JP3912053B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自車両を先行車両に追従走行させるときや、運転者が設定した目標車速で走行させるとき等に、必要な駆動軸トルクを得るために自動変速機に入力するトルクを算出する車両用走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用走行制御装置としては、例えば特開2001−47888号公報に記載されているものが知られている。
この従来例には、先行車両に自車両を追従して走行させる追従制御機能を備え、先行車両と自車両との間の車間距離を目標車間距離に一致させる目標駆動軸トルクを算出すると共に、その目標駆動軸トルクを自動変速機のギア比で除して、当該目標駆動軸トルクを実現するための目標エンジントルクを演算する方法が開示されている。
【0003】
このような装置にあっては、通常、その自動変速機に入力回転数を検出するセンサと出力回転数を検出するセンサとを備え、それらのセンサの検出結果に基づいて変速中のギア比を推定している。また、変速前に設定していたギア比と変速後に設定するギア比とを、変速に要する平均時間に基づいて補間し、変速中のギア比を推定する方法も行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、目標駆動軸トルクをギア比で除して目標エンジントルクを算出しているため、変速中のギア比を誤って実際よりも大きく推定してしまうと、目標エンジントルクを本来必要な値よりも小さく演算してしまい、目標駆動軸トルクに対して実際の駆動軸トルクが小さくなり、自車両を加速させるときには、その加速が鈍って、運転者に違和感を与えてしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の問題点に着目してなされたものであって、自車両を加速させるときには、変速中の変速比を実際よりも小さく推定し、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止する車両用走行制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る車両用走行制御装置は、自車両が発生すべき加速度の大きさを示す加速指標を設定する加速指標設定手段と、自動変速機の変速中の変速比を変速比変化率推定値を用いて推定する変速比推定手段と、その変速比推定手段が推定した変速比及び前記加速指標設定手段が設定した加速指標に基づいて前記自動変速機に入力するトルクを算出するトルク算出手段と、を備え、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速中であるときには、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど小さめの変速比変化率推定値を用いて前記自動変速機の変速中の変速比を小さめに推定することを特徴とする。
【0007】
なお、加速指標としては、自車両に必要とされる加速度の大きさを示すものであればよく、例えば、自車両を先行車両に追従して走行させるときには、先行車両に追従させるための加速度の大きさを用いてもよく、先行車両の車速との相対速度から直接に算出される目標駆動軸トルクの大きさを用いてもよい。また、運転者が設定した目標車速で自車両を走行させるときには、目標車速との相対速度から直接に算出される目標駆動軸トルクの大きさを用いてもよい。
【0008】
さらに、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用走行制御装置において、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど前記所要時間を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を求め、その変速比変化率推定値に1次遅れ処理を施して変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど前記1次遅れ処理の時定数を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする。
【0010】
なお、変速比に1次遅れ処理を施す方法としては、どのような方法でもよく、例えば、変速比に1次遅れ関数を乗じるようにしてもよく、また、求めた変速比をローパスフィルタに入力するようにしてもよい。
さらに、請求項4に係る発明は、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、変速初期の変速比の変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど変速初期の前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係る車両用走行制御装置にあっては、先行車両に自車両を追従させるとき等に、先行車両が加速したことによって、先行車両と自車両との間の車間距離が大きくなって、その車間距離を小さくするように加速指標が大きく設定されたときに、変速中の変速比の推定を誤って大きめに算出してしまい、自動変速機に入力するトルクを本来必要な値よりも小さく算出してしまうことを防ぐことができ、加速の鈍りを抑制して、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0012】
また、自車両が加速したことによって、先行車両と自車両との車間距離が小さくなって、その車間距離を小さくするための加速指標が小さくなると、変速比の推定結果が大きくなり、自動変速機に入力するトルクを必要以上に大きく算出してしまうことを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0013】
さらに、請求項2に係る車両用走行制御装置にあっては、変速比を大きくする変速時に、変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を設定すると共に、加速指標が大きいほど前記所要時間を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とするようにしたため、変速中の変速比を容易に小さく推定することができる。また、変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして当該変速比を推定するため、変速中の変速比を小さく推定しても、走行制御の性能に大きな影響を与えずに済む。
【0014】
また、請求項3に係る車両用走行制御装置にあっては、変速比を大きくする変速時に、変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を求め、その変速比変化率推定値に1次遅れ処理を施して変速比変化率推定値を設定すると共に、加速指標が大きいほど前記1次遅れ処理の時定数を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とするようにしたため、変速初期の加速の鈍りを抑制することができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。
【0015】
さらに、請求項4に係る車両用走行制御装置にあっては、変速比を大きくする変速時に、変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、変速初期の変速比の変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて変速比変化率推定値を設定すると共に、加速指標が大きいほど変速初期の前記変速比変化率推定値を小さめの値とするようにしたため、特に変速初期の変速比の推定結果を容易に小さくすることができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。また、推定した変速比と実際の変速比との差が小さいので、変速後の加速感が過度になることを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を先行車に追従して走行する先行車追従制御装置を備えた後輪駆動車に適用した場合の第1の実施形態を示す概略構成図であり、図中、1FL、1FRは従動輪としての前輪、1RL、1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL、1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0017】
