JP3920801B2 - レール削正装置及び鉄道車両 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車を安定して力行させあるいは制動するためにレールを削正するレール削正装置及びこのレール削正装置を設けた鉄道車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両においては、列車の安定した走行のためにレールと車輪との間の粘着係数を適正に維持することが重要であり、例えば、粘着係数が小さいと車輪が空転して、十分な駆動力が伝達できなかったり、制動力が不足したりすることになる。粘着係数が小さくなる要因として、レール自体の表面状態の他、雨等によるレール表面に形成される水膜や、油や粉塵、木の葉等の夾雑物が付着すること等がある。
【0003】
従来より、増粘着材噴射装置を車両に搭載して、珪砂、セラミックス、酸化アルミニウム等の増粘着材をレール上に噴射する技術が提案されている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
また、レールには列車の通過による金属疲労層が発生したり、カーブ等では波状摩耗層が発生する。また、降雨の後等には錆が発生することがある。このような金属疲労層や波状摩耗層はレールに亀裂を発生させる原因となり、また、錆は粘着係数を下げると共に、列車の通過を電気的に検出するための軌道回路の導通性を劣化させ、踏み切りや信号機等の制御装置の故障の原因となる。
【0005】
従来より、これらの金属疲労層や波状摩耗層、錆等を除去するためのレールを削正する砥石を設けたレール削正専用の作業車が用いられている(例えば、非特許文献2)。
また従来より、車輪とレールの境界に関して、それらの摩耗や形状等について様々に論じられてきた(例えば、非特許文献3)。
【0006】
【非特許文献1】
大野 薫、外4名、“増粘着材噴射の車輪滑走・フラット防止への適用”平成14年4月、財団法人 鉄道総合研究所
【非特許文献2】
外山 順一、外2名、“レール削正車による削正試験について” 昭和58年改訂版 保線ハンドブック 施設局保線課編 財団法人 日本鉄道施設協会発行
【非特許文献3】
横山 淳、“車輪とレール” 社団法人日本鉄道施設協会発行 鉄道線路34−1
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記増粘着材噴射装置は、車両に搭載できる増粘着材の量に限界があるため、繰り返し増粘着材を補充する必要があり、連続的な使用が難しいという問題があった。
また、金属疲労層や波状摩耗層、錆等の金属層を除去するために前記レール削正専用の作業車を走行させるには、列車ダイヤを変更したり、列車の通らない夜間に作業を行う必要があると共に、この作業車の安全な運行を確保するための曲線脱線防止ガードの事前設置や事後撤去などの付帯作業に多くの労力を要するという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためのもので、走行する列車の車輪とレールとの粘着係数を大きくすることができると共に、上記金属層を削正できるレール削正装置及びこのレール削正装置を有する軌道車両を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明によるレール削正装置は、車両に支持されながらレールに接して該レールを研削する複数の削正用車輪と、該複数の削正用車輪を互いに異なる周速で連動回転させる連動機構とを有することを特徴とする。
また、前記削正用車輪の周速を異ならせるためにその外径を異ならせたことを特徴とする。
また、前記削正用車輪の周速を異ならせるために前記連動機構により各削正用車輪の回転数を異ならせたことを特徴とする。
また、前記削正用車輪のレール踏面が粗面加工されたことを特徴とする。
また、前記レール踏面に前記粗面を形成する手段をさらに設けたことを特徴とする。
また、前記削正用車輪の汚れ除去手段を設けたことを特徴とする。
また、前記削正用車輪のレールに対する荷重を制御する荷重制御手段を設けたことを特徴とする。
また、削正用車輪の振動検出手段を設け、振動が検出されたとき前記荷重制御手段が荷重を増大させることを特徴とする。
また、前記2つの削正用車輪の少なくとも一方を昇降させる昇降制御手段を設けたことを特徴とする。
また、前記荷重制御手段は、前記車両の主輪の回転数と前記2つの削正用車輪の回転数を検出し、検出された各回転数に基づいて前記荷重を制御することを特徴とする。
また、上記レール削正装置を鉄道車両に設けたことを特徴とする。
【0010】
