JP3908525B2 - 小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法 - Google Patents

小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単一物の周面を溶射加工する場合に、溶射加工にとっては周面の変化が大きい単一物の周面に沿って、溶射ガンを移動させて複数個の単一物の周面を順次に繰り返して溶射する溶射加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の溶射加工方法によって溶射するボルトは、例えば、橋梁を組み立てる場合、橋梁の板を連結させるときに使用され、そのボルト頭部の形状は、例えば、図2に示すような溶射加工にとっては周面の変化が大きい曲面形状である。
図2は本発明の溶射加工方法によって溶射するボルトを示す図である。このボルト頭部15の直径は、例えば50乃至60[mm]であり、橋梁の板と板16との連結部に例えば、50[個]程度使用され、1つの橋梁に数百個のボルトが使用される。
【0003】
ボルトによって橋梁の板16を連結させる場合、図2に示すように、ボルト頭部15と板16との締結部Aに錆、腐食等が生じることがある。この締結部Aに錆、腐食等が生じると、ボルト頭部15で保持している締結トルクが小さくなるために、橋梁の板16が橋梁から脱落することがある。このような不具合を防止するために、ボルト頭部15と板16との締結後に、締結部Aに適切な防食処理をする必要がある。
この防食処理として、従来、塗料を塗布する処理が簡単で安価であるので、一般に普及している。しかし、ボルト頭部15と板16とを塗装すると、ボルト頭部15と板16との締結部Aに塗料が堆積し、逆にボルト頭部15の周面に塗布されないために、塗装では防食性能が低く耐用年数が短く、補修を必要とした。
【0004】
また、このボルト頭部15と板16との防食処理として、溶融亜鉛メッキを施行することが安価で防食性能が良いので広く施工されている。しかし、溶融亜鉛メッキを施工するためには、締結したボルト頭部15と板16とをメッキ槽に入れなければならないために作業性が著しく低い。また、溶融亜鉛メッキを施工することが可能であっても、均一で十分な厚さのメッキの皮膜を施すことが困難である。
【0005】
そこで、ボルト頭部15と板16との締結部の防食処理として、防食性能が著しく優れた亜鉛、アルミ等の単体又は複合材からなる2本の線材を使用する消耗電極式アーク溶射方法が一部実用化されている。この消耗電極式アーク溶射方法は、溶射面が下向の作業性の良い姿勢であれば、溶射ガンを手で持って移動させる手作業であっても、塗装、溶融亜鉛メッキ等の防食処理と比較して、防食効果を維持することができる期間が長く、補修を軽減し又は不要とする利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このアーク溶射は、ボルト頭部15の周面が下向に位置した通常の作業性の良い姿勢であれば、溶射ガンを手で持って移動させる手作業でも、均一で十分な厚さの溶射皮膜を形成することができる。
しかし、ここで解決しようとする作業性の悪い姿勢で、しかも周面の変化が大きいボルト頭部15の周面を、溶射ガンを円弧を描くように移動させて繰り返して多数個の溶射をしなけらばならない。このような溶射加工は、アーク溶射の高度技術を習得した熟練作業者であっても、手作業では、重量のある溶射ガンを円弧を描くように移動させて均一で十分な溶射皮膜を施すことは著しく困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
出願時の請求項1に記載の方法は、小径周面の単一物の複数個を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置を制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する第1の分割溶射面復帰過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置から上記最後の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、
上記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、上記分割溶射面復帰過程と上記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0008】
出願時の請求項2に記載の方法は、出願時の請求項1に記載の方法を多関節ロボットによって溶射する溶射加工方法であって、
小径周面の単一物の複数個を、多関節ロボットのマニピュレータ12の手首部12aに取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する第1の分割溶射面復帰過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置から上記最後の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、
上記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、上記分割溶射面復帰過程と上記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0009】
出願時の請求項3に記載の方法は、出願時の請求項1に記載の分割溶射面復帰過程を省略して、教示した順序と逆方向の順序とを交互に繰り返して分割溶射面を順次に溶射する溶射加工方法であって、
小径周面の単一物の複数個を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置を制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、教示した順序で、上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最後の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを移動させて、教示した逆方向の順序で、最後の溶射順序を教示した単一物から最初の溶射順序を教示した単一物までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、
教示した順序と教示した逆方向の順序とを交互に繰り返して、上記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、上記分割溶射面復帰過程と上記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0010】
出願時の請求項4に記載の方法は、出願時の請求項2に記載の分割溶射面復帰過程を省略して、教示した順序と逆方向の順序とを交互に繰り返して分割溶射面を順次に溶射する溶射加工方法であって、
出願時の請求項2に記載の方法を多関節ロボットによって小径周面の単一物の複数個を、多関節ロボットのマニピュレータ12の手首部12aに取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する第1の分割溶射面復帰過程と、
上記最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置から上記最後の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、
上記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、上記分割溶射面復帰過程と上記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0011】
出願時の請求項5に記載の方法は、出願時の請求項1又は出願時の請求項2又は出願時の請求項3又は出願時の請求項4に記載の小径周面の単一物がボルト頭部である小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0012】
出願時の請求項6に記載の方法は、出願時の請求項1又は出願時の請求項2又は出願時の請求項3又は出願時の請求項4に記載の1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面がボルト頭部の左半周移動経路及び右半周移動経路である溶射加工方法である。
【0013】
出願時の請求項7に記載の方法は、出願時の請求項1又は出願時の請求項2又は出願時の請求項3又は出願時の請求項4に記載の分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程に単一物の溶射面の加工条件の教示を含み上記加工条件が単一物の形状によって予め定めた加工条件である溶射加工方法である。
【0014】
出願時の請求項8に記載の方法は、出願時の請求項1又は出願時の請求項2又は出願時の請求項3又は出願時の請求項4に記載の分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程に単一物の溶射面の加工条件の教示を含み上記加工条件が溶射ガンの姿勢によって予め定めた加工条件である溶射加工方法である。
【0015】
