JP3899412B2 - 補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明はグランドアンカー、ジオグリッド、補強ネット等の補強部材で斜面の補強を行う斜面の施工過程および施工後の供用期間の補強斜面について、あらかじめ信頼性理論に基づきシミュレーションを行って安全で経済的なアンカー等の配置・施工方法の決定を行う斜面補強に用いる補強部材の設計支援方法およびその装置に関する。
施工後の供用期間のみならず斜面切土等の施工中においても土砂崩壊災害が発生し、作業者や住民に犠牲者が出る災害が数多く発生している。このような斜面崩壊災害を防止するため、斜面の安定性を評価する方法として円弧すべり面法などが知られている。この円弧すべり面法は、すべり面の形状を円弧と仮定して行なう斜面等の安定解析法であり、円弧の中心に関する地盤の抵抗モーメントと滑動モーメントとの比として最小の安全率を算出し、この安全率に基づいて斜面の安全性を評価するものである。
前述の方法はアンカー等補強部材がない無補強の斜面における安全性の評価法であるが、一方、アンカー等補強部材で補強した補強斜面の安全性を評価する手段としては、アンカー等が無いものとして斜面内の最も滑りが発生し易い円弧のすべり面を特定し、そのすべり面に沿って滑ろうとする力を算定し、そのすべり面を補強するアンカー等の耐力、引抜き抵抗を算出し、次いで、「補強するアンカー等の耐力、引抜き抵抗の算出値+地盤の抵抗モーメント」/「滑動モーメント(すべり面に沿って滑ろうとする力)」を算定し、この値を安全率としていた。そして、通常は施工中において前記安全率が1.05又は1.1以上であれば安全であると判定されていた。
刊行物名「道路土工−のり面工・斜面安定工指針」発行日「平成11年10月1日改訂版第6刷」 編集発行所「財団法人日本道路協会」 発行所「丸善株式会社出版事業部」
ところで、前記したように、アンカー等補強部材で補強した補強斜面の安全性を評価する手段としては、アンカー等が無い場合のすべり面に対して、設置するアンカー等の長さ、強度、角度、配置等は、設計者の経験などに頼り安全側を考慮して決定されていた。また、前記した計算によって求められたすべり面は、アンカー等で補強されていない状態において求められたものであり、アンカー等によって補強を行った後の斜面が必ずしも前記すべり面によって破壊するとは限らない。
また、安全率の計算で用いられる地盤定数は確定値として扱われているが、これらの地盤定数のデータがばらつくことは地盤の分野では良く知られていることであり、かつ、確定値も必ずしも明確ではなく地盤諸定数の決定に際しては、設計者の主観・判断が入る可能性もあり、その結果、アンカー等補強部材による補強斜面の安全性の評価は不十分であるといった問題があった。
さらに、設計に当たっては、設計の途上でどのアンカー等がどの程度効いているかわからないため、安全であることはもちろんのこと合理的でかつ経済的な設計がなされていないという問題があった。
なお、地盤定数等がばらつくという前提のもとで、それらを考慮した場合、すべり面の位置、効いているアンカー及びそのアンカー内で効いている箇所は、ある範囲でばらつくが、それについては考慮されず、表示もされていなかったのが現状であった。
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、解析に用いる地盤諸定数をばらつかせ、斜面の安全性評価に従来の安全率とともに破壊確率を用いて行うことで、供用期間、施工中において期待されるアンカー等の斜面崩壊抑止力の効果がどのくらいか、またそれが期待通りに得られているかが判定でき、さらに効果を発揮しているアンカー等の位置が判るようにしたアンカー等補強部材によって補強した地盤の安定性評価方法を用いることにより、条件に合う良好な設計案を示すことができる補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法およびその装置を提供せんとするにある。
本発明の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法は、前記した目的を達成せんとするもので、その請求項1の手段は、掘削しようとする斜面における単位体積当たりの重量や土質の粘着力、せん断抵抗角、水位、設計水平震度、地盤強度等から地盤の地盤諸定数を取得する地盤諸定数取得ステップと、掘削しようとする斜面の形状から安全率の最小なすべり面を判断する判断ステップと、前記地盤諸定数を有した斜面のすべり面に設置する補強部材の補強部材情報を入力する補強部材情報入力ステップと、該補強部材を設置した斜面について補強部材を含む補強斜面全体の安全率を算出する安全率算出ステップと、前記掘削しようとする斜面の形状を変化させる斜面形状変化ステップと、前記変化させた斜面に対し補強部材を追加及び/ 又は変更を行う補強部材情報追加変更ステップと、前記形状を変化させるとともに、補強部材を追加及び/ 又は変更させた斜面について、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて該補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算する安全率・破壊確率算出ステップを有することを特徴とする。
