JP3912247B2 - Tuning fork type resonator element and tuning fork type vibrator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音叉型振動片及びその音叉型振動片を備えた音叉型振動子に係る。特に、本発明は、溝内電極と引き回し電極とのショート(短絡)等の不良を回避するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電振動デバイスの一種類として、小型化を図ることが容易な音叉型水晶振動子が知られている。この種の振動子は、例えば下記の特許文献1に開示されているように、エッチング加工により音叉型に成形された水晶ウェハに対してフォトリソグラフィー技術を利用して表面に所定の電極が形成されて成る音叉型水晶振動片を備えている。
【0003】
また、下記の特許文献2には、音叉型水晶振動片の各脚部それぞれの表裏面(主面)中央部に溝部を成形した構成が開示されている。このように脚部の表裏面に溝部を成形した場合、振動片を小型化しても脚部の振動損失が抑制され、CI値(クリスタルインピーダンス)を低く抑えることができて有効である。この種の音叉型水晶振動子は、特に、時計等の精密機器に搭載するのに適している。
【0004】
この種の音叉型振動片の表面に形成されている電極の形状について以下に具体的に説明する。
【0005】
図9は一般的な音叉型水晶振動子に備えられる音叉型水晶振動片aを示している。この音叉型水晶振動片aは、2本の脚部b,cを備えており、各脚部b,cに第1励振電極d1,d2及び第2励振電極e1,e2が形成されている。図9では、これら励振電極d1,d2,e1,e2の形成部分に斜線を付している。
【0006】
また、本音叉型水晶振動片aは、各脚部b,cそれぞれの表裏面となる主面b1,c1に矩形状の溝部b2,c2が成形されている。
【0007】
そして、上記第1の励振電極としては、一方の脚部bの表裏面(主面)b1に成形されている溝部b2の内部に形成された溝内電極d1と、他方の脚部cの側面c3に形成された側面電極d2とにより構成されており、これらが引き回し電極fによって接続されている。
【0008】
同様に、第2の励振電極としては、他方の脚部cの表裏面(主面)c1に成形されている溝部c2の内部に形成された溝内電極e1と、一方の脚部bの側面b3に形成された側面電極e2とにより構成されており、これらが引き回し電極gによって接続されている。
【0009】
また、各溝部b2,c2の内部に形成される溝内電極d1,e1は、溝部b2,c2及び溝内電極d1,e1に多少の加工誤差が生じたとしても、溝部b2,c2の内部全体に亘って溝内電極d1,e1が形成されるように、図9に示す平面視において、溝部b2,c2の面積よりも溝内電極d1,e1の面積の方が僅かに大きく設定されている。このため、実際には、溝内電極d1,e1は、各溝部b2,c2の底面から縦壁(図9の紙面に直交する方向の面)及び主面b1,c1に亘って形成されることになる。例えば、脚部b,cそれぞれの幅寸法(図中左右方向の寸法)が200μmである場合、この主面b1,c1への溝内電極d1,e1の回り込み寸法(図中の寸法A)は10μm程度である。
【0010】
更に、側面b3,c3に形成される側面電極e2,d2は、引き回し電極f,gとの接続を良好に確保するために、側面b3,c3から主面b1,c1に亘って僅かに回り込むように形成されている。例えば、脚部b,cそれぞれの幅寸法が200μmである場合、この主面b1,c1への側面電極e2,d2の回り込み寸法(図中の寸法B)も10μm程度である。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−294631号公報
【特許文献2】
特開2002−76806号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した音叉型水晶振動片aにおいてCI値を効果的に低く抑えるためには、溝部b2,c2の開口面積及びその深さをできるだけ大きく確保しておくことが好ましい。
【0013】
しかしながら、この溝部b2,c2の開口面積を大きく確保し、その内部に溝内電極d1,e1を形成する場合、必然的に溝内電極d1が引き回し電極gに接近することになり、これらのショートが懸念される。特に、近年開発が進んでいる超小型の水晶振動子(例えば脚部の幅寸法が120μm程度のもの)にあっては、図9に示す電極形状において、左側の脚部bに形成されている溝内電極d1と、脚部bの内側(右側の脚部cに近接する側)に位置する引き回し電極gとの間(図9におけるC部分)でのショートが懸念される。このため、引き回し電極gやそれに繋がる側面電極e2にあっては、側面b3から主面b1に亘る回り込み寸法Bを小さく設計せざるを得ない。
【0014】
しかし、引き回し電極g及び側面電極e2の回り込み寸法Bを小さく設定した場合、これら引き回し電極gと側面電極e2との接続状態の信頼性が劣ることになってしまい、場合によっては断線が発生してしまうこともある。つまり、これら電極g,e2は脚部bの内側のエッジ近傍で接続しているためこの接続部分にあっては電極膜の膜厚が十分に得られていない可能性があり、そのため上記回り込み寸法Bが小さくなったのでは良好な接続状態を得ることができなくなってしまう。
【0015】
一方、上述した如く溝部b2の開口面積を大きく確保しようとした場合、この溝部b2の開口縁部が引き回し電極gに接近することになるが、上記フォトリソグラフィー技術を利用して溝部b2に溝内電極d1を形成する際、溝部b2のエッジ付近(溝部b2と主面b1との間の境界部付近)でレジスト液の表面張力の影響によるレジスト液盛り上がり現象が発生し、溝内電極d1の外縁形状を高精度で加工することが困難になる場合がある。つまり、溝部b2の存在の影響によって溝内電極d1の加工精度が低下してしまう。そして、溝内電極d1の外縁形状が適切に得られない状況では、この溝内電極d1の主面b1への回り込み寸法も適切に得られなくなり、上記C部分付近において溝内電極d1が引き回し電極gに接触してショートが発生してしまう可能性がある。
【0016】
このように、脚部b,cに溝部b2,c2を備え、且つその内部に溝内電極d1,e1が形成された音叉型水晶振動片aにあっては、溝部b2や溝内電極d1の存在に起因する電極同士のショートや断線等の電気的な不良が生じてしまう可能性があった。このため、この種の音叉型振動片aにあっては、構造の更なる改良が求められていた。
【0017】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、脚部に溝部を備えその内部に励振電極(溝内電極)が形成された音叉型水晶振動片及び音叉型振動子に対し、溝内電極と引き回し電極との短絡等の電気的な不良を回避することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、脚部に形成される溝部や溝内電極の位置を脚部の幅方向の中央に位置させるのではなく、外側にオフセットさせることにより、溝内電極が引き回し電極に接触してしまうことを回避できるようにしている。言い換えると、溝部の幅方向中心位置や溝内電極の幅方向中心位置を、脚部の幅方向中心位置よりも振動中心位置から遠ざかる側に位置させることで上記接触が回避できるようにしている。尚、このように溝部や溝内電極の位置を脚部の幅方向の外側にオフセットさせたとしても上記CI値を劣化させることはない(このことは後述するシミュレーション結果により確認されている)。