出願時の請求項9に記載の方法は、出願時の請求項1又は出願時の請求項2又は出願時の請求項3又は出願時の請求項4に記載の分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程に単一物の溶射面の加工条件が溶射ガンの分割溶射面に対する電気的物理的な出力である溶射加工方法である。
【0016】
出願時の請求10に記載の方法は、出願時の請求項6に記載の溶射ガンの姿勢に対する単一物の形状がボルト頭部の左半周移動経路及び右半周移動経路である溶射加工方法である。
【0017】
出願時の請求項11に記載の方法は、出願時の請求項1に記載の小径周面の単一物がボルト頭部である溶射加工方法であって、
複数個のボルト頭部の周面を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置を教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する左半周移動経路溶射面復帰過程と、
上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0018】
出願時の請求項12に記載の方法は、出願時の請求項2に記載の小径周面の単一物がボルト頭部である溶射加工方法であって、
複数個のボルト頭部の周面を、多関節ロボットのマニピュレータ12の手首部12aに取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する左半周移動経路溶射面復帰過程と、
上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0019】
出願時の請求項13に記載の方法は、出願時の請求項1に記載の小径周面の単一物がボルト頭部である溶射加工方法であって、
複数個のボルト頭部の周面を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置を教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路を溶射し、以下同様に、教示した順序で、上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面の溶射終了位置から最後の溶射順序を教示したボルト頭部の右半周移動経路溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを移動させて、教示した逆方向の順序で、最後の溶射順序を教示したボルト頭部から最初の溶射順序を教示したボルト頭部までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面ボルト頭部の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0020】
出願時の請求項14に記載の方法は、出願時の請求項1に記載の小径周面の単一物がボルト頭部である溶射加工方法であって、
複数個のボルト頭部の周面を、多関節ロボットのマニピュレータ12の手首部12aに取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、
上記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、
上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路を溶射し、以下同様に、教示した順序で、上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、
上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面の溶射終了位置から最後の溶射順序を教示したボルト頭部の右半周移動経路溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを移動させて、教示した逆方向の順序で、最後の溶射順序を教示したボルト頭部から最初の溶射順序を教示したボルト頭部までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面ボルト頭部の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0021】
出願時の請求項15に記載の方法は、複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最終の溶射順序までの単一物がボルト頭部であって教示する位置の座標が、ボルト頭部B11の座標(Xb11、Yb11、Zb11)、ボルト頭部のX軸方向の数m、ボルト頭部のY軸方向の数n、ボルト頭部のX軸方向の間隔Lx及びボルト頭部のY軸方向の間隔Lyである出願時の請求項11又は出願時の請求項12又は出願時の請求項13又は出願時の請求項14に記載の小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0022】
出願時の請求項16に記載の方法は、溶射面の加工条件が、▲1▼ボルト頭部の直径D1、ロボットの動作速度、ガンの前進角θ1、ボルト頭部B11の座標(Xb11、Yb11、Zb11)、ボルト頭部のX軸方向の数m、ボルト頭部のY軸方向の数n、ボルト頭部のX軸方向の間隔Lx及びボルト頭部のY軸方向の間隔Lyのロボット制御条件と▲2▼溶射電流値、溶射電圧値、溶射ガン4に供給されるワイヤの送給速度、溶射風量等の溶射アーク制御条件である出願時の請求項11又は出願時の請求項12又は出願時の請求項13又は出願時の請求項14に記載の小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本出願に係る発明の特徴を最もよく表す図である。後述する図13と同じなので、説明は図13で後述する。
発明の実施の形態は、出願時の請求項12に記載の小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法であって、複数個のボルト頭部の周面を、多関節ロボットのマニピュレータ12の手首部12aに取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、上記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、上記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に上記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する左半周移動経路溶射面復帰過程と、上記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から上記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
【0024】
【実施例】
図3は溶射ガンを把持する多関節ロボットの一般的な構成を示す図である。同図において、マニピュレータ12の手首部12aにはブラストガン2、溶射ガン4又は封孔ガン6(以下、総称してガンという)を保持するツールチェンジャ13が取り付けられている。17は溶射ガン4に供給されるワイヤが巻回されているワイヤリールである。7はマニピュレータ12を制御するロボット制御装置であり、24はマニピュレータ12のティーチングを行うためのティーチペンダントであり、25はマニピュレータ12の始動又は停止を行う操作ボックスである。11はツールチェンジャ制御装置であり、3は溶射制御装置であり、1はブラスト制御装置であり、5は封孔制御装置である。
溶射ガンは、一般的に2本の消耗電極(ワイヤ)の間又は非消耗電極と被溶射物との間にアークを発生させる。消耗電極式アーク溶射方法は、アーク熱によって生じた溶融部分を圧縮ガスのジェットによって微細化し、被溶射物に吹き付けて皮膜を形成する。また、溶射材料である2本のワイヤとして、アルミ、亜鉛、鉄、銅、ステンレス等の同種又は異種の金属を使用することができる。また、消耗電極式アーク溶射方法を用いる溶射ガンだけではなく2本の噴射ノズル間に発生させたガス炎の熱を利用するガス式溶射方法、2本の非消耗電極間にアークを発生させて、そのアーク熱を利用する非消耗電極式アーク溶射方法、アークを絞ってプラズマにしたプラズマ溶射方法等を使用する溶射ガンも使用できる。
なお、2本のワイヤを送給する消耗電極式アーク溶射方法以外の溶射方法では、金属、プラスチック、セラミック等の各種材料の棒状、ワイヤ状、粉末等の溶加材を供給する。
【0025】
溶射加工は前工程、溶射工程及び後工程に分けることができる。前工程は溶射を行う場合に、予め被溶射物の表面に対し溶射効果を高める処理をしたり、必要に応じてマスキングを行う処理であり、主に下記の処理がある。
▲1▼被溶射物の表面に付着している油、グリース等の油脂性の汚れ及び可溶性汚染物を除去して清浄にする脱脂。
▲2▼酸化物の除去。
▲3▼溶射加工を行わない箇所に布、耐熱テープ等で覆うマスキング。
▲4▼尖鋭な稜角を持つ粒形のグリットを圧縮空気流、遠心力等で被溶射物に吹き付けて、被溶射物の黒皮、酸化物等を除去すると同時に皮膜のより高い密着性を得るために被溶射物の表面に凹凸を付け粗面化するブラスト処理。
上記の脱脂、酸化物の除去及びマスキングは必要がないときは省略する。
【0026】
後工程は溶射皮膜の補強、仕上がり寸法精度の修正をすることを目的として溶射皮膜に施す処理であって、主に下記の処理がある。
▲1▼溶射皮膜の開口気孔に封孔材を浸透させ気孔を密閉し、溶射皮膜の特性を改善する封孔処理。
▲2▼溶射表面を滑らかにし、寸法精度を高めるための機械仕上げ。
