JP3902042B2 - 無線通信携帯端末とその通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信携帯端末および無線通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線通信技術の発展に伴って、携帯端末(例えばノート型パソコンやPDA(Personal Data Assistants)、携帯電話、携帯ゲーム機など)へ搭載するのに適した、小型化、省電力化された無線通信技術が開発されている。特に、Bluetoothや無線LANと呼ばれる無線通信方式は、世界的に仕様を標準化することで、通信装置メーカーや通信部品メーカー、更には情報サービス業者間の通信の互換性を確保し、幅広い応用分野で容易に情報サービスが提供・利用可能となっている。
【0003】
また、こうした無線通信方式を、固定的に設置した情報通信装置(例えばキオスク装置や街角情報提供装置、インターネットアクセスポイント、コンビニエンスストア等に設置の情報サービス装置など)に搭載することで、携帯端末と情報通信装置の間で、各種の情報サービスを提供する提案が数多くなされている。特に情報通信装置を公共施設や人が集まりやすい場所(ホットスポット)に設置し、携帯端末の利用者に対して、情報通信装置の設置場所周辺の情報を提供する情報サービスは、Bluetoothのような近距離でアドホック(Ad−hoc)接続が可能な無線通信方式の特徴を利用した良い例である。
【0004】
他のサービスの例としては、ナビゲーションサービス、インターネット接続サービス、電話サービス、電子メールサービス、電子掲示板サービス、緊急連絡サービス、公共情報サービス、災害情報サービスなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、比較的近距離にある任意の無線通信装置の間(携帯端末と情報通信装置の間など)で、無線通信接続を行う場合、接続可能な相手を検出し、検出された相手の中で接続したい相手への接続に関する識別情報(例えば装置IDやIPアドレス)を取得した上で、無線通信接続を行うことが必要である。
【0006】
例えば前述のBluetoothでは、こうした手段としてInquiry(問い合わせ)という接続相手発見ならびに識別情報(Bluetooth Device Address)を取得する手段が仕様で定義されている。
しかし、前述のInquiryを用いた場合、電波が相互に到達する範囲内の全ての装置が接続対象となり得てしまうため、多数の装置が存在する様な場所では、目的の装置に接続するまでに時間がかかる問題がある。
近隣の接続相手を効率よく検出および選択する方法として、特開2001−144781や特開2001−156704、特開2001−156723において、電波の到達範囲の可変手段や受信した電界強度、指向性アンテナを用いて接続相手を限定するといった通信媒体の特性を利用した方法が提案されている。
【0007】
ところが、これらの方法はいずれも、携帯端末を持つ情報サービス利用者が移動することで、接続している情報通信装置との接続可能範囲を外れると、接続が切断され、再度接続相手を検出および選択する動作を行う必要がある。よって同じ情報サービスを移動しながら利用したい場合でも、切断される度に新しく接続相手を検出して選択し直す必要があるために無駄な時間がかかってしまい、つまりは情報サービス利用を可能になるまでの時間がかかってしまう問題がある。
【0008】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたもので、携帯端末が情報通信装置と無線通信方式を用いて接続する際に、近隣の情報通信装置を検出する頻度を少なくすることで高速な接続を実現するとともに、利用したいサービスを提供する近隣の情報通信装置に対して、選択的かつ自動的に接続することができる無線通信方法および無線通信装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、出発地から目的地までの経路情報の指定位置から所定の距離内にある情報通信装置に無線接続可能な第1の無線接続部と、前記情報通信装置の識別情報とその位置情報とを取得する情報取得部と、前記経路情報と取得された情報通信装置の情報を記憶する記憶部と、前記経路情報に含まれる任意の地点が指示された場合に、その指示された地点の位置情報と取得された情報通信装置の位置情報とから算出された前記指示された地点の位置情報に最も近い情報通信装置を選択する接続相手選択部とを備え、接続相手選択部により選択された情報通信装置に対して前記第1の無線接続部が接続を行うことを特徴とする無線通信携帯端末を提供するものである。