【0019】
−解決手段−
具体的には、複数の脚部を備え、各脚部の主面に溝部が形成されていると共に、この溝部の内部に溝内電極が、脚部の側面に側面電極がそれぞれ形成されており、脚部の溝内電極と、他の脚部の側面のうち内側に位置する側面に形成されている側面電極とが上記主面に沿って延びる引き回し電極によって接続されて成る音叉型振動片を前提とする。この音叉型振動片に対し、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝部の幅方向中心位置までの距離を、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも長く設定している。
【0020】
例えばフォトリソグラフィー技術を利用して溝部に溝内電極を形成する際に、溝部のエッジの影響によって溝内電極の外縁形状を高精度で加工することが困難な状況が発生したとしても、つまり、上記溝部のエッジの影響によって溝内電極の主面への回り込み寸法が適切に得られない状況となっても溝内電極が引き回し電極に接触してしまうことが抑制されてショートの発生が回避できる。
【0021】
また、上記目的を達成するための他の解決手段としては以下のものが掲げられる。つまり、前提を上述した解決手段に係る前提と同じ音叉型振動片とする。そして、この音叉型振動片に対し、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝内電極の幅方向中心位置までの距離を、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも長く設定している。
【0022】
この特定事項によれば、溝部の形成位置に拘わりなく、溝内電極が引き回し電極に接触してしまうことが抑制されてショートの発生が回避できる。このため、引き回し電極やそれに繋がる側面電極の脚部側面から主面への回り込み寸法を小さく設計しておく必要はなく、引き回し電極と側面電極との接続状態の信頼性を良好に確保することができてこの両者間での断線の発生を防止することができる。
【0023】
更に、上記各解決手段を併用することも可能である。つまり、上記音叉型振動片に対し、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝部の幅方向中心位置までの距離及び上記中心線から溝内電極の幅方向中心位置までの距離を、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも共に長く設定するものである。この特定事項によれば、上述した各解決手段による作用を共に得ることができ、溝内電極が引き回し電極に接触してしまうことが確実に抑制されてショートの発生が回避でき、且つ引き回し電極と側面電極との接続状態の信頼性を良好に得ることができてこの両者間での断線の発生を防止することができる。
【0024】
また、後述するシミュレーション結果に示すように、溝部や溝内電極の位置を上記の如き設定した場合であっても、CI値を劣化させてしまうことは殆どない。つまり、音叉型振動片の振動特性に悪影響を与えることなしに上記ショート及び断線を回避することが可能である。
【0025】
また、各脚部に形成される溝部及び溝内電極の具体的な形状としては以下のものが掲げられる。つまり、各主面に形成されている溝部の形状が、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線に対して互いに対称形状に形成されている。同様に、各溝部の内部に形成されている溝内電極の形状も、上記中心線に対して互いに対称形状に形成されている。
【0026】
これらの特定事項によれば、各脚部の振動特性を均等に維持することができるため、音叉型水晶振動片の振動モードに悪影響を与えることなしに上述したショート及び断線を回避することが可能になる。
【0027】
また、上述した各解決手段のうち何れか一つに記載の音叉型振動片を備え、この音叉型水晶振動片がパッケージ内に取り付けられて構成された音叉型水晶振動子も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、本解決手段によれば、電極同士のショートや断線が生じていないことで信頼性が高く、且つ溝部を形成したことの効果である良好なCI値が得られている音叉型水晶振動子を提供できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態は、2本の脚部を備えた音叉型水晶振動子に本発明を適用した場合について説明する。
【0029】
−音叉型水晶振動子の構成説明−
図1は本形態に係る音叉型水晶振動子に備えられる音叉型水晶振動片1を示す図である。また、図2は図1におけるII−II線に沿った断面図である。
【0030】
この音叉型水晶振動片1は、2本の脚部11,12を備えており、各脚部11,12に第1励振電極13a,13b及び第2励振電極14a,14bが形成されている。図1では、これら励振電極13a,13b,14a,14bの形成部分に斜線を付している。
【0031】
また、本音叉型水晶振動片1は、各脚部11,12それぞれの表裏面となる主面11a,12aに矩形状の溝部11c,12cが成形されている。これら各溝部11c,12cの形状(幅寸法、長さ寸法、深さ寸法)は互いに同一形状となっている。
【0032】
このように各脚部11,12の表裏面に溝部11c,12cを成形した場合、音叉型水晶振動片1を小型化しても脚部11,12の振動損失が抑制され、CI値(クリスタルインピーダンス)を低く抑えることができて有効である。
【0033】
そして、上記第1の励振電極としては、一方の脚部11の表裏面(主面)11aに成形されている溝部11cの内部に形成された溝内電極13aと、他方の脚部12の側面12bに形成された側面電極13bとにより構成されており、これらが引き回し電極15によって接続されている。
【0034】
同様に、第2の励振電極としては、他方の脚部12の表裏面(主面)12aに成形されている溝部12cの内部に形成された溝内電極14aと、一方の脚部11の側面11bに形成された側面電極14bとにより構成されており、これらが引き回し電極16によって接続されている。
【0035】
これら励振電極13a,13b,14a,14bは、クロム(Cr)及び金(Au)の金属蒸着によって形成された薄膜であって、その膜厚は例えば2000Åに設定されている。
【0036】
また、各溝部11c,12cの内部に形成される溝内電極13a,14aは、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aに多少の加工誤差が生じたとしても、溝部11c,12cの内部全体に亘って溝内電極13a,14aが形成されるように、図1に示す平面視において、溝部11c,12cの面積よりも溝内電極13a,14aの面積の方が僅かに大きく設定されている。このため、実際には、図2にも示すように、溝内電極13a,14aは、各溝部11c,12cの底面から縦壁及び主面11a,12aに亘って形成されることになる。例えば、脚部11,12それぞれの幅寸法が120μmである場合、この主面11a,12aへの溝内電極13a,14aの回り込み寸法(図2中の寸法A)は5μm程度である。