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記破壊確率を計算する過程は、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算するステップであり、前記補強部材のうち、斜面全体の安全性に寄与しているものと、寄与していないものを寄与の有無とその寄与の程度を算出するようにしたことを特徴とする。
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記補強斜面全体の安全状態及び/ 又は性能が満足されるまで、前記斜面形状変化ステップと、前記補強部材追加変更ステップと、前記安全率・破壊確率算出ステップを繰り返し行うことを特徴とする。
請求項4の手段は、前記した請求項3において、前記補強部材の位置、寄与の程度を出力することを特徴とする。
請求項5の手段は、前記した請求項4において、前記出力は、前記補強部材の位置、寄与の程度を数字又は視覚的な重み付けして表すようにしたことを特徴とする。
請求項6の手段は、前記した請求項4において、前記補強材情報は、補強材の種類、費用、施工の難易度等を含み、前記出力は、前記入力条件において補強部材を用いた斜面補強を施工する斜面形状において斜面を安定させることができる前記補強部材の本数、設置密度、設置位置、長さ、強度、施工経費、施工期間、安全率・破壊確率と補強部材の種類に基づき期待総費用を算出し、これらを出力することを特徴とする。
請求項7の手段は、前記した請求項6において、前記補強斜面全体の安全状態、性能及び/ 又は期待総費用が条件を満たす設計案の候補を提示するため、前記補強部材情報追加変更ステップと、前記安全率・破壊確率算出ステップと、前記出力ステップを繰り返し行うことを特徴とする。
請求項8の手段は、前記した請求項6において、安全率・破壊確率、工期、施工経費、施工の難度等の項目毎に順位付けを行うとともに最適化手法等により、条件に合った最良の設計を提示することができることを特徴とする。
また、補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法を実施するための装置における、請求項9の手段は、掘削しようとする斜面における単位体積当たりの重量や土質の粘着力、せん断抵抗角、水位、設計水平震度、地盤強度等から地盤の地盤諸定数を取得する地盤諸定数取得手段と、掘削しようとする斜面の形状から安全率の最小なすべり面を判断する判断手段と、前記地盤諸定数を有した斜面のすべり面に設置する補強部材の補強部材情報を入力する補強部材情報入力手段と、該補強部材を設置した斜面について補強部材を含む補強斜面全体の安全率を算出する安全率算出手段と、前記掘削しようとする斜面の形状を変化させる斜面形状変化手段と、前記変化させた斜面に対し補強部材を追加および又は変更を行う補強部材追加変更手段と、前記形状を変化させるとともに、補強部材を追加および又は変更させた斜面について、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて該補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算する安全率・破壊確率算出手段を有する装置である。
請求項10の手段は、前記した請求項9において、前記補強斜面全体の安全状態及び/ 又は性能が満足されるまで、前記斜面形状変化手段と、前記補強部材追加変更手段および前記安全率・破壊確率算出手段による演算を繰り返し行う装置である。
請求項11の手段は、前記した請求項9において、前記破壊確率を計算する過程は、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算し、前記補強部材のうち、斜面全体の安全性に寄与しているものと、寄与していないものを寄与の有無とその寄与の程度を算出するようにした装置である。
請求項12の手段は、前記した請求項11において、前記補強部材の位置、寄与の程度を出力する装置である。
請求項13の手段は、前記した請求項12において、前記出力は、前記補強部材の位置、寄与の程度を数字又は視覚的な重み付けして表すようにした装置である。
請求項14の手段は、前記した請求項12において、前記出力は、前記斜面形状において斜面を安定させることができる前記補強部材の本数、設置密度、設置位置、長さおよび強度を出力する装置である。
本発明は前記したように、アンカー等の補強部材の効果を、斜面の安全性評価に破壊確率を用い、補強部材をシミュレーション上で順次追加して崩壊危険度が無くなるまで、又は許容されるまで繰り返し行うことで、設計段階で期待されるアンカー等の抑止力の効果が期待通りに得られているか、また、前記破壊確率を用いると同時に安全性に寄与している補強部材の位置等の情報を求めてフィードバックすることで、設計の修正を自動的に行う又は対話型で行うことが可能になるため安全で経済的な設計が合理的に行えるようになるとともに前記情報を保存(CPU内にストック又は出力)しておき、さらに、各情報のそれぞれについて補強部材の種類、施工の難易度、強度等を自動的に選択することで、得られた設計案のすべてに対して建設費用(工事の経費、工期等)、アンカー等の強度、配置等から求めた破壊確率を基づき期待総費用を算出し、最良な設計案を決定することができるという効果を有するものである。
解析に用いる地盤諸定数をばらつかせ、斜面の安全性評価に安全率と共に破壊確率を用い、施工過程、完成後の供用時におけるアンカー等の補強部材設置後の補強斜面の安全性について補強部材を通るすべり面も含めて評価を行い、設計段階で期待される補強部材による抑止力の効果を詳細かつ正確に判定することにより、安全で経済的な設定が合理的に行える方法である。
以下、本発明に係る補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法を実施するための装置であるシステムブロックを図1と共に説明する。なお、以下に説明するアンカーによって補強した場合について説明する。
図1は本発明に係る補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法を実行するためのシステムブロック図であり、1はCPU等の演算処理手段にして、図2に示すフローチャートの動作を行う。
2〜5は前記演算処理手段1に対して演算を行わせるためのデータ入力手段にして、斜面の切取り形状等の斜面形状入力部2と、解析に用いるばらつきのある地盤諸定数入力部(地盤の単位体積当たりの重量γや土質の粘着力c、せん断抵抗角φ、水位、設計水平震度、地層等)3と、斜面に設置するアンカー種類入力部4、アンカーの位置・強度・長さ入力部5、地盤諸定数の偏差値(ばらつき)・分布形の入力部6、候補案の選択条件の入力部7、候補案から最終案を選択するための計算条件等の入力部8がある。なお、前記アンカー種類入力部4に入力するアンカー種類とは、単位長さ当たりの価格、施工の難易度、施工経費等である。
9は前記したデータ入力部2〜8からのデータに基づいて演算して得られる安全率、破壊確率、各アンカー位置の強度発揮状況、寄与の程度状況、最良設計案等の演算結果を出力する演算結果出力部にして、グラフや数値として表示されるディスプレーやプリンター等からなっている。
次に、前記した図1のシステムブロックによる動作の説明を図2のフローチャートと共に説明する。
先ず、図3に示す斜面aを斜面bに掘削しようとする場合、該斜面における地盤の単位体積当たりの重量γや土質の粘着力c、せん断抵抗角φ、水位、設計水平震度、地層情報等から地盤諸定数を取得し、該取得した各種の初期データを地盤諸定数入力部2によって入力する(ステップS1)。次いで、現地の斜面形状を斜面形状入力部2によって入力する(ステップS2)。
このようなデータを入力するとCPU1は円弧すべり面法によって安全率の低いすべり面Iを演算して求める(ステップS3)。前記安全率の低いすべり面が判別できたことにより、該すべり面に対して図4に示すアンカー7を選択すると共に前記すべり面Iから3mの余裕のあるアンカー7を選択して6本のアンカー7をアンカー設置位置入力部5から入力する(ステップS4)。
ここで、図4の表は一例であるが、アンカーの種類として強度(長さを含む)、扱い易さ、単価についてA〜Eの5種類を用意してあり、二重丸印が非常に良いまたは安価(例えば、5000円/m)、丸印が良いまたはやや安価(例えば、8000円/m)、三角印が普通または中間価格(例えば、9000円/m)、バツ印が悪いまたは高価(例えば、15000/m)であることを示している。
そして、これらの入力が行なわれると、アンカーを含む補強斜面全体について中央安全率を算出する(ステップS5)。この中央安全率の算出の結果が予め設定されている中央安全率の条件を満たしているか否かの判断を行い(ステップS6)、満たしていないと判断した場合には、ステップS4に戻って同じアンカーにおける設置位置を変更しながらステップS5の演算を繰り返し行い、この演算の結果によっても中央安全率の条件を満たしていないとステップS6において判断された場合には、アンカーの選択を行い、かつ、設置位置を変更しながらステップS5の演算を行う。
前記ステップS6における判断において中央安全率の条件を満たしていると判断した場合、CPU1は信頼性理論に基づくモンテカルロシミュレーション法に基づいて演算を行い前記地盤諸定数に基づいて安全率を演算すると共に前記地盤諸定数を入力した偏差値・分布形(ステップS7)に基づきばらつかせて破壊確率の演算(モンテカルロシミュレーション法)を行う(ステップS8)。
ステップS8による演算の結果、ステップS9においては図5に示すような結果が得られる。すなわち、すべり面Iからの余裕長1m〜5mにおける安全率が0〜100%の重み付けと、破壊確率の値が得られる。ここでは、6本のアンカーの余裕長を1m〜5mと変化させた場合のそれぞれの破壊確率の値(5.13×10-3〜10-6)が計算結果として表示され、モンテカルロシミュレーション中に最小すべり線と交差した確率(すなわち、アンカーが効果を発揮している確率)が0〜100%の数字や位置が表示される。さらに、ここでは表示されていないが、すべり面とアンカーの交差点の位置と頻度をコンター図等で図化して表示され、さらに、工期、工費、期待総費用等も表示される。
ここで、破壊確率が1.10×10-4の位置における重み付け(図6の表参照)を見ると、アンカー位置1〜3におけるアンカーについては何らの効果がなく、すなわち、1〜3の位置にアンカーを設置していなくとも、4〜6のアンカーがあればこの斜面において崩壊は発生しないことが判る。
ここで、前記ステップS9において得られた候補案の出力に対して候補案選択条件を入力し(ステップS10)、次いで、両者の比較を行い(ステップS11)、選択条件を満たす場合はこの演算結果を設計資料として各アンカー位置、種類等とともにそれに応じた中央安全率、破壊確率及び工期、工費、期待総費用の結果を保存する(ステップS13)。なお、以下の説明では予め候補案を複数個(例えば10個)を得る場合について説明するが、候補案が1つでよいと予め設定した場合には、ステップS9の候補案の出力を保存して前記フローチャートの動作は終了する。
そして、前記ステップS11において候補案選択条件を満たしていない場合には、前記したステップS4に戻ってステップS9までの動作を行いステップS11で候補案選択条件とステップS9で得られた値とを比較し、選択条件を満たしていると判断したならばステップS13の候補案保存を行い、選択条件を満たしていないと判断したならば前記動作を繰り返し行い、最終的に選択条件を満たしている候補案が所定の数だけ保存された段階で次のステップに進む。
なお、前記したステップS4においては予め入力した条件に基づき設計変更を行うが、演算部における計算の結果からは、効果のないアンカーについては強度の低いものに変更、または、長さを短く、あるいは、配置を取り消すなどの変更を行う。その際には前記で得られたアンカーの寄与度などを参考とする。例えば、寄与率10%以下のアンカーにつては、アンカーは機能していないので不要と判断して配置の取り消し、11〜20%のアンカーについては強度変更し(2ランク強度を低下させる)、21から49%のアンカーについては強度変更し(1ランク強度を低下させる)、50%のアンカーについては現状維持の設計変更を行う。
そして、候補案が所定の数だけ保存された段階において、候補案から最適案を設定するための計算条件(品質を満足し、建設費用(工事の経費、工期等)アンカー等の強度、配置から求めた破壊確率の基準値)を入力し(ステップS14)、最適化手法によって自動的に期待総費用を算出し(ステップS15)、期待総費用が最小の設計案を最適設計案として出力し(ステップS16)、最終的な設計案として決定する。
このように、本発明にあっては、信頼性理論に基づきモンテカルロシミュレーションを行うことで、斜面イの掘削にはどのようなアンカーをどの位置に設置すれば破壊確率が小さく、また、安全率の高い施工が行えるか、さらには工事費用(工期、工費)が適切であるかなどを判定することにより、安全で経済的な設計を合理的に行い、最良な設計案を提示できるものである。
施工中において、斜面を掘削することによって斜面形状が変化していく場合は、施工過程の各段階の安全性を担保するために、その時点の斜面形状を入力(ステップS2)し、以下フローに従い逐次計算を行う。
これらは、対話型(逐次追加・変更した条件に基づき演算する)、または、自動的(工費、工事期間等を制約条件、目的関数に活用しつつ、初めに入力した条件に基づき演算する)に最適な設計案を提示することができる。
前記した実施例においてはアンカーによって斜面を補強する場合について説明したが、ジオグリッド等の補強ネット、ラディシュアンカー等の他の斜面の補強部材を使用してもよいことは勿論のことである。
本発明に係る補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法を実施するためのシステムブロック図である。 同上のブロック図における動作を示すフローチャートである。 アンカーの種類を示した表である。 掘削しようとする斜面にアンカーを設置した状態を示す説明図である。 同上のアンカーを設置した結果して演算を行った結果を示す説明図である。 同上の結果に基づくアンカーの種類に対する重み付けの表である。
符号の説明
1 CPU(シミュレーション計算の実施)
2 地盤諸定数の取得と入力部
3 斜面形状入力部
4 アンカー等補強部材の種類選択入力部
5 アンカー設置位置・長さ・角度入力部
6 地盤諸定数の偏差値(ばらつき)の入力部
7 候補案の選択条件入力部
8 候補案から最適案を選択するための計算条件等の入力部
9 演算結果入出力部

Claims (14)

  1. 掘削しようとする斜面における単位体積当たりの重量や土質の粘着力、せん断抵抗角、水位、設計水平震度、地盤強度等から地盤の地盤諸定数を取得する地盤諸定数取得ステップと、掘削しようとする斜面の形状から安全率の最小なすべり面を判断する判断ステップと、前記地盤諸定数を有した斜面のすべり面に設置する補強部材の補強部材情報を入力する補強部材情報入力ステップと、該補強部材を設置した斜面について補強部材を含む補強斜面全体の安全率を算出する安全率算出ステップと、前記掘削しようとする斜面の形状を変化させる斜面形状変化ステップと、前記変化させた斜面に対し補強部材を追加及び/ 又は変更を行う補強部材情報追加変更ステップと、前記形状を変化させるとともに、補強部材を追加及び/ 又は変更させた斜面について、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて該補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算する安全率・破壊確率算出ステップを有することを特徴とする補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  2. 前記破壊確率を計算する過程は、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算するステップであり、前記補強部材のうち、斜面全体の安全性に寄与しているものと、寄与していないものを寄与の有無とその寄与の程度を算出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  3. 前記補強斜面全体の安全状態及び/ 又は性能が満足されるまで、前記斜面形状変化ステップと、前記補強部材追加変更ステップと、前記安全率・破壊確率算出ステップを繰り返し行うことを特徴とする請求項1記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  4. 前記補強部材の位置、寄与の程度を出力することを特徴とする請求項3記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  5. 前記出力は、前記補強部材の位置、寄与の程度を数字又は視覚的な重み付けして表すようにしたことを特徴とする請求項4記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  6. 前記補強材情報は、補強材の種類、費用、施工の難易度等を含み、前記出力は、前記入力条件において補強部材を用いた斜面補強を施工する斜面形状において斜面を安定させることができる前記補強部材の本数、設置密度、設置位置、長さ、強度、施工経費、施工期間、安全率・破壊確率と補強部材の種類に基づき期待総費用を算出し、これらを出力することを特徴とする請求項4記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  7. 前記補強斜面全体の安全状態、性能及び/ 又は期待総費用が条件を満たす設計案の候補を提示するため、前記補強部材情報追加変更ステップと、前記安全率・破壊確率算出ステップと、前記出力ステップを繰り返し行うことを特徴とする請求項6記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  8. 安全率・破壊確率、工期、施工経費、施工の難度等の項目毎に順位付けを行うとともに最適化手法等により、条件に合った最良の設計を提示することができることを特徴とする請求項6記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援方法。
  9. 掘削しようとする斜面における単位体積当たりの重量や土質の粘着力、せん断抵抗角、水位、設計水平震度、地盤強度等から地盤の地盤諸定数を取得する地盤諸定数取得手段と、掘削しようとする斜面の形状から安全率の最小なすべり面を判断する判断手段と、前記地盤諸定数を有した斜面のすべり面に設置する補強部材の補強部材情報を入力する補強部材情報入力手段と、該補強部材を設置した斜面について補強部材を含む補強斜面全体の安全率を算出する安全率算出手段と、前記掘削しようとする斜面の形状を変化させる斜面形状変化手段と、前記変化させた斜面に対し補強部材を追加および又は変更を行う補強部材追加変更手段と前記形状を変化させるとともに、補強部材を追加および又は変更させた斜面について、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて該補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算する安全率・破壊確率算出手段を有することを特徴とする補強部材を用いた斜面補強の設計支援装置。
  10. 前記補強斜面全体の安全状態及び/ 又は性能が満足されるまで、前記斜面形状変化手段と、前記補強部材追加変更手段および前記安全率・破壊確率算出手段による演算を繰り返し行うことを特徴とする請求項9記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援装置。
  11. 前記破壊確率を計算する過程は、地盤諸定数を信頼性理論に基づいてばらつかせて最小すべり面を変化させて補強斜面全体の安全率と破壊確率を演算し、前記補強部材のうち、斜面全体の安全性に寄与しているものと、寄与していないものを寄与の有無とその寄与の程度を算出するようにしたことを特徴とする請求項9記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援装置。
  12. 前記補強部材の位置、寄与の程度を出力することを特徴とする請求項11記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援装置。
  13. 前記出力は、前記補強部材の位置、寄与の程度を数字又は視覚的な重み付けして表すようにしたことを特徴とする請求項12記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援装置。
  14. 前記出力は、前記斜面形状において斜面を安定させることができる前記補強部材の本数、設置密度、設置位置、長さおよび強度を出力することを特徴とする請求項12記載の補強部材を用いた斜面補強の設計支援装置。
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