JP3903524B2 - Electrolyzed water generator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続してアルカリ性水と酸性水を電解生成する電解槽と、水道原水やその浄水、あるいは電解槽で生成されたアルカリ性や酸性の電解水などの水質を電気化学的に測定する水質測定器とを設けて形成される電解水生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電解槽2と電気化学的水質測定器20とを設けた電解水生成装置1として、図10に示す構造のものが本出願人から提供されている。図10に示す電解水生成装置1は電解槽2、浄水装置3、電解質(電解促進剤)供給装置4などから構成されるいわゆるアルカリイオン整水器であり、電解槽2は隔膜5により、電極6が配置された電極室7と、電極8が配置された電極室9とに槽内部を区画して形成してある。
【0003】
そして水道水が一般に使用される原水は、まず浄水装置3を通して浄化される。浄水装置3は原水に含まれる有機物、無機物あるいは次亜塩素酸などの臭気成分を除去するものであり、通常、抗菌活性炭フィルタ及び中空糸膜などのマイクロフィルターにて構成されている。次に、浄水装置3から流出した浄水は、電極室9に連通した流入路11と、電極室7に連通した流入路10とに分流されて電解槽2に流入される。このように電解槽2の電極室7に流入される水には、電極室7の上流において接続された電解質供給装置4から電解を促進する電解質が連続的に供給されるようになっている。電解質としては乳酸カルシウムまたはグリセロリン酸カルシウムなどのカルシウム塩が使用される。
【0004】
上記のように電解槽2に水を連続的に流しながら、電極6に陽極の電解電圧を印加すると共に電極8に陰極の電解電圧を印加して電気分解することによって、電極室9にアルカリ性水(いわゆるアルカリイオン水)が、電極室7に酸性水(いわゆる酸性イオン水)が生成される。このように生成されたアルカリ性水は流出路12から、酸性水は流出路13から別々の流路を通って吐出される。
【0005】
尚、電解質供給装置4から電解質が陰極の電極室9に供給されると、電極室9から吐出されるアルカリ性水に電解質が混入するので、電極室7に流入する水にのみ電解質供給装置4から電解質が添加されるようにしてある。特に電解質として乳酸カルシウムを用いた場合には、乳酸イオンが前駆体となって揮発性の有機塩素化合物等が生成される可能性があるため、主として飲用等に使用されるアルカリ性水に乳酸イオンの混入を避ける必要がある。このため、電解質を添加した水を陽極の電極室7に流入させることによって、陰極の電極室9のアルカリ性水にはカルシウムイオンのみが添加され、乳酸イオンは電極室7の酸性水とともに排出されるようにしてある。ここで、アルカリ性水を生成する際に同時に生成される酸性水には乳酸イオンが添加されてアストリンゼント効果を有するので、アストリンゼントの目的に利用される。
【0006】
上記のようにして電解槽2で電気分解して得られたアルカリ性や酸性の電解水の水質は、電気分解のために供給した電気量に応じてpH値がファラデーの法則に従うため、従来では、電気分解に要した電気量から逆算して推定されていた。しかし、電解槽2で生成された電解水の水質は、電気分解のために供給した電気量の他に、電解槽2への水の通水流量、電解槽2での水の滞留時間、電解槽2への水の流入流量と電解槽2の容積の比などにも依存する。例えば電解槽2での水の滞留時間が長ければ長い程、電解効率が上がり、電解効率が100%に満たない場合(一般には連続通水式の電解水生成装置では電解効率は10%程度である)、電解された水と未電解の水との存在比率により生成された電解水の水質が変わることになる。また水に含まれている溶存成分、特に各種のイオン種や、炭酸水素イオンなどの緩衝性を有する溶存ガスなどによっても、電解後の水質が影響を受ける。
【0007】
このように、電解水生成装置で得られる電解水の水質は、電解槽2内での印加電圧は勿論、電解槽2に流入する水の量や原水水質等によっても大きな影響を受けるものであり、電気分解に要した電気量から逆算した推定値では水質を把握することができない。そこで、図12のように、電解槽2で生成されたアルカリ性水や酸性水の流出路12,13に電気化学的水質測定器20を設け、電解水の水質を直接、正しく測定することが行なわれている。
【0008】
ここで、電解槽2から流出する電解水は数cm/sec〜数10cm/sec程度の流速があり、電解水をリアルタイムで連続的に測定するには、測定に要する時間がタイムラグにならない測定原理で水質の計測を行なう必要があるが、電気化学的測定原理を利用した電気化学的水質測定器20は、作用電極(検知電極)を通過する検水溶液に直接接触して水質測定を行なうことが可能であり、従って、電解水生成装置1における水質測定手段としては電気化学的測定器20が最も適しており、このような電気化学的水質測定器20を用いてpH、酸化還元電位、各種イオン濃度を測定するようにしている。例えば、実開昭56−172391号公報に記載されている電解水生成装置には、電気化学的水質測定器としてpHセンサを設け、生成された電解水のpH値を表示するようにしてある。また、特開平5−64785号公報に記載されている電解水生成装置では、電気化学的水質測定器としてpHセンサを設け、pHセンサの出力信号に基いて、目標設定pH値に対するその偏差pHに対応した電解電圧や流量を増減させるフイードバック制御を行うようにしている。
【0009】
