JP3906131B2 - Door lock device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に用いられるドアロック装置に関するもので、より詳細には、アンロック状態とロック状態とに切り換わるロック機構をハウジングの内部に収容するとともに、ハウジングの外部からのキー操作によるキーシリンダの回転を回転駆動力としてロック機構に伝達する操作入力部を備えたドアロック装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
四輪自動車等の車両においては、ドアに設けたアウトサイドハンドルとラッチ機構との間にドアロック装置を設けてあるのが一般的である。ラッチ機構は、通常、ラッチとラチェットとを備えており、車両本体に対してドアを閉めた場合に、ラッチによって車両本体側のストライカを噛合保持し、さらにラチェットによってラッチとストライカとの噛合状態を保持することにより、車両本体に対してドアを閉状態に維持するように構成してある。ドアロック装置は、ドアの室外側に設けたキーシリンダのキー操作、あるいはドアの室内側に設けたインサイドロックボタンの操作によってアンロック状態とロック状態とに切り換わるロック機構を備えたもので、該ロック機構とキーシリンダとの間、並びにロック機構とインサイドロックボタンとの間が、それぞれリンクやワイヤ等の連係手段によって互いに連係してある。
【0003】
このドアロック装置は、アンロック状態にある場合、アウトサイドハンドルによる開ドア操作を有効化してラチェットに伝達し、該ラチェットがラッチに係合している場合にはこのラッチに対するラチェットの係合状態を解除するように機能する。この結果、ラッチとストライカとの噛合状態も解除されることになり、車両本体に対してドアを開動作させることができるようになる。
【0004】
一方、上記ドアロック装置は、ロック状態にある場合、アウトサイドハンドルによる開ドア操作を無効化してラチェットに伝達しない。この結果、アウトサイドハンドルを操作した場合にもラッチとストライカとが噛合状態に保持されることになり、車両を施錠することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにキーシリンダとロック機構との間を連係手段によって互いに連係させるようにしたドアロック装置によれば、ロック機構に対するキーシリンダの位置を変更した場合にも連係手段を新たに構成することで対応することができる。従って、例えばキーシリンダの位置が互いに異なる車両に対しても共通のドアロック装置を用いることができ、汎用性の点で有利となる。
【0006】
しかしながら、上記ドアロック装置にあっては、例えば悪意のある者がドアとガラスとの隙間から異物を挿入し、連係手段やロック機構と連係手段との連結部を直接操作した場合、ロック機構がロック状態からアンロック状態に切り換わってしまう虞れがある。つまり、防盗性の点で不利となる。
【0007】
このため昨今においては、ロック機構をハウジングの内部に収容させるとともに、ハウジングの外部からのキー操作によるキーシリンダの回転を回転駆動力としてロック機構に伝達する操作入力部を備えたドアロック装置も提供されている。操作入力部としては、キーシリンダから延在するキーロッドに対向する部位に該キーロッドの先端部と係合する入力軸部材を設けるとともに、この入力軸部材の回転をロック機構に伝達するキーレバーを設けたものが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【0008】
こうしたドアロック装置によれば、キーシリンダからロック機構に至るまでの間に、自己の軸心回りに回転するキーロッドが外部に露出するだけであるため、上述した防盗性の点できわめて有利となる。
【0009】
しかしながら、キーシリンダの位置が互いに異なる車両に対しては、該キーシリンダに応じた位置に操作入力部を備えた専用のドアロック装置が必要となり、汎用性の点で不利となる。特に、ロック機構を収容するハウジングにあっては、合成樹脂を型成形することによって構成したものが一般的であり、しかも、比較的大きな構造物となるため、これを専用のものとした場合、製造コストを著しく増大させる要因となる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−147084号公報
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みて、汎用性を高めて製造コストの低減を図るとともに、防盗性を向上させることのできるドアロック装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るドアロック装置は、アンロック状態となった場合にハンドルによる開ドア操作を有効化する一方、ロック状態となった場合にハンドルによる開ドア操作を無効化するロック機構と、前記ロック機構を内部に収容したハウジングと、前記ハウジングの外部からのキー操作によるキーシリンダの回転を回転駆動力として前記ロック機構に伝達し、該ロック機構をアンロック状態とロック状態とに切り換える操作入力部とを備えたドアロック装置において、前記ハウジングに前記操作入力部を複数の異なる位置に択一的に配置させるための収容部を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係るドアロック装置は、上記請求項1において、前記操作入力部は、前記収容部の各位置に対してそれぞれ自己の軸心回りに回転可能に配設され、前記キーシリンダの回転を回転駆動力として受入れる入力軸部材と、前記収容部の各位置に対応して前記入力軸部材を択一的に係合させるための複数の係合部を有し、前記入力軸部材の回転に伴って揺動するキーレバーとを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係るドアロック装置は、上記請求項1において、前記収容部に対して着脱可能、かつ収容部の各位置に配置した場合に前記ロック機構をアンロック状態とロック状態とに切り換える際の操作量が互いに同一であり、かつ形状が異なる操作入力部を複数用意し、これら複数の操作入力部を前記ハウジングの収容部に択一的に配置することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係るドアロック装置は、上記請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記ロック機構が、インサイドハンドルによって開ドア操作された場合には、ロック状態からアンロック状態に切り換わることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドアロック装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1であるドアロック装置を示したものである。ここで例示するドアロック装置は、四輪自動車の前席右側に配置された前方ヒンジのサイドドア(右ハンドル車においては運転席側のドアD)においてアウトサイドハンドル1とラッチ機構20との間に設けられるもので、主ケース2および副ケース3を備えている。これら主ケース2および副ケース3は、例えばそれぞれを合成樹脂によって成形したもので、互いに接合した後、ネジ等の締結手段(図示せず)によって相互に締結することによりハウジング10を構成する。なお、主ケース2と副ケース3との接合面には、O−リング4を介在させてあり、所望の水密性が確保してある(図8参照)。
【0018】
これら主ケース2および副ケース3によって構成されるハウジング10は、ドアDの左右方向に沿って延在するラッチ機構収容部11と、このラッチ機構収容部11の室内側に位置する端部からドアDの前後方向に沿って延在するロック機構収容部12とを備え、上方から見た場合にほぼL字状を呈している。
【0019】
ラッチ機構収容部11は、その高さ方向のほぼ中央となる位置に、室内側から室外側に向けて略水平に延在する水平切欠溝13を有したもので、上述したラッチ機構20を内部に収容している。
【0020】
ラッチ機構20は、従前のものと同様に、四輪自動車の車両本体側に設けたストライカSを噛合保持するためのもので、図5に示すように、ラッチ21とラチェット22とを備えて構成してある。
【0021】
ラッチ21は、ラッチ機構収容部11の水平切欠溝13よりも上方となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するラッチ軸23を介して回転可能に配設したもので、噛合溝21a、フック部21bおよび係止部21cを有している。
【0022】
噛合溝21aは、ラッチ21の外周面からラッチ軸23に向けて形成したもので、ストライカSを収容することのできる幅に形成してある。
【0023】
フック部21bは、噛合溝21aを下方に向けて開口させた場合に該噛合溝21aよりも室内側に位置する部分である。このフック部21bは、図5(c)に示すように、ラッチ21を反時計回りに回転させた場合にラッチ機構収容部11の水平切欠溝13を横切る位置で停止する(ラッチ位置)一方、図5(a)に示すように、ラッチ21を時計回りに回転させた場合に水平切欠溝13を開放する位置で停止する(開放位置)ように構成してある。
【0024】
係止部21cは、噛合溝21aを下方に向けて開口させた場合に該噛合溝21aよりも室外側に位置する部分である。この係止部21cは、図5(a)に示すように、ラッチ21を時計回りに回転させた場合に水平切欠溝13を横切り、かつこの水平切欠溝13の奥方(室外側)に向けて漸次上方に傾斜する状態で停止するように構成してある。なお、図には明示していないが、ラッチ21とラッチ機構収容部11との間には、図5においてラッチ21を常時時計回りに向けて付勢するラッチバネが設けてある。
【0025】
ラチェット22は、ラッチ機構収容部11の水平切欠溝13よりも下方、かつラッチ軸23よりも室内側となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するラチェット軸24を介して回転可能に配設したもので、係合部22aおよび作用部22bを有している。
【0026】
係合部22aは、ラチェット軸24から室外側に向けて径外方向に延在する部分であり、ラチェット22が図5において反時計回りに回転した場合にその突出端面を介して上述したラッチ21のフック部21bおよび係止部21cに係合することが可能である。