従って、本発明によれば、例えば、上記2つの削正用車輪の径を異ならせたり、あるいは回転比を異ならせたりすることにより2つの削正用車輪の周速を異ならせることにより、これらの削正用車輪がレール上を転動するときすべりが発生するので、このすべりを利用してレールの削正を行うことにより、効果的にレールを削正することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施形態によるレール削正装置の構成を概略的に示すもので、図1は側面図、図2は平面図、図3は要部正面図である。
図1において、1は車体、2は車体1の下部に枕ばね3を介して取り付けられたボギー台車の台車枠、4,5は台車枠2の前後部に設けられたそれぞれ左右一対の主輪で、図2に示すように前部の一対の主輪4は車軸6に設けられ、後部の一対の主輪5は車軸7に設けられている。8,9は車軸6,7の両端部の軸箱、10は軸箱8,9を連結する梁である。11は主輪4,5が転動するレールである。尚、車体1は、本実施形態においては列車車両の車体、即ち、営業用車両の車体で、かつ編成の先頭車両の車体であるものとする。また、台車枠2は車体1の進行方向前部の台車枠であるものとする。
【0012】
図1、図2において、12、13はレール削正用の互いに径の異なる補助車輪(削正用車輪)で、図3にも示すように補助車輪12を小径、補助車輪13を大径とする。この補助車輪12,13は図示のように車軸14の両端部に設けられて互いに連動し、レール11上を転動するようになされている。なお、補助車輪12,13は、全体を回転砥石により形成し、あるいは鋼製車輪の踏面(外周)に砥粒を付着させた構成となっている。
これらの補助車輪12,13は、台車枠2に支持具15を介して取り付けられた荷重機構部16,17によりそれぞれレール11に対する荷重を制御できるようになされている。また、図3にも示すように、補助車輪12の荷重機構部16は、戻しばね18を有する空気アクチュエータ19で構成され、補助車輪13の荷重機構部17は、戻しばね20を有する空気アクチュエータ21で構成されている。
【0013】
また、主輪4(又は主輪5でもよい)には回転センサ22が設けられると共に(図1)、補助車輪12には回転センサ23が設けられ、補助車輪13には回転センサ24が設けられている(図3)。
【0014】
図4は制御システムの構成を示すブロック図である。
図4において、上記回転センサ22,23,24で検出された各回転数信号は制御部25に送られる。制御部25は主輪4,5、補助車輪12,13の各回転数に基づいて各荷重機構部16,17を制御することにより、補助車輪12,13のレール11に対する荷重を制御するようになされている。尚、この制御システムは車体1に搭載されている。
【0015】
次に、上記構成による動作について説明する。
補助車輪12,13を列車の走行と共にレール11に接触させて転動させると、補助車輪12,13は互いの径の違いによるすべりが発生した状態で回転する。より詳細には、補助車輪12,13のうち、レールとの間の摩擦係数が大きいいずれか一方が列車の走行によって従動回転し、他方が、前記一方の補助車輪の回転によって強制的に回転する。
本実施形態は、このようにすべりが発生した状態で補助車輪12,13を転動させることにより、レール11上(レール踏面)を削正するとともに、水膜やごみ等の夾雑物を除去し、以って主輪4,5とレール11との粘着係数を増大させるようにしたものである。
【0016】
例えば、補助車輪12,13がレール11を転動するとき、小径の補助車輪12がレール11との接触によって従動回転すると、これより大径の補助車輪13は、補助車輪12より大きな周速で回転して、レールとの間にすべりが発生する。このように補助車輪13をすべりが発生した状態で回転させることによりレール削正効果を向上させることができる。例えば車輪を介して繰り返し集中荷重を受けるレールの表面には、脆性化した疲労層ができ、小さな亀裂が発生するとそこから疲労亀裂が進展してレールの折損に至ることがあるが、本実施形態のように、補助車輪12,13のすべりを利用してレール削正を行えば、この疲労層を適切に除去して疲労亀裂の発生を防止することができる。
【0017】
ここで、主輪4(又は主輪5)の径をR、小径の補助車輪12の径をr1、大径の補助車輪13の径をr2(<R)とすると、すべり率Sは、
Figure 0003920801
となる。
【0018】
このすべり率Sは一方の補助車輪がすべらない場合に上記の値をとるため、摩擦係数を補助車輪12,13で同一と考えて各補助車輪に同一の荷重を付加すると、それぞれが1/2の正負のすべり率で、即ち、滑走すべりと空転すべりの状態でレール11と接触するため、左右のレールが略均等に削正される。このために荷重機構部16,17の空気アクチュエータ19,21を調整して左右の補助車輪12,13に均等に荷重が加えられるようにする。このように、荷重が均等に加えられた状態で、一方の補助車輪の粘着係数が大きい場合は、その補助車輪のすべり率が減少し、粘着係数が小さいほうの補助車輪のすべり率が大きくなってレール削正効果を向上させることができる。
