JP3899949B2 - 集合住宅の配管ユニット - Google Patents
集合住宅の配管ユニット Download PDFInfo
- Publication number
- JP3899949B2 JP3899949B2 JP2002026247A JP2002026247A JP3899949B2 JP 3899949 B2 JP3899949 B2 JP 3899949B2 JP 2002026247 A JP2002026247 A JP 2002026247A JP 2002026247 A JP2002026247 A JP 2002026247A JP 3899949 B2 JP3899949 B2 JP 3899949B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- housing
- piping unit
- piping
- panels
- pair
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Panels For Use In Building Construction (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンションやアパートなどの集合住宅に用いられる集合住宅の配管ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
マンションなどの集合住宅において、各住宅への水道水の給水および下水の排水やガスの供給は、パイプスペースと称される空間を通じて行われている。かかるパイプスペースは、水道メータやガスメータ、あるいはガス湯沸かし器などを含んでおり、随時ドアを開放することにより、メータ類の点検などが行われる。
従来、上記パイプスペースは、集合住宅の各階における開放廊下側に開口する建物の躯体内を独立して区画することにより設けられていた。このため、建物の躯体を形成する際、同時にコンクリート打ちしてパイプスペースを形成した後で、かかるパイプスペース内に水道管やガス管などを配管していた。
即ち、パイプスペースは、建物の躯体内に形成されているので、比較的狭い空間に制限されることが多く、水道管やガス管などの交換や追加などのメンテナンスは非常に困難であった。しかも、かかるパイプスペースは、居住者の住宅空間を制限する一因ともなっていた。
【0003】
以上のような配管に伴う施工やメンテナンス上の不都合や居住者の住宅空間への制限をなくすため、複数階の開放廊下の外側にまたがって配管設備ユニットを垂直に取り付けることが提案されている(特開平8−42123号公報参照)。
しかしながら、上記配管設備ユニットは、その外側に集合住宅の建物本体の外壁を取り付けるのと同様の手段によって施工され且つ各フロアごとの高さを有する耐火軽量コンクリート板からなるハウジングを使用している。
このため、水道管やガス管などが配管された後で、これらの周囲にクレーンなどにより上記ハウジングを吊り上げ且つ開放廊下の外側に固定するには、大がかりな工事となって相当の危険を伴うと共に、重量も大きいため、集合住宅の躯体への負荷が過大となる、という問題があった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、集合住宅における建物の外部に複数階にまたがって垂直に取り付けられ、軽量で且つ取り付けが容易な集合住宅の配管ユニットを提供する、ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、集合住宅における建物の外部に複数階にまたがって垂直に取り付けられる配管ユニットのハウジングに軽量なサンドイッチパネルを用いる、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明における集合住宅の配管ユニット(請求項1)は、集合住宅において複数階にわたり当該集合住宅を構成する建物の外部に垂直方向に配置される配管ユニットであって、各階の高さまたは複数階の高さに相当する高さを有する個々の配管ユニットが上下に連結して形成され、各配管ユニットは必要な配管と機器とが内蔵され且つ平面視でほぼコ字形を呈して上記建物側に開口するハウジングで覆われると共に、上記ハウジングは、内外一対の金属板とその間に挟持したハニカムコアの心材とからなるサンドイッチパネルにより形成され、かかるサンドイッチパネルが、平面視でほぼL字形を呈する左右一対の側パネルと、これらの間に連続して配置され且つ平面視でほぼ一字形の平パネルと、からなり、かかるサンドイッチパネルのうち、上記平パネルは幅方向の寸法が異なる複数の種類が用意され、かかる複数の種類における何れかの平パネルの左右両側に上記一対の側パネルを対称に配置することにより、上記ハウジングの幅寸法を変更可能とされている、ことを特徴とする。
