JP3900956B2 - プラズマ処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体等の電子デバイスやマイクロマシンの製造に利用されるプラズマ処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体等の電子デバイスやマイクロマシンの製造において、近年プラズマ処理による薄膜加工技術の重要性はますます高まっている。
【0003】
以下、従来のプラズマ処理方法の一例として、誘導結合型プラズマ源を用いたプラズマ処理について、図7を参照して説明する。図7において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、コイル用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を基板電極6に対向した誘電板7に沿って設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマが発生し、基板電極6上に載置された基板9に対してプラズマ処理を行うことができる。また、基板電極6に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源10が設けられており、基板9に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、基板電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、基板電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。基板電極6は、4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例で述べたプラズマ処理においては、処理を継続して行ううちに、反応で生じた堆積膜が誘電板7の内壁面に付着しやすいという問題点があった。とくに、基板9上に形成された高融点金属膜をエッチングする場合、導電性の堆積膜が誘電板7に付着し、導電性の堆積膜の密着性の悪さや誘電板7の表面での異常放電の発生が原因となり、導電性の堆積膜の膜剥がれが生じやすく、基板9上にダストとなって降り落ちることがあった。我々の実験では、厚さ200nmのイリジューム膜付きの基板9を50枚エッチングしたところ、0.23μm以上の粒径をもつダストが、基板9上に1000個以上発生してしまった。
【0005】
また、従来例で述べたプラズマ処理において、イリジューム膜付きの基板9を継続してエッチング処理すると、導電性の堆積膜が誘電板7に付着するため、コイル8から生じる高周波電磁界が堆積膜によって遮蔽され、真空容器1内に形成される誘導電界が弱まり、プラズマ密度が低下してエッチングレートが低下してしまうという問題もある。我々の実験では、厚さ200nmのイリジューム膜付きの基板9を50枚エッチングしたところ、初期のエッチングレートが102nm/minであったのに対し、50枚エッチング処理後のエッチングレートは81nm/minまで低下した。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理方法及び装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明のプラズマ処理方法は、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスはコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスはコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理することを特徴とする。
【0008】
また、本願の第2発明のプラズマ処理方法は、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは250Ω以上であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理することを特徴とする。
【0009】
また、本願の第3発明のプラズマ処理方法は、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは5Ω以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理することを特徴とする。
【0010】
また、本願の第4発明のプラズマ処理方法は、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を、基板電極に対向して設けられた渦型コイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、第2の高周波電力の周波数は、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であり、かつ、前記渦型コイルと同一平面上に形成され前記渦型コイルを構成する導体の径方向に隣合う導体間の少なくとも一部に設けられた電極に前記第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理することを特徴とする。
【0011】
また、この場合、プラズマ処理は、基板上に形成されたイリジューム、ロジューム、ルテニウム、プラチナ、金、銅、レニウム、ビスマス、ストロンチューム、バリウム、ジルコニウム、鉛、ニオブのうち少なくとも1つの元素を含む膜のエッチング処理である場合にとくに効果的である。
【0012】
本願の第5発明のプラズマ処理装置は、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本願の第6発明のプラズマ処理装置は、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは250Ω以上であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本願の第7発明のプラズマ処理装置は、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは5Ω以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたことを特徴とする。
【0015】
更に、本願の第8発明のプラズマ処理装置は、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられた渦型コイルと、渦型コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、第2の高周波電力の周波数は、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であり、かつ、前記渦型コイルを構成する導体の径方向に隣合う導体間の少なくとも一部に設けられた電極に前記第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図1を参照して説明する。