上記のような電気化学的測定原理を利用した水質測定器は、作用電極(検知電極)と比較電極で構成される電極を具備して形成されるものであり、水質変化による作用電極と比較電極の間の電位差あるいは電流変化を検知することによって、水質を測定するようにしたものであり、電気化学的水質測定器20の構造の概略を図7〜図9に示す。
【0010】
図7はpHセンサ、図8は酸化還元電位センサを示すものであり、電気化学的水質測定器20の本体部は、飽和もしくは3.3M(mol/L)の塩化カリウム溶液等の内部溶液16を封入する封入部18と、電解水が通水される検水溶液室19とで形成してある。封入部18と検水溶液室19との間に液絡部保持部材24が設けてあり、液絡部保持部材24にアルミナ系セラミックスなどの多孔質材で形成される液絡部(塩橋)22を保持させてある。尚、内部溶液16には塩化カリウムの安定な溶出及び結晶化防止のためにカルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤を添加することもある。比較電極部21の電極としては銀/塩化銀電極が通常使用され、比較電極部21は内部溶液16に浸漬してある。また検知用作用電極部28a,28bとしては、図7のpHセンサでは内部電極26aをガラス感応膜27内に封入したものとして形成してあり、また図8の酸化還元電位センサでは白金又は金などの不反応性金属電極26bを用い、白金線等のリード線44を被覆した熱収縮テフロンチューブ又はガラスなどの絶縁被覆部29の先端にこの電極26bを取り付けたものとして形成してある。この作用電極部28a,28bはその下部を液絡部保持部材24を通して検水溶液室19内に臨ませてある。
【0011】
また図9は図7のpHセンサと図8の酸化還元電位センサとを一体化させた構造のものであり、比較電極21をpHセンサと酸化還元電位センサとで共通して用い、pHと酸化還元電位の両方を測定することができるようにしたタイプのものである。
図7乃至図9において15は内部溶液補充口、30は流入口、31は流出口であり、検水である電解水は流入口30から検水溶液室19に入り、流出口31から流出するように検水溶液室19内を流れるようになっている。そして内部溶液16に浸漬される比較電極部21と検水溶液室19内において電解質と接触する作用電極部28a,28bとの間で発生した起電力は、増幅アンプで形成される増幅部14によって適宜の増幅率で増幅され、相当の電圧として出力されるようにしてあり、A/D変換された後に制御部に入力されるようになっている。pHセンサや酸化還元電位センサの場合には、起電力の値に応じて0〜5Vの電圧に増幅して出力するようにしてあるのが一般的である。増幅部14は電気化学的水質測定器20と一体化されている場合が多く、増幅部14を起動させるための電圧は電解水生成装置1から供給されるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような構造の電気化学的水質測定装置20を設けた電解水生成装置1には次のような3つの問題があった。
まず第1の問題を説明する。すなわち、電解槽2で水が電気分解されると、電極8が陰極の電極室9では
2H2 O+2e- →2OH- +H2
電極6が陽極の電極室7では
2H2 O→4H+ +O2 +4e-
2Cl- →Cl2 +2e-
の反応が起こり、アルカリ性水と酸性水が生成されると同時に、水素や酸素、塩素も発生し、水素や酸素はガス成分として電解水に含まれる。
【0013】
そしてこのようなガス成分の気泡を同伴した電解水を電気化学的水質測定装置20の検水溶液室19に通して計測する際に、特に検水溶液室19を通過する流量が少ないときには、ガス成分(水路に滞留していた気泡を含む)が気泡として検水溶液室19内に滞留するおそれがある。この気泡の滞留は、検水溶液室19内のうち流入口30よりも流出口31と反対側寄りの部分(図7〜図9にイ矢印で示す部分)において発生し易い。そしてこのように気泡が検水溶液室19内に滞留すると、比較電極部21を内部溶液16を介して検水である検水溶液室19内の電解水と電気的に導通させる塩橋の役割を果たす液絡部22が気泡の層で覆われて断線状態になり、計測が不能になるおそれがあるという問題が生じるものであった。
【0014】
次に第2の問題を説明すると、電気化学的水質測定装置20の検水溶液室19を通過する検水の流量が多い場合には、検水溶液室19内の内圧が上昇し、液絡部22に検水溶液室19側から水圧が作用して液絡部22に検水が浸入し、この結果、液絡部22の抵抗値が上昇して不斉電位が発生し、電気化学的水質測定装置20による水質の測定精度が影響を受けるおそれがあるという問題があった。
【0015】
さらに第3の問題を説明する。電気化学的水質測定器20が電解水のpH値を測定する図7や図9のタイプの場合、検知用作用電極部28bとして内部電極26aをガラス感応膜27内に封入したものが使用されている。このように形成される電気化学的水質測定器20を組み込んだ電解水生成装置1にあって、電解水生成装置1に通水していないときには電気化学的水質測定器20の検水溶液室19内に水が存在しない状態になり、この未通水の状態で長時間放置されると、作用電極部28bのガラス感応膜27の表面が乾燥する。そしてこのように作用電極部28bのガラス感応膜27の表面が乾燥すると、次回に電解水生成装置1に通水して電気化学的水質測定器20で電解水の水質を測定しようとするときに、測定の応答性が遅くなるという問題があった。