前輪1FL、1FR及び後輪1RL、1RRには、夫々制動力を発生するブレーキアクチュエータとしてのディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。
ここで、制動制御装置8は、ブレーキペダル8aの踏み込みに応じて制動油圧を発生すると共に、後述する追従制御用コントローラ20からの制動圧指令値PBRに応じて制動油圧を発生するように構成されている。
【0018】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からのスロットル開度指令値THR に応じて、エンジン2に設けられたスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ10を制御するように構成される。
【0019】
さらに、自動変速機3には、その変速位置や当該変速位置に適した作動流体圧を制御する変速機制御装置11が設けられている。この変速機制御装置11は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述の追従制御用コントローラ20からの変速比変更指令値GPNEXTに応じて、自動変速機3の変速位置や作動流体圧を制御するように構成される。
【0020】
一方、車両の前方側の車体下部には、レーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダ方式の構成を有する車間距離センサ12が設けられている。
また、車両には、例えば従動輪となる前輪1FL及び1FRに取り付けられた車輪速度を検出する車輪速センサ13FL及び13FRと、運転者に設定車速VSET を設定させるセットスイッチ14と、が配設されている。
【0021】
そして、車間距離センサ12から出力される車間距離Lと、車輪速センサ13FL、13FRから出力される車輪速VWFL、VWFRとが追従制御用コントローラ20に入力される。この追従制御用コントローラ20は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、後述する追従制御処理を実行し、先行車両を捕捉しているときには車間距離Lを目標車間距離L*に制御し、先行車両を捕捉していないときには自車速VS を運転者が設定した設定車速VSET に制御する制動圧指令値PBR、目標スロットル開度THR 及び変速比変更指令値GPNEXTを、制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置11に出力する。
【0022】
本実施の形態における追従制御処理は、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成している。
この制御ブロックは、車間距離センサ12でレーザ光を掃射してから先行車の反射光を受光するまでの時間を計測し、先行車との車間距離Lを演算する測距信号処理部21と、測距信号処理部21で演算された車間距離L及び車輪速センサ13FL、13FRから算出される自車速VS に基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に維持する目標車速VL * を演算する車間距離制御部40と、この車間距離制御部40で演算した目標車速VL * に基づいて目標駆動軸トルクTW * を演算する車速制御部50と、この車速制御部50で演算した目標駆動軸トルクTW * に基づいて目標スロットル開度THR 、制動圧指令値PBR及び変速比変更指令値GPNEXTを演算し、これらをスロットルアクチュエータ10、ディスクブレーキ7及び自動変速機3に出力する駆動軸トルク制御部60とを備えている。なお、自車速VS を算出する方法としては、車輪速センサ13FL及び13FRから出力されるパルス信号に基づいて、単位時間当たりのパルス数を計数するか又はパルス間隔の経過時間を計測すると共に、この計測結果とタイヤ外周長とから車速を算出し、これらの平均値を演算すればよい。
【0023】
また、車間距離制御部40は、車輪速VWFL、VWFRから算出される自車速VS に基づいて先行車と自車との間の目標車間距離L* を算出する目標車間距離設定部42と、この目標車間距離設定部42で算出された目標車間距離L* と、測距信号処理部21から入力される車間距離Lと、自車速VS とに基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に一致させるための目標車速VL * を演算する車間距離制御演算部43とを備えている。
【0024】
車速制御部50は、車間距離センサ12で先行車両を捕捉しているときには車間距離制御部40から入力される目標車速VL * と運転者が設定した設定車速VSET との何れか小さい値を目標車速V* として設定し、先行車両を捕捉していないときには運転者が設定した設定車速VSET を目標車速V* として設定する目標車速設定部51と、この目標車速設定部51で設定された目標車速V* に自車速VS を一致させるための目標加速度ACCCOMを算出して目標駆動軸トルクTW * を設定する目標駆動軸トルク演算部52とを備えている。
【0025】
また、駆動軸トルク制御部60は、図3に示すように、目標駆動軸トルクTW * を実現するためのスロットル開度指令値THRを演算する。
今、トルクコンバータのトルク増幅率をRT、自動変速機3のギア比をRAT、ディファレンシャルギヤ比をRDEF 、エンジンイナーシャをJE 、エンジン回転数をNE とすると、駆動軸トルクTW とエンジントルクTE との関係は下記(1)式で表すことができる。
【0026】
TW=KGEAR・RDEF{TE−JE(dNE/dt)}−TBR ………(1)
但し、変速比KGEAR=RT・RAT
したがって、目標駆動軸トルクTW *に対して下記(2)式で目標エンジントルクTE *を演算し、この目標エンジントルクTE *を発生させるスロットル開度指令値THRを図4に示すエンジンマップを参照して算出する。
【0027】
TE * =JE (dNE /dt)+TW * /(KGEAR・RDEF) ………(2)
このため、駆動軸トルク制御部60は、図3のブロック線図に示すように、目標駆動軸トルクTW * を除算器61に供給して、ディファレンシャルギヤ比RDEF及び変速比KGEARで除算して、目標エンジントルクTE * を算出し、これをスロットル開度算出部62に供給して、このスロットル開度算出部62で目標エンジントルクTE * 及びエンジン回転数NE をもとに図4のエンジンマップを参照してスロットル開度THを算出し、これをリミッタ63に供給して、スロットルアクチュエータ10で制御可能な零から最大スロットル開度までの範囲に制限してスロットル開度指令値THR としてエンジン出力制御装置9に出力する。
【0028】
また、追従制御用コントローラ20では、上記追従制御処理と同時に、図5に示す変速中係数算出処理を実行する。この変速中係数算出処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割り込み処理として実行されて、変速中の変速比KGEARを推定するものであって、まず、ステップS100において、変速中であるときに「1」のセット状態になる変速中フラグF1が当該セット状態であるか否か判定し、セット状態であるときには(Yes)ステップS101に移行し、そうでないときには(No)この変速中係数算出処理を終了する。
【0029】
前記ステップS101では、駆動軸トルク制御部60で演算された変速比変更指令値GPNEXTが示す変速比から、変速前の変速比GPCURを差し引いた値が正値であるか否か判定し、正値であるときには(Yes)ステップS102に移行し、そうでないときには(No)ステップS104に移行する。
ステップS102では、目標駆動軸トルク演算部52で算出された目標加速度ACCCOMが正値であるか否かを判定し、正値であるときには(Yes)ステップS103に移行し、そうでないときには(No)前記ステップS104に移行する。
【0030】
前記ステップS103では、図6に示すように、目標加速度ACCCOMが0Gから0.08Gまで変化する間に、補正係数KCORRを1.0から0.5まで線形に変化させる関数を用いて当該補正係数KCORRを下記(3)式で算出して設定し、ステップS105に移行する。
