JP3898985B2 - ストリーミング配信装置、ストリーミング配信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークに接続された端末にコンテンツのストリーミング配信を行うストリーミング配信装置、及びストリーミング配信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットなどのネットワークに接続されたクライアント端末に、ストリーミング配信装置から動画や音声などのマルチメディアデータを配信して、クライアント端末において、それらのマルチメディアデータの受信と再生を同時に行うストリーミング配信システムが普及してきている。
【0003】
このストリーミング配信システムにおいては、ネットワークの実効帯域を有効に活用するために、ストリーミング配信装置はコンテンツビットレートの異なる複数のマルチメディアデータを所有する。そして、ストリーミング配信装置はクライアント端末における受信ビットレートやパケットロス数などの受信状態に応じて、配信するマルチメディアデータを適当なコンテンツビットレートのものに動的に切り替える。このようにして切り替えたコンテンツビットレートと同じ値の送出ビットレートによってマルチメディアデータを配信することで、送出ビットレートを制御する。
【0004】
すなわち、クライアント端末における受信状態から、ネットワークの状況の変化によるデータの遅延や輻輳を予測する。そしてクライアント端末における受信状態が悪い場合に、ストリーミング配信装置はコンテンツビットレートの小さいマルチメディアデータを配信し、クライアント端末において映像や音声の再生が停止する事態を防止する。一方、クライアント端末の受信状態が良好な場合に、ストリーミング配信装置はコンテンツビットレートの大きいマルチメディアデータを配信し、クライアント端末において高質な映像や音声が再生できるようにしている。
【0005】
なお、「コンテンツビットレート」とは、マルチメディアデータの精度についてのレートであり、マルチメディアデータが映像であれば、映像の空間解像度や時間解像度などを意味し、マルチメディアデータが音声であれば、その時間解像度などを意味する。この「コンテンツビットレート」は、例えばそのマルチメディアデータを1秒間再生するのに必要なビット数によって数値化される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のストリーミング配信装置では、コンテンツビットレートが送出ビットレートとなるので、木目細かく送出ビットレートを制御することができない。すなわち、上述のストリーミング配信装置は、段階的にコンテンツビットレートを変えた複数のマルチメディアデータを所有しているが、その段階間のコンテンツビットレートの差が大きかった。したがって、クライアント端末の受信状態が良好になった場合に、実際にはネットワークにおける実効帯域が少し拡大しただけであるにもかかわらず、コンテンツビットレートの大きいマルチメディアデータに切り替えてその配信を行っていた。その結果、データの遅延や輻輳が生じて、クライアント端末における映像や音声の再生が中断されるという事態が生じていた。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、適切なコンテンツビットレート及び送出ビットレートでマルチメディアデータを配信して、データの遅延を少なくし、かつネットワークの実効帯域を有効活用可能なストリーミング配信装置及びストリーミング配信方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のストリーミング配信装置は、ネットワークに接続された端末にデータのストリーミング配信を行うストリーミング配信装置であって、上記端末から送信される受信状態に関する情報を含むフィードバック情報を受信するフィードバック情報受信手段と、上記フィードバック情報受信手段によって受信される上記フィードバック情報に応じて、送出ビットレートとコンテンツビットレートとをそれぞれ独立に決定するレート情報決定手段と、コンテンツビットレートの異なる複数の上記データが格納されたデータ格納手段と、上記データ格納手段に格納された複数のデータのうち、上記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じたデータを選択するデータ選択手段と、上記データ選択手段によって選択されたデータを、上記レート情報決定手段によって決定された上記送出ビットレートで上記端末に対して配信するデータ配信手段とを備え、上記レート情報決定手段は、上記フィードバック情報に基づいて上記端末における受信状態が良好と判断する場合に上記送出ビットレートを増加し、上記増加した送出ビットレートで上記データが配信された上記端末から送信される上記フィードバック情報に基づいて上記端末における受信状態が良好と判断する場合に上記コンテンツビットレートを増加させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