JP3908766B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、被手術眼と対物レンズの前側焦点位置との間に配置された前置レンズにより照明光を集束させつつその被手術眼の内部に導いて眼内を照明し、接眼レンズを覗きつつ眼内手術を行う手術用顕微鏡に関する。
従来から、手術用顕微鏡、例えば、手術用立体顕微鏡装置には、図1に示す構成のものが知られている。
その図1において、1は支柱、2は第1アーム、3は第2アーム、4はX−Y微動装置、5は術者用顕微鏡(顕微鏡装置ともいう)、6は助手用顕微鏡、7はフットスイッチ、8は被手術眼である。
従来、被手術眼8の手術を行うときには、図2に拡大して示すように、被手術眼8の角膜Cにコンタクトレンズ9を接触させ、眼内照明用のライトガイド10を眼内に挿入し、顕微鏡装置の接眼レンズを覗きつつ、カッター等の手術器具11により手術を行っている。なお、その図2において、符号12は水晶体、符号13は硝子体腔である。
この従来の手術用顕微鏡では、片手にライトガイド10を持って手術を行わなければならないために、細かな手術を行いにくく、両手に手術器具11を持って、例えば、片手に手術器具11としてのピンセット、もう片方の手に手術器具11としてのカッターを持って、手術を行うことができるようにすることが望まれている。
そこで、図3に示すように、顕微鏡装置の対物鏡筒部に設置の対物レンズ14と被手術眼8との間で被手術眼8の前部に前置レンズ15を配設する構成とし、前置レンズ15を介して被手術眼8の眼内を照明することのできる手術用顕微鏡とすることが望ましい。
しかしながら、このように対物レンズ14と被手術眼8との間に前置レンズ15を配設する構成としたとき、前置レンズ15の焦点距離F1が長すぎると、顕微鏡装置の接眼レンズから被手術眼8までの距離が長くなり、術者が手術を行いにくくなる。一方、前置レンズ15の焦点距離Fが短すぎると被手術眼8に当たるおそれがある。また、手術中に生理食塩水を被手術眼8にかけて被手術眼8を洗浄する場合に生理食塩水が飛散して前置レンズ15に付着する不具合もある。
また、前置レンズ15の直径Φが小さすぎるとその分視野が狭くなり、一方、その前置レンズ15の直径Φが大きすぎると、前置レンズ15が邪魔になって手術器具11と手術器具11との間隔が大きくなり、両手に手術器具11をもって手術を行う際に、手術を行いにくいという不都合がある。なお、その図3において、符号16は手術器具11の挿入部位である。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、被手術眼の前部に前置レンズを配設して眼内を顕微鏡照明によって照明しつつ両手に手術器具をもって手術を行うのに好適な手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
請求項1に記載の手術用顕微鏡は、対物レンズを保持する対物レンズ鏡筒部と、該対物レンズ鏡筒部内に設けられたズームレンズと、前記対物レンズの前側焦点位置と被手術眼との間に配置されかつ前記対物レンズを通じて出射された照明光を前記被手術眼の眼内に導く前置レンズと、前記対物レンズ鏡筒部を光軸方向に沿って上下動させるスライド部材と、該スライド部材をスライド可能に保持する本体部と、前記前置レンズを前記対物レンズの光軸から退避可能に保持する保持アームとを有し、該保持アームの基部が前記本体部に設けられ、前記対物レンズ鏡筒部を前記被手術眼に対して前記光軸方向に沿ってスライドさせたとき、前記被手術眼に対する前記前置レンズの位置が前記対物レンズ鏡筒部のスライド前の位置に保持されていることを特徴とする
請求項2に記載の手術用顕微鏡は、前記保持アームに眼底周辺部を観察するためのプリズムが回転可能に設けられていることを特徴とする。
本発明の手術用顕微鏡は、以上説明したように構成したので、被手術眼の前部に前置レンズを配設して眼内を顕微鏡照明により照明しつつ両手に手術器具をもって手術を行うのに好適である。