これによれば、利用者が携帯端末を持って所定の経路上を移動する場合に、指示された地点に最も近い情報通信装置が接続されるので、GPSのような自己の所在する現在位置を取得する自己位置情報取得部を備えていなくても、関係のない情報通信装置への無駄な接続処理を行わず、効率的な情報取得が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明において、無線通信携帯端末は、利用者が携帯して、駅やコンビニエンスストア等に設置される情報通信装置から所望の情報を取得することを目的とした情報処理装置である。
第1の無線接続部とは、所定の通信規格と手順に基づいた送信機能と受信機能を実現させるハードウェアとプログラムにより構成される。
また、情報取得部と接続相手選択部は、CPUを中心とし、ROM,RAM,タイマー,I/Oコントローラなどから構成されるマイクロコンピュータのようなハードウェアと、それぞれの機能をハードウェアに実行させるためのプログラムとから構成される。
プログラムは、ROM,RAMなどの半導体記憶素子や、CD−ROM,ハードディスク,ICカード,メモリカードのような記憶媒体に内蔵された形態あるいはネットワークを介してサーバ等からダウンロードする形態で提供される。
記憶部は、各種情報を記憶するハードウェアであり、読み書き可能な半導体記憶素子(RAMなど)や記憶媒体(ハードディスク,メモリカードなど)が用いられる。
【0013】
また、この発明において、前記記憶部に通信可能距離を予め記憶し、前記接続相手選択部が現在位置の地理的情報と、各情報通信装置の位置情報とから求められる現在位置と各情報通信装置との距離が前記通信可能距離以下であり、かつ最も短い情報通信装置を選択するようにしてもよい。
さらに、前記情報通信装置の位置情報がすべて前記通信可能距離内に存在しない場合は、前記接続相手選択部が、新たな情報通信装置を選択しないことが好ましい。これによれば、無駄な接続動作をより減少させることができる。
【0014】
また、前記記憶部に利用するサービス種別情報を予め記憶し、前記情報取得部が、情報通信装置から提供されるサービス種別情報を取得して管理情報として前記記憶部に記憶し、前記接続相手選択部が、管理情報を検索し予め記憶されたサービス種別情報に一致するサービス種別情報を提供する情報通信装置を選択するようにしてもよい。
これによれば、利用者が所望するサービスを提供する情報通信装置により速く接続することが可能となり、無駄な接続動作をより減少させることができる。
【0015】
さらに、複数の情報通信装置に関する識別情報及びその位置情報を記憶した情報通知用無線通信装置に接続する第2の無線接続部をさらに備え、前記情報取得部が、第2の無線接続部によって接続された情報通知用無線通信装置から前記情報通信装置に関する所定の情報を取得するようにしてもよい。これによれば、複数の情報通信装置についての情報を、1つの情報通知用無線通信装置から一括して得られるので、情報通信装置に対する接続動作を減少させることができる。
【0020】
この発明において、前記無線接続部によって接続される情報通信装置としては、信号機制御装置または公衆に対し所定の情報を提供する情報提供装置など種々の情報処理装置を対象にできる。
また、この発明の無線通信携帯端末の通信方法として、前記情報通信装置を選択する際に、前記現在位置の地理的情報と、前記各情報通信装置に関する位置情報とから求められる現在位置と各情報通信装置との距離が所定の通信可能距離以下であり、かつ最も短い情報通信装置を選択するようにしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
【0022】
<第1の実施形態>
図1に、この発明が適用される無線通信システムにおける第1の実施形態の構成ブロック図を示す。携帯端末1は、無線通信部10、アンテナ部11、制御部12、記憶部13、入力部14、表示部15、電源部16、位置取得部17によって構成される。情報通信装置2は、無線通信部20、アンテナ部21、制御部22、記憶部23、電源部24によって構成される。
携帯端末1は、主として個人ユーザが携帯して持ち歩くものであり、携帯電話、PDA等と同等なサイズの小型機器である。情報通信装置2は、主として、駅、公共施設、空港、店舗、地下街、ビル内、テーマパーク、交差点、歩道、バス停等に設置される機器である。
