JP3904819B2 - 分散方法及び分散装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性液体中に添加剤を分散させる分散方法及び分散装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンタ,ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置においては、帯電ローラ、現像ローラ、転写ベルト、定着ローラ等の部品が用いられている。これらの部品は、主成分樹脂中に、抵抗制御、熱伝導性制御、耐久性向上、耐摩耗性向上等の目的のために様々な微小粒子状の添加剤が分散されて製造される。
【0003】
従来より、その分散方法としては、サンドミル攪拌分散方法、卓上型ボールミルを用いた分散方法、超音波分散方法、自転公転を利用した遠心攪拌分散方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サンドミル攪拌分散方法では、分散対象物(樹脂・添加剤混合物)が周囲に開放されるいわゆる開放系となり、外部環境温湿度の影響を受けやすいという不都合がある。高速回転による温度上昇を防止するために冷却装置を用いるが、その冷却装置で使用される冷却水が周囲湿度を上昇させてしまい、吸湿性の高い溶剤が使用できないという不都合もある。また使用したディスクやサンド、ボールは形状が複雑であるため、メンテナンスが大変であるという不都合もある。
【0005】
卓上型ボールミルを用いた分散方法では、分散対象物が封入される容器の回転数をあまり高くできないので、良好な散性能を得ることが難しい。
【0006】
超音波分散では、超音波発信子と分散対象物との位置関係を適切にしないとうまく分散できず、分散対象物の容量が大きい場合には適さない。
【0007】
遠心撹拌分散では、自転公転のための機構を必要とするために装置が複雑となってしまうという不都合がある。ITOや金属粉のような比重の大きな分散剤は分散後放置すると沈降してしまうという不都合もある。また高速回転をするために装置の発熱が大きく、熱硬化性樹脂等を長時間分散することができず、量産にも適さないという不都合もある。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、外部周囲の温湿度の影響を殆ど受けず、簡単な構造で、良好に、大容量の分散を行うことのできる分散方法及び分散装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の分散方法は、容器内に粘性液体と添加剤とを混入し、添加剤を粘性液体中に均一に分散させる分散方法において、回転軸を水平方向とする中空円筒形状の外側回転体の中空内面に、粘性液体と添加剤とが混入されて密閉された分散容器を載置し、外側回転体を回転させ、外側回転体の回転に連動して容器を回転させることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、外部周囲の温湿度の影響を殆ど受けず、簡単な構造で、良好に、大容量の分散を行うことができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の分散方法は、請求項1に記載の分散方法において、
分散容器が、外側回転体の中空内径以下の外径を有する円筒形状であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、分散容器が円筒形状なので、外側回転体の中空内面と転がり接触を保ちながら、滑らかに分散を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の分散方法は、請求項2に記載の分散方法において、表面に円周方向の螺旋溝が形成された円柱形状の回転子を分散容器内部に投入して密閉し、外側回転体を回転させることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、表面に円周方向の螺旋溝が形成された回転子も分散容器内に投入して密閉しているので、さらに分散性を向上させ又は分散時間を短縮することができる。
【0015】
請求項4に記載の分散方法は、請求項1乃至請求項3に記載の分散方法において、分散容器を加熱しつつ外側回転体を回転させることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、粘性樹脂の粘度を減少させて、分散性を向上させ又は分散時間を短縮することができる。