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電気化学的水質測定器の検水溶液室内に気泡が滞留して水質の計測が不能になることを未然に防ぐことができると共に、電気化学的水質測定器の検水溶液室の内圧が上昇して水質の測定精度が影響を受けることを未然に防ぐことができる電解水生成装置を提供することを目的とするものであり、加えて未通水状態で長時間放置されても電極部のガラス感応膜の表面が乾燥状態になることを未然に防ぐことができる電解水生成装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水を電気分解することによりアルカリ性水と酸性水を生成し、この生成されたアルカリ性と酸性の電解水を各別に流出させる電解槽と、電解槽の下流側に配設され、電解槽で生成された電解水の少なくとも一方の水質を電気化学的に測定する電気化学的水質測定器とを具備して形成される電解水生成装置において、電気化学的水質測定器の電解水を通して水質を測定する検水溶液室に流入口と流出口を設け、流入口と流出口との間の水路が検水溶液室内で対角上に位置すると共に流入口が流出口より下側に位置するように流入口と流出口を配置し、流入口の開口面積を流出口の開口面積よりも小さく形成して成ることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項2の発明は、電気化学的水質測定器を検水溶液室にpHを測定するための作用電極部のガラス感応膜を設けて形成し、この検水溶液室に流入口をその開口が、ガラス感応膜の下端部より上側になるように設けて成ることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は電解水生成装置1の一例を示すものであり、電解槽2、浄水装置3、電解質供給装置4、水路切換弁32、及び電気化学的水質測定器20等をハウジング33に納めたものとして構成されている。浄水装置3は抗菌活性炭からなる濾過材34と中空糸膜からなる濾過材35とを備えたものであり、この2種類の濾過材34,35はそれぞれ単一のカートリッジに納めてあって、カートリッジごと交換することができるようにしてある。
【0020】
電解槽2内は、電極6が設置された電極室7と、電極8が設置された電極室9とに隔膜5で区画されており、底部側に流入路10,11を、上部側に流出路12,13を備えている。これら流出路12,13は、水路切換弁32を介して吐出管36,37に接続されている。ここにおいて、流入路10と流出路13は一方の電極6を囲む隔膜5内の電極室7に連通し、流入路11と流出路12は他方の電極8を囲む電極室9に連通しているのであるが、流入路10は流入路11よりも細くされていて、電極室7側に流れ込む流量が電極室9側に流れ込む流量より1:3乃至1:4位の比率で少なくなるように調整されている。また上記水路切換弁32は、流出路12と吐出管36とを連通させる時、流出路13と吐出管37とを連通させ、流出路12と吐出管37とを連通させる時、流出路13と吐出管36とを連通させるように電磁ロータリー弁もしくはモータ式切換弁で構成されている。
【0021】
また、水道蛇口42に接続した切り替えレバーユニット43と浄水装置3の間にはサーミスタ39と定流量弁41が接続され、また、浄水装置3と電解槽2の間には流量検知センサ38と電磁弁40とが配置されており、電磁弁40と上記流入路10、11を個別に接続する配管のうち、流入路10に至る管の途中に電解質供給装置4(カルシウム剤添加筒)が配置されている。電磁弁40は排水口44につながっており、電解水生成装置1への通水が停止されたことを流量検知センサ38によって検知されると一定時間後に電磁弁40が開いて、電解槽2内やその他の配管系内の残留水を排出口44から排出するようにしてある。前記の吐出管37の途中には、電気化学的水質測定器20が配置されている。この電気化学的水質測定器20については後で詳述する。
【0022】
次に水道水から電解水を生成させるときの水の流れについて説明する。水道蛇口42に接続した切り替えレバーユニット43を、浄水装置3側に水が流れるように切り換えると、浄水装置3及び電解質供給装置4を通して流入路10、11から電解槽2内に水が導入され、電気分解されるわけであるが、電解槽2内の電解電圧の印加は通水が流量検知センサ38により検知された場合に開始されるようにしてある。
【0023】
そして、アルカリ性水を得たい旨の指示がなされているならば、電解槽2の電極6が陽極に、電極8が陰極となるように電解電圧が印加され、電極室9でアルカリ性水が、電極室7で酸性水が生成され、流出路12側にアルカリ性水が、流出路13側に酸性水が得られる。このとき水路切換弁32は流出路12と吐出管37とを連通させると共に流出路13と吐出管36とを連通させる状態に設定されており、アルカリ性水が吐出管37側に吐出されて飲用等に利用され、酸性水は吐出管36側に吐出される。
【0024】
また酸性水が得たい旨の指示がなされているときは、指示された酸性水の電解度合に応じて次の2つの水の流れとなる。先ず、弱酸性水の場合には、電解槽2内の電極6が陰極に、電極8が陽極になるように電解電圧が印加され、電極室7でアルカリ性水が、電極室9で酸性水が生成され、流出路13側にアルカリ性水が、流出路12側に弱酸性水が得られる。このとき、水路切換弁32は上記と状態と同じに設定されており、弱酸性水が吐出管37に吐出されてアストリンゼント水等として利用され、アルカリ性水は吐出管36側に吐出される。
【0025】
