JP3911804B2 - Laminated film for decorative sheet - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具類や建築内装材等に用いられるプラスチック化粧合板やプラスチック被覆鋼板等の化粧材用の樹脂製化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にプラスチック化粧合板のような化粧材は、下地材として合板等の木材や鋼板等を用い、これに印刷・着色を施した単層または積層の樹脂シート(化粧シート)を貼り付けたものがよく知られており、この化粧シートの素材としては、意匠性や接着性に優れる塩化ビニル系樹脂が使用される例が多い。
しかしながら近年になって、用済後等の焼却処分の際に発生する塩化水素ガスの処理やこれに用いる焼却炉の炉材の選択等の問題から、ポリオレフィン系樹脂に基づく化粧シートが用いられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常用いられる化粧シートは、透明な表面層、印刷あるいは着色を施した印刷層から構成され、これらの各層は必要に応じて接着層を介して積層され、この積層されたシートはその裏面に塗布または積層された接着層を介して合板等に貼り付けて使用される。
こうした印刷層が褪色したり、シート自体が使用中に劣化したりしないようにするため、化粧シートの表面層や印刷層に耐候性助剤として紫外線吸収剤を配合するのが一般的である。
【0004】
しかしポリオレフィン系の化粧シートにおいては、基材であるポリオレフィン系樹脂が無極性であるため、極性が高い紫外線吸収剤との相溶性が小さく、褪色や劣化を有効に防止できる量を原料中に配合しても、シートを製造・二次加工する際に、「ブルーム」と呼ばれる配合剤の噴き出し現象が発生して、シートの表面や製造・加工用の金型・ロール等の機器類を汚染したり、あるいは噴き出しにより紫外線吸収剤が失われるために、本来の配合の目的を達成できないという結果となる例が多い。
即ち、本発明の目的は、上記の問題点を解決した、ブルームを抑制しつつ、かつ褪色・劣化を起こしにくいポリオレフィン系樹脂シートからなる化粧シート用フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は以下の各項に存している。
(1)少なくとも表面層(A)と基材層(B)とからなる化粧シート用積層フィルムにおいて、
(i)表面層(A)及び基材層(B)の各々が、メルトフローレートが0.1〜30(g/10分)、結晶融解熱が30〜150(J/g)、かつ曲げ弾性率が5000〜20000(kg/cm2 )の範囲にあるポリプロピレン系樹脂と紫外線吸収剤とを含むポリプロピレン系フィルムからなっており
(ii)表面層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂の結晶融解熱(以下「ΔHm,A 」と記す)及び曲げ弾性率(以下「YA 」と記す)と、基材層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂の結晶融解熱(以下「ΔHm,B と記す」及び曲げ弾性率(以下「YB 」と記す)とが、それぞれ「ΔHm,A >ΔHm,B かつYA >YB」の関係を満たし、かつ
(iii)表面層(A)中の紫外線吸収剤のポリプロピレン系樹脂100重量部あたりの含有量(以下「W A 」と記す)と基材層(B)中の紫外線吸収剤のポリプロピレン系樹脂100重量部あたりの含有量(以下「W B 」と記す)とが、「W A <W B 」の関係を満たすことを特徴とする、厚さ0.03〜2mmの化粧シート用積層フィルム。
【0006】
)WA及びWBのそれぞれが、0.01〜20重量部の範囲内にある上記(1)に記載の化粧シート用積層フィルム。
【0007】
)積層フィルムの厚さに占める基材層(B)の厚さの割合が50〜95%である上記(1)または(2)項に記載の化粧シート用積層フィルム。
)ポリプロピレン系樹脂が、プロピレンと、エチレン及び炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれた1種または2種以上のオレフィン系単量体とのランダム共重合体である上記(1)〜()のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルム。
【0008】
)紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である上記(1)〜()のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルム。
)紫外線吸収剤が分子量380〜1000のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である上記()項に記載の化粧シート用積層フィルム。
)ポリプロピレン系フィルム中にヒンダードアミン系光安定剤を含む上記(1)〜()のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルム。
【0009】
)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルムの基材層(B)上に接着層が積層されてなる接着性化粧シート用積層フィルム。
(9)上記()項に記載の化粧シート用積層フィルムの接着層上に印刷層及び接着層が順次積層されてなる化粧シート。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧シート用積層フィルムは、特定のポリプロピレン系樹脂からなる二種のフィルムを積層したフィルムである。