【0027】
作用部22bは、ラチェット軸24から室内側に向けて径外方向に延在する部分である。このラチェット22には、車両前側となる位置に当該ラチェット22とともに一体的となってラチェット軸24の軸心回りに回転するラチェットレバー25が設けてある。ラチェットバー25は、ラチェット軸24からラチェット22の作用部22bと同一方向に向けて延在した当接部25aを有したもので、連結ピン26によってラチェット22と連結してある。また、図には明示していないが、ラチェット22とラッチ機構収容部11との間には、図5においてラチェット22を常時反時計回りに向けて付勢するラチェットバネが設けてある。
【0028】
上記のように構成したラッチ機構20では、ドアDが車両本体に対して開成状態にある場合、図5(a)に示すように、ラッチ21が開放位置に配置されることになる。この状態からドアDを閉動作させると、車体本体側に設けたストライカSがラッチ機構収容部11の水平切欠溝13に進入し、やがてストライカSがラッチ21の係止部21cに当接することになる。この結果、ラッチ21がラッチバネ(図示せず)の弾性力に抗して図5において反時計回りに回転する。この間、ラチェット22は、ラチェットバネ(図示せず)の弾性力によって係合部22aの突出端面がラッチ21の外周面に摺接することになり、該ラッチ21の外周面形状に応じて適宜ラチェット軸24の軸心回りに回転する。
【0029】
上述した状態からさらにドアDを閉動作すると、水平切欠溝13に対するストライカSの進入量が漸次増大するため、ラッチ21が反時計回りにさらに回転するようになり、図5(b)に示すように、やがてラチェット22の係合部22aがラッチ21の噛合溝21aに至る。この状態においては、ラッチ21の係止部21cがラチェット22の係合部22aに当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗して当該ラッチ21の時計回りの回転が阻止されることになる。しかも、ラッチ21のフック部21bが水平切欠溝13を横切るように配置されるため、該フック部21bによってストライカSが水平切欠溝13から離脱する方向に移動する事態、つまりドアDの車両本体に対する開動作が阻止されるようになる(半ラッチ状態)。
【0030】
上述した半ラッチ状態からドアDをさらに閉動作させると、水平切欠溝13を進入するストライカSにより、係止部21cを介してラッチ21が反時計回りにさらに回転し、ストライカSが水平切欠溝13の奥方(室外側)に至る。この間、ラチェット22は、係合部22aの上面にラッチ21のフック部21bが当接することによりラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗して図5において時計回りに回転し、ラッチ21のフック部21bが通過した時点でラチェットバネ(図示せず)の弾性復元力により直ちに反時計回りに回転するようになる。この結果、図5(c)に示すように、ラッチ21のフック部21bがラチェット22の係合部22aに当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗して当該ラッチ21の時計回りの回転が阻止されることになる。この状態においても、ラッチ21のフック部21bが水平切欠溝13を横切るように配置されるため、該フック部21bによってストライカSが水平切欠溝13の奥方(室外側)から離脱する方向に移動する事態が阻止されるようになり、結局、ドアDが車両本体に対して閉じた状態に維持される(フルラッチ状態)。
【0031】
さらに、上述したフルラッチ状態からラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗してラチェット22の作用部22b、もしくはラチェットレバー25の当接部25aを図5において上方に回転させると、ラッチ21のフック部21bとラチェット22の係合部22aとの当接係合状態が解除され、ラッチ21がラッチバネ(図示せず)の弾性復元力により図5において時計回りに回転する。この結果、図5(a)に示すように、水平切欠溝13が開放され、ストライカSが水平切欠溝13から離脱する方向に移動可能となり、ドアDを車両本体に対して開動作させることができるようになる。
【0032】
一方、ハウジング10のロック機構収容部12には、図1〜図3に示すように、オープンレバー30、インナーハンドルレバー40およびロック機構500が収容してある。
【0033】
オープンレバー30は、ラッチ機構20のラチェット22よりもさらに下方となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するオープンレバー軸31を介して回転可能に配設したもので、オープン作用端部30a、オープン動作端部30bおよび受圧部30cを有している。
【0034】
オープン作用端部30aは、オープンレバー軸31から室外側に向けて径外方向に延在した部分であり、その延在端部がハウジング10の外部に突出している。このオープン作用端部30aにおいてハウジング10の外部に突出する部分には、ドアDに設けたアウトサイドハンドル1との間を連係するリンクやワイヤ等のアウトサイドハンドル連係手段32を接続してある。より詳細には、アウトサイドハンドル1を開ドア操作した場合に、オープンレバー30が図1において反時計回りに回転動作するようにアウトサイドハンドル連係手段32を接続してある。
【0035】
オープン動作端部30bは、オープンレバー軸31から室内側に向けて径外方向に延在した部分であり、その延在端部がハウジング10の内部においてラチェットレバー25における当接部25aの下方域に位置している。
【0036】
受圧部30cは、オープン動作端部30bとオープンレバー軸31との間においてオープンレバー30の下縁部から前方に向けて屈曲した部分である。なお、図には明示していないが、オープンレバー30とロック機構収容部12との間には、図1においてオープンレバー30を常時時計回りに向けて付勢するオープンレバーバネが設けてある。
【0037】
インナーハンドルレバー40は、オープンレバー30の下方域に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するインナーレバー軸41を介して揺動可能に配設したもので、インナー作用端部40aおよび押圧部40bを有している。
【0038】
インナー作用端部40aは、インナーレバー軸41から車両前方側に向けて下方に傾斜延在する部分であり、その延在端部がハウジング10の外部に突出している。このインナー作用端部40aにおいてハウジング10の外部に突出する部分には、ドアDの室内側に設けたインサイドハンドル5との間を連係するリンクやワイヤ等のインサイドハンドル連係手段42を接続してある。より詳細には、インサイドハンドル5を開ドア操作した場合に、インナーハンドルレバー40が図3において時計回りに揺動するようにインサイドハンドル連係手段42を接続してある。
【0039】
押圧部40bは、インナーハンドルレバー40を時計回りに揺動させた場合にオープンレバー30の受圧部30cに当接してこれを押圧する部分である。なお、図には明示していないが、インナーハンドルレバー40とロック機構収容部12との間には、図1においてインナーハンドルレバー40を常時反時計回りに向けて付勢するインナーレバーバネが設けてある。
【0040】
ロック機構500は、アウトサイドハンドル1の開ドア操作によるオープンレバー30の回転動作をラッチ機構20に伝達するアンロック状態(図3参照)と、アウトサイドハンドル1の開ドア操作によるオープンレバー30の回転動作をラッチ機構20に伝達しないロック状態(図4参照)とに切り換わるもので、主ケース2における副ケース3との対向面、つまり主ケース2において副ケース3によって覆われる面に、ロックレバー510、ウォームホイール520、リンクレバー530、コネクトレバー540およびキーサブレバー550を備えている。
【0041】
ロックレバー510は、オープンレバー30におけるオープン動作端部30bの側方域に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するロックレバー軸511を介して回転可能に配設したもので、リンク連結部512、ボタン連結部513およびドリブンギア部514を有している。
【0042】
リンク連結部512は、ロックレバー軸511から径外方向に延在する部分であり、その先端部に連結ピン515を備えているとともに、該連結ピン515とロックレバー軸511との間に連結用凹溝516を有している。連結ピン515は、ボタン連結部513の先端部において室内側に位置する面から車両本体の左右方向に沿って略水平に延在した部分である。連結用凹溝516は、ボタン連結部513において室外側に位置する面に形成した長孔状の凹部である。
【0043】
ボタン連結部513は、ロックレバー軸511からリンク連結部512とは逆方向に向けて径外方向に延在する部分である。このボタン連結部513には、ドアDの室内側に設けたインサイドロックボタン6との間を連係するリンクやワイヤ等のロックボタン連係手段517を接続してある。より詳細には、インサイドロックボタン6を施錠操作した場合に、ロックレバー510が図3において反時計回りに回転動作する一方、インサイドロックボタン6を解錠操作した場合に、ロックレバー510が図3において時計回りに回転動作するようにロックボタン連係手段517を接続してある。
【0044】
ドリブンギア部514は、図6に示すように、ロックレバー軸511を中心としてリンク連結部512およびボタン連結部513の間に扇形状に形成したもので、その外周面に一対の外側歯514a,514b、第1受動歯514cおよび第2受動歯514dを有している。これら一対の外側歯514a,514b、第1受動歯514cおよび第2受動歯514dは、ロックレバー軸511の延在方向に沿って互いに高さが異なる三段階の位置に設けてある。一対の外側歯514a,514bは、ドリブンギア部514の両側に設けたものであり、最も室内側となる位置に配設してある。第1受動歯514cは、一対の外側歯514a,514bの相互間において一方の外側歯514aに近接する位置に設けたものであり、ロックレバー軸511の延在方向に沿った中間位置に配設してある。第2受動歯514dは、他方の外側歯514bと第1受動歯514cとの間となる位置に設けたものであり、最も室外側となる位置に配設してある。
【0045】
