JP3912662B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に係り、特にガス拡散電極に反応ガスを供給するガス流路を備える燃料電池用セパレータに改良を加えた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のエネルギ分野では、高効率のエネルギ変換装置として、燃料電池が注目されている。
【0003】
また、燃料電池の中でも、例えば電解質としてプロトン伝導性を持つ固体高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池がコンパクトな構造で、高出力密度が得られ、かつ簡略なシステムで運転が可能なので、定置用分散電源だけでなく家庭用や車両用などの電源としても注目され、現在、世界各国のメーカで開発が進められている。
【0004】
このように注目度の高い固体高分子型燃料電池は、図6に示すように、パーフルオロカーボンスルホン酸を基盤とする固体高分子膜1に白金等の触媒を被覆させるとともに、固体高分子膜1の両側を燃料極2aと酸化剤極2bとからなるガス拡散電極2で挟み、膜電極複合体3を構成している。
【0005】
この膜電極複合体3は、図7に示すように、燃料極2a、酸化剤極2bおよび固体高分子膜1のそれぞれをシート状または薄板状に配置し、そのシート状または薄板状の形状を長方形または正方形に形成するとともに、燃料極2aおよび酸化剤極2bのそれぞれに供給される反応ガスの漏洩または混流を防ぐこともあって固体高分子膜1の面積を、燃料極2aおよび酸化剤極2bの面積よりも大きくしている。
【0006】
一方、膜電極複合体3から電流を取り出すには、燃料極2aに燃料ガス(水素を主成分とするガス)を、酸化剤極2bに酸化剤ガス(空気)をそれぞれ供給して反応を促進させなければならない。この場合、燃料ガスは、都市ガス等の炭化水素系燃料を改質して使用しており、その反応が燃料極2aで次のように行われる。
【0007】
【化1】
H2 → 2H++2e−
このような反応式を得るプロセスを、今少し詳しく説明する。
【0008】
ガス拡散電極2内を拡散してきた燃料ガス中に含まれる水素(H2)は、燃料極2aに至ると電子(e−)を放出してプロトン(H+)になる。プロトン(H+)は燃料極2a側から酸化剤極2b側に移るが、電子(e−)は燃料極2a側から酸化剤極2b側に移ることができないので、図6に示すように、外部回路を通って酸化剤極2bに移る。
【0009】
また、水素(H2)以外の他の成分には、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、水蒸気(H2O)が生成される。しかし、これらの成分が、電池化学反応に寄与しないにも拘らず、二酸化炭素(CO2)は水素(H2)の拡散に悪影響を与え、一酸化炭素(CO)は、固体高分子膜1の燃料極2a側の触媒に吸着し、電気化学反応に悪影響を与えることがある。
【0010】
他方、酸化剤極2bでは、上述の電子(e−)が加わって次のような反応が行われる。
【0011】
【化2】
2H++2e−+1/2O2 → H2O
すなわち、燃料極2aから固体高分子膜1を経てきたプロトン(H+)と、外部回路を経て送られてくる電子(e−)と、酸化剤ガス(空気)内の酸素(CO)とが反応して生成水(H2O)ができるが、大部分は未反応ガス中に蒸発し、そのまま外部に排出される。
【0012】
その際、燃料極2aおよび酸化剤極2bのそれぞれには、水分が溜り易く、水分をそのまま放置しておくと、燃料ガスや酸化剤ガスの拡散流れに悪影響を与える。
【0013】
また、同時に、例えば燃料極2aの燃料ガスが酸化剤極2bの酸化剤ガスに漏洩混流すると、電池化学反応が著しく悪くなり、電池性能が低下する。
【0014】
このように、各ガスの拡散流れを良好にするとともに、各ガスの漏洩混流を防止する手段として、従来から燃料極2aおよび酸化剤極2bのそれぞれには、燃料電池用ガスセパレータが設けられている。図6には、一点鎖線で燃料電池用ガスセパレータ4a,4bが示されている。
【0015】
燃料電池用ガスセパレータ4a,4bは、反応ガスが透過しにくく、かつ導電性の高い、例えば金属やカーボン等の硬質材が用いられている。燃料極2a側の燃料電池用ガスセパレータ4aと、酸化剤極2b側の燃料電池用ガスセパレータ4bとは、通常、1枚の平板の表裏を同時に使用する凹凸状の溝(流路)を持つ構造になっているか、あるいは、特開平6−260177に示すように、熱硬化性樹脂等により接合されている。また、燃料電池用ガスセパレータ4a,4b間には、図8に示すように、燃料極2aおよび酸化剤極2bのそれぞれのシール性を考慮してパッキン5が設けられている。このパッキン5に各極2a,2b、各燃料電池用ガスセパレータ4a,4b、膜電極複合体3を列状または積層状に配置して一つの単位電池6が構成されている。
【0016】
