JP3898522B2 - 光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−R(データ書き込み可能なCD)やCD−R/E(データ書き込み及び消去可能なCD)等の光ディスクに対してデータの記録及び再生を行なう光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−RやCD−R/E等の光ディスクの記録フォーマットはオレンジブックに規定されており、そのオレンジブックにはデータの書き込み継目、すなわちデータの書き始めと書き終わりのルールが明確に決められている。
また、データの書き込み単位であるデータセクタには、必ずリンク(Link),ランイン(RunIn),ランアウト(RunOut)などの冗長セクタを付加するようにしている。
【0003】
これは、継目でデータが途切れることを前提にしているので、同期やインタリーブの関係上必要になるのである。その継目でデータが途切れることを前提にしているのは、以前書き込んだデータや今後書き込むデータを含めたエンコードが不可能なことや、同期が外れないように正確にデータを書き始めることが非常に難しいことであるからだと推測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光ディスクでは記録フォーマットの性格上、データの書き込み単位はある程度大きなものになる。
従来の光ディスク装置では、データ書き込み中の一時停止をしないようにしており、ホストから光ディスク装置の書き込み速度以上の転送レートでデータを送らないと書き込みが中断してしまって、次にデータを書き足すことができなくなって書き込みに失敗してしまう。これをバッファアンダーランと称する。
【0005】
つまり、従来の光ディスク装置では、トラックや光ディスクを1回の書き込みで形成する必要があり、その書き込み方式名もトラックアットワンス(Track at once)やディスクアットワンス(Disk at once)等の名称になっている。
【0006】
このことはデータの高速書き込みになるほどシビアになり、ユーザに取ってデータの書き込み失敗は非常に深刻な問題になる。なぜなら、例えば、CD−Rの場合ではライトワンスなので、書き込みの失敗はそのディスクの損失になり、高価な光ディスクや過去に書き込んだデータの損失リスクを常に持たなければならない。
【0007】
上記データの書き込みの一時停止をしない理由の1つには、エンコーダチップが一時停止を考慮していないので、データの先頭で本来前のセクタのデータが入る所にダミーデータを挿入して書き出し、データの連続性が失われることにあった。
【0008】
また、従来の光ディスク装置では、1トラックを1回で書き込まなければならないので、ホストからのデータ転送が遅かったり、バッファRAMで吸収できないような転送の脈動があると書き込みを失敗してしまう。
そこで、光ディスクへのデータの書き込みの際、ホストは常にディスクよりも早い転送レートで安定的にデータを送り続ける必要がある。
【0009】
しかし、実際には転送レートの早いホストも遅いホストも存在し、上述したデータ転送の制約が光ディスク使用上の大きな足かせになっている。
そこで、ホストのソフトウェアにはテストモードを用意しており、模擬書き込みを行なうことによってこの種の書き込み失敗を減少させている。
しかし、このソフトウェアはデータの書き込みに倍の時間がかかり、マルチタスクOSにおいては刻々とマシンの状況が変化するので完全に安全ではないという問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、ホストからのデータ転送が間に合わないことによるデータ書き込み失敗を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、ホストから転送されたデータをバッファRAMに蓄積し、そのバッファRAMに蓄積されたデータをCD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダでエンコードしたライトデータをデータ書き込み可能な光ディスクに対して書き込みを行なう光ディスク装置において、上記光ディスクに対してデータ書き込みの終点及び始点部分でCIRC復調によるデータ連続性を維持する書き込みを行なう手段と、上記ホストからのデータ転送が間に合わない場合に上記光ディスクに対するデータ書き込みを一時停止したとき、書き込み再開時に上記ライトデータとして引き続き出力される、上記CD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダでエンコードされている途中のデータが、上記CD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダへのクロックが中断されることにより、そのまま記憶されるRAMを設けたものである。