【0023】
無線通信部10および20は、電気信号と無線信号を相互に変換したり、信号を増幅したりする。一般的にはRFコントローラやベースバンドコントローラ、リンクコントローラなどで構成され、接続に関する識別情報を記憶するメモリーを持つ場合がある。無線通信方式としては、例えばBluetooth、無線LAN、HomeRFなどがあり、携帯端末から情報通信装置に対して接続要求が行える無線通信方式である。
また、携帯端末1と情報通信装置2との間の無線通信可能な距離は特に限定するものではないが、たとえばBluetoothでは、通信可能な距離は、高々10m程度、無線LANでは数百m程度である。
【0024】
アンテナ部11および21は無線データや無線コマンドの送受信を行う。アンテナはチップアンテナなどを用いることで携帯端末1や情報通信装置2の筐体の中に内蔵される場合と、ダイポールアンテナ等を用いることで筐体の外部に露出する場合がある。また、特に情報通信装置2のアンテナ部21には、サービス範囲を限定するために指向性を持たせることもある。
【0025】
記憶部13や記憶部23は動作処理を行うための領域と、プログラムやデータ等を保持する領域を持つ。高速に読み書きできるメモリ(RAMなど)と、データを電源が供給されなくても保持することができる不揮発性のメモリ(ハードディスクなど)とを合わせ持つことが好ましい。また、情報通信装置2の記憶部23は、多くの情報を提供するためにCD−ROMや DVD−ROM、メモリーカード等といった記憶メディアを更に備えても良い。
【0026】
携帯端末1と情報通信装置2で通信を始める場合に必要な識別情報は、予め記憶部13や記憶部23または、無線通信部10や20の内部のメモリ(フラッシュメモリなど)に設定しておき、必要に応じて、相互に通知するようにしてもよい。
また情報通信装置2の記憶部23には、自装置の識別情報だけでなく、その周囲に存在することが既知である他の情報通信装置の識別情報等も予め記憶してもよい。更にこれらの識別情報に付随して、各々の位置情報、サービス種別情報、地域情報などの他の情報も予め記憶してもよい。
【0027】
図2に、情報通信装置2の記憶部23に記憶される識別情報とそれに対応付けられて保持されている情報の実施例を示す。
ここで、識別情報(ID)J11は、この情報通信装置2に無線接続する際に照合される情報であり、多くの場合はその装置固有の情報である。Bluetoothの場合はBDアドレス(Bluetooth Device Address)がこれに該当する。また、ほかの例ではIPアドレスやMACアドレスなどに該当する。
位置情報J12は、地理的な数値情報であり、特に数量的な位置情報である緯度経度情報を用いるのが好ましい。
【0028】
サービス種別情報J13は、それぞれの情報通信装置2が、どのようなサービスを提供できるかということを分類した情報である。情報の簡略化のために、あらかじめ決められた分類に従って記号や数字で表すこともできる。この例では、「A」、「B」といった文字でサービスを表している。例えば、「A」は位置情報通知サービス、「B」が公共情報提供サービスという具合である。この情報により、携帯端末1は利用可能なサービスを提供する情報通信装置2だけを選択したり、利用したいサービスを提供する情報通信装置2だけを選択したりすることが可能となる。
【0029】
地域情報J14は住所、地域名などを直接用いるか、数値コードに変換したものを使用する。重要なことは携帯端末がこの地域情報J14を近くの情報通信装置から取得して現所在地域を認識し、保持している管理情報と比較して現所在地域と同一域内にある他の情報通信装置の存在を把握できることである。これにより、携帯端末1は近隣の情報通信装置2だけを効率良く選択することができる。
【0030】
図2、後述する図3、図11A、図11Bおよび図13の実施例では識別情報J11としてはBDアドレス、位置情報J12としては経度緯度(北緯、東経)、サービス情報J13としてはコード化された文字、地域情報J14としては仮の市町の名称で示している。
【0031】
これらの情報は無線通信を利用する前の初期状態であっても、記憶部に設定できることが望ましい。その方法には、入力部により手動で行う方法のほか、記憶メディアの書き換えや交換、無線通信もしくは有線通信によって外部の装置から記憶部に設定する方法などがある。
【0032】
