトルとするよう前記コンピュータを機能させることを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項3または請求項4に記載の三次元画像処理プログラムが、前記コンピュータによって読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
- レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置において、
あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する第1の取得手段と、
前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示手段と、
レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルであると判定されたボクセルを含むレイに対応する前記投影面上のピクセルに、無効ピクセルを設定する第1の設定手段と、
前記投影面上のピクセルのうち、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含まずレイキャスティングが完了したレイに対応するピクセルに有効ピクセルを設定する第2の設定手段と、
前記投影面上のピクセルが無効ピクセルか否かを判別するスキャンを行い、無効ピクセルである場合には、該無効ピクセルを補正するための補正処理用ピクセル候補を、前記投影面上のピクセルから取得する第2の取得手段と、
前記取得した補正処理用ピクセル候補のうち有効ピクセルの数が、あらかじめ定められた有効ピクセル数閾値以上であるか否かを判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段によって、有効ピクセル数閾値以上であった場合に、前記取得した補正処理用ピクセル候補のうちの有効ピクセルを補正処理用ピクセルとして、当該補正処理用ピクセルに基づいて補正ピクセルを算出する第2の算出手段と、
当該補正ピクセルによって前記無効ピクセルを置き換えて補正する第2の補正手段と、を有することを特徴とする三次元画像処理装置。 - 請求項6に記載の三次元画像処理装置において、
前記ゼログラディエントベクトルであると判定された時点で当該ボクセルを含むレイのレイキャスティングを中止する中止手段をさらに有することを特徴とする三次元画像処理装置。 - 請求項6または請求項7に記載の三次元画像処理装置において、
前記第2の取得手段は、補正処理用ピクセル候補を補正される前記無効ピクセルの周辺に位置するピクセルから取得することを特徴とする三次元画像処理装置。 - 請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の三次元画像処理装置において、
スキャン中に前記補正ピクセルによって置き換えて補正されたピクセルを、未だ投影面上に存在する他の無効ピクセルを補正するための前記補正処理用ピクセルとして同一スキャン中に利用することを特徴とする三次元画像処理装置。 - 請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の三次元画像処理装置において、
前記投影面上のピクセルを所定の一の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する第3の判定手段をさらに有し、前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記有効ピクセル数閾値を所定値分だけ減少させて、再度スキャンすることを特徴とする三次元画像処理装置。 - 請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の三次元画像処理装置において、
前記投影面上のピクセルを第1の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する第3の判定手段をさらに有し、
前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記投影面上のピクセルを第1の方向とは異なる第2の方向にスキャンすることを特徴とする三次元画像処理装置。 - レイキャスティングによってボクセル空間内に検査対象物の三次元データを複数のボクセルとして認識して投影面上に投影することにより検査対象物の三次元表示をおこなう三次元画像処理装置に含まれるコンピュータを、
あらかじめ定められたステップベクトルごとにレイの到達座標ベクトルを更新し、当該到達座標ベクトルにおける部分反射光データを合成して合成反射光データを取得する第1の取得手段、
前記取得した合成反射光データを、前記投影面上の複数のピクセルのうち一のピクセルに投影させて表示する表示手段、
レイキャスティング中のボクセルのグラディエントベクトルがゼロベクトルであるゼログラディエントベクトルであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって、ゼログラディエントベクトルであると判定されたボクセルを含むレイに対応する前記投影面上のピクセルに、無効ピクセルを設定する第1の設定手段、
前記投影面上のピクセルのうち、ゼログラディエントベクトルを有するボクセルを含まずレイキャスティングが完了したレイに対応するピクセルに有効ピクセルを設定する第2の設定手段、
前記投影面上のピクセルが無効ピクセルか否かを判別するスキャンを行い、無効ピクセルである場合には、該無効ピクセルを補正するための補正処理用ピクセル候補を、前記投影面上のピクセルから取得する第2の取得手段、
前記取得した補正処理用ピクセル候補のうち有効ピクセルの数が、あらかじめ定められた有効ピクセル数閾値以上であるか否かを判定する第2の判定手段、
前記第2の判定手段によって、有効ピクセル数閾値以上であった場合に、前記取得した補正処理用ピクセル候補のうちの有効ピクセルを補正処理用ピクセルとして、当該補正処理用ピクセルに基づいて補正ピクセルを算出する第2の算出手段および、
当該補正ピクセルによって前記無効ピクセルを置き換えて補正する第2の補正手段として機能させることを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項12に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記ゼログラディエントベクトルであると判定された時点で当該ボクセルを含むレイのレイキャスティングを中止する中止手段として機能させることを特徴とする三次元画像処理プログラム。
- 請求項12または請求項13に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、
前記第2の取得手段は、補正処理用ピクセル候補を補正される前記無効ピクセルの周辺に位置するピクセルから取得することを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、
スキャン中に前記補正ピクセルによって置き換えて補正されたピクセルを、未だ投影面上に存在する他の無効ピクセルを補正するための前記補正処理用ピクセルとして利用するよう前記コンピュータを機能させることを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記投影面上のピクセルを所定の一の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する第3の判定手段として機能させ、
前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記有効ピクセル数閾値を所定値分だけ減少させて、再度スキャンすることを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記投影面上のピクセルを第1の方向にスキャンした後、前記投影面上に前記無効ピクセルが存在するか否かを判定する第3の判定手段として機能させ、
前記第3の判定手段によって前記無効ピクセルが存在すると判定された場合には、前記投影面上のピクセルを第1の方向とは異なる第2の方向にスキャンすることを特徴とする三次元画像処理プログラム。 - 請求項12から請求項17のいずれか一項に記載の三次元画像処理プログラムが、前記コンピュータによって読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
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