本発明の化粧シート用積層フィルムの素材であるポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンの単独重合体またはプロピレンを主体とする共重合体、もしくはこれらの2種類以上の混合物のことをいう。
【0011】
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂としては、プロピレンと、エチレン及び炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれた1種又は2種以上のオレフィン系単量体とのランダム共重合体が好ましい。α−オレフィンとしてはブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等が例示できる。α−オレフィンの炭素原子数が13以上になるとランダム共重合しにくくなる傾向となり、従ってフィルムの透明性も低下する傾向となるのであまり好ましくない。
【0012】
このようなランダム共重合体は、ポリプロピレン分子中にオレフィン系単量体が不規則に配列することにより重合体の立体規則性が乱れて結晶化度が低下し、透明性が良好で柔軟性に富むものとなる。共重合体中のオレフィン系単量体の含有量は、1〜10重量%、好ましくは2〜6重量%が好適である。
上述の通り、本発明に使用するポリプロピレン系樹脂はランダム共重合体が好ましいが、プロピレンの単独重合体やエチレン・プロピレンブロック共重合体等を用いても、或いは前記のポリプロピレン系樹脂の2種以上の混合物を用いても、樹脂全体としてメルトフローレート、結晶融解熱、及び曲げ弾性率が下記の特定の範囲内に入っていれば問題なく使用できる。
【0013】
ここで用いられるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは0.1〜30(g/10分)であることが必要である。メルトフローレートが0.1未満では、成形が難しく平滑なフィルムが得にくい。一方これが30より大きいと溶融粘度が低くなりすぎてフィルムへの成形が困難となりやすい。
また、その結晶融解熱は30〜150J/g、好ましくは80〜140J/gであり、曲げ弾性率が5000〜20000kg/cm2 、好ましくは10000〜15000kg/cm2 の範囲にあることが必要である。
【0014】
結晶融解熱が30J/g未満であったり、曲げ弾性率が5000kg/cm2 未満の場合は、化粧シート用フィルムとしては柔軟過ぎて加工上の問題を起こしやすい。一方、結晶融解熱が150J/g、或いは曲げ弾性率が20000kg/cm2 を超えて大きくなると、シートの透明性が低下したり、折り曲げ時の白化、特に低温(0℃)での折曲白化性が劣る傾向となる。
【0015】
なお、本発明に言う結晶融解熱とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、樹脂を一度融点以上にして溶融した後、10℃/分の速度で冷却した時のDSCチャート上の結晶ピーク面積より計算した値のことである。
本発明の化粧シート用積層フィルムは表面層(A)と基材層(B)との少なくとも2層から構成されている。この表面層(A)及び基材層(B)に用いられるポリプロピレン系樹脂は、それぞれの結晶融解熱(△Hm,A 及び△Hm,B )及び曲げ弾性率(YA 及びYB )が、「△Hm,A >△Hm,B かつYA >YB 」の関係を満たしている必要がある。
【0016】
更に、これらの層には紫外線吸収剤が含まれている必要があり、それぞれの層における、ポリプロピレン系樹脂100重量部あたりの紫外線吸収剤の含有量(WA 及びWB )は、「WA <WB 」の関係を満たしている。これらの紫外線吸収剤の含有量(WA 、WB )は、それぞれの層において、ポリプロピレン系樹脂100重量部あたり0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部とするのが好適である。この紫外線吸収剤の使用量が0.01重量部未満では、十分な紫外線吸収効果が得にくく、従って褪色・劣化の防止効果が不十分になりやすく、一方20重量部を超えて使用しても、その使用量増に見合った効果の増加が得られない上、ブルームの可能性が大きくなるので、あまり好ましくない。
【0017】
本発明の積層フィルムの厚さは0.03〜2mmの範囲である。0.03mm未満のフィルムを製造するのは一般に困難であり、一方2mmを超えて厚いフィルムでは化粧シートに用いた場合に、下地材へ貼付けた時の風合いや屈曲部・端部の処理が難しくなる。
また、このような積層フィルムの厚さに占める基材層(B)の厚さの割合は50〜95%であるのが好ましい。積層フィルム全体に占める基材層(B)の厚さの割合が上記の範囲を外れると、積層フィルム全体の剛性と折り曲げ白化性とのバランスが崩れたり、シートが柔軟になりすぎたり、硬くなりすぎたりして、化粧シート用には不向きになる。
【0018】
本発明の積層フィルムに用いる紫外線吸収剤としては、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(分子量388)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(分子量448)、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール](分子量659)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及び、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が例示できる。
【0019】
中でもベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を用いるのが、製品の着色を少なくする上で好適であり、更にその分子量が380〜1000の範囲にあるもの、、好ましくは400〜800の範囲内にあるものがより好適である。分子量を上記の範囲にすることによって、ブルーム防止効果がより大きくなる。
本発明の化粧シート用積層フィルムの表面層及び基材層のポリプロピレン系フィルムが、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物及びポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系の光安定剤を含んでいると、基材のポリプロピレン系樹脂自体の劣化が防止できるので更に好ましい。
【0020】
このヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部あたり0.01〜10重量部とするのが、安定化効果とブルーム防止の両面から好適である。特にヒンダードアミン系光安定剤として分子量1000以上のものを用いると、該ヒンダードアミン系光安定剤自体のブルームも少なくできるので一層好ましい。
【0021】
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂フィルムには、上記の配合剤に加えて、必要に応じて酸化防止剤、スリップ剤、着色剤、充填剤、核剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で添加しても構わない。
このようなポリプロピレン系フィルムを製造する方法としては、一般的なポリオレフィン系樹脂シートの成形方法を用いればよく、特に限定されない。例えば、Tダイ押出法、インフレーション成形法、及びカレンダー成形法などが挙げられる。
【0022】
また、表面層(A)と基材層(B)とを積層する方法としては、個々のフィルムを成形しておいて、ラミネータ等を用いて貼り合わせる方法やフィルム成形と同時に圧着したり、融着したりする方法などを用いることができるが、二層(又は多層)Tダイ押出法によって、成形と同時に積層フィルムを作成するのが工程数も減らすことができて好ましい。
【0023】
更に、この化粧シート用積層フィルムの基材層(B)上に接着層を積層することにより、接着性を有する化粧シート用積層フィルムが得られる。この接着性化粧シート用積層フィルムの接着層上に印刷層及び接着層を順次積層することにより化粧シートを得ることができる。
なお、接着層や印刷層を積層するためには、化粧シート用積層フィルムの各層を共押出する方法、フィルムの成形と同時に圧着もしくは融着する方法、予め個別に成形したフィルムをラミネーター等を用いて貼り合わせる方法、あるいは液状又は糊状の接着剤や印刷インク等をコーターによって塗布する方法などが用いられる。
【0024】
この接着性化粧シート用積層フィルム及び化粧シートは、紫外線吸収剤が保留性良く配合されているので、接着層の劣化も少なく、化粧シートとして使用した際の層間剥離等のトラブルを削減することができる。
このような化粧シートを合板や鋼板等の下地材に貼り付けることにより化粧材を製造することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例によって限定されるものでない。
<実施例4〜6、比較例1〜2、参考例1〜3
シートの作成
表に示すポリプロピレン系樹脂を用いて、40mmφ+30mmφのTダイ押出機(二層押出機、Tダイ:400mm巾)にて、ダイス温度220℃の条件でシート(A)とシート(B)とを成形と同時に積層し、所定の層比で全体の厚さが100μmの化粧シート積層フィルムを作成した。
得られたフィルムについて下記の評価を行った。結果は表に併せて示す。
【0026】
評価方法
1.メルトフローレート:JIS K 6758(及びJIS K 7210)に従って測定した。
2.ヘイズ:JIS K 7105に従い、曇価を測定した。
結果の評価
本発明の積層フィルムは、経時後のヘイズの増加が少なく、ブルームが少ないので、加工時の運転安定性、ロングラン性に優れている。特に、表面層及び基材層中のUV吸収剤の含有量に差を付けたものは、初期のヘイズも低く抑制されている。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
(注)(表1、2共通)
ポリプロピレン樹脂:
A、C:プロピレン単独重合体/エチレン−プロピレン−ランダム共重合体(1/1)
B、D:エチレン−プロピレン−ランダム共重合体
MFR:メルトフローレート
曲げ弾性率:単位 kg/cm2
UV吸収剤:
I:2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール
II:2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕
ヒンダードアミン:
J:コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物
(分子量3100〜4000)
【0030】
【発明の効果】
本発明の特定の種類、配合のポリプロピレン系樹脂フィルムを積層したフィルムは、ブルームが少ないので化粧シート用積層フィルムとして特に好適である。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin decorative sheet for decorative materials such as plastic decorative plywood and plastic-coated steel plates used for furniture and building interior materials.