KCORR =1−ACCCOM/0.016 …………(3)
一方、前記ステップS104では、補正係数KCORRを1.0に設定してから、前記ステップS105に移行する。
【0031】
前記ステップS105では、図7に示すように、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間(例えば、0.6sec)に基づいて、経過時間tcountに応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして、変速中の変速比の変化量ΔKGEARを下記(4)式に従って算出し、ステップS106に移行する。
【0032】
ΔKGEAR =(GPNEXT−GPCUR)tcount/0.6…………(4)
前記ステップS106では、前記ステップS104で算出した補正係数KCORR、前記ステップS105で算出した変速比の変化量ΔKGEAR及び変速前の変速比GPCURに基づいて、追従制御処理の駆動軸トルク制御部60で用いる変速比KGEARを下記(5)式で算出して設定し、この変速中継数算出処理を終了する。
【0033】
KGEAR =ΔKGEAR・KCORR+GPCUR…………(5)
次に、本実施形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。
まず、追従制御用コントローラ20が追従制御処理を実行して、自車両が先行車両に追従して走行しているときに、先行車両が加速を開始して、その先行車両と自車両との間の車間距離が大きくなったとする。すると、その追従制御処理において、車間距離センサ12がレーザ光を掃射してから先行車の反射光を受光するまでの時間が測距信号処理部21で計測されて、先行車との車間距離Lが演算され、その演算された車間距離L及び自車速VS に基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に維持する目標車速VL * が車間距離制御部40で演算される。
【0034】
また、前記車間距離制御部40で演算された目標車速VL * に基づいて車速制御部50で目標加速度ACCCOMが算出されて目標駆動軸トルクTW * が設定され、その目標駆動軸トルクTW * に基づいて目標スロットル開度THR 、制動圧指令値PBR及び変速比変更指令値GPNEXTが駆動軸トルク制御部60で演算され、これらがスロットルアクチュエータ10、ディスクブレーキ7及び自動変速機3に出力される。すると、自車両が先行車両に追従して加速するように、スロットル開度を大きくすると共に、変速位置を低速側(例えば、4速から3速)にシフトする。
【0035】
また、同時に、追従制御用コントローラ20では、変速中係数算出処理がタイマ割り込み処理として実行され、まず、変速比を大きくする変速時であるので、ステップS100及びS101の判定が「Yes」となり、また、車速制御部50で算出された目標加速度ACCCOMが正値になるので、そのステップS102の判定が「Yes」となり、さらに、目標車間距離L* と車間距離Lとの差が大きく、目標加速度ACCCOMが最大加速度0.08Gに設定されたとすると、ステップS103で、図6に示すように、上記(3)式に従って補正係数KCORRが最小値0.5に設定され、ステップS105で、図7に示すように、変速中の変速比の変化量ΔKGEARが上記(4)式に従って算出され、ステップS106で、前記ステップS104で算出された補正係数KCO RR、前記ステップS105で算出された変速比の変化量ΔKGEAR及び変速前の変速比GPCURに基づいて、変速中の変速比KGEARの変化率が小さく設定され、図8に示すように、追従制御処理の駆動軸トルク制御部60で用いる変速比KGEARが上記(5)式で小さく算出される。
【0036】
このように、本実施形態にあっては、変速比KGEARを大きくする変速時に、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間に基づいて、経過時間tcountに応じて変速比KGEARが一定の時間変化率で大きくなるものとして当該変速比KGEARを設定すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて変速中の変速比KGEARの変化率を小さく設定するようにしたため、自動変速機3に入力するトルクを本来必要な値よりも小さく算出してしまうことを防ぐことができ、加速の鈍りを抑制して、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0037】
また、変速比KGEARが一定の時間変化率で大きくなるものとして当該変速比KGEARを算出するため、変速中の変速比KGEARを容易に小さく算出することができ、さらに、変速中の変速比KGEARを小さく算出しても、追従制御の性能に大きな影響を与えずに済む。
そして、上記フローを繰り返し実行しているうちに、先行車両と自車両との車間距離Lが小さくなって、目標加速度ACCCOMが小さくなったとする。すると、図6に示すように、上記(3)式に従って補正係数KCORRの設定値が大きくなり、ステップS105で、図7に示すように、変速中の変速比の変化量ΔKGEARが上記(4)式に従って算出され、ステップS106で、前記ステップS105で算出された変速比の変化量ΔKGEAR及び変速前の変速比GPCURに基づいて、変速中の変速比KGEARの変化率が大きく設定され、図8に示すように、追従制御処理の駆動軸トルク制御部60で用いる変速比KGEARが上記(5)式で大きく算出される。
【0038】
このように、自車両が加速したことによって、先行車両と自車両との車間距離が小さくなって、その車間距離を小さくするための目標加速度ACCCOMが小さくなると、変速比KGEARが大きくなり、自動変速機3に入力するトルクを必要以上に大きく算出してしまうことを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0039】
次に、本発明の車両用走行制御装置の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、補正係数KCORRを1次遅れ関数を用いて算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、前記1次遅れ関数の時定数τを大きく設定することにより、変速中の変速比KGEARの変化率を小さくする点が第1の実施形態と異なっている。
【0040】
つまり、第2の実施形態では、追従制御用コントローラ20で実行される追従制御処理のうち、図9に示すように、前述した第1の実施形態の図5の処理の前記ステップS103に変えて、図10に示すように、目標加速度ACCCOMが0Gから0.08Gまで変化する間に、時定数τが0から1.0まで変化する1次遅れ関数を用いて補正係数KCORRを下記(6)式で算出して設定するステップS200を設けたことを除いては、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0041】
KCORR =1−etcount/ τ …………(6)
但し、時定数τ=ACCCOM/0.08
このように本実施形態にあっては、変速比KGEARを大きくする変速時に、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間に基づいて、経過時間tcountに応じて一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比KGE ARを求め、その変速比KGEARに1次遅れ関数を乗じて変速比KGEARを算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、前記1次遅れ関数の時定数τを大きく設定することにより、変速中の変速比KGEARの変化率を小さく設定するようにしたため、図11に示すように、変速初期の変速比KGEARが小さくなり、加速の鈍りを抑制することができ、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0042】