強酸性イオン水の場合は、電解槽2内の電極6が陽極に、電極8が陰極となるように電解電圧が印加され、電極室7で酸性水が、電極室9でアルカリ性水が生成され、流出路12側にアルカリ性水が、流出路13側に強酸性水が得られる。この時、水路切替弁32は流出路12と吐出管36とを連通させると共に流出路13と吐出管37とを連通させる状態に切り替えられており、強酸性水が吐出管37に吐出されて殺菌等に利用され、アルカリ性水は吐出管36側に吐出される。このように、強酸性水を吐出管37から吐出させる場合に、電極6を陽極として電極室7で酸性水を生成させるのは、前述のように、電極室7側への流入路10を電極室9側の流入路11より絞って水の流入量を少なくしているために、電極室7内で強酸性水を得ることが容易となっているためである。
【0026】
上記のように電解槽2で生成されて吐出管37より吐出される電解水は、電解槽2と吐出管37との間に配置される電気化学的水質測定器20によって水質が測定される。電気化学的水質測定器20の一例として、電解水のpHと酸化還元電位の両方を測定するタイプのものを図6に示す(既述の図9のものと同様な構成を有する)。この電気化学的水質測定器20は電位差検出方式の電気化学センサであり、図6ではpHと酸化還元電位を測定するタイプのもので説明するが、各種イオン濃度や溶存ガスなどの水中溶存成分を測定するものも同様である。電気化学的水質測定器20の下部内には、封入部18と検水溶液室19とを仕切るように液絡部保持部材24が設けてあり、液絡部保持部材24にアルミナ系セラミックスなどの多孔質材で形成される液絡部(塩橋)22を保持させてある。封入部18には飽和もしくは3.3M(mol/L)の塩化カリウム(KCl)溶液等の内部溶液16が封入してあり、この内部溶液16にはKClの安定な溶出のために溶液粘度が4000cps以上(通常は10000cps程度が好ましい)となるようにカルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤が添加してある。比較電極部21は電極を銀/塩化銀電極で形成してあり、内部溶液16に浸漬してある。図6において15は内部溶液補充口、30は検水溶液室19の下部に設けた流入口、31は検水溶液室19の上部に設けた流出口であり、検水である電解水は流入口30から検水溶液室19の下部内に入り、上部の流出口31から流出するように検水溶液室19内を流れるようになっている。
【0027】
また作用電極部28bは、pHを測定するためのガラス感能膜27や半導体などによるpH測定用電極であり、作用電極部28aは酸化還元電位を測定するための白金または金などによる酸化還元電位測定用の不反応電極であり、いずれも下部が検水溶液室19内に位置するように設置してある。尚、作用電極部28aには白金線のガラス封入などにより絶縁被覆部29を設けてもよく、また白金線は熱収縮性テフロンチューブにより絶縁被覆して絶縁被覆部29を設けるようにしてもよい。
【0028】
上記のように図7の電気化学的水質測定器20では電極が検知用作用電極28a,28bと比較電極21、及び液絡部22とで構成され、検水溶液室19に通水される電解水の水質変化に伴う作用電極28a,28bと比較電極21との間の電位差の変化を検出するものである。そしてこのように電気化学的水質測定器20で発生した起電力は、電気化学的水質測定器20の上部に設けた増幅器(アンプ)で形成される増幅部14で所定の増幅率で増幅されることによって、相当の電圧として換算されて出力され、さらにA/D変換回路等で形成されるA/D変換部50でA/D変換された後に、制御部51に入力されるようになっている。ここではpH又は酸化還元電位の測定であれば、その値に応じて0〜5Vの電圧を出力するように増幅率が設定されている。尚、図6のものでは増幅部14の起動のための電圧として±12Vを印加するものとしてある。
【0029】
制御部51はマイクロコンピュータにて構成された制御回路で形成してある。制御部51内にはA/D変換部50を一体に組み込んであり、制御部51はA/D変換部50を介して電気化学的水質測定器20の増幅部14に接続するようにしてある。さらに制御部51には表示部52が接続してあり、制御部51に入力されたpHや酸化還元電位のデータに基づいて、表示部52にpH値や酸化還元電位値が表示されるようになっている。また制御部51には既述の流量検知センサ38が接続してある。ここで、制御部51は、電解槽2の電極6,8に印加する電解電圧をPMW制御により制御することができるように構成されているものであり、また電解槽2で生成する電解水の目標pH値と、電気化学的水質測定器20で測定される電解水のpH値との比較回路を内蔵しており、電解水の実測pH値が目標pH値に一致するように、電極6,8に印加する電解電圧のフィードバック制御が行なわれるようにしてある。例えば、電気化学的水質測定器20で測定される電解水のpH値の変動が±0.1pH以内の状態が2秒間連続する状態まで追い込むようにフィードバック制御するようにしてあり、この状態になった時点を安定としている。
【0030】
ここで、図2は電気化学的水質測定器20の一例を拡大して示し、図3はその検水溶液室19をさらに拡大して示すものであるが、流入口30は検水溶液室19の一方の端部の底面に開口させて設けてあり、流出口31は検水溶液室19の他方の端部の上端部に開口させて設けてある。電解槽2で生成された電解水は流入口30から検水溶液室19内に流入し、検水溶液室19内を流れる間に水質を測定された後に、流出口31から流出するが、このように検水溶液室19の一方の端部に流入口30を、他方の端部に流出口31を設け、流入口30を流出口31より下側に位置させるようにすることによって、流入口30から流出口31へと検水溶液室19内を流れる水路は検水溶液室19の一方の端部の下部から他方の端部の上端部へと検水溶液室19内の対角上に形成されることになり、図7〜図9にイ矢印で示すような気泡が滞留する流路バイパスとなる部分が生じず、水とともに流入口30から検水溶液室19に流入した気泡は水の流れに従って流出口31から流出する。従って、検水溶液室19を通過する流量が少ないときにも気泡が検水溶液室19内に滞留することがなくなり、電気的に導通させる塩橋の役割を果たす液絡部22が気泡の層で覆われることを防ぐことができるものであり、気泡の影響を受けることなく水質の測定を安定して行なうことができるものである。