図3に、携帯端末1の記憶部13に記憶される管理情報の一実施例を示す。ここで、情報通信装置ごとにその装置に関する情報をリストで管理することで、一覧性があり、また更新や削除が容易である。よって以下の実施例では、管理情報を管理リストとする。
図3における識別情報J21、位置情報J22、サービス種別情報J23、地域情報J24は、端末装置1が、初期状態等のときに各情報通信装置2に接続することにより入手した情報であり、図2に示した情報(J11〜J14)に対応する。
【0033】
取得更新時間J25は、携帯端末1が各識別情報等を取得更新した日時を示している。更新時間J25を合わせて各情報を管理することにより、携帯端末1はある設定時間を基準に古い情報を削除したり、接続相手選定時の対象装置から除外したりすることが可能となる。
【0034】
また、端末装置1は、図3に示す管理リストの情報の他、その端末装置1の現在位置の地理的情報を定期的又は常時取得して、その記憶部13に記憶する。この地理的情報としては、位置情報J22と同じ経度緯度情報を用いることができる。この端末装置の現在位置の情報は、後述するように、情報通信装置との距離Lを算出するときに用いられる。
【0035】
また、端末装置1の記憶部13には、通信可能距離Rが予め記憶されている。通信可能距離は、通常、携帯端末7と通信装置2の相互の無線通信性能や位置関係、周囲環境等によって決まるが、ここでは携帯端末が無指向性の特性を持ち、理想的な環境における理論的な通信可能距離をRとする。
さらに、更新日との比較の対象となる選択基準日を予め記憶しておき、この選択基準日以降に更新された更新日を持つ情報通信装置を選択対象としてもよい。選択基準日は、たとえば現在日時から1ヶ月前あるいは1年前の日を設定することができる。
また、端末装置を利用する者が予め入力した利用したいサービス種別情報を記憶部13に記憶し、あるいは、その端末装置が提供可能なサービス種別情報を予め記憶部13に記憶するようにする。
【0036】
次に、この発明の第1の実施の形態における携帯端末1の動作の一実施例について説明する。
図4は、第1の実施の形態における携帯端末1の動作の一実施例を表すフローチャートである。
最初に40にて、制御部12が現在すでに情報通信装置と接続中と判断すれば、以後の選択、接続処理は行わずに終了する。
管理リスト呼出41では、制御部12が記憶部13から図3に示した管理リストを呼び出す。
【0037】
次に42で、制御部12は、接続対象の情報通信装置2を管理リストから選択するかどうかを判断する。ここでは携帯端末1が、(a)初期状態、(b)現在の位置にて改めて管理リストを更新したいとき、(c)その他の管理リストを使用できない条件があれば、自動的または手動指示にてInquiryなどの通常の検出処理47へ進む。現在上記(a),(b),(c)のいずれの状態にあるかは、制御部12が管理リスト内の各情報を現在の位置や現在の時間と比較することにより検出される。
【0038】
続いて以下に示す手順で接続相手選択処理43を実行する。
まず接続対象装置選出処理430では、接続対象となる情報通信装置2を選出する。管理リストから取得・更新時間J25を読み出し、あらかじめ設定している時間よりも新しい情報通信装置2を選出する。例えば、最近1年間に取得もしくは更新された情報通信装置2だけを選出する。このとき選出されなかった古い情報は削除するようにしてもよい。続いてユーザーが利用したいサービス種別情報J23や、携帯端末1が利用できるサービス種別情報J23を持つ情報通信装置2を選出する。
【0039】
接続対象装置選出処理430によって、ユーザーが利用したい情報通信装置2が図3の管理リストにあるかを判断する(431)。ここで接続対象となる情報通信装置2があれば、次に、それら全ての情報通信装置2と端末との距離を、各情報通信装置2の位置情報J22と携帯端末1の現在位置情報とを比較して算出する(432)。携帯端末1の現在の位置情報が緯度経度で表記される場合、携帯端末1と複数台の情報通信装置2の緯度経度の位置情報J22から、それぞれの間の直線距離Lは算出可能である。この算出結果に基いて予め設定されている通信可能距離内に前記情報通信装置があるかどうかを調べる(433)。例えば携帯端末の通信可能距離Rと、携帯端末1と情報通信装置2との間の直線距離Lを比較して、R≧Lとなる情報通信装置2があるかどうかを調べる。
【0040】
次に通信可能距離内に情報通信装置2があれば、その中で最も近い情報通信装置2を選出する(434)。このようにして選出された情報通信装置2に対して対応付けて登録されている識別情報(ID)を使用して接続処理44を行う。接続相手選択処理43の結果、複数の情報通信装置2が選出された場合は、管理リストの順番に接続すればよい。