ウォームホイール520は、ロックレバー510の側方域に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するウォーム軸521を介して回転可能に配設したもので、駆動モータ560の出力軸に固着したウォーム561に歯合している。このウォームホイール520には、同一軸心上に間欠歯車522を固着してある。間欠歯車522は、基本歯522a、一対の第1駆動歯522bおよび一対の第2駆動歯522cを有したもので、ドリブンギア部514に設けた一対の外側歯514a,514b、第1受動歯514cおよび第2受動歯514dとの間において一方向の動力伝達手段を構成している。すなわち、間欠歯車522の基本歯522a、一対の第1駆動歯522bおよび一対の第2駆動歯522cは、ドリブンギア部514の一対の外側歯514a,514b、第1受動歯514cおよび第2受動歯514dと同様に、ウォーム軸521の延在方向に沿って互いに高さが異なる三段階の位置に設けてあり、基本歯522aが外側歯514a,514bにのみ歯合し、第1駆動歯522bが第1受動歯514cにのみ歯合し、第2駆動歯522cが第2受動歯514dにのみ歯合するように構成してある。なお、図には明示していないが、ウォームホイール520とロック機構収容部12との間には、ウォームホイール520の間欠歯車522における基本歯522aがロックレバー軸511の軸心に向かう状態(以下、単に中立状態という)に維持するための中立復帰バネが設けてある。
【0046】
これらドリブンギア部514および間欠歯車522による動力伝達手段では、ロックレバー510を図3に示す位置(以下、単にアンロック位置という)から図4に示す位置(以下、単にロック位置という)まで反時計回りに回転させた場合、ドリブンギア部514の各歯514a,514b,514c,514dが間欠歯車522のいずれの歯522a,522b,522cにも歯合しないため、ウォームホイール520を回転させることはない。
【0047】
同様に、ロック位置からアンロック位置までロックレバー510を時計回りに回転させた場合にも、ウォームホイール520が回転することはない。
【0048】
これに対して、例えばウォームホイール520を図3に示す状態から時計回りに回転させた場合には、基本歯522aが外側歯514aに歯合した後、第1駆動歯522bが第1受動歯514cに歯合し、さらに第2駆動歯522cが第2受動歯514dに歯合することになり、ドリブンギア部514を介してロックレバー510を反時計回りに回転させてロック位置に変位させることになる。なお、ウォームホイール520の回転によってロックレバー510をアンロック位置からロック位置に変位させた後においては、もはや間欠歯車522によってロックレバー510を回転させることができず、中立復帰バネ(図示せず)の弾性復元力により、ロックレバー510を回転させることなくウォームホイール520が中立状態に復帰する。
【0049】
同様に、ウォームホイール520を図4に示す状態から反時計回りに回転させた場合には、基本歯522aが外側歯514bに歯合した後、第2駆動歯522cが第2受動歯514dに歯合し、さらに第1駆動歯522bが第1受動歯514cに歯合することになり、ドリブンギア部514を介してロックレバー510を時計回りに回転させてアンロック位置に変位させることになる。なお、ウォームホイール520の回転によってロックレバー510をロック位置からアンロック位置に変位させた後においては、もはや間欠歯車522によってロックレバー510を回転させることができず、中立復帰バネ(図示せず)の弾性復元力により、ロックレバー510を回転させることなくウォームホイール520が中立状態に復帰する。
【0050】
リンクレバー530は、その基端部に装着孔531を有したもので、該装着孔531にオープンレバー30のオープン動作端部30bを挿通させることにより、このオープン動作端部30bと共に上下動可能、かつ該オープン動作端部30bに対して車両本体の左右方向に沿った軸心回りに揺動可能に支承させてある。このリンクレバー530には、ロックレバー連結部532およびラチェット駆動部533を設けてある。
【0051】
ロックレバー連結部532は、装着孔531の軸心に対して径外方向に延在する部分であり、その延在端部に形成した連結用溝孔534にロックレバー510の連結ピン515を貫通させることにより、該ロックレバー510に連結してある。具体的には、上述したロックレバー510をアンロック位置に配置した場合、図3に示すように、リンクレバー530のロックレバー連結部532がほぼ鉛直上方に沿って延在する一方、ロックレバー510をロック位置に配置した場合、リンクレバー530が反時計回りに揺動し、図4に示すように、そのロックレバー連結部532が左斜め上方に向けて延在されるように連結してある。
【0052】
ラチェット駆動部533は、図3に示すように、上述したロックレバー510をアンロック位置に配置した場合、ラチェットレバー25における当接部25aの下方域に配置される一方、ロックレバー510をロック位置に配置した場合、図4に示すように、ラチェットレバー25における当接部25aの下方域から逸脱する位置に配置される部分である。
【0053】
コネクトレバー540は、ロック機構収容部12の上部に、車両本体の左右方向に沿って略水平に延在するコネクトレバー軸541を介して揺動可能に配設し、該コネクトレバー軸541から下方に向けて延在する部分である。このコネクトレバー540には、連結用凸部542および切換用受圧部543を設けてある。連結用凸部542は、コネクトレバー540の先端部において室内側に位置する面から車両本体の左右方向に沿って略水平に突出した円柱状部分であり、上述したロックレバー510の連結用凹溝516に装着してある。切換用受圧部543は、コネクトレバー540の基端部において室外側に位置する面に形成した段部であり、コネクトレバー軸541を中心とした径方向に沿って延在する2つの受圧面を有している。
【0054】
キーサブレバー550は、上述したコネクトレバー軸541を介して揺動可能に配設し、該コネクトレバー軸541から上方に向けて延在する部分である。このキーサブレバー550には、キーレバー連結孔551、ロック位置切換用突起552およびアンロック位置切換用突起553を設けてある。キーレバー連結孔551は、キーサブレバー550の先端部において該キーサブレバー550の延在方向に沿って形成した長孔である。ロック位置切換用突起552およびアンロック位置切換用突起553は、それぞれキーサブレバー550の基端部においてコネクトレバー軸541の中心から径外方向に延在した部分である。これらロック位置切換用突起552およびアンロック位置切換用突起553は、互いの間に上述したコネクトレバー540の切換用受圧部543を介在させた状態で設けてある。
【0055】
上記のように構成したロック機構500では、図3に示すアンロック状態にある場合、上述したように、リンクレバー530のラチェット駆動部533がラチェットレバー25における当接部25aの下方域に配置される。
【0056】
従って、アウトサイドハンドル1を開ドア操作し、オープンレバー30を図1において反時計回りに回転動作させれば、オープン動作端部30bの上動に伴ってリンクレバー530のラチェット駆動部533がラチェットレバー25の当接部25aを上動させることになり、ラッチ21のフック部21bとラチェット22の係合部22aとの当接係合状態が解除され、ドアDを車両本体に対して開動作させることができるようになる。
【0057】
因に、ロック機構500がアンロック状態にある場合には、インサイドハンドル5の開ドア操作によってもドアDを車両本体に対して開動作させることができる。すなわち、インサイドハンドル5を開ドア操作した場合には、インナーハンドルレバー40が図3において時計回りに揺動し、押圧部40bがオープンレバー30の受圧部30cを押圧することによって該オープンレバー30が図1において反時計回りに回転動作されることになり、上記と同様にラッチ21のフック部21bとラチェット22の係合部22aとの当接係合状態を解除することができる。
【0058】
このアンロック状態から、図3の二点鎖線で示すように、キーサブレバー550を時計回りに揺動させると、該キーサブレバー550のロック位置切換用突起552がコネクトレバー540の切換用受圧部543を押圧し、該コネクトレバー540を時計回りに揺動させることになる。コネクトレバー540が時計回りに揺動すると、連結用凸部542および連結用凹溝516を介して連結したロックレバー510が反時計回りに回転することになり、さらにこのロックレバー510の回転に伴ってリンクレバー530が反時計方向に揺動し、ロック機構500が図4に示すロック状態となる。
【0059】
このロック状態においては、アウトサイドハンドル1を開ドア操作し、オープンレバー30を図1において反時計回りに回転動作させた場合にも、リンクレバー530のラチェット駆動部533とラチェットレバー25の当接部25aとが互いに当接することがなく、ラッチ21のフック部21bとラチェット22の係合部22aとの当接係合状態も解除されない。この結果、ドアDが車両本体に対して閉じた状態に保持されることになり、車両を施錠することが可能になる。
【0060】
なお、本実施の形態1で適用するロック機構500では、ロック状態にある場合、インサイドハンドル5の開ドア操作によってもドアDが車両本体に対して閉じた状態に保持されることになる。しかしながら、ロック機構500としては、インサイドハンドル5の開ドア操作に伴ってインナーハンドルレバー40が図3において時計回りに揺動した場合に、該インナーハンドルレバー40の揺動によってアンロック状態に復帰させるようにした、いわゆるワンモーション機能を備えるものを適用しても構わない。このワンモーション機能を備えるロック機構を適用した場合には、ロック状態であっても、インナーハンドルレバー40を開ドア操作すれば、当該ロック機構がアンロック状態に復帰された後、ラッチ21のフック部21bとラチェット22の係合部22aとの当接係合状態を解除することができるようになる。
【0061】
また、図3に示すアンロック状態から図4に示すロック状態への移行に関しては、必ずしもキーサブレバー550の揺動に限らず、駆動モータ560によってウォームホイール520を時計回りに回転させた場合、あるいはインサイドロックボタン6の操作によってロックレバー510を直接反時計回りに回転させた場合、のいずれであっても行うことが可能である。
