JP3913565B2 - 屋根における棟木用支持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根における棟木を支持(固設)する棟木用支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の屋根における棟木を支持する棟木用支持具にあっては、屋根の下地材側に固定される開脚固定部と棟木を所定の高さに支持する支持部とを一体的に形成され、該棟木の支持(固設)に供しているが、この構造の棟木用支持具は、開脚固定部と支持部とが一体に形成されているため、屋根における棟木の架設高さが種々異なる態様に対応する場合には、その高さに対応するそれぞれの棟木用支持具を必要とするものであった。
そこで、開脚固定部と支持部とを上下に二分割して形成し、その結合に際して上下方向の長さを可変できる構造のものが案出されており、その構造としては、例えば、開脚固定部側と支持部側とを上下方向にスライドできるように構成し、そのスライド重合部の一方に複数個の嵌合孔を上下方向に所定の間隔で形成するとともに、他方に該複数個の嵌合孔に選択的に合致される一個の嵌合孔を形成し、選択して合致された両嵌合孔にボルト(ビス)、ナット等の締結手段により連結固定するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したものにあっては、開脚固定部側と支持部側とを上下方向にスライドできるように構成して、該開脚固定部側と支持部側との間の長さを可変調節できるものの、両者を連結固定する場合、いちいちボルト(ビス)、ナット等の締結手段を用いなくてはならず、その作業が非常に面倒で煩わしいものであった。
そこで、本発明は、支持片部を有する上主体部と、開脚片部を有する下主体部との連結固定を簡単かつ容易に行なうことができる屋根における棟木用支持具を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を達成するために、請求項1に記載された発明は、屋根における棟木を支持する棟木用支持具であって、
該棟木用支持具の主体部を、上部に棟木の幅方向部位を支持する支持片部が形成されかつ該支持片部から下方に所定長さの上連結片部が延出された上主体部と、下部に屋根の下地材側に固定される開脚片部が形成されかつ該開脚片部から上方に前記上主体部の上連結片部と連結される所定長さの下連結片部が延出された下主体部とから分割形成し、
前記上主体部の上連結片部と下主体部の下連結片部の中央部には、端面から上下方向に互いに差込み可能なスリットをそれぞれ形成し、
前記下主体部の下連結片部または前記上主体部の上連結片部には、複数列の係合部が所定の間隔をおいて複数個形成され、
前記上主体部の上連結片部または前記下主体部の下連結片部には、前記係合部に対し互いに相反する方向から係脱する複数個の係止部が形成され、
下主体部の下連結片部と上主体部の上連結片部とを、前記係合部と係止部とを互いに相反する方向から係合して、下主体部に対する上主体部の高さ調整可能に結合してなるを要旨とする。
【0005】
上記した構成によれば、下主体部の下連結片部と上主体部の上連結片部をその端面から長手方向に差込むとともに、この状態で該差込み方向と直交する方向に回動してその複数の係止部のうち所望の一の係止部に対し係合部を係合して両者を連結係合することができる。
そして、複数の係止部において、その一を選択して係合部を係合することにより、下主体部の開脚片部に対する上主体部の支持片部の高さ位置(下主体部の開脚片部と上主体部の支持片部との長さ)を任意に調節し得、異なる高さ位置に架設される棟木の支持に対応することができる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の屋根における棟木用支持具であって、係合部と係止部は、一方がくり貫き孔でありかつ他方が該くり抜き孔に対応して係脱する突起であることを要旨とする。
【0007】
上記した構成によれば、係合部と係止部との係合動作を簡単かつ容易になし得、その係合状態の確実化を図るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図にしたがって詳述する。
図において、棟木用支持具1は、全体を上主体部2と下主体部3とから2分割されて構成されている。
【0009】