【0031】
また、上記のように、流入口30は検水溶液室19の一方の端部の底面に、流出口31は検水溶液室19の他方の端部の上端部にそれぞれ開口させて設けてあるが、さらに、流入口30の開口面積が流出口31の開口面積よりも小さくなるように、流入口30と流出口31を形成してある。
【0032】
このものでは上記と同様に気泡が検水溶液室19内に滞留することを防ぐことができるのは勿論、検水溶液室19を通過する流量が多い場合でも、流入口30の開口面積が流出口31の開口面積よりも小さいので、検水溶液室19の内圧が上昇することを防ぐことができる。従って液絡部22に検水溶液室19側から水圧が作用して液絡部22に検水が浸入することを防止して、液絡部22の抵抗値が上昇して不斉電位が発生することを防ぐことができ、水質の測定精度に影響が出ないようにすることができるものである。
【0033】
さらに、図4は電気化学的水質測定器20の一例を拡大して示し、図5はその検水溶液室19をさらに拡大して示すものであるが、図2,図3の場合と同様に、流入口30は検水溶液室19の一方の端部に、流出口31は検水溶液室19の他方の端部の上端部にそれぞれ設けると共に、流入口30の開口が流出口31の開口より下側に位置するようにしてあり、また図2,図3の場合と同様に流入口30の開口面積が流出口31の開口面積よりも小さくなるようにしてある。そしてこのものでは、流入口30を検水溶液室19内にその底面から上方へ立ち上がるように形成してあり、流入口30の開口30aが検水溶液室19の底部よりも上側に位置するようにしてある。流入口30の開口30aの位置は、流出口31の開口より下側で且つ、検水溶液室19に設けられたpHを測定するための作用電極部28bのガラス感能膜27の下端部より上側になるように設定してある。
【0034】
このものでは上記と同様に気泡が検水溶液室19内に滞留することを防ぐことができると共に検水溶液室19の内圧が上昇することを防ぐことができるのは勿論、電解水生成装置1への通水が停止されて電解水生成装置1内の水が排出されたときでも、電気化学的水質測定器20の検水溶液室19内には流入口30の開口30aの高さ位置まで水が溜まっている(検水溶液室19内の水位を図7に鎖線で示す)。従って、この未通水の状態で長時間放置されても、作用電極部28bのガラス感応膜27は検水溶液室19内に滞留する水に浸漬されており、ガラス感応膜27の表面が乾燥状態になることがなく、作用電極部28bのガラス感応膜27の表面が乾燥した場合に生じる、次回に電解水生成装置1に通水して電気化学的水質測定器20で電解水の水質を測定しようとするときに測定の応答性が遅くなるという問題が解消されるものである。
【0035】
【発明の効果】
上記のように本発明は、水を電気分解することによりアルカリ性水と酸性水を生成し、この生成されたアルカリ性と酸性の電解水を各別に流出させる電解槽と、電解槽の下流側に配設され、電解槽で生成された電解水の少なくとも一方の水質を電気化学的に測定する電気化学的水質測定器とを具備して形成される電解水生成装置において、電気化学的水質測定器の電解水を通して水質を測定する検水溶液室に流入口と流出口を設け、流入口と流出口との間の水路が検水溶液室内で対角上に位置すると共に流入口が流出口より下側に位置するように流入口と流出口を配置するようにしたので、水とともに流入口から検水溶液室に流入した気泡は水の流れに従って流出口から流出し、流量が少ないときにも気泡が検水溶液室内に滞留することがなくなるものであり、電気的に導通させる塩橋の役割を果たす液絡部が気泡の層で覆われることを防ぐことができ、気泡の影響を受けて水質の計測が不能になることを未然に防ぐことができるものである。
【0036】
また、電気化学的水質測定器の検水溶液室に設けられる流入口の開口面積を流出口の開口面積よりも小さく形成するようにしたので、検水溶液室を通過する流量が多い場合でも検水溶液室の内圧が上昇することを防ぐことができるものであり、液絡部に検水溶液室側から水圧が作用して検水が浸入することを防止して、液絡部の抵抗値が上昇して不斉電位が発生することを防ぐことができ、水質の測定精度が影響を受けることを未然に防ぐことができるものである。
【0037】
また請求項2の発明は、電気化学的水質測定器を検水溶液室にpHを測定するための作用電極部のガラス感応膜を設けて形成し、この検水溶液室に流入口をその開口が、ガラス感応膜の下端部より上側になるように設けたので、通水を停止した状態でも検水溶液室内には流入口の高さ位置まで水が溜まっており、この未通水の状態で長時間放置されても、作用電極部のガラス感応膜は滞留する水に浸漬されて表面が乾燥状態になることを防ぐことができ、測定の応答性が遅くなることを未然に防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電解水生成装置の一例の概略構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例における電気化学的水質測定器を示す概略斜視図である。