【0037】
更に、側面11b,12bに形成される側面電極14b,13bは、引き回し電極15,16との接続を良好に確保するために、側面11b,12bから主面11a,12aに亘って僅かに回り込むように形成されている。例えば、脚部11,12の幅寸法が120μmである場合、この主面11a,12aへの側面電極14b,13bの回り込み寸法(図2中の寸法B)も5μm程度である。
【0038】
このような構成の音叉型水晶振動片aが図示しないパッケージ内に取り付けられることにより音叉型水晶振動子が構成される。
【0039】
−溝部及び溝内電極の形成位置の説明−
以下、本形態の特徴部分である上記溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの形成位置について説明する。
【0040】
図1に示すように、各脚部11,12の主面11a,12aに形成されている溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの形成位置としては、本音叉型水晶振動片1の振動中心点(図1における点O)を通り且つ脚部11,12の延長方向(図1の上下方向)に沿って延びる中心線Lから溝部11c,12cの幅方向中心位置(この溝部11c,12cの中心線を直線L1で示す)までの距離T1が、上記中心線Lから脚部11,12の幅方向中心位置(この脚部11,12の中心線を直線L2で示す)までの距離Tよりも長く設定されている(T1>T)。同様に、上記中心線Lから溝内電極13a,14aの幅方向中心位置(本形態では、溝内電極13a,14aの中心線は上記直線L1と一致している)までの距離T1が、上記中心線Lから脚部11,12の幅方向中心位置(上記直線L2)までの距離Tよりも長く設定されている(T1>T)。
【0041】
言い換えると、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの形成位置としては、この溝部11c,12cの幅方向の中心位置及び溝内電極13a,14aの幅方向の中心位置が、脚部11,12の幅方向の中心位置よりも、振動中心位置から遠ざかる側に位置されている。更に、言い換えると、従来では、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aは各脚部11,12の主面11a,12aの幅方向の中央に形成されていたが、本形態では、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aは各脚部11,12の主面11a,12aの幅方向の中央位置よりも外側位置(図1における左右方向の外側)に形成されている。
【0042】
この構成により、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの内側端縁(音叉型振動片1の中心線L側の端縁)と脚部11,12の内側端縁(同じく音叉型振動片1の中心線L側の端縁)との距離を大きく確保することが可能となり、主面11a,12aへの側面電極13b,14bの回り込み寸法や引き回し電極16の主面11a,12aへの回り込み寸法の自由度を拡大することができる。図1に示すものでは、主面11a,12a上における溝内電極13a,14aとその内側(音叉型振動片1の中心線L側)に形成されている側面電極13b,14bとの間隔を大きく確保するように設計している。
【0043】
これに対し、図3に示すものは、これら側面電極13b,14b及び引き回し電極16の主面11a,12aへの回り込み寸法を大きく確保し、これによって側面電極14bと引き回し電極16との接続状態の信頼性を大きく確保して断線の発生を確実に回避できるようにしている。
【0044】
このように、本形態では、先ず、溝部11c,12cの位置を脚部11,12の幅方向の外側にオフセットさせたことにより、溝内電極13aをフォトリソグラフィー技術を利用して溝部11c内に形成する際に溝部11cのエッジの影響によって溝内電極13aの外縁形状を高精度で加工することが困難な状況が発生したとしても、この溝部11cの位置が内側の側面電極14bから遠ざかる位置に形成されていることで、溝部11cのエッジの存在による影響が内側の側面電極14bの周辺にまで及ぶことが抑制される。つまり、上記溝部11cのエッジの影響によって溝内電極13aの主面11aへの回り込み寸法が適切に得られない状況となっても溝内電極13aが内側の側面電極14bや引き回し電極16に接触してしまうことが抑制されてショートの発生が回避でき、信頼性の高い音叉型水晶振動片1を提供できる。
【0045】
また、溝内電極13a,14aの位置を脚部11,12の幅方向の外側にオフセットさせたことにより、溝内電極13a,14aの位置が内側の側面電極13b,14bから遠ざかる位置に形成されることになるため、この溝内電極13aが内側の側面電極14bや引き回し電極16に接触してしまうことが抑制されて、これによってもショートの発生が回避できる。このため、引き回し電極16やそれに繋がる内側の側面電極14bの脚部側面11bから主面11aへの回り込み寸法を小さく設計しておく必要はなく、引き回し電極16と内側の側面電極14bとの接続状態の信頼性を良好に確保することができてこの両者間での断線の発生を防止することができる。
【0046】
更に、上記図3に示す構成を採用した場合、側面電極13b,14b及び引き回し電極16の主面11a,12aへの回り込み寸法を大きく確保したことで、この部分の電極をミーリングによって部分的に除去したり、この部分に更に電極材料を蒸着させることにより振動特性の微調整(周波数調整等)を行うことも可能である。従来の音叉型振動子にあっては、各脚部11,12の先端部付近に形成されている電極、つまり比較的面積が広く形成されている電極に対してのみしかミーリングや蒸着を行うことができなかったが、図3の構成によれば、このミーリングや蒸着を可能とするエリアの拡大を図ることができる。
【0047】
また、後述するシミュレーション結果に示すように、溝部11c,12cや溝内電極13a,14aの位置を上記の如き設定した場合であっても、CI値を劣化させてしまうことは殆どない。つまり、音叉型振動片1の振動特性に悪影響を与えることなしに上記ショート及び断線を回避することが可能である。以下、このシミュレーションについて説明する。
【0048】
このシミュレーションは、音叉型水晶振動片1の各脚部11,12に形成されている溝部11c,12cや溝内電極13a,14aの形成位置を変化させた場合のそれぞれについてCI値を演算したものである。また、本シミュレーションでは、図1に示すように、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aが矩形状に形成されたものについて実施した。
【0049】