【0041】
前記した処理433で通信可能範囲に情報通信装置2が1台も無ければ、接続処理44等を行わずにこのフロー処理を終了する。この終了動作により、携帯端末は無駄な接続要求信号を出すことを防げるため、消費電力や無線通信の帯域を節約することができる利点がある。
【0042】
なお接続相手選択処理43において、携帯端末1は、自己が現在位置する場所の緯度経度を算出できるようなGPSやその他位置情報取得手段を搭載しているものとする。
【0043】
接続処理44の後、接続した情報通信装置2から一般情報を取得するとともにその装置や既知である近隣の他の情報通信装置2に関する識別情報等の取得処理45を行い、管理リストを更新する(46)。
第1の実施の形態においては、情報サービスの通信と同じ無線通信を用いるため、取得処理45は接続確立直後に情報通信装置2から通知したり、サービス利用中に携帯端末1か情報通信装置2のどちらかからの要求に応じて通知または取得を行ったりすることになる。
【0044】
管理リスト更新処理46では、識別情報等の取得45にて取得した識別情報等を管理リストに反映して、追加・更新を行い、変更があれば記憶部13に保存する。このときに、利用可能なサービス種別情報J23がない情報通信装置2の情報は、追加しないこともできる。また、管理する数に制限がありこれ以上管理できない場合は、取得・更新日時が古い情報通信装置の情報か、携帯端末1から最も遠い情報通信装置2の情報に上書きすることもできる。
【0045】
431の処理において、管理リストに接続対象となる情報通信装置2がない場合は、一般的な手法を用いて携帯端末から情報通信装置を検出する処理47を行う。ここで一般的手法とは、例えばBluetoothではInquiryと定義される検出処理である。
【0046】
次に、選択処理48において検出処理47によって検出された機器の中で、サービスを利用できる情報通信装置2があれば(49)、それを選択し接続処理44を行う。選択方法としては、従来技術と同様に、一般的に携帯端末1の表示部に表示して利用者が選択する方法が考えられる。
このようにして接続したあとは、前述と同様に識別情報等の取得処理45、管理リストの更新処理46を行う。この後の接続においては、検出処理47を行う頻度を減らし、また近隣の適切な通信相手へ速やかに接続が可能となる。
【0047】
この一連の動作フローの実行は、接続が切断された後や、あるいは接続されているかいないかに関わらず−定時間経過する毎に自動的に行うようにしてもよい。または任意の時間に手動で行ってもよい。
【0048】
次に、この発明の第1の実施形態について、携帯端末と情報通信装置を用いた無線による街角情報サービスを例にとって説明する。
図5のように、街角情報サービスを利用できる通信可能範囲aの携帯端末Aがあり、携帯端末Aの周囲には、お互いに既知である情報通信装置Bl、B2、B3が固定的に設置されている状態を仮定する。また、街角情報サービスと無関係な無線通信装置Cl、C2、C3も存在するものとする。なお説明のため携帯端末Aは、情報通信装置に関する識別情報を持っていないような初期状態とする。
【0049】
まず、街角情報サービスを利用するために、携帯端末Aは管理リストを呼び出すが、初期状態のため接続対象装置が無い(42)。そのため通常の検出処理47を行う。このときには情報通信装置Blを含め、携帯端末Aの通信可能範囲にある多数の無線通信装置(Cl、C2)も検出してしまう。そのため、次の選択処理48によって、検出された複数(合計3つ)の装置の中から接続したい情報通信装置を選択して接続することとなり、接続までの時間や手順がかかる。
【0050】
ところが前述のとおり、携帯端末Aは、一旦情報通信装置Blに接続されれば、情報通信装置Blが既知の情報通信装置B2、B3に関しての識別情報等を情報通信装置Blから取得することが可能であり(図4の処理45)、それらを携帯端末Aの管理リストに登録することができる(処理46)。もちろん、街角情報サービスに無関係な無線通信装置(Cl、C2、C3)はリストに追加されない。
【0051】
その結果、携帯端末Aは矢印のように移動して、情報通信装置Blとの接続が途切れたとしても、再度近隣の情報通信装置の検出を行うのではなく、管理リストにある位置情報をもとに、携帯端末Aと情報通信装置Bl、B2、B3との距離L(1)〜L(3)をそれぞれ計算することで、通信可能範囲a内に存在し、しかも最も近い情報通信装置B2に対して、選択的かつ自動的に接続することが可能である。
