JP3906789B2 - 円盤状のメディアに対する印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−R/RWやDVD−R/RWメディアなどの円盤状のメディアに対する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやメモリカードなどに格納された画像データをCD−R/RWやDVD−R/RWメディアなどの円盤状のメディアの表面に印刷を行う際、画像データのどの部分に円盤状の形状を配置するか、または円盤状の形状のどの部分に画像データを配置するかという方法として、例えば、画像データの中央と円盤状の形状の中心を一致させて配置する方法や、画像データと円盤状の形状の左上隅を一致させて配置する方法などが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
以下、従来の方法について、図6〜図10を用いて、説明する。
【0004】
図6は従来の印刷装置の画像データの中心位置の説明図、図7は従来の印刷装置の円盤状の実印字領域の説明図、図8は従来の印刷装置の印刷画像のイメージ図、図9は従来の印刷装置のフローチャート、図10は従来の方法により特徴部分が切り取られる例を示す説明図である。
【0005】
図6において、画像データ11は、CD−R/RWやDVD−R/RWメディアなどの円盤状のメディアに対し印刷を行うための画像データであり、画像データの中心12は、画像データ11に対し2つの対角線の交わった点である。
【0006】
図7において、円盤状の実印字領域13は、CD−R/RWやDVD−R/RWなどの円盤状のディスクの形状を表したものであり、実際に印字される領域である。また正方形の印刷領域14は、円盤状の実印字領域13に外接する正方形の領域であり、円盤状の実印字領域の中心15は、正方形の印刷領域14に対し2つの対角線の交わった点である。
【0007】
図8において、印刷画像のイメージ16は、画像データ11と円盤状の実印字領域13とを重ね合わせたときのイメージ図である。
【0008】
ここではCD−R/RWやDVD−R/RWメディアの大きさとして、12cmのメディアを例に説明する。
【0009】
図9のフローチャートにおいて、印刷画像のイメージ16を作成するために、まず画像データ11の短辺の長さを正方形の印刷領域14の1辺の長さと等しくなるように、画像データ11に対し解像度変換を行う(ステップ11)。
【0010】
例えば画像データ11の縦方向の長さ(Hcm(Hは実数))が横方向の長さ(Wcm(Wは実数))よりも短い場合、すなわち「H≦W」の場合、画像データ11の縦方向の長さ(Hcm)が12cmになるように画像データ11に対し解像度変換を行う。これにより画像データ11の縦方向の長さは12cm、同横方向の長さは12×W÷Hcmとなる。
【0011】
また画像データ11の縦方向の長さ(Hcm)が横方向の長さ(Wcm)よりも長い場合、すなわち「H≧W」の場合、画像データ11の横方向の長さ(Wcm)が12cmになるように画像データ11に対し解像度変換を行う。これにより画像データ11の横方向の長さは12cm、同縦方向の長さは12×H÷Wcmとなる。
【0012】
以上により、画像データ11の短辺の長さが12cmに、長辺の長さが12cm以上に変換される。
【0013】
ここで前記解像度変換を行った画像データ11の中心と円盤状の実印字領域の中心15の位置を一致させることにより、印刷画像のイメージ16が作成される(ステップ12)。
【0014】
上記処理に加え、前記作成された印刷画像のイメージ16をユーザが任意の方向へ移動させることができ、これにより印刷させたい画像領域が円盤状の形状によって、切り取られてほしくない部分を切り取られてしまうことのないようユーザが画像の配置場所を変更できるようにすることも可能となる。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−27943号公報(第5頁、図4)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の方法においては、例えば図10(a)に示すように、画像の中心付近や四隅付近に切り取られてほしくない画像があったとしても、ユーザが配置場所の調整を行わなければ、図10(b)に示すように、画像の中心付近および四隅付近は円盤状の形状により、切り取られてしまう。