[0002]
[Prior art]
In general, decorative materials such as plastic decorative plywood use wood or steel plate such as plywood as a base material, and a single-layer or laminated resin sheet (decorative sheet) that has been printed and colored is pasted on it. As a material of this decorative sheet, there are many examples in which a vinyl chloride resin excellent in designability and adhesiveness is used.
However, in recent years, decorative sheets based on polyolefin resins have been used due to problems such as treatment of hydrogen chloride gas generated at the time of incineration disposal, such as after use, and selection of furnace materials for incinerators used therefor. It has become.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Ordinary decorative sheets are composed of a transparent surface layer and a printed or colored printed layer, each of which is laminated via an adhesive layer as required, and this laminated sheet is applied to the back side. Alternatively, it is used by being attached to a plywood or the like through a laminated adhesive layer.
In order to prevent such a printed layer from fading and the sheet itself from deteriorating during use, it is common to add a UV absorber as a weather resistance aid to the surface layer or printed layer of the decorative sheet.
[0004]
However, in polyolefin-based decorative sheets, the polyolefin resin that is the base material is non-polar, so the compatibility with high-polarity UV absorbers is low, and an amount that can effectively prevent discoloration and deterioration is blended in the raw material However, when manufacturing and secondary processing the sheet, a phenomenon called “bloom” occurs, which contaminates the surface of the sheet and equipment such as molds and rolls for manufacturing and processing. In many cases, the purpose of the original blending cannot be achieved because the ultraviolet absorber is lost by spraying.
That is, an object of the present invention is to provide a decorative sheet film comprising a polyolefin-based resin sheet that solves the above-mentioned problems, suppresses bloom, and hardly causes fading and deterioration.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention resides in the following items.
(1) In the laminated film for decorative sheets comprising at least the surface layer (A) and the base material layer (B),
(I) Each of the surface layer (A) and the base material layer (B) has a melt flow rate of 0.1 to 30 (g / 10 minutes), a crystal melting heat of 30 to 150 (J / g), and bending. It consists of a polypropylene film containing a polypropylene resin having an elastic modulus in the range of 5000 to 20000 (kg / cm 2 ) and an ultraviolet absorber ,
(Ii) The heat of crystal melting (hereinafter referred to as “ΔHm, A ”) and the flexural modulus (hereinafter referred to as “Y A ”) of the polypropylene resin constituting the surface layer (A), and the base material layer (B) The heat of crystal melting (hereinafter referred to as “ΔHm, B ”) and the flexural modulus (hereinafter referred to as “Y B ”) of the polypropylene resin constituting the resin are “ΔHm, A > ΔHm, B and Y A > Y B ”, respectively. meet the relationship, and
(Iii) Content per 100 parts by weight of the polypropylene-based resin of the ultraviolet absorber in the surface layer (A) (hereinafter referred to as “W A ”) and the polypropylene-based resin 100 of the ultraviolet absorber in the base layer (B) content per part by weight (hereinafter referred to as "W B"), but "W a <W B", characterized in Succoth satisfy the relationship, the laminated film for decorative sheets having a thickness of 0.03~2Mm.