▲3▼溶射皮膜を構成する成分元素と同じ元素を溶射皮膜から拡散浸透させて溶射皮膜の主として最外層を改質する加熱拡散処理。
上記の機械仕上げ及び加熱拡散処理は必要がないときは省略する。
【0027】
前述した前工程、溶射工程及び後工程の内、本発明はブラスト処理、溶射処理及び封孔処理を多関節ロボットを用いて行う溶射加工方法である。
【0028】
図4は本発明の溶射加工方法を説明するブロック図である。同図において、ブラスト制御装置1はブラストガン2が被溶射物14に吹き付けるブラスト材の流量を制御する。
溶射制御装置3は溶射ガン4の溶射電圧、溶射電流、溶射風量及びワイヤ送給速度を制御する。封孔制御装置5は封孔ガン6が溶射皮膜の開口気孔に封孔材を浸透させる流量を制御する。
後述するボルトの直径等のロボット制御条件及び溶射電圧等の溶射アーク制御条件を溶射条件設定装置9に入力する。溶射条件設定装置9はボルト形状条件の信号をロボット制御装置7に出力し、溶射アーク制御条件の信号を溶射制御装置3に出力する。
ロボット制御装置7は、ブラスト処理、溶射処理及び封孔処理の開始又は終了の信号を信号入出力装置8を介してブラスト制御装置1、溶射制御装置3及び封孔制御装置5に出力する。また、ロボット制御装置7は入力されたボルト形状条件に対応してマニピュレータ12を制御する。10はロボット制御装置7を起動及び停止をする起動装置である。
11はツールチェンジャ制御装置であって、信号入出力装置8の出力信号を入力してマニピュレータ12の先端に装着されたツールチェンジャ13にブラストガン2、溶射ガン4又は封孔ガン6の何れかのガンの保持又は開放の信号を出力する。
【0029】
図5はロボット制御装置7からツールチェンジャ13、ブラストガン2、溶射ガン4及び封孔ガン6への信号の入出力を示す図である。同図において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8にガン保持指令開始信号S1を出力すると、信号入出力装置8はツールチェンジャ制御装置11にガン保持制御信号S2を出力し、ツールチェンジャ制御装置11はツールチェンジャ13にガン保持信号S3を出力し、ブラストガン2、溶射ガン4又は封孔ガン6の保持を開始する。次にロボット制御装置7が信号入出力装置8にガン開放指令信号S4を出力すると、信号入出力装置8はツールチェンジャ制御装置11にガン開放制御信号S5を出力し、ツールチェンジャ制御装置11はツールチェンジャ13にガン開放信号S6を出力し、ブラストガン2、溶射ガン4又は封孔ガン6を開放する。
【0030】
次にロボット制御装置7が信号入出力装置8にブラスト開始指令信号S7を出力すると、信号入出力装置8はブラスト制御装置1にブラスト開始制御信号S8を出力し、ブラスト制御装置1はブラストガン2にブラスト開始信号S9を出力し、被溶射物14のブラストを開始する。
次にロボット制御装置7が信号入出力装置8にブラスト終了指令信号S10を出力すると、信号入出力装置8はブラスト制御装置1にブラスト終了制御信号S11を出力し、ブラスト制御装置1はブラストガン2にブラスト終了信号S12を出力し、被溶射物14のブラストを終了する。
【0031】
次にロボット制御装置7が信号入出力装置8に溶射開始指令信号S13を出力すると、信号入出力装置8は溶射制御装置3に溶射開始制御信号S14を出力し、溶射制御装置3は溶射ガン4に溶射開始信号S15を出力し、被溶射物14の溶射を開始する。
次にロボット制御装置7が信号入出力装置8に溶射終了指令信号S16を出力すると、信号入出力装置8は溶射制御装置3に溶射終了制御信号S17を出力し、溶射制御装置3は溶射ガン4に溶射終了信号S18を出力し、被溶射物14の溶射を終了する。
【0032】
次にロボット制御装置7が信号入出力装置8に封孔開始指令信号S19を出力すると、信号入出力装置8は封孔制御装置5に封孔開始制御信号S20を出力し、封孔制御装置5は封孔ガン6に封孔開始信号S21を出力し、被溶射物14の封孔を開始する。
次にロボット制御装置7が信号入出力装置8に封孔終了指令信号S22を出力すると、信号入出力装置8は封孔制御装置5に封孔終了制御信号S23を出力し、封孔制御装置5は封孔ガン6に封孔終了信号S24を出力し、被溶射物14の封孔を終了する。
【0033】
図6は本発明の溶射加工方法によって溶射加工する部分を示す図である。溶射加工する部分は、ボルト頭部15と板16との締結部とボルト頭部15の側面である。また、図7は、本発明の溶射加工方法に使用するガンを前進角θ1で移動させて、ボルト頭部15と板16との締結部とボルト頭部15の側面を溶射加工する方法を示す図である。図7において、ボルト頭部15を締結した板16を水平に配置して、鉛直線18から傾斜させたガンの中心軸の傾斜角度をガンの前進角θ1とする。この前進角θ1は溶射加工部分に対応させて30[度]乃至60[度]に設定する。また、図3に示すマニピュレータ12の動作不能領域に達するときは、この前進角θ1を30[度]乃至60[度]の範囲で調整する。
また、ガンの中心軸上でのガンの先端位置GCPと溶射等の処理を適切に行うガンの仮想の制御位置を示すガンを制御するためにガンの先端近傍に予め定めた基準位置となるのガンの制御点(以下、ガンの制御点という)TCPとの距離L1は、ガンの溶射範囲の能力によって決定され、例えば200[mm]と設定される。
【0034】
図8は、本来、一周に亘って溶射加工を行うことができる1個のボルト頭部15において、ボルト頭部15の左半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。同図において、ガンの制御点TCPがボルト頭部の左半周を第1教示点P1から第2教示点P2を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによって溶射加工を行う。
【0035】
図8において、ボルト頭部15の中心を原点としてボルト頭部の直径をD1とすると、第1教示点P1の座標(Xp1、Yp1、Zp1)は、
(Xp1、Yp1、Zp1)=(0、D1/2、0)
となる。
また、第2教示点P2の座標(Xp2、Yp2、Zp2)及び第3教示点P3の座標(Xp3、Yp3、Zp3)は、
(Xp2、Yp2、Zp2)=(−D1/2、0、0)
(Xp3、Yp3、Zp3)=(0、−D1/2、0)
となる。
【0036】
次に例えば、図9に示す縦4列、横3行の計12個のボルトB11乃至B43が板16に締結された部分を溶射加工するとする。図9は12個のボルト頭部15が板16に締結された状態の平面図であり、図10は12個のボルト頭部15が板16に締結された状態の側面図である。
図9において、ボルトB11の中心座標を(X11、Y11、Z11)とし、ボルトB11における図8に示した第1教示点P1、第2教示点P2及び第3教示点P3に対応する点をそれぞれB11p1、B11p2及びB11p3とする。
B11p1の座標(Xb11p1、Yb11p1、Zb11p1)は、
(Xb11p1、Yb11p1、Zb11p1)=(X11+Xp1、Y11+Yp1、Z11+Zp1)
となる。
また同様に、B11p2の座標(Xb11p2、Yb11p2、Zb11p2)及びB11p3の座標(Xb11p3、Yb11p3、Zb11p3)は、
(Xb11p2、Yb11p2、Zb11p2)=(X11+Xp2、Y11+Yp2、Z11+Zp2)
(Xb11p3、Yb11p3、Zb11p3)=(X11+Xp3、Y11+Yp3、Z11+Zp3)
となる。
【0037】
次に、ボルトB12乃至ボルトB43における図8に示した第1教示点P1、第2教示点P2及び第3教示点P3に対応する点を、ボルトB11の第1教示点P1、第2教示点P2及び第3教示点P3の座標を各ボルト頭部の原点間距離だけX軸方向及びY軸方向に移動させて求める。
図9に示すように、Y軸方向のボルト頭部が3行、X軸方向のボルト頭部が4列の場合、変数Nn及び変数Nmを図11に示すように変化させて、ボルトB11乃至ボルトB43に対応させる。図11はY軸方向のボルト頭部が3行、X軸方向のボルト頭部が4列の場合の変数Nn及び変数Nmを示す図である。即ち、ボルトB11の変数Nn=0、変数Nm=0とし、変数Nn=0に1を加算して、ボルトB12の変数Nn=1、変数Nm=0とする。次に、変数Nn=1に1を加算して、ボルトB13の変数Nn=2、変数Nm=0とする。次に、変数Nn=2に1を加算して、Nn=3になるとNn=0とし、かつ、Nm=0に1を加算してNm=1として、ボルトB21の変数Nn=0、変数Nm=1とする。
以下、上記を繰り返して、ボルトB43の変数Nn=2、変数Nm=3とする。
【0038】
次に、図9に示したボルトB11乃至ボルトB43のそれぞれの原点間距離をX軸方向がLx、Y軸方向がLyとすると、ボルトB12の第1教示点P1の座標(Xb12p1、Yb12p1、Zb12p1)は、
(Xb12p1、Yb12p1、Zb12p1)=(Xb11p1+Nm×Lx、Yb11p1−Nn×Ly、Zb11p1)
となる。ここで、図11に示すように、Nm=0、Nn=1であるから、これらを代入して、
(Xb12p1、Yb12p1、Zb12p1)=(Xb11p1、Yb11p1−Ly、Zb11p1)
となる。
【0039】
また同様に、ボルトB12の第2教示点P2の座標(Xb12p2、Yb12p2、Zb12p2)及びボルトB12の第3教示点P3の座標(Xb12p3、Yb12p3、Zb12p3)は、
(Xb12p2、Yb12p2、Zb12p2)=(Xb11p2+Nm×Lx、Yb11p2+Nn×Ly、Zb11p2)=(Xb11p2、Yb11p2−Ly、Zb11p2)