こうして、街角情報サービスを利用する利用者は、移動しながらも容易に接続する情報通信装置を選択的かつ自動的に接続することができる。
【0052】
以上は街角に設置されて各種情報を提供する装置としての情報通信装置との無線通信について説明したが、他の適用例として交差点に設置され端末1からの要求で交通信号機の信号点灯時間を制御する装置との無線通信にも応用できる。
【0053】
<第2の実施形態>
次に、図6に、この発明が適用される無線通信システムにおける第2の実施形態の構成ブロック図を示す。
図6において、携帯端末1が更に識別情報等取得用の無線通信部18を備える点が図1に示した第1の実施形態と異なる。この識別情報等取得用の無線通信部18には、無線通信部10以外の通信方式を用いる。無線通信部18が通信する情報は情報量の少ない識別情報や位置情報、サービス種別情報、地域情報のみに限るため、無線通信部10の通信方式よりも通信速度が遅くてもよく、更に受信だけの片方向通信でもよい。ただし無線通信部10の通信可能範囲Rに対して、より広い通信範囲を持つことが望ましい。具体的には、AM/FM放送方式をはじめとする無線データ放送方式やPHS方式、PDCなどの携帯電話通信方式がある。
【0054】
この第2の実施の形態では、情報通信装置2以外の識別情報等通知用無線通信装置19から、携帯端末1は前記識別情報等通知用無線通信装置19の管理下の複数の情報通信装置2に関する識別情報等を取得することを特徴とする。つまり情報通信装置2を検出する機能は備えなくても良い。
図6において、識別情報等通知用無線通信装置19とは、管理下の複数の情報通信装置2に関する識別情報等を携帯端末1に通知することができる装置であり、主に制御部から構成される。また、この装置19は、有線や無線のネットワーク回線によって、複数の情報通信装置2についての識別情報、位置情報、サービス種別情報、地域情報などを予め取得し、ハードディスクなどの記憶装置に格納している。
【0055】
次に、第2の実施の形態における携帯端末1の動作の一実施例について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図7に、第2の実施の形態における携帯端末1の動作の一実施例を表すフローチャートを示す。
第1の実施の形態と異なるのは、識別情報等取得用の無線通信をする点(図7の74,75)であり、これにより情報通信装置2と接続しなくても、識別情報等を取得処理できる。そのため識別情報等取得処理74と管理リスト更新処理75は、情報通信装置2との接続フローとは独立したフローとなる。この、識別情報取得用の無線通信を独立して行うことによって、周囲の情報通信装置2の存在を無線通信装置19からあらかじめ通知することが可能となるため、情報通信装置2を検出処理をする必要はない。よって、721で管理リストに接続対象装置がない場合はフローを終了する。
【0056】
またこの場合、直近の識別情報等通知用無線通信装置19からその装置19の持つ地域コード、住所コードなどの地域情報を識別情報等取得用の無線通信(処理74)により取得して端末1の現在所在地域として保持し、この端末1の管理リスト内の情報通信装置2の地域情報J24と比較することで該携帯端末1と同一地域にある近隣情報通信装置2を選択的に知ることができる。例えば、同じ都道府県にあるか、同じ市町村にあるかということも含まれる。これを利用すれば、接続対象装置として同一地域内にある情報通信装置2だけを選別できるので、選出処理が効率的に行える。
【0057】
次に、第2の実施形態における携帯端末1の動作の具体例について説明する。図8のように、街角情報サービスを利用できる携帯端末Aがあり、携帯端末Aの周囲には、お互いに既知である情報通信装置Bl、B2、B3が固定的に設置されている状態を仮定する。また、街角情報サービスと無関係な無線通信装置Cl、C2、C3も存在するものとする。更に、無線通信可能範囲がdである識別情報等通知用無線通信装置Dが設置されているものとする。
【0058】
図8において、携帯端末Aは識別情報等通知用無線通信装置Dの無線通知可能範囲dの中に入っているため、識別情報等取得用無線通信(処理74)により、装置Dから周囲の街角情報サービスを提供する情報通信装置Bl、B2、B3に関する識別情報等を取得し、管理リストを更新する(処理75)。管理リストに情報通信装置Bl、B2、B3の情報が追加されると、携帯端末Aと情報通信装置Bl、B2、B3との距離L(1)〜L(3)を計算し、携帯端末Aの通信可能範囲内で最も近隣にある情報通信装置B2に対して選択的かつ自動的に接続する。
【0059】
<他の実施形態>
上記二つの実施の形態はいずれも携帯端末にGPS等何らかの位置取得機能が備わっていることを前提としていた。しかし、携帯端末の利用者が携帯端末に目的地を入力し、現時点から目的地までの経路検索結果情報を保持している場合や、携帯端末が過去に接続した情報通信装置の接続履歴を保持する機能を備える場合には、必ずしも位置取得機能が備わっていなくてもこの発明を適用できる。
【0060】
図9、図10を用いて経路検索結果を利用する場合の実施例を説明する。
図9はそのフローチャート、図10は各ノードおよび各情報通信装置の配置の例である。
90は経路上の情報通信装置2を選出してリストを作成するステップである。携帯端末1には、経路検索により選択された出発地101、中継地102、目的地103のような複数のノードに関する位置情報を保持し、それぞれのノードを結ぶ線を経路とする(図10参照)。図10の経路を示すノードの実施例を図11Aに示す。
【0061】
まず901で出発地、中継地、目的地をノードJ31としてその位置情報J32とともに設定する。これは別の経路案内手段から自動的に取得することも可能である。
902で各ノードJ31において携帯端末1の通信可能距離R内に存在するかどうかを確認することにより管理リストから対象となる周辺の情報通信装置2を全て呼出す。そして前記各ノードの位置情報J32と情報通信装置Bl、B2、B3を含む管理リスト中の位置情報J22から、それぞれの直線距離L11、L21、L31、L12、L22、L32、L13、L23、L33を算出する。(903)。
【0062】
次に各ノード毎に直線距離の最も短い情報通信装置2を選択して経路上装置リストに保存する(904)。この例ではノード101ではBl、ノード102ではBl、ノード103ではB3が近接情報通信装置2として算出され、それらの識別情報J43、位置情報J44とともに保存される。こうして作成した経路上装置リストの例を図11Bに示す。
【0063】
この後携帯端末1を持って経路に沿って移動したとする。まず出発地のノード101を指定し(91)、101に指定されている情報通信装置2を選択し(92)、対応付けられている識別情報J43を使用して該情報通信装置2に接続して情報を取得する(93)。次の中継地102へ到着するとその地点のノード102を指定し(94)、所定ノード102に登録されている情報通信装置2から同様にして情報を取得する(92,93)。
【0064】
これを経路に沿って移動しながら目的地103まで続ける。前記ノードが目的地なら目的地ノード103の近接情報通信装置2から同様にして情報を取得する(96,97)。図10の例では、経路検索結果上を移動する限り、情報通信装置B2に対して無駄な検出処理や接続処理を行わずに済む。各ノード地点で図11Bの経路上装置リストに保存されている情報通信装置2だけを選択するので効率的に情報を取得することができる。
【0065】
次に携帯端末が過去に接続した情報通信装置の接続履歴を保持する機能を備える場合の選択方法の一実施例を説明する。図12に示すように、携帯端末Aが情報通信装置Bl、B2、B3という順に接続しながら移動してきたとする。このときの接続履歴の一実施例を図13に示す。このリスト情報J51,J52を利用して、各位置間のそれぞれの平均移動速度を求め、次の携帯端末Aの移動先の緯度と経度を予測する。この例の場合、2001年9月20日の12:30現在での予想位置B4は、N35.00.28.700、E135.46.19.800となる。こうして求めた予想位置は、接続履歴の更新日時が新しく、また数が多いほど正確になる。求めた移動予想位置B4の緯度経度情報J51と管理リストにある情報通信装置2の位置情報J22を比較して、近い将来に接続される可能のある情報通信装置2を予測して接続することができる。
【0066】
【発明の効果】
この発明によれば、携帯端末が情報通信装置と無線通信で接続する際に、検出処理を行う頻度を下げることができ、接続にかかる時間と手順を減らすことができる。その結果、携帯端末の消費電力を削減し、無線通信の帯域を消費することを抑えることができる。更に複数の無線通信装置が存在する場合でも、利用したいサービスを提供する近隣の情報通信装置に対して選択的かつ自動的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用される無線通信システムにおける第1の実施形態の構成ブロック図である。