【図3】 同上の電気化学的水質測定器の一部の拡大した断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の他の一例における電気化学的水質測定器を示す概略斜視図である。
【図5】 同上の電気化学的水質測定器の一部の拡大した断面図である。
【図6】 電気化学的水質測定器と制御系を示す図である。
【図7】 電気化学的水質測定器の一例を示す断面図である。
【図8】 電気化学的水質測定器の他例を示す断面図である。
【図9】 電気化学的水質測定器のさらに他例を示す断面図である。
【図10】 従来の電解水生成装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2 電解槽
19 検水溶液室
20 電気化学的水質測定装置
30 流入口
31 流出口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrolytic cell that continuously generates electrolytic water of alkaline water and acidic water, and water quality that electrochemically measures water quality such as raw water for tap water or purified water thereof, or alkaline or acidic electrolytic water generated in an electrolytic cell. The present invention relates to an electrolyzed water generating device formed by providing a measuring device.
[0002]
[Prior art]
As an electrolyzed
[0003]
And the raw water in which tap water is generally used is first purified through the
[0004]
As described above, while electrolytically supplying water to the
[0005]
When the electrolyte is supplied from the
[0006]
Since the pH value of alkaline or acidic electrolyzed water obtained by electrolysis in the
[0007]
Thus, the quality of the electrolyzed water obtained by the electrolyzed water generating device is greatly influenced not only by the voltage applied in the
[0008]
Here, the electrolyzed water flowing out from the
[0009]
The water quality measuring instrument using the electrochemical measurement principle as described above is formed by including an electrode composed of a working electrode (detection electrode) and a reference electrode. The water quality is measured by detecting a potential difference or current change between the two, and an outline of the structure of the electrochemical water
[0010]
Figure7Is a pH sensor, diagram8Indicates an oxidation-reduction potential sensor, and the main body portion of the electrochemical water
[0011]
Also figure9Is a figure7PH sensor and diagram8The oxidation / reduction potential sensor is integrated, and both the pH sensor and the oxidation-reduction potential sensor can be used in common for the pH electrode and the oxidation-reduction potential sensor so that both the pH and the oxidation-reduction potential can be measured. Of the type.
Figure7Thru figure915 is an internal solution replenishing port, 30 is an inlet, 31 is an outlet, and electrolyzed water as test water enters the
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, the electrolyzed