また、燃料電池用ガスセパレータ4a,4bには、反応ガスを単位電池6毎に供給する、いわゆる通流孔と称するマニホールド7、燃料ガス流路8、および酸化剤ガス流路9が設けられ、燃料極2aおよび酸化剤極2bのそれぞれに電池反応に必要な燃料ガスおよび酸化剤ガスのそれぞれが供給されるようになっている。
【0017】
ところで、一つの膜電極複合体3が生じる起電力は、1V以下と小さい。このため、固体高分子型燃料電池は、図9に示すように、複数の単位電池6を列状または層状に接続して電池スタック10を構成し、起電力を高くしている。電池スタック10には、通常、一つまたはそれ以上の単位電池6毎に電池を冷却する冷却板(図示せず)を備えている。
【0018】
また、電池スタック10は、必要数の単位電池6を列状または層状に配置した後、図10に示すように、締付板11a,11b、締付ロッド12、スプリング13、ナット14等の締付機構を用いて固設される。これは、各単位電池6間の電気的かつ熱的接触およびシール性を確保するためである。更に、電池スタック10には、電流取出し板15や絶縁シート16が設けられている。
【0019】
一方、固体高分子型燃料電池が発電を行うには、反応ガスを各極2a,2bのそれぞれに供給するだけではなく、固体高分子膜1に水分を充分に与える必要がある。固体高分子膜1は水分を吸収することにより、プロトン(H+)の伝導性が著しく向上することに基づく。
【0020】
また、電池スタック10は、例えば、層状に積層される単位電池毎に対し、積層方向の反応ガスの流量配分、流速、温度、湿度等が均等に分布することが求められている。
【0021】
反応ガスの流量や流速を電池スタック10内の各単位電池6に均等に配流するには、各部品の寸法精度が非常に重要である。特に、燃料電池用セパレータ4a,4bに形成する各ガス流路8,9の精度や燃料電池用セパレータ4a,4b自身、あるいは膜電極複合体3の平面内厚さ精度は、各単位電池6あたりの特性のばらつきを抑制する上で、きわめて重要である。
【0022】
このように、従来の固体高分子型燃料電池では、各単位電池6あたりの特性のばらつきを抑制するため、各部品の寸法精度を充分にチェックする一方、電池スタック10の組立てに際し、充分に注意を払いながら組立て施工を行っていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来、この種の分野に適用される燃料電池は、固体高分子膜の両側のそれぞれに、燃料極2a、酸化剤極2bで構成するガス拡散電極2を配置し、全体を極としてまとめた膜電極複合体3に、燃料ガス、酸化剤ガスのそれぞれを供給するガス流路と、電池内に冷媒を供給する冷媒流路とを備える燃料電池用セパレータ4a,4bを配置する際、膜電極複合体3と燃料電池用セパレータ4a,4bとを互いに接触させて組立て、ガスの漏洩・混流を防止し、電池性能を高く維持させている。
【0024】
しかし、各部品に充分に注意しながら組立て施工を行っても、部品の寸法精度に製作上の誤差があったり、偏り等があると、膜電極複合体3と燃料電池用セパレータ4a,4bとは、その接触性に強弱の分布が生じ、反応ガスの一部が一方の流路から隣の流路に短絡して流れ、ガス反応中に発生する電流密度に偏りや流路内の、いわゆるフラッティングによる反応ガスの流れが悪くなる等の問題があった。
【0025】
特に、このような不具合、不都合が発生する要因は、膜電極複合体3や燃料電池用セパレータ4a,4bが、柔軟性に乏しく、比較的硬質の材料に起因すると考えられている。
【0026】
このような知見から、発明者等は、ガス拡散電極2を、例えば特開平9−134732や特開平10−261421に示すように、不織布や織布のような柔らかい材料を選定し、各部品の厚み方向の寸法精度を吸収できるように行ってみたが、締付け後の不織布や織布の厚さにばらつきが生じ、その気孔率や気孔径が変わるため、電池電圧にばらつきがでる等の別の問題が発生した。
【0027】
また、発明者等は、例えばUSP5300370に示すように、燃料電池用ガスセパレータ4a,4bを膨張黒鉛で製作し、厚さ精度のばらつきを吸収させることを試みたが、単位電池6の面内や電池スタック10の積層方向における流路の深さに差異が生じ、反応ガスや冷媒の配流に大きな分布差が生じ、電池電圧にばらつきがでる等の問題が発生した。
【0028】
また、発明者等は、例えば特開平8−185876に示すように、燃料電池用ガスセパレータ4a,4bそのものを導電性ゴム材料からなるような構成を試みたが、電気的抵抗及び熱的抵抗が大きく、燃料電池用ガスセパレータ4a,4bにおいて電流分布や温度分布の偏りが生じやすく、電池の特性を充分に引き出せなかった。
【0029】
また、発明者等は、例えば特開平3−138865号公報に示すように、使用する燃料電池用ガスセパレータを構成する際、凹凸流路を形成するリブ部材と膨張黒鉛シートからなる不透過性シートとを接合させることを試みたが、接合時に炭素化するための工程が入り、非常に高価な燃料電池用ガスセパレータ4a,4bとなる等の問題があった。
【0030】
また、炭素化しないまでも接合の工程が入る燃料電池用ガスセパレータ4a,4bは、同一材質からなる燃料電池用ガスセパレータ4a,4bに較べて高価となり、その結果、例えば燃料電池用ガスセパレータ4a,4bを、例えば200枚積層した場合、各部材の厚み方向の寸法精度は吸収できるが、燃料電池そのものが非常に高価となる等の問題があった。
【0031】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたもので、反応ガスや冷媒を供給する燃料電池用ガスセパレータに柔軟性に優れた材料を用いて柔軟部を形成し、寸法上、製作誤差があってもこの柔軟部により厚さや精度のばらつきを吸収して燃料電池用ガスセパレータを設計値どおりの適正寸法、位置に配置させ、電池性能をより一層向上させる燃料電池を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、電解質膜の両面にそれぞれガス拡散電極を配置した膜電極複合体と、前記ガス拡散電極にガス流路を設けた燃料電池用ガスセパレータと冷却水と酸化剤とをそれぞれ別々に供給する流路を設けた酸化剤・冷却水一体用セパレータとを互いに接触させ繰り返し積層して形成してなる燃料電池において、前記セパレータのうち、少なくとも1枚を硬質板状部と導電性柔軟部で構成したものである。
【0034】
また、本発明に係る燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、前記セパレータは硬質板状部にガス流路を設けたものである。
【0038】
また、本発明に係る燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、前記導電性柔軟部は、膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種の材料である。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料電池の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0040】
図1は、例えば、固体高分子型燃料電池を例示とする本発明に係る燃料電池の第1実施形態を示す概念図である。
【0041】
本実施形態に係る燃料電池は、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を基盤とし、白金等の触媒で被覆する固体高分子膜20の両側のそれぞれに燃料極21aと酸化剤極21bとからなるガス拡散電極21で挟んで膜電極複合体22を形成し、この膜電極複合体22の外側に燃料電池用ガスセパレータ23を配置する構成になっている。
【0042】
また、本実施形態に係る燃料電池は、膜電極複合体22と燃料電池用ガスセパレータ23とを一つの組として単位電池24を構成し、この単位電池24にマニホールド27を設けるととともに、シール材25を介装させて繰り返し列状に、または層状に配置し、電池スタック26を構成している。
【0043】
一方、本実施形態に係る燃料電池では、用途、形状の異なる二種類の燃料電池用セパレータ23が組み込まれている。
【0044】
一つは、燃料ガス用セパレータ23aとして使用される。この燃料ガス用セパレータ23aは、一側端に燃料ガス流路28を備えている。
【0045】
また、本実施形態では、図1に示すように、燃料ガス用セパレータ23aのうち、一枚を導電性柔軟部29にし、例えば膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種以上を用いて製作される。また、残りの燃料ガス用セパレータ23aは、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材を用いて製作される。このとき、導電性柔軟部29に構成する燃料ガス用セパレータ23aの燃料ガス流路28は、硬質材を用いて製作した他の燃料ガス用セパレータ23aの燃料ガス流路28よりも深いことが望ましい。
【0046】
導電性柔軟部29にて構成する燃料ガス用セパレータ23aは、単位電池24として繰り返し、列状または層状に配置し電池スタック26を構成する場合、少なくとも1枚以上組み込むようになっている。
【0047】
他方、もう一つは、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとして使用される。この酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、一側端に凹凸状に成形加工した酸化剤ガス流路30を備えるとともに、反対側の他側端に冷却水流路31を備えている。なお、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材を用いて製作しているが、これに限定されることなく、例えば、そのうち少なくとも一枚について膨張黒鉛材等を用いて導電性柔軟部29を形成するように構成してもよい。
【0048】
このように、一方を導電性柔軟部29で製作する燃料ガス用セパレータ23aと、例えば硬質材で製作する酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの二種類の燃料電池用ガスセパレータ23に膜電極複合体22およびシール材25を介装させて単位電池24を構成し、この単位電池24を繰り返し列状に、あるいは層状に配置し、電池スタック26を構成するとき、実機による燃料ガス用セパレータ23aと酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの面内厚さ精度は、予め定められた5箇所の測定位置の平均で、全て±50μmの範囲内に収まっていた。
【0049】
このように、本実施形態は、燃料ガス用セパレータ23aを導電性柔軟部29に構成しているので、隣りに位置する、例えば硬質材で製作する酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bや膜電極複合体22等に寸法上の製作誤差、あるいは組立誤差等があっても、面内厚さのばらつきを充分に吸収することができる。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、燃料ガス用セパレータ23aを導電性柔軟部29に構成し、膜電極複合体22および酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bの面内ばらつきを吸収するので、膜電極複合体22および酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの燃料電池面内での電気的、熱的接触性を良好にすることができ、燃料ガス用セパレータ23aから酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bに、またはその逆に、ガスのパス流れによる短絡を確実に防止することができ、電池電圧をより一層向上させて安定化を図ることができる。
【0051】
図2および図3は、例えば固体高分子型燃料電池を例示とする本発明に係る燃料電池の第2実施形態を示す概念図である。なお、図2は、図3に示す燃料電池用セパレータを組み込んだ本発明に係る燃料電池の概念図である。また、図3は本発明に係る燃料電池に適用する燃料電池用セパレータの概念図である。
【0052】
また、第1実施形態の構成部分と同一構成部分には同一符号を付す。
【0053】
本実施形態に係る燃料電池は、第1実施形態と同様に、用途、形状の異なる二種類の燃料電池用セパレータ23を使用している。一つは、燃料ガス用セパレータ23aであり、もう一つは酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bである。
【0054】
燃料ガス用セパレータ23aは、図3に示すように、一側端を凹凸状の燃料ガス流路33に成形加工した板状部34と導電性柔軟部29とを組み合せた構成になっている。
【0055】
燃料ガス流路33を備える板状部34は、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材で製作されている。また、導電性柔軟部29は、例えば膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種以上を用いて製作されている。
【0056】
なお、本実施形態では、燃料ガス用セパレータ23aの全てに導電性柔軟部29を備える構造としたが、これに限らず、少なくとも1枚の燃料ガス用セパレータ23aに関して導電性柔軟部29を備える構造にしてもよい。
【0057】
他方、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、図2に示すように、一側端に凹凸状に成形加工した酸化剤ガス流路30を備えるとともに、反対側の他側端に冷却水路31を備えている。なお、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材を用いて製作しているが、これに限定されることなく、例えば膨張黒鉛材等を用いて導電性柔軟部32にして構成してもよい。
【0058】
このように、導電性柔軟部29と硬質材で製作する板状部34とを組み合せて構成する燃料ガス用セパレータ23aの少なくとも1枚以上と、例えば硬質材で製作する酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの二種類の燃料電池用ガスセパレータ23に膜電極複合体22およびシール材25を介装させて単位電池24を構成し、この単位電池24を繰り返し列状に、あるいは層状に配置し、電池スタック26を構成するとき、実機による燃料ガス用セパレータ23aと酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの面内厚さ精度は、予め定められた5箇所の測定位置の平均で、全て±50μmの範囲内に収まっていた。
【0059】
このように、本実施形態は、燃料ガス用セパレータ23aを導電性柔軟部と硬質材で製作する板状部34とを組み合せて構成しているので、隣りに位置する、例えば硬質材で製作する酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bや膜電極複合体22等に寸法上の製作誤差、あるいは組立誤差等があっても、面内厚さのばらつきを充分に吸収することができる。
【0060】
したがって、本実施形態によれば、燃料ガス用セパレータ23aを導電性柔軟部29と硬質材で製作する板状部34とを組み合せて構成し、膜電極複合体22および酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bの面内ばらつきを吸収するので、膜電極複合体22および酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの燃料電池面内での電気的、熱的接触性を良好にすることができ、燃料ガス用セパレータ23aから酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bに、またはその逆に、ガスのパス流れによる短絡を確実に防止することができ、電池電圧をより一層向上させて安定化を図ることができる。
【0061】
図4および図5は、例えば固体高分子型燃料電池を例示とする本発明に係る燃料電池の第3実施形態を示す概念図である。なお、図4は、図5に示す燃料電池用セパレータを組み込んだ本発明に係る燃料電池の概念図である。また、図5は本発明に係る燃料電池に適用する燃料電池用セパレータの概念図である。
【0062】
また、第1実施形態の構成部分と同一構成部分には同一符号を付す。
【0063】
本実施形態に係る燃料電池は、第1実施形態と同様に、用途、形状の異なる二種類の燃料電池用セパレータ23を使用している。一つは、燃料ガス用セパレータ23aであり、もう一つは酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bである。
【0064】
本実施形態では、燃料ガス用セパレータ23aは図5に示すように、このうち1枚の燃料ガス流路28を形成するための板を貫流した網状流路33を備える板状部34と導電性柔軟部29と一体として組み合せた構成になっている。
【0065】
また、残りの燃料ガス用セパレータ23aは、例えばカーボン樹脂複数材等の硬質材を用いて製作される。網状流路33を備える板状部34と導電性柔軟部29とを一体として組み合せた構成の燃料ガス用セパレータ23aは、単位電池24として繰り返し、列状または層状に配置し電池スタック26を構成する場合、少なくとも1枚以上組み込むようになっている。
【0066】
燃料ガス流路28として用いる網状流路33を備える板状部34は、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材で製作されている。また、導電性柔軟部29は、例えば膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種以上を用いて製作されている。
【0067】
他方、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、図4に示すように、一側端に凹凸状に成形加工した酸化剤ガス流路30を備えるとともに、反対側の他側端に冷却水路31を備えている。なお、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材を用いて製作しているが、これに限定されることなく、例えば膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種以上を用いて製作してもよい。この場合、酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bは、冷却水流路31を形成するための板を貫通した網状流路35を備える板状部36と導電性柔軟部32とを一体として組み合せた構成にしてもよい。
【0068】
冷却水流路31として用いる網状流路35を備える板状部36は、例えばカーボン樹脂複合材等の硬質材で製作されている。また、導電性柔軟部32は、例えば膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種以上を用いて製作されている。
【0069】
このように、導電性柔軟部29(32)と例えば硬質材で製作する板状部34(36)とを組み合せて構成する燃料ガス用セパレータ23aおよび酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとのうち、いずれか一方の、少なくとも1枚以上と、例えば硬質材で製作する残りの燃料ガス用セパレータ23aおよび酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとのうち、いずれか一方との二種類の燃料電池用ガスセパレータ23に膜電極複合体22およびシール材25を介装させて単位電池24を構成し、この単位電池24を繰り返し列状に、あるいは層状に配置し、電池スタック26を構成するとき、実機による燃料ガス用セパレータ23aと酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとの面内厚さ精度は、予め定められた5箇所の測定位置の平均で、全て±50μmの範囲内に収まっていた。
【0070】
このように、本実施形態は、燃料ガス用セパレータ23aおよび酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとのうち、いずれか一方を導電性柔軟部29,32と、例えば硬質材で製作する板状部34,36とを組み合せて構成しているので、隣りに位置する例えば硬質材で製作する残りの燃料ガス用セパレータ23aおよび酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bとのうち、いずれか一方や膜電極複合体22の面内ばらつきを吸収するので、燃料ガス用セパレータ23aおよび酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bのうち、いずれか一方や膜電極複合体22との燃料電池面内での電気的、熱的接触性を良好にすることができ、燃料ガス用セパレータ23aから酸化剤・冷却水一体用セパレータ23bに、またはその逆に、ガスのパス流れによる短絡を確実に防止することができ、電池電圧をより一層向上させて安定化を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る燃料電池には、セパレータに導電性柔軟部を備え、導電性柔軟部を備えるセパレータと膜電極複合体とからなる単位電池を列状に、または層状に配置して電池スタックを構成する際、各部品に製作上の誤差等があっても導電性柔軟部で吸収させ、セパレータに成形加工する凹凸状または網状の流路の深さや、セパレータの厚みを設計値どおりの寸法に維持させているので、膜電極複合体およびセパレータとの電池面内での電気的、熱的接触性を良好にして電池電圧をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池の第1実施形態を示す概念図。
【図2】本発明に係る燃料電池の第2実施形態を示す概念図。
【図3】本発明に係る燃料電池の第2実施形態に適用する燃料電池用ガスセパレータの概念図。
【図4】本発明に係る燃料電池の第3実施形態を示す概念図。
【図5】本発明に係る燃料電池の第3実施形態に適用する燃料電池用ガスセパレータの概念図。
【図6】従来の燃料電池の概念図。
【図7】従来の燃料電池における膜電極複合体の平面図。
【図8】従来の燃料電池における単電池を示す概念図。
【図9】従来の燃料電池における単電池を層状に積み重ねて構成する電池スタックを示す概念図。
【図10】従来の固体高分子型燃料電池の概略組立図。
【符号の説明】
1 固体高分子膜
2 ガス拡散電極
2a 燃料極
2b 酸化剤極
3 膜電極複合体
4a,4b 燃料電池用ガスセパレータ
5 パッキン
6 単位電池
7 マニホールド
8 燃料ガス流路
9 酸化剤ガス流路
10 電池スタック
11a,11b 締付板
12 締付ロッド
13 スプリング
14 ナット
15 電流取出し板
16 絶縁シート
20 固体高分子膜
21 ガス拡散電極
21a 燃料極
21b 酸化剤極
22 膜電極複合体
23 燃料電池用ガスセパレータ
23a 燃料ガス用セパレータ
23b 酸化剤・冷却水一体用セパレータ
24 単位電池
25 シール材
26 電池スタック
27 マニホールド
28 燃料ガス流路
29,32 導電性柔軟部
30 酸化剤ガス流路
31 冷却水流路
33,35 網状流路
34,36 板状部
Claims (3)
- 電解質膜の両面にそれぞれガス拡散電極を配置した膜電極複合体と、前記ガス拡散電極にガス流路を設けた燃料電池用ガスセパレータと冷却水と酸化剤とをそれぞれ別々に供給する流路を設けた酸化剤・冷却水一体用セパレータとを互いに接触させ繰り返し積層して形成してなる燃料電池において、
前記セパレータのうち、少なくとも1枚を硬質板状部と導電性柔軟部で構成したことを特徴とする燃料電池。 - 前記セパレータは硬質板状部にガス流路を設けたこと特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記導電性柔軟部は、膨張黒鉛材、炭素繊維材および導電性ゴムのうち、少なくとも1種の材料であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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