【0062】
上述したロック状態から、図4の二点鎖線で示すように、キーサブレバー550を反時計回りに揺動させると、該キーサブレバー550のアンロック位置切換用突起553がコネクトレバー540の切換用受圧部543を押圧し、該コネクトレバー540を反時計回りに揺動させることになる。コネクトレバー540が反時計回りに揺動すると、連結用凸部542および連結用凹溝516を介して連結したロックレバー510が時計回りに回転することになり、さらにこのロックレバー510の回転に伴ってリンクレバー530が時計回りに揺動し、ロック機構500が図3に示すアンロック状態となる。
【0063】
なお、図4に示すアンロック状態から図3に示すロック状態への移行に関しては、必ずしもキーサブレバー550の揺動に限らず、駆動モータ560によってウォームホイール520を反時計回りに回転させた場合、あるいはインサイドロックボタン6の操作によってロックレバー510を直接時計回りに回転させた場合、のいずれであっても行うことが可能である。
【0064】
一方、上記ドアロック装置は、ロック機構収容部12におけるキーサブレバー550の延在延長域となる位置にキーレバーユニット570を備えている。キーレバーユニット570は、ドアDに設けたキーシリンダKCからの操作入力部となるもので、図7に示すように、入力軸部材5710、キーレバー5720およびキャップ5730を備えて構成してある。
【0065】
入力軸部材5710は、キーシリンダKCから延在したキーロッドKRが係合するための部分であり、基部5711と嵌合部5712と軸部5713とを一体に形成してある。基部5711は、上端部が細径で基端部が太径の段付き円柱状を成しており、その軸心部分にキーロッドKRを装着するための装着穴5714を有している。装着穴5714は、基部5711の先端面に開口した有底の穴であり、例えばキーロッドKRの先端部が十字状に形成してある場合、これに嵌合するべく横断面が十字状となるように形成してある。嵌合部5712は、直方状を成す部分であり、基部5711の基端面に設けてある。この嵌合部5712の両側面には、それぞれ位置決め用の突条5715が設けてある。突条5715は、それぞれ基部5711の軸心に沿って延在した突出部であり、横断面が一様の角柱状を成している。軸部5713は、基部5711よりも細径の円柱状を成す部分であり、該基部5711と同一軸心上となる態様で嵌合部5712の下面に設けてある。
【0066】
キーレバー5720は、連結軸部5721と選択嵌合孔5722とを有している。連結軸部5721は、キーサブレバー550のキーレバー連結孔551に装着することのできる外径を有した円柱状を成すもので、キーレバー5720の先端部上面から突設してある。選択嵌合孔5722は、キーレバー5720の基端部に設けた矩形状の長孔であり、上述した入力軸部材5710の嵌合部5712を互いに異なる三位置に装着することのできる長さを有している。選択嵌合孔5722において、入力軸部材5710の嵌合部5712を装着させる各位置には、それぞれ突条5715に対応した矩形の位置決め用切欠5723が形成してある。
【0067】
キャップ5730は、後述する主ケース2の切換用長孔7を閉塞するための長丸状の蓋体である。本実施の形態1では、キャップ5730として2種類用意してある。すなわち、長丸の中心となる位置に嵌着孔5731を有した第1キャップ5730Aと、長丸の一端部に嵌着孔5731を有した第2キャップ5730Bとを用意してある。それぞれの嵌着孔5731は、上述した入力軸部材5710における基部5711の細径部分を嵌合することのできる大きさに形成してある。なお、各キャップ5730には、それぞれ主ケース2との間の接触部、並びに入力軸部材5710との間の接触部となる部位にO−リング5732,5733が設けてある(図8参照)。
【0068】
ハウジング10のロック機構収容部12において上述したキーレバーユニット570を装着する部分には、収容部として、切換用長孔7および軸部選択用穴8が互いに対向する態様で設けてある。切換用長孔7は、図3および図4に示すように、キーサブレバー550の延在方向に沿った長孔状を成すもので、室外側から見た場合、図2に示すように、車両後側から車両前側に向けて漸次下方に傾斜するように主ケース2に形成してある。軸部選択用穴8は、図7に示すように、入力軸部材5710の軸部5713を互いに異なる三位置に嵌合させ、かつそれぞれの嵌合位置において入力軸部材5710を回転可能に支承することのできる有底の穴であり、切換用長孔7の延在方向に沿う態様で副ケース3に形成してある。
【0069】
上述したキーレバーユニット570は、例えば図7および図8(a)に示すように、キーレバー5720の選択嵌合孔5722において最も連結軸部5721に近接する位置に入力軸部材5710の嵌合部5712を装着した後、該入力軸部材5710の軸部5713を副ケース3の軸部選択用穴8において最もキーサブレバー550に近接する位置に嵌合させるとともに、連結軸部5721をキーサブレバー550のキーレバー連結孔551に挿通させることにより、ロック機構500の操作入力部となる。さらに第2キャップ5730Bの嵌着孔5731に入力軸部材5710の基部5711における細径となった上端部を嵌合させるとともに、該第2キャップ5730Bを主ケース2の切換用長孔7に装着することにより、ハウジング10に所望の水密性が確保される。
【0070】
この図7および図8(a)に示すロック機構500においては、入力軸部材5710の装着穴5714にキーシリンダKCのキーロッドKRを装着すれば、キー操作によるキーシリンダKCの回転が入力軸部材5710の回転となって入力され、さらにこの入力軸部材5710の回転が、該入力軸部材5710の軸心を中心としたキーレバー5720の揺動となってキーサブレバー550に伝達されることになる。従って、キー操作によってキーシリンダKCを所望の方向に回転させることにより、ロック機構500をアンロック状態とロック状態とに切り換えることが可能になる。
【0071】
同様に、図8(b)に示すように、キーレバー5720の選択嵌合孔5722においてその中間となる位置に入力軸部材5710の嵌合部5712を装着した後、該入力軸部材5710の軸部5713を副ケース3の軸部選択用穴8において中間となる位置に嵌合させるとともに、連結軸部5721をキーサブレバー550のキーレバー連結孔551に挿通させた場合、あるいは図8(c)に示すように、キーレバー5720の選択嵌合孔5722において最も連結軸部5721から離隔する位置に入力軸部材5710の嵌合部5712を装着した後、該入力軸部材5710の軸部5713を副ケース3の軸部選択用穴8において最もキーサブレバー550から離隔する位置に嵌合させるとともに、連結軸部5721をキーサブレバー550のキーレバー連結孔551に挿通させた場合にも、キーレバーユニット570がロック機構500の操作入力部となり、キー操作によるキーシリンダKCの回転によってロック機構500をアンロック状態とロック状態とに切り換えることが可能になる。ただし、キーレバーユニット570を図8(b)に示す状態で使用する場合には、第1キャップ5730Aを適用し、図8(c)に示す状態で使用する場合には、180°回転させた第2キャップ5730Bを適用することで、図8(a)に示す状態で使用する場合と同様にハウジング10に所望の水密性が確保される。
【0072】
ここで、上記のように構成したドアロック装置によれば、ロック機構500、並びにこのロック機構500の操作入力部となるキーレバーユニット570がハウジング10の内部に収容され、キーシリンダKCからキーレバーユニット570およびロック機構500に至るまでの間に、自己の軸心回りに回転するキーロッドKRが外部に露出するだけであるため、防盗性の点できわめて有利となる。
【0073】
しかも、キーシリンダKCの位置が互いに異なる車両に対しても、キーレバーユニット570を図8(a)〜図8(c)のいずれかに組み換えることによって対応することができるため、つまりキーシリンダKCの位置が比較的低い車両に対しては、キーレバーユニット570を図8(a)に示す状態で使用し、キーシリンダKCの位置が比較的高い車両に対しては、キーレバーユニット570を図8(c)に示す状態で使用し、キーシリンダKCの位置がこれらの中間の高さにある車両に対しては、キーレバーユニット570を図8(b)に示す状態で使用することによって対応することができるため、それぞれに対して専用のドアロック装置を用意する必要がない。このため、汎用性の点でもきわめて有利となり、ドアロック装置の製造コスト、さらにはこのドアロック装置を適用する車両の製造コストを低減することが可能になる。
【0074】
なお、上述した実施の形態1では、操作入力部として、ハウジング10に対して着脱操作することにより、該ハウジング10に対して複数の異なる位置に配置させるキーレバーユニット570を例示しているが、例えばハウジング10の収容部に対して操作入力部をスライド可能に配設すれば、着脱操作を要することなく複数の異なる位置に配置させることも可能である。
【0075】
また、上述した実施の形態1では、ハウジング10に対してキーレバーユニット570を異なる三位置に配置させるようにしているが、キーレバーユニット570の配置位置は、必ずしも三位置である必要はなく、二位置であってもよいし、四以上の位置であってももちろんよい。
【0076】
さらに、上述した実施の形態1では、ハウジング10に対してキーレバーユニット570の高さおよび前後位置を変更するようにしているが、高さのみを変更するようにしてもよいし、前後位置のみを変更するようにしても構わない。
【0077】
またさらに、上述した実施の形態1では、ドアロック装置の適用対象として四輪自動車のドアDを例示しているが、四輪自動車以外の車両に設けられるドアであってもよい。また、車両の横面に設けられるドアに限らず、リアドアにももちろん適用可能である。さらに、前方ヒンジである必要もなく、上方ヒンジのドア、後方ヒンジのドア、下方ヒンジのドア、スライドドア等々、その他の態様で開閉するドアに適用しても構わない。
【0078】
(実施の形態2)
図9〜図12は、本発明の実施の形態2であるドアロック装置を示したものである。ここで例示するドアロック装置は、実施の形態1と同様に、四輪自動車の前席右側に配置された前方ヒンジのサイドドアDにおいてアウトサイドハンドル1とラッチ機構20との間に設けられるもので、ロック機構およびキーレバーユニットの構成のみが実施の形態1と異なる。従って、以下においては、ロック機構およびキーレバーユニットの構成に関してのみ詳述し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