【0006】
これによれば、マンションなどの集合住宅における建物の躯体を形成した後で、建物の外部、例えば開放廊下の外側にまたがって、個々の配管ユニットが上下に連続して配設される。即ち、各配管ユニットには、水道管やガス管などの必要な管類および各種の機器類が内蔵されると共に、その外側に、サンドイッチパネルにより形成される軽量なハウジングで形成される当該配管ユニットをクレーンなどにより吊り上げ、建物の躯体の外側に容易に取り付けることが可能となる。
また、各ハウジングは、一対の金属板の間にハニカムコアの心材を挟持した軽量なサンドイッチパネルから形成されているため、地上のクレーンで所定の高さの位置に迅速且つ安全に搬入でき、且つ躯体側との固定作業も容易に行うことが可能となる。更に、取り付け後において、建物の躯体への負荷を極めて小さくできると共に、外観の意匠性も良好に保つことができる。加えて、収納した配管や機器類の点検や取り替え工事に際しても、比較的広いスペースで作業が可能となり、必要に応じて上記ハウジングを形成するパネルを容易に取り外し且つ再度取り付けることも可能である。
【0007】
しかも、請求項1の配管ユニットによれば、予め左右の側パネルは断面ほぼL字形を呈しているため、サンドイッチパネルにより個々の配管ユニットのハウジングを形成する際に、取り付け作業に手数を要するコーナ部の作業が不要となる。これにより、集合住宅における各階の高さまたは複数階の高さに相当する高さを有する個別の配管ユニットにおけるハウジングを、予め工場内または地上で精度良く形成することができる。加えて、収納した配管の点検や取り替え工事に際して、何れかのパネルを取り外すことが必要な場合でも、当該パネルの取り外しおよび再度の取り付けを、容易に行うことができる。
更に、収納する水道管やガス管の数、これらのメータ類、あるいは湯沸かし器などの機 器類に要する容積に応じて、複数種類の平パネルを選択することにより、各ハウジングの幅方向における寸法を容易に調節することができる。従って、ハウジング内の容積を無駄なく活用することができる。
【0008】
尚、前記サンドイッチパネルに用いる金属板には、少なくとも外側面が塗装された鋼製の薄板や、アルミニウム合金の薄板などが用いられる。
また、上記パネルの心材に用いるハニカムコアには、蜂の巣状の六角柱形状であるコア材や、薄板を円柱状に形成した円筒形のコア材が含まれ、これらコア材の軸心が上記パネルの厚み方向に沿うように密に配置される。
更に、各ハウジングにおける建物側(例えば開放廊下側)の開口部には、点検用の開閉式扉が配置される。また、上記ハウジング内には、水道やガスなどの主管が収納され、これらから各住宅へ接続する枝管は、各ハウジング内から分岐して配管される。
【0009】
尚、前記側パネルは、例えば予め形成された平パネルを用い、一方の金属板から心材に向けて断面ほぼV字形の凹溝を形成し、かかる凹溝を挟んだ両側のパネル部分を互いに接近させるようほぼ直角に折り曲げると共に、その内隅で適宜固定して断面ほぼL字形としても良い。また、複数のV字形の凹溝を形成し、これらの両側のパネル部分を順次折り曲げることにより、出隅部分が多角柱またはほぼ4分の1の円周面を有する円柱形を呈する側パネルとすることもできる。
【0010】
また、本発明には、前記ハウジングを形成する前記一対の側パネルおよびこれらの間に位置する平パネルは、これらのパネルの内側に配置される配管ユニットの強度部材に、直接またはアルミニウム合金の押出形材などを介して間接的に固定されている、集合住宅の配管ユニット(請求項2)も含まれる。
【0011】
これによれば、一対の側パネルとこれらの間に連続して配置される平パネルとからなる各ハウジングを、鋼材などからなる強度部材に対して強固に固定できる。特に、上記押出形材をハウジングを形成する各パネルと強度部材との間に介在させることにより、各パネルの位置決めを精度良く行えると共に、容易且つ迅速に固定でき、更に外観の意匠性も良好に仕上げることができる。
【0012】
加えて、本発明には、前記サンドイッチパネルにおける前記内外一対の金属板の間に挟持される心材は、アルミニウム箔からなるハニカムコア(円柱状のコア材も含む)、セラミックシートからなるハニカムコア、または、ペーパーからなるハニカムコアの何れかである、集合住宅の配管ユニット(請求項3)も含まれる。