[0006]
(2) W each A and W B are cosmetic laminated film sheet according to the above (1) term in the range of 0.01 to 20 parts by weight.
[0007]
( 3 ) The laminated film for decorative sheets according to (1) or (2) above, wherein the ratio of the thickness of the base material layer (B) to the thickness of the laminated film is 50 to 95%.
( 4 ) The polypropylene resin is a random copolymer of propylene and one or more olefinic monomers selected from the group consisting of ethylene and an α-olefin having 4 to 12 carbon atoms. The laminated film for a decorative sheet according to any one of (1) to ( 3 ) above.
[0008]
( 5 ) The laminated film for decorative sheets according to any one of (1) to ( 4 ), wherein the ultraviolet absorber is a benzotriazole-based ultraviolet absorber.
( 6 ) The laminated film for decorative sheets according to the above ( 5 ), wherein the ultraviolet absorber is a benzotriazole ultraviolet absorber having a molecular weight of 380 to 1,000.
( 7 ) The laminated film for a decorative sheet according to any one of (1) to ( 6 ), wherein the polypropylene film contains a hindered amine light stabilizer.
[0009]
( 8 ) An adhesive decorative sheet laminated film in which an adhesive layer is laminated on the base material layer (B) of the decorative film laminated film according to any one of (1) to ( 7 ) above.
(9) A decorative sheet obtained by sequentially laminating a printing layer and an adhesive layer on the adhesive layer of the laminated film for decorative sheet according to ( 8 ) above.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The laminated film for decorative sheets of the present invention is a film obtained by laminating two kinds of films made of a specific polypropylene resin.
The polypropylene resin that is the material of the laminated film for decorative sheets of the present invention refers to a homopolymer of propylene, a copolymer mainly composed of propylene, or a mixture of two or more of these.
[0011]
The polyolefin resin used in the present invention is a random copolymer of propylene and one or more olefinic monomers selected from the group consisting of ethylene and an α-olefin having 4 to 12 carbon atoms. Is preferred. Examples of the α-olefin include butene-1, pentene-1, hexene-1, octene-1, decene-1, dodecene-1, and the like. When the number of carbon atoms of the α-olefin is 13 or more, random copolymerization tends to be difficult, and the transparency of the film tends to be lowered, which is not preferable.
[0012]
Such a random copolymer has an irregular arrangement of olefinic monomers in the polypropylene molecule, disturbing the stereoregularity of the polymer, lowering the crystallinity, providing good transparency and flexibility. It will be rich. The content of the olefin monomer in the copolymer is 1 to 10% by weight, preferably 2 to 6% by weight.
As described above, the polypropylene resin used in the present invention is preferably a random copolymer, but even if a propylene homopolymer or an ethylene / propylene block copolymer is used, or two or more of the above polypropylene resins are used. Even if this mixture is used, the resin can be used without any problem as long as the melt flow rate, heat of crystal fusion, and bending elastic modulus are within the following specific ranges.
[0013]
The melt flow rate of the polypropylene resin used here needs to be 0.1 to 30 (g / 10 minutes). If the melt flow rate is less than 0.1, it is difficult to form and a smooth film is difficult to obtain. On the other hand, when this is larger than 30, the melt viscosity becomes too low and it is difficult to form the film.
The heat of crystal fusion is 30 to 150 J / g, preferably 80 to 140 J / g, and the flexural modulus is required to be in the range of 5000 to 20000 kg / cm 2 , preferably 10,000 to 15000 kg / cm 2. is there.
[0014]
If the heat of crystal fusion is less than 30 J / g or the flexural modulus is less than 5000 kg / cm 2 , the film for a decorative sheet is too flexible and easily causes processing problems. On the other hand, when the heat of crystal melting is increased to 150 J / g or the bending elastic modulus exceeds 20000 kg / cm 2 , the transparency of the sheet is lowered, whitening at the time of bending, especially whitening at low temperature (0 ° C.). Tend to be inferior.
[0015]
The heat of crystal fusion referred to in the present invention is the crystal on the DSC chart when the resin is once melted to a melting point or higher using a differential scanning calorimeter (DSC) and then cooled at a rate of 10 ° C./min. It is a value calculated from the peak area.