特に、被手術眼の角膜上での観察瞳の像と照明系の射出瞳の像との分離状態が維持され、グレアが観察系に混入するのを防止できるとういう効果を奏する。
以下に、本発明に係わる手術用顕微鏡の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
本発明の実施例に係わるスライド部材を適用した手術用顕微鏡を説明する前に、説明の便宜上スライド部材が適用されていない手術用顕微鏡を説明する。
図4はスライド部材が適用されていない新規な構成の手術用顕微鏡の外観図である。なお、その図4において、従来例で説明した構成要素と同一構成要素については同一符号を付して説明することとする。
術者用顕微鏡4は図4に示すように対物レンズ鏡筒部20、インバータ部21、保持アーム22を有する。図5はその対物レンズ鏡筒部20の部分拡大斜視図である。
対物レンズ鏡筒部20には図6に示す対物レンズ14が設けられている。インバータ部21には上下左右が逆に見える逆像を正像に変換するレンズユニット21Aが図7に示すように設けられている。このインバータ部21を構成するレンズユニット21Aの光学系には例えば特公平7−48091号公報に開示のものを用いることができる。このレンズユニット21Aはスライドレール21Bを往復動され、切り換えレバー21Cによって対物レンズ14の光路に挿脱される。
保持アーム22の先端には保持板23が設けられ、前置レンズ15はその保持板23に設けられている。対物レンズ鏡筒部20には固定ブラケット24が設けられている。この固定ブラケット24には旋回軸25が設けられている。
旋回軸25には支持棒26が取り付けられている。支持棒26には支持ブラケット27が固定ネジ28により取り付けられている。支持ブラケット27は保持枠部29を有する。保持枠部29は下板30’と上板31とを有する。下板30’には微動調節ノブ31’が取り付けられている。その下板30’と上板31との間には、上下方向に延びる回動ネジ32が設けられている。その回動ネジ32には可動板33が設けられている。保持アーム22はクランク形状に屈曲されている。その保持アーム22の他端部は支持ブラケット27に形成された貫通穴に挿通されている。
可動板33は図8に示すようにアーム部34を有し、アーム部34は保持アーム22に係合されている。その可動板33は微動調節ノブ31’を調節することにより上下方向に可動され、保持アーム22はこれによって上下方向に微動調節される。
また、支持ブラケット27には旋回レバー35が設けられ、保持アーム22は旋回レバー35により旋回軸25を中心に旋回させることができる。例えば、被手術眼7の前眼部を観察したいとき、コンタクトレンズ9を用いて手術を行いたいとき等には、図9に示すように起立させて被手術眼8の前部から退避させることができる。なお、符号36は使用時及び退避時の状態を保持するためのコイルスプリングである。
対物レンズ鏡筒部20内には、図6(a)、図6(b)に示すように、対物レンズ14の光軸Oを中心にして対称位置に一対のズームレンズ37が設けられていると共に、光軸Oから偏心した位置に照明プリズム38が設けられている。
対物レンズ14の前側焦点距離fはここでは例えば200mmである。前置レンズ15はここではその焦点距離Fが20mm以上でかつ33.3mm以下、いいかえると、その屈折力(焦点距離Fの逆数)が30D(ディオプター)から50Dまでの範囲とされている。
前置レンズ15は図6(a)に示すように角膜Cの頂点から距離H1の箇所に配設され、その前置レンズ15の後側焦点位置は角膜Cの頂点から距離H2の箇所にあるものとする。
照明光Pは図示を略す光源により発せられ、図6に示すように、対物レンズ14により発散光束とされた後、前置レンズ15により収束光束とされて、被手術眼8の角膜Cを通じて眼内に導かれ、眼内を照明する。眼内で反射された反射光は前置レンズ15を介して対物レンズ14の前側焦点位置u0の近傍で空中像をいったん形成し、対物レンズ14、ズームレンズ37、インバータ部21を介して図4に示す接眼レンズ30に導かれ、術者は接眼レンズ30を覗くことにより眼内を観察できる。