これによれば、ハウジングを形成する各サンドイッチパネルを軽量にし且つ強度を高めることが確実となる。この結果、配管ユニットを軽量化でき、取付後における躯体への負荷も極く少なくし且つ所要の強度を長く保つことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A),(B)は、本発明が適用される集合住宅の配管ユニットUの取付後の状態を示す。かかる配管ユニットUは、図1(A)に示すように、3階建てのマンション(集合住宅)Mにおける1階(1F)から3階(3F)の各階に平行に設けられ且つ各階の住宅に隣接する開放廊下R1〜R3の外側に、これらを跨って垂直に配置される。この配管ユニットUは、1階(1F)から3階(3F)の各階毎の高さを有する個々の配管ユニットU1,U2,U3の3つを上下に連続させ且つ連結して形成される。また、配管ユニットUの上端は、マンションMの屋上付近に位置し、その下端は基礎上に設置される四角錐形状の下端部分カバーGで化粧される。
尚、図1(A)中において、符号「T」は開放廊下R1〜R3のコンクリート手摺を示し、符号「d」は各住宅の玄関ドアを示す。
【0014】
図1(A)に示すように、個々の配管ユニットU1,U2,U3は、各階(1F〜3F)毎の高さに相当する高さを有し、それぞれの内部に水道やガスの主管Pやその他の配管p、および各種のメータなどの機器類を内蔵すると共に、それぞれハウジングH1〜H3に覆われている。全体の配管ユニットUは、これら個別のユニットU1,U2,U3を上下方向に接続したものである。
また、図1(B)に示すように、何れの配管ユニットU1,U2,U3も、ハウジングHn(nは1〜3の何れか)も、平面視でほぼコ字形を呈し且つ開放廊下Rn(nは1〜3の何れか)側に開口する開口部(開口)3を有している。かかる開口部3には、図1(B)に示すように、観音開き式の扉2a,2bが取り付けられ、これらは開放廊下Rnの手摺Tに設けた凹部T1内でほぼ90度に開放可能とされている。
尚、手摺Tに凹部T1が設られていない場合は、上記扉2a,2bの高さは、かかる手摺Tよりも上側の寸法とされる。また、図1(B)中の符号「K」は、マンションMの壁を、符号「S1,S2」は各住宅の室内空間(住宅)を示す。
【0015】
図2(A)は、配管ユニットUnにおいて、本発明の前提となる参考形態のハウジングHnの水平断面を示し、図示で左側が屋外であり、右側が建物(前記マンションM)側である。
ハウジングHnは、図2(A)に示すように、平面視でほぼL字形を呈する左右一対の側パネル4,5と、これらの間に連続して配置され且つ平面視で一字形を呈する平パネル6と、から形成される。これらのパネル4〜6は、図2(B)の側パネル4を例として示すように、内外一対の金属板8,8と、これらの間に挟持したハニカムコアの心材9と、からなるサンドイッチパネルである。
上記一対の金属板8,8は、それぞれ厚みが約0.5mmから2mmの鋼板またはアルミニウム合金の薄板である。また、これらの間に接着して挟持される上記心材9は、厚みが5〜50mmであり、アルミニウム箔、水酸化アルミニウムのシート、またはペーパーから形成されたハニカムコアで、多数の六角柱のコアはパネル4〜6の厚み方向に沿っている。
【0016】
一対の側パネル4,5は、何れかの金属板8から心材9に向けて断面ほぼV字形の凹溝(図示せず)を形成し、かかる凹溝を挟んだ両側のパネル部分を互いに接近させるようほぼ直角に折り曲げると共に、図2(A)に示すように、その内隅にアルミニウム合金のアングル7をリベット7aにより固定したものである。
図2(A)に示すように、ハウジングHnを形成するパネル4〜6の内側には、配管ユニット1の強度部材(構造体)である鋼製のチャンネル10,11とアングル12,13とが縦・横方向に配置される。これらは、互いに接合されて当該配管ユニットUnを支持すると共に、後述する部位で前記マンションMの躯体に固定される。
【0017】
サンドイッチパネル4〜6間は、図2(A)に示すように、アルミニウム合金の押出形材14,18により接続されると共に、これらを介して上記アングル12に固定される。上記押出形材14は、図2(D)に示すように、平坦な基板15と、その外側面に突設した一対ずつで互いに対称な凸条16,17とを断面の全長に沿って有する。また、上記押出形材18は、一対の平板19,19と、これらの間に位置し且つ上記形材14の凸条16,16間に先端が嵌合する突部20と、その外側に開口する凹溝21とからなるほぼハット形断面を、その全長に沿って有し、且つ平板19,19の内側面には、凸条22,22が突設されている。
【0018】
図2(A)に示すように、平パネル6の両側の端面に、側パネル4,5における先端部4a,5aの端面を対向させた状態で、かかるパネル4〜6の内・外側に合成ゴム製の水密パッキン23を介して、押出形材14,18を外・内側から挟み付ける。この際、押出形材18の突部20は、押出形材14の凸条16,16間にその先端が嵌合すると共に、各凸条17,22は、各水密パッキン23に食い込んでその位置決めを果たす。上記各水密パッキン23を介して、隣接するパネル4,6およびパネル5,6を内外から挟持した押出形材14,18は、図2(A)に示すように、突部20と基板15とを貫通するネジ25により、アングル12に固定される。上記ネジ25の頭が位置する押出形材18の凹溝21には、シリコン系のシール材24が充填される。