次に、本発明の車両用走行制御装置の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、変速前後の変速比GPCUR、GPNEX T及び変速に要する平均所要時間に基づいて、変速初期の変速比KGEARの変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて、変速比KGEARを算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、変速初期の変速比KGEARの変化率を小さくすることにより、変速中の変速比KGEARの変化率を小さく設定する点が第1の実施形態と異なっている。
【0043】
つまり、第3の実施形態では、追従制御用コントローラ20で実行される追従制御処理のうち、図12に示すように、前述した第1の実施形態の図5の処理の前記ステップS103に変えて、図13に示すように、目標加速度ACCCOMが0Gから0.08Gまで変化する間に、補正係数KCORRを1.0から2.0まで線形に変化させる関数を用いて当該補正係数KCORRを下記(7)式で算出して設定するステップS300を設けると共に、前記ステップS105及びS106に変えて、補正係数KCORRが1.0から2.0まで変化する間に、変速比KGEARを算出する関数を1次式から2次式まで変化させる関数を用いて当該変速比KGEAR下記(8)式で算出して設定するステップS301を設けたことを除いては、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0044】
KCORR =12.5・ACCCOM+1 …………(7)
KGEAR =(GPNEXT−GPCUR)・(tcount/0.6)KCORR +GPCUR………(8)
このように、変速比KGEARを大きくする変速時に、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間に基づいて、変速初期の変速比KGEARの変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて、当該変速比KGEARを算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、変速初期の変速比KGEARの変化率を小さく設定し、変速中の変速比KGEARの変化率を小さく算出するようにしたため、図14に示すように、特に変速初期の変速比KGEARの推定結果を容易に小さくすることができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。また、推定した変速比KGEARと実際の変速比との差が小さいので、変速後の加速感が過度になることを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。
【0045】
なお、上記実施の形態においては、加速指標設定手段は目標駆動軸トルク演算部52に対応し、変速比推定手段はステップS103、S105、S200、S300及びS301に対応し、トルク算出手段は目標駆動軸トルク演算部52及び駆動軸トルク制御部60に対応し、変速比検出手段は駆動軸トルク制御部60に対応する。
【0046】
また、上記実施の形態は本発明の車両用走行制御装置の一例を示したものであり、装置の適用対象や構成等を限定するものではない。
例えば、上記実施形態においては、本発明を追従制御装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、目標車速に自車速を一致させる任意の車速制御に本発明を適用し得るものである。
【0047】
さらにまた、上記実施形態においては、従動輪としての前輪1FL及び1FRの車輪速VWFL 及びVWFR の平均値を自車速VS とする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アンチロックブレーキ制御装置を搭載している車両では、このアンチロックブレーキ制御装置に内蔵する車体速度推定部で演算する車体速度を自車速VS として設定するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源としてエンジン2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを適用することもでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用するハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
【0049】
さらに、上記実施形態においては、車間距離センサ12としてレーザレーダを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ミリ波レーダを適用してもよく、さらにはCCDを使用したステレオカメラの撮像を画像処理して車間距離を求めるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、加速指標として自車速Vsを目標車速V*に一致させるための目標加速度ACCCOMを用いた場合について説明したが、他の加速指標を用いてもよく、例えば、自車速Vsを目標車速V*から算出される駆動軸トルクTW *を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用走行制御装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラの具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の駆動軸トルク制御部の具体例を示すブロック線図である。
【図4】スロットル開度からエンジントルクを求めるためのエンジンマップの一例を示す特性線図である。
【図5】図1の追従制御用コントローラで実行される変速中係数算出処理のフローチャートである。
【図6】目標加速度と補正係数との関係を示す特性線図である。
【図7】変速中の経過時間と変速比の変速比との関係を示す特性線図である。
【図8】図1の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図9】本発明の車両用走行制御装置の第2の実施形態を示す図であって、第1の実施形態の図5に対応する変速中係数算出処理のフローチャートである。
【図10】第1の実施形態の図6に対応する図であって、(a)は時定数と補正係数との関係を示す特性線図であり、(b)は目標加速度と時定数との関係を示す特性線図である。
【図11】図9の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図12】本発明の車両用走行制御装置の第3の実施形態を示す図であって、第1の実施形態の図5に対応する変速中係数算出処理のフローチャートである。
【図13】第1の実施形態の図6に対応する図であって、目標加速度と補正係数との関係を示す特性線図である。
【図14】図12の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1FL、1FRは前輪
1RL、1RRは後輪
2はエンジン
3は自動変速機
4はプロペラシャフト
5は最終減速装置
6は車軸
9はエンジン出力制御装置
10はスロットルアクチュエータ
11は変速機制御装置
12は車間距離センサ
13FL、13FRは車輪速センサ
14はセットスイッチ
20は追従制御用コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自車両を先行車両に追従走行させるときや、運転者が設定した目標車速で走行させるとき等に、必要な駆動軸トルクを得るために自動変速機に入力するトルクを算出する車両用走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用走行制御装置としては、例えば特開2001−47888号公報に記載されているものが知られている。
この従来例には、先行車両に自車両を追従して走行させる追従制御機能を備え、先行車両と自車両との間の車間距離を目標車間距離に一致させる目標駆動軸トルクを算出すると共に、その目標駆動軸トルクを自動変速機のギア比で除して、当該目標駆動軸トルクを実現するための目標エンジントルクを演算する方法が開示されている。
【0003】