First, the first problem will be described. That is, when water is electrolyzed in the
2H2O + 2e-→ 2OH-+ H2
In the
2H2O → 4H++ O2+ 4e-
2Cl-→ Cl2+ 2e-
At the same time, alkaline water and acidic water are generated, and hydrogen, oxygen, and chlorine are also generated. Hydrogen and oxygen are contained in the electrolyzed water as gas components.
[0013]
And when measuring the electrolyzed water accompanied by such gas component bubbles through the
[0014]
Next, the second problem will be described. When the flow rate of the test water passing through the
[0015]
Further, the third problem will be described. The figure which the electrochemical water
[0016]
The present invention has been made in view of the above points, and can prevent the measurement of water quality from becoming impossible due to bubbles remaining in the sample solution chamber of the electrochemical water quality measuring instrument.AndThis prevents the water pressure measurement accuracy from being affected by an increase in the internal pressure of the test water chamber of the electrochemical water quality measuring instrument.The purpose of the present invention is to provide an electrolyzed water generator.It is an object of the present invention to provide an electrolyzed water generating device that can prevent the surface of the glass sensitive film of the electrode part from being dried even if left untreated for a long time.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
The present invention generates alkaline water and acidic water by electrolyzing water, and is provided on the downstream side of the electrolytic cell, the electrolytic cell for flowing out the generated alkaline and acidic electrolytic water separately, and electrolysis An electrolyzed water generating device formed with an electrochemical water quality measuring device for electrochemically measuring at least one of the quality of electrolyzed water generated in a tank, wherein the water quality is passed through the electrolyzed water of the electrochemical water quality measuring device. An inlet and an outlet are provided in the sample solution chamber for measuring water, and the water channel between the inlet and outlet is positioned diagonally in the sample solution chamber and the inlet is positioned below the outlet. Arrange the inlet and outletThe opening area of the inlet is smaller than the opening area of the outletIt is characterized by comprising.