【0019】
図2(A)に示すように、側パネル4,5の基端部4b,5bにおける端面寄りの部分は、アルミニウム合金の押出形材26,32により挟持されると共に、これらを介して前記チャンネル10に固定される。上記押出形材26は、図2(C)に示すように、内外方向に沿う基板27と、先端に断面先太形の凸条29を有する外向き片28と、上記凸条29に対向して基板27から突出する凸条30と、基板27から伸びる内向き片31と、をその断面の全長に沿って有する。
また、押出形材32は、図2(C)に示すように、内外方向に沿う押縁片33と、その一端に位置しやや鋭角に凹む凹部35と、上記形材26の凸条29,30間に進入する先細片34と、をその断面の全長に沿って有する。
【0020】
図2(A)の上下に示すように、側パネル4,5の基端部4b,5bの端面寄りの部分に、内・外側の合成ゴム製の水密パッキン39,38を介して、押出形材26,32を内・外側から挟み付ける。この際、押出形材32の先細片34は、押出形材26の凸条29,30間に進入し且つ前者の凹部35に後者の凸条29が嵌合する。この結果、上記形材32の押縁片33は、水密パッキン38を介して、パネル4,5を内側向きに押さえ込む。
次に、側パネル4,5の基端部4b,5bを内外から挟持した押出形材26,32のうち、押出形材32を支持する押出形材26の内向き片31を、当該ハウジングHnの開口部3の両側に位置するチャンネル10の側面に添接した後、ボルト36およびナット37により、上記チャンネル10に側パネル4,5の基端部4b,5bを固定する。
【0021】
この結果、図2(A)に示すように、配管ユニットU(Un)の強度部材である鋼製のチャンネル10,11やアングル12,13に、平面視でほぼコ字形を呈し且つ側パネル4,5および平パネル6からなるハウジングHnが固定される。また、押出形材14,18,26,32により、パネル4〜6を精度良く位置決めしてアングル12などに容易且つ迅速に固定でき、外観の意匠性も良好となる。
更に、図2(A)の上下に示すように、側パネル4,5の端部に位置する押出形材26の内側には、バックアップ材46およびシリコン系のシール材48を介して枠材40が取り付けられる。かかる枠材40は、例えばステンレス鋼板を曲げ加工した板金材で、外側の幅広いコ形片41と、内側の小さなコ形片44と、これらの間に位置する段部42とからなる断面を、その全長に沿って有する。
そして、開口部3の両側に対称に取り付けられた枠材40,40の段部42,42間には、追って点検用の扉2a,2bが観音開き式にして取り付けられる。
【0022】
図3(A)は、上下方向に連結される配管ユニットU1,U2,U3…における前述したハウジングHn,Hn+1間における接続部を、配管ユニットU1,U2におけるハウジングH1,H2などを例として示す垂直断面図である。
図3(A)に示すように、配管ユニットU2の下部には鋼材製のチャンネル50,51などが枠組みされ、これらの上に固定した床板52が配置され、建物側のチャンネル51には、上下一対のアングル片56、垂直片57、および下枠58が図示しないリベットなどにより固定されている。下枠58の上方には、手摺Tの凹部T1側に開閉する扉2a(2b)が追って配置される。尚、チャンネル50,51などは、前記チャンネル10などと接続され、配管ユニットU2の強度部材を形成する。また、配管ユニットU1の下部も上記と同じ構造を有する。
【0023】
図3(A)に示すように、配管ユニットU1の上部には鋼材製のチャンネル54,55などが枠組みされ、且つこれらも前記チャンネル10などと接続され、配管ユニットU1の強度部材を形成する。また、配管ユニットU2の上部も上記と同じ構造を有する。尚、屋内側のチャンネル55は、追って前記マンションMの躯体であるフロア(スラブ)Fにボルト59で固定されたアングル53上に載置され、且つ図示しないボルトなどにより連結される。これにより、クレーンにて吊り上げられた当該ユニットU1(U2)は、マンションMの躯体に固定される。
図3(B)の拡大図に示すように、配管ユニットU1,U2の接続構造を、両者のハウジングH1,H2の平パネル6,6間付近を例として説明する。平パネル6,6の上端部および下端部は、内外一対の押出形材60,70により挟持されると共に、建物側の押出形材60を介してチャンネル50,54に固定される。
【0024】