【0017】
請求項5に記載の分散方法は、請求項1乃至請求項4に記載の分散方法において、外側回転体の回転数を変化させつつ回転させることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、外側回転体の回転数を変化させるので、粘性液体と添加剤との状態が定常状態とならないように変化を与えつつ分散を促進することができる。また、粘性液体と添加剤とが遠心分離状態となって容器内壁に付着してしまうようなこともない。
【0019】
請求項6に記載の分散装置は、回転体を水平方向とする中空円筒形状の外側回転体と、内部に粘性液体と添加剤とが混入されて密閉され、前記外側回転体の中空内面に載置された円筒形状の分散容器と、前記外側回転体を回転させる回転手段と、前記分散容器内にその軸方向に沿って載置され、混入された前記粘性液体と前記添加剤に前記分散容器の軸方向に沿って攪拌力を与えるための円周方向の螺旋溝が表面に形成された円柱形状の回転子とを有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係る分散装置の実施の一形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1(a)及び図1(b)に、本発明に係る分散方法に用いられる分散装置の模式断面図を示す。図1(a)は側面断面図であり、図1(b)は正面断面図である。
【0022】
図1において、符号1は回転軸を水平方向とする中空円筒形状の外側回転体である。この外側回転体1には、ベルト8及びプーリ9を介して回転手段としてのモータ7が連結されていて、モータ7は図示しない制御手段により制御されて、回転数を変化させつつ外側回転体1を回転させることができる。
【0023】
外側回転体1の中空内面1aには、円筒形状の分散容器2が、その軸方向を外側回転体1の軸方向と一致させて載置されている。分散容器2の内部には、分散対象物としての粘性液体3と添加剤4とが混入され、さらに回転子5も投入されて密閉されている。
【0024】
粘性液体3は、例えば画像形成装置の帯電ローラや転写ベルト等の材料となるポリアミドイミド溶液等の熱可塑性樹脂原料等である。また、添加剤4は、抵抗制御や熱伝導性制御等の目的のために、粘性液体3に添加される微小粒子状物質であり、例えば、カーボンブラックや酸化チタン微紛等である。
【0025】
回転子5は、後述するように、外側回転体1の回転に伴って、分散容器2内で回転することにより粘性液体3と添加剤4との分散性を向上させるためのもので、表面に円周方向の螺旋溝が形成された略円柱形状の部材である。
【0026】
外側回転体1の外部近傍にはヒータ6が設けられていて、粘性液体3が熱可塑性を有する場合に、粘性液体3を加熱しその粘度を減少させて分散性を向上させる。
【0027】
次にこの分散装置を用いた分散方法について図面に基づいて説明する。
【0028】
図2はこの分散装置を用いた分散方法についてのフローチャートである。
【0029】
まず、分散容器2内に分散対象物としての粘性液体3と添加剤4とを混入する(S.1)。次に回転子5を、その軸方向を分散容器2の軸方向と一致させて投入する(S.2)。回転子5は、図3に示すように略円柱形状の部材であり、その表面には円周方向の螺旋溝5aが形成されている。この回転子5は、分散容器2が回転されつつ粘性液体3と添加剤4とが分散される際にその分散性を向上させるものであり、表面に形成された螺旋溝5aは、回転子5の回転とともに、粘性液体3と添加剤4とに軸方向の外力を与えるようになっている。
【0030】
分散容器2内に粘性液体3、添加剤4及び回転子5を入れた後、分散容器2を密閉する(S.3)。分散容器2を密閉することで、粘性液体3及び添加剤4は外部環境の温湿度等に影響を受けることが殆どなく、例えば吸水性の高い溶剤等を使用した場合にも、外部空気中の水分が吸収されて固形分率が変化してしまうのを防止することができる。また、密閉しているので、揮発性の高い溶剤等が揮発してしまう虞もない。
【0031】
分散容器2を密閉した後、その軸方向を外側回転体1の軸方向と一致させつつ外側回転体1の中空内面1aに載置する(S.4及び図1も参照)。それにより、分散容器2の軸方向及び回転子5の軸方向は、回転軸を水平方向とする外側回転体1の軸方向と平行となる。