【0017】
図1に、本発明の第1実施形態において用いた、誘導結合型プラズマ源を搭載したプラズマ処理装置の断面図を示す。図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、コイル用第1高周波電源5により13.56MHzの第1の高周波電力を基板電極6に対向した誘電板7に沿って設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマが発生し、基板電極6上に載置された基板9または基板9上に形成された膜に対してプラズマ処理を行うことができる。また、基板電極6に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源10が設けられており、基板9に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、基板電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、基板電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。基板電極6は、4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
【0018】
コイル8の一端をなす給電点13は、コイル8が形成する渦の中心に位置する。コイル8の他端14は、コンデンサ15を介して接地されている。コンデンサの容量は1000pFである。また、コイル8に第1の高周波電力の周波数13.56MHzより低い周波数500kHzの第2の高周波電力を供給するためのコイル用第2高周波電源16が設けられており、コイル8の給電点13に接続されている。
【0019】
また、第1の高周波電力の反射波検出回路系に第2の高周波電力による変調の影響が及ぶのを防ぐための回路として、バンドパスフィルタ17が設けられている。これは、第2の高周波電力の供給によって誘電板7の表面のシース厚さが500kHzで変動することによる影響を除去し、第1の高周波電力の反射波のうち、13.56MHzの成分のみを取り出して検出するためのものである。このような構成において、第1の高周波電力の反射波を反射波計18でモニタしつつ処理を行うことにより、整合状態やコイル用第1高周波電源のトラブルをリアルタイムで検知することが可能となる。なお、第1の高周波電力の周波数をf1、第2の高周波電力の周波数をf2としたとき、バンドパスフィルタ17の周波数特性はf1付近を中心周波数とし、f1±f2において10dB以上の減衰率を
もつことが好ましい。
【0020】
以上述べた構成のプラズマ処理装置において、真空容器1内にアルゴンガスを145sccm、塩素ガスを15sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながら、コイル8に、第1の高周波電力を1500W、第2の高周波電力を500W供給しつつ、基板電極6に400kHzの高周波電力を400W供給する条件で、厚さ200nmのイリジューム膜付きの基板9を50枚エッチングしたところ、0.23μm以上の粒径をもつダストは、基板9上に50個以下しか発生せず、真空容器1のウエットメンテナンスを行わずに連続処理できる基板枚数が、従来例に比べて飛躍的に向上した。また、初期のエッチングレートが102nm/minであったのに対し、50枚エッチング処理後のエッチングレートは101nm/minとなり、従来例でみられたようなエッチングレートの低下は起きなかった。
【0021】
これは、コイル8とプラズマとを容量的に結合させたことにより、誘電板7の表面にイオン衝撃が生じ、導電性の堆積膜が誘電板7に付着するのを効果的に防止できたためである。実際、イリジューム膜付きの基板7を50枚エッチング処理した後、誘電板7の表面状態を調べたが、導電性の堆積膜は全く形成されていなかった。
【0022】
以上述べた本発明の実施形態においては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、プラズマ源の構造及び配置等に関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外にも様々なバリエーションが考えられることは、いうまでもない。
【0023】
例えば、図2の本発明の第2実施形態に示すように、コイル8が多重の渦型であってもよい。この場合、コイル8のインダクタンスが低く、高い周波数または大型コイルに対して良好な整合状態を得やすいという利点がある。また、図3の本発明の第3実施形態に示すように、コイル8が円筒型であってもよい。この場合、誘電板の代わりに誘電体筒19を用いる。
【0024】
以上述べた本発明の第1実施形態においては、第1の高周波電力の周波数が13.56MHz、第2の高周波電力の周波数が500kHzである場合を例示したが、第2の高周波電力の周波数が、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であることが好ましいと考えられる。本発明の第1実施形態においては、コンデンサ15の容量は1000pFであるから、コンデンサのインピーダンスは第1の高周波電力に対して、
1/(2π×13.56×106×1000×10-12)=12Ω
となる。一方、第2の高周波電力に対しては、
1/(2π×500×103×1000×10-12)=320Ω
となる。コイル8のインダクタンスは0.8μHであったので、コイル8のインピーダンスは第1の高周波電力に対して、
2π×13.56×106×0.8×10-6=68Ω
となる。一方、第2の高周波電力に対しては、
2π×500×103×0.8×10-6=2.5Ω
となる。したがって、コイル8にかかる電圧とコンデンサ15にかかる電圧の比は、第1の高周波電力に対しては、
68÷12=5.7
となり、第2の高周波電力に対しては、
2.5÷320=0.0078
となる。したがって、コイル8とコンデンサ15の直列回路は、第1の高周波電力からみればほぼ誘導性(コイル成分)であり、第2の高周波電力からみればほぼ容量性(コンデンサ成分)であることがわかる。つまり、第1の高周波電力によって誘導結合型プラズマを発生させながら、第2の高周波電力によってコイル8とプラズマとを容量的に結合させ、誘電板7や誘電体筒19の表面に自己バイアス電圧に起因するイオン衝撃を与えることができる。このような関係は、概ね第2の高周波電力の周波数が、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下である場合に成り立つと考えられる。第2の高周波電力の周波数が、第1の高周波電力の周波数の10分の1より大きいと、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が小さすぎ、意図する効果を期待し難い。
【0025】