(Xb12p3、Yb12p3、Zb12p3)=(Xb11p3+Nm×Lx、Yb11p3+Nn×Ly、Zb11p3)=(Xb11p3、Yb11p3−Ly、Zb11p3)
となる。
【0040】
したがって、
(Xb12p1、Yb12p1、Zb12p1)=(X11、Y11+D1/2−Ly、Z11)
(Xb12p2、Yb12p2、Zb12p2)=(X11−D1/2、Y11−Ly、Z11)
(Xb12p3、Yb12p3、Zb12p3)=(X11、Y11−D1/2−Ly、Z11)
となる。
【0041】
したがって、上記と同様にして、ボルトB11乃至ボルトB43の第1教示点P1、第2教示点P2及び第3教示点P3のそれぞれの座標を求める。
ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とすると、ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)は、
(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)
となる。
また、ボルトBmnの第2教示点P2の座標(Xbmnp2、Ybmnp2、Zbmnp2)及び第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)は、
(Xbmnp2、Ybmnp2、Zbmnp2)=(X11−D1/2+Nm×Lx、Y11+Nn×Ly、Z11)
(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)
となる。
そして、図11において、ボルトBmnのm及びnに対応する変数Nm及び変数Nnを入力すると、ボルトB11乃至ボルトB43の第1教示点P1、第2教示点P2及び第3教示点P3のそれぞれの座標を求めることができる。
【0042】
次に、図12は、1個のボルト頭部15の右半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。同図において、ガンの制御点TCPがボルト頭部の右半周を第1教示点P1から第4教示点P4を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによって溶射加工を行う。
【0043】
図12において、ボルト頭部15の中心を原点としてボルト頭部の直径をD1とすると、
第1教示点P1の座標(Xp1、Yp1、Zp1)は、
(Xp1、Yp1、Zp1)=(0、D1/2、0)
となる。
また、第4教示点P4の座標(Xp4、Yp4、Zp4)及び第3の教示点P3の座標(Xp3、Yp3、Zp3)は、
(Xp4、Yp4、Zp4)=(D1/2、0、0)
(Xp3、Yp3、Zp3)=(0、−D1/2、0)
となる。
【0044】
したがって、前述したボルト頭部の左半周を溶射加工する場合と同様にして、ボルトB11乃至ボルトB43の第1教示点P1、第4教示点P4及び第3教示点P3のそれぞれの座標を求める。
ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とすると、ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)は、
(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2−Nn×Ly、Z11)
となる。
また、ボルトBmnの第4教示点P4の座標(Xbmnp4、Ybmnp4、Zbmnp4)及び第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)は、
(Xbmnp4、Ybmnp4、Zbmnp4)=(X11+D1/2+Nm×Lx、Y11−Nn×Ly、Z11)
(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2−Nn×Ly、Z11)
となる。
そして、図11において、ボルトBmnのm及びnに対応する変数Nm及び変数Nnを入力すると、ボルトB11乃至ボルトB43の第1教示点P1、第4教示点P4及び第3教示点P3のそれぞれの座標を求めることができる。
【0045】
図13は、ボルトB11乃至ボルトB43の左半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。ガンの制御点TCPを次の順序で移動させる。
▲1▼溶射加工開始位置P5からボルトB11の第1教示点B11p1に移動させる。
▲2▼ボルトB11の第1教示点B11p1からボルトB11の第2教示点B11p2を通過してボルトB11の第3教示点B11p3まで円弧を描いて移動させる。
▲3▼ボルトB11の第3教示点B11p3からボルトB12の第1教示点B12p1までY軸方向に移動させる。
▲4▼上記▲2▼及び▲3▼と同様の動作を繰り返してボルトB13の第3教示点B11p3まで移動させる。
▲5▼ボルトB13の第3教示点B13p3からボルトB21の第1教示点B21p1まで移動させる。
▲6▼上記▲2▼乃至▲5▼と同様の動作を繰り返してボルトB43の第3教示点B43p3まで移動させる。
▲7▼溶射加工終了位置P6まで移動させる。
【0046】
図14は、ボルトB11乃至ボルトB43の右半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。ガンの制御点TCPを次の順序で移動させる。
▲1▼溶射加工開始位置P5からボルトB11の第1教示点B11p1に移動させる。
▲2▼ボルトB11の第1教示点B11p1からボルトB11の第2教示点B11p2を通過してボルトB11の第3教示点B11p3まで円弧を描いて移動させる。
▲3▼ボルトB11の第3教示点B11p3からボルトB12の第1教示点B12p1までY軸方向に移動させる。
▲4▼上記▲2▼及び▲3▼と同様の動作を繰り返してボルトB13の第3教示点B11p3P3まで移動させる。
▲5▼ボルトB13の第3教示点B13p3からボルトB21の第1教示点B21p1まで移動させる。
▲6▼上記▲2▼乃至▲5▼と同様の動作を繰り返してボルトB43の第3教示点B43p3まで移動させる。
▲7▼溶射加工終了位置P6まで移動させる。
【0047】
[第1の溶射加工方法]
図15乃至図30は本発明のボルト頭部15と板16との締結部を溶射加工する第1の溶射加工方法を示すフローチャートである。第1の溶射加工方法は、まず、図13に示す溶射加工開始位置P5から溶射加工終了位置P6までガンの制御点TCPを移動させてボルト頭部15の左半周の溶射加工を行う。その後、図14に示す溶射加工開始位置P5に戻り、溶射加工開始位置P5から溶射加工終了位置P6までガンの制御点TCPを移動させてボルト頭部15の右半周の溶射加工を行う溶射加工方法である。
【0048】
図15のステップST1において、図4の溶射条件設定装置9から次の溶射面の加工条件を入力する。溶射面の加工条件は、▲1▼ボルト頭部の直径D1、ロボットの動作速度、ガンの前進角θ1、ボルトB11の座標(Xb11、Yb11、Zb11)、ボルト頭部のX軸方向の数m、ボルト頭部のY軸方向の数n、ボルト頭部のX軸方向の間隔Lx及びボルト頭部のY軸方向の間隔Lyのロボット制御条件と▲2▼溶射電流値、溶射電圧値、溶射ガン4に供給されるワイヤの送給速度、溶射風量等の溶射アーク制御条件とである。
【0049】
ステップST2において、溶射条件設定装置9から入力された溶射条件のうち、ロボット制御条件の信号がロボット制御装置7に入力される。
ステップST3において、溶射条件設定装置9から入力された溶射条件のうち、溶射アーク制御条件の信号が溶射制御装置3に入力される。
【0050】
図15に示すステップLにおいて、図16乃至図20に示すブラスト処理フローを行う。
[ブラスト処理ステップ]
図16乃至図20は本発明のブラスト処理フローを示す図である。
【0051】
ステップL1において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図8に示すように、ガンの制御点TCPがボルト頭部の左半周を第1教示点P1から第2教示点P2を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによってブラスト処理を行う設定をする。
また、ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とし、
ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第2教示点P2の座標(Xbmnp2、Ybmnp2、Zbmnp2)=(X11−D1/2+Nm×Lx、Y11+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)を設定する。
【0052】
ステップL2において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図13に示すように、まず、Y軸方向にガンの制御点TCPを移動させてボルトB11乃至ボルトB13をブラスト処理し、次に、X軸方向にガンの制御点TCPを移動させてボルトB21乃至ボルトB23をブラスト処理し、これらを順次繰り返してボルトB43までブラスト処理することを設定する。
【0053】
ステップL3において、起動装置10をONすると起動装置10が起動信号をロボット制御装置7に出力する。
ステップL4において、マニピュレータ12の手首部12aをブラストガン保持位置に移動する。
