JP3906716B2 - Drugs for abnormal glucose tolerance - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規耐糖能異常用薬剤、詳しくは分岐鎖アミノ酸を有効成分とする、耐糖能異常に対する治療、改善、進展（悪化）防止及び／又は予防等用に使用される薬剤に関する。本発明の薬剤は、医薬品（肝疾患薬、栄養剤等を含む。）の形態で、また飲食品（健康食品等を含む。）や食品補助剤等の形態又はこれ等に使用された形態で使用される。
【０００２】
【従来の技術】
肝硬変のような慢性の肝障害を有する患者の多くで、糖尿病等の耐糖能異常が高頻度に現われることが知られ（Exp. Clin. Endocrinol Diabetes (1995), 103, 63-74参照。）、その発症メカニズムに関しては、肝障害を引き金とする何らかの原因により、末梢組織でのインスリン抵抗性が生じていることによるものと考えられている（Hepatol. Res. (2000), 17, 93-101参照。）。また、肝障害患者に頻発する耐糖能異常に対しては次に挙げる理由から、既存の糖尿病治療薬を安易に用いることは危険とされており、実際にはその治療及び予防法が無いというのが現状である。即ち、代表的な糖尿病治療薬であるインスリン分泌促進剤（ＳＵ剤）やビグアナイド剤、或いはチアゾリジン環骨格を有するインスリン抵抗性治療薬（グリタゾン系薬剤）の多くは肝臓で代謝を受けることから、生体内での薬物濃度の制御が極めて難しく、薬物の使用により重篤な薬害を及ぼす危険性が指摘されており、その使用は厳しく制限されている。
【０００３】
このような情況下に、耐糖能異常に対する治療、予防剤として、特に安全性の高い薬剤の開発が求められている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の医薬品では治療することが難しい耐糖能異常に対して有効に作用する薬剤を提供することにある。
【０００５】
少なくとも一種類以上の分岐鎖アミノ酸を含む医薬品製剤、又は飲食品（食品補助剤を含む。）の使用により、上記異常に対して治療、改善及び／又は予防する方法を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ロイシン、イソロイシン及びバリン等の分岐鎖アミノ酸を投与又は摂取することにより、耐糖能異常、特に肝障害を有する患者における耐糖能異常が、効果的に改善されることを見出し、本発明を完成するに到った。
【０００７】
尚、ロイシンは膵β細胞に働きインスリン分泌促進作用を有することが知られているが（Diabetes Mellitus: A fundamental And Clinical Text, Second Edition (2000)参照。）、インスリンの主要標的臓器である肝臓、筋肉、脂肪組織においてのインスリン感受性への効果は知られていなかった。また、ロイシン及びその他の分岐鎖アミノ酸であるイソロイシンや、バリンはその混合物又は単独でインスリンの主要標的臓器である肝臓、筋肉、脂肪組織や、或いはインスリン産生臓器である膵臓β細胞において蛋白合成促進作用を示すことが知られている（Biochem. J. (2000), 351, 545-550参照。）が、インスリン感受性への影響は知られておらず、末梢のインスリン抵抗性が原因となる糖尿病病態への効果は不明であった。
【０００８】
これまでに、分岐鎖アミノ酸による、耐糖能異常に対する治療又は予防に関する有効性がげっ歯類のモデル動物を用いた試験において調べられており、例えば、ストレプトゾトシン投与により誘導したマウス１型糖尿病モデルでの分岐鎖アミノ酸による部分的な予防効果や（Braz., J. Med. Biol. Res., (1987) 20, 137-144参照。）、EMCVウイルス感染により誘発したマウス１型糖尿病モデルにおいて分岐鎖アミノ酸が治療効果を有することが示されている（Eur. J. Pharm., (2000) 398, 409-414参照。）。このことから、分岐鎖アミノ酸がストレスによる膵β細胞の障害を予防することが示唆されているが、末梢のインスリン標的臓器におけるインスリン抵抗性の改善に関する効果は明らかではなかった。
【０００９】
本発明において、分岐鎖アミノ酸にこのような改善効果があることを初めて確認したものである。
【００１０】
即ち、本発明は有効成分としてロイシン、イソロイシン及びバリンの少なくとも１種の分岐鎖アミノ酸のみからなり、インスリン抵抗性を示す肝障害の患者を治療するための耐糖能異常治療用医薬組成物に存する。
【００１１】
医薬品、飲食品及び食品補助剤の何れかの形態又はこれ等の何れかに使用された形態で、本発明の薬剤を使用することができる。
【００１２】
本発明において有効成分として使用するロイシン、イソロイシン及びバリンの異性体に関しては、L-体、D-体、及びDL-体何れも使用可能であるが、天然に存在するという観点からL-体が好ましい。
【００１３】