【0032】
図1(b)に示すように、分散容器2は自重により外側回転体1の中空内面1aの底部に位置し、分散容器2内の粘性液体3、添加剤4、回転子5も分散容器2の内壁底部に位置する。
【0033】
次に、モータ7を駆動し、プーリ9、ベルト8を介して外側回転体1を回転させる(S.5)。外側回転体1の回転に伴って、その中空内面1aに載置された分散容器2は、中空内面1aと転がり接触を保ちつつ回転する。このとき分散容器2は、自重により外側回転体1の中空内面底部近傍に位置しつつ回転する。分散容器2が回転することにより、その内部に密閉された粘性液体3と添加剤4との分散が行われる。
【0034】
さらに、分散容器2の回転に伴って、その内部に密閉された回転子5も回転する。ここで、回転子5の外周表面には円周方向の螺旋溝5aが形成されているので、回転子5の回転により分散容器2内の粘性液体3と添加剤4とは軸方向にも攪拌力を与えられ、軸方向の分散ばらつきも抑えることができて、分散性をさらに向上させることができる。
【0035】
粘性液体3が熱可塑性樹脂原料である場合は、加熱して粘度を減少させて分散をさらに容易とするためにヒータ6に通電する(S.6)。
【0036】
公知のインバータ制御等の手段によって定期的に又は不定期にモータ7の回転数を変化させることにより、外側回転体1の回転数を変化させる(S.7)。外側回転体1の回転数を変化させることで、分散容器2内の粘性液体3と添加剤4との分散状態をも変化させることができ、分散ばらつきを有した状態のまま定常状態となってしまうのを防ぐことができて、分散性をさらに向上させることができる。
【0037】
なお、粘性液体3と添加剤4との分散においては、一般に分散容器2の回転数が高く、分散容器2内の粘性液体3と添加剤4とに働く遠心力が大きいほど分散性が向上する。
【0038】
図4に示すように、外側回転体1の中空内面1aの半径をR、回転数をωR、分散容器2の外形半径をrとすると、分散容器2の回転数ωrは、ωr=ωR×R/rで与えられる。
【0039】
また、分散容器2内の単位質量あたりの粘性液体3及び添加剤4に働く遠心力Frは分散容器2の、Fr=ωr2/r=ωR2×R2/rで与えられる。すなわち、ωR(外側回転体1の回転数)及びR/r(外側回転体1と分散容器2との半径比)を大きくするほど、分散容器2の回転数ωrを高くすることができ、粘性液体3及び添加剤4に働く遠心力Frも大きくすることができて、分散性を向上させることができる。
【0040】
さらに、分散容器2内の回転子5が分散容器2の回転に伴って容器内部で高速回転し、分散対象としての粘性液体3の各部に異なる回転力とせん断力とを与えるので、さらに分散性を向上させることができる。
【0041】
なお、分散容器2の外周表面には、外側回転体1の中空内面1aとの摩擦係数を上昇させるためにウレタンゴム、シリコンゴム等のゴム層が形成されていてもよい。
【0042】
また、本実施の形態においては、1つの分散容器を外側回転体の内部に載置したが、複数の異なる種類の粘性液体と添加剤との分散を行う場合は、図5(a)、(b)に示すように、複数の分散容器2’を直列状又は並列状に載置してもよい。このようにすることで、複数の分散容器に分け入れた粘性液体と添加剤との分散を同時に行うことができ、分散時間を短縮することができる。
【0043】
大量の粘性液体と添加剤との分散を行う場合には、分散容器を大型のものに容易に変更することもできる。
【0044】
また、例えばベルト成形用の金型等を外側回転体1として流用することができるので、装置のコストを削減することも可能である。
【0045】
[実施例1]
回転軸を水平方向とした旋盤状の横回転駆動装置(回転手段)の両端に送排気可能な通気口を有した保持具を取り付け、この保持具にアルミ材質の中空内径φ300mmの回転型(外側回転体)を取り付けられるようにする。また、回転型の外部には、遠赤外線の外部ヒータを取り付ける。
【0046】
あらかじめ空気と置換して窒素ガスを充填したφ80mm(容量500cc)のプラスチックの円筒容器(分散容器)にポリイミド前駆体ポリアミド酸の溶液(粘性液体)とカーボンブラック(添加剤)とを混入して密閉する。
【0047】
回転型の一端を保持具に固定し、他端から円筒容器を回転型内部に挿入した後に他端を保持具で固定した。
【0048】
回転を開始し、1000rpmの回転数で約30分間回転をさせ続けた。
【0049】