【0019】
また、粘着係数を大きくしたい側(レールを削りたい側)とは反対側の付加荷重を大きくしてそのすべり率を減少させ、レール削正効果を得たい側の補助車輪のすべり率を増大させるなど、目的の効果を選択的に得るようにすることができる。
【0020】
左右の摩擦係数が異なる場合は均等荷重では好ましくないため、それぞれ最適な荷重になるように調整する。このために図4の制御システムが用いられる。 図4において、主輪4の回転センサ22で検出された回転数からレール接触速度(地表速度)を求め、制御部25において補助車輪12,13の回転センサ23,24で検出された回転数により各補助車輪の回転が大小どちらの接触すべり条件に近いかを比較判断し、レール削正効果を得たい側の荷重を減らすように荷重制御を行うことができる。
【0021】
次に、補助車輪12,13による金属面削正効果、即ち金属疲労層、波状摩耗層及び錆の除去について説明する。
列車の通過によりレール表面の受ける応力が降伏応力限界を超えると、塑性変形が生じる。この塑性変形が蓄積するとレール表面に微小亀裂が発生する。これを放置すると微小亀裂がレールの表面あるいは内部に進展し、このためレール表面に剥がれが生じたり、あるいはレールが折損する恐れがある。
そこで補助車輪12,13の付加荷重を大きくしてレール表面の金属疲労層(微小亀裂)を除去することにより、レールの大きな損傷を防止することができる。このように補助車輪12,13の付加荷重の大きさを制御することにより、粘着係数増大効果あるいは金属面削正効果を選択的に得ることができる。
【0022】
また、降雨の後にレール表面に錆が出ると、この錆は粘着係数に大きな影響を与える。また、普段の日でも油、粉塵、枯葉等がレール表面に付着することがある。これらの物質も粘着係数に大きな影響を与える。
本実施形態による補助車輪12,13によりレール表面の錆や汚れを完全には除去できないが、減らすことにより粘着係数を向上させることができる。
【0023】
次に、補助車輪12,13についてさらに説明する。
補助車輪12,13を使用しない場合は、空気アクチュエータ19,21の空気を抜けば、戻しばね18,20により補助車輪12,13はレール11を離れて上昇し台車枠2に支持される。
また、左右のレールの一方だけ削正したい場合は、削正しない側の補助車輪のみを引き上げておくこともできる。
また、補助車輪12,13の車軸14にクラッチ機構を設けて補助車輪12と13とを分離できるように構成してもよい。すなわち、補助車輪12,13がそれぞれ独自に従動回転することができるので、いずれもすべりを生じることがなく、非削正状態とすることができる。
【0024】
また、前記補助車輪12,13は主輪4,5とは違って車体1の重量を支持する必要がないので、レールより硬い材質であれば足り、例えば、工具鋼の表面を所定の表面粗さに加工したものであってもよい。
本実施形態では、補助車輪12,13は図示ではフランジの付いたものを用いたが、フランジは車輪のレール踏面部と分離構造として独立して回転させるようにしてもよい。
また、補助車輪12,13は図示では円錐状のものを用いたが、単に円柱状のものであってもよい。円錐状とする場合は、r1、r2の径はレール接触中立点での径とする。
【0025】
さらに、補助車輪12,13のレール踏面の粗さを適宜設定し、水、油、汚れ等の流体膜を破る程度の削正と、レール表面を積極的に研削する場合とに応じて削正の程度を調整するようにしてもよい。
【0026】
本実施形態によるレール削正装置よれば次の効果を得ることができる。
・2つの補助車輪12,13の径を異ならせてすべりを発生させるようにしたので、通常のころがり接触で削正を行う場合のようにレール折損の恐れもなく、より確実に有効にレール削正を行うことができる。
・粘着係数の向上又は金属層の削正等目的に応じて補助車輪への荷重を自動的に制御して最適なレール削正を行うことができる。
・金属疲労層や波状摩耗層を確実に削正してレールの亀裂を防止し、列車の安全運行をはかることができる。
【0027】
・レールの錆を除去して軌道回路の異常な絶縁を防止し、列車の安全運行をはかることができると共に、粘着係数の向上にも寄与することができる。
・レール削正装置を列車の先頭車両あるいは先頭に近いところに設けたので、走行する列車の粘着係数を大きくことができる。
・レール削正装置を営業用の車両に設けたので、従来のような専用の作業車を必要とせず、列車を通常のダイヤ通りに運行させるだけで、その列車の粘着係数を大きくことができると共に、金属層を削正することができる。
・レール削正装置は、従来の車両の構造を有効に利用して簡単に取り付けることができる。
【0028】