のストリーミング配信方法は、ネットワークに接続された端末にデータのストリーミング配信を行うストリーミング配信方法であって、フィードバック情報受信手段が、上記端末から送信される受信状態に関する情報を含むフィードバック情報を受信するフィードバック情報受信ステップと、レート情報決定手段が、上記フィードバック情報受信手段によって受信される上記フィードバック情報に応じて、送出ビットレートとコンテンツビットレートとをそれぞれ独立に決定するレート情報決定ステップと、データ選択手段が、コンテンツビットレートの異なる複数の上記データが格納されたデータ格納手段から、上記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じたデータを選択するデータ選択ステップと、データ配信手段が、上記データ選択手段によって選択されたデータを、上記レート情報決定手段によって決定された上記送出ビットレートで上記端末に対して配信するデータ配信ステップとを備え、更に、上記レート情報決定ステップにおいて、上記レート情報決定手段が上記フィードバック情報に基づいて上記端末における受信状態が良好と判断する場合に上記送出ビットレートを増加し、上記増加した送出ビットレートで上記データが配信された上記端末から送信される上記フィードバック情報に基づいて上記端末における受信状態が良好と判断する場合に上記コンテンツビットレートを増加させることを特徴としている。
【0010】
これらの発明によれば、端末における受信ビットレートやパケットロス数などの受信状態に関するフィードバック情報がその端末から送信されて、フィードバック情報受信手段がこれを受信する。レート情報決定手段はこのフィードバック情報に基づいて、端末における受信状態が良好と判断すると、まずコンテンツビットレートは変えずに送出ビットレートのみを増加させる。データ配信手段はこのように増加された送出ビットレートでデータの配信を行う。以下本明細書においては、この送出ビットレートのみを増加させてデータの配信を行う状態を「トライアルモード」と呼ぶ。そして、レート情報決定手段は、トライアルモードに入った後に上記の端末から送信されるフィードバック情報に基づいて、その端末における受信状態が良好であると判断すると、コンテンツビットレートを増加する。データ選択手段はこのように増加されたコンテンツビットレートに応じたデータをデータ格納手段から選択し、データ配信手段はデータ選択手段によって選択されたデータを、トライアルモードで試した送出ビットレートで配信する。このように、トライアルモードによって送出ビットレートのみを細かく変更することで、大きいコンテンツビットレートのデータに切り替えるべきかどうかを判断できる。したがって、適切なコンテンツビットレートのデータを配信できるので、データの遅延を回避できる。また、トライアルモード中に端末における受信状態が良好であると判断した場合には、コンテンツビットレートを増加させるので、ネットワークの実効帯域を有効に活用して、データのストリーミング配信を行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明のストリーミング配信装置においては、上記レート情報決定手段は、上記増加した送出ビットレートで上記データが配信された上記端末から送信される上記フィードバック情報に基づいて、上記端末におけるデータの受信状態が悪化したと判断する場合に、上記送出ビットレートを低下させることを特徴とすることが好適である。
【0012】
また、本発明のストリーミング配信方法においては、上記レート情報決定ステップにおいて、上記レート情報決定手段が、上記増加した送出ビットレートで上記データが配信された上記端末から送信される上記フィードバック情報に基づいて、上記端末におけるデータの受信状態が悪化したと判断する場合に、上記送出ビットレートを低下させることを特徴とすることが好適である。
【0013】
この構成によれば、レート情報決定手段が、上述のトライアルモードによって、送出ビットレートを増加させたために、端末での受信状態が悪化したと判断する場合に、送出ビットレートを低下させる。このようにトライアルモードの結果、端末の受信状態が悪化した場合に送出ビットレートを低下させて、データの配信を行う状態を、本明細書では「パワーダウンモード」と呼ぶ。このパワーダウンモードを設けたことによって、トライアルモードによって送出ビットレートを増加させたために生じたネットワークにおけるデータの滞留を解消することができる。
【0014】
また、本発明のストリーミング配信装置においては、上記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じて、上記データ選択手段によって選択されたデータのコンテンツビットレートを更に調整するコンテンツビットレート調整手段を備えることを特徴とすることが好適である。
【0015】
また、本発明のストリーミング配信方法においては、コンテンツビットレート調整手段が、上記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じて、上記データ選択手段によって選択されたデータのコンテンツビットレートを更に調整するコンテンツビットレート調整ステップを備える特徴とすることが好適である。
【0016】
この構成によれば、レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに適合するよう、データ格納手段から適切なコンテンツビットレートのデータを選択すると共に、更にコンテンツビットレート調整手段によってコンテンツビットレートの調整を行うので、コンテンツビットレートをより細かく調整できる。したがって、ネットワークの実効帯域を有効に活用して、データのストリーミング配信を行うことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態にかかるストリーミング配信システム1について添付の図面を参照して説明する。図1はストリーミング配信システム1の構成を説明するブロック図である。また、図2はストリーミング配信システム1の適用される環境の一例を、データの流れと共に示した図である。
【0018】
図1に示すように、ストリーミング配信システム1は、ストリーミング配信装置10、通信網60、クライアント端末40を備えて構成される。以下、クライアント端末40、通信網60、ストリーミング配信装置10の順に詳細に説明する。
【0019】
クライアント端末40は、通信網60を介して、ストリーミング配信装置10からマルチメディアデータのストリーミング配信を受ける。クライアント端末40は、ストリーミング配信装置10とのセッション開始後、マルチメディアデータを受信すると、そのマルチメディアデータをバッファに一定量蓄積する。そして、バッファへの蓄積が一定量に達すると、バッファに蓄積したマルチメディアデータを再生する。また、この再生と同時に、ストリーミング配信装置10から送信される後続のマルチメディアデータを受信しつつ、これをバッファに蓄積する。
【0020】
更に、図2に示すように、クライアント端末40は上述のような通信における受信ビットレートやパケットロス数などの受信状態に関するフィードバック情報をフィードバックパケットとして、ストリーミング配信装置10に送信する。
【0021】
なお、クライアント端末40は、物理的にはディスプレイ等の表示装置、キー入力手段等の入力装置、CPU、メモリなどを備えて構成される情報通信端末である。例えば、図2に示すように、携帯電話などの移動通信端末やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末などのように情報通信可能な機器を、クライアント端末40として適用することができる。
【0022】
次に、通信網60は、例えば図2に示す環境の一例のように、基地局61を含む移動通信網62、移動通信網62がゲートウェイ(図示せず)を介して接続するインターネット63を備える。そして、クライアント端末40として携帯電話を適用した場合には、クライアント端末40は、基地局61と信号の送受信を行って、インターネット63に接続されたストリーミング配信装置10との通信を行う。
【0023】
ストリーミング配信装置10は物理的には、CPU、メモリ、ディスプレイ等の表示装置、キーボード等の入力装置、ハードディスク等の格納装置などを備えて構成されるコンピュータシステムである。また、ストリーミング配信装置10は、図1に示すように、機能的には、パケット送受信部(フィードバック情報受信手段の一部及びデータ配信手段に相当)11、情報保持部(フィードバック情報受信手段の一部に相当)12、レート情報決定部(レート情報決定手段)13、ファイル格納部(データ格納手段)14、ファイル選択部(データ選択手段)15、コンテンツビットレート調整部(コンテンツビットレート調整手段)16を備えて構成される。以下、これらのストリーミング配信装置10を構成する機能的な要素について、詳細に説明する。
【0024】
パケット送受信部11は、クライアント端末40から送信されるRTCP(RTP Control Protocol)のRR(Receiver Report)などのようなフィードバックパケットを受信すると、このフィードバックパケットを情報保持部12に出力する。また、コンテンツビットレート調整部16から出力されるマルチメディアデータをパケット化して、レート情報決定部13によって決定された送出ビットレートでクライアント端末40に配信する。
【0025】
情報保持部12は、パケット送受信部11から出力されるフィードバックパケットから、受信ビットレートやパケットロス数などのフィードバック情報を抽出して、これを保持すると共に、レート情報決定部13に出力する。
【0026】
レート情報決定部13は、クライアント端末40へマルチメディアデータを送信するに際し、送出ビットレートとコンテンツビットレートをそれぞれ独立に決定して、送出ビットレートをパケット送受信部11、コンテンツビットレートをファイル選択部15及びコンテンツビットレート調整部16に出力する。
【0027】
ここで、レート情報決定部13による送出ビットレート及びコンテンツビットレートの決定に関して詳細に説明する。まず、レート情報決定部13はクライアント端末40へマルチメディアデータの配信を開始するために、予め定められた送出ビットレートをパケット送受信部11に出力する。同様に予め定められたコンテンツビットレートをファイル選択部15とコンテンツビットレート調整部16に出力する。
【0028】
また、レート情報決定部13は、クライアント端末40から送信されるフィードバック情報に基づいて、例えば、受信ビットレートが現在の送出ビットレートより大きい場合には、まず、送出ビットレートのみを増加させて、トライアルモードに移行する。一方、受信ビットレートが現在の送出ビットレートより所定量以上小さい場合や、パケットロス数が一定数以上ある場合には、コンテンツビットレートや送出ビットレートを一定量低下させる。これによって、データの遅延を回避する。
【0029】
そして、上述のトライアルモードに移行した後にクライアント端末40から送信されるフィードバック情報に基づいて、受信ビットレートが現在の送出ビットレートより所定量以上小さい場合や、パケットロス数が一定数以上ある場合には、送出ビットレートをトライアルモードに移行する前の送出ビットレートから一定量低下させて、パワーダウンモードに移行する。すなわち、トライアルモードによって送出ビットレートを増加させたために、通信網60で滞留していると考えられるデータを、送出ビットレートを低下させることによって解消する。そして、パワーダウンモードに移行した後、トライアルモード中に通信網60に滞留してしまったデータ量を推測し、実行帯域とパワーダウンモードでの送出ビットレートの差の累積がそのデータ量と等しくなったと判断すると、通信網60でのデータの滞留が解消されたと判断して、トライアルモード移行前の送出ビットレートに、送出ビットレートを回復させる。
【0030】
一方、上述のトライアルモードに移行した後にクライアント端末40から送信されるフィードバック情報に基づいて、受信ビットレートが送出ビットレートに比して良好であり、かつパケットロス数が一定数以下であった場合には、コンテンツビットレートを現在より一段階上のものに設定し、送出ビットレートもそれと同じ値に設定する。あるいは、トライアルモードによって増加した送出ビットレートに合わせて、コンテンツビットレートを増加させる。
【0031】
図3に、トライアルモードへの移行の結果、受信ビットレートが良好な場合の、通信網60の実効帯域、送出ビットレート、コンテンツビットレート、受信ビットレートの各レートの変化をグラフで示す。また、図4に、トライアルモードへの移行の結果、受信ビットレートが低下した場合の、各レートの変化をグラフで示す。
【0032】
図3に示すように、時刻t0において通信網60の実効帯域100が拡大すると、クライアント端末40から時刻t1において送信されるフィードバック情報に含まれる受信ビットレート103が送出ビットレート101より大きくなる。すると、レート情報決定部13は、送出ビットレート101を増加させてトライアルモードに移行する。そして、時刻t2にクライアント端末40から送信されるフィードバック情報に基づいて、受信ビットレート103が良好であると判断すると、レート情報決定部13は、コンテンツビットレート102を一段階上のものに変更し、送出ビットレートもこれと同じ値に設定する。このようにして、トライアルモードが成功した場合に、レート情報決定部13は、通信網60の実効帯域を有効に活用するよう、コンテンツビットレートと送出ビットレートを増加させる。
【0033】
一方、図4に示すように、実際には通信網60の実効帯域100に変化がないにもかかわらず、時刻t1においてクライアント端末40から送信された受信ビットレート103が送出ビットレート101より大きくなったとする。すると、レート情報決定部13は、送出ビットレート101を一定量増加させて、トライアルモードに移行する。これによって、通信網60でデータの滞留が発生し、クライアント端末40から時刻t2において送信される受信ビットレート103が下がる。このとき、レート情報決定部13は、送出ビットレート101をトライアルモード移行前の送出ビットレート101(時刻t1以前の送出ビットレート)より低下させて、パワーダウンモードに移行する。その後、トライアルモード中に通信網60に滞留してしまったデータ量を推測し、実行帯域とパワーダウンモードでの送出ビットレートの差の累積がそのデータ量と等しくなったと判断すると、通信網60でのデータの滞留が解消されたと判断して、トライアルモード移行前の送出ビットレートに、送出ビットレート101を回復させる。すなわち、図4では時刻t3において、通信網60でのデータの滞留が解消されたと判断して、トライアルモード移行前の送出ビットレートに、送出ビットレート101を回復させている。
【0034】
図1に戻り、ファイル格納部14は、段階的にコンテンツビットレートが異なる複数のマルチメディアデータファイルが格納されたデータベースである。
【0035】
ファイル選択部15は、レート情報決定部13から出力されるコンテンツビットレートに基づいて、ファイル格納部14に格納された複数のマルチメディアデータファイルの中から、適切なコンテンツビットレートのマルチメディアデータファイルを選択する。そして、そのマルチメディアデータをコンテンツビットレート調整部16に出力する。
【0036】
コンテンツビットレート調整部16は、ファイル選択部15から出力されるマルチメディアデータのコンテンツビットレートを、レート情報決定部13から出力されるコンテンツビットレートに応じて、更に調整する。そして、コンテンツビットレートを調整したマルチメディアデータをパケット送受信部11に出力する。例えば、マルチメディアデータが映像の場合には、フレーム数を削減したり、各フレームのビット数を削減して、コンテンツビットレートを調整する。また、マルチメディアデータが音声の場合には、その音質を低下させて、コンテンツビットレートを調整する。なお、ファイル選択部15によって選択されたマルチメディアデータファイルのコンテンツビットレートが、レート情報決定部13から出力されるコンテンツビットレートに適合している場合には、上述の調整を行わずに、そのマルチメディアデータをパケット送受信部11に出力する。
【0037】
次に、本実施形態にかかるストリーミング配信システム1の動作について説明し、併せて本実施形態にかかるストリーミング配信方法について説明する。図5は、本実施形態にかかるストリーミング配信方法のフローチャートである。
【0038】
図5に示すように本実施形態にかかるストリーミング配信方法においては、まず、クライアント端末40から送信されるマルチメディアデータの配信要求をストリーミング配信装置10が受信する(ステップS101)。そして、この配信要求に応じて、予め定められた送出ビットレート及びコンテンツビットレートに適合するように、ファイル選択部15によってマルチメディアデータを選択し、そのマルチメディアデータをパケット送受信部11でパケット化して、クライアント端末40に配信する(ステップS102)。なお、このときファイル選択部15によって選択されたマルチメディアデータのコンテンツビットレートを、コンテンツビットレート調整部16によって更に調整して、パケット送受信部11に出力しても良い。
【0039】
次に、ストリーミング配信装置10において、全データを送信し終わったか否かを判断し(ステップS103)、配信が終了していれば、クライアント端末40とのセッションを終了する。また、図5には図示しないが、クライアント端末40からの配信中止要求が送信された場合にも、割り込みをかけて、クライアント端末40とのセッションを終了する。
【0040】
一方、配信すべきデータが残っている場合には、そのセッションを続行する。そして、クライアント端末40から送信されるフィードバックパケットをパケット送受信部11が受信する(ステップS104)。
【0041】
次いで、情報保持部12がパケット送受信部11によって受信されたフィードバックパケットから、受信ビットレートやパケットロス数を含むフィードバック情報を抽出して、これを保持すると共に、レート情報決定部13に出力する(ステップS105)。
【0042】
そして、レート情報決定部13は、情報保持部12から出力されたフィードバック情報を受け取ると、まず、現在の状態がパワーダウンモードか否か判断する(ステップS106)。このとき、パワーダウンモードでなければ、更にトライアルモードか否かを判断する(ステップS107)。このときにトライアルモードであれば、上述のフィードバック情報に含まれる受信ビットレートやパケットロス数に基づいて、クライアント端末40における受信状態を判断する(ステップS108)。すなわち、受信ビットレートが送出ビットレートより大きい場合には、受信状態は良好であると判断し、逆に受信ビットレートが送出ビットレートより所定量以上小さいか、または、パケットロス数が一定数以上の場合には、受信状態が良好でないと判断する。
【0043】
そして、受信状態が良好な場合には、レート情報決定部13は、コンテンツビットレートを一段階大きいものに変更し、また送出ビットレートもコンテンツビットレートと同じ値に変更する(ステップS109)。また、ステップS108において受信状態が良好でないと判断する場合には、送出ビットレートを低下させて、パワーダウンモードに移行する(ステップS110)。
【0044】
ステップS107に戻って、その時点において、トライアルモードでない場合には、レート情報決定部13は、情報保持部12から出力されたフィードバック情報に基づいて、クライアント端末40における受信状態を判断する(ステップS111)。すなわち、フィードバック情報に含まれる受信ビットレートが送出ビットレートより大きい場合には、受信状態は良好であると判断し、逆に受信ビットレートが送出ビットレートより所定量以上小さいか、または、パケットロス数が一定数以上の場合には、受信状態が良好でないと判断する。
【0045】
そして、受信状態が良好であると判断する場合、レート情報決定部13は、送出ビットレートを所定量増加させて、トライアルモードへ移行する(ステップS112)。一方、受信状態が良好でないと判断する場合には、送出ビットレート及びコンテンツビットレートを低下させて、通信網60の実効帯域に適合するようにする(ステップS113)。
【0046】
ステップS106に戻って、その時点においてパワーダウンモードにある場合には、レート情報決定部13は、トライアルモード中に通信網60に滞留してしまったデータ量を推測し、実行帯域とパワーダウンモードでの送出ビットレートの差の累積がそのデータ量と等しくなったか否かを判断する(ステップS114)。すなわち、通信網60におけるデータの滞留が解消されたかを判断する。このとき、データの滞留が解消されたと判断する場合には、送出ビットレートをトライアルモード移行前の送出ビットレートに回復させる。一方、データの滞留が解消されていないと判断する場合には、そのままの送出ビットレート(あるいは更に低下させた送出ビットレート)を設定する(ステップS115)。
【0047】
次に、本実施形態にかかるストリーミング配信システム1の作用及び効果を説明する。本実施形態にかかるストリーミング配信システム1では、クライアント端末40から送信されるフィードバック情報に基づいて、レート情報決定部13が、クライアント端末40における受信状態が良好であると判断すると、まず、送出ビットレートのみを増加させて、トライアルモードに移行する。その後、クライアント端末40から送信されるフィードバック情報に基づいて、レート情報決定部13が、クライアント端末40における受信状態が良好であると判断すると、コンテンツビットレートと送出ビットレートを増加させる。このようにトライアルモードを設けることで、送出ビットレートのみを細かく変更して、大きいコンテンツビットレートのマルチメディアデータに切り替えるべきか否かを判断できる。また、その判断結果に応じて、コンテンツビットレートと送出ビットレートを決定するので、データの遅延を回避できる。また、通信網60の実効帯域を有効活用して、マルチメディアデータのストリーミング配信を行うことができる。
【0048】
また、レート情報決定部13が、上述のトライアルモードによって、送出ビットレートを増加させたために、クライアント端末40での受信状態が悪化したと判断する場合に、送出ビットレートを低下させてパワーダウンモードに移行する。このパワーダウンモードを設けたことによって、トライアルモードにおいて送出ビットレートを増加させたために生じた通信網60におけるデータの滞留を解消することができる。
【0049】
また、コンテンツビットレート調整部16が、ファイル選択部15によって選択されたマルチメディアデータのコンテンツビットレートをレート情報決定部13によって決定されたコンテンツビットレートに適合するよう更に調整する。このように、コンテンツビットレートを更に細かく調整できるので、通信網60の実効帯域を有効活用した、マルチメディアデータのストリーミング配信が可能となる。
【0050】
なお、上記実施形態においては、トライアルモードにおいて送出ビットレートの増加は1度だけ行う例を示しているが、これに代えて送出ビットレートを他段階に細かく増加させて、一定の送出ビットレートに増加した際に、コンテンツビットレートを増加させることも可能である。この場合には、トライアルモードにおいて送出ビットレートを細かく段階的に増加させるので、各段階におけるクライアント端末40の受信状態に応じてトライアルモードを続行するか否かを判断できる。その結果、通信網60に滞留するデータの量を最小限に抑えることが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、ストリーミング配信装置が、端末から送信されるフィードバック情報に基づいて、受信ビットレートが良好な場合に、まず送出ビットレートのみを増加させてデータの配信を行う(トライアルモード)。そして、トライアルモード移行後に端末から送信されるフィードバック情報に基づいて、コンテンツビットレート及び送出ビットレートを決定して、データの配信を行う。このように、トライアルモードによって送出ビットレートのみを細かく変更することで、大きいコンテンツビットレートのデータに切り替えるべきかどうかを判断できる。その結果、ネットワークにおけるデータの遅延を回避できる。また、ネットワークの実効帯域を有効に活用して、データのストリーミング配信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかるストリーミング配信システム1の構成を説明するブロック図である。
【図2】実施形態にかかるストリーミング配信システム1が適用される環境と共に、データの流れを示す図である。
【図3】レート情報決定部が決定するレート情報の変化をグラフに表した図である。
【図4】レート情報決定部が決定するレート情報の変化をグラフに表した図である。
【図5】実施形態にかかるストリーミング配信方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1…ストリーミング配信システム、10・・・ストリーミング配信装置、11・・・パケット送受信部、12・・・情報保持部、13・・・レート情報決定部、14・・・ファイル格納部、15・・・ファイル選択部、16・・・コンテンツビットレート調整部、40・・・クライアント端末、60・・・通信網
Claims (6)
- ネットワークに接続された端末にデータのストリーミング配信を行うストリーミング配信装置であって、
前記端末から送信される受信状態に関する情報を含むフィードバック情報を受信するフィードバック情報受信手段と、
前記フィードバック情報受信手段によって受信される前記フィードバック情報に応じて、送出ビットレートとコンテンツビットレートとをそれぞれ独立に決定するレート情報決定手段と、
コンテンツビットレートの異なる複数の前記データが格納されたデータ格納手段と、
前記データ格納手段に格納された複数のデータのうち、前記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じたデータを選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段によって選択されたデータを、前記レート情報決定手段によって決定された前記送出ビットレートで前記端末に対して配信するデータ配信手段と
を備え、
前記レート情報決定手段は、前記フィードバック情報に基づいて前記端末における受信状態が良好と判断する場合に前記送出ビットレートを増加し、前記増加した送出ビットレートで前記データが配信された前記端末から送信される前記フィードバック情報に基づいて前記端末における受信状態が良好と判断する場合に前記コンテンツビットレートを増加させる
ことを特徴とするストリーミング配信装置。 - 前記レート情報決定手段は、前記増加した送出ビットレートで前記データが配信された前記端末から送信される前記フィードバック情報に基づいて、前記端末におけるデータの受信状態が悪化したと判断する場合に、前記送出ビットレートを低下させることを特徴とする請求項1に記載のストリーミング配信装置。
- 前記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じて、前記データ選択手段によって選択されたデータのコンテンツビットレートを更に調整するコンテンツビットレート調整手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のストリーミング配信装置。
- ネットワークに接続された端末にデータのストリーミング配信を行うストリーミング配信方法であって、
フィードバック情報受信手段が、前記端末から送信される受信状態に関する情報を含むフィードバック情報を受信するフィードバック情報受信ステップと、
レート情報決定手段が、前記フィードバック情報受信手段によって受信される前記フィードバック情報に応じて、送出ビットレートとコンテンツビットレートとをそれぞれ独立に決定するレート情報決定ステップと、
データ選択手段が、コンテンツビットレートの異なる複数の前記データが格納されたデータ格納手段から、前記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じたデータを選択するデータ選択ステップと、
データ配信手段が、前記データ選択手段によって選択されたデータを、前記レート情報決定手段によって決定された前記送出ビットレートで前記端末に対して配信するデータ配信ステップと
を備え、更に、
前記レート情報決定ステップにおいて、前記レート情報決定手段が、前記フィードバック情報に基づいて前記端末における受信状態が良好と判断する場合に前記送出ビットレートを増加し、前記増加した送出ビットレートで前記データが配信された前記端末から送信される前記フィードバック情報に基づいて前記端末における受信状態が良好と判断する場合に前記コンテンツビットレートを増加させる
ことを特徴とするストリーミング配信方法。 - 前記レート情報決定ステップにおいて、前記レート情報決定手段が、前記増加した送出ビットレートで前記データが配信された前記端末から送信される前記フィードバック情報に基づいて、前記端末におけるデータの受信状態が悪化したと判断する場合に、前記送出ビットレートを低下させることを特徴とする請求項4に記載のストリーミング配信方法。
- コンテンツビットレート調整手段が、前記レート情報決定手段によって決定されたコンテンツビットレートに応じて、前記データ選択手段によって選択されたデータのコンテンツビットレートを更に調整するコンテンツビットレート調整ステップを備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のストリーミング配信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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