その後回転を停止させて回転型内部の円筒容器を取り出し、さらに円筒容器内部から分散済み溶液を取り出して平板上に1m×1mの広さに塗布し、加熱炉で乾燥硬化させて厚さ50μmの膜を得た。カーボンの分散ムラや凝集はなく外観も平滑で良好であり、抵抗値のばらつきは膜全域で1オーダー以内と良好であった。
【0050】
[実施例2]
あらかじめ空気と置換して窒素ガスを充填したφ80mm(容量500cc)のプラスチックの円筒容器(分散容器)にポリイミド前駆体ポリアミド酸の溶液(粘性液体)とカーボンブラック(添加剤)とを混入して密閉する。
【0051】
実施例1と同様の回転型(外側回転体)の一端を保持具に固定し、他端から円筒容器を回転型内部に挿入した後に他端を保持具で固定した。
【0052】
回転を開始し、一度2000rpmまで回転数を上げた後に100rpmまで回転数を下げ、その後周期的に2000rpmの回転数と100rpmの回転数とを繰り返しつつ約20分間回転させ続けた。
【0053】
その後回転を停止させて回転型内部の円筒容器を取り出し、さらに円筒容器内部から分散済み溶液を取り出して平板上に1m×1mの広さに塗布し、加熱炉で乾燥硬化させて厚さ50μmの膜を得た。カーボンの分散ムラや凝集はなく外観も平滑で良好であり、抵抗値のばらつきは膜全域で0.7オーダー以内と良好であった。
【0054】
[実施例3]
あらかじめ空気と置換して窒素ガスを充填したφ80mm(容量500cc)プラスチックの円筒容器(分散容器)に熱可塑性樹脂ポリアミドイミド溶液(粘性液体)と酸化チタン微粉(添加剤)とを混入して密閉する。
【0055】
実施例1と同様の回転型(外側回転体)の一端を保持具に固定し、他端から円筒容器を回転型内部に挿入した後に他端を保持具で固定した。
【0056】
回転を開始し、1000rpmの回転数で10分間〜30分間回転させ続けた。その際、外部に設けられた遠赤外線ヒータにより加熱しつつ回転させた場合と加熱しないで回転させた場合との分散状態を比較した。
【0057】
加熱した場合には、回転型の温度は100℃に設定して温度コントロールをした。
【0058】
回転を停止させて回転型内部の円筒容器を取り出し、さらに円筒容器内部から分散済み溶液を取り出してその状態を観察すると、加熱した場合は10分間の回転で酸化チタン微紛は均一に分散されていたが、加熱しない場合20分間の回転でもまだ不均一性が認められ、分散の均一性を得るためには30分間以上の回転を要した。
【0059】
均一分散した溶液を平板上に1m×1mの広さに塗布し、加熱炉で乾燥して厚さ50μmの膜を得た。導電剤(酸化チタン微紛)の分散ムラはなく外観も平滑で良好であり、抵抗値のばらつきは全域で0.5オーダー以内と良好であった。
【0060】
[実施例4−1]
あらかじめ空気と置換して窒素ガスを充填したφ80mm(容量500cc)のプラスチックの円筒容器(分散容器)に熱可塑性樹脂ポリアミド溶液(粘性液体)と酸化インジウム微粉(添加剤)とを混入して密閉する。
【0061】
実施例1と同様の回転型(外側回転体)の一端を保持具に固定し、他端から円筒容器を回転型内部に挿入した後に他端を保持具で固定した。
【0062】
回転を開始し、1000rpmの回転数で回転させ、外部に設けられた遠赤外線ヒータにより加熱しつつ10分間回転させ続けた。
【0063】
回転を停止させて回転型内部の円筒容器を取り出し、さらに円筒容器内部から分散済み溶液を取り出して平板上に1m×1mの広さに塗布し、加熱炉で乾燥して厚さ50μmの膜を得た。導電剤(酸化インジウム微紛)の分散ムラはなく外観も平滑で良好であり、抵抗値のばらつきは膜全域で0.5オーダー以内と良好であった。
【0064】
[実施例4−2]
上記の実施例4−1で均一分散した酸化インジウム分散溶液を、円筒容器中で一晩放置したところ、酸化インジウム粉末は容器底部に沈澱していた。容器上部の混濁液を実施例4−1と同様に塗布してみたところ、抵抗値は所定の4オーダー以上大きくなってしまった。
【0065】
そこで再び、その沈澱溶液を実施例4−1と同様の方法で分散させ、その後分散済み溶液を取り出して平板上に1m×1mの広さに塗布し、加熱炉で乾燥して厚さ50μmの膜を得た。この膜も、導電剤(酸化インジウム微紛)の分散ムラはなく外観も平滑で良好であり、抵抗値のばらつきは膜全域で0.5オーダー以内と良好となった。
【0066】
[実施例4−3]