上主体部2の上半分は、上端部からほぼ中央部位にかけて左右に2分して該2分された左右のそれぞれの片を相反する方向(外側方向)にほぼ直角状に折り曲げるとともに、該折り曲げた片のほぼ先端部位を再度内方にほぼ直角状に折り曲げて全体として上方を開放した樋状の支持片部4が形成されている。なお、支持片部4の幅は、棟木の幅方向部位を支持し得る長さに形成されている。
【0010】
また、上主体部2の下半分は、平板状の上連結片部5となして前記支持片部4から垂下状に形成されていて、その中央部位には下端縁から所定の長さ差込み用のスリット6が形成され、該スリット6を挟んで両側に分割されたそれぞれの上連結片部5の下端部には互いに相反する横方向の突起状の係止部7、7が所定の長さ折り曲げ形成されている。
【0011】
なお、支持片部4の両側の立上げ片には支持した棟木Wを釘着等する釘孔8、8が貫設されている。
【0012】
前記下主体部3の下半分は、下端部からほぼ中央部位にかけて左右に2分して該2分された左右のそれぞれの片を外側の折り曲げてほぼハの字状の開脚片部9が形成されている。
【0013】
また、下主体部3の上半分は、平板状の下連結片部10となして前記開脚片部9から垂立状に形成されていて、その中央部位には上端縁から所定の長さ差込み用のスリット11が形成され、該スリット11を挟んで両側に分割されたそれぞれの下連結片部10には長溝状の係合部12〜12が長手方向に所定の間隔をおいて多数個貫設されている。
【0014】
なお、スリット11を挟んで両側に分割された下連結片部10は、そのスリット11の下部に位置された連結片10aにより前記上主体部2の上連結片部5の板厚に相当する分だけずれて該スリット11の両側に位置されるものである。
【0015】
しかして、上主体部2と下主体部3との両者の結合に際しては、該上主体部2における上連結片部5のスリット6と下主体部3における下連結片部10のスリット11とを合せるともに、その上連結片部5のスリット6内には下主体部3の下連結片部10を、また、下連結片部10のスリット11内には上主体部2の上連結片部5をそれぞれ差込み、該状態から上連結片部5或いは下連結片部10を相対的にほぼ45度回動して、該上連結片部5の突起状の係止部7、7を下連結片部10の長溝状の係合部12〜12に互いに相反する方向から係合して上主体部2と下主体部3との両者を結合するものである。
【0016】
この場合、長溝状の係合部12〜12に対する突起状の係止部7、7の係合位置を適宜選択して設定することにより、下主体部3の開脚片部9に対する上主体部2の支持片部4の高さ位置、すなわち、下主体部3の開脚片部9と上主体部2の支持片部4との長さを任意に調節設定し得るものである。
【0017】
なお、下主体部3の開脚片部9には、屋根の下地材、例えば、野地板等に対して該開脚片部9を釘着等する釘孔13〜13が貫設されている。
【0018】
上述のように構成された棟木用支持具1にあっては、2分割された一方の下主体部の開脚片部9を、屋根の野地板等の下地材に対してその釘孔13〜13を利用して釘着等して固定する。
【0019】
この状態において、下主体部3における下連結片部10のスリット11と他方の上主体部2における上連結片部5のスリット6とを合せるともに、その上連結片部5のスリット6内には下主体部3の下連結片部10を、また、下連結片部10のスリット11内には上主体部2の上連結片部5をそれぞれ差込み(図4A参照)、この状態から上連結片部5をほぼ45度回動して、該上連結片部5の突起状の係止部7、7を下連結片部10の長溝状の係合部12〜12に互いに相反する方向から係合して上主体部2と下主体部3との両者を結合する(図4B参照)、すなわち、上主体部2の上連結片部5と下主体部3の下連結片部10とを連結するものである。
【0020】
この場合、長溝状の係合部12〜12に対する突起状の係止部7、7の係合位置を適宜選択することにより、下主体部3の開脚片部9に対する上主体部2の支持片部4の高さ位置、すなわち、下主体部3の開脚片部9と上主体部2の支持片部4との長さを任意に調節設定し得るものである。(図3参照)
【0021】
上記状態において、上主体部2における支持片部4は、屋根の棟部位に架設される棟木Wの幅方向部位を支持し得る方向に整合されるものである。
【0022】
そして、上記と同様にして他の棟木用支持具1を固定し、両棟木用支持具1における上主体部2の支持片部4により屋根の棟部位に架設される棟木Wの幅方向部位を支持する。
【0023】