図5は本発明の第2実施形態を示すものである。
本実施形態においては、補助車輪12(及び補助車輪13)のレール踏面近傍に図示のように、汚れ除去ブラシ26、研磨剤ノズル27、車輪修正子28,29のうちの少なくとも1つを設けたものである。
【0029】
汚れ除去ブラシ26は、レール踏面の油等の汚れを除去するための摩耗粉、油脂成分分解剤等を射出塗付するものである。研磨剤ノズル27は研磨剤を噴出する。車輪修正子28は、補助車輪12,13のレール踏面に押し付けることにより、レール踏面を必要な粗面の状態にするものである。また、車輪修正子29もレール踏面に接触して適当な状態に削るものである。
本実施形態によれば、補助車輪12,13の変質を防止して常に良好な状態使用可能にすることができると共に、補助車輪に粗面を形成することができる。
【0030】
次に、第3の実施形態について説明する。
前述した波状摩耗は、レールのカーブ部等に発生するが、列車が波状摩耗部分を走行するときは振動が発生する。そこで、本実施形態においては、この振動を振動センサで検出してその検出信号を図4の制御部25に入力するように構成し、振動が検出されたとき荷重機構部16,17を制御して補助車輪12,13に大きな荷重が加わるように構成する。
本実施形態によれば、列車がレールの波状摩耗部分に来ると自動的に荷重を大きして摩耗部分を削正することができる。
【0031】
次に、第4の実施形態について説明する。
カーブ部の波状摩耗部分を削正する場合、レールの内外軌の経路差が補助車輪12,13の径差を相殺してしまう場合がある。その場合の対策として本実施形態では、補助車輪12,13とは逆の径差を有する別の一対の補助車輪を設けている。即ち、補助車輪12が小径、補助車輪13が大径の補助車輪1を設けたものである。
このカーブ部の波状摩耗部分を削正する際に用いることにより、さらに有効に波状摩耗部分の削正を行うことができる。また、上記別の補助車輪は、波状摩耗部分における振動を検出したときに使用するように構成してよい。
【0032】
次に、第5の実施形態について説明する。
この実施形態は、図6に示すように、補助車輪12,13を備えた車軸14を二組設けたものである。すなわち、一方のレール11に対して、径の大きな補助車輪12と径の小さな補助車輪13の両方が接することにより、補助車輪12または13とレール11との接触抵抗の差によって車両に生じるヨーイングモーメントや、付加荷重の反力などの車両に生じるアンバランスな外力を相殺することができ、研磨装置の使用にかかわらず、車両の安定走行を実現することができる。尚、図6の研磨装置のみならず、他の実施形態の研磨装置においても、研磨に伴って車両に作用するアンバランスな外力を相殺すべく、研磨装置を二組設けるようにしてもよいのはもちろんである。
【0033】
以上の各実施形態は、補助車輪12,13の径r1、r2を異ならせることによりすべりを発生させるようにした場合であるが、第6の実施形態として、補助車輪12,13を同一径とし、その回転比を変えることによってもすべりを発生させることができる。要するに、2つの補助車輪の回転周期を変えて2つの補助車輪にすべりが発生するようにすればよい。尚、上記回転比を変えるためには、例えば2つの補助車輪の間に変速機を介在させその変速比を変えて回転させる構成とすればよい。
尚、本実施形態においても第2〜4の実施形態の構成を適用できることはもちろんである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果を得ることができる。
例えば、互いの径を異ならせたり、あるいは回転比を異ならせたりすることにより周速を異ならせた複数の削正用車輪(補助車輪12,13)を設けたことにより、この周速の違いによってレールを転動する2つの削正用車輪にすべりが発生するので、削正用車輪とレールとの粘着係数を大きくすることができると共に、レールの金属疲労層、波状摩耗層、錆等を除去することができる。
【0035】
また、前記2つの削正用車輪のレール踏面にザラザラな粗面を形成したので、レール上の水膜等の夾雑物を確実に除去して粘着係数を大きくすることができる。
また、レール踏面に前記粗面を形成する手段を設けたので、必要に応じて粗面を形成して粘着係数の向上に寄与することができる。
また、削正用車輪の汚れ除去手段や研磨手段を設けたので、必要に応じて削正用車輪の汚れを除去したり、研磨することができ、削正用車輪を常に良好な状態に保つことができる。
【0036】
また、削正用車輪のレールに対する荷重を制御する荷重制御手段を設けたので、荷重を小さくして粘着係数を大きくするか、又は荷重を大きくして金属疲労層、波状摩耗層等、錆等を除去するか等、目的に応じて荷重を制御することができる。
また、振動検出手段を設け、レールの波状摩耗による振動が検出されたとき前記荷重制御手段は荷重を増大させるように構成したので、波状摩耗部を自動的に検出して削正することができる。