その図6(a)、(b)はその前置レンズ13の後側焦点の位置を対物レンズ14の前側焦点位置u0に一致させて、かつ、被手術眼8の網膜8aにピントが合うようにして、網膜8aを観察する際の対物レンズ14、前置レンズ15、被手術眼8の相対位置関係を示している。
コンタクトレンズ9を被手術眼8に接触させて接眼レンズ30を介して眼内を観察すると、図10(a)に示す眼底8aの正像S1が見える。前置レンズ15を被手術眼8の前部に配設すると、前置レンズ15を通じて眼内を観察したとき、図10(b)に示すように、眼底8aの像が上下左右逆になった逆像S2が見える。そこで、切り換えレバー21Cを操作し、レンズユニット21Aを対物レンズ14の光路に挿入すると、図10(c)に示すように、前置レンズ15を通じて、正像S1を観察することができる。
また、符号15aは前置レンズ15の縁を示し、前置レンズ15の外側には対物レンズ14を介して被手術眼8の像が見え、図10(b)に示す場合には、被手術眼8の前部の正像S1’が観察され、図10(c)に示す場合には、被手術眼8の前部の逆像S2’が観察される。
なお、ここでは、その図10は、前置レンズ15よりも外側で対物レンズ14を通して見える手術器具11の後端部の見え方を示している。
前置レンズ15の屈折力(焦点距離Fの逆数)を30D以上としたのは以下に説明する理由による。
すなわち、前置レンズ15の屈折力が30D未満であると、被手術眼8から対物レンズ14までの距離が長くなり、言い換えると、被手術眼8から接眼レンズ30までの距離が長くなりすぎ、手術をしにくくなるからである。
また、前置レンズ14の屈折力(焦点距離Fの逆数)を、50D以下としたのは以下の理由による。
すなわち、前置レンズ15の屈折力が50Dを越えると、被手術眼8から前置レンズ15までの距離が短くなりすぎ、被手術眼8にあたるおそれが増大するからである。また、手術中に生理食塩水を被手術眼8に注いで被手術眼8を清浄する場合に生理食塩水が飛散して前置レンズ15に付着して観察が困難になるからでもある。
更に、前置レンズ15の直径Φは、屈折力をDとして、Φ×Dが0.8から1.0までの範囲内となるように、前置レンズ15の直径Φを選択することにしたのは以下の理由による。
すなわち、前置レンズ15の直径Φが小さすぎると、その分視野が狭くなり、一方、その前置レンズ15の直径Φが大きすぎると、手術器具11と前置レンズ15との間隔が狭くなり、両手に手術器具11をもって手術を行う際に、手術器具11を眼底患部に到達させることができないからである。
このように、前置レンズ15の屈折力(焦点距離Fの逆数)を30Dから50Dまでの範囲に設定し、Φ×Dが0.8から1.0までの範囲内にあるように、前置レンズ15の直径Φを選択すると、被手術眼8の前部に前置レンズ15を配設して眼内を照明しつつ両手に手術器具11を持って手術を行うときに、手術を行いやすい。
また、図11に模式的に示すように、手術眼8の角膜Cの頂点から距離H1の位置に前置レンズ15が配設されているとき、既に説明したように、網膜8aの像は手術眼8の角膜Cの頂点から距離H2の位置u1に結像される。
これに対して、例えば、硝子体の部位8bの像は角膜Cの頂点から距離H3の位置u2に結像される。一方、硝子体の手術等を行う場合、硝子体を除去してガスを手術眼8の眼内に注入することがあり、このような場合には、図12に示すように、網膜8aの像は手術眼8の角膜Cの頂点から距離H4の位置u3に結像される。
手術を行う場合には、このような部位を観察しつつ手術することも必要となるが、対物レンズ14の焦点fを位置u1に一致させて、微動調節ノブ31’を操作するのみでは、これらの部位をピントの合った状態で見ることができない。
というのは、前置レンズ15の上下方向微動距離は最大10mm程度であり、手術眼8の手術部位の結像位置がこれ以上大きくずれると、それらの部位をピントの合った状態で見ることができないからである。
そこで、例えば、図11に示すように、硝子体の部位8bの像が形成される位置u2に対物レンズ14の前側焦点位置u0がおよそ一致するように、アーム3を持ち上げて、対物レンズ14を上昇させる。