【図2】この発明の情報通信装置が持つ識別情報とそれに付随した情報の一実施例の説明図である。
【図3】この発明の携帯端末の記憶部で管理する管理情報(管理リスト)の一実施例の説明図である。
【図4】第1の実施の形態における携帯端末の動作の一実施例を表すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態における動作例の説明図である。
【図6】この発明が適用される無線通信システムにおける第2の実施形態の構成ブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における携帯端末の動作の一実施例を表すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態における動作例の説明図である。
【図9】この発明において、携帯端末が移動先に関する経路検索機能もしくは経路検索結果取得機能を備える場合、携帯端末の動作の一実施例を表すフローチャートである。
【図10】携帯端末が経路検索結果を利用する場合の、経路上の情報通信装置を選別する動作説明図である。
【図11】携帯端末が保持する経路上装置リストの一実施例の説明図である。
【図12】携帯端末が過去に接続した情報通信装置の接続履歴を保持する機能を備える場合の動作説明図である。
【図13】携帯端末が保持する接続履歴の一実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 携帯端末
2 情報通信装置
10、20 無線通信部
11、21 アンテナ部
12、22 制御部
13、23 記憶部
14 入力部
15 表示部
16、24 電源部
17 位置取得部
18 識別情報等取得用無線通信部
19 識別情報通知用無線通信装置
a 携帯端末の通信可能範囲
R 携帯端末の通信可能距離
J11、J21 識別情報
J12、J22、J51 位置情報
J13、J23 サービス種別情報
J14、J24 地域情報
J25 取得更新時間
J31、J41 ノード
J32、J42 ノードの位置情報
J43 識別情報
J44 位置情報
J52 接続日時
Claims (6)
- 出発地から目的地までの経路情報の指定位置から所定の距離内にある情報通信装置に無線接続可能な第1の無線接続部と、
前記情報通信装置の識別情報とその位置情報とを取得する情報取得部と、
前記経路情報と取得された情報通信装置の情報を記憶する記憶部と、
前記経路情報に含まれる任意の地点が指示された場合に、その指示された地点の位置情報と取得された情報通信装置の位置情報とから算出された前記指示された地点の位置情報に最も近い情報通信装置を選択する接続相手選択部とを備え、
接続相手選択部により選択された情報通信装置に対して前記第1の無線接続部が接続を行うことを特徴とする無線通信携帯端末。 - 前記記憶部に通信可能距離を予め記憶し、
前記接続相手選択部が、現在位置の地理的情報と、各情報通信装置の位置情報とから求められる現在位置と各情報通信装置との距離が前記通信可能距離以下であり、かつ最も短い情報通信装置を選択することを特徴とする請求項1の無線通信携帯端末。 - 前記情報通信装置の位置情報がすべて前記通信可能距離内に存在しない場合は、
前記接続相手選択部が、新たな情報通信装置を選択しないことを特徴とする請求項2の無線通信携帯端末。 - 前記記憶部に利用するサービス種別情報を予め記憶し、
前記情報取得部が、情報通信装置から提供されるサービス種別情報を取得して管理情報として前記記憶部に記憶し、
前記接続相手選択部が、管理情報を検索し予め記憶されたサービス種別情報に一致するサービス種別情報を提供する情報通信装置を選択することを特徴とする請求項1の無線通信携帯端末。 - 複数の情報通信装置に関する識別情報及びその位置情報を記憶した情報通知用無線通信装置に接続する第2の無線接続部をさらに備え、
前記情報取得部が、第2の無線接続部によって接続された情報通知用無線通信装置から前記情報通信装置に関する所定の情報を取得することを特徴とする請求項1の無線通信携帯端末。 - 前記無線接続部によって接続される情報通信装置が、
信号機制御装置または公衆に対し所定の情報を提供する情報提供装置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの無線通信携帯端末。
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