JP3907560B2 - 画素ずらし用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画素ずらしを行うためのイメージセンサの駆動機構及び駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラや電子スチルカメラ等においてイメージセンサの分解能(解像度)を高める方法として、「画素ずらし」という方法が存在する。以下、イメージセンサの分解能について説明し、続いて画素ずらしの方法について説明し、続いて画素ずらしのために従来提案されていた駆動機構,駆動装置について説明する。
【0003】
〔1.イメージセンサの分解能〕
イメージセンサでは、一般に、図1に示すように複数の画素Pが水平方向(図の横方向)及び垂直方向(図の縦方向)に離散的に配列されている。Px,Pyは、それぞれ水平方向,垂直方向の画素ピッチである。
【0004】
図2に示すように、ピッチOxの縦ストライプ(黒線(図の斜線部分)と白線との組み合せ)の被写体51をこのイメージセンサで撮像したとすると、カメラ内の光学系(レンズ)52により、ピッチlxの縦ストライプ像53がイメージセンサに投影される。
【0005】
このとき、図3に示すように縦ストライプ像53のピッチlxが水平方向の画素ピッチPxの2倍であれば、縦ストライプの隣り合う黒線(図の斜線部分),白線からの光がそれぞれ水平方向に隣り合う画素Pに投影されるので、隣り合う黒線,白線を識別できるような状態で被写体51を撮像することができる。これに対し、ピッチlxが画素ピッチPxの2倍未満であると、隣り合う黒線,白線を識別できるような状態で被写体51を撮像することはできなくなる。
【0006】
したがって、ピッチlxが画素ピッチPxの2倍である縦ストライプ像が投影されるときが、イメージセンサの水平方向の分解能の限界である。このとき、イメージセンサからは、図4に示すように、水平転送クロック(周期τph)に同期してハイレベルとロウレベルとを繰り返す信号が出力する。
【0007】
テレビジョンの分野では、イメージセンサの水平方向の分解能は次の(1)式によって定義されている。
RPh=Kh×Nh …(1)
但し、RPhは水平方向の分解能、Khはイメージセンサの撮像面の縦横比(例えば3対4のときは0.75)、Nhはイメージセンサの水平方向の画素数である。
【0008】
水平方向の分解能の限界では、図3に示したように画素ピッチPxの2倍のピッチlxの縦ストライプ像がイメージセンサに投影されるので、水平方向の画素数の半分の本数のストライプ(1本のストライプは1本の黒線と1本の白線との組み合せ)がイメージセンサに投影されることになる。したがって、(1)式は、このストライプの本数を用いて次の(2)式のように表現することもできる。
RPh=Kh×Noh …(2)
但し、Nohは、イメージセンサに投影される縦ストライプ像のストライプの最大本数の2倍の数である。
【0009】
図2〜図4では水平方向について示したが、垂直方向についても、図5に示すようなピッチOyの横ストライプの被写体54を撮像したとすると、イメージセンサに投影される横ストライプ像のピッチが図1の垂直方向の画素ピッチPyの2倍であるときが、垂直方向の分解能の限界である。
【0010】
この垂直方向の分解能は、上記(1)式,(2)式に代えて、次の(3)式,(4)式で表現される。
RPv=Kv×Nv …(3)
但し、RPvは垂直方向の分解能、Kv=1、Nvはイメージセンサの垂直方向の画素数である。
【0011】
RPv=Kv×Nov …(4)
但し、Novは、イメージセンサに投影される横ストライプ像の最大ストライプ数の2倍の数である。
【0012】
〔2.画素ずらしの方法〕
〔2−1.通常のイメージセンサへの適用〕
図1に示した画素配列のイメージセンサで、一定のタイミング毎に、図6に示すように、各画素Pを実線の箇所に位置させた状態と、各画素Pをこの実線の位置から水平方向にPx/2だけずらした破線の箇所に位置させた状態とを交互に繰り返しながら、同じ被写体を撮像する。具体的には、テレビジョン画像の撮影であれば、例えば奇数フレームでは各画素Pを実線の箇所に位置させ、偶数フレームでは各画素Pを破線の箇所に位置させる。
【0013】
そして、各画素Pを実線の箇所に位置させた際のイメージセンサの出力信号と、各画素Pを破線の箇所に位置させた際のイメージセンサの出力信号とを合成する。
【0014】
図2に示したピッチOxの縦ストライプの被写体51をこの方法で撮像したとすると、図7に示すように、イメージセンサに投影される縦ストライプ像53のピッチlxが水平方向の画素ずらし量Px/2の2倍であれば(すなわち画素ピッチPxと同じであれば)、縦ストライプの隣り合う黒線(図の斜線部分),白線からの光がそれぞれ水平方向に隣り合う画素Pに投影されるので、隣り合う黒線,白線を識別できるような状態で被写体51を撮像することができる。
【0015】
このとき、画素ピッチが1/2のPx/2になったのと同等であり、図3との対比からも明らかなように、イメージセンサの水平方向の分解能が2倍になる。
【0016】
また、このとき、水平方向の画素数が2倍になったのと同等であるから、図4に示した水平転送クロックの周期がτph/2になったのに相当し、また、前述のテレビジョンの分野での定義((1)式)からは水平方向の分解能が次の(5)式のように表される。
RPh=Kh×2Nh …(5)
【0017】
ここでは、各画素Pを画素ピッチPxの1/2であるPx/2だけずらした例を挙げたが、各画素Pを水平方向に画素ピッチPxの1/Mh(Mhは整数)ずつずらした箇所に順次位置させて撮像した場合には、前述のテレビジョンの分野での定義からは水平方向の分解能が次の(6)式のように表されることになる。
RPh=Kh×Nh×Mh …(6)
【0018】
