JP3913246B2 - バーンポンド用バブルキャップ - Google Patents

バーンポンド用バブルキャップ Download PDF

Info

Publication number
JP3913246B2
JP3913246B2 JP2004338887A JP2004338887A JP3913246B2 JP 3913246 B2 JP3913246 B2 JP 3913246B2 JP 2004338887 A JP2004338887 A JP 2004338887A JP 2004338887 A JP2004338887 A JP 2004338887A JP 3913246 B2 JP3913246 B2 JP 3913246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bubble cap
barn
gas
wave
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004338887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006145166A (ja
Inventor
正雄 服部
潤一 杉本
誠朗 伊藤
秀樹 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2004338887A priority Critical patent/JP3913246B2/ja
Publication of JP2006145166A publication Critical patent/JP2006145166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3913246B2 publication Critical patent/JP3913246B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Incineration Of Waste (AREA)

Description

本発明は、水素や天然ガスなどの可燃性ガスを扱う設備から排出される可燃性ガスをバーンポンドで燃焼させて安全に廃棄処理するために使用されるバブルキャップに関し、特にロケット発射装置などで発生する低背圧大流量の可燃性ガスを処理するのに適したバブルキャップに関する。
試験設備などから放出される可燃性ガスは、種々の設備により廃棄処理される。小流量のガスはベントスタックで空中に放出する方法やフレアースタックにより燃焼処理する方法によることが普通であるが、大流量の可燃性ガスについてはバーンポンドを用いて燃焼処理するバーンポンド方式が安全性が高く実績も多い。
バーンポンド方式は、池の中に設けられた配管から可燃性ガスを吹き出し水面上で燃焼させるもので大量のガスを処理することができる上、水封効果で逆火を防ぐ安全性の高い燃焼処理方法である。
バーンポンド方式には、主に背圧制限がない場合に採用される下向き吹き出し型と、低背圧の場合に使用できるバブルキャップ型がある。
図12は従来のバブルキャップ方式バーンポンドの概略構造を示す側面図面、図13はバブルキャップの構造を説明する側面図である。
設備から放出される可燃性ガスは、水を張ったバーンポンド中に設けられたガスヘッダに配管で導かれ、ガスヘッダに直立して設けられた多数の放出管から放出される。放出管は水面より上に突出していて、上からバブルキャップが被されている。バブルキャップは上面が塞がれ下面が開放された断面円形の円筒形状をし、作動中は裾が水中に没していて、裾の全周に亘る水中に没する部分に多数のスリットが形成されている。スリットの上端部の位置は、確実な水封効果が得られる範囲で背圧を極力小さくするように決められるが、たとえばロケット発射装置では水面から40mmないし50mmの深さに選択されている。
放出管から放出された可燃性ガスは、バブルキャップ内の水を押し下げて、水面がスリットに達すると、スリットをくぐってバブルキャップから外に出て泡となってバーンポンドの水面上に浮上し、パイロットバーナーの火あるいは周囲で燃焼しているガスの火を引火して燃焼する。水面上で燃焼する火は水により絶縁されているので、バブルキャップ内の可燃性ガスに火が付くことはなく、勿論、配管中の可燃性ガスに逆火することもないので、安全である。
液体水素を使用する設備では、気化して不要となった大量の低圧水素ガスの処理方法が問題となる。
ロケット関連設備では、その不要な水素ガスをバブルキャップ式バーンポンドに導き安全に燃焼処理する方法が採用されている例がある。