ステップL5において、図5に示すように、ロボット制御装置7がガン保持指令信号S1を信号入出力装置8に出力する。
ステップL6において、信号入出力装置8がツールチェンジャ制御装置11にガン保持制御信号S2を出力する。
ステップL7において、ツールチェンジャ制御装置11がツールチェンジャ13にガン保持信号S3を出力する。
ステップL8において、ツールチェンジャ13がブラストガン2を保持する。
【0054】
ステップL9において、ブラストガン2のノズル先端を溶射加工開始位置P5に移動させる。
ステップL10において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8にブラスト開始指令信号S7を出力する。
ステップL11において、信号入出力装置8がブラスト制御装置1にブラスト開始制御信号S8を出力する。
ステップL12において、ブラスト制御装置1がブラストガン2にブラスト開始信号S9を出力する。
【0055】
ステップL13において、ボルトB11の左半周のブラスト処理を行う。
ステップL14において、ブラストガン2をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB12のブラスト処理を行い、さらに、ブラストガン2をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB13のブラスト処理を行う。
【0056】
ステップL15において、ブラストガン2をX軸方向にボルト頭部のX軸方向の間隔Lxだけプラス移動させ、さらに、Y軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Ly×2だけプラス移動させてボルトB21のブラスト処理を行う。
ステップL16において、上記ステップL14及びステップ15を繰り返してボルトB43までブラスト処理を行う。
ステップL17において、ブラストガン2を図13に示す溶射加工終了位置P6まで移動させる。
【0057】
ステップL18において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図12に示すように、ガンの制御点TCPがボルト頭部の右半周を第1教示点P1から第4教示点P4を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによってブラスト処理を行う設定をする。
また、ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とし、
ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第4教示点P4の座標(Xbmnp4、Ybmnp4、Zbmnp4)=(X11+D1/2+Nm×Lx、Y11−Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)を設定する。
【0058】
ステップL19において、ブラストガン2のノズル先端を図14に示す溶射加工開始位置P5に移動させる。
ステップL20において、ボルトB11の右半周のブラスト処理を行う。
ステップL21において、ブラストガン2をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB12のブラスト処理を行い、さらに、ブラストガン2をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB13の右半周のブラスト処理を行う。
【0059】
ステップL22において、ブラストガン2をX軸方向にボルト頭部のX軸方向の間隔Lxだけプラス移動させ、さらに、Y軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Ly×2だけプラス移動させてボルトB21の右半周のブラスト処理を行う。
ステップL23において、上記ステップL21及びステップL22を繰り返してボルトB43までの右半周のブラスト処理を行う。
ステップL24において、ブラストガン2を図14に示す溶射加工終了位置P6まで移動させる。
【0060】
ステップL25において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8にブラスト終了指令信号S10を出力する。
ステップL26において、信号入出力装置8がブラスト制御装置1にブラスト終了制御信号S11を出力する。
ステップL27において、ブラスト制御装置1がブラストガン2にブラスト終了信号S12を出力する。
【0061】
ステップL28において、ブラストガン2がブラスト材を被溶射物14に吹き付けることを終了する。
ステップL29において、マニピュレータ12の手首部12aをブラストガン保持位置に移動する。
ステップL30において、ロボット制御装置7がガン開放指令信号S4を信号入出力装置8に出力する。
ステップL31において、信号入出力装置8がツールチェンジャ制御装置11にガン開放制御信号S5を出力する。
ステップL32において、ツールチェンジャ制御装置11がツールチェンジャ13にガン開放信号S6を出力する。
ステップL33において、ツールチェンジャ13がブラストガン2を開放する。
【0062】
図15に示すステップMにおいて、図21乃至図24に示す溶射フローを開始する。
【0063】
[溶射処理ステップ]
図21乃至図24は本発明の溶射処理フローを示す図である。
【0064】
ステップM1において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から
図8に示すように、ガンの制御点TCPがボルト頭部の左半周を第1教示点P1から第2教示点P2を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによって溶射処理を行う設定をする。
また、ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とし、
ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第2教示点P2の座標(Xbmnp2、Ybmnp2、Zbmnp2)=(X11−D1/2+Nm×Lx、Y11+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)を設定する。
【0065】
ステップM2において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図13に示すように、まず、Y軸方向にガンの制御点TCPを移動させてボルトB11乃至ボルトB13を溶射処理し、次に、X軸方向にガンの制御点TCPを移動させてボルトB21乃至ボルトB23を溶射処理し、これらを順次繰り返してボルトB43まで溶射処理することを設定する。
ステップM3において、起動装置10をONすると起動装置10が起動信号をロボット制御装置7に出力する。
ステップM4において、マニピュレータ12の手首部12aを溶射ガン保持位置に移動する。
【0066】
ステップM5において、図5に示すように、ロボット制御装置7がガン保持指令信号S1を信号入出力装置8に出力する。
ステップM6において、信号入出力装置8がツールチェンジャ制御装置11にガン保持制御信号S2を出力する。
ステップM7において、ツールチェンジャ制御装置11がツールチェンジャ13にガン保持信号S3を出力する。
ステップM8において、ツールチェンジャ13が溶射ガン4を保持する。
【0067】
ステップM9において、溶射ガン4のノズル先端を溶射加工開始位置P5に移動させる。
ステップM10において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8に溶射開始指令信号S13を出力する。
ステップM11において、信号入出力装置8が溶射制御装置3に溶射開始制御信号S14を出力する。
ステップM12において、溶射制御装置3が溶射ガン4に溶射開始信号S15を出力する。
【0068】
ステップM13において、ボルトB11の左半周の溶射処理を行う。
ステップM14において、溶射トガン4をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB12の溶射処理を行い、さらに、ブラストガン2をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB13の溶射処理を行う。
ステップM15において、溶射ガン4をX軸方向にボルト頭部のX軸方向の間隔Lxだけプラス移動させ、さらに、Y軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Ly×2だけプラス移動させてボルトB21の溶射処理を行う。
ステップM16において、上記ステップM14及びステップM15を繰り返してボルトB43まで溶射処理を行う。
【0069】
ステップM17において、溶射ガン4を図13に示す溶射加工終了位置P6まで移動させる。
ステップM18において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図12に示すように、ガンの制御点TCPがボルト頭部の右半周を第1教示点P1から第4教示点P4を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによって溶射処理を行う設定をする。
また、ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とし、
ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第4教示点P4の座標(Xbmnp4、Ybmnp4、Zbmnp4)=(X11+D1/2+Nm×Lx、Y11−Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)を設定する。
【0070】
ステップM19において、溶射ガン4のノズル先端を図14に示す溶射加工開始位置P5に移動させる。
ステップM20において、ボルトB11の右半周の溶射処理を行う。
ステップM21において、溶射ガン4をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB12の溶射処理を行い、さらに、溶射ガン4をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB13の右半周の溶射処理を行う。
ステップM22において、溶射ガン4をX軸方向にボルト頭部のX軸方向の間隔Lxだけプラス移動させ、さらに、Y軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Ly×2だけプラス移動させてボルトB21の右半周の溶射処理を行う。
ステップM23において、上記ステップM21及びステップM22を繰り返してボルトB43までの右半周の溶射処理を行う。
【0071】
ステップM24において、溶射ガン4を図14に示す溶射加工終了位置P6まで移動させる。
ステップM25において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8に溶射終了指令信号S16を出力する。
ステップM26において、信号入出力装置8が溶射制御装置3に溶射終了制御信号S17を出力する。
ステップM27において、ブラスト制御装置1が溶射ガン4に溶射終了信号S18を出力する。
ステップM28において、溶射ガン4が被溶接物14への溶射処理を終了する。
【0072】
ステップM29において、マニピュレータ12の手首部12aを溶射ガン保持位置に移動する。
ステップM30において、ロボット制御装置7がガン開放指令信号S4を信号入出力装置8に出力する。
ステップM31において、信号入出力装置8がツールチェンジャ制御装置11にガン開放制御信号S5を出力する。
ステップM32において、ツールチェンジャ制御装置11がツールチェンジャ13にガン開放信号S6を出力する。
ステップM33において、ツールチェンジャ13が溶射ガン4を開放する。
【0073】
図15に示すステップNにおいて、図25乃至図30に示す封孔処理フローを開始する。
【0074】
[封孔処理ステップ]
図25乃至図30は本発明の封孔処理フローを示す図である。
【0075】
ステップN1において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から
図8に示すように、ガンの制御点TCPがボルト頭部の左半周を第1教示点P1から第2教示点P2を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによって封孔処理を行う設定をする。
また、ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とし、
ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第2教示点P2の座標(Xbmnp2、Ybmnp2、Zbmnp2)=(X11−D1/2+Nm×Lx、Y11+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)を設定する。
【0076】
ステップN2において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図13に示すように、まず、Y軸方向にガンの制御点TCPを移動させてボルトB11乃至ボルトB13を封孔処理し、次に、X軸方向にガンの制御点TCPを移動させてボルトB21乃至ボルトB23を封孔処理し、これらを順次繰り返してボルトB43まで封孔処理することを設定する。
ステップN3において、起動装置10をONすると起動装置10が起動信号をロボット制御装置7に出力する。
【0077】
ステップN4において、マニピュレータ12の手首部12aを封孔ガン保持位置に移動する。
ステップN5において、図5に示すように、ロボット制御装置7がガン保持指令信号S1を信号入出力装置8に出力する。
ステップN6において、信号入出力装置8がツールチェンジャ制御装置11にガン保持制御信号S2を出力する。
ステップN7において、ツールチェンジャ制御装置11がツールチェンジャ13にガン保持信号S3を出力する。
ステップN8において、ツールチェンジャ13が封孔ガン6を保持する。
【0078】
ステップN9において、封孔ガン6のノズル先端を図13に示す溶射加工開始位置P5に移動させる。
ステップN10において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8に封孔開始指令信号S19を出力する。
ステップN11において、信号入出力装置8が封孔制御装置5に封孔開始制御信号S20を出力する。
ステップN12において、封孔制御装置5が封孔ガン6に封孔開始信号S21を出力する。
【0079】
ステップN13において、ボルトB11の左半周の封孔処理を行う。
ステップN14において、封孔ガン6をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB12の封孔処理を行い、さらに、封孔ガン6をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB13の封孔処理を行う。
ステップN15において、封孔ガン6をX軸方向にボルト頭部のX軸方向の間隔Lxだけプラス移動させ、さらに、Y軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Ly×2だけプラス移動させてボルトB21の封孔処理を行う。
ステップN16において、上記ステップN14及びステップN15を繰り返してボルトB43まで封孔処理を行う。
ステップN17において、封孔ガン6を図13に示す溶射加工終了位置P6まで移動させる。
【0080】
ステップN18において、ロボット制御装置7がロボット制御条件の信号から図12に示すように、ガンの制御点TCPがボルト頭部の右半周を第1教示点P1から第4教示点P4を通過して第3教示点P3までの円弧を描く経路で移動することによって封孔処理を行う設定をする。
また、ボルトBmnにおいて、mを1乃至4とし、nを1乃至3とし、
ボルトBmnの第1教示点P1の座標(Xbmnp1、Ybmnp1、Zbmnp1)=(X11+Nm×Lx、Y11+D1/2+Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第4教示点P4の座標(Xbmnp4、Ybmnp4、Zbmnp4)=(X11+D1/2+Nm×Lx、Y11−Nn×Ly、Z11)、
ボルトBmnの第3教示点P3の座標(Xbmnp3、Ybmnp3、Zbmnp3)=(X11+Nm×Lx、Y11−D1/2+Nn×Ly、Z11)を設定する。
【0081】
ステップN19において、封孔ガン6のノズル先端を図14に示す溶射加工開始位置P5に移動させる。
ステップN20において、ボルトB11の右半周の封孔処理を行う。
ステップN21において、封孔ガン6をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB12の封孔処理を行い、さらに、封孔ガン6をY軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Lyだけマイナス移動させてボルトB13の右半周の封孔処理を行う。
ステップN22において、封孔ガン2をX軸方向にボルト頭部のX軸方向の間隔Lxだけプラス移動させ、さらに、Y軸方向にボルト頭部のY軸方向の間隔Ly×2だけプラス移動させてボルトB21の右半周の封孔処理を行う。
ステップN23において、上記ステップN21及びステップN22を繰り返してボルトB43までの右半周の封孔処理を行う。
ステップN24において、封孔ガン6を図14に示す溶射加工終了位置P6まで移動させる。
【0082】
ステップN25において、ロボット制御装置7が信号入出力装置8に封孔終了指令信号S22を出力する。
ステップN26において、信号入出力装置8が封孔制御装置5に封孔終了制御信号S23を出力する。
ステップN27において、封孔制御装置5が封孔ガン6に封孔終了信号S24を出力する。
ステップN28において、封孔ガン6が被溶接物14への封孔処理を終了する。
【0083】
ステップN29において、マニピュレータ12の手首部12aを封孔ガン保持位置に移動する。
ステップN30において、ロボット制御装置7がガン開放指令信号S4を信号入出力装置8に出力する。
ステップN31において、信号入出力装置8がツールチェンジャ制御装置11にガン開放制御信号S5を出力する。
ステップN32において、ツールチェンジャ制御装置11がツールチェンジャ13にガン開放信号S6を出力する。
ステップN33において、ツールチェンジャ13が封孔ガン6を開放する。
【0084】
[第2に溶射加工方法]
第2の溶射加工方法は、まず、図13に示す溶射加工開始位置P5から溶射加工終了位置P6までガンの制御点TCPを移動させてボルト頭部15の左半周の溶射加工を行う。その後、第1の溶射加工方法とは逆に、図14に示す溶射加工終了位置P6から溶射加工開始位置P5までガンの制御点TCPを移動させてボルト頭部15の右半周の溶射加工を行う溶射加工方法である。