[0018]
The invention of
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
FIG. 1 shows an example of an electrolyzed
[0020]
The inside of the
[0021]
A
[0022]
Next, the flow of water when generating electrolyzed water from tap water will be described. When the switching
[0023]
If an instruction to obtain alkaline water is given, an electrolysis voltage is applied so that the
[0024]
When an instruction to obtain acid water is given, the following two water flows are made according to the degree of electrolysis of the indicated acid water. First, in the case of weakly acidic water, an electrolysis voltage is applied so that the
[0025]
In the case of strongly acidic ionic water, an electrolysis voltage is applied so that the
[0026]
As described above, the water quality of the electrolyzed water generated in the
[0027]
The working
[0028]
Figure as above7In the electrochemical water
[0029]
The
[0030]
Here, FIG. 2 shows an example of the electrochemical water
[0031]
Also,as mentioned
[0032]
In this case, it is possible to prevent air bubbles from staying in the
[0033]
In addition, the figure4Shows an enlarged example of the electrochemical water
[0034]
In this case, it is possible to prevent bubbles from staying in the aqueous
[0035]
【The invention's effect】
As described above, the present invention generates alkaline water and acidic water by electrolyzing water, and distributes the generated alkaline and acidic electrolyzed water separately to the downstream of the electrolytic cell. An electrolyzed water generating device, comprising an electrochemical water quality measuring device configured to electrochemically measure at least one water quality of electrolyzed water generated in an electrolytic cell. An inlet and outlet are provided in the sample solution chamber for measuring water quality through the electrolyzed water, and the water channel between the inlet and outlet is located diagonally in the sample solution chamber and the inlet is located below the outlet. Since the inlet and outlet are arranged so as to be located, bubbles that flow into the sample solution chamber from the inlet along with water flow out of the sample outlet according to the flow of water, and the bubbles are detected even when the flow rate is small. Do not stay in the room It is possible to prevent the liquid junction that serves as a salt bridge that conducts electricity from being covered with a layer of bubbles, and to measure water quality under the influence of bubbles. It can be prevented.
[0036]
MaTheSince the opening area of the inlet provided in the test solution chamber of the electrochemical water quality measuring device is made smaller than the opening area of the outlet, the internal pressure of the test solution chamber is maintained even when the flow rate through the test solution chamber is large. As a result, water pressure acts on the liquid junction from the side of the test solution chamber to prevent the sample water from entering, and the resistance value of the liquid junction rises and becomes asymmetric. It is possible to prevent the generation of electric potential and to prevent the measurement accuracy of water quality from being affected.
[0037]
And claims2The invention is an electrochemical water quality measuring instrumentIs formed by providing a glass sensitive membrane in the working electrode section for measuring pH in the test solution chamber, and an inlet is provided in the test solution chamber so that its opening is above the lower end of the glass sensitive membrane.Therefore, even when the water flow is stopped, water remains in the sample solution chamber up to the height of the inlet. It is possible to prevent the surface from being dipped in the staying water and to prevent the surface from becoming dry, and to prevent the measurement responsiveness from being delayed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a schematic configuration of an example of an electrolyzed water generating apparatus.
FIG. 2 is a schematic perspective view showing an electrochemical water quality measuring device in an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view of a part of the above electrochemical water quality measuring device.
FIG. 4 is a schematic perspective view showing an electrochemical water quality measuring device according to another example of the embodiment of the present invention.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a part of the above electrochemical water quality measuring device.
[Fig. 6]Shows electrochemical water quality measuring instrument and control systemFIG.
[Fig. 7]An example of an electrochemical water quality meterIt is sectional drawing.
[Fig. 8] Other example of electrochemical water quality measuring instrumentShowing cross sectionFIG.
[Figure 9] Electrochemical water quality measuring instrumentOtherIt is sectional drawing which shows an example.
FIG. 10TraditionalOf electrolyzed water generatorOutline showing an exampleIt is sectional drawing.
[Explanation of symbols]
2 Electrolysis tank
19 Sample solution chamber
20 Electrochemical water quality measuring device
30 Inlet
31 Outlet
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