この状態において、上主体部2は、下主体部3に対する回動、すなわち、突起状の係止部7、7が長溝状の係合部12〜12より離脱しようとする方向への回動が阻止されるため、その両者の係合状態が確実なものとなり、上主体部2と下主体部3との結合、すなわち、上主体部2の上連結片部5と下主体部3の下連結片部10との連結状態の強化並びに確実化することができる。(図4C参照)
【0024】
本実施の形態においては、棟木用支持具1を上主体部2と下主体部3との2分割して形成したことにより、下主体部3をそのまま共通として、上主体部2の上連結片部5の長さを種々変えた該上主体部2を用意するのみ種々の長さ(高さ)に対応する棟木用支持具1を得ることができる。
【0025】
また、棟木用支持具1を構成する下主体部3を2個以上重ねた状態とすることが可能であり、棟木用支持具1としての各下主体部3の梱包容積をコンパクトになし得るものである。
【0026】
なお、上述した実施の形態においては、上主体部2における上連結片部5に突起状の係止部7、7を形成し、下主体部3における下連結片部10に長溝状の係合部12〜12を形成したが、これとは逆に上連結片部5に長溝状の係合部12〜12を形成し、下主体部3における下連結片部10に突起状の係止部7、7を形成してもよい。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明は、下主体部の下連結片部と上主体部の上連結片部をその端面から長手方向に差込むとともに、この状態で該差込み方向と直交する方向に回動する操作により、その複数の係止部のうち所望の一の係止部に対し係合部を係合して両者を連結係合することができ、その連結固定を簡単かつ容易に行なうことができる。
【0028】
また、複数の係止部において、その一を選択して係合部を係合することにより、下主体部の開脚片部に対する上主体部の支持片部の高さ位置(下主体部の開脚片部と上主体部の支持片部との長さ)を任意に調節し得、異なる高さ位置に架設される棟木の支持に対応することができる。
【0029】
請求項2の発明は、係合部と係止部との係合動作を簡単かつ容易になし得、その係合状態の確実化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を示す棟木用支持具の斜視図である。
【図2】同じく、使用状態を示す正面図である。
【図3】同じく、使用状態を示す側面図である。
【図4】(A)、(B)、(C)は使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 棟木用支持具
2 上主体部
3 下主体部
4 支持片部
5 上連結片部
7 係止部
9 開脚片部
10 下連結片部
12 係合部
Claims (2)
- 屋根における棟木を支持する棟木用支持具であって、
該棟木用支持具の主体部を、上部に棟木の幅方向部位を支持する支持片部が形成されかつ該支持片部から下方に所定長さの上連結片部が延出された上主体部と、下部に屋根の下地材側に固定される開脚片部が形成されかつ該開脚片部から上方に前記上主体部の上連結片部と連結される所定長さの下連結片部が延出された下主体部とから分割形成し、
前記上主体部の上連結片部と下主体部の下連結片部の中央部には、端面から上下方向に互いに差込み可能なスリットをそれぞれ形成し、
前記下主体部の下連結片部または前記上主体部の上連結片部には、複数列の係合部が所定の間隔をおいて複数個形成され、
前記上主体部の上連結片部または前記下主体部の下連結片部には、前記係合部に対し互いに相反する方向から係脱する複数個の係止部が形成され、
下主体部の下連結片部と上主体部の上連結片部とを、前記係合部と係止部とを互いに相反する方向から係合して、下主体部に対する上主体部の高さ調整可能に結合してなる屋根における棟木用支持具。 - 請求項1に記載の屋根における棟木用支持具であって、前記係合部と係止部は、一方がくり貫き孔でありかつ他方が該くり抜き孔に対応して係脱する突起である屋根における棟木用支持具。
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2002
- 2002-02-01 JP JP2002025758A patent/JP3913565B2/ja not_active Expired - Lifetime
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