図4は、溝内電極13a,14aの位置を脚部11,12の幅方向の中央に位置させ、溝部11c,12cの位置を脚部11,12の幅方向に変位させた場合のそれぞれのCI値を示している。図4(a)は溝部11c,12cの幅寸法が53μmのもの、図4(b)は溝部11c,12cの幅寸法が38μmのものについてのシミュレーション結果である。また、各図の横軸のオフセット値は、「0」は溝部11c,12cの位置を脚部11,12の幅方向の中央に位置させたものであり、「+」側が脚部11,12を外側にオフセットさせたもの、「−」側が脚部11,12を内側にオフセットさせたものである。それぞれオフセット寸法としては4μm、8μmを採用している。
【0050】
また、図5は、溝部11c,12cの位置を脚部11,12の幅方向の中央に位置させ、溝内電極13a,14aの位置を脚部11,12の幅方向に変位させた場合のそれぞれのCI値を示している。図5(a)は溝部11c,12cの幅寸法が53μmのもの、図5(b)は溝部11c,12cの幅寸法が38μmのものについてのシミュレーション結果である。また、各図の横軸のオフセット値は上記図4の場合と同様である。
【0051】
更に、図6は、溝内電極13a,14aの位置及び溝部11c,12cの位置を共に幅方向に変位させた場合のそれぞれのCI値を示している。図6(a)は溝部11c,12cの幅寸法が53μmのもの、図6(b)は溝部11c,12cの幅寸法が38μmのものについてのシミュレーション結果である。また、各図の横軸のオフセット値は上記図4の場合と同様である。
【0052】
以上のシミュレーション結果について考察すると、溝部11c,12cや溝内電極13a,14aの位置を外側にオフセットさせた場合の方が内側にオフセットさせた場合に比べて、そのオフセット値の絶対値が大きくなることに伴うCI値の劣化割合は僅かであることが判る。特に、図4(b)、図5(a)、図6(a)については顕著であり、特に、図4(b)、図5(a)、図5(b)については、外側へのオフセット値が大きくなることに伴うCI値の劣化は殆ど生じていない。従って、溝部11c,12cや溝内電極13a,14aの位置を脚部の幅方向の外側にオフセットさせたことによる振動特性への悪影響は殆ど生じないことが判る。つまり、本シミュレーションによって、本実施形態の構成によれば、振動特性に悪影響を与えることなしに、電極同士の短絡等の電気的な不良を回避することが可能であることが確認できたことになる。
【0053】
−変形例−
図7は、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの形状の変形例を示している。この図に示すように、本例のものでは、脚部11,12の基端部分については、引き回し電極16や側面電極14b,13bの主面11a,12aへの回り込み寸法を更に大きく確保できるようにしている。そのために、この脚部11,12の基端部分については、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの形成位置を外側に大きくオフセットさせている。
【0054】
言い換えると、脚部11,12の基端部分とそれ以外の部分とでは、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aの幅寸法及び外側へのオフセット寸法を互いに異ならせた構成となっている。更に言い換えると、振動中心点Oを通り且つ脚部11,12の延長方向に沿って延びる中心線Lから溝部11c,12cの幅方向中心位置までの距離及び上記中心線Lから溝内電極13a,14aの幅方向中心位置までの距離が、上記中心線Lから脚部11,12の幅方向中心位置までの距離よりも共に長く設定されているだけでなく、脚部11,12の基端部分とそれ以外の部分とでは、その距離が異なっている。つまり、脚部11,12の基端部分の方が、中心線Lから溝部11c,12cの幅方向中心位置までの距離及び中心線Lから溝内電極13a,14aの幅方向中心位置までの距離が、脚部11,12の基端部分以外の部分の各距離よりも大きく(オフセット量が大きく)設定されているものである。
【0055】
この構成によれば、引き回し電極16と側面電極14bとの接続状態の信頼性をよりいっそう良好に確保することができてこの両者間での断線の発生を確実に防止することができる。
【0056】
また、本変形例の構成について図7に示す寸法Dを変化させた場合のCI値の変化状態についてのシミュレーションを行った。その結果を図8に示す。この図8から判るように、寸法Dが大きくなることに伴うCI値の劣化は殆ど生じていない。従って、本変形例の構成にあっては、振動特性に悪影響を与えることなしに、引き回し電極16と側面電極14bとの接続状態の信頼性をよりいっそう良好に確保することが可能であることが判る。
【0057】
−その他の実施形態−
上述した実施形態では、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aのオフセット値を同一に設定していた。これは、溝内電極13a,14aの中心を溝部11c,12cの中心に一致させ、溝部11c,12cの内部全体に亘って溝内電極13a,14aが形成されるようにするためである。本発明はこれに限らず、溝部11c,12cのオフセット値と溝内電極13a,14aのオフセット値とを異なる値に設定したり、溝部11c,12cのみをオフセットさせたり、溝内電極13a,14aのみをオフセットさせてもよい。
【0058】
また、必ずしも2本の脚部11,12の両方において、溝部11c,12c及び溝内電極13a,14aをオフセットさせておく必要はなく、一方の脚部11,(12)の溝部11c,(12c)のみ、一方の脚部11,(12)の溝内電極13a,(14a)のみ、一方の脚部11,(12)の溝部11c,(12c)及び溝内電極13a,(14a)のみをオフセットさせた構成としてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、2本の脚部11,12を備えた音叉型水晶振動片1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、3本以上の脚部を備えた音叉型水晶振動片に適用することも可能である。この場合、偶数本の脚部を備えた音叉型水晶振動片にあっては、全ての脚部または、音叉型水晶振動片1中心線(上記直線L)から略等距離にある一対の脚部で成る脚部対に対して溝部や溝内電極の形成位置をオフセットさせることになる。一方、奇数本の脚部を備えた音叉型水晶振動片にあっては、中央の脚部を除く他の脚部の全てまたはその一部に対して溝部や溝内電極の形成位置をオフセットさせることになる。
【0060】
尚、このように3本以上の脚部を備えた音叉型水晶振動片に対して本発明を適用する場合にも、溝部のオフセット値と溝内電極のオフセット値とを異なる値に設定したり、溝部のみをオフセットさせたり、溝内電極のみをオフセットさせてもよい。更には、一部の脚部の溝部のみ、一部の脚部の溝内電極のみ、一部の脚部の溝部及び溝内電極のみをオフセットさせた構成としてもよい。
【0061】
更に、上記実施形態では、圧電材料として水晶を使用した場合について説明したが、その他、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどを使用した振動片に対しても適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝部の幅方向中心位置までの距離を、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも長く設定している。これにより、溝部のエッジの影響によって溝内電極の主面への回り込み寸法が適切に得られない状況となっても溝内電極が引き回し電極に接触してしまうことが抑制されてショート等の電気的な不良を回避することができる。