【0017】
本発明は、前記従来の問題点を解決するもので、画像の特徴量により画像データの配置場所の最適化を自動的に行うことのできる円盤状のメディアに対する印刷装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、ドーナツ状のメディアに対し印刷対象の画像データの印刷を行う印刷装置において、前記画像データを前記画像データの各画素毎に前記画素の輝度値と前記画素の1つ上の画素の輝度値と前記画素の1つ左の画素の輝度値と前記画素の1つ右の画素の輝度値と前記画素の1つ下の画素の輝度値とに基づいてエッジ量を算出し、前記エッジ量が予め決められた閾値と比較することにより前記画素位置のエッジの有無を表す2値画像を作成し、前記画像データの左上の画素位置から始めて、前記画像位置に基づいた前記メディアの印刷領域に対応するドーナツ状のマスクパターンの円周で囲われた領域の中でドーナツ状の中央の空洞部を除いた領域中の前記2値画像の前記エッジ有りの画素の数を、全ての画素位置に移動させてカウントし、全ての画素位置に移動させてカウントされた前記エッジありの画素の数が最も大きい画素位置に基づいた前記メディアの印刷領域を印刷装置の印刷領域として配置し印刷することを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、画像の特徴量により画像データの配置場所の最適化を自動で行うことのできる円盤状のメディアに対する印刷装置が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、ドーナツ状のメディアに対し印刷対象の画像データの印刷を行う印刷装置において、前記画像データを前記画像データの各画素毎に前記画素の輝度値と前記画素の1つ上の画素の輝度値と前記画素の1つ左の画素の輝度値と前記画素の1つ右の画素の輝度値と前記画素の1つ下の画素の輝度値とに基づいてエッジ量を算出し、前記エッジ量が予め決められた閾値と比較することにより前記画素位置のエッジの有無を表す2値画像を作成し、前記画像データの左上の画素位置から始めて、前記画像位置に基づいた前記メディアの印刷領域に対応するドーナツ状のマスクパターンの円周で囲われた領域の中でドーナツ状の中央の空洞部を除いた領域中の前記2値画像の前記エッジ有りの画素の数を、全ての画素位置に移動させてカウントし、全ての画素位置に移動させてカウントされた前記エッジありの画素の数が最も大きい画素位置に基づいた前記メディアの印刷領域を印刷装置の印刷領域として配置し印刷することを特徴とする印刷装置としたものであり、ユーザが何もしなくても円盤状の画像の配置場所の最適化を可能にするという作用を有する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図1から図5を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本発明の実施の形態1の印刷領域の説明図であり、円盤状の実印字領域1と、正方形の印刷領域2を示している。
【0026】
図2は本発明の実施の形態1の印刷装置のマスクパターンの説明図であり、図1に示す正方形の印刷領域2に対し円盤状の実印字領域と非印字領域とに分けた2値のマスクパターン3を示している。
【0027】
図3は本発明の実施の形態1の印刷装置の配置場所の最適化の説明図であり、印刷を行う画像データ4に対し、2値化処理により作成された2値化データ5と、2値化データ5に対し最適に配置されたマスクパターン6を示している。
【0028】
図4は本発明の実施の形態1の印刷装置のフローチャートである。
【0029】
図5は実施の形態1により最適に配置された画像の例を示す説明図である。
【0030】
本実施の形態においては、CD−R/RWやDVD−R/RWメディアなどの円盤状のメディアにおける円盤状の実印字領域1と、この円盤状の実印字領域1に対し外接する正方形領域である正方形の印刷領域2において、正方形の印刷領域2をn×n画素(例として、n=27)から成る領域とし、円盤状の実印字領域1に対し“1”、非印字領域に対し“0”を与えることにより、図2における2値データによるマスクパターン3を生成し、このマスクパターンを予め登録しておく。
【0031】
ここで印刷したい画像データ4の最初の注目画素に対し特徴を抽出し(ステップ1)、特徴があれば注目画素に対し”1”をセットし(ステップ2)、特徴がなければ注目画素に対し”0”をセットする(ステップ3)ことにより、2値化処理が行われる。以上により注目画素の2値化処理が終わり、画像データ4において2値化処理が未処理の画素が存在すれば(ステップ4)、次の注目画素へ移り(ステップ5)、同様にステップ1〜3を繰り返し2値化処理を行い、画像データ4全体を2値化データに変換する。上記特徴の抽出方法についての詳細な説明は、後述する。
【0032】
次に上記2値化処理により作成された2値化データ5において、一番左上の画素を注目画素とし、注目画素から右方向へn(例としてn=27)画素、下方向へn画素のn×n画素の正方領域を取り出し、予め登録しておいたマスクパターン3とを比較する。比較方法は、n×n画素の正方領域と2値データのマスクパターン3とにおいて、一致する画素の個数をカウントする(ステップ6)。そのカウントが終わると、次の画素を注目画素とし(ステップ8)、同様にn×n画素の正方領域を取り出し、マスクパターン3と一致する画素の個数をカウントする(ステップ6)。全ての画素に対しマスクパターン3との比較が終了すると(ステップ7)、上記求めたカウント数が最も大きくなる画素位置を印刷位置と決定すること(ステップ9)により、最適に配置されたマスクパターン6が自動的に求められる。
【0033】
ここで特徴抽出方法について詳細を述べる。
【0034】
第1の特徴抽出方法として、まず下記の(式1)に示す処理を用いることにより、RGB3色の画像データ4に対し各画素毎の輝度値を求め、次に下記の(式2)に示す処理を用いることにより、注目画素のエッジ量を抽出する。
【0035】
抽出したエッジ量とある閾値(例として閾値=256)とを比較し、エッジ量が閾値以上であれば、注目画素は特徴があると判断し、閾値未満であれば、注目画素は特徴がないと判断する。
【0036】
輝度値を抽出する他の方法として、Green値のみを用いる方法やビットシフトのみにより割り算が可能な下記の(式3)に示す処理などRGB3色から単一の色データに変換する方法であればなんでも構わない。
【0037】
またエッジ量の抽出方法として一般的なマトリクス演算を用いても構わない。
【0038】
更に、エッジ量の抽出処理と輝度値抽出処理を入れ替えても注目画素に対し、エッジの有無判定を行うことができる。
【0039】
これにより、エッジがあるという特徴がある画素は“1”にセットされ、エッジがあるという特徴がない画素は“0”にセットされ、画像データ4の中で切り取られてしまう領域は、ベタ領域などのエッジがない領域になる。
【0040】
この第1の特徴抽出方法により抽出された画像の例を図5に示す。図5(a)は多値の画像データ4に対し、特徴抽出処理により2値化された2値化データ5の例を示す。また、図5(b)は、最適に配置されたマスクパターン6により、円盤状に切り取られる位置を示している。この方法を適用することにより、図10(b)に示すように特徴部分が切り取られることがない。
【0041】
また第2の特徴抽出方法として、下記の(式4)に示す処理を用いることにより、注目画素の色度分布、特に彩度を抽出する。
【0042】
彩度=(注目画素のRGB値の中の最大値)
−(注目画素のRGB値の中の最小値) ・・・・・・(式4)
抽出した彩度とある閾値(例として閾値=128)とを比較し、彩度が閾値以上であれば、注目画素は特徴があると判断し、閾値未満であれば、注目画素は特徴がないと判断する。
【0043】
彩度を抽出する他の方法として、RGB値の平均値と各RGB値との差分を用いる方法など、RGB値が全て等しい無彩色の色との差がわかる方法であればなんでも構わない。
【0044】
これにより、彩度があるという特徴がある画素は“1”にセットされ、彩度があるという特徴がない画素は“0”にセットされ、画像データの中で切り取られてしまう領域は、彩度が低く、視覚的に目立たない領域になる。
【0045】
また第3の特徴抽出方法として、下記の(式5)に示す処理を満たすか否かにより、注目画素の特定色(例として肌色)の分布の有無を抽出する。
【0046】
190≦(注目画素のR値)≦250
かつ
140≦(注目画素のG値)≦200
かつ
110≦(注目画素のB値)≦170 ・・・・・・・・(式5)
抽出した特定色(ここでは例として肌色)の有無により、特定色が存在すれば、注目画素は特徴があると判断し、特定色が存在しなければ、注目画素は特徴がないと判断する。
【0047】
これにより、特定色が存在するという特徴がある画素は“1”にセットされ、特定色が存在するという特徴がない画素は“0”にセットされ、画像データの中で切り取られてしまう領域は、肌色がなく、人物の顔が存在しない領域になる。
【0048】
以上、特徴抽出方法の画像データの特徴を抽出する例を示したが、それ以外でも、画像の特徴を示すものであれば何でもよい。また複数の特徴を組み合わせることにより、より印刷画像データの特徴を抽出できる。
【0049】
なお、CD−R/RWやDVD−R/RWメディアの大きさとしては、12cmや8cmのものなどが実在するが、メディアの大きさに関係なく本発明を実現することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ドーナツ状のメディアに対し印刷対象の画像データの印刷を行う印刷装置において、前記画像データを前記画像データの各画素毎に前記画素の輝度値と前記画素の1つ上の画素の輝度値と前記画素の1つ左の画素の輝度値と前記画素の1つ右の画素の輝度値と前記画素の1つ下の画素の輝度値とに基づいてエッジ量を算出し、前記エッジ量が予め決められた閾値と比較することにより前記画素位置のエッジの有無を表す2値画像を作成し、前記画像データの左上の画素位置から始めて、前記画像位置に基づいた前記メディアの印刷領域に対応するドーナツ状のマスクパターンの円周で囲われた領域の中でドーナツ状の中央の空洞部を除いた領域中の前記2値画像の前記エッジ有りの画素の数を、全ての画素位置に移動させてカウントし、全ての画素位置に移動させてカウントされた前記エッジありの画素の数が最も大きい画素位置に基づいた前記メディアの印刷領域を印刷装置の印刷領域として配置し印刷することを特徴とすることにより、画像データの配置場所の最適化を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の印刷領域の説明図
【図2】本発明の実施の形態1の印刷装置のマスクパターンの説明図
【図3】本発明の実施の形態1の印刷装置の配置場所の最適化の説明図
【図4】本発明の実施の形態1の印刷装置のフローチャート
【図5】実施の形態1により最適に配置された画像の例を示す説明図
【図6】従来の同印刷装置の画像データの中心位置の説明図
【図7】従来の印刷装置の円盤状の実印字領域の説明図
【図8】従来の印刷装置の印刷画像のイメージ図
【図9】従来の印刷装置のフローチャート
【図10】従来の方法により特徴部分が切り取られる例を示す説明図
【符号の説明】
1 円盤状の実印字領域
2 正方形の印刷領域
3 マスクパターン
4 画像データ
5 2値化データ
6 最適に配置されたマスクパターン
11 画像データ
12 画像データの中心
13 円盤状の実印字領域
14 正方形の印刷領域
15 円盤状の実印字領域の中心
16 印刷画像のイメージ
Claims (1)
- ドーナツ状のメディアに対し印刷対象の画像データの印刷を行う印刷装置において、
前記画像データを前記画像データの各画素毎に前記画素の輝度値と前記画素の1つ上の画素の輝度値と前記画素の1つ左の画素の輝度値と前記画素の1つ右の画素の輝度値と前記画素の1つ下の画素の輝度値とに基づいてエッジ量を算出し、前記エッジ量が予め決められた閾値と比較することにより前記画素位置のエッジの有無を表す2値画像を作成し、
前記画像データの左上の画素位置から始めて、前記画像位置に基づいた前記メディアの印刷領域に対応するドーナツ状のマスクパターンの円周で囲われた領域の中でドーナツ状の中央の空洞部を除いた領域中の前記2値画像の前記エッジ有りの画素の数を、全ての画素位置に移動させてカウントし、全ての画素位置に移動させてカウントされた前記エッジありの画素の数が最も大きい画素位置に基づいた前記メディアの印刷領域を印刷装置の印刷領域として配置し印刷することを特徴とする印刷装置。
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