【0079】
実施の形態2で適用するロック機構500は、実施の形態1と同様に、アウトサイドハンドル1の開ドア操作によるオープンレバー30の回転動作をラッチ機構20に伝達するアンロック状態と、アウトサイドハンドル1の開ドア操作によるオープンレバー30の回転動作をラッチ機構20に伝達しないロック状態とに切り換わるものであるが、主ケース2における副ケース3との対向面に、ロックレバー510、ウォームホイール520、リンクレバー530およびコネクトレバー540を備えて構成してある。つまり、実施の形態2のロック機構500は、キーサブレバーを含まず、後述する3組のキーレバーユニット580A,580B,580Cにそれぞれキーサブレバーを含ませるようにしている。
【0080】
3組のキーレバーユニット580A,580B,580Cは、それぞれドアDに設けたキーシリンダKCからの操作入力部となるもので、入力軸キーレバー5810A,5810B,5810C、キャップ5820A,5820Bおよびキーサブレバー5830A,5830Bを備えて構成してある。このうち、入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cに関しては、各キーレバーユニット580A,580B,580Cで個別のものを用意する一方、キャップ5820A,5820Bおよびキーサブレバー5830A,5830Bに関しては、それぞれ3組のキーレバーユニット580A,580B,580Cに対して2つ用意してある。
【0081】
3つの入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cは、それぞれキーシリンダKCから延在したキーロッドKRが係合するための部分であり、基部5811A,5811B,5811Cと軸部5812A,5812B,5812Cとキーレバー部5813A,5813B,5813Cとを一体に形成してある。基部5811A,5811B,5811Cは、上端部が細径で基端部が太径の段付き円柱状を成しており、その軸心部分にキーロッドKRを装着するための装着穴5814A,5814B,5814Cを有している。装着穴5814A,5814B,5814Cは、基部5811A,5811B,5811Cの先端面に開口した有底の穴であり、例えばキーロッドKRの先端部が十字状に形成してある場合、これに嵌合するべく横断面が十字状となるように形成してある。軸部5812A,5812B,5812Cは、基部5811A,5811B,5811Cよりも細径の円柱状を成す部分であり、該基部5811A,5811B,5811Cと同一軸心上となる態様で基部5811A,5811B,5811Cの下面に設けてある。キーレバー部5813A,5813B,5813Cは、基部5811A,5811B,5811Cの基端部周面から径外方向に向けて延在する部分であり、先端部に連結軸部5815A,5815B,5815Cを有している。連結軸部5815A,5815B,5815Cは、円柱状を成すもので、キーレバー部5813A,5813B,5813Cの先端部上面から突設してある。
【0082】
上記のような構成を有する3つの入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cは、基部5811A,5811B,5811Cおよび軸部5812A,5812B,5812Cが同一の寸法に構成してある一方、基部5811A,5811B,5811Cと連結軸部5815A,5815B,5815Cとの軸心相互間距離が互いに異なるように構成してある。以下においては、基部5811A,5811B,5811Cと連結軸部5815A,5815B,5815Cとの軸心相互間距離が小さいものから順に第1入力軸キーレバー5810A、第2入力軸キーレバー5810Bおよび第3入力軸キーレバー5810Cと適宜称する。
【0083】
図13は、3つの入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cの長さの関係を示すための説明図である。いま、副ケース3に設けた軸部選択用穴8において各嵌合位置のピッチをコネクトレバー軸541に近いものから順にP1、P2とし、かつコネクトレバー軸541と軸部選択用穴8においてコネクトレバー軸541に最も近接した嵌合位置との間の軸心相互間距離をCとすると、第1入力軸キーレバー5810A、第2入力軸キーレバー5810Bおよび第3入力軸キーレバー5810Cのそれぞれにおいて基部5811A,5811B,5811Cと連結軸部5815A,5815B,5815Cとの軸心相互間距離L1、L2、L3は、それぞれ下式(1)および(2)を満たす関係となるように設定してある。
L2={(C+P1)/C}L1…(1)
L3={(C+P1+P2)/C}L1…(2)
【0084】
キャップ5820A,5820Bは、図9〜図12に示すように、主ケース2の切換用長孔7を閉塞するための長丸状の蓋体であり、長丸の中心となる位置に嵌着孔5821Aを有した第1キャップ5820Aと、長丸の一端部に嵌着孔5821Bを有した第2キャップ5820Bとを用意してある。それぞれの嵌着孔5821A,5821Bは、上述した入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cにおける基部5811A,5811B,5811Cの細径部分を嵌合することのできる大きさに形成してある。なお、各キャップ5820A,5820Bには、それぞれ主ケース2との間の接触部、並びに入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cとの間の接触部となる部位にO−リング5822,5823が設けてある(図13参照)。
【0085】
キーサブレバー5830A,5830Bは、コネクトレバー軸541を介して揺動可能に配設し、該コネクトレバー軸541から上方に向けて延在する部分であり、長さの小さい第1キーサブレバー5830Aと長さの大きい第2キーサブレバー5830Bとを用意してある。各キーサブレバー5830A,5830Bには、それぞれキーレバー連結孔5831A,5831B、ロック位置切換用突起5832A,5832Bおよびアンロック位置切換用突起5833A,5833Bを設けてある。キーレバー連結孔5831A,5831Bは、キーサブレバー5830A,5830Bの先端部において該キーサブレバー5830A,5830Bの延在方向に沿って形成した長孔である。ロック位置切換用突起5832A,5832Bおよびアンロック位置切換用突起5833A,5833Bは、それぞれキーサブレバー5830A,5830Bの基端部においてコネクトレバー軸541の中心から径外方向に延在した部分である。これらロック位置切換用突起5832A,5832Bおよびアンロック位置切換用突起5833A,5833Bは、互いの間に上述したコネクトレバー540の切換用受圧部543を介在させた状態で設けてある。
【0086】
上述したキーレバーユニット580A,580B,580Cは、例えば図9および図12(a)に示すように、第1入力軸キーレバー5810Aの軸部5812Aを副ケース3の軸部選択用穴8において最もコネクトレバー軸541に近接する位置に嵌合させるとともに、第1キーサブレバー5830Aをコネクトレバー軸541に揺動可能に支承させ、さらに第1入力軸キーレバー5810Aの連結軸部5815Aを第1キーサブレバー5830Aのキーレバー連結孔5831Aに挿通させることにより、キーレバーユニット580Aがロック機構500の操作入力部となる。さらに第2キャップ5820Bの嵌着孔5821Bに第1入力軸キーレバー5810Aの基部5811Aにおける細径となった上端部を嵌合させるとともに、該第2キャップ5820Bを主ケース2の切換用長孔7に装着することにより、ハウジング10に所望の水密性が確保される。
【0087】
この図9および図12(a)に示すロック機構500においては、第1入力軸キーレバー5810Aの装着穴5814AにキーシリンダKCのキーロッドKRを装着すれば、キー操作によるキーシリンダKCの回転が第1入力軸キーレバー5810Aの回転となって入力され、さらにこの第1入力軸キーレバー5810Aの回転によるキーレバー部5813Aの揺動が第1キーサブレバー5830Aに伝達され、該第1キーサブレバー5830Aのロック位置切換用突起5832Aもしくはアンロック位置切換用突起5833Aを介してコネクトレバー540が揺動することになる。従って、キー操作によってキーシリンダKCを所望の方向に回転させることにより、ロック機構500をアンロック状態とロック状態とに切り換えることが可能になる。
【0088】
同様に、図12(b)に示すように、第2入力軸キーレバー5810Bの軸部5812Bを副ケース3の軸部選択用穴8において中間となる位置に嵌合させるとともに、第1キーサブレバー5830Aをコネクトレバー軸541に揺動可能に支承させ、さらに第2入力軸キーレバー5810Bの連結軸部5815Bを第1キーサブレバー5830Aのキーレバー連結孔5831Aに挿通させた場合、あるいは図12(c)に示すように、第3入力軸キーレバー5810Cの軸部5812Cを副ケース3の軸部選択用穴8において最もコネクトレバー軸541から離隔した位置に嵌合させるとともに、第2キーサブレバー5830Bをコネクトレバー軸541に揺動可能に支承させ、さらに第3入力軸キーレバー5810Cの連結軸部5815Cを第2キーサブレバー5830Bのキーレバー連結孔5831Bに挿通させた場合にも、それぞれのキーレバーユニット580B,580Cがロック機構500の操作入力部となり、キー操作によるキーシリンダKCの回転によってロック機構500をアンロック状態とロック状態とに切り換えることが可能になる。ただし、キーレバーユニット580Bを図12(b)に示す状態で使用する場合には、第1キャップ5820Aを適用し、キーレバーユニット580Cを図12(c)に示す状態で使用する場合には、180°回転させた第2キャップ5820Bを適用することで、図12(a)に示す状態で使用する場合と同様にハウジング10に所望の水密性が確保される。
【0089】
ここで、上記のように構成したドアロック装置によれば、ロック機構500、並びにこのロック機構500の操作入力部となるキーレバーユニット580A,580B,580Cがハウジング10の内部に収容され、キーシリンダKCからキーレバーユニット580A,580B,580Cおよびロック機構500に至るまでの間に、自己の軸心回りに回転するキーロッドKRが外部に露出するだけであるため、防盗性の点できわめて有利となる。