すると、図5に示す構成の手術用顕微鏡では、前置レンズ15を保持する保持アーム22が対物レンズ14と一体に上昇するので、手術眼8の角膜Cから前置レンズ15までの距離が変化する。従って、被検眼8の角膜Cの頂点から前置レンズ15までが距離H1となるように、微動調節ネジ31により調節するが、前置レンズ15を微動調節できる範囲は限られているので、図5に示す手術用顕微鏡では、硝子体の部位をピントの合った状態で見ることができない。
そこで、図13に示すように、保持アーム22を上下方向に粗動させる粗動機構40を設ける。この粗動機構40は直方形状ブロック41とスライド板42とを有する。スライド板42は直方形状ブロック41にスライド可能に設けられている。
その直方形状ブロック41には、図14に示すように上下方向に位置決め凹所43が10mm間隔で設けられている。スライド板42には保持筒44が形成されている。この保持筒44には位置決めロッド45が設けられている。その位置決めロッド45にはその頭部にツマミ部46が設けられている。その位置決めロッド45にはフランジ部47が設けられている。フランジ部47と保持筒44の頂部との間には付勢スプリング48が設けられている。位置決めロッド45はこの付勢スプリング48によってその先端が直方形状ブロック41に当接する方向に付勢されている。支持ブラケット27はそのスライド板42に取り付けられている。
図14はその位置決めロッド45が基準位置の位置決め凹所43に嵌合されている状態を示し、位置決めロッド45はここではこの基準位置から上側に10mm、下側に20mm移動可能である。なお、図13において、符号49は、直方形状ブロック41に立設されて支持ブラケット27の滑落を阻止するための滑落阻止ピン、符号50は、滑落阻止ピン49を上下方向に案内する案内溝である。
図11に示すように、例えば、手術眼8の硝子体の部位8bを観察するときには、対物レンズ14の前側焦点位置u0を位置u1から位置u2に変更する。すると、位置u1から位置u2の距離変化分だけ、前置レンズ15が上昇して手術眼8の角膜Cに対する前置レンズ15の距離が変化する。そこで、粗動機構40のツマミ部46を引っ張って、この前置レンズ15と手術眼8との位置関係が変化した分だけ、保持アーム22を下降させ、角膜Cと前置レンズ15との位置関係を元の状態に戻す。その後、微動調節ノブ31’を操作して硝子体の部位8bにピントを合わせる。
このように、この粗動機構40を用いれば、微動調節ノブ31’の調整によっては、観察することのできない範囲の部位、すなわち、眼底の網膜8aから水晶体12の近傍、ひいては角膜Cの近傍までの幅広い範囲に渡って観察することができる。
なお、この変形例では、手動によって粗動機構40を操作することにしたが、直方形状ブロック41にリニアスケールを設けると共に、スライド板42の駆動機構を設け、対物レンズ14の上下動により手術眼8に対する前置レンズ15の距離が変化した分だけ、これを補償するように自動的にスライド板42を駆動する構成とすることもできる。
図15は本発明の実施例に係わるスライド部材が搭載された手術用顕微鏡の外観図である。
図15は対物レンズ鏡筒部20を上下微動本体部20Aに対して上下微動可能とすると共に、前置レンズ13の保持アーム22の他端部に回動基部20Bを設け、この回動基部20Bを本体部20Aに回動可能に取り付ける構成としたものである。
本体部20Aにはスライド部材としてのスライド板20Cがスライド可能に保持され、このスライド板20Cは本体部20A内に設けられた駆動機構(図示を略す)によって上下方向に可動され、対物レンズ鏡筒部20はこのスライド板20Cに一体に形成されている。なお、前置レンズ15は保持枠15Aに保持されている。
このように構成した場合には、以下に説明する長所がある。
術者用顕微鏡4の観察系の入射瞳と照明系の射出瞳とは対物レンズ14の付近にある。この入射瞳と射出瞳とはこれらの瞳の像20A’、20B’が、前置レンズ15によって前置レンズ13の前側焦点面付近に結像される。