このように大量の低圧な可燃性ガスを従来のバブルキャップ方式バーンポンドで燃焼処理しようとすると、放出管とバブルキャップのセットを多数並べた大きな池を準備しなければならない。このため、設備構成部品が多くなり、故障発生の確率が高くなって、建設コストおよびメンテナンスコストが大きくなる。しかも、大流量時に対処する容量を備えるばかりでなく、小流量時にも完全に燃焼させることが可能な高度な設備としなければならない。
コストを削減するひとつの対策は、放出管と対になる1個ずつの放出管バブルキャップを大型化することである。しかし、円形断面をそのまま拡大しても、外周に設けるスリットの数は径に比例するので面積効率は顕著には向上しない。そこで、放出管に設けるバブルキャップの平面形状を長方形あるいは長円形など細長い形状にして放出管当たりのスリット数を増加させ、このバブルキャップを平行に多数設置することにより、面積効率を向上させバブルキャップの数を抑制することが考えられる。
しかし、図14に示すような長さが2m程度ある長方形の大型バブルキャップを実作して運転してみると、裾が水中にあるのに対してバブルキャップの背中は水面上にあってガス燃焼熱で熱せられるため熱応力が大きく、短時間でバブルキャップの背中にクラックが発生して短寿命化する問題が発生した。
また、図15に示すように、運転に伴ってバブルキャップの側面に波が生じ、スリット位置により水深が変動して背圧が変化するため、スリット毎に可燃性ガス放出量に変動が生じて燃焼ムラが起こり易く、放出量の変動がさらに波を増幅して障害を大きくする現象が生じた。顕著な場合には、スリットが水面上に現れて可燃性ガスが直接大気中に放出されたりする現象も発生し、安定した燃焼による安全な処理を行うことが困難になった。
なお、発明者らの調査によっては、低背圧大流量の可燃性ガスを処理するために使用するバーンポンドの問題点や解決策について記載した文献を見出すことはできなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、大流量の低背圧可燃性ガスの燃焼処理を可能とするため、大流量に対応する低コストで長寿命な大型のバーンポンド用バブルキャップを提供することである。
上記課題を解決するため本発明のバーンポンド用バブルキャップは、細長い形状を有する天板部と天板部の端縁を巡るスカート部を備え、天板部に放出管の径より内径が大きい突出部を少なくとも1個備え、スカート部に縦長のスリットを並列に設けたもので、天板部の突出部以外の領域の一部が水面下に没するように設置して使用する水没型バブルキャップであることを特徴とする。
本発明のバブルキャップは、細長い天板部を有しスカート部の周が長いため極めて多数のスリットを設けることができるから、バーンポンドに放出する可燃性ガス量は従来のものと比較して著しく増大する。しかも、天板部の領域の一部は水没しており、水面上に現れる部分が可燃性ガスが燃焼する位置から離れており、加えて、放出管からのガスにより内面から冷却される効果もあるため、極端に昇温することがなく、バブルキャップに生じる熱応力は低減されて、熱変形に起因する亀裂などが生じにくい。
なお、天板部は突出部を除いた殆どが水没していることが好ましい。
特に、天板部の軸線に沿って盛り上がり側部に低くなるような峰形状を有するようにすると、天板部の軸部分は水面上に残っても側部は水没するように設置することができるため、露出部分がバーンポンド水面上で燃焼する炎から十分離れて熱の作用を確実に低減させることができる。
なお、放出される可燃性ガスの圧力は低いので、排出される施設に逆流しないためには、バブルキャップ中のガス圧力が十分低くなっている必要があるので、スリットの上端の深さは条件に合わせた所定の値に管理しなければならない。たとえば、人工衛星打ち上げ用ロケットについては40〜50mmH2Oの低ヘッドであることが要求されるので、スリットの上端位置が水面下40〜50mmになるように開孔する。すると、天板部の殆どが水面下にあるのであるから、放出管から放出される可燃性ガスがスリットに到達するまでの輸送経路の天井は極めて低く断面積は小さくなる。
これに対して、天板部を峰形状を有する屋根型に形成することは、スリットまでの輸送経路の断面積が拡大してガス輸送量が増加する効果もあって好ましい。
また、先に説明したとおり、細長いバブルキャップを用いるとスリットから放出される可燃性ガス量にムラが生じて、一部のガスが大塊になって水面に浮上するので波が出やすい。特に、長いバブルキャップに挟まれた水面では共鳴に似た現象も生じて大きな波となりやすい。さらに、バブルキャップを多数並列に並べた構成では、互いに干渉して増幅するので発生した波はなかなか消えない。
バブルキャップの側面に波があると、スリット毎に水深が異なり背圧が変化するため、水深が浅くなったスリットから選択的にガスが放出されて燃焼ムラが生じ、また燃焼する位置が転々と移動する現象が生じたり、失火することもある。さらに波が大きくなると、スリットが一時的に大気に曝される状態となり、逆火や可燃性ガスが直接大気中に放出される現象も生じる可能性があり、安全性が低下することにもなる。
そこで、本発明のバブルキャップは、消波装置を側面に設置して、造波作用を低減するように構成してもよい。
消波装置は、パンチングメタルなど小さな穴あるいはスリットを多数設けた金属平板などが使えるが、特に、安価で入手容易な金網を使用することが好ましい。平板や金網の細孔により、スリットから放出された可燃性ガスの塊を砕いて細粒化することにより、波の発生を抑制することができる。
消波装置は、スリット上端以上水面以下の位置に設ければよいが、特に、水面下、水面すれすれの位置に設置することが好ましい。水面すれすれに障害物を設けることにより、水の動きを妨げて波の発生と発達を抑制する効果も発生する。
また、本発明の水没型バブルキャップの構造では、スリットまでの可燃性ガス輸送経路の断面積が小さい上、下面が水面になっているため、可燃性ガスが輸送路を通るときに強い抵抗に対して輸送路を押し広げる作用が発生して、バブルキャップ内の水面に波を起こす現象が発生する。輸送路内の波が発達して大きくなると、可燃性ガスの流通が妨げられ、スリットからのガス放出にムラが生じたり、波が天井に達すると下流側にあるスリットへの可燃性ガスの供給が中断したりして、安定で安全な燃焼処理ができなくなる。
そこで、本発明のバブルキャップは、内部に造波防止装置を設置して、バブルキャップ内の造波作用を低減するように構成することが好ましい。
造波防止装置は、平板を落し蓋のように周囲を空けて設置したものや、小さな穴あるいはスリットを多数設けた平板を固定したもの、金網を用いたものなどであってもよい。これらは、内水面に波ができるときに、水の造波運動に抵抗する構造体となる。
造波防止装置は、バブルキャップの裾部のスリットの上端位置の深さ辺りに設けることが好ましい。キャップ内の水面は、ガス放出中はスリット上端位置近傍に形成されるからである。
バブルキャップ内に造波防止装置を設けることにより、ガス流量が大きくなっても、ガスの流路を確実に確保して、安定した燃焼処理を行うことができる。
なお、本発明の細長いバブルキャップは、僅かに傾けて設置することにより裾部に設けたスリットの上端の深さが変化して背圧がスリット毎に徐々に変化するので、施設から放出される可燃性ガスの流量が大きいときには大多数のスリットから水中にガスが放出され、小さいときには浅い方のスリットからのみガスが放出されるようになる。したがって、ガス供給量に合わせて自動的に流量調整され適切な燃焼処理を行うことができる。
また、放出ガスが増加する場合には浅い方のスリットから順次点火する領域が広がっていき、放出ガスが減少する場合には深い方のスリットから順次消火するので安全である。
以下、実施例に基づき、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係るバブルキャップの設置状態を示す正面図、図2は本実施例のバブルキャップを設置したバーンポンドを模式的に表した平面図、図3は本実施例のバブルキャップの変形例を示す側面断面図、図4は本実施例のバブルキャップの設置例を示す正面図である。
本実施例のバブルキャップ10は、縦長の天井付き覆い体で、細長い天板11とスカート板12とシリンダー状突起13で形成される。シリンダー状突起13は天井が付いていて底板が無く天板11に開けた穴のところに設けられている。また、スカート板12は天板11の側縁から垂れて天板11を取り囲むように設けられていて、側面に縦長のスリット14が多数並列に設けられている。バブルキャップ10の底面は開放されているが、一部に底板が設けられていてもよい。
天板11は、面積当たりの辺長が長ければよいので、長円形などであってもよいが、製造の便宜や費用の観点から、ほぼ長方形であることが好ましい。
シリンダー状突起13は、内径が放出管22の外径より大きく放出管22を挿入したときに放出管22の周囲にガスが流通する十分な隙間が生じるように形成されている。また、シリンダー状突起13は、天板11の中心付近に設けてもよいが、一方の端部の近くに設けてもよい。
なお、バブルキャップ10に複数の突起13を設けて、2個以上の放出管22から可燃性ガスの供給を受けることもできる。
バーンポンド20の底には放出管ヘッダ21が配置されている。放出管ヘッダ21は、ガス供給配管の先端に設けられ、図外の可燃性ガスを使用する施設から放出された可燃性ガスが搬送されてくる。放出管ヘッダ21には、多数の垂直な放出管22が放出管ヘッダ21を挟んでほぼ等間隔に取付けられている。放出管22は、バーンポンドに水を張ったときに先端が水面より突出して管内に水が入らないように設置されている。
バブルキャップ10は、シリンダー状突起13が放出管22の放出口を隙間を介して覆い、放出管22から放出される可燃性ガスが突起13によって天板11の内側に導かれるように設置される。