【0085】
第2の溶射加工方法は、第1の溶射加工方法のボルト頭部15の右半周を溶射加工する場合において、図12の第1教示点P1と第3教示点P3とを入れ替え、ガンの制御点TCPのX軸及びY軸の移動方向を逆にして、溶射終了位置P6から溶射開始位置P5までを溶射加工するようにすれば同様の説明になるので、説明を省略する。
【0086】
上述した溶射加工方法においては、溶射加工開始位置P5から溶射加工終了位置P6までの間を連続して溶射加工している。この代わりに、ボルト頭部15の周面以外にマスキングをして、ボルト頭部15の周面のみを溶射加工しても良い。
【0087】
また、上述したボルト頭部15の溶射加工においては、左半周と右半周に分割して溶射加工を行っているが、左半周と右半周とのそれぞれの両端部が重なるように溶射加工を行っても良い。
【0088】
次に本発明の溶射加工方法を実施する被溶射物及び溶射加工方法の条件の実施例を図31に示す。図31は本発明の溶射加工方法を実施する被溶射物及び溶射加工方法の各処理工程のブラスト処理、溶射処理及び封孔処理の条件を示す図である。図31に示す各処理工程の処理条件で溶射加工を行った結果、各ボルト頭部15に均一な溶射皮膜を施すことができた。
【0089】
以上の説明は1台のロボットを使用してブラスト処理、溶射処理及び封孔処理を行っているが、3台のロボットを使用して、ブラスト処理、溶射処理及び封孔処理のそれぞれの処理を専用の各1台のロボットにさせることによって、ガンを交換するステップを省略して製造工程を減らすことができる。3台のロボットを使用する場合、起動装置10と溶射条件設定装置9の入力を3台について行わなければならないが、例えば信号入出力装置8を使用して3台のロボットの制御を連動させてもよい。
【0090】
本発明の溶射方法は、ブラスト処理の各ステップ、溶射処理の各ステップ及び封孔処理の各ステップから成る場合を説明したが、ブラスト処理の各ステップ又は封孔処理の各ステップの何れか又は両方をロボットが行う代わりに手作業で行ってもよい。
【0091】
前工程において、ブラスト処理の代わりに、塗装ガンを使用してエポキシ系又は水系の粗面形成剤の塗布を行うことによって、高品質の前処理を行うこともできる。
【0092】
また、マニピュレータ12に赤外線センサやX線等のカメラを搭載することによってブラスト処理又は溶射処理における皮膜検査をロボットで行うことができる。
【0093】
さらに、本発明の溶射加工方法は、多関節ロボットを使用して、ロボット制御条件の信号から溶射処理を行う溶射ガンの制御点TCPの移動経路を演算して、この演算した移動経路の複数又は全部を連続して溶射することができる。
【0094】
【発明の効果】
前述したように、橋梁に使用するボルト頭部15の周面を溶射する場合、溶射ガンを円弧を描くように移動させなけらばならないために、従来技術では、アーク溶射の高度技術を習得した熟練作業者であっても、手作業では、重量のある溶射ガンを移動させて均一で十分な溶射皮膜を施すことは著しく困難であった。
【0095】
本発明の溶射加工方法は、多関節ロボットを使用して、橋梁に使用するボルト頭部15の周面を溶射ガンを円弧を描くように移動させて溶射加工することができ、再現性が高くばらつきのない均一で十分な厚さの溶射皮膜を形成することができる。また、アーク溶射の高度技術を習得した熟練作業者でなくても、ロボットのオペレータが一人いれば、良質の溶射加工を大量にすることができるので、溶射製品の溶射品質の安定化を図ると共に、製造コストも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係る発明の特徴を最もよく表す図である。
【図2】本発明の溶射加工方法によって溶射するボルト頭部を示す図である。
【図3】溶射ガンを把持する多関節ロボットの一般的な構成を示す図である。
【図4】本発明の溶射加工方法を説明するブロック図である。
【図5】ロボット制御装置7からツールチェンジャ13、ブラストガン2、溶射ガン4及び封孔ガン6への信号の入出力を示す図である。
【図6】本発明の溶射加工方法によって溶射加工する部分を示す図である。
【図7】本発明の溶射加工方法に使用するガンを前進角θ1で移動させて、ボルト頭部15と板16との締結部とボルト頭部15の側面を溶射加工する方法を示す図である。
【図8】1個のボルト頭部15の左半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。
【図9】12個のボルト頭部15が板16に締結された状態の平面図である。
【図10】12個のボルト頭部15が板16に締結された状態の側面図である。
【図11】Y軸方向のボルト頭部が3行、X軸方向のボルト頭部が4列の場合の変数Nn及び変数Nmを示す図である。
【図12】1個のボルト頭部15の右半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。
【図13】ボルトB11乃至ボルトB43の左半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。
【図14】ボルトB11乃至ボルトB43の右半周を溶射加工する場合のガンの制御点TCPの移動経路を示す図である。
【図15】本発明のボルト頭部15と板16との締結部を溶射加工する方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明のブラスト処理フローを示す図である。
【図17】図16に続く本発明のブラスト処理フローを示す図である。
【図18】図17に続く本発明のブラスト処理フローを示す図である。
【図19】図18に続く本発明のブラスト処理フローを示す図である。
【図20】図19に続く本発明のブラスト処理フローを示す図である。
【図21】本発明の溶射処理フローを示す図である。
【図22】図21に続く本発明の溶射処理フローを示す図である。
【図23】図22に続く本発明の溶射処理フローを示す図である。
【図24】図23に続く本発明の溶射処理フローを示す図である。
【図25】本発明の封孔処理フローを示す図である。
【図26】図25に続く本発明の封孔処理フローを示す図である。
【図27】図26に続く本発明の封孔処理フローを示す図である。
【図28】図27に続く本発明の封孔処理フローを示す図である。
【図29】図28に続く本発明の封孔処理フローを示す図である。
【図30】図29に続く本発明の封孔処理フローを示す図である。
【図31】本発明の溶射加工方法を実施する被溶射物及び溶射加工方法の各処理工程のブラスト処理、溶射処理及び封孔処理の条件を示す図である。
【符号の説明】
1 ブラスト制御装置
2 ブラストガン
3 溶射制御装置
4 溶射ガン
5 封孔制御装置
6 封孔ガン
7 ロボット制御装置
8 信号入出力装置
9 溶射条件設定装置
10 起動装置
11 ツールチェンジャ制御装置
12 マニピュレータ
13 ツールチェンジャ
14 被溶射物
15 ボルト頭部
16 板
17 ワイヤリール
18 鉛直線
24 ティーチペンダント
25 操作ボックス
B11乃至B43 ボルト(頭部)
D1 ボルトの直径
P1 第1教示点
P2 第2教示点
P3 第3教示点
P4 第4教示点
P5 溶射加工開始位置
P6 溶射加工終了位置
S1 ガン保持指令信号
S2 ガン保持制御信号
S3 ガン保持信号
S4 ガン開放指令信号
S5 ガン開放制御信号
S6 ガン開放信号
S7 ブラスト開始指令信号
S8 ブラスト開始制御信号
S9 ブラスト開始信号
S10 ブラスト終了指令信号
S11 ブラスト終了制御信号
S12 ブラスト終了信号
S13 溶射開始指令信号
S14 溶射開始制御信号
S15 溶射開始信号
S16 溶射終了指令信号
S17 溶射終了制御信号
S18 溶射終了信号
S19 封孔開始指令信号
S20 封孔開始制御信号
S21 封孔開始信号
S22 封孔終了指令信号
S23 封孔終了制御信号
S24 封孔終了信号

Claims (16)

  1. 小径周面の単一物の複数個を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置を制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する第1の分割溶射面復帰過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置から前記最後の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、前記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、前記分割溶射面復帰過程と前記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  2. 小径周面の単一物の複数個を、多関節ロボットのマニピュレータの手首部に取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する第1の分割溶射面復帰過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置から前記最後の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、前記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、前記分割溶射面復帰過程と前記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  3. 