押出形材60は、図3(C)に示すように、チャンネル50側に伸びる厚肉の水平片61、その外側に伸びる薄肉の水平片62、およびこれらの間から立設する垂直片64からなるほぼT字形の断面を、その全長に沿って有する。上記水平片62の先端には、断面先太形の凸条63が、また、上記垂直片64の根元寄りと中間には、凸条65,68がそれぞれ形成されている。上記凸条63および凸条65が対向する水平片62の一側面には、底広凹溝66が位置している。
また、押出形材70は、図3(D)に示すように、垂直方向に沿った押縁片71と、その一端に位置しやや鋭角に凹む凹部73と、上記押縁片71の内側面に突設した凸条74と、上記形材60の底広凹溝66内に進入する先細片72と、をその断面の全長に沿って有する。
【0025】
図3(B)に示すように、平パネル6,6の上端部および下端部に、内・外側から合成ゴム製の水密パッキン77やシリコン系のシール材78を介して、押出形材60,70をそれぞれ内・外側から挟み付ける。
この際、押出形材70の先細片72は、押出形材60の底広凹溝66内に進入し且つ前者の凹部73に後者の凸条63が嵌合することにより、上記形材70の押縁片71は、シール材78を介して、パネル6,6を内側向きに押さえ込む。また、押出形材60の凸条68は、水密パッキン77に食い込み、押出形材70の凸条74は、シール材78のバックアップ材79を位置決めする。
【0026】
次に、図3(B)に示すように、平パネル6,6の上/下端部を内外から挟持した押出形材60,70のうち、外側の形材70を支持する内(建物)側の形材60の水平片61を、配管ユニットU1,U2の上部または下部に位置するチャンネル50,54の一片に添接した後、ボルト75およびナット76により、かかるチャンネル50,54に固定する。この結果、平パネル6,6の上/下端部がチャンネル50,54などの強度部材に固定される。
尚、以上のような押出形材60,70の挟持、チャンネル50などへの固定、およびシール材78の充填などは、配管ユニットU1,U2のハウジングH1,H2を形成する前記側パネル4,5の上/下端部へも同様にして行われる。
【0027】
以上のようなチャンネル10,50などの強度部材には、パネル4〜6からなるハウジングH1,H2が取り付けられると共に、必要な管P,pが固定される。そして、得られた各配管ユニットUnは、クレーンにより所定の高さ吊り上げられ、前記アングル53およびボルト59を介して建物の躯体に固定される。
更に、図3(B)に示すように、建物の躯体に固定され且つ上下に隣接する配管ユニットU1,U2の押出形材60,60間の隙間に、断面がほぼ楕円形のバックアップ材80が挿入されると共に、その屋外側にシール材82が充填される。
これにより、前記図1(A)に示した配管ユニットU1,U2,U3からなる配管ユニットUを、マンションMの開放廊下R1〜R3の外側に跨って容易に取り付けることができる。尚、前記図1(A)で最上層のハウジングH3の上端部には、例えば前記同様のサンドイッチパネルを加工して組み立てられ、かかる上端部を覆うようにした偏平な天板ユニットが取り付けられる。
【0028】
図4(A),(B)は、幅方向の寸法wを互いに相違させた平パネル6a,6bを含む本発明のハウジングHnを示す。例えば、左右の側パネル4,5における先端部4a,5aおよび基端部4b,5bの各幅寸法は共通とし、前記平パネル6を、その幅方向の寸法wを標準とすると共に、これよりも小さい幅方向の寸法wの平パネル6aと、大きい幅方向の寸法wの平パネル6bとの3種類を用意する。
その結果、図4(A)に示す幅方向の寸法wの小さい平パネル6aの両側に側パネル4,5を配置するハウジングHnの幅方向の寸法Wは、図4(B)に示す幅方向の寸法wの大きい平パネル6bの両側に側パネル4,5を配置するハウジングHnの幅方向の寸法Wよりも小さくなる。
従って、3種類の平パネル6,6a,6bを用意することにより、幅方向の寸法Wが3通りとなるハウジングHnが容易に形成できるため、収納する水道管やガス管などに要する種々の容積に、過不足なく容易に対応することができる。
【0029】
図4(C)は、側パネル4(5)と平パネル6との間における異なる形態の接続構造、およびこれらパネル4,6付近のアングル12を例とした強度部材への固定構造を示す。図4(C)に示すように、側パネル4および平パネル6の外側の金属板8における端部には、断面コ字形でやや長い折曲部8aが、内側の金属板8における端部には、断面コ字形でやや短い折曲部8bが、それぞれ形成されている。この結果、パネル4,6の端面には、図4(C)に示すように、折曲部8a,8bに挟まれた凹溝9aがそれぞれ位置する。また、パネル4,6の折曲部8a,8aを当接させると、内側の折曲部8b,8b間には、隙間が形成される。
【0030】