ここで、図16(a)に示すように、観察系の入射瞳の像20A’と照明系の射出瞳の像20B’とが角膜C上で重なると、角膜C上で照明光が散乱されて観察系に混入し、グレアーが生じる。しかし、観察系の入射瞳と射出瞳とを前置レンズ15に関して眼の角膜Cの付近と共役にすると、すなわち、前置レンズ15の前側焦点位置を角膜C付近に位置させると、図16(b)に示すように、観察系の入射瞳の像20A’と照明系の射出瞳の像20B’とが角膜C上で分離され、観察系にグレアが発生するのを防止できる。
ところで、正視眼の場合には、網膜8aの像は前置レンズ15の後側焦点位置F2の焦点面に形成される。対物レンズ14の前側焦点位置u0の前側焦点面がこの後側焦点位置F2の焦点面に合っていれば、鮮明な像を顕微鏡により観察できる。
しかしながら、白内障の患者の場合には、眼底の視認性を高めるために、硝子体手術前に水晶体12を摘出する場合が多く、この無水晶体の被手術眼8は強度の遠視眼になっている。この場合、前置レンズ15による網膜8aの像は、図17に示すように、前置レンズ15の後側焦点位置F2よりも対物レンズ14に近い側の位置u4に形成される。また、観察部位は眼底とは限らず、硝子体腔13を観察する場合も多い。
すなわち、強度遠視、強度近視の眼を手術するときには被観察対称の共役位置は無限遠とはならないので、また、すでに述べたように、眼の観察部位を変更したときにも被観察対称の共役位置が無限遠とはならないので、手術中に観察したい場所に合わせて、対物レンズ14を光軸方向に移動させ、合焦し直すことになる。
この場合に、対物レンズ鏡筒部20に保持アーム22を設けることにすると、既に述べたように、対物レンズ鏡筒部20を上下動させたときに、前置レンズ15が上下方向に対物レンズ鏡筒部20と共に上下動される。従って、角膜Cに対する前置レンズ15の位置が変化し、図16(a)に示すように、角膜C上での観察系の観察瞳の像20A’と照明系の射出瞳20B’とがぼけることになる。その結果、顕微鏡装置で観察したときにグレアが混入するが、この実施例2で示すように、保持アーム22を本体部22Aに回動可能に取り付けることにすると、フットスイッチ6を操作して対物レンズ鏡筒部20を上下動させたとしても、手術眼8に対する前置レンズ15の位置は不動のままである。よって、角膜C上での観察系の観察瞳の像20A’と照明系の射出瞳の像20B’との分離状態が維持され、グレアが観察系に混入するのを防止できる。
その際に、回動基部20Bの回動を検出するマイクロスイッチ20Dを破線で示すように、本体部20Aの内部に設け、フットスイッチ6がオンして対物レンズ鏡筒部20が上下動されたときに、観察系の観察瞳及び照明系の射出瞳が前置レンズ15に関して角膜Cと共役関係が保たれるように、前置レンズ15を上下微動させる構成とすることもできる。
すなわち、図17に示すように、回動基部20Bに取り付けられたロッドアーム20Eを二分割し、そのロッドアーム20Eの一方にリニアモータ20Fを取り付け、そのリニアモータ20Fの出力軸(可動体)20Gに他方のロッドアーム20Eを取り付け、マイクロスイッチ20Dがオンしているときに、リニアモータ20Fを駆動させて、保持アーム22を上下微動させる構成とする。
その関係式を図11を参照しつつ説明する。
その図11において、H0を対物レンズ14の焦点距離[m]、Dを前置レンズ15の焦点距離[m]、D’を眼の屈折力、対物レンズ14から前置レンズ15までの距離をH4としたとき、以下の式を満足するように、対物レンズ14に対して前置レンズ15を上下微動させれば良い。
H1=D-1+2・(D2・H0)-1・[1+{1+(4D’/D2・H0)}1/2]-1
H4=H0+D-1+D-2・[(H1+(1/D’)−(1/D)]
このように構成すると、角膜C上で観察系の観察瞳の像20A’と照明系の射出瞳の像20B’との像をより鮮明に分離することができ、観察光学系にグレアが混入するのを防止できる。
(実施例2)
図18〜図24は本発明に係わるルーペ保持機構を説明するための説明図である。