また、ここでは水平方向について説明したが、垂直方向についても、各画素Pを垂直方向に画素ピッチPyの1/Mv(Mvは整数)ずつずらした箇所に順次位置させて撮像した場合には、前述のテレビジョンの分野での定義((3)式)からは垂直方向の分解能が次の(7)式のように表されることになる。
RPv=Kv×Nv×Mv …(7)
【0019】
〔2−2.1チップカラーイメージセンサへの適用〕
この画素ずらしの方法は、画素上にカラーフィルターを配列したイメージセンサである1チップカラーイメージセンサにも適用できる。例えば、RGBのカラーフィルターを図8に示すように配列した1チップカラーイメージセンサについて、グリーンの画素にのみ着目すると、図9に示すように、水平方向,垂直方向の画素ピッチはそれぞれ図1のイメージセンサの画素ピッチと同じくPx,Pyであるが、斜め方向の画素ピッチは図1のイメージセンサの画素ピッチPsの2倍の2Psになる。したがって、そのままでは、斜め方向のグリーンの分解能が図1のイメージセンサの斜め方向の分解能の1/2になってしまう。
【0020】
そこで、この1チップカラーイメージセンサで、画素ずらし量を水平方向にPxだけとって画素ずらしを行う。すると、グリーンの画素については、図10に示すように、実線の箇所に位置する状態と、この実線の位置から水平方向にPxだけずれた破線の箇所に位置する状態とが交互に繰り返すようになる。
【0021】
このとき、グリーンの画素の斜め方向の画素ピッチが1/2のPsになったのと同等であり、グリーンの画素についての斜め方向の分解能が2倍(図1のイメージセンサの斜め方向の分解能と同じ)になる。
【0022】
なお、1チップカラーイメージセンサに対して前出の〔2−1.通常のイメージセンサへの適用〕で説明した画素ずらしを併せて行うことによって水平方向,垂直方向の分解能を高める(例えば、図8の1チップカラーイメージセンサでレッドやブルーの画素の水平方向,垂直方向の分解能を高める)ことももちろん可能である。
【0023】
〔3.従来の画素ずらしのための駆動機構,駆動装置〕
以上のような画素ずらしを行うためにイメージセンサの位置を周期的に変化させる手段については従来からいくつかのものが提案されているが、特開平1−123580号公報には、図19に示すような、圧電素子を用いた駆動装置が開示されている。この駆動装置は、最小単位の駆動機構である水平方向微少変位板150,垂直方向微少変位板151と、CCD基板取付ブラケット169とを主な構成要素としている。
【0024】
水平方向微少変位板150,垂直方向微少変位板151は、互いに同一構造をしており、バネ状金属片(150s,151s)で連結された固定部(150a,151a)と可動部(150m,151m)とを圧電アクチュエータ(圧電素子)(152,153)で相対的に変位させるようになっている。CCD基板取付ブラケット169は、CCD基板101a(CCD101を固定し、配線パターンが形成された基板)を固定するようになっている。
【0025】
垂直方向微少変位板151の固定部151aは、レンズマウント167に対して固定された取付板172に固定される。水平方向微少変位板150の固定部150aは、固定部と可動部との相対的変位の向きを垂直方向微少変位板151とは直交させるようにして、垂直方向微少変位板151の可動部151mに固定される。CCD基板取付ブラケット169は、水平方向微少変位板150の可動部150mに固定される。
【0026】
フィールド信号に同期した電圧を圧電アクチュエータ152,153に供給すると、垂直方向微少変位板151の可動部151mが変位することにより水平方向微少変位板150全体が(したがってCCD基板取付ブラケット169に固定されたCCD101の位置が)レンズマウント167に対して周期的に変位するとともに、水平方向微少変位板150の可動部150mが(したがってCCD101の位置が)それとは直交する向きに周期的に変位する。これにより、水平方向,垂直方向の画素ずらしが行われる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ビデオカメラや電子スチルカメラは近年カメラ本体の小型化が進んでおり、それに伴い、画素ずらしを行うためのイメージセンサの駆動装置にも小型化が要求されている。
【0028】
このイメージセンサの駆動装置を小型化するためには、次の(a)及び(b)の点を検討することが必要である。
(a)駆動機構の小型化。
(b)イメージセンサの保持機構の小型化。
【0029】
さらに、この駆動装置を設けるカメラ本体の小型化を実現するためには、次の(c)の点の検討も必要である。
(c)イメージセンサを駆動装置に搭載(保持機構に保持)した状態で、イメージセンサに電気的に接続する回路(電源を供給する回路や、駆動パルスを供給する回路や、イメージセンサの出力信号を処理する回路)の設置スペースを節約すること。
【0030】
しかし、上記公報に開示された従来の駆動装置は、以下のように、この(a)〜(c)のいずれの点からも小型化に限界があった。
【0031】
〔(a)の点について〕
駆動機構(水平方向微少変位板,垂直方向微少変位板)を小型化するためには、相対変位する2つの領域(固定部,可動部),圧電素子それぞれの配置関係が重要である。しかるに、上記公報には、この配置関係を考慮した記載は存在していない。また、図19にも表れているように、圧電アクチュエータ152,153がそれぞれ駆動機構の端のほう(水平方向微少変位板150では固定部150a,可動部150mのうち外側の領域である固定部150aの端のほう、垂直方向微少変位板151では固定部151a,可動部151mのうち外側の領域である可動部151mの端のほう)に位置しているので、固定部150a,可動部151mのサイズ(面積)を大きくしなければならず、そのため駆動機構が大型化して(面積が広くなって)しまう。
【0032】
〔(b)の点について〕
CCD基板取付ブラケット169は、CCD101自体を直接保持するのではなく、図19にも表れているようにCCD101よりもかなり面積の広いCCD基板101aを保持するようになっている。そのため、CCD基板取付ブラケット169が大型化して(面積が広くなって)しまう。
