JP3917083B2 - 液体処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水等の液体を磁化する液体処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特公平3−2032号公報
【特許文献2】
特公平3−2033号公報
【特許文献3】
特開平7−241566号公報
【特許文献4】
特開平9−225459号公報
【特許文献5】
特開平10−85757号公報。
【0003】
たとえば、建築物等における給水(給湯)用の配管は、長年使用している間に管の内壁が腐食されて赤錆が発生したり、また水中の不純物が沈着したりして管の内径がしだいに小さくなり、水圧が低下するとともに、いわゆる赤水が発生し、最後には水漏れ、断水等が起こるようになる。これらを防止するために従来採用されている工法には、圧縮空気でけい砂等を吹き込んで赤錆等を削り落とした後に、エポキシ樹脂等でライニング処理を行なう工法や、化学的な手段で赤錆等を除去した後に、ライニング処理を行なう工法等がある。
【0004】
しかしながら、給水(給湯)用の配管は長く、また屈曲部位を有しているのが普通であり、これら屈曲部位を有する長い管内から赤錆等を完全に除去し、かつ均一にライニング処理することは困難であり、赤錆が残留した箇所や不完全にライニング処理された箇所から再び赤錆が発生するという問題があった。また、これら工法による場合はいずれも長期にわたり断水させなければならないという問題や費用がかかる等の問題があった。
【0005】
そこで、近年長期にわたり断水させることなく工事を行なうことができ、水質についての問題もなく、かつ費用も安価であるということから磁気処理工法が採用されつつある。この磁気処理工法は、給水(給湯)設備に磁石を設け、供給水を磁極間に通して磁気的に処理し、そしてその磁気処理した供給水を配管中に通すことにより管の内壁に形成された赤錆等を除去し、また赤錆の発生や不純物の沈着を防止するものである。
【0006】
このように、磁気処理した水を配管中に通すことによりなぜ配管内壁の赤錆が除去されるのか、またなぜ赤錆の発生や不純物の沈着が防止されるのかについては学問上の最終的な見解は示されてはいない。しかし、水を磁界中に通すことによって水に含まれている不純物、すなわちイオンの形で存在する電解質や、分子の形で存在する非電解質や微小分散性の固体粒子や、溶解したガス等が磁気的、電気的作用を受け、物理的、化学的な変化を受けるためではないかと考えられている。
【0007】
また、ボイラーでの燃焼効率を高め、煤塵を減少させる等の効果を奏するために、またヂーゼルエンジン等のエンジンでの燃費を下げるために、重油、ヂーゼル油等の燃料油を磁気処理することも行なわれてきており、燃料油を磁気処理することにより、なぜボイラーでの燃焼効率が高められ、煤塵を減少させることができるのか、またなぜヂーゼルエンジン等のエンジンでの燃費を下げることができるのかについても解明されていないが、燃料油を磁気処理することによって燃料の微細化が促進されるためであると考えられている。
【0008】
図6は特許文献4に示された従来の液体処理装置の一部を示す概略図、図7は図6に示した液体処理装置の磁化処理装置の一部を示す断面図、図8は図7に示した磁化処理装置の蓋を示す図である。図に示すように、ハウジング1内に磁気処理装置2が設けられ、磁気処理装置2の多数の小孔(図示せず)を有する多孔筒状体3の外側には螺旋構造体4が設けられ、多孔筒状体3の両端に蓋5が設けられ、蓋5の中央の孔には長尺ボルト6の端部が貫通し、長尺ボルト6の蓋5から突出した端部の雄ネジ部にナット7が螺合し、蓋5に孔8が設けられ、長尺ボルト6に孔10が設けられた磁極板9、磁石11およびスペーサ12が取り付けられている。すなわち、磁極板9、磁石11およびスペーサ12に設けられた孔内を長尺ボルト6が貫通している。そして、磁極板9の両側に磁石11が位置しており、磁石11の磁極板9が接した面とは反対側の面の間にスペーサ12が位置している。また、磁極板9の両側の磁石11の磁極板9側の磁極は同一であり、スペーサ12の両側の磁石11のスペーサ12側の磁極は相違する。
【0009】
この液体処理装置においては、ハウジング1の一方端から他方端にたとえば水を流すと、水は磁気処理装置2によって磁化される。この場合、孔8から多孔筒状体3内に入った水は孔10、8を通過して多孔筒状体3の外に出る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような液体処理装置においては、十分に液体を磁化することができるが、さらに有効に液体を磁化することができる液体処理装置が望まれている。