【0063】
また、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝内電極の幅方向中心位置までの距離を、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも長く設定している。このため、溝内電極が引き回し電極に接触してしまうことが抑制されてショート等の電気的な不良を回避することができる。その結果、引き回し電極やそれに繋がる側面電極の脚部側面から主面への回り込み寸法を小さく設計しておく必要はなく、引き回し電極と側面電極との接続状態の信頼性を良好に確保することができてこの両者間での断線等の電気的な不良を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る音叉型水晶振動片を示す図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った断面図である。
【図3】主面への電極の回り込み寸法を大きく設定した場合の図1相当図である。
【図4】溝部の位置を脚部幅方向に変位させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】溝内電極の位置を脚部幅方向に変位させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図6】溝部の位置及び溝内電極の位置を共に脚部幅方向に変位させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】変形例における図1相当図である。
【図8】変形例におけるシミュレーション結果を示す図である。
【図9】従来例における図1相当図である。
【符号の説明】
1 音叉型振動片
11,12 脚部
11a,12a 主面
11b,12b 側面
11c,12c 溝部
13a,14a 溝内電極
13b,14b 側面電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a tuning fork type vibrating piece and a tuning fork type vibrator including the tuning fork type vibrating piece. In particular, the present invention In-groove electrode and routing electrode The present invention relates to an improvement for avoiding defects such as short circuits.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, tuning fork crystal units that are easy to downsize are known as one type of piezoelectric vibration device. In this type of vibrator, for example, as disclosed in
[0003]
Patent Document 2 below discloses a configuration in which a groove is formed at the center of the front and back (main surface) of each leg of a tuning fork type crystal vibrating piece. Thus, when the groove part is formed on the front and back surfaces of the leg part, the vibration loss of the leg part is suppressed even if the vibration piece is miniaturized, and the CI value (crystal impedance) can be kept low, which is effective. This type of tuning fork type crystal resonator is particularly suitable for mounting on precision equipment such as a watch.
[0004]
The shape of the electrode formed on the surface of this type of tuning-fork type vibrating piece will be specifically described below.
[0005]
FIG. 9 shows a tuning fork type crystal vibrating piece a provided in a general tuning fork type crystal resonator. The tuning-fork type crystal vibrating piece a includes two legs b and c, and first excitation electrodes d1 and d2 and second excitation electrodes e1 and e2 are formed on the legs b and c, respectively. In FIG. 9, the portions where the excitation electrodes d1, d2, e1, e2 are formed are hatched.
[0006]
Further, in the tuning fork type crystal vibrating piece a, rectangular grooves b2 and c2 are formed on main surfaces b1 and c1 which are front and back surfaces of the leg portions b and c, respectively.
[0007]
And as said 1st excitation electrode, in-groove electrode d1 formed in the inside of the groove part b2 shape | molded in the front and back (main surface) b1 of one leg part b, and the side surface of the other leg part c It is comprised by the side electrode d2 formed in c3, and these are connected by the routing electrode f.