The laminated film for decorative sheets of the present invention is composed of at least two layers of a surface layer (A) and a base material layer (B). The polypropylene resin used for the surface layer (A) and the base material layer (B) has a heat of crystal melting (ΔHm, A and ΔHm, B ) and a flexural modulus (Y A and Y B ), respectively. The relationship “ΔHm, A > ΔHm, B and Y A > Y B ” must be satisfied.
[0016]
Further, these layers need to contain an ultraviolet absorber, and the content (WA and WB) of the ultraviolet absorber per 100 parts by weight of the polypropylene resin in each layer is “WA <WB”. that meet the relationship. The content (WA, WB) of these ultraviolet absorbers is preferably 0.01 to 20 parts by weight, preferably 0.05 to 10 parts by weight per 100 parts by weight of the polypropylene resin in each layer. is there. If the amount of the UV absorber used is less than 0.01 parts by weight, it is difficult to obtain a sufficient UV absorbing effect, and thus the effect of preventing discoloration / deterioration tends to be insufficient. The effect corresponding to the increase in the amount of use cannot be obtained, and the possibility of bloom increases, which is not preferable.
[0017]
The thickness of the laminated film of the present invention is in the range of 0.03 to 2 mm. It is generally difficult to produce a film with a thickness of less than 0.03 mm. On the other hand, when a film with a thickness exceeding 2 mm is used for a decorative sheet, it is difficult to handle the texture and the bent / end portions when applied to a base material. Become.
Moreover, it is preferable that the ratio of the thickness of the base material layer (B) to the thickness of such a laminated film is 50 to 95%. If the ratio of the thickness of the base material layer (B) to the entire laminated film is out of the above range, the balance between the rigidity of the entire laminated film and the bending whitening property will be lost, or the sheet will become too flexible or hard. Too much, it is not suitable for decorative sheets.
[0018]
As an ultraviolet absorber used for the laminated film of the present invention, 2- [2′-hydroxy-3 ′-(3 ″, 4 ″, 5 ″, 6 ″ -tetrahydrophthalimidomethyl) -5′-methylphenyl] benzotriazole (Molecular weight 388), 2- [2-hydroxy-3,5-bis (α, α-dimethylbenzyl) phenyl] -2H-benzotriazole (molecular weight 448), 2,2-methylenebis [4- (1,1,1, Benzotriazole ultraviolet absorbers such as 3,3-tetramethylbutyl-6- (2H-benzotriazol-2-yl) phenol] (molecular weight 659), and 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4- Methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-octoxybenzophenone, 2,2′-dihydroxy-4-dimethoxybenzophenone, Scan (2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoylphenyl) benzophenone ultraviolet absorbers such as methane can be exemplified.
[0019]
Among them, the use of a benzotriazole-based ultraviolet absorber is suitable for reducing the coloration of the product, and the molecular weight thereof is in the range of 380 to 1000, preferably in the range of 400 to 800. Is more preferred. By setting the molecular weight within the above range, the bloom preventing effect is further increased.
The surface layer of the laminated film for decorative sheets of the present invention and the polypropylene film of the base material layer are bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, 2- (3,5-di-t -Butyl-4-hydroxybenzyl) -2-n-butylmalonate bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl), dimethyl succinate-1- (2-hydroxyethyl) -4- Hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine polycondensate and poly [{6- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) amino-1,3,5-triazine-2,4-diyl } Hindered amine light stabilizers such as {(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino} hexamethylene {(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino}] Contain When, further preferable because the deterioration of the polypropylene resin itself of the base material can be prevented.
[0020]
The amount of the hindered amine light stabilizer used is preferably 0.01 to 10 parts by weight per 100 parts by weight of the polypropylene resin from the viewpoints of stabilizing effect and prevention of bloom. In particular, it is more preferable to use a hindered amine light stabilizer having a molecular weight of 1000 or more because the hindered amine light stabilizer itself can reduce the bloom.
[0021]
In the polypropylene resin film used in the present invention, an antioxidant, a slip agent, a colorant, a filler, a nucleating agent, etc., as necessary, in addition to the above-mentioned compounding agents, do not impair the purpose of the present invention. You may add.