【0011】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、さらに有効に液体を磁化することができる液体処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明においては、液体を磁化する液体処理装置において、ハウジング内に棒体が貫通した複数の磁石を有する磁気処理装置を設け、上記棒体が貫通しかつ磁性体からなる複数の磁極板を設け、上記棒体が貫通しかつ非磁性体からなる複数のスペーサを設け、上記磁極板の両側に上記磁石を設け、上記磁石間に上記スペーサを設け、上記磁極板の両側の磁石の上記磁極板側の磁極を同一とし、上記磁石の外側に螺旋線材を設ける。
【0013】
この場合、上記磁石を覆うカバーを設けてもよい。
【0014】
これらの場合、上記スペーサの両側の上記磁石の上記スペーサ側の磁極を同一としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る液体処理装置を示す概略図、図2は図1に示した液体処理装置の磁気処理装置の一部を示す図、図3は図2に示した磁気処理装置の支持板を示す図である。図に示すように、ハウジング21内に磁気処理装置22が設けられ、磁気処理装置22の磁性体あるいは非磁性体からなるヨーク管33の両端に非磁性体からなる円板状の支持板29が設けられ、支持板29を非磁性体からなる長尺ボルト23が貫通しており、長尺ボルト23の支持板29から突出した端部の雄ネジ部にナット30が螺合し、支持板29に孔31が設けられている。また、長尺ボルト23が磁性体からなる複数の円板状の磁極板24、複数の円柱状の磁石25、非磁性体からなる複数のカバー26、非磁性体からなる複数の円板状のスペーサ27、非磁性体からなる2個の円板状のスペーサ28を貫通している。すなわち、磁極板24、磁石25およびスペーサ27、28に設けられた孔内を長尺ボルト23が貫通している。また、磁極板24、磁石25、カバー26、スペーサ27、28はヨーク管33内に位置しており、磁極板24の両側にそれぞれ2個の磁石25が設けられ、上記2個の磁石25のうちの磁極板24側とは反対側の磁石25間にスペーサ27が設けられ、支持板29と端のカバー26との間にスペーサ28が設けられ、磁極板24の両側の磁石25の磁極板24側の磁極が同一であり、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極が同一である。また、有底円筒状のカバー26は2個の磁石25を覆っており、カバー26の開口部は磁極板24側に位置しており、カバー26の底部はスペーサ27と接している。また、磁極板24、磁石25、カバー26、スペーサ27の外側に磁性体からなる螺旋線材32が設けられ、螺旋線材32はヨーク管33内に位置している。そして、長尺ボルト23、磁極板24、磁石25、カバー26、スペーサ27、螺旋線材32、ヨーク管33等により磁気処理装置22が構成されている。
【0016】
この液体処理装置においては、ハウジング21の一方端から他方端にたとえば水を流すと、水は磁気処理装置22によって磁化される。この場合、孔31からヨーク管33内に入った水は孔31を通過してヨーク管33の外に出る。そして、ヨーク管33内に入った水は螺旋線材32に沿って螺旋状に流れる。
【0017】
このような液体処理装置においては、磁石25の外側に螺旋線材32を設けているから、有効に液体を磁化することができる。また、磁石25を覆うカバー26を設けているから、さらに有効に液体を磁化することができる。また、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極を同一としているから、さらに有効に液体を磁化することができる。
【0018】
発明者らが図4に示す磁石組立体において、磁極板24の両側の磁石25の磁極板24側の磁極を同一とし、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極を同一としたときのA〜I部の磁束密度を測定したところ、2240、1869、4110、1927、4460、2200、4460、2260、4660G(0.224、0.1869、0.411、0.1927、0.446、0.22、0.446、0.226、0.466T)であった。これに対して、図4に示す磁石組立体の磁石25の外側に螺旋線材32を設けたときのA〜I部の磁束密度を測定したところ、3130、2760、5430、2790、6430、3240、6490、3290、6540G(0.313、0.276、0.543、0.279、0.643、0.324、0.649、0.329、0.654T)であった。したがって、図4に示す磁石組立体において、磁石25の外側に螺旋線材32を設けないときの磁束密度の平均は約3130G(0.313T)であるのに対して、磁石25の外側に螺旋線材32を設けたときの磁束密度の平均は4460G(0.446T)であり、磁石25の外側に螺旋線材32を設けたときの磁束密度の平均は磁石25の外側に螺旋線材32を設けたときの磁束密度の平均の約1.5倍である。このことから、磁石25の外側に螺旋線材32を設けたときには有効に液体を磁化することができることは明らかである。