[0008]
Similarly, as the second excitation electrode, the in-groove electrode e1 formed inside the groove c2 formed on the front and back surfaces (main surface) c1 of the other leg c, and the side surface of the one leg b It is comprised by the side electrode e2 formed in b3, and these are connected by the routing electrode g.
[0009]
In addition, the in-groove electrodes d1 and e1 formed inside the respective groove parts b2 and c2 have the entire inside of the groove parts b2 and c2 even if some processing errors occur in the groove parts b2 and c2 and the in-groove electrodes d1 and e1. In the plan view shown in FIG. 9, the area of the in-groove electrodes d1, e1 is set to be slightly larger than the area of the groove portions b2, c2 so that the in-groove electrodes d1, e1 are formed. . Therefore, actually, the in-groove electrodes d1 and e1 are formed from the bottom surface of each of the groove portions b2 and c2 to the vertical wall (the surface in the direction orthogonal to the paper surface of FIG. 9) and the main surfaces b1 and c1. become. For example, when the width dimension (the dimension in the left-right direction in the figure) of each of the leg portions b and c is 200 μm, the wraparound dimension (dimension A in the figure) of the in-groove electrodes d1 and e1 to the main surfaces b1 and c1 is as follows. It is about 10 μm.
[0010]
Further, the side surface electrodes e2 and d2 formed on the side surfaces b3 and c3 slightly wrap around the main surfaces b1 and c1 from the side surfaces b3 and c3 in order to secure a good connection with the routing electrodes f and g. Is formed. For example, when the width dimension of each of the leg portions b and c is 200 μm, the wraparound dimension (dimension B in the drawing) of the side electrodes e2 and d2 to the main surfaces b1 and c1 is about 10 μm.
[0011]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-294631
[Patent Document 2]
JP 2002-76806 A
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in order to effectively suppress the CI value in the tuning fork type crystal vibrating piece a described above, it is preferable to secure the opening areas and the depths of the grooves b2 and c2 as large as possible.
[0013]
However, when the opening areas of the grooves b2 and c2 are large and the in-groove electrodes d1 and e1 are formed therein, the in-groove electrode d1 is inevitably routed. g There is concern about these shorts. In particular, an ultra-small crystal resonator (for example, a leg having a width of about 120 μm) that has been developed in recent years is formed on the left leg b in the electrode shape shown in FIG. The in-groove electrode d1 and the routing electrode located inside the leg b (the side close to the right leg c) g and There is a concern about short-circuiting (C portion in FIG. 9). For this reason, in the routing electrode g and the side electrode e2 connected thereto, the wrapping dimension B from the side surface b3 to the main surface b1 must be designed to be small.
[0014]
However, when the wrapping dimension B of the routing electrode g and the side electrode e2 is set to be small, the reliability of the connection state between the routing electrode g and the side electrode e2 is inferior, and in some cases, disconnection occurs. Sometimes it ends up. That is, since these electrodes g and e2 are connected in the vicinity of the inner edge of the leg part b, there is a possibility that the film thickness of the electrode film is not sufficiently obtained at this connection part. If B becomes small, a good connection state cannot be obtained.
[0015]
On the other hand, when it is intended to ensure a large opening area of the groove b2 as described above, the opening edge of the groove b2 is routed around the electrode. g When the inner electrode d1 is formed in the groove b2 using the photolithography technique, the resist solution is formed near the edge of the groove b2 (near the boundary between the groove b2 and the main surface b1). As a result, a resist liquid swell phenomenon occurs due to the influence of the surface tension, and it may be difficult to process the outer edge shape of the in-groove electrode d1 with high accuracy. That is, the processing accuracy of the in-groove electrode d1 is lowered due to the presence of the groove b2. In the situation where the outer edge shape of the in-groove electrode d1 cannot be obtained properly, the wraparound dimension of the in-groove electrode d1 to the main surface b1 cannot be obtained properly, and the in-groove electrode d1 is routed around the C portion. g Contact may cause a short circuit.
[0016]
Thus, in the tuning-fork type crystal vibrating piece a having the legs b and c having the grooves b2 and c2 and the in-groove electrodes d1 and e1 formed therein, the groove b2 and the in-groove electrode d1 are provided. There is a possibility that electrical defects such as short-circuiting or disconnection of electrodes due to the existence may occur. For this reason, in this type of tuning fork type vibrating piece a, further improvement in structure has been demanded.
[0017]
The present invention has been made in view of such points, and an object of the present invention is to provide a tuning fork type crystal vibrating piece and a tuning fork type in which a leg is provided with a groove and an excitation electrode (electrode in the groove) is formed therein. For the vibrator, Between the electrode in the groove and the routing electrode The object is to avoid electrical failures such as short circuits.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
-Summary of invention-
In order to achieve the above-described object, the present invention is not limited to the position of the groove formed in the leg or the electrode in the groove in the groove by offsetting the position outward rather than in the center in the width direction of the leg. The electrode is routed Extremely It is possible to avoid contact. In other words, the contact can be avoided by positioning the center position in the width direction of the groove part and the center position in the width direction of the in-groove electrode on the side farther from the vibration center position than the center position in the width direction of the leg part. It should be noted that the CI value is not deteriorated even if the position of the groove and the electrode in the groove is offset to the outside in the width direction of the leg in this way (this is confirmed by a simulation result described later).
[0019]
-Solution-
Specifically, a plurality of legs are provided, a groove is formed on the main surface of each leg, an in-groove electrode is formed inside the groove, and a side electrode is formed on the side of the leg. And the inner electrode in the groove of the leg and the side electrode formed on the side surface located on the inner side of the other leg are connected by the routing electrode extending along the main surface. It is assumed that the tuning-fork type vibration piece is composed. With respect to this tuning fork type vibrating piece, the distance from the center line passing through the center of vibration and extending in the extending direction of the leg portion to the center position in the width direction of the groove portion is defined as the distance from the center line to the center position in the width direction of the leg portion. It is set longer than the distance.