A method for producing such a polypropylene film is not particularly limited, and a general method for forming a polyolefin resin sheet may be used. Examples thereof include a T-die extrusion method, an inflation molding method, and a calendar molding method.
[0022]
In addition, as a method of laminating the surface layer (A) and the base material layer (B), individual films are formed and bonded together using a laminator, etc. However, it is preferable to form a laminated film at the same time as molding by a two-layer (or multilayer) T-die extrusion method because the number of steps can be reduced.
[0023]
Furthermore, by laminating an adhesive layer on the base material layer (B) of the laminated film for decorative sheets, a laminated film for decorative sheets having adhesiveness can be obtained. A decorative sheet can be obtained by sequentially laminating a printing layer and an adhesive layer on the adhesive layer of the laminated film for adhesive decorative sheet.
In addition, in order to laminate the adhesive layer and the printing layer, a method of co-extrusion of each layer of the laminated film for decorative sheets, a method of press-bonding or fusing at the same time as forming the film, a laminator etc. for a film formed in advance individually Or a method of applying a liquid or paste-like adhesive or printing ink with a coater.
[0024]
This laminated film for adhesive decorative sheets and decorative sheets are blended with UV absorbers with good retention, so there is little deterioration of the adhesive layer, and troubles such as delamination when used as a decorative sheet can be reduced. it can.
A decorative material can be manufactured by sticking such a decorative sheet to a base material such as a plywood or a steel plate.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated in detail using an Example, this invention is not limited by the following examples, unless the summary is exceeded.
<Examples 4-6 , Comparative Examples 1-2, Reference Examples 1-3 >
Production of sheet Using the polypropylene resin shown in the table, a sheet (A) and a sheet (A) were formed at a die temperature of 220C in a T-die extruder (double-layer extruder, T-die: 400 mm width) of 40 mmφ + 30 mmφ. The sheet (B) was laminated at the same time as molding to prepare a decorative sheet laminated film having a predetermined layer ratio and an overall thickness of 100 μm.
The following evaluation was performed about the obtained film. The results are shown in the table.
[0026]
Evaluation method 1. Melt flow rate: Measured according to JIS K 6758 (and JIS K 7210).
2. Haze: The haze value was measured in accordance with JIS K 7105.
Evaluation of results The laminated film of the present invention has a small increase in haze after time and a small amount of bloom. In particular, those having a difference in the content of the UV absorber in the surface layer and the base material layer have low initial haze.
[0027]
[Table 1]
[0028]
[Table 2]
[0029]
(Note) (Common to Tables 1 and 2)
Polypropylene resin:
A, C: Propylene homopolymer / ethylene-propylene-random copolymer (1/1)
B, D: ethylene-propylene-random copolymer MFR: melt flow rate bending elastic modulus: unit kg / cm 2
UV absorber:
I: 2- [2-hydroxy-3,5-bis (α, α-dimethylbenzyl) phenyl] -2H-benzotriazole
II: 2,2-methylenebis [4- (1,1,3,3-tetramethylbutyl-6- (2H-benzotriazol-2-yl) phenol]
Hindered amine:
J: dimethyl succinate-1- (2-hydroxyethyl) -4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine polycondensate (molecular weight 3100-4000)
[0030]
【The invention's effect】
A film obtained by laminating a polypropylene resin film of a specific type and composition of the present invention is particularly suitable as a laminated film for a decorative sheet because it has little bloom.