このような装置にあっては、通常、その自動変速機に入力回転数を検出するセンサと出力回転数を検出するセンサとを備え、それらのセンサの検出結果に基づいて変速中のギア比を推定している。また、変速前に設定していたギア比と変速後に設定するギア比とを、変速に要する平均時間に基づいて補間し、変速中のギア比を推定する方法も行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、目標駆動軸トルクをギア比で除して目標エンジントルクを算出しているため、変速中のギア比を誤って実際よりも大きく推定してしまうと、目標エンジントルクを本来必要な値よりも小さく演算してしまい、目標駆動軸トルクに対して実際の駆動軸トルクが小さくなり、自車両を加速させるときには、その加速が鈍って、運転者に違和感を与えてしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の問題点に着目してなされたものであって、自車両を加速させるときには、変速中の変速比を実際よりも小さく推定し、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止する車両用走行制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る車両用走行制御装置は、自車両が発生すべき加速度の大きさを示す加速指標を設定する加速指標設定手段と、自動変速機の変速中の変速比を変速比変化率推定値を用いて推定する変速比推定手段と、その変速比推定手段が推定した変速比及び前記加速指標設定手段が設定した加速指標に基づいて前記自動変速機に入力するトルクを算出するトルク算出手段と、を備え、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速中であるときには、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど小さめの変速比変化率推定値を用いて前記自動変速機の変速中の変速比を小さめに推定することを特徴とする。
【0007】
なお、加速指標としては、自車両に必要とされる加速度の大きさを示すものであればよく、例えば、自車両を先行車両に追従して走行させるときには、先行車両に追従させるための加速度の大きさを用いてもよく、先行車両の車速との相対速度から直接に算出される目標駆動軸トルクの大きさを用いてもよい。また、運転者が設定した目標車速で自車両を走行させるときには、目標車速との相対速度から直接に算出される目標駆動軸トルクの大きさを用いてもよい。
【0008】
さらに、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用走行制御装置において、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど前記所要時間を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を求め、その変速比変化率推定値に1次遅れ処理を施して変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど前記1次遅れ処理の時定数を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする。
【0010】
なお、変速比に1次遅れ処理を施す方法としては、どのような方法でもよく、例えば、変速比に1次遅れ関数を乗じるようにしてもよく、また、求めた変速比をローパスフィルタに入力するようにしてもよい。
さらに、請求項4に係る発明は、前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、変速初期の変速比の変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど変速初期の前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係る車両用走行制御装置にあっては、先行車両に自車両を追従させるとき等に、先行車両が加速したことによって、先行車両と自車両との間の車間距離が大きくなって、その車間距離を小さくするように加速指標が大きく設定されたときに、変速中の変速比の推定を誤って大きめに算出してしまい、自動変速機に入力するトルクを本来必要な値よりも小さく算出してしまうことを防ぐことができ、加速の鈍りを抑制して、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0012】
また、自車両が加速したことによって、先行車両と自車両との車間距離が小さくなって、その車間距離を小さくするための加速指標が小さくなると、変速比の推定結果が大きくなり、自動変速機に入力するトルクを必要以上に大きく算出してしまうことを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0013】
さらに、請求項2に係る車両用走行制御装置にあっては、変速比を大きくする変速時に、変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を設定すると共に、加速指標が大きいほど前記所要時間を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とするようにしたため、変速中の変速比を容易に小さく推定することができる。また、変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして当該変速比を推定するため、変速中の変速比を小さく推定しても、走行制御の性能に大きな影響を与えずに済む。
【0014】
また、請求項3に係る車両用走行制御装置にあっては、変速比を大きくする変速時に、変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を求め、その変速比変化率推定値に1次遅れ処理を施して変速比変化率推定値を設定すると共に、加速指標が大きいほど前記1次遅れ処理の時定数を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とするようにしたため、変速初期の加速の鈍りを抑制することができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。
【0015】
さらに、請求項4に係る車両用走行制御装置にあっては、変速比を大きくする変速時に、変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、変速初期の変速比の変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて変速比変化率推定値を設定すると共に、加速指標が大きいほど変速初期の前記変速比変化率推定値を小さめの値とするようにしたため、特に変速初期の変速比の推定結果を容易に小さくすることができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。また、推定した変速比と実際の変速比との差が小さいので、変速後の加速感が過度になることを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を先行車に追従して走行する先行車追従制御装置を備えた後輪駆動車に適用した場合の第1の実施形態を示す概略構成図であり、図中、1FL、1FRは従動輪としての前輪、1RL、1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL、1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0017】
前輪1FL、1FR及び後輪1RL、1RRには、夫々制動力を発生するブレーキアクチュエータとしてのディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。
ここで、制動制御装置8は、ブレーキペダル8aの踏み込みに応じて制動油圧を発生すると共に、後述する追従制御用コントローラ20からの制動圧指令値PBRに応じて制動油圧を発生するように構成されている。
【0018】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からのスロットル開度指令値THR に応じて、エンジン2に設けられたスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ10を制御するように構成される。