本発明の薬剤は耐糖能異常の治療、改善、進展防止、予防等のために使用される。
【００１４】
本発明の薬剤は、特に１型若しくは２型糖尿病、又は妊娠糖尿病、肝疾患や内分泌疾患に伴う耐糖能異常に対して特に有効である。また、肝障害を有する動物、特にヒトに対して本発明の薬剤を好適に使用することができる。
【００１５】
本発明の薬剤中に、有効成分として、イソロイシン、ロイシン及びバリンの混合物を含めて使用することが好ましい。この場合、イソロイシン、ロイシン及びバリンの配合割合（重量比）において、イソロイシン／ロイシン／バリン＝１／１．９〜２．２／１．１〜１．３となるような組成範囲で使用することがより好ましい。
【００１６】
本発明の薬剤は、健康食品、食品補助剤等飲食品の形態又はこれに使用した形態で好適に使用することができる。
【００１７】
本発明の薬剤には、特に医薬品、飲食品（健康食品、食品補助剤等を含む。）の形態で使用する場合、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を併用、使用することができる。例えば、必要に応じてビタミン、無機質等食品や医薬品に通常含有せしめる補助的成分を任意に添加することができる。
【００１８】
また、本発明の薬剤を使用する場合、薬剤中の有効成分としてイソロイシン、ロイシン及びバリンの全てを含むことが望ましく、この場合一日当たりの投与量（摂取量）については、例えば一日当たりとして、イソロイシン２．５〜３．０ｇ、ロイシン５．０〜６．０ｇ、及びバリン３．０〜４．０ｇを投与又は摂取することができる。
【００１９】
上記本発明で使用する有効成分の投与量（摂取量）について算定する際、本発明の薬剤（本発明で目的とする疾患異常の治療、予防等の目的で使用される薬剤）の有効成分として前記の算定範囲が決められているので、これとは別目的で、例えば通常の食生活の必要から、或いは別の疾患の治療目的で、摂取又は投与される分岐鎖アミノ酸についてはこれを前記算定に含める必要はない。
【００２０】
例えば、通常の食生活から摂取される一日当たりのイソロイシン、ロイシン及びバリンの量を前記本発明における有効成分の一日当たりの投与量から控除して算定する必要はない。
【００２１】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【００２２】
本発明の薬剤は、特に医薬品（肝疾患薬、栄養剤等を含む。）の形態で又は飲食品（健康食品、食品補助剤等を含む。）に使用した形態で使用することができる。
【００２３】
本発明において、「耐糖能異常」とは、糖代謝に関して正常ではない病態を全て包含するものである。例えば、この耐糖能異常の定義について日本糖尿病学会の判定基準（糖尿病42(5)：385〜404, 1999参照。）においては、血糖値が空腹時値110mg/dl以上、又は75g糖負荷試験（OGTT）２時間値140mg/dl以上の病態と説明しているが、この説明内容をこの病態（疾患）の定義とすることができる。この中には、１型糖尿病、２型糖尿病、妊娠糖尿病、肝疾患や内分泌疾患に伴う糖代謝異常等の各種疾患が含まれる。
【００２４】
本発明の薬剤は、従来の糖尿病薬を使うことが難しいとされる、肝障害を有する耐糖能異常の治療、改善及び／又は予防に特に有効である。また、後述の実施例に示すように、有効成分として、ロイシン、イソロイシン及びバリンの少なくとも１種を使用することによりその目的とする効果を奏することができる。また、有効成分がアミノ酸ということで、安全性に優れており、飲食品（健康食品等）の形態でも簡便に使用することができる。
【００２５】
前述の如く、本発明の薬剤が適用（投与又は摂取）される病気、疾患は耐糖能異常であり、この薬剤の適用対象は、その予防、改善、進展（悪化）防止、治療等を求めるものであれば特に制限は無いが、哺乳動物、通常はヒト（患者、健常者）に対して、前記各種の形態で適用される。肝障害を有する糖尿病等、耐糖能異常の治療、改善及び／又は予防において、極めて効果的である。
【００２６】
本発明の薬剤の投与形態（又は食品としての摂取形態）には特に制限は無い。好ましくは、経口投与（摂取）することができる。この場合、投与量は投与する患者の症状、年齢、投与方法によって異なるが、通常、一日当たりとして、イソロイシン１．０〜３０．０ｇ、ロイシン１．０ｇ〜３０．０ｇ、及びバリン１．０〜３０．０ｇ程度である。一般の成人の場合、好ましくは、一日当たりとして、イソロイシン２．０〜１０．０ｇ、ロイシン２．０〜１０．０ｇ、及びバリン２．０〜１０．０ｇ程度、より好ましくは、イソロイシン２．５〜３．０ｇ、ロイシン５．０〜６．０ｇ、及びバリン３．０〜４．０ｇ程度である。
【００２７】
一方、点滴投与、注射投与（経静脈投与）等非経口投与（摂取）することもでき、その場合の投与量（摂取量）については、前記経口投与（摂取）についての好ましい投与量（摂取量）範囲の十〜二十分の一程度を投与（摂取）することができる。
【００２８】