【0090】
しかも、キーシリンダKCの位置が互いに異なる車両に対しても、キーレバーユニット580A,580B,580Cを適宜選択して図12(a)〜図12(c)のいずれかに組み換えることによって対応することができるため、つまりキーシリンダKCの位置が比較的低い車両に対しては、キーレバーユニット580Aを図12(a)に示す状態で使用し、キーシリンダKCの位置が比較的高い車両に対しては、キーレバーユニット580Cを図12(c)に示す状態で使用し、キーシリンダKCの位置がこれらの中間の高さにある車両に対しては、キーレバーユニット580Bを図12(b)に示す状態で使用することによって対応することができるため、それぞれに対して専用のドアロック装置を用意する必要がない。このため、汎用性の点でもきわめて有利となり、ドアロック装置の製造コスト、さらにはこのドアロック装置を適用する車両の製造コストを低減することが可能になる。
【0091】
さらに、キーレバーユニット580A,580B,580Cとして上式(1)および(2)を満たすように3つの入力軸キーレバー5810A,5810B,5810Cの長さを設定してあるため、キーシリンダKCの位置に応じてキーレバーユニット580A,580B,580Cを変更した場合にも、キーシリンダKCの操作量が変化することなく互いに同一となる。
【0092】
なお、上述した実施の形態2では、ハウジング10に対して操作入力部を異なる三位置に配置させるようにしているが、操作入力部の配置位置は、必ずしも三位置である必要はなく、二位置であってもよいし、四以上の位置であってももちろんよい。
【0093】
また、上述した実施の形態2では、ハウジング10に対して操作入力部の高さおよび前後位置を変更するようにしているが、高さのみを変更するようにしてもよいし、前後位置のみを変更するようにしても構わない。
【0094】
さらに、上述した実施の形態2では、ドアロック装置の適用対象として四輪自動車のドアDを例示しているが、四輪自動車以外の車両に設けられるドアであってもよい。また、車両の横面に設けられるドアDに限らず、リアドアにももちろん適用可能である。さらに、前方ヒンジである必要もなく、上方ヒンジのドア、後方ヒンジのドア、下方ヒンジのドア、スライドドア等々、その他の態様で開閉するドアに適用しても構わない。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るドアロック装置によれば、ロック機構、並びに操作入力部をハウジングの内部に収容するようにしているため、防盗性の点できわめて有利となる。しかも、キーシリンダの位置が互いに異なる車両に対しても、専用のドアロック装置を要することなくハウジングに設けた収容部を選択することによって対応することができるため、汎用性の点でもきわめて有利となり、ドアロック装置の製造コスト、さらにはこのドアロック装置を適用する車両の製造コストを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるドアロック装置を車両前方側から見た図である。
【図2】図1に示したドアロック装置を室外側から見た図である。
【図3】図1に示したドアロック装置においてロック機構のアンロック状態を示す図である。
【図4】図1に示したドアロック装置においてロック機構のロック状態を示す図である。
【図5】(a)〜(c)はラッチ機構の動作を示す概念図である。
【図6】ロック機構の一部を拡大して示した図である。
【図7】操作入力部となるキーレバーユニットの分解斜視図である。
【図8】(a)〜(c)は図7に示したキーレバーユニットの断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2であるドアロック装置においてロック機構の第1態様を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2であるドアロック装置においてロック機構の第2態様を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2であるドアロック装置においてロック機構の第3態様を示す図である。
【図12】(a)〜(c)は実施の形態2のキーレバーユニットを示す断面図である。
【図13】図9〜図11に示した各キーレバーユニット構成部品の長さの関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 アウトサイドハンドル
2 主ケース
3 副ケース
4 O−リング
5 インサイドハンドル
6 インサイドロックボタン
7 切換用長孔
8 軸部選択用穴
10 ハウジング
11 ラッチ機構収容部
12 ロック機構収容部
13 水平切欠溝
20 ラッチ機構
21 ラッチ
21a 噛合溝
21b フック部
21c 係止部
22 ラチェット
22a 係合部
22b 作用部
23 ラッチ軸
24 ラチェット軸
25 ラチェットレバー
25a 当接部
30 オープンレバー
30a オープン作用端部
30b オープン動作端部
30c 受圧部
31 オープンレバー軸
32 アウトサイドハンドル連係手段
40 インナーハンドルレバー
40a インナー作用端部
40b 押圧部
41 インナーレバー軸
42 インサイドハンドル連係手段
500 ロック機構
510 ロックレバー
511 ロックレバー軸
512 リンク連結部
513 ボタン連結部
514 ドリブンギア部
514a,514b 外側歯
514c 第1受動歯
514d 第2受動歯
515 連結ピン
516 連結用凹溝
517 ロックボタン連係手段
520 ウォームホイール
521 ウォーム軸
522 間欠歯車
522a 基本歯
522b 第1駆動歯
522c 第2駆動歯
530 リンクレバー
531 装着孔
532 ロックレバー連結部
533 ラチェット駆動部
534 連結用溝孔
540 コネクトレバー
541 コネクトレバー軸
542 連結用凸部
543 切換用受圧部
550 キーサブレバー
551 キーレバー連結孔
552 ロック位置切換用突起
553 アンロック位置切換用突起
560 駆動モータ
561 ウォーム
570 キーレバーユニット
5710 入力軸部材
5711 基部
5712 嵌合部
5713 軸部
5714 装着穴
5715 突条
5720 キーレバー
5721 連結軸部
5722 選択嵌合孔
5723 位置決め用切欠
5730A 第1キャップ
5730B 第2キャップ
5731 嵌着孔
5732,5733 O−リング
580A,580B,580C キーレバーユニット
5810A,5810B,5810C 入力軸キーレバー
5811A,5811B,5811C 基部
5812A,5812B,5812C 軸部
5813A,5813B,5813C キーレバー部
5814A,5814B,5814C 装着穴
5815A,5815B,5815C 連結軸部
5820A,5820B キャップ
5821A,5821B 嵌着孔
5822,5823 O−リング
5830A,5830B キーサブレバー
5831A,5831B キーレバー連結孔
5832A,5832B ロック位置切換用突起
5833A,5833B アンロック位置切換用突起
D ドア
KC キーシリンダ
KR キーロッド
S ストライカ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a door lock device used in a vehicle, and more specifically, a lock mechanism that switches between an unlocked state and a locked state is housed inside a housing, and a key is operated by key operation from the outside of the housing. The present invention relates to an improvement of a door lock device including an operation input unit that transmits rotation of a cylinder as a rotational driving force to a lock mechanism.
[0002]
[Prior art]
In a vehicle such as a four-wheeled vehicle, a door lock device is generally provided between an outside handle provided on a door and a latch mechanism. The latch mechanism usually includes a latch and a ratchet, and when the door is closed with respect to the vehicle body, the striker on the vehicle body side is engaged and held by the latch, and the latched and striker is engaged by the ratchet. By holding, the door is kept closed with respect to the vehicle body. The door lock device is provided with a lock mechanism that switches between an unlocked state and a locked state by a key operation of a key cylinder provided on the outdoor side of the door or an inside lock button provided on the indoor side of the door. The lock mechanism and the key cylinder and the lock mechanism and the inside lock button are linked to each other by linkage means such as a link or a wire.
[0003]
When the door lock device is unlocked, the door opening operation by the outside handle is validated and transmitted to the ratchet, and when the ratchet is engaged with the latch, the ratchet is engaged with the latch. It works to release. As a result, the meshing state of the latch and the striker is also released, and the door can be opened with respect to the vehicle body.
[0004]
On the other hand, when the door lock device is in the locked state, the door opening operation by the outside handle is invalidated and is not transmitted to the ratchet. As a result, even when the outside handle is operated, the latch and the striker are held in an engaged state, and the vehicle can be locked.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, according to the door lock device in which the key cylinder and the lock mechanism are linked to each other by the linkage means as described above, the linkage means is newly configured even when the position of the key cylinder with respect to the lock mechanism is changed. You can respond by doing. Therefore, for example, a common door lock device can be used for vehicles having different key cylinder positions, which is advantageous in terms of versatility.
[0006]
However, in the door lock device, for example, when a malicious person inserts a foreign object through the gap between the door and the glass and directly operates the connecting means or the connecting portion between the locking mechanism and the connecting means, the locking mechanism There is a risk of switching from the locked state to the unlocked state. That is, it is disadvantageous in terms of anti-theft.
[0007]
Therefore, in recent years, a lock mechanism is housed inside the housing, and a door lock device provided with an operation input unit that transmits the rotation of the key cylinder by a key operation from the outside of the housing to the lock mechanism as a rotational driving force is also provided. Has been. As the operation input section, an input shaft member that engages with the tip of the key rod is provided at a portion facing the key rod extending from the key cylinder, and a key lever that transmits the rotation of the input shaft member to the lock mechanism is provided. The thing is common (for example, refer patent document 1).
[0008]
According to such a door lock device, the key rod that rotates about its own axis is only exposed to the outside during the period from the key cylinder to the lock mechanism, which is extremely advantageous in terms of the above-described anti-theft property. .
[0009]
However, for vehicles having different key cylinder positions, a dedicated door lock device having an operation input unit at a position corresponding to the key cylinder is required, which is disadvantageous in terms of versatility. In particular, the housing that houses the lock mechanism is generally constructed by molding a synthetic resin, and since it is a relatively large structure, when this is dedicated, It becomes a factor which increases manufacturing cost remarkably.
[0010]
[Patent Document 1]
JP 2002-147084 A
[0011]
In view of the above circumstances, an object of the present invention is to provide a door lock device capable of improving versatility and reducing the manufacturing cost and improving the anti-theft property.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The door lock device according to
[0013]
Further, the door lock device according to
[0014]
A door lock device according to a third aspect of the present invention is the door lock device according to the first aspect, wherein the lock mechanism is unlocked and locked when the door lock device is detachable from the housing portion and disposed at each position of the housing portion. When switching to the state The operation amount is the same and the shape is different A plurality of operation input portions are prepared, and the plurality of operation input portions are alternatively arranged in the housing portion of the housing.
[0015]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided the door lock device according to any one of the first to third aspects, wherein the lock mechanism is unlocked from the locked state when the open mechanism is operated by the inside handle. It is characterized by switching to a state.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Exemplary embodiments of a door lock device according to the present invention will be explained below in detail with reference to the accompanying drawings.