【0019】
さらに、自動変速機3には、その変速位置や当該変速位置に適した作動流体圧を制御する変速機制御装置11が設けられている。この変速機制御装置11は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述の追従制御用コントローラ20からの変速比変更指令値GPNEXTに応じて、自動変速機3の変速位置や作動流体圧を制御するように構成される。
【0020】
一方、車両の前方側の車体下部には、レーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダ方式の構成を有する車間距離センサ12が設けられている。
また、車両には、例えば従動輪となる前輪1FL及び1FRに取り付けられた車輪速度を検出する車輪速センサ13FL及び13FRと、運転者に設定車速VSET を設定させるセットスイッチ14と、が配設されている。
【0021】
そして、車間距離センサ12から出力される車間距離Lと、車輪速センサ13FL、13FRから出力される車輪速VWFL、VWFRとが追従制御用コントローラ20に入力される。この追従制御用コントローラ20は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、後述する追従制御処理を実行し、先行車両を捕捉しているときには車間距離Lを目標車間距離L*に制御し、先行車両を捕捉していないときには自車速VS を運転者が設定した設定車速VSET に制御する制動圧指令値PBR、目標スロットル開度THR 及び変速比変更指令値GPNEXTを、制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置11に出力する。
【0022】
本実施の形態における追従制御処理は、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成している。
この制御ブロックは、車間距離センサ12でレーザ光を掃射してから先行車の反射光を受光するまでの時間を計測し、先行車との車間距離Lを演算する測距信号処理部21と、測距信号処理部21で演算された車間距離L及び車輪速センサ13FL、13FRから算出される自車速VS に基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に維持する目標車速VL * を演算する車間距離制御部40と、この車間距離制御部40で演算した目標車速VL * に基づいて目標駆動軸トルクTW * を演算する車速制御部50と、この車速制御部50で演算した目標駆動軸トルクTW * に基づいて目標スロットル開度THR 、制動圧指令値PBR及び変速比変更指令値GPNEXTを演算し、これらをスロットルアクチュエータ10、ディスクブレーキ7及び自動変速機3に出力する駆動軸トルク制御部60とを備えている。なお、自車速VS を算出する方法としては、車輪速センサ13FL及び13FRから出力されるパルス信号に基づいて、単位時間当たりのパルス数を計数するか又はパルス間隔の経過時間を計測すると共に、この計測結果とタイヤ外周長とから車速を算出し、これらの平均値を演算すればよい。
【0023】
また、車間距離制御部40は、車輪速VWFL、VWFRから算出される自車速VS に基づいて先行車と自車との間の目標車間距離L* を算出する目標車間距離設定部42と、この目標車間距離設定部42で算出された目標車間距離L* と、測距信号処理部21から入力される車間距離Lと、自車速VS とに基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に一致させるための目標車速VL * を演算する車間距離制御演算部43とを備えている。
【0024】
車速制御部50は、車間距離センサ12で先行車両を捕捉しているときには車間距離制御部40から入力される目標車速VL * と運転者が設定した設定車速VSET との何れか小さい値を目標車速V* として設定し、先行車両を捕捉していないときには運転者が設定した設定車速VSET を目標車速V* として設定する目標車速設定部51と、この目標車速設定部51で設定された目標車速V* に自車速VS を一致させるための目標加速度ACCCOMを算出して目標駆動軸トルクTW * を設定する目標駆動軸トルク演算部52とを備えている。
【0025】
また、駆動軸トルク制御部60は、図3に示すように、目標駆動軸トルクTW * を実現するためのスロットル開度指令値THRを演算する。
今、トルクコンバータのトルク増幅率をRT、自動変速機3のギア比をRAT、ディファレンシャルギヤ比をRDEF 、エンジンイナーシャをJE 、エンジン回転数をNE とすると、駆動軸トルクTW とエンジントルクTE との関係は下記(1)式で表すことができる。
【0026】
TW=KGEAR・RDEF{TE−JE(dNE/dt)}−TBR ………(1)
但し、変速比KGEAR=RT・RAT
したがって、目標駆動軸トルクTW *に対して下記(2)式で目標エンジントルクTE *を演算し、この目標エンジントルクTE *を発生させるスロットル開度指令値THRを図4に示すエンジンマップを参照して算出する。
【0027】
TE * =JE (dNE /dt)+TW * /(KGEAR・RDEF) ………(2)
このため、駆動軸トルク制御部60は、図3のブロック線図に示すように、目標駆動軸トルクTW * を除算器61に供給して、ディファレンシャルギヤ比RDEF及び変速比KGEARで除算して、目標エンジントルクTE * を算出し、これをスロットル開度算出部62に供給して、このスロットル開度算出部62で目標エンジントルクTE * 及びエンジン回転数NE をもとに図4のエンジンマップを参照してスロットル開度THを算出し、これをリミッタ63に供給して、スロットルアクチュエータ10で制御可能な零から最大スロットル開度までの範囲に制限してスロットル開度指令値THR としてエンジン出力制御装置9に出力する。
【0028】
また、追従制御用コントローラ20では、上記追従制御処理と同時に、図5に示す変速中係数算出処理を実行する。この変速中係数算出処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割り込み処理として実行されて、変速中の変速比KGEARを推定するものであって、まず、ステップS100において、変速中であるときに「1」のセット状態になる変速中フラグF1が当該セット状態であるか否か判定し、セット状態であるときには(Yes)ステップS101に移行し、そうでないときには(No)この変速中係数算出処理を終了する。
【0029】
前記ステップS101では、駆動軸トルク制御部60で演算された変速比変更指令値GPNEXTが示す変速比から、変速前の変速比GPCURを差し引いた値が正値であるか否か判定し、正値であるときには(Yes)ステップS102に移行し、そうでないときには(No)ステップS104に移行する。
ステップS102では、目標駆動軸トルク演算部52で算出された目標加速度ACCCOMが正値であるか否かを判定し、正値であるときには(Yes)ステップS103に移行し、そうでないときには(No)前記ステップS104に移行する。
【0030】
前記ステップS103では、図6に示すように、目標加速度ACCCOMが0Gから0.08Gまで変化する間に、補正係数KCORRを1.0から0.5まで線形に変化させる関数を用いて当該補正係数KCORRを下記(3)式で算出して設定し、ステップS105に移行する。
KCORR =1−ACCCOM/0.016 …………(3)
一方、前記ステップS104では、補正係数KCORRを1.0に設定してから、前記ステップS105に移行する。
【0031】
前記ステップS105では、図7に示すように、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間(例えば、0.6sec)に基づいて、経過時間tcountに応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして、変速中の変速比の変化量ΔKGEARを下記(4)式に従って算出し、ステップS106に移行する。
【0032】
ΔKGEAR =(GPNEXT−GPCUR)tcount/0.6…………(4)