【0033】
この(a)及び(b)の点から、上記公報に開示された駆動装置は、図19にも表れているようにCCD101の面積に対してかなり幅の太い形状になっており、したがって小型化には限界があった。
【0034】
〔(c)の点について〕
上記公報には、CCD基板101aに配線パターンを形成している旨の記載はあるが、CCD101に電気的に接続する回路を、この配線パターンとつないでどこに配置するのかについての記載は存在しない。また、図19に表れている駆動装置の形状からは、駆動装置の内側にはこの回路を配置することはできず、駆動装置の側方にこの回路を配置せざるを得ない。
【0035】
そのため、駆動装置とその側方の回路とを合わせた幅はCCD101の面積に対してさらに一層太くなってしまうので、この(c)の点からも、この駆動装置を設けるカメラ本体の小型化に限界があった。
【0036】
本発明は、上述の点に鑑み、圧電素子を用いた画素ずらし用の駆動装置を小型化することや、さらには、この駆動装置を設けるカメラ本体を、駆動装置に搭載したイメージセンサに電気的に接続する回路の設置スペースの点でも小型化できるようにすることを課題としてなされたものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本出願人は、まず、圧電素子を用いた画素ずらし用の駆動機構において、上記公報で考慮がなされていなかった相対変位する2つの領域,圧電素子それぞれの配置関係を明確にすることにより、駆動機構の小型化(上記(a)の点)の実現を図った。
【0038】
それは、最外周部を含む第1の領域と、この第1の領域の内側の第2の領域とに囲まれた空間に、圧電素子が、駆動方向に直交する2つの対向面の一方の面,他方の面をそれぞれこの第1の領域,第2の領域に固定されて設けられており、この圧電素子の位置は、この圧電素子のこの2つの対向面の中心を通る駆動軸がこの第1の領域の中心を通るように決定されており、この圧電素子のこの2つの対向面の一方の面,他方の面が、この駆動軸と直行し且つこの第1の領域の中心を通る中心線に対して互いに反対側に位置することにより、この第1の領域の中央部分にこの圧電素子が収まっており、この第1の領域とこの第2の領域とは、この駆動軸に対して対称な4箇所の金属部位で互いに連結されており、各々のこの金属部位は、この駆動軸の方向に薄くこの駆動軸に直交する方向に厚い板バネ形状をしており、これらの金属部位のうち、この駆動軸に対して同一側にある2つの金属部位は、互いにこの中心線から等しい距離にあり、この第1の領域におけるこの中心線の両側と、この第2の領域におけるこの駆動軸の両側とに、この駆動機構を外部に対して固定するための穴及び/または突起がそれぞれ少なくとも一対ずつ設けられており、この圧電素子に電圧を供給することにより、これらの4箇所の金属部位が湾曲と復元とを繰り返して、この第1の領域と第2の領域とがこの駆動軸の方向に相対的に変位するようにしたものである。
【0039】
この駆動機構では、圧電素子に周期的に変化する電圧を供給すると、圧電素子が周期的に駆動されることにより各連結部位が湾曲と復元とを周期的に繰り返すので、第1の領域と第2の領域とが駆動軸の方向での相対的な変位を周期的に繰り返す。
【0040】
したがって、第1の領域,第2の領域のうちの一方の領域を穴及び/または突起を介してイメージセンサに対して固定することにより、この駆動軸方向にイメージセンサの画素ずらしを行うことができる。
【0041】
この画素ずらしの周期や量(第1の領域と第2の領域との相対的変位の周期や量)は、圧電素子に供給する電圧の周期やレベルを調整することにより、容易且つ高精度に制御することができる。
【0042】
また、この駆動機構は、次のような点から、小型化が実現される。すなわち、まず、圧電素子の2つの固定面の一方の面,他方の面が、駆動軸と直交し且つ4箇所の連結部位のうち駆動軸に対して同一側にある2つの連結部位から等距離にある中心線に対して互いに反対側に位置している。これにより、駆動機構の中央部分(最外周部を含む第1の領域の中央部分)に圧電素子が収まっているので、上記公報に開示された従来の駆動装置のように駆動機構の面積が広くなることがなく、駆動機構の小型化(面積の狭い駆動機構)が実現される。
【0043】
さらに、この駆動機構では、第1の領域には中心線の両側に穴及び/または突起が設けられているのに対し、第2の領域には駆動軸の両側に穴及び/または突起が設けられている。このようにして、小型の駆動機構の第1の領域,第2の領域の両方を外部に対して固定することができる。
【0044】
このようにして、この駆動機構は、小型な構成でイメージセンサの画素ずらしを行うことができ、且つ、画素ずらしの周期や量の高精度な制御を容易に行うことができる。
【0045】
次に、本出願人は、圧電素子を用いた画素ずらし用の駆動装置において、従来検討されていなかった駆動機構の小型化(前述の(a)の点)及びイメージセンサの保持機構の小型化(前述(b)の点)を検討することにより、駆動装置の小型化を図った。
【0046】
それは、前述の駆動機構(但し、前述の駆動軸と中心線との交点からの第1の領域の穴及び/または突起の距離と、この交点からの第2の領域の穴及び/または突起の距離とを互いに等しくしたもの)が、水平駆動用駆動機構,垂直駆動用駆動機構として1つずつ用いられており、この水平駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちの一方の領域と、この垂直駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちのこの一方の領域とは異なる領域とが、前述の穴及び/または突起を介し、且つ、この水平駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちのこの一方の領域とは異なる領域とこの垂直駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちのこの一方の領域とが接触しないようにして、互いに固定されており、イメージセンサを直接保持するための領域を上部に有し、駆動機構に対して固定するための領域を下部に有する、駆動機構と略等しい直径のホルダーが、この水平駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちのこの一方の領域とは異なる領域と、この垂直駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちのこの一方の領域とのうちのいずれか一方の領域に、前述の穴及び/または突起を介して固定されているものである。
さらに、この画素ずらし用の駆動装置において、第1の領域の前述の穴及び/または突起は、この中心線の両側であって、この中心線とこの駆動軸との交点に対して対称な位置に設けられており、第2の領域の前述の穴及び/または突起は、この駆動軸の両側であって、この中心線とこの駆動軸との交点に対して対称な位置に設けられているものである。
さらに、この画素ずらし用の駆動装置において、ホルダーは、イメージセンサを上部の中央部分に直接保持するための領域を上部に有するものである。
【0047】
この駆動装置では、水平駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちの一方の領域と、この垂直駆動用駆動機構の第1の領域,第2の領域のうちのこの一方の領域とは異なる領域とが互いに固定されることにより、水平駆動用駆動機構の圧電素子の駆動方向と垂直駆動用駆動機構の圧電素子の駆動方向とが互いに直交する。
【0048】
イメージセンサをこの駆動装置のホルダーに保持し、水平駆動用駆動機構,垂直駆動用駆動機構のうちホルダーと固定されていないほうの駆動機構を、そのイメージセンサを設けるカメラの基準となる部位に固定した状態で、水平駆動用駆動機構の圧電素子,垂直駆動用駆動機構の圧電素子にそれぞれ周期的に変化する電圧を供給すると、水平駆動用駆動機構の圧電素子の駆動方向と垂直駆動用駆動機構の圧電素子の駆動方向との両方(互いに直交する方向)でイメージセンサが周期的に変位するので、イメージセンサの画素ずらしを画素の水平配列方向,垂直配列方向の両方で行うことができる。
【0049】
前述のように、この駆動機構(水平駆動用駆動機構,垂直駆動用駆動機構)は、小型(狭い面積)の構成でイメージセンサの画素ずらしを行うことができ、且つ、画素ずらしの周期や量の高精度な制御を容易に行うことができる。また、このホルダーは、上記公報に開示された駆動装置のCCD基板取付ブラケット169のようにイメージセンサ(CCD101)よりもかなり面積の広いCCD基板101aを保持するものではなく、イメージセンサそのものを直接保持するものである。したがって、イメージセンサよりもわずかに広い面積を有すれば足りるので、小型化することができる。
【0050】
したがって、この水平駆動用駆動機構,垂直駆動用駆動機構及びホルダーから成る駆動装置は、上記公報に開示された駆動装置のようにイメージセンサ(CCD101)の面積に対してかなり幅の太い形状になることはなく、イメージセンサの面積に対してあまり幅の太くない細長い形状になる。これにより、小型な構成イメージセンサの画素ずらしを画素の水平配列方向,垂直配列方向の両方向で行うことができ、且つ、画素ずらしの周期や量の高精度な制御を容易に行うことができる。
【0051】
さらに、本出願人は、この本発明に係る画素ずらし用の駆動装置において、ホルダーに保持したイメージセンサに電気的に接続する回路の設置スペースを節約すること(前述の(c)の点)を検討することにより、この駆動装置を設けるカメラ本体の小型化を図った。
【0052】
それは、このホルダーを、上部の領域に保持したイメージセンサの電気的接続を行うための開口領域を側部に有し、この上部の領域と下部の領域との間に、イメージセンサと電気的に接続する回路を収納するためのスペースをさらに有する構造のものにすることである。
【0053】
このように、イメージセンサの電気的接続を行うための開口領域がホルダーの側部に(すなわちホルダー及び各駆動機構が固定された方向に直交する方向に口を開けて)存在することにより、この駆動装置に搭載したイメージセンサの電気的接続を容易に行うことができるようになる。
【0054】
そして、このようにホルダーそのものに回路の収納スペースを設けることにより、上記公報に開示された駆動装置のように駆動装置の側方に回路を配置する場合と異なり、回路の設置スペースを節約し、駆動装置と回路とを合わせた幅も細長い形状を維持することができる。したがって、その点でも、この駆動装置を設けるカメラ本体を小型化することができるようになる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
【0056】
図11は、本発明に係る画素ずらし用のアクチュエータ(駆動機構)の構成を示す平面図である。このアクチュエータ1は、平たい円筒形の金属片を加工することによって構成した直径,厚さがそれぞれ22mm,5.8mmの寸法のものであり、最外周部を含む円環状の領域(外周領域)1Aと、外周領域1Aの内側のU字状の領域(内周領域)1Bとに囲まれて、アクチュエータ1の中心(外周領域1Aの最外周円の中心)を含む直方体状の空間が存在している。
【0057】
この空間には、直方体状の圧電素子4が、駆動方向(直方体の長手方向)に直交する2つの対向面(図の左端の面及び右端の面)の一方の面,他方の面をそれぞれ接着剤で外周領域1A,内周領域1Bに固定することによって設けられている。
【0058】
この空間内での圧電素子4の位置は、圧電素子4の2つの固定面(前述の2つの対向面)の中心を結ぶ駆動軸AXがアクチュエータ1の中心を通るように決定されている。図にも表れているように、圧電素子4のこの2つの固定面の一方の面,他方の面は、駆動軸AXと直交し且つアクチュエータ1の中心を通る線である中心線CLに対して互いに反対側に位置している。
【0059】
また、この空間の幅(図の縦方向の寸法)は圧電素子4の幅よりも大きくなっており、圧電素子4の側面(長手方向の面)は外周領域1Aや内周領域1Bには接触していない。
【0060】
図12は、この圧電素子4の形状を示す斜視図である。圧電素子4の厚さHは、前述の金属片の厚さ未満になっている。圧電素子4には、電圧を供給する電極5が接続されている。
【0061】
図11に示すように、この電極5は、内周領域1Bの側面,外周領域1Aの側面にそれぞれ形成された穴(図示略)を通して、アクチュエータ1の側方に延びている。
【0062】
外周領域1Aと内周領域1Bとは、圧電素子4の駆動軸AXに対して対称な4箇所の連結部位1Cで互いに連結されている(図では、金属片のうちのこの連結部位1Cに、わかりやすくするために斜線を付している)。
【0063】
これらの連結部位1Cのうち、駆動軸AXに対して同一側にある2つの連結部位1Cは、互いに中心線CLから等しい距離にある。
【0064】
各金属部位1Cは、駆動軸AXの方向に薄く駆動軸AXに直交する方向に厚い板バネ形状をしており、圧電素子4が駆動されると、その駆動圧によって湾曲するともにその湾曲位置においてその駆動圧よりも弱い戻し圧を有し、その後駆動圧がなくなると、戻し圧によって速やかに元の位置に復元するようになっている。
【0065】
外周領域1Aにおける中心線CLの両側であって中心線CLと駆動軸AXとの交点(すなわち円筒の中心部)に対して対称な位置には、アクチュエータ1を外部に対して固定するための一対の穴2が形成されている。
【0066】
また、内周領域1Bにおける駆動軸AXの両側であって中心線CLと駆動軸AXとの交点に対して対称な位置にも、アクチュエータ1を外部に対して固定するための一対の穴3が形成されている。
【0067】
各穴2,3は、中心線CLと駆動軸AXとの交点から互いに等しい距離にあるとともに、互いに内径が等しくなっている。
【0068】
このアクチュエータ1の動作は、次の通りである。電極5を介して圧電素子4に周期的に変化する電圧を供給すると、圧電素子4が周期的に駆動されることにより各連結部位1Cが湾曲と復元とを周期的に繰り返すので、外周領域1Aと内周領域1Bとが駆動軸AXの方向での相対的な変位を周期的に繰り返す。
【0069】
したがって、外周領域1A,内周領域1Bのうちの一方の領域を穴(領域1Aでは穴2,領域1Bでは穴3)を介してイメージセンサに対して固定することにより、駆動軸AX方向にイメージセンサの画素ずらしを行うことができる。
【0070】
この画素ずらしの周期や量(外周領域1Aと内周領域1Bとの相対的変位の周期や量)は、圧電素子4に供給する電圧の周期やレベルを調整することにより、容易且つ高精度に制御することができる。
【0071】
また、このアクチュエータ1は、次のような点から、小型化が実現されている。すなわち、まず、圧電素子4の2つの固定面の一方の面,他方の面が、駆動軸AXと直交し且つ4箇所の連結部位1Cのうち駆動軸AXに対して同一側にある2つの連結部位1Cから等距離にある中心線CLに対して互いに反対側に位置している。これにより、アクチュエータ1の中央部分(外周領域1Aの中央部分)に圧電素子4が収まっているので、アクチュエータ1の小型化(面積の狭いアクチュエータ)が実現されている。
【0072】
これに対し、仮にこの2つの固定面を中心線CLに対して同一側に位置させた場合には、圧電素子4がアクチュエータ1の端のほう(外周領域1Aの端のほう)に位置するようになるので、外周領域1Aのサイズ(アクチュエータ1を構成する金属片自体のサイズ)を大きくしなければならず、そのためアクチュエータ1が大型化(面積が広くなって)してしまう。
【0073】
さらに、このアクチュエータ1では、外周領域1Aには中心線CLの両側に穴2が設けられているのに対し、内周領域1Bには駆動軸AXの両側に穴3が設けられている。このようにして、小型のアクチュエータ1の外周領域1A,内周領域1Bの両方を外部に対して固定することができるようになっている。
【0074】
これに対し、仮に内周領域1Bでも外周領域1Aと同じく中心線CLの両側に穴3を設けた場合には、駆動軸AX方向での内周領域1Bのサイズを大きくしなければならないので、やはりアクチュエータ1が大型化してしまう。
【0075】
このようにして、このアクチュエータ1は、小型な構成でイメージセンサの画素ずらしを行うことがで、且つ、画素ずらしの周期や量の高精度な制御を容易に行うことができるようになっている。
【0076】
したがって、このアクチュエータ1は、高画素化や小型化が進んだビデオカメラや電子スチルカメラにおいてイメージセンサの画素ずらしを行うために用いるのに非常に適したものになっている。
【0077】
次に、図13は、本発明に係る画素ずらし用の駆動装置の構成要素を示す斜視図である。この駆動装置は、図11に示したアクチュエータ1を水平駆動用,垂直駆動用として1つずつ用いるとともに、CCDホルダー7を用いて構成される。
【0078】
アクチュエータ1(水平駆動用)の内周領域1Bと、アクチュエータ1(垂直駆動用)の外周領域1Aとが、この内周領域1Bの穴3とこの外周領域1Aの穴2とにワッシャ6(厚さ0.1mm)を挟んでビス(図示略)を通すことにより、アクチュエータ1(水平駆動用)の外周領域1Aとアクチュエータ1(垂直駆動用)の内周領域1Bとが接触しないようにして、互いに固定される。
【0079】
アクチュエータ1(水平駆動用)とアクチュエータ1(垂直駆動用)とをこのように固定することにより、アクチュエータ1(水平駆動用)の圧電素子4の駆動方向(図のX)とアクチュエータ1(垂直駆動用)の圧電素子4の駆動方向(図のY方向)とが互いに直交する。
【0080】
CCDホルダー7は、アクチュエータ1に用いた円筒形の金属片と略等しい直径の円筒形の金属片を加工することによって構成した直径,高さがそれぞれ20mm,7mmの寸法のU字状のものであり、その上部が、画素ずらしの対象であるCCD8(イメージセンサ)を直接保持するための領域になっている。CCD8の寸法は、一辺が12mm程度である。
【0081】
CCDホルダー7の下部は、アクチュエータ1の穴2,3と同じ内径の一対の穴(図示略)を、保持するCCD8の画素の水平配列方向と同じ方向上に穴2同士や穴3同士の間隔と同じ間隔で形成することにより、アクチュエータ1に対して固定するための領域になっている。
【0082】
また、CCDホルダー7の側部には、保持するCCD8と外部との電気的接続を行うための開口領域が設けられている。
【0083】
CCDホルダー7は、この下部領域の穴とアクチュエータ1(垂直駆動用)の内周領域1Bの穴3とにワッシャ6を挟んでビス(図示略)を通すことにより、アクチュエータ1(垂直駆動用)の内周領域1Bに対して固定される。
【0084】
CCDホルダー7とアクチュエータ1(垂直駆動用)とをこのように固定することにより、CCDホルダー7に保持するCCD8の画素の水平配列方向,垂直配列方向が、それぞれアクチュエータ1(水平駆動用)の圧電素子4の駆動方向(図のX),アクチュエータ1(垂直駆動用)の圧電素子4の駆動方向(図のY方向)と一致するようになる。
【0085】
アクチュエータ1(水平駆動用),アクチュエータ1(垂直駆動用),CCDホルダー7を互いにこのようにして固定することにより、画素ずらし用の駆動装置が構成される。図にも表れているように、この駆動装置は、アクチュエータ1を3つ重ねた程度のサイズであり、CCD8の面積に対してあまり幅の太くない細長い形状になっているので、やはり小型になっている。
【0086】
CCD8は、CCDホルダー7の上部領域に保持されることによってこの駆動装置に搭載される。
【0087】
図13には図示を省略しているが、CCDホルダー7に保持されたCCD8には、図14に示すように、CCDホルダー7の側部の開口領域を介して、フレキシブルプリント板9が接続される。フレキシブルプリント板9には、CCD8に電源を供給する電源回路や、CCD8に駆動パルスを供給する駆動回路や、CCD8の出力信号を処理する信号処理回路が搭載される。
【0088】
このように、CCD8の電気的接続を行うための開口領域がCCDホルダー7の側部に(すなわちCCDホルダー7及び各アクチュエータ1が固定された方向に直交する方向に口を開けて)存在することにより、この駆動装置に搭載したCCD8の電気的接続を容易に行うことができるようになっている。
【0089】
なお、CCDホルダー7の形状は、このようなU字形状である代わりに、図15Aに示すように側面の中程に電気的接続のための開口領域を設けた円筒形状であってもよく、あるいはまた、図15Bに示すように、側面の下端に電気的接続のための開口領域を設けた円筒形状であってもよい。
【0090】
さらに、CCDホルダー7を、CCD8を保持するための上部の領域と、アクチュエータ1に対して固定するための下部の領域との間に、CCD8と電気的に接続する回路を収納するためのスペースを有する構造のもの(この収納スペースの分だけ高くした形状のもの)にしてもよい。
【0091】
図17A,Bは、CCDホルダー7をそのような構造にした例をそれぞれ示しており、図13と共通する部分には同一符号を付している。図17Aの例では、電源回路,駆動回路及び信号処理回路を1個にモジュール化した回路10が、CCDホルダー7の収納スペース内で、CCD8と共通の基板(例えば、CCDホルダー7に固定できる硬さを持ったリジットな部分と、折り曲げができるフレキシブルな部分とを組み合わせたフレックス・リジット板)11に搭載されている。基板11には、CCDホルダー7の側部の開口領域を介して、回路10に対して信号の入出力を行う一対の信号線12が接続される。図17Bの例は、回路10を2個に分けた例である。
【0092】
このように、CCDホルダー7そのものに回路の収納スペースを設けることにより、画素ずらし用駆動装置の側方に回路を配置する場合と異なり、回路の設置スペースを節約し、駆動装置と回路とを合わせた幅も細長い形状を維持することができる。したがって、その点でも、この画素ずらし用駆動装置を設けるカメラ本体を小型化することができるようになる。
【0093】
また、このようにCCDホルダー7内の収納スペースに電源回路や駆動回路や信号処理回路を収納することにより、これらの回路をCCD8の近くに配置することができるので、ノイズの影響が軽減されること等によりこれらの回路の動作精度も高くなる。
【0094】
なお、イメージセンサとしてはCCD以外にCMOSセンサーも広く用いられているが、図17Cは、画素ずらしの対象をCMOSとした場合に、CMOSを保持するホルダー(図13のCCDホルダー7と同様な構造のもの)にこの回路の収納スペースを設けた例である。CMOS用の電源回路や駆動回路や信号処理回路はCCD用のものよりも小型でCMOSと一体化させることが可能であり、この例では、このようにCMOS13と一体化された回路14が、CMOSホルダー12の収納スペース内に位置している。回路14には、CMOSホルダー12の側部の開口領域を介して、回路14に対して信号の入出力を行う一対の信号線15が接続される。
【0095】
ところで、図17にはホルダー内の収納スペースに全ての回路を収納する例を示したが、CCDホルダー7の場合には、CCD用の回路の規模(特に電源回路の規模)が大きいために、全ての回路を収納するスペースを設けようとするとCCDホルダー7が大型化してしまうこともある。
【0096】
図18は、そうした場合のためのCCDホルダー7内の収納スペースの例を示しており、図13,図17と共通する部分には同一符号を付している。この例では、CCDホルダー7には、駆動回路16及び信号処理回路17だけを収納するスペースが設けられている。これらの回路16及び17は、図17A,Bの回路10と同様に、CCDホルダー7の収納スペース内で、CCD8と共通の基板11に搭載されている。
【0097】
また、画素ずらし用駆動装置の下部(CCDホルダー7からみてアクチュエータ1(水平駆動用)の後方(図の右側))の空間に、電源回路18が基板21に搭載されて配置されている。そして、基板11と基板21とがCCDホルダー7の側部の開口領域を介してフレキシブルプリント板19でつながれ、各回路16〜18に対して信号の入出力を行う一対の信号線20が基板21に接続される。
【0098】
このように、特に回路規模の大きい電源回路のための収納スペースはCCDホルダー7には設けず、画素ずらし用駆動装置の下部の空間のほうに電源回路を配置することにより、CCDホルダー7の大型化を避け、且つ、画素ずらし用駆動装置と電源回路とを合わせた幅も細長い形状を維持することができる。
【0099】
図17,図18の例では、それぞれイメージセンサに電気的に接続する回路に対して信号の入出力を行う信号線を設けているが、例えば信号処理回路から無線で信号を出力させることにより、信号の出力を行う信号線のほうは省略するようにしてもよい。さらに、電源回路として、外部からの信号の入力が不要なバッテリーを用いることにより、信号の入力を行う信号線のほうも省略してよい。それにより、この画素ずらし用駆動装置を設けるカメラ本体を、さらに小型で且つ携帯性に優れたものにすることができる。
【0100】
図13において、アクチュエータ1(水平駆動用)の外周領域1Aは、穴2にワッシャ6を挟んでビス(図示略)を通すことにより、CCD8を設けるビデオカメラまたは電子スチルカメラ等の基準となる所定の部位(カメラのレンズに対して、レンズの光軸に直交する面における位置が固定された部位)に対して固定される。
【0101】
この駆動装置の動作は、次の通りである。アクチュエータ1(水平駆動用)の圧電素子4,アクチュエータ1(垂直駆動用)の圧電素子4に、それぞれ周期的に変化する電圧を供給する。
【0102】
すると、アクチュエータ1(水平駆動用)の外周領域1Aはカメラの基準となる部位に対して固定されているので、アクチュエータ1(水平駆動用)の内周領域1Bのほうが、カメラに対して駆動軸AXの方向(X方向)に周期的に変位する。
【0103】
アクチュエータ1(水平駆動用)の内周領域1Bとアクチュエータ1(垂直駆動用)の外周領域1Aとは互いに固定されているので、アクチュエータ1(垂直駆動用)も全体としてX方向に周期的に変位する。CCDホルダー7はアクチュエータ1(垂直駆動用)の内周領域1Bに対して固定されているので、CCDホルダー7もX方向に周期的に変位する。これにより、CCDホルダー7に保持されているCCD8が、画素の水平配列方向(X方向)に周期的に変位する。
【0104】
また、アクチュエータ1(垂直駆動用)の内周領域1Aが駆動軸AXの方向(Y方向)に周期的に変位するので、CCDホルダー7はY方向にも周期的に変位する。これにより、CCD8が画素の垂直配列方向(Y方向)にも周期的に変位する。
【0105】
このようにして、CCD8の画素ずらしを画素の水平配列方向,垂直配列方向の両方で行うことができる。
【0106】
図16は、アクチュエータ1(水平駆動用)の圧電素子4に供給する電圧のレベルの変化に対するCCD8のX方向での変位量(画素ずらし量)を測定した結果を示す。変位量が電圧レベルに比例して直線的に変化する(したがって変位量の高精度な制御が容易である)という結果が得られた。
【0107】
図示は省略するが、CCD8のY方向での変位量も、やはりアクチュエータ1(垂直駆動用)の圧電素子4に供給する電圧のレベルに比例して直線的に変化するという測定結果が得られた。
【0108】
このように、この駆動装置は、小型な構成でイメージセンサの画素ずらしを画素の水平配列方向,垂直配列方向の両方向で行うことができ、且つ、画素ずらしの周期や量の高精度な制御を容易に行えるようになっている。
【0109】
また、前述のように、この駆動装置に搭載したCCD8の電気的接続も容易に行えるようになっている。また、図17,図18に示したようにCCDホルダー7そのものに回路の収納スペースを設けることにより、回路の設置スペースを節約し、駆動装置と回路とを合わせた幅も細長い形状を維持することができるので、その点でも、この駆動装置を設けるカメラ本体を小型化することができるようになる。
【0110】
なお、以上の例では、アクチュエータ1の外周領域1A,内周領域1Bを、それぞれ穴2,穴3を介して外部(CCDホルダー7や、もう1つのアクチュエータ1や、カメラの基準となる部位)に対して固定している。しかし、別の例として、こうした穴の代わりに突起を設け、その突起を介して外周領域1Aや内周領域1Bを外部に対して固定するようにしてもよい。
【0111】
また、以上の例では、アクチュエータ1は円筒形状(外周領域1Aが円環状)になっている。しかし、これに限らず、円筒形以外の形状の金属片(例えば平たい直方体状の金属片)を加工することにより、アクチュエータ1を円筒形以外の形状にする(例えば外周領域1Aを四角い枠状にする)ようにしてもよい。
【0112】
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0113】
以上のように、本発明に係る画素ずらし用駆動装置によれば、小型な構成でイメージセンサの画素ずらしを画素の水平配列方向,垂直配列方向の両方向で行うことができ、且つ、画素ずらしの周期や量の高精度な制御を容易に行うことができるという効果が得られる。
【0115】
さらに、本発明に係る画素ずらし用駆動装置によれば、この駆動装置に搭載したイメージセンサの電気的接続を容易に行えるという効果も得られる。
【0116】
さらに、本発明に係る画素ずらし用駆動装置によれば、この駆動装置に搭載したイメージセンサに電気的に接続する回路の設置スペースを節約することができるので、その点でも、この駆動装置を設けるカメラ本体を小型化することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イメージセンサの離散的画素構造を示す図である。
【図2】縦ストライプの被写体をイメージセンサで撮像する様子を示す図である。
【図3】縦ストライプ像のピッチと水平方向の画素ピッチとの関係を示す図である。
【図4】イメージセンサの出力信号を示す図である。
【図5】横ストライプの被写体を示す図である。
【図6】水平方向の画素ずらしの例を示す図である。
【図7】縦ストライプ像のピッチと水平方向の画素ずらし量との関係を示す図である。
【図8】1チップカラーイメージセンサの色フィルター配列を例示する図である。
【図9】1チップカラーイメージセンサのグリーンの画素ピッチを示す図である。
【図10】画素ずらしを行った1チップカラーイメージセンサのグリーンの画素を示す図である。
【図11】本発明の画素ずらし用アクチュエータの構成を示す平面図である。
【図12】図11のアクチュエータに用いる圧電素子の形状を示す斜視図である。
【図13】本発明の画素ずらし用駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図14】図13の駆動装置に保持したCCDの電気的接続の様子を示す図である。
【図15】図13の駆動装置のCCDホルダーの形状の変更例を示す図である。
【図16】図13の駆動装置によるCCDの変位量の測定結果を示す図である。
【図17】イメージセンサを保持するホルダーに回路の収納スペースを設けた例を示す図である。
【図18】イメージセンサを保持するホルダーに回路の収納スペースを設けた例を示す図である。
【図19】圧電素子を用いた従来の画素ずらし用駆動装置を示す図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ、 2,3 穴、 4 圧電素子、 5 電極、 6 ワッシャ、 7 CCDホルダー、 8 CCD、 9 フレキシブルプリント板、 10 モジュール化した回路、 16 駆動回路、 17 信号処理回路、18 電源回路
Claims (4)
- イメージセンサの画素ずらし用の駆動装置において、
最外周部を含む第1の領域と、前記第1の領域の内側の第2の領域とに囲まれた空間に、圧電素子が、駆動方向に直交する2つの対向面の一方の面,他方の面をそれぞれ前記第1の領域,前記第2の領域に固定されて設けられており、
前記圧電素子の位置は、前記圧電素子の前記2つの対向面の中心を通る駆動軸が前記第1の領域の中心を通るように決定されており、
前記圧電素子の前記2つの対向面の一方の面,他方の面が、前記駆動軸と直行し且つ前記第1の領域の中心を通る中心線に対して互いに反対側に位置することにより、前記第1の領域の中央部分に前記圧電素子が収まっており、
前記第1の領域と前記第2の領域とは、前記駆動軸に対して対称な4箇所の金属部位で互いに連結されており、
各々の前記金属部位は、前記駆動軸の方向に薄く前記駆動軸に直交する方向に厚い板バネ形状をしており、
前記金属部位のうち、前記駆動軸に対して同一側にある2つの金属部位は、互いに前記中心線から等しい距離にあり、
前記第1の領域における前記中心線の両側と、前記第2の領域における前記駆動軸の両側とに、前記駆動機構を外部に対して固定するための穴及び/または突起がそれぞれ少なくとも一対ずつ設けられており、前記駆動軸と前記中心線との交点からの前記第1の領域の前記穴及び/または突起の距離と、前記駆動軸と前記中心線との交点からの前記第2の領域の前記穴及び/または突起の距離とが互いに等しくなっており、
前記圧電素子に電圧を供給することにより、前記4箇所の金属部位が湾曲と復元とを繰り返して、前記第1の領域と前記第2の領域とが前記駆動軸の方向に相対的に変位する
ようにした駆動機構
が、水平駆動用駆動機構,垂直駆動用駆動機構として1つずつ用いられており、
前記水平駆動用駆動機構の前記第1の領域,前記第2の領域のうちの一方の領域と、前記垂直駆動用駆動機構の前記第1の領域,前記第2の領域のうちの前記一方の領域とは異なる領域とが、前記穴及び/または突起を介し、且つ、前記水平駆動用駆動機構の前記第1の領域,前記第2の領域のうちの前記一方の領域とは異なる領域と前記垂直駆動用駆動機構の前記第1の領域,前記第2の領域のうちの前記一方の領域とが接触しないようにして、互いに固定されており、
イメージセンサを直接保持するための領域を上部に有し、前記駆動機構に対して固定するための領域を下部に有する、前記駆動機構と略等しい直径のホルダーが、前記水平駆動用駆動機構の前記第1の領域,前記第2の領域のうちの前記一方の領域とは異なる領域と、前記垂直駆動用駆動機構の前記第1の領域,前記第2の領域のうちの前記一方の領域とのうちのいずれか一方の領域に、前記穴及び/または突起を介して固定されている
ことを特徴とする画素ずらし用駆動装置。 - 請求項1に記載の画素ずらし用駆動装置において、
前記第1の領域の前記穴及び/または突起は、前記中心線の両側であって、前記中心線と前記駆動軸との交点に対して対称な位置に設けられており、
前記第2の領域の前記穴及び/または突起は、前記駆動軸の両側であって、前記中心線と前記駆動軸との交点に対して対称な位置に設けられている
ことを特徴とする画素ずらし用駆動装置。 - 請求項1に記載の画素ずらし用駆動装置において、
前記ホルダーは、前記イメージセンサを上部の中央部分に直接保持するための領域を上部に有することを特徴とする画素ずらし用駆動装置。 - 請求項1に記載の画素ずらし用駆動装置において、
前記ホルダーは、前記イメージセンサの電気的接続を行うための開口領域を側部に有し、前記上部の領域と前記下部の領域との間に、イメージセンサと電気的に接続する回路を収納するためのスペースを有することを特徴とする画素ずらし用駆動装置。
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