図4(C)に示すように、予め断面角形の中空部87を内蔵する継ぎ手部86と、これから内側に伸びる固定片88とからなる押出形材84を用意する。
次に、上記形材84の継ぎ手部86を、パネル4,6の端面における凹溝9a,9a間に嵌合する。この際、継ぎ手部86を各凹溝9aに強く嵌合するか、あるいは両者の間に図示しないクッション材を挿入して、位置ずれを防ぐ。
次いで、図4(C)に示すように、パネル4,6の折曲部8b,8b間の隙間から内側に伸びた固定片88を、アングル12の一片に添接し、かかる状態でボルト90およびナット92により、当該アングル12に固定する。
以上のような金属板8に折曲部8a,8bを含む側パネル4(5)、平パネル6、および押出形材84を用いることにより、パネル4,6が容易に接続でき、且つ接続したパネル4,6の外側の目地も目立たないようにすることができる。
【0031】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記個々の配管ユニットU1,U2,U3およびこれらに個別に取り付けられるハウジングHnの高さは、複数階(例えばF1+F2)の高さに相当するものとしても良い。これにより、高層階の集合住宅にも容易に適用できる。
また、前記ハウジングHnを形成する前記パネル4〜6を、配管ユニットUnの強度部材である前記アングル12などに対して、ボルト・ナットおよびこれらの付属金具により、直接的に固定しても良い。あるいは、鋼材製の接続金具を介して、前記パネル4〜6を前記アングル12などに間接的に固定しても良い。
更に、サンドイッチパネルの前記心材9には、ガラス繊維からなるハニカムコアとしたり、あるいはこれを含む各ハニカムコアにおける六角柱や円柱形のコア空間内にグラスウールまたはロックロールを更に充填したものを用いても良い。
尚、前記集合住宅の建物における開放廊下には、上下の階層間が平行で且つジグザク状の昇降用階段における各階層間に位置する踊り場も含まれる。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の配管ユニット(請求項1)によれば、集合住宅の建物の躯体を形成した後で、その外部に1階分ないし複数階分の高さを有する配管ユニットをレーンなどにより吊り上げることにより、容易に取り付けることができる。また、個々の配管ユニットには、必要な配管・分岐管・各種機器類などの外周を囲うハウジングが予め一体化されているため、配管作業を事前に行うことも可能となり、現場では個々の配管ユニット同士間の連結作業と分岐管の接続作業のみを行うだけで済む。更に、各ハウジングは、一対の金属板の間にハニカムコアの心材を挟持した軽量なサンドイッチパネルからなるため、軽量で配管ユニット全体の重量も軽減でき、且つクレーンにより安全且つ迅速に設置できると共に、躯体側との固定作業も容易に行える。しかも、取り付け後において、建物の躯体への負荷を極めて小さくでき、且つ外観の意匠性も良好に保つことができる。加えて、個々の配管ユニット同士間に連通して垂直配管が行えるため、メンテナンス・配管類の交換や増設なども容易に行うことができる。
【0033】
また、前記請求項1の配管ユニットによれば、断面ほぼL字形の一対の側パネルとその間に連続して配置される平パネルとにより、ハウジングが形成される。このため、パネルの取付に際し、コーナ部の施工処理が不要となるので、集合住宅における各階の高さまたは複数階の高さに相当する高さを有する個々の配管ユニットを、予め工場内または地上で精度良く形成できる。また、内蔵される配管の本数や機器類の数により個々の配管ユニットの大きさを変更した場合には、平パネルの幅を変更することにより、配管ユニットのサイズを容易に変更できる。
更に、前記請求項1の配管ユニットによれば、内部に収納する水道管やそのメータ類または湯沸かし器などの機器類に要する容積に応じて、複数種類の平パネルを選択することにより、各ハウジングの幅方向における寸法を容易に調節することができる。従って、配管ユニット内の容積を無駄なく活用することができる。
【0034】
また、請求項2の配管ユニットによれば、一対の側パネルとその間に連続して配置される平パネルとからなる各ハウジングを、鋼材などの強度部材を介して建物の躯体に強固に固定できる。特に、前記押出形材をハウジングの各パネルと強度部材との間に介在させる形態では、各パネルの位置決めを精度良く行い、容易且つ迅速に固定できると共に、外観の意匠性も良好に仕上げられる。
加えて、請求項3の配管ユニットによれば、そのハウジングを形成する各サンドイッチパネルを軽量にし且つ厚み方向の耐圧縮強度を高くできるため、配管ユニットの現場への吊り上げや取付を容易にでき、取付後における躯体への負荷も極く少なくし且つ所要の強度を長く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明が適用される配管ユニットを集合住宅に取り付けた状態を示す概略図、(B)は上記配管ユニットおよびその付近を示す水平断面図。