Claims (9)

少なくとも表面層(A)と基材層(B)とからなる化粧シート用積層フィルムにおいて、
(1)表面層(A)及び基材層(B)の各々が、メルトフローレートが0.1〜30(g/10分)、結晶融解熱が30〜150(J/g)、かつ曲げ弾性率が5000〜20000(kg/cm2 )の範囲にあるポリプロピレン系樹脂と紫外線吸収剤とを含むポリプロピレン系フィルムからなっており
(2)表面層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂の結晶融解熱(以下「ΔHm,A 」と記す)及び曲げ弾性率(以下「YA 」と記す)と、基材層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂の結晶融解熱(以下「ΔHm,B と記す」及び曲げ弾性率(以下「YB 」と記す)とが、それぞれ「ΔHm,A >ΔHm,B かつYA >YB」の関係を満たし、かつ
(3)表面層(A)中の紫外線吸収剤のポリプロピレン系樹脂100重量部あたりの含有量(以下「W A 」と記す)と基材層(B)中の紫外線吸収剤のポリプロピレン系樹脂100重量部あたりの含有量(以下「W B 」と記す)とが、「W A <W B 」の関係を満たすことを特徴とする、厚さ0.03〜2mmの化粧シート用積層フィルム。
In the laminated film for decorative sheets comprising at least the surface layer (A) and the base material layer (B),
(1) Each of the surface layer (A) and the base material layer (B) has a melt flow rate of 0.1 to 30 (g / 10 minutes), a crystal melting heat of 30 to 150 (J / g), and bending. It consists of a polypropylene film containing a polypropylene resin having an elastic modulus in the range of 5000 to 20000 (kg / cm 2 ) and an ultraviolet absorber ,
(2) Crystal melting heat (hereinafter referred to as “ΔHm, A ”) and bending elastic modulus (hereinafter referred to as “Y A ”) of the polypropylene resin constituting the surface layer (A), and the base material layer (B) The heat of crystal melting (hereinafter referred to as “ΔHm, B ”) and the flexural modulus (hereinafter referred to as “Y B ”) of the polypropylene resin constituting the resin are respectively “ΔHm, A > ΔHm, B and Y A > Y B ”. meet the relationship, and
(3) Content of ultraviolet absorber in surface layer (A) per 100 parts by weight of polypropylene resin (hereinafter referred to as “W A ”) and polypropylene resin 100 of ultraviolet absorber in substrate layer (B) content per part by weight (hereinafter referred to as "W B"), but "W a <W B", characterized in Succoth satisfy the relationship, the laminated film for decorative sheets having a thickness of 0.03~2Mm.
A及びWBのそれぞれが、0.01〜20重量部の範囲内にある請求項1に記載の化粧シート用積層フィルム。W each A and W B are laminated film for decorative sheet according to claim 1 which is in the range of 0.01 to 20 parts by weight. 積層フィルムの厚さに占める基材層(B)の厚さの割合が50〜95%である請求項1または2に記載の化粧シート用積層フィルム。The laminated film for a decorative sheet according to claim 1 or 2 , wherein the ratio of the thickness of the base material layer (B) to the thickness of the laminated film is 50 to 95%. ポリプロピレン系樹脂が、プロピレンと、エチレン及び炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれた1種または2種以上のオレフィン系単量体とのランダム共重合体である請求項1〜のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルム。The polypropylene resin is a random copolymer of propylene and one or more olefinic monomers selected from the group consisting of ethylene and an α-olefin having 4 to 12 carbon atoms. The laminated film for decorative sheets according to any one of to 3 . 紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である請求項1〜のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルム。The laminated film for a decorative sheet according to any one of claims 1 to 4 , wherein the ultraviolet absorber is a benzotriazole-based ultraviolet absorber. 紫外線吸収剤が分子量380〜1000のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である請求項に記載の化粧シート用積層フィルム。The laminated film for decorative sheets according to claim 5 , wherein the ultraviolet absorber is a benzotriazole ultraviolet absorber having a molecular weight of 380 to 1,000. ポリプロピレン系フィルム中にヒンダードアミン系光安定剤を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルム。The laminated film for decorative sheets according to any one of claims 1 to 6 , comprising a hindered amine light stabilizer in the polypropylene film. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化粧シート用積層フィルムの基材層(B)上に接着層が積層されてなる接着性化粧シート用積層フィルム。Decorative base layer of the laminated film sheet (B) adhesive decorative sheet for laminated film adhesive layer are laminated on according to any one of claims 1-7. 請求項に記載の化粧シート用積層フィルムの接着層上に印刷層及び接着層が順次積層されてなる化粧シート。A decorative sheet in which a printed layer and an adhesive layer are sequentially laminated on the adhesive layer of the laminated film for decorative sheet according to claim 8 .
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