[0017]
(Embodiment 1)
1 to 4 show a door lock device according to Embodiment 1 of the present invention. The door lock device illustrated here is provided between the
[0018]
The
[0019]
The latch
[0020]
Like the conventional one, the
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
The locking
[0025]
The
[0026]
The engaging
[0027]
The
[0028]
In the
[0029]
When the door D is further closed from the above-described state, the amount of the striker S entering the
[0030]
When the door D is further closed from the half-latch state described above, the striker S entering the
[0031]
Further, when the
[0032]
On the other hand, as shown in FIGS. 1 to 3, an
[0033]
The
[0034]
The open action end 30 a is a portion extending radially outward from the
[0035]
The open
[0036]
The
[0037]
The
[0038]
The inner
[0039]
The
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
As shown in FIG. 6, the driven
[0045]
The
[0046]
In the power transmission means using the driven
[0047]
Similarly, when the
[0048]
On the other hand, for example, when the
[0049]
Similarly, when the
[0050]
The
[0051]
The lock
[0052]
As shown in FIG. 3, the
[0053]
The
[0054]
The
[0055]
In the
[0056]
Accordingly, when the
[0057]
In the meantime, when the
[0058]
When the
[0059]
In this locked state, even when the
[0060]
In the
[0061]
Further, regarding the transition from the unlocked state shown in FIG. 3 to the locked state shown in FIG. 4, it is not necessarily limited to the swinging of the
[0062]
When the
[0063]
Note that the transition from the unlocked state shown in FIG. 4 to the locked state shown in FIG. 3 is not necessarily limited to the swinging of the
[0064]
On the other hand, the door lock device includes a
[0065]
The
[0066]
The
[0067]
The cap 5730 is an oblong lid for closing the switching
[0068]
In the lock
[0069]
For example, as shown in FIGS. 7 and 8A, the
[0070]
In the
[0071]
Similarly, as shown in FIG. 8 (b), after the
[0072]
Here, according to the door lock device configured as described above, the
[0073]
In addition, even a vehicle in which the position of the key cylinder KC is different from each other can be dealt with by rearranging the
[0074]
In the first embodiment described above, the
[0075]
In the first embodiment described above, the
[0076]
Further, in the first embodiment described above, the height and front / rear position of the
[0077]
Furthermore, in
[0078]
(Embodiment 2)
9 to 12 show a door lock device according to
[0079]
As in the first embodiment, the
[0080]
The three sets of
[0081]
The three input shaft key levers 5810A, 5810B, 5810C are portions for engaging the key rod KR extending from the key cylinder KC, respectively, and the
[0082]
The three input shaft key levers 5810A, 5810B, and 5810C having the above-described configuration have the
[0083]
FIG. 13 is an explanatory diagram showing the relationship between the lengths of the three input shaft key levers 5810A, 5810B, and 5810C. Now, in the shaft
L2 = {(C + P1) / C} L1 (1)
L3 = {(C + P1 + P2) / C} L1 (2)
[0084]
As shown in FIGS. 9 to 12, the caps 5820 </ b> A and 5820 </ b> B are oblong lids for closing the switching
[0085]
The
[0086]
The
[0087]
In the
[0088]
Similarly, as shown in FIG. 12 (b), the
[0089]
Here, according to the door lock device configured as described above, the
[0090]
In addition, vehicles with different key cylinder KC positions can be dealt with by appropriately selecting the
[0091]
Further, since the lengths of the three input shaft key levers 5810A, 5810B, and 5810C are set so as to satisfy the above equations (1) and (2) as the
[0092]
In the second embodiment described above, the operation input unit is arranged at three different positions with respect to the
[0093]
Moreover, in
[0094]
Furthermore, in
[0095]
【The invention's effect】
As described above, according to the door lock device of the present invention, the lock mechanism and the operation input unit are accommodated in the housing, which is extremely advantageous in terms of the anti-theft property. Moreover, it is possible to cope with vehicles having different key cylinder positions by selecting a receiving portion provided in the housing without requiring a dedicated door lock device, which is extremely advantageous in terms of versatility. The manufacturing cost of the door lock device and the manufacturing cost of the vehicle to which the door lock device is applied can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view of a door lock device according to a first embodiment of the present invention as viewed from the front side of a vehicle.
FIG. 2 is a view of the door lock device shown in FIG. 1 as viewed from the outdoor side.
3 is a view showing an unlocked state of a lock mechanism in the door lock device shown in FIG. 1. FIG.
4 is a view showing a lock state of a lock mechanism in the door lock device shown in FIG. 1. FIG.
FIGS. 5A to 5C are conceptual diagrams showing the operation of the latch mechanism. FIGS.
FIG. 6 is an enlarged view of a part of the lock mechanism.
FIG. 7 is an exploded perspective view of a key lever unit serving as an operation input unit.
8A to 8C are cross-sectional views of the key lever unit shown in FIG.
FIG. 9 is a diagram showing a first mode of a lock mechanism in the door lock device according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram showing a second mode of the lock mechanism in the door lock device according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a diagram showing a third mode of the lock mechanism in the door lock device according to the second embodiment of the present invention.
12A to 12C are cross-sectional views showing a key lever unit according to a second embodiment.
FIG. 13 is a diagram for explaining the relationship between the lengths of the key lever unit components shown in FIGS. 9 to 11;
[Explanation of symbols]
1 Outside handle
2 Main case
3 secondary cases
4 O-ring
5 Inside handle
6 Inside lock button
7 Long hole for switching
8 Shaft selection hole
10 Housing
11 Latch mechanism housing
12 Locking mechanism housing
13 Horizontal notch
20 Latch mechanism
21 Latch
21a Meshing groove
21b Hook part
21c Locking part
22 Ratchet
22a Engagement part
22b Action part
23 Latch shaft
24 Ratchet shaft
25 Ratchet lever
25a Contact part
30 Open lever
30a Open action end
30b Open operation end
30c pressure receiving part
31 Open lever shaft
32 Outside handle linkage means
40 Inner handle lever
40a Inner working end
40b Pressing part
41 Inner lever shaft
42 Inside handle linkage means
500 Lock mechanism
510 Lock lever
511 Lock lever shaft
512 Link connection
513 Button connection part
514 Driven gear section
514a, 514b outer teeth
514c first passive tooth
514d Second passive tooth
515 Connecting pin
516 Groove for connection
517 Lock button link means
520 Worm wheel
521 Worm shaft
522 Intermittent gear
522a basic teeth
522b First drive tooth
522c second drive tooth
530 Link lever
531 Mounting hole
532 Lock lever connection
533 ratchet drive
534 Slot for connection
540 Connect lever
541 Connect lever shaft
542 Convex projection
543 Pressure-receiving part for switching
550 Key sub lever
551 Key lever connection hole
552 Lock position switching protrusion
553 Unlock position switching protrusion
560 drive motor
561 Warm
570 Key lever unit
5710 Input shaft member
5711 base
5712 Fitting part
5713 Shaft
5714 mounting hole
5715
5720 Key lever
5721 Connecting shaft
5722 Selective fitting hole
5723 Notch for positioning
5730A 1st cap
5730B Second Cap
5731 Insertion hole
5732, 5733 O-ring
580A, 580B, 580C Key lever unit
5810A, 5810B, 5810C Input shaft key lever
5811A, 5811B, 5811C Base
5812A, 5812B, 5812C Shaft
5813A, 5813B, 5813C Key lever part
5814A, 5814B, 5814C Mounting hole
5815A, 5815B, 5815C Connecting shaft
5820A, 5820B Cap
5821A, 5821B Fitting hole
5822, 5823 O-ring
5830A, 5830B Key sub-lever
5831A, 5831B Key lever connection hole
5832A, 5832B Lock position switching protrusion
5833A, 5833B Unlock position switching protrusion
D door
KC Key cylinder
KR key rod
S striker
Claims (4)
前記ロック機構を内部に収容したハウジングと、
前記ハウジングの外部からのキー操作によるキーシリンダの回転を回転駆動力として前記ロック機構に伝達し、該ロック機構をアンロック状態とロック状態とに切り換える操作入力部と
を備えたドアロック装置において、
前記ハウジングに前記操作入力部を複数の異なる位置に択一的に配置させるための収容部を設けたことを特徴とするドアロック装置。A lock mechanism that enables the open door operation with the handle when unlocked, while disabling the open door operation with the handle when in the locked state;
A housing containing the lock mechanism therein;
In a door lock device comprising: an operation input unit that transmits rotation of a key cylinder by a key operation from the outside of the housing to the lock mechanism as a rotational driving force, and switches the lock mechanism between an unlocked state and a locked state;
A door lock device, wherein the housing is provided with an accommodating portion for selectively disposing the operation input portion at a plurality of different positions.
前記収容部の各位置に対してそれぞれ自己の軸心回りに回転可能に配設され、前記キーシリンダの回転を回転駆動力として受入れる入力軸部材と、
前記収容部の各位置に対応して前記入力軸部材を択一的に係合させるための複数の係合部を有し、前記入力軸部材の回転に伴って揺動するキーレバーと
を備えることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。The operation input unit includes:
An input shaft member that is rotatably arranged about its own axis center with respect to each position of the housing portion, and receives the rotation of the key cylinder as a rotational driving force;
A key lever having a plurality of engaging portions for selectively engaging the input shaft member corresponding to each position of the housing portion, and swinging as the input shaft member rotates. The door lock device according to claim 1.
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