【図2】(A)は図1に示した個別の配管ユニットで且つ本発明の前提となる参考形態の配管ユニットとそのハウジングを示す水平断面図、(B)は(A)中の一点鎖線部分Bの拡大図、(C),(D)は上記ハウジングに用いる押出形材を示す断面図。
【図3】(A)は図1の配管ユニットにおける上下の各配管ユニットの接続部を示す垂直断面図、(B)は(A)中の一点鎖線部分Bの拡大図、(C),(D)は上記各配管ユニットに用いる押出形材を示す断面図。
【図4】(A),(B)は異なる幅寸法の平パネルを用いる本発明のハウジングを示す概略図、(C)はパネル同士の接続部における異なる形態を示す水平断面図。
【符号の説明】
U,U1〜U3……配管ユニット、 H1〜H3,Hn…ハウジング、
M……………………マンション(集合住宅)、
P,p………………主管/配管(配管)、 W,w………………幅寸法
1F〜3F…………階、 3……………………開口部、
4,5………………側パネル、 6,6a,6b……平パネル、
8……………………金属板、 9……………………心材、
10,50,54…チャンネル(強度部材)、
12,13…………アングル(強度部材)、
14,26,60…押出形材
Claims (3)
- 集合住宅において複数階にわたり当該集合住宅を構成する建物の外部に垂直方向に配置される配管ユニットであって、
各階の高さまたは複数階の高さに相当する高さを有する個々の配管ユニットが上下に連結して形成され、
各配管ユニットは必要な配管と機器とが内蔵され且つ平面視でほぼコ字形を呈して上記建物側に開口するハウジングで覆われると共に、
上記ハウジングは、内外一対の金属板とその間に挟持したハニカムコアの心材とからなるサンドイッチパネルにより形成され、
上記サンドイッチパネルが、平面視でほぼL字形を呈する左右一対の側パネルと、これらの間に連続して配置され且つ平面視でほぼ一字形の平パネルと、からなり、
上記サンドイッチパネルのうち、上記平パネルは幅方向の寸法が異なる複数の種類が用意され、かかる複数の種類における何れかの平パネルの左右両側に上記一対の側パネルを対称に配置することにより、上記ハウジングの幅寸法を変更可能とされている、
ことを特徴とする集合住宅の配管ユニット。 - 前記ハウジングを形成する前記一対の側パネルおよびこれらの間に位置する平パネルは、これらのパネルの内側に配置される配管ユニットの強度部材に、直接またはアルミニウム合金の押出形材などを介して間接的に固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅の配管ユニット。 - 前記サンドイッチパネルにおける前記内外一対の金属板の間に挟持される心材は、アルミニウム箔からなるハニカムコア、セラミックシートからなるハニカムコア、または、ペーパーからなるハニカムコアの何れかである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の集合住宅の配管ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002026247A JP3899949B2 (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | 集合住宅の配管ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002026247A JP3899949B2 (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | 集合住宅の配管ユニット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003227228A JP2003227228A (ja) | 2003-08-15 |
JP3899949B2 true JP3899949B2 (ja) | 2007-03-28 |
Family
ID=27748139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002026247A Expired - Fee Related JP3899949B2 (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | 集合住宅の配管ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3899949B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7207700B2 (ja) * | 2018-10-18 | 2023-01-18 | 株式会社光明製作所 | 配管用固定金具 |