上記の実施例4−1において、1000rpmの回転数で回転させ、ヒータにより加熱しつつ10分間回転させつづけた後、加熱を停止して100rpmの回転数で一晩連続運転した。
【0067】
その後回転を停止させて回転型(外側回転体)内部の円筒容器を取り出し、容器内の分散溶液を観察したところ、酸化インジウム粉末の沈澱は認められなかった。
【0068】
分散溶液を円筒容器内部から取り出して平板上に1m×1mの広さに塗布し、加熱炉で乾燥して厚さ50μmの膜を得た。導電剤(酸化インジウム微紛)の分散ムラはなく外観も平滑で良好であり、抵抗値のばらつきは膜全域で0.5オーダー以内と良好であった。
【0069】
[実施例5]
あらかじめ空気と置換して窒素ガスを充填したφ80mm(容量500cc)のプラスチックの円筒容器(分散容器)に熱可塑性樹脂ポリアミドイミド溶液(粘性液体)と酸化チタン微粉(添加剤)とを混入し、さらに表面に円周方向螺旋溝(深さ5mm幅5mm)が形成された円柱形状の回転子(外径φ20mm)を投入して密閉する。
【0070】
実施例1と同様の回転型(外側回転体)の一端を保持具に固定し、他端から円筒容器を回転型内部に挿入した後に他端を保持具で固定した。
【0071】
回転を開始し、1000rpmの回転数で回転させ、5分〜30分間回転させ続けた。
【0072】
回転を停止させて回転型内部の円筒容器を取り出し、容器内の分散溶液を観察したところ、ヒータによる加熱をしなくても10分間の回転で酸化チタン粉末は均一に分散されていた。さらにヒータにより加熱しつつ回転させた場合には、5分間の回転で均一に分散されていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る分散装置の概略構造を示す模式図であり、(a)は側方から見た断面図であり、(b)は正面から見た断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る分散装置を用いた分散方法を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態に係る分散装置に用いられる回転子の概略斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る分散装置の各部寸法関係等を説明するための正面断面模式図である。
【図5】 分散容器を複数使用した場合を示す斜視図であり、(a)は外側回転体の中空内面に、直列状に分散容器を載置した場合であり、(b)は外側回転体の中空内面に、並列状に分散容器を載置した場合である。
【符号の説明】
1…外側回転体
1a…中空内面
2…分散容器
3…粘性液体
4…添加剤
5…回転子
5a…螺旋溝
6…ヒータ
7…モータ(回転手段)
8…ベルト
9…プーリ
Claims (6)
- 容器内に粘性液体と添加剤とを混入し、該添加剤を前記粘性液体中に均一に分散させる分散方法において、
回転軸を水平方向とする中空円筒形状の外側回転体の中空内面に、前記粘性液体と前記添加剤とが混入されて密閉された分散容器を載置し、
前記外側回転体を回転させ、
前記外側回転体の回転に連動して前記容器を回転させることを特徴とする分散方法。 - 前記分散容器が、前記外側回転体の中空内径以下の外径を有する円筒形状であることを特徴とする請求項1に記載の分散方法。
- 表面に円周方向の螺旋溝が形成された円柱形状の回転子を前記分散容器内部に投入して密閉し、前記外側回転体を回転させることを特徴とする請求項2に記載の分散方法。
- 前記分散容器を加熱しつつ前記外側回転体を回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の分散方法。
- 前記外側回転体の回転数を変化させつつ回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の分散方法。
- 回転体を水平方向とする中空円筒形状の外側回転体と、
内部に粘性液体と添加剤とが混入されて密閉され、前記外側回転体の中空内面に載置された円筒形状の分散容器と、
前記外側回転体を回転させる回転手段と、
前記分散容器内にその軸方向に沿って載置され、混入された前記粘性液体と前記添加剤に前記分散容器の軸方向に沿って攪拌力を与えるための円周方向の螺旋溝が表面に形成された円柱形状の回転子とを有することを特徴とする分散装置。
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