なお、従来例においても、コイル8の中心付近では、高周波電圧が比較的大きいので、誘電板7の中心付近にはある程度の自己バイアス電圧に起因するイオン衝撃が起きるが、コイル8の外周付近では高周波電圧が低いため、誘電板7の外周付近にはほとんど自己バイアス電圧に起因するイオン衝撃が起きない。また、本発明では、第1の高周波電力の大きさによってプラズマ密度を制御し、これとは独立に第2の高周波電力の大きさによってイオン衝撃を制御できるという利点がある。
【0026】
また、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であると、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が十分得られ、効果的であると考えられる。この条件が満たされないと、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が小さすぎ、意図する効果を期待し難い。なお、本発明の第2実施形態のように、多重のコイルを用いる場合においては、ひとつひとつのコイルとコンデンサのペアについて、そのインピーダンスを考えればよい。
【0027】
また、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスが25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスが250Ω以上であると、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が十分得られ、効果的であると考えられる。この条件が満たされないと、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が小さすぎ、意図する効果を期待し難い。なお、本発明の第2実施形態のように、多重のコイルを用いる場合においては、ひとつひとつのコイルとコンデンサのペアについて、そのインピーダンスを考えればよい。
【0028】
また、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスが50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスが5Ω以下であると、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が十分得られ、効果的であると考えられる。この条件が満たされないと、コイル8とコンデンサ15にかかる電圧の比において、第1の高周波電力と第2の高周波電力の差が小さすぎ、意図する効果を期待し難い。なお、本発明の第2実施形態のように、多重のコイルを用いる場合においては、ひとつひとつのコイルとコンデンサのペアについて、そのインピーダンスを考えればよい。
【0029】
次に、本発明の第4実施形態について、図4を参照して説明する。
【0030】
図4に、本発明の第4実施形態において用いた、誘導結合型プラズマ源を搭載したプラズマ処理装置の斜視図を示す。図4において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、コイル用第1高周波電源5により13.56MHzの第1の高周波電力を基板電極6に対向した誘電板7に沿って設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマが発生し、基板電極6上に載置された基板9または基板9上に形成された膜に対してプラズマ処理を行うことができる。また、基板電極6に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源10が設けられており、基板9に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、基板電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、基板電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。基板電極6は、4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
【0031】
コイル8の一端をなす給電点13は、コイル8が形成する渦の中心に位置する。また、コイルの間隙に設けられた電極20に第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給するための電極用第2高周波電源16が設けられている。本実施形態においては、電極20が形成する渦の中心に第2の高周波電力を印加しているが、渦の外周端であってもよく、また、必ずしも端部である必要は無い。また、電極20は接地されていない。
【0032】
また、第1の高周波電力の反射波検出回路系に第2の高周波電力による変調の影響が及ぶのを防ぐための回路として、バンドパスフィルタ17が設けられている。これは、第2の高周波電力の供給によって誘電板7の表面のシース厚さが500kHzで変動することによる影響を除去し、第1の高周波電力の反射波のうち、13.56MHzの成分のみを取り出して検出するためのものである。このような構成において、第1の高周波電力の反射波を反射波計18でモニタしつつ処理を行うことにより、整合状態やコイル用第1高周波電源のトラブルをリアルタイムで検知することが可能となる。なお、第1の高周波電力の周波数をf1、第2の高周波電力の周波数をf2としたとき、バンドパスフィルタ17の周波数特性はf1付近を中心周波数とし、f1±f2において10dB以上の減衰率をもつことが好ましい。
【0033】
以上述べた構成のプラズマ処理装置において、真空容器1内にアルゴンガスを145sccm、塩素ガスを15sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながら、コイル8に、第1の高周波電力を1500W供給し、電極20に第2の高周波電力を500W供給しつつ、基板電極6に400kHzの高周波電力を400W供給する条件で、厚さ200nmのイリジューム膜付きの基板9を50枚エッチングしたところ、0.23μm以上の粒径をもつダストは、基板9上に50個以下しか発生せず、真空容器1のウエットメンテナンスを行わずに連続処理できる基板枚数が、従来例に比べて飛躍的に向上した。また、初期のエッチングレートが98nm/minであったのに対し、50枚エッチング処理後のエッチングレートは97nm/minとなり、従来例でみられたようなエッチングレートの低下は起きなかった。
【0034】
これは、電極20とプラズマとを容量的に結合させたことにより、誘電板7の表面にイオン衝撃が生じ、導電性の堆積膜が誘電板7に付着するのを効果的に防止できたためである。実際、イリジューム膜付きの基板7を50枚エッチング処理した後、誘電板7の表面状態を調べたが、導電性の堆積膜は全く形成されていなかった。
【0035】
以上述べた本発明の実施形態においては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、プラズマ源の構造及び配置等に関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外にも様々なバリエーションが考えられることは、いうまでもない。
【0036】