前記ステップS106では、前記ステップS104で算出した補正係数KCORR、前記ステップS105で算出した変速比の変化量ΔKGEAR及び変速前の変速比GPCURに基づいて、追従制御処理の駆動軸トルク制御部60で用いる変速比KGEARを下記(5)式で算出して設定し、この変速中継数算出処理を終了する。
【0033】
KGEAR =ΔKGEAR・KCORR+GPCUR…………(5)
次に、本実施形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。
まず、追従制御用コントローラ20が追従制御処理を実行して、自車両が先行車両に追従して走行しているときに、先行車両が加速を開始して、その先行車両と自車両との間の車間距離が大きくなったとする。すると、その追従制御処理において、車間距離センサ12がレーザ光を掃射してから先行車の反射光を受光するまでの時間が測距信号処理部21で計測されて、先行車との車間距離Lが演算され、その演算された車間距離L及び自車速VS に基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に維持する目標車速VL * が車間距離制御部40で演算される。
【0034】
また、前記車間距離制御部40で演算された目標車速VL * に基づいて車速制御部50で目標加速度ACCCOMが算出されて目標駆動軸トルクTW * が設定され、その目標駆動軸トルクTW * に基づいて目標スロットル開度THR 、制動圧指令値PBR及び変速比変更指令値GPNEXTが駆動軸トルク制御部60で演算され、これらがスロットルアクチュエータ10、ディスクブレーキ7及び自動変速機3に出力される。すると、自車両が先行車両に追従して加速するように、スロットル開度を大きくすると共に、変速位置を低速側(例えば、4速から3速)にシフトする。
【0035】
また、同時に、追従制御用コントローラ20では、変速中係数算出処理がタイマ割り込み処理として実行され、まず、変速比を大きくする変速時であるので、ステップS100及びS101の判定が「Yes」となり、また、車速制御部50で算出された目標加速度ACCCOMが正値になるので、そのステップS102の判定が「Yes」となり、さらに、目標車間距離L* と車間距離Lとの差が大きく、目標加速度ACCCOMが最大加速度0.08Gに設定されたとすると、ステップS103で、図6に示すように、上記(3)式に従って補正係数KCORRが最小値0.5に設定され、ステップS105で、図7に示すように、変速中の変速比の変化量ΔKGEARが上記(4)式に従って算出され、ステップS106で、前記ステップS104で算出された補正係数KCO RR、前記ステップS105で算出された変速比の変化量ΔKGEAR及び変速前の変速比GPCURに基づいて、変速中の変速比KGEARの変化率が小さく設定され、図8に示すように、追従制御処理の駆動軸トルク制御部60で用いる変速比KGEARが上記(5)式で小さく算出される。
【0036】
このように、本実施形態にあっては、変速比KGEARを大きくする変速時に、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間に基づいて、経過時間tcountに応じて変速比KGEARが一定の時間変化率で大きくなるものとして当該変速比KGEARを設定すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて変速中の変速比KGEARの変化率を小さく設定するようにしたため、自動変速機3に入力するトルクを本来必要な値よりも小さく算出してしまうことを防ぐことができ、加速の鈍りを抑制して、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0037】
また、変速比KGEARが一定の時間変化率で大きくなるものとして当該変速比KGEARを算出するため、変速中の変速比KGEARを容易に小さく算出することができ、さらに、変速中の変速比KGEARを小さく算出しても、追従制御の性能に大きな影響を与えずに済む。
そして、上記フローを繰り返し実行しているうちに、先行車両と自車両との車間距離Lが小さくなって、目標加速度ACCCOMが小さくなったとする。すると、図6に示すように、上記(3)式に従って補正係数KCORRの設定値が大きくなり、ステップS105で、図7に示すように、変速中の変速比の変化量ΔKGEARが上記(4)式に従って算出され、ステップS106で、前記ステップS105で算出された変速比の変化量ΔKGEAR及び変速前の変速比GPCURに基づいて、変速中の変速比KGEARの変化率が大きく設定され、図8に示すように、追従制御処理の駆動軸トルク制御部60で用いる変速比KGEARが上記(5)式で大きく算出される。
【0038】
このように、自車両が加速したことによって、先行車両と自車両との車間距離が小さくなって、その車間距離を小さくするための目標加速度ACCCOMが小さくなると、変速比KGEARが大きくなり、自動変速機3に入力するトルクを必要以上に大きく算出してしまうことを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0039】
次に、本発明の車両用走行制御装置の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、補正係数KCORRを1次遅れ関数を用いて算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、前記1次遅れ関数の時定数τを大きく設定することにより、変速中の変速比KGEARの変化率を小さくする点が第1の実施形態と異なっている。
【0040】
つまり、第2の実施形態では、追従制御用コントローラ20で実行される追従制御処理のうち、図9に示すように、前述した第1の実施形態の図5の処理の前記ステップS103に変えて、図10に示すように、目標加速度ACCCOMが0Gから0.08Gまで変化する間に、時定数τが0から1.0まで変化する1次遅れ関数を用いて補正係数KCORRを下記(6)式で算出して設定するステップS200を設けたことを除いては、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0041】
KCORR =1−etcount/ τ …………(6)
但し、時定数τ=ACCCOM/0.08
このように本実施形態にあっては、変速比KGEARを大きくする変速時に、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間に基づいて、経過時間tcountに応じて一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比KGE ARを求め、その変速比KGEARに1次遅れ関数を乗じて変速比KGEARを算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、前記1次遅れ関数の時定数τを大きく設定することにより、変速中の変速比KGEARの変化率を小さく設定するようにしたため、図11に示すように、変速初期の変速比KGEARが小さくなり、加速の鈍りを抑制することができ、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0042】
次に、本発明の車両用走行制御装置の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、変速前後の変速比GPCUR、GPNEX T及び変速に要する平均所要時間に基づいて、変速初期の変速比KGEARの変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて、変速比KGEARを算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、変速初期の変速比KGEARの変化率を小さくすることにより、変速中の変速比KGEARの変化率を小さく設定する点が第1の実施形態と異なっている。
【0043】
つまり、第3の実施形態では、追従制御用コントローラ20で実行される追従制御処理のうち、図12に示すように、前述した第1の実施形態の図5の処理の前記ステップS103に変えて、図13に示すように、目標加速度ACCCOMが0Gから0.08Gまで変化する間に、補正係数KCORRを1.0から2.0まで線形に変化させる関数を用いて当該補正係数KCORRを下記(7)式で算出して設定するステップS300を設けると共に、前記ステップS105及びS106に変えて、補正係数KCORRが1.0から2.0まで変化する間に、変速比KGEARを算出する関数を1次式から2次式まで変化させる関数を用いて当該変速比KGEAR下記(8)式で算出して設定するステップS301を設けたことを除いては、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0044】