図2に示したバーンポンド20では、放出管22は放出管ヘッダ21を挟んでそれぞれ同じ位置に設けられ、それぞれのバブルキャップ10は、端部に設けられた突起13を放出管22に被せて、放出管ヘッダ21に対して垂直の方向に延設して櫛の歯のように配設されている。
なお、図示しないが、バブルキャップ10の端部にパイロットバーナが設けられていて、着火を容易にすると共に失火を防止している。
バーンポンド20は、放出管22の先端が水没しない所定の高さまで水を張った状態で可燃性ガスを燃焼処理するが、本実施例のバブルキャップ10は、天板11が水張りした水に殆ど水没するように設置される。
また、スカート板12の側面に設けるスリット14の上端の深さが水中に放出するときのガスの圧力に相当する。この圧力が、可燃性ガスが発生する施設からの放出圧力と必要流量の時の搬送抵抗により決まる圧力より小さくないと、可燃性ガスの必要量を搬送して処理することができない。また、スリット上端の深さが浅いと、ちょっと波が発生しただけで直ちにガスが放出されるようになり、安定した燃焼処理ができない。
ロケット打ち上げ施設に付属させるバーンポンドでは、要求される放出ガス圧力は40〜50mmH2Oであるので、スリット14の上端位置は水面下40〜50mmになるように管理する必要がある。
水張りしたバーンポンド20に設置されたバブルキャップ10に可燃性ガスを供給すると、供給管22からバブルキャップ10内にガスが放出されて内部水面を押し下げ、やがてスリット14に達するとガスが水中に放出される。
水中に放出されたガスは泡となって上昇し水上ではじけて既に近隣で燃焼している火炎を引火して燃焼する。可燃性ガスが次々に水上に現れる間は放出ガスは途切れずに燃焼を継続する。
ガス放出初期の点火と、ガス供給が途切れるなどして失火したときに着火させて生ガスのまま大気に放散させないために、図に表示しないパイロットバーナが運転中常時燃焼している。
なお、バブルキャップ10の間隔が小さい場合、あるいは隣接するバブルキャップ10の間にこれらを接続するバブルキャップをさらに設けた場合には、火線が連続するため、放出管ヘッダ21の延長方向にパイロットバーナを1個設けることによって、失火しないようにすることができる。
上記のように組み立てられたバーンポンド20では、バブルキャップ10が細長いので1個のバブルキャップにより多数のスリット14を形成して可燃性ガス放出容量を増大することができ、多数のバブルキャップを高密度に並列配置することにより面積当たりの処理量が飛躍的に増大して、製造建設コストや保全コストが抑えられる。
さらに、バブルキャップ10を水没させて使用するので、ガス燃焼中もバブルキャップ10の温度は水温により昇温せず熱応力を発生しないから、亀裂などによる寿命劣化のおそれがない。なお、バブルキャップ10における突起13とその近辺は水面上に現れているが、ガス燃焼域から距離があるため、また内部で噴出する低温ガスにより内側から冷却されるため、昇温が抑制され障碍は生じない。
また、ガスの処理量をさらに増大する必要がある場合は、放出管ヘッダ21を多数配置して、さらに大量のバブルキャップ10を設けることにより容易に対処することができる。
なお、大量のガスを放出する時にバブルキャップ10内に十分な流路を確保するためには、スリット14上端位置から上の内部空間の断面積をできるだけ大きくすることが好ましい。しかし、スリット14上端位置は水深がたとえば40〜50mmと決められ、しかも天板11は水没させるので、バブルキャップ10内のガス流路は細く制約され、放出管22から末端のスリット14まで搬送する最大ガス流量を大きくすることが容易でない。
図3は、この問題に対処すべく改良を加えたバブルキャップを表す。この改変例は、天板11の幅方向中央に天板軸方向に延びる峰15を作って切り妻型あるいは寄せ棟型の屋根のようにして、内部空間を広げたものである。この形状では、天板の一部が水面から顕れることになるが、この場合でも、水面上にある部分は火元から距離があり周囲が水により冷却されるので、熱応力は過大になることはなく亀裂の発生はない。
また、図4は、ガスが増減しても確実に燃焼処理ができるような設置法を説明する図面である。
図に見られるように、バブルキャップ10を放出管22から端末の方向に向けて低下するようなごく小さい傾斜を付けて設置する。たとえば、2mの長さのバブルキャップ10を両端で10mm程度深さが異なるように傾斜を持たせて設置する。
すると、運転を開始して可燃性ガスがバブルキャップ10内に溜まりキャップ内の水面を押し下げていくと、初めに放出管22に近い部分から水面がスリット14に達してガスが水中に放出され、ガスの供給にしたがって徐々に末端の方向に開口するスリット14が増えていく。ガス供給量がスリット14から放出される量と均衡するようになると、その位置で開口スリットの増加が停止し均衡する。
一方、ガス供給量が減少すると、水中に放出されるガス量も減少するので、ガスが漏れるスリットの領域が放出管22の方向に減縮していき、やがて均衡する位置で停止する。
このように、バブルキャップ10を斜めに設置して並設されたスリット上端位置が末端方向に低下するようにすると、ガス供給量とガス放出量が自律的に制御されて均衡するメカニズムを備えるようになり、ガス流量が小さい運転初期や終期においても燃焼を自動的に持続させることができる。
第1実施例のバブルキャップのようにバブルキャップが長大化すると、波が発生する。特に細長いバブルキャップを並列して設置した場合はキャップに挟まれた水面に大きな波が定在的に発生してガスの放出にムラが生じ、可燃性ガスを安定に燃焼処理することが難しい。極端な場合は、スリットが直接水面上に露出することになり、水封を破って火炎がキャップ内に逆火したりして災害を招来することも考えられる。
そこで、本実施例では、バブルキャップの外側に消波装置を設置して波の発生を抑制するようにしたものである。
図5は、本発明の第2実施例に係るバブルキャップの設置状態を示す側面図、図6は本実施例のバブルキャップの正面図、図7はその平面図、図8は本実施例のバブルキャップを設置したバーンポンドを模式的に表した平面図である。なお、図1から4に表された装置と同じ機能を有する構成要素には同じ参照番号を付すことにより簡明を図った。
図5から図7に表されているように、放出管22の上からシリンダー状突起13が被さり、放出管22から放出される可燃性ガスがバブルキャップの内部に供給され、スカート部12のスリット14から水中に放出される。バブルキャップ10のスリット14が形成された側面には、消波装置30が設けられる。消波装置30は、金網で形成され、バーンポンドの水面直下の位置において、スカート部12に垂直に外側に向かって取付けられる。なお、図7において、参照番号11は天板を表す。
消波装置30の水面すれすれに設けられた金網は、波が発達するために必須である水の回転運動に対する抵抗になるので、波の発生と発達を抑制し、波立ちのない水面を生成し、確実な水封効果を招来して、安定した安全な燃焼処理を行うことができる。
消波装置30は、たとえばパンチングメタルなど、ガスの泡が透過する小孔を多数設けた板であってもよい。
なお、消波装置30は、水中、スリット14の上端と水面直下の間の任意の深さに設置しても一定の効果を得ることができる。消波装置30の金網の穴や小孔は、スリット14から放出された可燃性ガスの塊を砕いて細粒化して、水面上で燃焼するガス量を均質化して水面に生じる外乱を減少させる作用があるので、波の発生を抑制することができるからである。
図8は、バブルキャップ10の端部近くに突起13を設けたものを放出管ヘッド21を挟んで多数並設したバーンポンド20を表したものである。図8に表示したバーンポンド30は、図2に表されたものと同様、スリット14の面積密度が向上し可燃性ガスの処理量が増大する。
本実施例の消波装置30を備えたバブルキャップ10を使用しているから、ガスの流量にかかわらず波の発生が抑制され、安定したガス燃焼処理を実施することができる。
なお、本実施例においては、バブルキャップ10の形状を細長いものとしたが、どのような形状のバブルキャップ10を使用した場合でも、バブルキャップ10の外側に消波装置30を設けて波の抑制を図ることは好ましい。
図9は、本発明の第3実施例で解決しようとするバブルキャップの内部の波の様子を概念的に表した正面図、図10は第3実施例のバブルキャップの側面断面図、図11は本実施例のバブルキャップの一部切り欠き正面図である。なお、図1から図4に表された装置と同じ機能を有する構成要素には同じ参照番号を付すことにより簡明を図った。
第1実施例あるいは第2実施例のバブルキャップなど水没する細長いバブルキャップでは、バブルキャップ内のガス流路は天井が30〜50mm程度と低くしかも下面が水面であるので、大量のガスが通過しようとするとバブルキャップ内の水面に波が発生する。バブルキャップ内の開水面は、図9に示すように、定長の狭い開水面であるため共鳴に近い現象が生じて比較的大きな波に発達し、スリットから水中へのガス放出量にムラが生じたり、波高が天井まで達したときには流路を閉塞させ下流側のスリットへのガス流を遮断して燃焼状態を不安定にしたりするので、良好な燃焼処理が維持できない。
そこで、本実施例では、バブルキャップの内側に造波防止装置を設置して内側に波が発生しないようにしたものである。
本実施例のバブルキャップは、図10と図11に表されているように、バブルキャップ10の内部に造波防止装置40を組み込んである。造波防止装置40は、整流板や金網で構成され、整流板や金網はスリット14の上端位置付近に形成されるバブルキャップ内水面すれすれに水平に設置される。
造波防止装置40の整流板はパンチングメタルなどを用いて構成することができるが、また、バブルキャップ内壁と小さな間隔を置いてただの平板を配置して構成した整流板によっても効果的な造波防止作用をもたらすことができる。
放出管22の上からシリンダー状突起13が被さり、放出管22から放出される水素ガスなどの可燃性ガスがバブルキャップの内部に供給され、バブルキャップ内水面上の空間部16で形成されるガス流路を通って、スリット14からバブルとなって水中に放出され、水面上で燃焼する。
造波防止装置40の水面下に設けられた整流板あるいは金網は、ガス流が水面に図中点線42で表現したような波を生成しようとしても、波が発達するために必須である水の回転運動を阻止するので、波の発生と発達を抑制して図中実線41で示すような波立ちのない穏やかな水面をバブルキャップ10の内部に生成する。
このため、本実施例のバブルキャップを用いることにより、大量の可燃性ガスを扱うときにも、安定した安全な燃焼処理を行うことができる。
なお、バブルキャップ10がどのような形状であっても、バブルキャップ10の内側に造波防止装置40を設けて波の抑制を図ることが可燃性ガスの燃焼処理の安定化に効果があることは言うまでもない。
本発明の第1実施例に係るバブルキャップの設置状態を示す正面図である。 第1実施例のバブルキャップを設置したバーンポンドを模式的に表した平面図である。 第1実施例のバブルキャップの改変例を示す側面断面図である。 第1実施例のバブルキャップの設置例を示す正面図である。 本発明の第2実施例に係るバブルキャップの設置状態を示す側面図である。 第2実施例のバブルキャップの正面図である。 第2実施例のバブルキャップの平面図である。 第2実施例のバブルキャップを設置したバーンポンドを模式的に表した平面図である。 バブルキャップ内部に発生する波を説明する正面図である。 本発明の第3実施例に係るバブルキャップを示す側面断面図である。 第3実施例のバブルキャップの一部切り欠き正面図である。 従来技術のバーンポンドの構造を説明する側面断面図である。 従来技術のバブルキャップを説明する正面図である。 改良されたバブルキャップの問題を説明する正面図である。 改良されたバブルキャップの別の問題を説明する正面図である。
符号の説明
10 バブルキャップ
11 天板
12 スカート板
13 シリンダー状突起
14 スリット
15 峰
16 内部空間
20 バーンポンド
21 放出管ヘッダ
22 放出管
30 消波装置
40 造波防止装置
41 穏やかな水面
42 波立った水面

Claims (9)

  1. バーンポンドに垂直に設けられた可燃性ガス放出管に被せて使うバブルキャップであって、細長い形状を有する天板部と該天板部の端縁を巡るスカート部を備え、前記天板部に前記放出管の径より内径が大きいシリンダー状突出部を少なくとも1個備え、前記スカート部に複数の縦長スリットを並列に設けたもので、前記天板部は前記シリンダー状突出部以外の領域の少なくとも一部が水面下に没するように設置して使用することを特徴とするバーンポンド用バブルキャップ。
  2. 前記天板部は、軸線に沿って盛り上がり側部に低くなるような屋根形状を有することを特徴とする請求項1記載のバーンポンド用バブルキャップ。
  3. 前記バブルキャップは、側面外側の前記スリットの上端位置から前記バーンポンドの水面位置の間に消波装置を設置したことを特徴とする請求項1または2記載のバーンポンド用バブルキャップ。
  4. 前記消波装置は、水面直下の位置に設置されことを特徴とする請求項3記載のバーンポンド用バブルキャップ。
  5. 前記消波装置は、小孔あるいはスリットを設けた平板と金網のいずれかを用いて構成されることを特徴とする請求項3または4記載のバーンポンド用バブルキャップ。
  6. 前記バブルキャップは、内側の前記スリットの上端位置近傍に造波防止装置を設置したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のバーンポンド用バブルキャップ。
  7. 前記造波防止装置は、前記キャップの内壁との間に隙間を設けた平板、小孔もしくはスリットを設けた平板、および金網のいずれかを用いて構成されることを特徴とする請求項6記載のバーンポンド用バブルキャップ。
  8. 複数のガス放出管を垂直に設置したガスヘッドを配置して、該ガス放出管のそれぞれに請求項1から7のいずれかに記載の細長いバブルキャップを被せて設置することにより、該バブルキャップを並置したことを特徴とするバーンポンド。
  9. 前記バブルキャップは一方の端近傍に前記シリンダー状突出部を配置したもので、前記スリットの上端を結ぶ線が該シリンダー状突起部が設置された前記ガス放出管から遠ざかるにつれて徐々に低下するように設置されたことを特徴とする請求項8記載のバーンポンド。
JP2004338887A 2004-11-24 2004-11-24 バーンポンド用バブルキャップ Active JP3913246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004338887A JP3913246B2 (ja) 2004-11-24 2004-11-24 バーンポンド用バブルキャップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004338887A JP3913246B2 (ja) 2004-11-24 2004-11-24 バーンポンド用バブルキャップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006145166A JP2006145166A (ja) 2006-06-08
JP3913246B2 true JP3913246B2 (ja) 2007-05-09

Family

ID=36625063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004338887A Active JP3913246B2 (ja) 2004-11-24 2004-11-24 バーンポンド用バブルキャップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3913246B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5013253B2 (ja) * 2007-07-02 2012-08-29 新東工業株式会社 高温粉塵の除去装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006145166A (ja) 2006-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6702572B2 (en) Ultra-stable flare pilot and methods
US20080029047A1 (en) Water heater with lint collection detection
US4065247A (en) Apparatus for incinerating waste gases
CN104764013B (zh) 具有增强联焰能力的引射式燃烧装置
JP3913246B2 (ja) バーンポンド用バブルキャップ
EP3446037B1 (en) Fluid combustion device
JP3924264B2 (ja) バーナ、燃焼装置及びプラントシステム
JP5260211B2 (ja) 燃焼装置およびそれを備えたグランドフレアー
KR101621829B1 (ko) 기화된 가연성 기체의 연소장치 및 이를 구비한 연소시스템
JP2009198092A (ja) グランドフレア
JP3686257B2 (ja) ベントスタック安全装置
WO2006082169A1 (en) Flare stack
US1339729A (en) Wood-refuse burner
CN212252661U (zh) 一种地面火炬系统
CA1201968A (en) Combustion apparatus for liquid fuels
WO2005079923A1 (ja) タンクへの消火剤供給方法及びタンク用消火剤供給設備
CN103328048A (zh) 火焰穿透安全装置
KR100573746B1 (ko) 격납용기내 연료교환수 저장탱크의 수소농도 제어방법 및장치
JP3797221B2 (ja) 石油燃焼器の消火機構
US10401026B2 (en) Auxiliary burner assembly and control system for combusting vent gases in petroleum production and processing
CN111928279A (zh) 一种地面火炬系统
KR200494475Y1 (ko) 플레어 점화시스템의 펠렛 회수장치
JP3947849B2 (ja) 石油燃焼器の消火機構の製造方法
CN112361356A (zh) 一种天然气干式热氧化排放装置
JP6263878B2 (ja) グランドフレア

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3913246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250