例えば、図5の本発明の第5実施形態に示すように、コイル8が多重の渦型であってもよい。この場合、コイル8のインダクタンスが低く、高い周波数または大型コイルに対して良好な整合状態を得やすいという利点がある。この場合、図5に示すように、電極20も全体として多重の渦をなす構造にすることが好ましい。また、図6の本発明の第6実施形態に示すように、コイル8が円筒型であってもよい。この場合、誘電板の代わりに誘電体筒19を用いる。また、電極20も円筒型の螺旋形状とすることが好ましい。
【0037】
以上述べた本発明の第4実施形態においては、第1の高周波電力の周波数が13.56MHz、第2の高周波電力の周波数が500kHzである場合を例示したが、第2の高周波電力の周波数が、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であることが好ましいと考えられる。このような関係があると、第1の高周波電力と第2の高周波電力の干渉が生じにくいという利点がある。
【0038】
以上述べた本発明の実施形態においては、プラズマ処理としてイリジューム膜付き基板をエッチングする場合を例示したが、本発明は、他の様々なエッチング処理、プラズマCVD処理に適用可能である。一般にエッチング処理、プラズマCVD処理において、誘電板や誘電体筒への堆積膜の付着が問題となる場合が多いためである。しかし、本発明は、高融点金属膜をエッチングするに際してとくに効果的である。このような膜をエッチング処理する場合、誘電板や誘電体筒に導電性堆積膜が付着しやすいからである。高融点金属膜はイリジュームに限定されるものではなく、ロジューム、ルテニウム、プラチナ、金、銅、レニウム、ビスマス、ストロンチューム、バリウム、ジルコニウム、鉛、ニオブのうち少なくとも1つの元素を含む膜をエッチング処理する場合に、本発明はとくに効果的である。
【0039】
また、コイルに供給する第1高周波電力の周波数が13.56MHzである場合を例示したが、誘導結合型プラズマを効率的に発生させるには、1MHz乃至60MHzの周波数を用いることが好ましい。1MHzより小さいと、十分なプラズマ密度が得られないという欠点があり、逆に60MHzより大きいと、コイルに定在波が生じて均一なプラズマを得るのが極めて困難となる。
【0040】
また、基板電極に供給する高周波電力の周波数が、400kHzである場合を例示したが、基板へ到達するイオンエネルギーを制御するにあたり、他の周波数、たとえば、100kHz乃至100MHzの高周波電力を用いることができることは、いうまでもない。あるいは、基板電極に高周波電力を供給しなくとも、プラズマ電位と基板電位とのわずかな差を利用して、弱いイオンエネルギーによるプラズマ処理を行うこともできる。また、基板電極に供給する高周波電力の周波数については、コイルまたは電極に供給する第2の高周波電力の周波数とは異なる周波数を用いる方が、高周波の干渉を避けることが容易であるという利点がある。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の第1発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスはコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスはコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理するため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理方法を提供することができる。
【0042】
また、本願の第2発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは250Ω以上であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理するため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理方法を提供することができる。
【0043】
また、本願の第3発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは5Ω以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理するため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理方法を提供することができる。
【0044】
また、本願の第4発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を、基板電極に対向して設けられた渦型コイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、第2の高周波電力の周波数は、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であり、かつ、前記渦型コイルと同一平面上に形成され前記渦型コイルを構成する導体の径方向に隣合う導体間の少なくとも一部に設けられた電極に前記第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理するため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理方法を提供することができる。
【0045】
また、本願の第5発明のプラズマ処理装置によれば、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理装置を提供することができる。
【0046】
また、本願の第6発明のプラズマ処理装置によれば、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは250Ω以上であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理装置を提供することができる。
【0047】
また、本願の第7発明のプラズマ処理装置によれば、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは5Ω以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理装置を提供することができる。
【0048】
更に、本願の第8発明のプラズマ処理装置によれば、真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられた渦型コイルと、渦型コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、第2の高周波電力の周波数は、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であり、かつ、前記渦型コイルを構成する導体の径方向に隣合う導体間の少なくとも一部に設けられた電極に前記第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたため、ダストが生じにくく、安定したエッチングレートが得られるプラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す断面図