KCORR =12.5・ACCCOM+1 …………(7)
KGEAR =(GPNEXT−GPCUR)・(tcount/0.6)KCORR +GPCUR………(8)
このように、変速比KGEARを大きくする変速時に、変速前後の変速比GPCUR、GPNEXT及び変速に要する平均所要時間に基づいて、変速初期の変速比KGEARの変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて、当該変速比KGEARを算出すると共に、目標加速度ACCCOMの大きさに応じて、変速初期の変速比KGEARの変化率を小さく設定し、変速中の変速比KGEARの変化率を小さく算出するようにしたため、図14に示すように、特に変速初期の変速比KGEARの推定結果を容易に小さくすることができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。また、推定した変速比KGEARと実際の変速比との差が小さいので、変速後の加速感が過度になることを防ぐことができ、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制できる。
【0045】
なお、上記実施の形態においては、加速指標設定手段は目標駆動軸トルク演算部52に対応し、変速比推定手段はステップS103、S105、S200、S300及びS301に対応し、トルク算出手段は目標駆動軸トルク演算部52及び駆動軸トルク制御部60に対応し、変速比検出手段は駆動軸トルク制御部60に対応する。
【0046】
また、上記実施の形態は本発明の車両用走行制御装置の一例を示したものであり、装置の適用対象や構成等を限定するものではない。
例えば、上記実施形態においては、本発明を追従制御装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、目標車速に自車速を一致させる任意の車速制御に本発明を適用し得るものである。
【0047】
さらにまた、上記実施形態においては、従動輪としての前輪1FL及び1FRの車輪速VWFL 及びVWFR の平均値を自車速VS とする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アンチロックブレーキ制御装置を搭載している車両では、このアンチロックブレーキ制御装置に内蔵する車体速度推定部で演算する車体速度を自車速VS として設定するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源としてエンジン2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを適用することもでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用するハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
【0049】
さらに、上記実施形態においては、車間距離センサ12としてレーザレーダを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ミリ波レーダを適用してもよく、さらにはCCDを使用したステレオカメラの撮像を画像処理して車間距離を求めるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、加速指標として自車速Vsを目標車速V*に一致させるための目標加速度ACCCOMを用いた場合について説明したが、他の加速指標を用いてもよく、例えば、自車速Vsを目標車速V*から算出される駆動軸トルクTW *を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用走行制御装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラの具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の駆動軸トルク制御部の具体例を示すブロック線図である。
【図4】スロットル開度からエンジントルクを求めるためのエンジンマップの一例を示す特性線図である。
【図5】図1の追従制御用コントローラで実行される変速中係数算出処理のフローチャートである。
【図6】目標加速度と補正係数との関係を示す特性線図である。
【図7】変速中の経過時間と変速比の変速比との関係を示す特性線図である。
【図8】図1の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図9】本発明の車両用走行制御装置の第2の実施形態を示す図であって、第1の実施形態の図5に対応する変速中係数算出処理のフローチャートである。
【図10】第1の実施形態の図6に対応する図であって、(a)は時定数と補正係数との関係を示す特性線図であり、(b)は目標加速度と時定数との関係を示す特性線図である。
【図11】図9の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図12】本発明の車両用走行制御装置の第3の実施形態を示す図であって、第1の実施形態の図5に対応する変速中係数算出処理のフローチャートである。
【図13】第1の実施形態の図6に対応する図であって、目標加速度と補正係数との関係を示す特性線図である。
【図14】図12の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1FL、1FRは前輪
1RL、1RRは後輪
2はエンジン
3は自動変速機
4はプロペラシャフト
5は最終減速装置
6は車軸
9はエンジン出力制御装置
10はスロットルアクチュエータ
11は変速機制御装置
12は車間距離センサ
13FL、13FRは車輪速センサ
14はセットスイッチ
20は追従制御用コントローラ
Claims (4)
- 自車両が発生すべき加速度の大きさを示す加速指標を設定する加速指標設定手段と、自動変速機の変速中の変速比を変速比変化率推定値を用いて推定する変速比推定手段と、その変速比推定手段が推定した変速比及び前記加速指標設定手段が設定した加速指標に基づいて前記自動変速機に入力するトルクを算出するトルク算出手段と、を備え、
前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速中であるときには、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど小さめの変速比変化率推定値を用いて前記自動変速機の変速中の変速比を小さめに推定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど前記所要時間を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
- 前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、時間の経過に応じて変速比が一定の時間変化率で大きくなるものとして変速比変化率推定値を求め、その変速比変化率推定値に1次遅れ処理を施して変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど前記1次遅れ処理の時定数を大きな値に設定して前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
- 前記変速比推定手段は、前記自動変速機が変速比を大きくする変速中であるときには、前記自動変速機の変速前後の変速比及び変速に要する所要時間に基づき、変速初期の変速比の変化率が後期の変化率より小さい関数を用いて変速比変化率推定値を設定し、且つ、前記加速指標設定手段が設定した加速指標が大きいほど変速初期の前記変速比変化率推定値を小さめの値とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
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