本発明の薬剤を医薬品又は飲食品の形態で使用する場合、常法により調製することができる。医薬品の場合、薬理学的に許容し得る各種の製剤用物質（補助剤等として）を含むこともできる。製剤用物質は製剤の剤型により適宜選択することができるが、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等を挙げることができる。更に、製剤用物質を具体的に例示すると、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、牛乳蛋白、ゼラチン、澱粉、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、ポリエチレングリコール、及び溶剤、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロールを挙げることができる。
【００２９】
本発明においては、他の薬剤成分（医薬活性物質）と共に、例えば混合又は組み合わせて使用することができ、このような場合本発明で目的とする有効成分、好ましくはＬ−イソロイシン、Ｌ−ロイシン及びＬ−バリンの混合物を、特に前記好ましい比率で含有し目的とする前記薬理活性を示すものであれば本発明の薬剤に含まれる。尚、本発明においてその有効成分に使用する個々のアミノ酸は、その一部又は全部についてそれぞれ塩の形態で使用することもできる。
【００３０】
本発明の薬剤は、前述の如く公知の又は将来開発される様々な医薬製剤の形態、前述の如く例えば、経口投与、腹腔内投与、経皮的投与、経静脈投与、吸入投与等各種の投与形態に調製することができる。本発明の薬剤をこれ等様々な医薬製剤の形態に調製するためには公知の又は将来開発される方法を適宜採用することができる。
【００３１】
これら様々な医薬製剤の形態として、例えば適当な固形又は液状の製剤形態、例えば顆粒、粉剤、被覆錠剤、錠剤、（マイクロ）カプセル、坐剤、シロップ、ジュース、懸濁液、乳濁液、滴下剤、注射用溶液、活性物質の放出を延長する製剤等を挙げることができる。
【００３２】
以上に例示した製剤形態にある本発明の薬剤には、薬効を奏するに有効な量の前記成分を含有すべきことは当然のことである。薬効を奏するに有効な量の前記成分を含有すべきことについては飲食品への使用についても当てはまることである。
【００３３】
本発明を飲食品に使用するには特に困難は無く、例えばジュース、牛乳、菓子、ゼリー等に混ぜて飲食することができる。
【００３４】
本発明の薬剤を食品補助剤として使用する場合、例えば錠剤、カプセル、散剤、顆粒、懸濁剤、チュアブル剤、シロップ剤等の形態に調製することができる。
【００３５】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００３６】
（実施例１）ラット、Leu負荷時の血糖変化
7週齢のSD系雄性ラットに0.05% phenobarbital・Na水を供与し、0.5ml/kgの四塩化炭素を50%オリーブ油溶液として背部皮下に、週2回15週間以上にわたり連続投与して慢性肝障害ラットを作製した。実験開始17時間前から絶食とし、60分前に4g/kgのグルコースを、実験開始時（0分）に1.5g/kgのL-ロイシン（Leu）又は、対照として生理食塩水を経口投与した。実験開始後、-60、0、30、60、90、及び150分に尾静脈より経時的に採血し、血中グルコースを、ドライケム5000を用いて酵素法にて測定した。その結果を図１に示す。
【００３７】
図１に示すように、糖負荷試験（OGTT）の結果、血糖値の推移は、Leuの経口投与により低く保たれ、耐糖能の改善が認められた。
【００３８】
（実施例２）ラット、BCAA負荷時の血糖変化
7週齢のSD系雄性ラットに0.05% phenobarbital・Na水を供与し、0.5ml/kgの四塩化炭素を50%オリーブ油溶液として背部皮下に、週2回15週間以上にわたり連続投与して慢性肝障害ラットを作製した。実験開始17時間前から絶食とし、60分前に4g/kgのグルコースを、実験開始時（0分）に1.5g/kgの分岐鎖アミノ酸（BCAA）又は、対照として生理食塩水を経口投与した。BCAAとして、L-イソロイシン（Ile）：L-ロイシン（Leu）：L-バリン（Val）＝1：2：1.2（w/w）の混合物を用いた。実験開始後、-60、0、30、60、90、120、180及び240分に尾静脈より経時的に採血し、血中グルコースを、ドライケム5000を用いて酵素法にて測定した。その結果を図２に示す。
【００３９】
図２に示すように、糖負荷試験（OGTT）の結果、血糖値の推移は、BCAAの経口投与により低く保たれ、耐糖能の改善が認められた。
【００４０】
（実施例３）ラット、Leu負荷時の血糖変化
7週齢のSD系雄性ラットに0.05% phenobarbital・Na水を供与し、0.5ml/kgの四塩化炭素を50%オリーブ油溶液として背部皮下に、週2回15週間以上にわたり連続投与して慢性肝障害ラットを作製した。実験開始17時間前から絶食とし、60分前に4g/kgのグルコースを、実験開始時（0分）に1.5g/kgのL-ロイシン（Leu）又は、対照として生理食塩水を経口投与した。実験開始後、-60、0、30、60、90、120、180、及び240分に尾静脈より経時的に採血し、血中グルコースを、ドライケム5000を用いて酵素法にて測定した。その結果を図３に示す。
【００４１】
図３に示すように、糖負荷試験（OGTT）の結果、血糖値の推移は、Leuの経口投与により低く保たれ、耐糖能の改善が認められた。このとき、血漿中インスリン値をエライザ法（インスリン測定キット；森永生科学研究所）を用いて測定した。図４に示すようにLeu経口投与群と生理食塩水投与群の間に有意なインスリン値の差は認められなかった。
【００４２】
（実施例４）ラット、BCAA負荷時の血糖変化
7週齢のSD系雄性ラットに0.05% phenobarbital・Na水を供与し、0.5ml/kgの四塩化炭素を50%オリーブ油溶液として背部皮下に、週2回15週間以上にわたり連続投与して慢性肝障害ラットを作製した。実験開始17時間前から絶食とし、60分前に4g/kgのグルコースを、実験開始時（0分）に1.5g/kgの分岐鎖アミノ酸（BCAA）又は、対照として生理食塩水を経口投与した。BCAAとして、L-イソロイシン（Ile）：L-ロイシン（Leu）：L-バリン（Val）＝1：2：1.2（w/w）の混合物を用いた。実験開始後、-60、0、30、60、90、120、180、及び240分に尾静脈より経時的に採血し、血中グルコースを、ドライケム5000を用いて酵素法にて測定した。その結果を図５に示す。
【００４３】
図５に示すように、糖負荷試験（OGTT）の結果、血糖値の推移は、BCAAの経口投与により低く保たれ、耐糖能の改善が認められた。このとき、血漿中インスリン値をエライザ法（インスリン測定キット；森永生科学研究所）を用いて測定した。図６に示すようにLeu経口投与群と生理食塩水投与群の間に有意なインスリン値の差は認められなかった。
【００４４】
以上述べたことから、本発明により提供される分岐鎖アミノ酸を含む薬剤が、耐糖能異常の治療、予防等に有効であることは明らかである。また、有効成分が分岐鎖アミノ酸であることから、安全性が高く、副作用が殆ど無いので、飲食品の形態でも使用することができ、既存の糖尿病治療剤に比べて有用である。
【００４５】
【発明の効果】
本発明により、糖尿病、若しくは肝障害を有する患者における糖尿病等、耐糖能異常の治療、改善、進展防止、予防等に適した薬剤を提供することができる。安全性に優れており、医薬品、また、有効成分が分岐鎖アミノ酸であることから、安全性が高く、副作用がほとんどないので、既存の糖尿病治療剤に比べて使用上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、実施例１においてCCl4誘発慢性肝障害ラットにおけるLeu負荷時の血糖変化を示す図である。
●：LC/Leu；○：LC/生理食塩水。LC：Liver cirrhosis。
【図２】図２は、実施例２においてCCl4誘発慢性肝障害ラットにおけるBCAA負荷時の血糖変化を示す図である。
●：グルコース＋BCAA;○：グルコース＋生理食塩水。
【図３】図３は、実施例３においてCCl4誘発慢性肝障害ラットにおけるLeu負荷時の血糖変化を示す図である。
●：グルコース＋Leu；■：グルコース＋生理食塩水。＊：ｐ<0.05。
【図４】図４は実施例３においてCCl4誘発慢性肝障害ラットにおけるLeu負荷時の血漿インスリン値の変化を示す図である。
●：グルコース＋Leu;■：グルコース＋生理食塩水。
【図５】図５は、実施例４においてCCl4誘発慢性肝障害ラットにおけるBCAA負荷時の血糖変化を示す図である。
●：グルコース＋BCAA;■：グルコース＋生理食塩水；＊：ｐ<0.05。
【図６】図６は、実施例４においてCCl4誘発慢性肝障害ラットにおけるBCAA負荷時の血漿インスリン値の変化を示す図である。
●：グルコース＋BCAA;■：グルコース＋生理食塩水。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel drug for abnormal glucose tolerance, and more particularly to a drug used for treating, improving, preventing (degrading) and / or preventing abnormal glucose tolerance, comprising a branched chain amino acid as an active ingredient. The drug of the present invention is in the form of pharmaceuticals (including liver disease drugs, nutrients, etc.), in the form of food and drink (including health foods), food supplements, etc., or in the form used for these. used.
[0002]
[Prior art]
It is known that abnormal glucose tolerance such as diabetes frequently appears in many patients with chronic liver disorders such as cirrhosis (see Exp. Clin. Endocrinol Diabetes (1995), 103, 63-74). The onset mechanism is thought to be due to insulin resistance in peripheral tissues due to some cause triggered by liver damage (see Hepatol. Res. (2000), 17, 93-101). .) In addition, it is considered dangerous to use existing anti-diabetic drugs easily for glucose tolerance abnormalities that frequently occur in patients with hepatic disorders, and there is actually no treatment or prevention method. Is the current situation. In other words, many of the typical insulin therapeutic agents, such as insulin secretagogues (SU agents), biguanides, or insulin resistance therapeutic agents (glitazone drugs) having a thiazolidine ring skeleton undergo metabolism in the liver. Control of the drug concentration in the body is extremely difficult, and there is a risk of causing serious phytotoxicity due to use of the drug, and its use is severely restricted.
[0003]
Under such circumstances, development of a particularly safe drug is required as a therapeutic or preventive agent for impaired glucose tolerance.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to provide a drug that effectively acts on abnormal glucose tolerance, which is difficult to treat with conventional pharmaceuticals.
[0005]
The present invention provides a method for treating, improving and / or preventing the above abnormalities by using a pharmaceutical preparation containing at least one kind of branched chain amino acid, or a food or drink (including food supplements).
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research to solve the above problems, the present inventors have administered or ingested branched chain amino acids such as leucine, isoleucine, and valine, and thus glucose tolerance in patients with impaired glucose tolerance, particularly in patients with liver disorders. The present inventors have found that performance abnormalities can be effectively improved and have completed the present invention.
[0007]
Although leucine is known to act on pancreatic β cells and have an insulin secretion promoting action (see Diabetes Mellitus: A fundamental And Clinical Text, Second Edition (2000)), the liver, which is the main target organ of insulin, The effect on insulin sensitivity in muscle and adipose tissue has not been known. In addition, leucine and other branched chain amino acids, isoleucine and valine, can be used as a mixture or alone to promote protein synthesis in liver, muscle, adipose tissue, which is the main target organ of insulin, or pancreatic β cells, which are insulin-producing organs. (See Biochem. J. (2000), 351 , 545-550), but the effects on insulin sensitivity are not known and diabetes pathology caused by peripheral insulin resistance The effect on was unknown.
[0008]
So far, the effectiveness of treatment or prevention of impaired glucose tolerance with branched-chain amino acids has been examined in studies using rodent model animals. For example, in
[0009]
In the present invention, it has been confirmed for the first time that a branched chain amino acid has such an improvement effect.
[0010]
That is, the present invention resides in a pharmaceutical composition for treating impaired glucose tolerance for treating a patient with hepatic disorder exhibiting insulin resistance, comprising only at least one branched chain amino acid of leucine, isoleucine and valine as an active ingredient.
[0011]
The drug of the present invention can be used in the form of any of pharmaceuticals, foods and drinks, and food supplements, or in the form used in any of them.
[0012]
Regarding the isomers of leucine, isoleucine and valine used as active ingredients in the present invention, any of L-form, D-form, and DL-form can be used, but the L-form is present from the viewpoint that it exists in nature. preferable.
[0013]
The drug of the present invention is used for treatment, improvement, prevention of progress, prevention, etc. of impaired glucose tolerance.
[0014]
The agent of the present invention is particularly effective for glucose tolerance abnormality associated with
[0015]
It is preferable to use a mixture of isoleucine, leucine and valine as an active ingredient in the drug of the present invention. In this case, the composition ratio (weight ratio) of isoleucine, leucine and valine should be such that isoleucine / leucine / valine = 1 / 1.9 to 2.2 / 1.1 to 1.3. Is more preferable.
[0016]
The chemical | medical agent of this invention can be conveniently used with the form used for food / beverage products, such as health food and a food supplement, or this.
[0017]
When used in the form of pharmaceuticals, foods and drinks (including health foods, food supplements, etc.), the drug of the present invention may be used in combination with other components as long as the object of the present invention is not impaired. it can. For example, auxiliary components that are usually contained in foods and pharmaceuticals such as vitamins and inorganic substances can be optionally added as necessary.
[0018]
When the drug of the present invention is used, it is desirable to contain all of isoleucine, leucine and valine as active ingredients in the drug. In this case, the daily dose (intake) is, for example, as isoleucine per day. 2.5-3.0 g, leucine 5.0-6.0 g, and valine 3.0-4.0 g can be administered or ingested.
[0019]
When calculating the dose (intake amount) of the active ingredient used in the present invention, as the active ingredient of the drug of the present invention (drug used for the purpose of treatment or prevention of disease abnormality targeted by the present invention) Since the above calculation range is determined, for branched-chain amino acids that are ingested or administered for other purposes, for example, due to the need for normal eating habits, or for the treatment of other diseases, this is calculated as described above. Need not be included.
[0020]
For example, it is not necessary to subtract the amount of isoleucine, leucine and valine per day taken from a normal diet from the daily dose of the active ingredient in the present invention.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
[0022]
The agent of the present invention can be used particularly in the form of pharmaceuticals (including liver disease drugs, nutritional agents, etc.) or in the form used for food and drink (including health foods, food supplements, etc.).
[0023]
In the present invention, “abnormal glucose tolerance” includes all abnormal states related to glucose metabolism. For example, the definition of this glucose intolerance is based on the criteria of the Japan Diabetes Association (see Diabetes 42 (5): 385-404, 1999). Blood glucose level is fasting value 110mg / dl or more, or 75g glucose tolerance test ( (OGTT) Although it is described as a pathological condition with a 2-hour value of 140 mg / dl or more, this description can be defined as the pathological condition (disease). This includes various diseases such as
[0024]
The drug of the present invention is particularly effective for the treatment, improvement and / or prevention of impaired glucose tolerance with liver damage, for which it is difficult to use conventional diabetes drugs. Moreover, as shown in the below-mentioned Example, the objective effect can be show | played by using at least 1 sort (s) of leucine, isoleucine, and valine as an active ingredient. Moreover, since an active ingredient is an amino acid, it is excellent in safety and can be easily used even in the form of food and drink (health food, etc.).
[0025]
As described above, the disease or disorder to which the drug of the present invention is applied (administered or ingested) is glucose intolerance, and the target of application of this drug is its prevention, improvement, progress (deterioration) prevention, treatment, etc. If it is, there will be no restriction | limiting in particular, However, It applies with the said various form with respect to a mammal, normally a human (patient, healthy person). It is extremely effective in the treatment, improvement and / or prevention of impaired glucose tolerance, such as diabetes with liver damage.
[0026]
There is no restriction | limiting in particular in the administration form (or ingestion form as a foodstuff) of the chemical | medical agent of this invention. Preferably, it can be orally administered (taken). In this case, the dose varies depending on the symptoms, age, and administration method of the patient to be administered, but is usually 1.0 to 30.0 g of isoleucine, 1.0 to 30.0 g of leucine, and 1.0 to 3 of valine. It is about 30.0 g. In the case of general adults, preferably, about 2.0 to 10.0 g of isoleucine, 2.0 to 10.0 g of leucine, and about 2.0 to 10.0 g of valine, more preferably 2.5 times of isoleucine per day. ˜3.0 g, leucine 5.0 to 6.0 g, and valine 3.0 to 4.0 g.
[0027]
On the other hand, parenteral administration (ingestion) such as infusion administration, injection administration (intravenous administration), etc. can also be carried out. In this case, the preferred dosage (intake amount) for the oral administration (intake) is as follows. ) About 10 to 20 times of the range can be administered (taken).
[0028]
When using the chemical | medical agent of this invention with the form of a pharmaceutical or food-drinks, it can prepare by a conventional method. In the case of a pharmaceutical product, various pharmacologically acceptable substances for preparation (as adjuvants) can also be included. The substance for the preparation can be appropriately selected depending on the dosage form of the preparation. For example, the excipient, the diluent, the additive, the disintegrant, the binder, the coating agent, the lubricant, the lubricant, the lubricant, and the flavoring agent. , Sweeteners, solubilizers and the like. Furthermore, specific examples of the pharmaceutical substance include magnesium carbonate, titanium dioxide, lactose, mannitol and other sugars, talc, milk protein, gelatin, starch, cellulose and derivatives thereof, animal and vegetable oils, polyethylene glycol, and solvents, Mention may be made, for example, of sterile water and mono- or polyhydric alcohols such as glycerol.
[0029]
In the present invention, it can be used together with other drug components (pharmaceutical active substances), for example, in combination or in combination. In such a case, the active ingredients intended in the present invention, preferably L-isoleucine, L-leucine and Any mixture of L-valine, particularly in the preferred ratio, that exhibits the desired pharmacological activity is included in the medicament of the present invention. In addition, each amino acid used for the active ingredient in this invention can also be used with the form of a salt, respectively about one part or all part.
[0030]
The agent of the present invention is in the form of various known or later developed pharmaceutical preparations as described above, and as described above, for example, various administrations such as oral administration, intraperitoneal administration, transdermal administration, intravenous administration, and inhalation administration. Can be prepared in form. In order to prepare the drug of the present invention in the form of these various pharmaceutical preparations, known or future developed methods can be appropriately employed.
[0031]
Examples of these various pharmaceutical preparation forms include, for example, suitable solid or liquid preparation forms such as granules, powders, coated tablets, tablets, (micro) capsules, suppositories, syrups, juices, suspensions, emulsions, drops. Agents, injectable solutions, formulations that prolong the release of the active substance, and the like.
[0032]
It goes without saying that the drug of the present invention in the preparation form exemplified above should contain an effective amount of the above-mentioned components to exert a medicinal effect. The fact that it should contain an amount of the above-mentioned components effective for medicinal effects is also applicable to use in foods and drinks.
[0033]
There is no particular difficulty in using the present invention for foods and drinks. For example, the present invention can be mixed with juice, milk, confectionery, jelly, etc. to eat and drink.
[0034]
When the drug of the present invention is used as a food supplement, it can be prepared in the form of tablets, capsules, powders, granules, suspensions, chewables, syrups and the like.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
[0036]
(Example 1) Blood glucose change during loading of rats and Leu
Chronic liver with 0.05% phenobarbital / Na water given to 7-week-old male SD rats and 0.5 ml / kg carbon tetrachloride subcutaneously in the back as a 50% olive oil solution twice a week for 15 weeks or more Damaged rats were produced. The experiment was fasted 17 hours before the start of the experiment, and 4 g / kg of glucose was orally administered 60 minutes before, and 1.5 g / kg of L-leucine (Leu) at the start of the experiment (0 minutes) or physiological saline as a control. . After the experiment was started, blood was collected over time from the tail vein at -60, 0, 30, 60, 90, and 150 minutes, and blood glucose was measured by an enzymatic method using Drychem 5000. The result is shown in FIG.
[0037]
As shown in FIG. 1, as a result of the glucose tolerance test (OGTT), the change in blood glucose level was kept low by oral administration of Leu, and an improvement in glucose tolerance was observed.
[0038]
(Example 2) Rat, blood glucose change during BCAA loading
Chronic liver with 0.05% phenobarbital / Na water given to 7-week-old male SD rats and 0.5 ml / kg carbon tetrachloride subcutaneously in the back as a 50% olive oil solution twice a week for 15 weeks or more Damaged rats were produced. The experiment was fasted 17 hours before the start of the experiment, and 4 g / kg of glucose was orally administered 60 minutes before, and 1.5 g / kg of a branched chain amino acid (BCAA) at the start of the experiment (0 minutes) or physiological saline as a control. . As BCAA, a mixture of L-isoleucine (Ile): L-leucine (Leu): L-valine (Val) = 1: 2: 1.2 (w / w) was used. After the start of the experiment, blood was collected over time from the tail vein at -60, 0, 30, 60, 90, 120, 180 and 240 minutes, and blood glucose was measured by an enzymatic method using Drychem 5000. The result is shown in FIG.
[0039]
As shown in FIG. 2, as a result of the glucose tolerance test (OGTT), the change in blood glucose level was kept low by oral administration of BCAA, and an improvement in glucose tolerance was observed.
[0040]
(Example 3) Blood glucose change during loading of rats and Leu
Chronic liver with 0.05% phenobarbital / Na water given to 7-week-old male SD rats and 0.5 ml / kg carbon tetrachloride subcutaneously in the back as a 50% olive oil solution twice a week for 15 weeks or more Damaged rats were produced. The experiment was fasted 17 hours before the start of the experiment, and 4 g / kg of glucose was orally administered 60 minutes before, and 1.5 g / kg of L-leucine (Leu) at the start of the experiment (0 minutes) or physiological saline as a control. . After the start of the experiment, blood was collected over time from the tail vein at -60, 0, 30, 60, 90, 120, 180, and 240 minutes, and blood glucose was measured by an enzymatic method using Drychem 5000. The result is shown in FIG.
[0041]
As shown in FIG. 3, as a result of the glucose tolerance test (OGTT), the change in blood glucose level was kept low by oral administration of Leu, and an improvement in glucose tolerance was observed. At this time, plasma insulin levels were measured using the Eliza method (insulin measurement kit; Morinaga Bioscience Institute). As shown in FIG. 4, there was no significant difference in insulin level between the Leu oral administration group and the physiological saline administration group.
[0042]
(Example 4) Rats, blood glucose changes during BCAA loading
Chronic liver with 0.05% phenobarbital / Na water given to 7-week-old male SD rats and 0.5 ml / kg carbon tetrachloride subcutaneously in the back as a 50% olive oil solution twice a week for 15 weeks or more Damaged rats were produced. The experiment was fasted 17 hours before the start of the experiment, and 4 g / kg of glucose was orally administered 60 minutes before, and 1.5 g / kg of a branched chain amino acid (BCAA) at the start of the experiment (0 minutes) or physiological saline as a control. . As BCAA, a mixture of L-isoleucine (Ile): L-leucine (Leu): L-valine (Val) = 1: 2: 1.2 (w / w) was used. After the start of the experiment, blood was collected over time from the tail vein at -60, 0, 30, 60, 90, 120, 180, and 240 minutes, and blood glucose was measured by an enzymatic method using Drychem 5000. The result is shown in FIG.
[0043]
As shown in FIG. 5, as a result of the glucose tolerance test (OGTT), the change in blood glucose level was kept low by oral administration of BCAA, and improvement in glucose tolerance was observed. At this time, plasma insulin levels were measured using the Eliza method (insulin measurement kit; Morinaga Bioscience Institute). As shown in FIG. 6, there was no significant difference in insulin level between the Leu oral administration group and the physiological saline administration group.
[0044]
From the above, it is clear that the drug containing the branched chain amino acid provided by the present invention is effective for the treatment and prevention of impaired glucose tolerance. In addition, since the active ingredient is a branched chain amino acid, it is highly safe and has almost no side effects. Therefore, it can be used in the form of foods and drinks, and is more useful than existing therapeutic agents for diabetes.
[0045]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION By this invention, the medicine suitable for treatment, improvement, prevention of progress, prevention, etc. of glucose tolerance abnormality, such as diabetes in a patient with diabetes or liver disorder, can be provided. Since it is excellent in safety, and since pharmaceuticals and active ingredients are branched chain amino acids, it is highly safe and has few side effects, so it is advantageous in use as compared with existing therapeutic agents for diabetes.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing changes in blood glucose during Leu loading in CCl 4 -induced chronic liver injury rats in Example 1. FIG.
●: LC / Leu; ○: LC / saline. LC: Liver cirrhosis.
2 is a graph showing changes in blood glucose during BCAA loading in CCl 4 -induced chronic liver injury rats in Example 2. FIG.
●: glucose + BCAA; ○: glucose + saline.
3 is a graph showing changes in blood glucose during Leu loading in CCl 4 -induced chronic liver injury rats in Example 3. FIG.
●: glucose + Leu; ■: glucose + saline. *: P <0.05.
4 is a graph showing changes in plasma insulin levels during Leu loading in CCl 4 -induced chronic liver injury rats in Example 3. FIG.
●: glucose + Leu; ■: glucose + saline.
FIG. 5 is a graph showing changes in blood glucose at the time of BCAA loading in rats with CCl 4 -induced chronic liver injury in Example 4.
●: glucose + BCAA; ■: glucose + saline; *: p <0.05.
6 is a graph showing changes in plasma insulin levels during BCAA loading in CCl 4 -induced chronic liver injury rats in Example 4. FIG.
●: glucose + BCAA; ■: glucose + saline.
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