図18は手術器具11の挿入部位16と前置レンズ15との位置関係を示す説明図である。手術器具11は、グレアーが生じないように、角膜Cの頂点から前置レンズ15までの距離を決めた後、眼底の網膜8aの像を観察できる状態になってから手術眼8に挿入される。
ところで、図19に示すように、挿入部位16は前置レンズ15の後側焦点面付近に位置するので、その共役点がほぼ無限遠となって、対物レンズ14によって像が結ばれず、一方、対物レンズ14の前側焦点位置u0は位置u1に一致されているので、対物レンズ14を通じて挿入部位16を見た場合、挿入部位16を観察できない。
従って、術者は接眼レンズ30から目を離して前置レンズ15を通さずに横から覗き込むようにして挿入部位16を見ているが、このように、手術器具11を挿入部位16に挿入する際に目を接眼レンズ30から逐一目を離すのは、手術がしづらいものとなる。
そこで、例えば、手術器具11の挿入の際に、図20に示すように、前置レンズ15の観察光学系の光路上にルーペ51を挿入し、挿入部位16の像を対物レンズ14の前側焦点位置u0に一致させ、この挿入部位16の像を観察しながら、手術器具11を挿入することにする。
また、例えば、図21に示すように、硝子体の部位8bを手術するときには、それに合わせて対物レンズ14の前側焦点位置u0を位置u1から位置u2に変更しなければならないが、このように、対物レンズ14の前側焦点位置u0を位置u1から位置u2に変更すると、図22に示すように、この対物レンズ14の前側焦点位置u0に挿入部位16の像16’が形成されるように、ルーペ51と前置レンズ15との距離関係を変更しなければならない。
そこで、図23、図24に示すように、ルーペ保持機構をアームに設ける構成とする。このルーペ保持機構は、保持アーム22に回動可能に設けられた回動板52と、この回動板52に設けられたリニアーモータ53と、このリニアーモータ53の出力軸54に設けられたルーペ55とから大略構成される。符号55aはそのルーペ55の凸レンズである。リニアーモータ53はルーペ55を上下動させる機能を有する。保持板23と回動板52との間にはスペーサー部材56が設けられている。
このように、保持アーム22に回動板52を設け、挿入部位16を観察したいときには、ルーペ55を観察光学系の光路上に挿入する構成とすると、ルーペ55を安定した状態で保持することができる。また、対物レンズ14の前側焦点位置u0を変更したときでも、ルーペ55を上下方向に移動させることにより、挿入部位16を容易にピントの合った状態で観察できる。
この実施例2の手術用顕微鏡は、スライド部材が設けられていないが、このルーペ保持機構は、図15に示すスライド部材を有する手術用顕微鏡にも適用できる。
(実施例3)
図25は前置レンズ15の保持枠15Aの変形例を示すものである。ここでは、前置レンズ15の保持枠15Aには、内筒15Bが挿通されている。内筒15Bにはプリズム15Cが載置可能とされている。このプリズム15Cは取り外し可能である。
このプリズム15Cは光軸Oを屈折させて、網膜8aの周辺部(眼底の周辺部)を観察するのに用いられる。このプリズム15Cの底部には、係止溝15Dが形成され、この係止溝15Dに手術器具11としてのピンセットの先端をあてがって、プリズム15Cを回転させることにより、所望の眼底の周辺部を観察できる。
なお、前置レンズ15による観察画角は、ここでは、約40度であるので、プリズム15Cによる偏角を約10度から20度の範囲とするのが望ましい。
以上、実施例について説明したが、患者の眼の瞳孔径が小さい場合には、観察光束、照明光束が瞳孔によりけられやすくなるので、これを避けるために、観察瞳、照明瞳の間隔を光学的に小さくする装置を手術用顕微鏡に設ける構成としても良い。