[0020]
For example, when forming an in-groove electrode in a groove using photolithography technology, even if it is difficult to process the outer edge shape of the in-groove electrode with high accuracy due to the influence of the edge of the groove , One In other words, even if the wraparound dimension to the main surface of the in-groove electrode cannot be obtained properly due to the influence of the edge of the groove, the in-groove electrode Pull The occurrence of a short circuit can be avoided by preventing contact with the winding electrode.
[0021]
Other solutions for achieving the above object include the following. That is, the premise is the same tuning fork type vibration piece as the premise according to the above-described solution. Then, with respect to this tuning fork type resonator element, the distance from the center line passing through the vibration center point and extending in the extension direction of the leg portion to the center position in the width direction of the electrode in the groove is defined as the width direction of the leg portion from the center line. It is set longer than the distance to the center position.
[0022]
According to this specific matter, regardless of the formation position of the groove ,groove Inner electrode Pull The occurrence of a short circuit can be avoided by preventing contact with the winding electrode. For this reason, it is not necessary to design a small wraparound dimension from the side surface of the leg portion of the routing electrode or the side electrode connected to the main surface, and it is possible to ensure the reliability of the connection state between the routing electrode and the side electrode. Thus, it is possible to prevent disconnection between the two.
[0023]
Furthermore, it is possible to use each of the above solutions together. That is, with respect to the tuning-fork type resonator element, the distance from the center line passing through the center of vibration and extending in the extending direction of the leg to the center position in the width direction of the groove, and the center position in the width direction of the in-groove electrode from the center line Is set longer than the distance from the center line to the center position in the width direction of the leg. According to this specific matter, it is possible to obtain the effects of each of the above-described solving means, Pull The occurrence of short-circuits can be reliably prevented from coming into contact with the routing electrode, and the reliability of the connection state between the routing electrode and the side electrode can be obtained satisfactorily. Occurrence can be prevented.
[0024]
Further, as shown in the simulation results described later, the CI value is hardly deteriorated even when the positions of the grooves and the electrodes in the grooves are set as described above. That is, it is possible to avoid the short circuit and the disconnection without adversely affecting the vibration characteristics of the tuning fork type resonator element.
[0025]
Moreover, the following are mentioned as a specific shape of the groove part formed in each leg part, and the electrode in a groove | channel. That is, the shape of the groove formed on each main surface is formed symmetrically with respect to the center line that passes through the vibration center point and extends along the extending direction of the leg. Similarly, the shape of the in-groove electrode formed inside each groove is also symmetrical with respect to the center line.
[0026]
According to these specific matters, the vibration characteristics of each leg can be maintained uniformly, so that the above-described short circuit and disconnection can be avoided without adversely affecting the vibration mode of the tuning fork type crystal vibrating piece. become.
[0027]
A tuning-fork type crystal resonator comprising the tuning-fork type vibrating piece according to any one of the above-described solving means and having the tuning-fork type crystal vibrating piece attached in a package is also a technical feature of the present invention. It is a category of thought. In other words, according to this solution, a tuning fork type crystal resonator that has high reliability due to the absence of short-circuiting or disconnection between electrodes and a good CI value that is the effect of forming a groove portion. Can provide.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In this embodiment, a case where the present invention is applied to a tuning fork type crystal resonator having two legs will be described.
[0029]
-Description of tuning fork crystal unit-
FIG. 1 is a diagram showing a tuning-fork type
[0030]
This tuning fork type
[0031]
Further, in the tuning fork type
[0032]
When the
[0033]
And as said 1st excitation electrode, the
[0034]
Similarly, as the second excitation electrode, the in-
[0035]
These
[0036]
In addition, the in-
[0037]
Further, the
[0038]
The tuning fork type crystal resonator element is configured by mounting the tuning fork type crystal vibrating piece a having such a configuration in a package (not shown).
[0039]
-Explanation of the formation position of the groove and electrode in the groove-
Hereinafter, formation positions of the
[0040]
As shown in FIG. 1, the
[0041]
In other words, as the formation positions of the
[0042]
With this configuration, the inner edges of the
[0043]
On the other hand, the one shown in FIG. 3 ensures a large wraparound dimension of the
[0044]
As described above, in this embodiment, first, the position of the
[0045]
Further, the position of the in-
[0046]
Further, when the configuration shown in FIG. 3 is adopted, the
[0047]
Further, as shown in the simulation results described later, even when the positions of the
[0048]
In this simulation, the CI value is calculated for each of the cases where the
[0049]
In FIG. 4, the position of the in-
[0050]
FIG. 5 shows the case where the positions of the
[0051]
Further, FIG. 6 shows the respective CI values when the positions of the in-
[0052]
Considering the above simulation results, the absolute value of the offset value is larger when the positions of the
[0053]
-Modification-
FIG. 7 shows a modification of the shapes of the
[0054]
In other words, the base end portions of the
[0055]
According to this configuration, the reliability of the connection state between the lead-
[0056]
In addition, a simulation was performed for the change state of the CI value when the dimension D shown in FIG. The result is shown in FIG. As can be seen from FIG. 8, the CI value hardly deteriorates as the dimension D increases. Therefore, in the configuration of this modification, it is possible to further ensure the reliability of the connection state between the routing
[0057]
-Other embodiments-
In the embodiment described above, the offset values of the
[0058]
Further, it is not always necessary to offset the
[0059]
In the above embodiment, the case where the present invention is applied to the tuning-fork type
[0060]
Even when the present invention is applied to a tuning-fork type crystal vibrating piece having three or more legs as described above, the offset value of the groove and the offset value of the electrode in the groove are set to different values. Alternatively, only the groove portion may be offset, or only the in-groove electrode may be offset. Furthermore, only the groove part of a part of leg part, only the electrode in a groove | channel of a part of leg part, and the groove part of a part of leg part and the electrode in a groove | channel may be offset.