小径周面の単一物の複数個を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置を制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、教示した順序で、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最後の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを移動させて、教示した逆方向の順序で、最後の溶射順序を教示した単一物から最初の溶射順序を教示した単一物までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、教示した順序と教示した逆方向の順序とを交互に繰り返して、前記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、前記分割溶射面復帰過程と前記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  4. 請求項2に記載の方法を多関節ロボットによって小径周面の単一物の複数個を、多関節ロボットのマニピュレータの手首部に取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記単一物の溶射面の加工条件に応じて1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置から第1の分割溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面を溶射する第1の分割溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示した単一物の第1の分割溶射面の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する第1の分割溶射面復帰過程と、前記最初の溶射順序を教示した単一物の第2の分割溶射面の溶射開始位置から前記最後の溶射順序を教示した単一物の溶射開始位置までの各単一物の第2の分割溶射面を溶射する第2の分割溶射面順次溶射過程と、前記分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程で教示した第Nの分割溶射面の溶射が終了するまで、前記分割溶射面復帰過程と前記分割溶射面順次溶射過程とを繰り返して各単一物の第Nの分割溶射面を溶射する第Nの分割溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  5. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の小径周面の単一物がボルト頭部である小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  6. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の1回で溶射する面を分割して第2ないし第Nの分割溶射面がボルト頭部の左半周移動経路及び右半周移動経路である溶射加工方法。
  7. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程に単一物の溶射面の加工条件の教示を含み前記加工条件が単一物の形状によって予め定めた加工条件である溶射加工方法。
  8. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程に単一物の溶射面の加工条件の教示を含み前記加工条件が溶射ガンの姿勢によって予め定めた加工条件である溶射加工方法。
  9. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程に単一物の溶射面の加工条件が溶射ガンの分割溶射面に対する電気的物理的な出力である溶射加工方法。
  10. 請求項6に記載の溶射ガンの姿勢に対する単一物の形状がボルト頭部の左半周移動経路及び右半周移動経路である溶射加工方法。
  11. 複数個のボルト頭部の周面を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置を教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する左半周移動経路溶射面復帰過程と、前記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開 始位置から前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  12. 複数個のボルト頭部の周面を、多関節ロボットのマニピュレータの手首部に取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、以下同様に、順次に、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射終了位置から最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置まで溶射ガンを復帰する左半周移動経路溶射面復帰過程と、前記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
  13. 複数個のボルト頭部の周面を、溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置を教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までを教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路を溶射し、以下同様に、教示した順序で、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面の溶射終了位置から最後の溶射順序を教示したボルト頭部の右半周移動経路溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを移動させて、教示した逆方向の順序で、最後の溶射順序を教示したボルト頭部から最初の溶射順序を教示したボルト頭部までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面ボルト頭部の複数個繰り返し溶射加工方法。
  14. 複数個のボルト頭部の周面を、多関節ロボットのマニピュレータの手首部に取り付けられた溶射ガンを順次に移動させて繰り返し溶射する小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法において、前記ボルト頭部の周面に応じて1回で溶射する面を左半周移動経路及び右半周移動経路に分割して左半周移動経路溶射面及び右半周移動経路溶射面を形成し、前記各分割溶射面ごとの位置をロボット制御装置に教示し、次に複数個のボルト頭部の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最後の溶射順序までをロボット制御装置に教示する分割溶射面・溶射位置・溶射順序教示過程と、前記最初の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路溶射面を溶射し、次に前記2番目の溶射順序を教示したボルト頭部の溶射開始位置から左半周移動経路を溶射し、以下同様に、教示した順序で、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面を溶射する左半周移動経路溶射面順次溶射過程と、前記最後の溶射順序を教示したボルト頭部の左半周移動経路溶射面の溶射終了位置から最後の溶射順序を教示したボルト頭部の右半周移動経路溶射面の溶射開始位置まで溶射ガンを移動させて、教示した逆方向の順序で、最後の溶射順序を教示したボルト頭部から最初の溶射順序を教示したボルト頭部までの各ボルト頭部の右半周移動経路溶射面を溶射する右半周移動経路溶射面順次溶射過程とからなる小径周面ボルト頭部の複数個繰り返し溶射加工方法。
  15. 複数個の単一物の溶射開始位置及び最初の溶射順序から最終の溶射順序までの単一物がボルト頭部であって教示する位置の座標が、ボルト B11 の座標、ボルト頭部のX軸方向の数、ボルト頭部のY軸方向の数、ボルト頭部のX軸方向の間隔及びボルト頭部のY軸方向の間隔である請求項11又は請求項12又は請求項13又は請求項14に記載の小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法である。
  16. 溶射面の加工条件が、(1)ボルト頭部の直径、ロボットの動作速度、ガンの前進角、ボルト B11 の座標、ボルト頭部のX軸方向の数、ボルト頭部のY軸方向の数、ボルト頭部のX軸方向の間隔及びボルト頭部のY軸方向の間隔のロボット制御条件と(2)溶射電流値、溶射電圧値、溶射ガンに供給されるワイヤの送給速度、溶射風量等の溶射アーク制御条件である請求項11又は請求項12又は請求項13又は請求項14に記載の小径周面単一物の複数個繰り返し溶射加工方法。
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