従来の手術用顕微鏡の概略構成を示す図である。 ライトガイドを一方の手に持ち他方の手に手術器具を持って眼内手術を行う場合の一例を示す図である。 両手に手術器具を持って眼内手術を行う場合の一例を示す図である。 本発明のスライド部材が適用され得る手術用顕微鏡の概略構成を示す図である。 図4に示す対物鏡筒部の部分拡大斜視図である。 対物鏡筒部に設置の対物レンズと前置レンズとの光学配置関係を示す光学図であって、(a)は前置レンズの焦点距離Fが33.3mmでかつその直径Φが33.3mmの場合を示し、(b)は前置レンズの焦点距離Fが20mmでその直径Φが20mmの場合を示す。 図4に示す内部構造の概要を示す図である。 図5に示す対物鏡筒部と保持アームとの取り付け関係を示す正面図である。 図4に示す前置レンズの退避状態を示す説明図である。 前置レンズを被手術眼の前部に配設したときと配設しないときとでの接眼レンズを通じて被手術眼を見たときの像の見え方の模式的な説明図で、(a)はコンタクトレンズを被手術眼に接触させて被手術眼の前部を観察したときの像の見え方を示し、(b)は前置レンズを被手術眼の前部に配設して観察したときの像の見え方を示し、(c)レンズユニットを挿入して観察したときの像の見え方を示す。 手術眼の網膜とは異なる硝子体の部位の結像位置を説明するための模式図である。 手術眼の眼内の硝子体を除去して空気を眼内に充填した場合の手術眼の網膜の結像位置を説明するための模式図である。 図11に示す部位を観察するために、図5に示す手術用顕微鏡の対物レンズ鏡筒部に粗動機構を設けた例を示す斜視図である。 図13に示す粗動機構の直方形状ブロックとスライド板との結合関係を示す断面図である。 本発明に係わるスライド部材が適用された対物レンズ鏡筒部の構成を示す斜視図である。 角膜C上に形成された観察系の観察瞳の像と照射系の照射瞳の像との説明図であり、(a)は観察系の観察瞳の像と照射系の照射瞳の像とが重なり合った状態を示し、(b)は観察系の観察瞳の像と照射系の照射瞳の像とが分離した状態を示す。 図15に示すロッドアームにリニアモータを取り付け、前置レンズを微動調整可能とした構造を示す対物レンズ鏡筒部の斜視図である。 実施例2に係わる図であって、手術器具の挿入部位を観察する際に、前置レンズの前にルーペを挿入した状態を示す模式図である。 眼底を観察している時でかつルーペを挿入していない時の手術器具の挿入部位の結像位置を示す模式図である。 眼底を観察している時でかつルーペを挿入した時の手術器具の挿入部位の結像位置を眼底に一致させた状態を示す模式図である。 硝子体部位を観察している時でかつルーペを挿入していない時の手術器具の挿入部位の結像位置を示す模式図である。 硝子体部位を観察している時でかつルーペを挿入して、ルーペと前置レンズとの間隔を変更して、硝子体部位に手術器具の挿入部位の結像位置を一致させた状態を示す図である。 実施例2に係わる対物レンズ鏡筒部の構成を示す斜視図である。 図23に示すルーペ保持機構の部分拡大説明図である。 実施例3に係わる前置レンズ部分の構成を示す断面図である。
符号の説明
8…被手術眼
15…前置レンズ
22…保持アーム
20…対物レンズ鏡筒部
20A…上下微動本体部(本体部)
20C…スライド板(スライド部材)

Claims (2)

  1. 対物レンズを保持する対物レンズ鏡筒部と、
    該対物レンズ鏡筒部内に設けられたズームレンズと、
    前記対物レンズの前側焦点位置と被手術眼との間に配置されかつ前記対物レンズを通じて出射された照明光を前記被手術眼の眼内に導く前置レンズと、
    前記対物レンズ鏡筒部を光軸方向に沿って上下動させるスライド部材と、
    該スライド部材をスライド可能に保持する本体部と、
    前記前置レンズを前記対物レンズの光軸から退避可能に保持する保持アームとを有し、
    該保持アームの基部が前記本体部に設けられ、
    前記対物レンズ鏡筒部を前記被手術眼に対して前記光軸方向に沿ってスライドさせたとき、前記被手術眼に対する前記前置レンズの位置が前記対物レンズ鏡筒部のスライド前の位置に保持されていることを特徴とする手術用顕微鏡。
  2. 前記保持アームに眼底周辺部を観察するためのプリズムが回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
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