また、2つの削正用車輪の少なくとも一方をレールに対して昇降させる昇降制御手段を設けたので、使用しない削正用車輪をレールから引き上げておくことができる。
【0037】
また、2つの削正用車輪を車両に設けたので、その車両を走行させることにより、その車両についての粘着係数を向上させることができる。また、列車を運行させるだけでレール削正を行うことができる。
前記荷重制御手段は、前記車両の主輪の回転数と前記2つの削正用車輪の回転数を検出し、検出された各回転数に基づいて前記荷重を制御するので、目的に応じて適切な荷重を自動的に設定することができる。
また、実施形態で述べたように2つの削正用車輪を前記車両の台車枠の2つの主輪の軸箱を連結する梁に軸支したので、従来の車両の構造を有効に利用して簡単に取り付けることができる。
【0038】
また、前記車両が列車の先頭車両や先頭車両の前部に設けたことにより、その列車に対する粘着係数や適切な削正状態を得ることができ、より効果的である。また、2つの削正用車輪の各回転周期と逆の回転周期を有する別の2つの削正用車輪を設けたことにより、カーブ等の波状摩耗があるところで左右の経路差によりすべりが相殺されてしまうような場合にも、この別の2つの削正用車輪を用いることによって確実に波状摩耗を削正することができる。
また、軌道車両に前記レール削正装置を設けたことにより、その軌道車両についてのレール削正を行うことができる。列車の場合は、車両を営業運転しながら同時にレールの削正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態によるレール削正装置を示す側面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態によるレール削正装置を示す平面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態によるレール削正装置を示す正面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態によるレール削正装置の制御システムを示すブロック図である。
【図5】 本発明の第2実施形態によるレール削正装置の要部を示す側面図である。
【図6】 本発明の第5実施形態によるレール削正装置を示す平面図である。
【符号の説明】
1:車体、2:台車枠、4,5:主輪、12,13:補助車輪(削正用車輪)、16,17:荷重機構部、22,23,24:回転センサ、25:制御部、26:汚れ除去ブラシ、27:研磨剤ノズル、28,29:車輪修正子

Claims (11)

  1. 車両に支持されながらレールに接して該レールを研削する複数の削正用車輪と、該複数の削正用車輪を互いに異なる周速で連動回転させる連動機構とを有することを特徴とするレール削正装置。
  2. 前記削正用車輪の周速を異ならせるためにその外径を異ならせたことを特徴とする請求項1記載のレール削正装置。
  3. 前記削正用車輪の周速を異ならせるために前記連動機構により各削正用車輪の回転数を異ならせたことを特徴とする請求項1記載のレール削正装置。
  4. 前記削正用車輪のレール踏面が粗面加工されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載のレール削正装置。
  5. 前記レール踏面に前記粗面を形成する手段をさらに設けたことを特徴とする請求項4記載のレール削正装置。
  6. 前記削正用車輪の汚れ除去手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載のレール削正装置。
  7. 前記削正用車輪のレールに対する荷重を制御する荷重制御手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載のレール削正装置。
  8. 削正用車輪の振動検出手段を設け、振動が検出されたとき前記荷重制御手段が荷重を増大させることを特徴とする請求項7記載のレール削正装置。
  9. 前記2つの削正用車輪の少なくとも一方を昇降させる昇降制御手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一記載のレール削正装置。
  10. 前記荷重制御手段は、前記車両の主輪の回転数と前記2つの削正用車輪の回転数を検出し、検出された各回転数に基づいて前記荷重を制御することを特徴とする請求項9記載のレール削正装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のレール削正装置を有する鉄道車両。
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