-
2002
- 2002-02-04 JP JP2002026247A patent/JP3899949B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003227228A (ja) | 2003-08-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2013100359B4 (en) | Modular Building | |
CA2641755C (en) | Building panels with support members extending partially through the panels and method therefor | |
CA2912597C (en) | An insulating wall, a column assembly therefor, and a method of constructing the insulating wall | |
KR100643075B1 (ko) | 모듈형 조립식 건축물 및 이의 시공방법 | |
CN103821229B (zh) | 一种快速装配式集成化房屋及安装方法 | |
CN205012458U (zh) | 一种简易基础木结构民居 | |
CN105178629A (zh) | 一种拼接式木结构房屋 | |
CN203769069U (zh) | 一种快速装配式集成化房屋 | |
CN110612373A (zh) | 建筑物的预制预装饰体积建造 | |
US4526161A (en) | Solar roof assemblage and internally removable solar transparent roof cover | |
JP3899949B2 (ja) | 集合住宅の配管ユニット | |
CN109537767A (zh) | 一种单元板和窗一体化集成系统及其制作方法 | |
CN110792189A (zh) | 一种预制装配式外墙和预制装配式建筑 | |
DE19836942B4 (de) | Raumzelle aus Holz und Holzwerkstoffen | |
CA3211455A1 (en) | Method and arrangement for constructing and interconnecting prefabricated building modules | |
WO2017092249A1 (zh) | 移动式铝合金房屋 | |
KR20210011466A (ko) | 석재류 패널 고정장치 및 이를 이용한 패널 고정 방법 | |
CN206800635U (zh) | 一种大板装配式房屋 | |
GB2127879A (en) | Portable building unit | |
US20140202100A1 (en) | Insulated wall module | |
CN110725468A (zh) | 一种房屋及车间墙板用装配式波纹钢结构及其施工方法 | |
AU7149891A (en) | Modular buildings | |
JP2593408B2 (ja) | 外廊下用の床板 | |
MXPA06009152A (es) | Sistema para la construccion rapida de edificaciones por medio de la prefabricacion de modulos metalicos de columnas y de trabes asi como de muros y de losas con laminas corrugadas. | |
RU45416U1 (ru) | Система внешнего утепления здания "термощит" |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040906 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060904 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060912 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061030 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |