JP3906912B2 - 分割施工多径間連続pc桁の前方施工側pc桁に埋設する隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板及び同支圧板を用いた分割施工多径間連続pc桁の定着部の構造 - Google Patents

分割施工多径間連続pc桁の前方施工側pc桁に埋設する隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板及び同支圧板を用いた分割施工多径間連続pc桁の定着部の構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する分野】
分割施工により多径間連続PC桁を構築する際、隣接する後方施工側のPC桁にプレストレスを導入するプレグラウトPC鋼より線ケーブルを緊張・定着するために、前方施工側PC桁のコンクリート構造体にあらかじめ埋設しておく支圧板及び同支圧板を用いた分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとしている課題】
プレグラウトPC鋼より線ケーブル(以下プレグラウトケーブルと記す)を用いて多径間連続PC桁を分割施工により構築する工法としては、主に次の3種が採用されている。
【0003】
▲1▼ 両引き襷掛けケーブル方式
図5(a)に示すように、前方施工側プレグラウトケーブル103、103’とその両端に設けた定着部105,105’によってプレストレスが導入された2つの前方施工側PC桁101と101’とを、新たに設ける後方施工側PC桁102によって接続する際、前方施工側PC桁101及び101’のコンクリート構造体内をダクト108、108’を介して貫通させて配設する後方施工側プレグラウトケーブル104と前方施工側PC桁101及び101’に設けた後方施工側プレグラウトケーブル定着部106と106’とで後方施工側PC桁102にプレストレスを導入する方法。
【0004】
▲2▼ 片引き襷掛けケーブル方式
図5(b)に示すように既設の前方施工側PC桁101と新設の後方施工側PC桁102の施工継ぎ目109を挟んで後方施工側PC桁102にプレストレスを導入するための後方施工側プレグラウトケーブル104を前方施工側PC桁101のコンクリート構造体内部をダクト108を介して貫通させて配設し、前方施工側PC桁101に設けた後方施工側プレグラウトケーブル定着部106と後方施工側PC桁102の終端部に配設した後方施工側プレグラウトケーブル定着部106’とで後方施工側プレグラウトケーブル102にプレストレスを導入する方法。
【0005】
▲3▼ 接続片引き方式
図5(c)に示すように、施工継ぎ目109で前方施工側PC桁101の前方施工側プレグラウトケーブル103を前方施工側PC桁101の両端に設けた前方施工側プレグラウトケーブル定着部105,105’で緊張定着した後に接続具107を用いて後方施工側プレグラウトケーブル102を接続して後方施工側PC桁102を構築し、後方施工側プレグラウトケーブル102を接続具107と後方施工側プレグラウトケーブル定着部106’で緊張・定着して後方施工側PC桁102にプレストレスを導入する方法。
【0006】
上記▲1▼及び▲2▼の両引き及び片引き襷掛けケーブル方式は、後方施工側PC桁102の後方施工側プレグラウトケーブル104を両端末で緊張できるため、プレストレス導入の際ダクト108と後方施工側プレグラウトケーブル104との摩擦による緊張力の減少が少なく、ケーブルの緊張力を有効に利用できるという利点がある。
また、後方施工側プレグラウトケーブル104の緊張作業時にトラブルが生じた場合でもコンクリート構造体を削って補修する必要がほとんどなく、緊張作業時に後方施工側プレグラウトケーブル定着部106,106’の状況を視認できるので、接続具107がコンクリート構造体中に埋設される前記▲3▼の接続片引き方式の場合に比べて作業面で有利である。
【0007】
しかしその反面、前記▲1▼、▲2▼の両引き及び片引き襷掛けケーブル方式には次のようないくつかの問題点も存在する。
第1の問題点は、前方施工側PC桁101のコンクリート構造体に後方施工側プレグラウトケーブル104を貫通させるためのダクト108、108’を配設して後方施工側プレグラウトケーブル定着部106(両引き襷掛けケーブル方式では106’も)を前方施工側PC桁101に配設する必要があるが、前方施工側PC桁101のコンクリート構造体内には既に前方施工側プレグラウトケーブル103が存在するので、前記ダクト108、108’及び後方施工側プレグラウトケーブル定着部106、106’を配設するスペースを確保するのが難しいことである。この対策として、図6に示すように付加的なコンクリート構造体110が設けられるが、このため型枠作業が複雑となるとともに、桁コンクリートの容積及び重量が大きくなり、場合によっては、前記▲3▼の接続片引き方式に比べて橋脚を含む下部工が大きくなる。これに伴い工事費用も増加することになる。
【0008】
第2の問題点は、後方施工側プレグラウトケーブル104の前部が施工継目109を越えて前方施工側PC桁101へ入り込むため、前記▲3▼の接続片引き方式に比べてケーブル重量が増え、さらに後方施工側プレグラウトケーブル104を前方施工側PC桁101、101’に定着するための定着具106(両引き襷掛け方式では106’も)が増えることである。これによっても工事費は増加することになる。
【0009】
第3の問題点は、現場でのグラウト作業が不要であるというプレグラウトケーブルの最大の利点が、後方施工側プレグラウトケーブル104の前方施工側PC桁101へ入り込む部分で損なわれることである。つまり、後方施工側プレグラウトケーブル104のポリエチレン(PE)シース(図7参照)と前方施工側PC桁101にあらかじめ埋設されたダクト108との間隙にセメントミルクを充填剤とするグラウトの注入充填が必要となる。
【0010】
第4の問題点は、多径間連続PC桁を1径間ごとに施工する移動式支保工を用いる場合には、型枠形状の制約のため前記▲1▼、▲2▼の襷掛けケーブル方式が採用できないことである。この場合には、前方施工側プレグラウトケーブル103と後方施工側プレグラウトケーブル104とを接続具107で接続する前記▲3▼の接続片引き方式によらなければならない。
【0011】
第5の問題点は、後方施工側プレグラウトケーブル104を前方施工側PC桁101に定着する施工方法に係わることであり、これを図7(a)、(b)に示す従来から用いられてきている定着方法を例に説明する。
【0012】
図7(a)において、方形支圧板1’は、その中心部に、PEシース2及びその内側に充填されたプレグラウト樹脂3で被覆されたPC鋼より線4からなるプレグラウトケーブルを挿通する挿通孔が設けられ、かつ該方形支圧板1’の圧力伝達面(コンクリート構造体に圧接する面)には前記プレグラウトケーブルを前方施工側PC桁のコンクリート構造体を貫通させるために前方施工側PC桁コンクリート構造体に埋設されるダクトシース5を接着テープ7によって巻着するための鋼管6が溶接されている。このため、支圧板1’と前方施工側PC桁101(図5参照)のコンクリート構造体とはこの鋼管6及びダクトシース5の外径内では圧接しておらず、この部分ではプレグラウトケーブルに加えられる緊張力が前記コンクリート構造体に伝達されず、支圧板1’の有効面積を減少させ、支圧板1’と圧接する部分のコンクリート構造体への支圧応力が強まることになる。
このため、襷掛けケーブルの緊張・定着は、前記プレグラウトケーブルのPEシース2とダクトシース5、及び支圧板1’の圧力伝達面に溶接された鋼管6との間隙にセメントミルクを充填材とするグラウト8を充填して硬化させ、支圧板1’の圧力伝達面の有効面積を増加させた後に行われている。
しかしこの方法では、後方施工側プレグラウトケーブルの緊張が、前もって襷掛け部分のダクトシース5とプレグラウトケーブルのPEシース2の間隙にグラウト8を注入しその硬化を待たなくては行えず、分割施工工程ごとにグラウト注入・充填作業が必要となり、作業が複雑かつ長期化する。
【0013】
また、図7(a)に示す方法では、グラウト8が定着具10a、10bの間隙を通過して、防錆保護キャップ12内へ完全に流入する保障がない。つまり、プレグラウトケーブルの被覆切断面からプレグラウト樹脂3が漏出して定着具10a、10bに付着し、グラウト8の通過を妨げる恐れがある。
したがって、図7(a)に示すように、方形支圧板1’の中心部に穿設されたケーブル挿通孔の内壁とプレグラウトケーブルのPEシース2との間隙にパテ状樹脂11を詰めてシールし、また前方施工側コンクリート桁からプレグラウトケーブルが引き出されている部分も、図7(b)に示すようにPEシース2とダクトシース5との間にパテ状樹脂11’を詰めてシールを行った後、プレグラウトケーブルのPEシース2とダクトシース5の間隙にグラウト注入又は排出口9,9’のいずれか一方からセメントミルクによるグラウト8を注入充填し、グラウト8が硬化した後に定着具10a、10bを設置してPC鋼より線4を緊張している。そしてその後、定着具10a、10bの外面に防錆塗装を施し、さらにパテ状樹脂11が防錆保護キャップ12の内部に充填されるように塗布し、その上に防錆保護キャップ12を覆せている。
しかし上記方法には、前記方形支圧板1’に溶接されている鋼管6の付け根の内側に、グラウト8が充填されない空間が残りやすく、また定着具10a、10bの防錆塗装、及び防錆保護キャップ12内部をパテ状樹脂11で充填するための労力と材料費がかかるという難点があった。
なお、この後方施工側プレグラウトケーブルを定着するために前方施工側PC桁に配設された空間は、上記作業が完了後FRPシート13によって被われ防水対策が施される。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を次の手段で解決した。
(1) プレグラウトPC鋼より線ケーブルを用いて多径間連続PC桁を分割施工により構築する場合に、あらかじめ前方施工側のPC桁に埋設しておく隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板において、定着具を介してプレグラウトケーブルの緊張力を受ける円板状又は方形板状の支圧板本体であって、かつ該支圧板本体の受圧面(定着具に圧接する面)には、複数のグラウト流入用溝が放射状に形成されてなる支圧板本体と、その中央部に垂設された、周囲に補助支圧体を周設したプレグラウトケーブルを挿通するためのダクトシース嵌挿用の円筒部とからなることを特徴とする分割施工多径間連続PC桁の前方施工側PC桁に埋設する隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板。
【0015】
(2) 前記支圧板本体の板厚が下方に向けて周辺部から中心部に向かって段階的に変化し、圧力伝達面(コンクリート構造体に圧接する面)が多段構造をなしていることを特徴とする前項(1)に記載の分割施工多径間連続PC桁の前方施工側PC桁に埋設する隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板
【0016】
(3) 定着具を介してプレグラウトケーブルの緊張力を受ける円板状又は方形板状の支圧板本体であって、かつ該支圧板本体の受圧面(定着具に圧接する面)には、複数のグラウト流入用溝が放射状に形成されてなる支圧板本体と、その中央部に垂設された、周囲に補助支圧体を周設したプレグラウトケーブルを挿通するためのダクトシース嵌挿用の円筒部とからなるプレグラウトケーブル用支圧板が、
プレグラウトPC鋼より線ケーブルを用いる分割施工多径間連続PC桁の前方施工側のPC桁に埋設され、それに隣接する後方施工側プレグラウトケーブルの先端部が定着されてなり、
さらに定着部の支圧板本体の受圧面にグラウトの注入口・排出口を備えた保護キャップが取着されてなることを特徴とする分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造
(4) プレグラウトケーブル用支圧板が、前記支圧板本体の板厚が下方に向けて周辺部から中心部に向かって段階的に変化し、圧力伝達面(コンクリート構造体に接する面)が多段構造をなしているものであることを特徴とする前項(3)に記載の分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造
【0017】
(5) プレグラウトケーブル用支圧板の円筒部内に、補助ダクトシースが嵌挿され、その先方の同軸上に補助ダクトシースより口径の大きい主ダクトシースが配設され、かつ前記補助ダクトシースの先端部と前記主ダクトシースの後端部とが環状の異径シースジョイントで被包連結されてなることを特徴とする前項(3)又は(4)のいずれか1項に記載の分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造
【0018】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図1〜図4によって説明する。図1は本発明実施例の支圧板の上面図(a)及び断面図(b)、図2は本発明実施例の支圧板を用いたグラウト後充填方式の定着部断面図、図3は本発明実施例の支圧板を用いたグラウト先行定着方式の定着部断面図、図4は本発明実施例の支圧板を用いた大型ダクトシースの定着部断面図である。
【0019】
図1に示す本発明実施例の支圧板1は、図2に示すようにダクトシース5がそのまま支圧板1の円筒部1b内部へ嵌挿され、円筒部1bの先端近傍部と接着テープ7の巻着によって接続される。そのため、図1に示す本発明実施例の支圧板1の円筒部1bの内径φ2は、従来の標準型支圧板と同径の支圧板本体1aのPC鋼より線挿通孔の直径φ1より大きくなり、支圧板本体部1aの圧力伝達面面積は従来の標準型支圧板の圧力伝達面面積に比べて{(φ22 −(φ12 }π/4だけ減少することになる。この減少分を補い、あるいはそれ以上の支圧面積を確保するために、幅Δφの輪状突起の補助支圧体1cが支圧板本体1aの中央部に垂設した円筒部1bの先端部付近の外周に配設されている。
これにより前記補助支圧体1cがPC桁コンクリート構造体の奥部に埋設される構造とし、また、支圧板本体1aの圧力伝達面が階段状になるよう支圧板本体の中央部を厚くして支圧板1aの板厚を下方に向けて周辺部から中心部に向かって段階的に変化させ、支圧板本体1aの圧力伝達面が多段構造にして、支圧板1の圧力伝達面の一部を支圧応力がコンクリートに拘束される度合の大きいコンクリート構造体の奧部へ分散配置するとともに、コンクリートへの接触面積を拡げてコンクリートとの付着力を高め、支圧応力への耐性とともにコンクリートの割裂応力に対する抵抗性も増大させている。
したがって、ダクトシース5を挿入するための支圧板円筒部1bの内壁とグラウトケーブルのPEシース2との間隙にグラウト8を注入しないまま、PC鋼より線ケーブル4の緊張を行っても定着部のコンクリート構造体の耐力は確保される。なお、定着部のコンクリート構造体内には、図示しない螺旋状又は格子状の鉄筋、あるいはその双方を埋設してコンクリート構造体の補強を図ることが好ましい。
【0020】
また、定着具10a、10b及びケーブル前端部の防食対策として、表面が防錆処理され、又は防錆処理の必要のない材料を用いた防錆保護キャップ12を定着部に設け、ケーブル緊張後に該防錆保護キャップ12内にグラウト8を注入しているが、前記従来の技術及び発明が解決しようとしている課題の(0013)項で記載したように、プレグラウトケーブル側から注入するグラウト8が定着具10a、10bの間隙を通過して防錆保護キャップ12内へスムーズに流入する保障がない。このため本発明実施例の支圧板1では、図1(a)に示すように支圧板本体1a受圧面の4箇所に放射状にグラウト流入溝1dを設けて、プレグラウトケーブルと防錆保護キャップ12内にグラウト8が流入しやすくなるようにしている。なお、図2に示す防錆保護キャップ12の上方に設けたグラウト排出口9”は、襷掛けケーブルが支圧板1から定着具10a、10bの方へ下降するように配置される場合が多いことから、防錆保護キャップ12の最上部に溜まる空気をグラウト8とともに排出するためのものである。
【0021】
本発明の支圧板では、(0019)項で記述したとおり後方施工側プレグラウトケーブルを挿通するために前方施工側PC桁、あるいはその付加的構造体に埋設されたダクトシース5とプレグラウトケーブルのPEシース2との間隙をPC鋼より線ケーブル4の緊張に先立ってセメントミルクのグラウト8で充填・硬化させる必要がない。しかし、PC鋼より線ケーブル4を緊張する前にあらかじめダクトシース5とPEシース2との間隙にグラウト8を充填する場合においても、本支圧板を使用することを妨げるものではない。
この場合には、次の定着方法による。図3に示すようにダクトシース5にグラウト注入又は排出口9を設け、支圧板1の加圧面に設けたグラウト流入溝1dのいずれか1箇所からグラウト排出用パイプ14をダクトシース5とPEシース2との間隙に挿入し、その後4箇所のグラウト流入溝1dをパテ状樹脂11でシールし、パテ状樹脂11が硬化した後にグラウト8を充填する。グラウト8が硬化し、PC鋼より線ケーブル4を緊張定着した後は、図2に示す防錆保護キャップ12を被せ、その内部にグラウト8を充填する。なおこの場合、防錆保護キャップ12内にグラウト8を充填する代わりに、従来から行われているように、定着具の外表面に防錆塗装を行った後、防錆保護キャップ12内をパテ状樹脂11で充填ことも可能である。
【0022】
前方施工側PC桁に挿通される後方施工側のプレグラウトケーブルの挿通長が長くなると、ダクトシース5とプレグラウトケーブルのPEシース2との間隙へのグラウト8の充填が困難になる場合がある。このような場合、図4に示すように、本発明の支圧板1に嵌挿される補助ダクトシース5”の先方に同軸上に前記補助ダクトシース5”より大きな口径の主ダクトシース5’を配設し、前記補助ダクトシース5”の先端部と前記主ダクトシース5’の後端部とを環状の異径シースジョイント15を用いて被包連結することによりこの問題は解消できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果が発揮できる。
(1)請求項1、3、5及び7によれば、支圧板本体の中央部に、その先端部の周囲に補助支圧体を周設した円筒部を垂設したこと、及び支圧板本体部の圧力伝達面を階段状に構成してコンクリート構造体にかかる支圧応力をコンクリート構造体の表面から遠ざけるように分散したことにより、支圧板にダクトシースを嵌挿するために減少するコンクリート構造体の支圧面積を補うとともに、支圧板の圧力伝達面をコンクリート構造体の奧部に分散配置することにより、コンクリート構造体の支圧耐力のみならず、コンクリート構造体の割裂に対する耐力が向上する。
【0024】
(2)前項(1)によりコンクリート構造体の支圧及び割裂耐力が増大したことから、前方施工側PC桁に密に配置されがちな襷掛けケーブルの定着具の配置上の寸法を従来の方形型支圧板を用いた場合のおよそ80%に減じることができ、またプレグラウトケーブルにプレストレスを導入する時のコンクリート構造体の圧縮強度を従来のおよそ92%まで低下させられるようになり、プレグラウトケーブル緊張後の足場や型枠を次の施工区間へ早く移動でき、区分施工の多い現場では工期の大幅短縮につながる。
(3)前項(1)によりコンクリート構造体の支圧及び割裂耐力が増大したことから、プレグラウトケーブルにプレストレスを導入する際、あらかじめダクトシースとプレグラウトケーブルのPEシースとの間隙にグラウトを注入する必要がなくなり、施工工程が簡略化されるとともに、分割施工区間数が多い場合、グラウト作業の回数を減らすことができる。
【0025】
(4)請求項2及び6によれば、支圧板受圧面に複数のグラウト流入溝を設けたことから、プレグラウトケーブル側から防錆保護キャップ内にグラウトがスムーズに流入するようになり、パテ状樹脂によるシールや、定着具の表面防錆塗装、そして防錆保護キャップ内のパテ状樹脂充填のための作業が必要なくなり、労力及び材料費の削減が図れる。
(5)請求項9によれば、外径の異なるダクトシースでも異径シースジョイントを使用することにより1種類の支圧板で対応でき、コストダウンにつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の支圧板の上面図(a)及び断面図(b)。
【図2】本発明実施例の支圧板を用いたグラウト後充填方式の定着部断面図。
【図3】本発明実施例の支圧板を用いたグラウト先行定着方式の定着部断面図。
【図4】本発明実施例の支圧板を用いた大型ダクトシースの定着部断面図。
【図5】プレグラウトケーブルを用いて多径間連続PC桁の分割施工により構築する工法の説明図。
【図6】襷掛け方式の定着部PC桁に付加されるコンクリート構造体断面の模式図。
【図7】従来の襷掛け方式の定着部構造を示す断面図。
【符号の説明】
1:本発明の支圧板 1’:従来の方形支圧板
1a:支圧板本体部 1b:支圧板円筒部
1c:支圧板補助支圧板部 1d:グラウト流入溝
2:ポリエチレン(PE)シース 3:プレグラウト樹脂
4:PC鋼より線 5:ダクトシース
5’:主ダクトシース 5”:補助ダクトシース
6:鋼管 7:接着テープ
8:グラウト
9、9’、9”:グラウト注入又は排出口
10a、10b :定着具 11、11’:パテ状樹脂
12:防錆保護キャップ 13:FRPシート
14:グラウト排出用パイプ 15:異形シースジョイント
101、101’:前方施工側PC桁 102:後方施工側PC桁
103、103’:前方施工側プレグラウトケーブル
104:後方施工側プレグラウトケーブル
105、105’:前方施工側プレグラウトケーブル定着部
106,106’:後方施工側プレグラウトケーブル定着部
107:接続具 108:ダクト
109:施工継ぎ目 110:付加的なコンクリート構造体

Claims (5)

  1. プレグラウトPC鋼より線ケーブルを用いて多径間連続PC桁を分割施工により構築する場合に、あらかじめ前方施工側のPC桁に埋設しておく隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板において、定着具を介してプレグラウトケーブルの緊張力を受ける円板状又は方形板状の支圧板本体であって、かつ該支圧板本体の受圧面(定着具に圧接する面)には、複数のグラウト流入用溝が放射状に形成されてなる支圧板本体と、その中央部に垂設された、周囲に補助支圧体を周設したプレグラウトケーブルを挿通するためのダクトシース嵌挿用の円筒部とからなることを特徴とする分割施工多径間連続PC桁の前方施工側PC桁に埋設する隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板。
  2. 前記支圧板本体の板厚が下方に向けて周辺部から中心部に向かって段階的に変化し、圧力伝達面(コンクリート構造体に圧接する面)が多段構造をなしていることを特徴とする請求項1に記載の分割施工多径間連続PC桁の前方施工側PC桁に埋設する隣接する後方施工側プレグラウトケーブル用支圧板。
  3. 定着具を介してプレグラウトケーブルの緊張力を受ける円板状又は方形板状の支圧板本体であって、かつ該支圧板本体の受圧面(定着具に圧接する面)には、複数のグラウト流入用溝が放射状に形成されてなる支圧板本体と、その中央部に垂設された、周囲に補助支圧体を周設したプレグラウトケーブルを挿通するためのダクトシース嵌挿用の円筒部とからなるプレグラウトケーブル用支圧板が、
    プレグラウトPC鋼より線ケーブルを用いる分割施工多径間連続PC桁の前方施工側のPC桁に埋設され、それに隣接する後方施工側プレグラウトケーブルの先端部が定着されてなり、
    さらに定着部の支圧板本体の受圧面にグラウトの注入口・排出口を備えた保護キャップが取着されてなることを特徴とする分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造。
  4. プレグラウトケーブル用支圧板が、前記支圧板本体の板厚が下方に向けて周辺部から中心部に向かって段階的に変化し、圧力伝達面(コンクリート構造体に接する面)が多段構造をなしているものであることを特徴とする請求項3に記載の分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造。
  5. プレグラウトケーブル用支圧板の円筒部内に、補助ダクトシースが嵌挿され、その先方の同軸上に補助ダクトシースより口径の大きい主ダクトシースが配設され、かつ前記補助ダクトシースの先端部と前記主ダクトシースの後端部とが環状の異径シースジョイントで被包連結されてなることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の分割施工多径間連続PC桁の定着部の構造。
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