【図2】 本発明の第2実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す斜視図
【図3】 本発明の第3実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す断面図
【図4】 本発明の第4実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す斜視図
【図5】 本発明の第5実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す斜視図
【図6】 本発明の第6実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す断面図
【図7】 従来例で用いたプラズマ処理装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 ターボ分子ポンプ
4 調圧弁
5 コイル用第1高周波電源
6 基板電極
7 誘電板
8 コイル
9 基板
10 基板電極
11 排気口
12 支柱
13 給電点
14 コイルの他端
15 コンデンサ
16 コイル用第2高周波電源
17 バンドパスフィルタ
18 反射波計

Claims (11)

  1. 真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、
    コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスはコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスはコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理すること
    を特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、
    コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは250Ω以上であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理すること
    を特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を基板電極に対向して設けられたコイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、
    コンデンサを介して前記コイルの他端を接地した状態で、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは5Ω以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理すること
    を特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 真空容器内の基板電極に基板を載置し、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を、基板電極に対向して設けられた渦型コイルの一端をなす給電点に供給することにより、真空容器内に誘導結合型プラズマを発生させ、基板または基板上に形成された膜を処理するプラズマ処理方法であって、
    第2の高周波電力の周波数は、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であり、かつ、前記渦型コイルと同一平面上に形成され前記渦型コイルを構成する導体の径方向に隣合う導体間の少なくとも一部に設けられた電極に前記第2の高周波電力を供給しつつ基板を処理すること
    を特徴とするプラズマ処理方法。
  5. プラズマ処理は、基板上に形成されたイリジューム、ロジューム、ルテニウム、プラチナ、金、銅、レニウム、ビスマス、ストロンチューム、バリウム、ジルコニウム、鉛、ニオブのうち少なくとも1つの元素を含む膜のエッチング処理であること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマ処理方法。
  6. 真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、
    コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの2倍以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスがコンデンサのインピーダンスの5分の1以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、
    コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは25Ω以下、第2の高周波電力に対するコンデンサのインピーダンスは250Ω以上であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられたコイルと、コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、
    コンデンサを介して前記コイルの他端が接地され、第1の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは50Ω以上、第2の高周波電力に対するコイルのインピーダンスは5Ω以下であり、前記コイルに第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 真空容器と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内を所定の圧力に制御する調圧弁と、真空容器内に基板を載置する基板電極と、基板電極に対向して設けられた渦型コイルと、渦型コイルの一端をなす給電点に周波数1MHz乃至60MHzの第1の高周波電力を供給する第1の高周波電源とを備えたプラズマ処理装置であって、
    第2の高周波電力の周波数は、第1の高周波電力の周波数の10分の1以下であり、かつ、前記渦型コイルを構成する導体の径方向に隣合う導体間の少なくとも一部に設けられた電極に前記第2の高周波電力を供給する第2の高周波電源を備えたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  10. 渦型コイルの他端は、接地されていることを特徴とする請求項4記載のプラズマ処理方法。
  11. 渦型コイルの他端は、接地されていることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理装置。
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