【0019】
また、発明者らが図5(a)に示すカバー26を有しない磁石組立体のJ部の磁束密度を測定したところ、4630G(0.463T)であった。また、図5(b)に示す片側にカバー26を有する磁石組立体のK部の磁束密度を測定したところ、5020G(0.502T)であった。このことから、磁石25を覆うカバー26を設けたときにはさらに有効に液体を磁化することができることは明らかである。
【0020】
また、発明者らが図4に示す磁石組立体において、磁極板24の両側の磁石25の磁極板24側の磁極を同一とし、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極を相違させたときのA〜I部の磁束密度を測定したところ、3000、463、5330、311、4860、297、5300、233、4850G(0.3、0.0463、0.533、0.0311、0.486、0.0297、0.53、0.0233、0.485T)であった。したがって、図4に示す磁石組立体において、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極を相違させたときの磁束密度の平均は約2740G(0.274T)であるのに対して、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極を同一としたときの磁束密度の平均は上述の如く約3130G(0.313T)である。このことから、スペーサ27の両側の磁石25のスペーサ27側の磁極を同一としたときにはさらに有効に液体を磁化することができることは明らかである。
【0021】
なお、上述実施の形態においては、ハウジング21内に1個の磁気処理装置22を設けたが、ハウジング内に複数個の磁気処理装置を設けてもよい。また、上述実施の形態においては、棒体として長尺ボルトを用いたが、長尺ボルト以外の棒体を用いてもよい。また、上述実施の形態においては、カバー26内に2個の磁石25を設けたが、カバー内に3個以上(複数)の磁石を設けてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る液体処理装置においては、磁石の外側に螺旋線材を設けているから、有効に液体を磁化することができる。
【0023】
また、磁石を覆うカバーを設けたときには、さらに有効に液体を磁化することができる。
【0024】
また、スペーサの両側の磁石のスペーサ側の磁極を同一としたときには、さらに有効に液体を磁化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体処理装置を示す概略図である。
【図2】図1に示した液体処理装置の磁気処理装置の一部を示す図である。
【図3】図2に示した磁気処理装置の支持板を示す図である。
【図4】本発明に係る液体処理装置の効果を確認するための磁石組立体を示す図である。
【図5】本発明に係る液体処理装置の効果を確認するための磁石組立体を示す図である。
【図6】従来の液体処理装置の一部を示す概略図である。
【図7】図6に示した液体処理装置の磁化処理装置の一部を示す断面図である。
【図8】図7に示した磁化処理装置の蓋を示す図である。
【符号の説明】
21…ハウジング
22…磁気処理装置
23…長尺ボルト
24…磁極板
25…磁石
26…カバー
27…スペーサ
32…螺旋線材
Claims (3)
- 液体を磁化する液体処理装置において、ハウジング内に棒体が貫通した複数の磁石を有する磁気処理装置を設け、上記棒体が貫通しかつ磁性体からなる複数の磁極板を設け、上記棒体が貫通しかつ非磁性体からなる複数のスペーサを設け、上記磁極板の両側に上記磁石を設け、上記磁石間に上記スペーサを設け、上記磁極板の両側の磁石の上記磁極板側の磁極を同一とし、上記磁石の外側に螺旋線材を設けたことを特徴とする液体処理装置。
- 上記磁石を覆うカバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体処理装置。
- 上記スペーサの両側の上記磁石の上記スペーサ側の磁極を同一としたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体処理装置。
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