[0061]
Furthermore, although the case where quartz was used as the piezoelectric material has been described in the above embodiment, the present invention can also be applied to a resonator element using lithium niobate or lithium tantalate.
[0062]
【The invention's effect】
As described above, in the present invention, the distance from the center line passing through the vibration center point and extending along the extending direction of the leg portion to the center position in the width direction of the groove portion is from the center line to the center position in the width direction of the leg portion. It is set longer than the distance. This ,groove Even if the wraparound dimension to the main surface of the electrode in the groove cannot be obtained properly due to the influence of the edge of the groove, the electrode in the groove Pull It is possible to prevent electrical failure such as a short circuit from being prevented from coming into contact with the winding electrode.
[0063]
Further, the distance from the center line passing through the vibration center point and extending in the extending direction of the leg portion to the center position in the width direction of the in-groove electrode is longer than the distance from the center line to the center position in the width direction of the leg portion. It is set. For this reason ,groove Inner electrode Pull It is possible to prevent electrical failure such as a short circuit from being prevented from coming into contact with the winding electrode. As a result, it is not necessary to design the routing electrode or the side electrode connected to it from the leg side surface to the main surface with a small wraparound dimension, and it is possible to ensure good reliability of the connection state between the routing electrode and the side electrode. Thus, electrical failure such as disconnection between the two can be avoided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a tuning-fork type crystal vibrating piece according to an embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG.
FIG. 3 is a view corresponding to FIG. 1 when the wraparound dimension of the electrode to the main surface is set large.
FIG. 4 is a diagram showing a simulation result when the position of the groove is displaced in the leg width direction.
FIG. 5 is a diagram showing a simulation result when the position of the in-groove electrode is displaced in the leg width direction.
FIG. 6 is a diagram showing a simulation result when both the position of the groove and the position of the electrode in the groove are displaced in the leg width direction.
FIG. 7 is a view corresponding to FIG. 1 in a modified example.
FIG. 8 is a diagram showing a simulation result in a modified example.
FIG. 9 is a view corresponding to FIG. 1 in a conventional example.
[Explanation of symbols]
1 Tuning fork type resonator element
11, 12 legs
11a, 12a Main surface
11b, 12b side
11c, 12c groove
13a, 14a Groove electrode
13b, 14b Side electrode
Claims (6)
振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝部の幅方向中心位置までの距離が、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも長く設定されていることを特徴とする音叉型振動片。A plurality of legs are provided, a groove is formed on the main surface of each leg, an in-groove electrode is formed inside the groove, and a side electrode is formed on the side of the leg. In the tuning fork type resonator element, in which the inner electrode and the side electrode formed on the side surface located on the inner side among the side surfaces of the other leg portions are connected by the routing electrode extending along the main surface ,
The distance from the center line passing through the vibration center point and extending along the extending direction of the leg portion to the center position in the width direction of the groove portion is set longer than the distance from the center line to the center position in the width direction of the leg portion. A tuning fork type vibration piece characterized by the above.
振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝内電極の幅方向中心位置までの距離が、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも長く設定されていることを特徴とする音叉型振動片。A plurality of legs are provided, a groove is formed on the main surface of each leg, an in-groove electrode is formed inside the groove, and a side electrode is formed on the side of the leg. In the tuning fork type resonator element, in which the inner electrode and the side electrode formed on the side surface located on the inner side among the side surfaces of the other leg portions are connected by the routing electrode extending along the main surface ,
The distance from the center line passing through the vibration center point and extending along the extending direction of the leg portion to the center position in the width direction of the electrode in the groove is set to be longer than the distance from the center line to the center position in the width direction of the leg portion. A tuning-fork type vibrating piece characterized by
振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線から溝部の幅方向中心位置までの距離及び上記中心線から溝内電極の幅方向中心位置までの距離が、上記中心線から脚部の幅方向中心位置までの距離よりも共に長く設定されていることを特徴とする音叉型振動片。A plurality of legs are provided, a groove is formed on the main surface of each leg, an in-groove electrode is formed inside the groove, and a side electrode is formed on the side of the leg. In the tuning fork type resonator element, in which the inner electrode and the side electrode formed on the side surface located on the inner side among the side surfaces of the other leg portions are connected by the routing electrode extending along the main surface ,
The distance from the center line passing through the center of vibration and extending along the extending direction of the leg to the center position in the width direction of the groove and the distance from the center line to the center position in the width direction of the electrode in the groove are A tuning fork-type vibrating piece characterized in that both are set to be longer than the distance to the center position in the width direction of the part.
各主面に形成されている溝部の形状は、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線に対して互いに対称形状に形成されていることを特徴とする音叉型振動片。In the tuning fork type resonator element according to any one of claims 1 to 3,
The tuning fork type resonator element is characterized in that the shape of the groove formed in each main surface is formed symmetrically with respect to a center line extending through the center of vibration and extending in the extending direction of the leg. .
各溝部の内部に形成されている溝内電極の形状は、振動中心点を通り且つ脚部の延長方向に沿って延びる中心線に対して互いに対称形状に形成されていることを特徴とする音叉型振動片。In the tuning fork type vibrating piece according to any one of claims 1 to 4,
The tuning fork is characterized in that the shape of the in-groove electrode formed in each groove is symmetrical with respect to the center line passing through the center of vibration and extending along the extending direction of the leg. Type vibrating piece.
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