【0012】
また、ホストから転送されたデータをバッファRAMに蓄積し、そのバッファRAMに蓄積されたデータをCD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダでエンコードしたライトデータをデータ書き込み可能な光ディスクに対して書き込みを行なう光ディスク装置において、上記光ディスクに対してデータ書き込みの終点及び始点部分でCIRC復調によるデータ連続性を維持する書き込みを行なう手段と、上記ホストからのデータ転送が間に合わない場合に上記光ディスクに対するデータ書き込みを一時停止したとき、書き込み再開時に上記ライトデータとして引き続き出力される、上記CIRCエンコーダによるエンコード途中のデータが、上記CIRCエンコーダへのクロックが中断されることにより、そのまま記憶されるRAMを設けるとよい。
さらに、上記のような光ディスク装置において、上記光ディスクに対するデータ書き込みを一時停止するとき、上記CD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダのエンコード動作を中断させるようにするとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。この光ディスク装置は、光ディスク1,スピンドルモータ2,モータドライバ3,サーボ4,光ピックアップ5,リードアンプ6,CDデコーダ7,CD−ROMデコーダ8,バッファマネージャ9,バッファRAM10,ATPI/SCSIインタフェース11,D/Aコンバータ12,ATIPデコーダ13,CDエンコーダ14,CD−ROMエンコーダ15,レーザコントロール回路16,CPU17,ROM18,及びRAM19からなる。
【0014】
この光ディスク装置は、光ディスク1をスピンドルモータ2によって回転駆動させる。スピンドルモータ2はモータドライバ3とサーボ4によって線速度が一定になるように制御される。その線速度は段階的に変更が可能である。
光ピックアップ5は、図示を省略した半導体レーザ,光学系,フォーカスアクチュエータ,トラックアクチュエータ,受光素子,及びポジションセンサを内蔵しており、レーザ光Lを光ディスク1の記録面に照射する。
【0015】
また、光ピックアップ5はシークモータによってスレッジ方向に移動可能である。これらのフォーカスアクチュエータ,トラックアクチュエータ,シークモータは受光素子,ポジションセンサから得られた信号を基にしてモータドライバ3とサーボ4によってレーザスポットを光ディスク1上の目的の場所に位置するように制御する。
【0016】
データリード(データ再生)の場合、光ピックアップ5で得られた再生信号をリードアンプ6で増幅して2値化した後、CDデコーダ7に入力してデインターリーブとエラー訂正の処理を行なう。さらに、そのデインターリーブとエラー訂正の処理後のデータをCD−ROMデコーダ8に入力してデータの信頼性を高めるためのエラー訂正処理を行なう。
【0017】
その後、CD−ROMデコーダ8で処理したデータをバッファマネージャ9によって一旦バッファRAM10に蓄積し、セクタデータとして揃ったときにATAPI/SCSIインタフェース11によってホストへ一気に転送する。
また、音楽データの場合、CDデコーダ7から出力したデータをD/Aコンバータ12に入力してアナログのオーディオ信号を取り出す。
【0018】
次に、データライト(データ書き込み)の場合、ATAPI/SCSIインタフェース11によってホストから転送されたデータを受信すると、そのデータをバッファマネージャ9によって一旦バッファRAM10に蓄積する。
【0019】
バッファRAM10にある程度のデータが溜ったときにライトを開始するが、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる。その書き込み開始地点はトラックの蛇行によって予め光ディスク1に刻まれているウォブル信号によって求められる。そのウォブル信号にはATIPと称する絶対時間情報が含まれており、ATIPデコーダ13によってATIPの情報を取り出す。
【0020】
また、ATIPデコーダ13が生成する同期信号はCDエンコーダ14に入力されて正確な位置でのデータの書き出しを可能にしている。
バッファRAM10のデータはCD−ROMエンコーダ15やCDエンコーダ14でエラー訂正コードの付加やインターリーブを行なってレーザコントロール回路16,光ピックアップ5を介して光ディスク1に記録する。
【0021】
上記CPU17等が、データ書き込み可能な光ディスクに対するデータの記録及び再生を行なうと共に、光ディスクに対してデータ書き込みの終点及び始点部分でCIRC復調によるデータ連続性を維持する書き込みを行なう手段と、光ディスクに対して前回書き込まれたデータの終端から正確に書き始めるタイミングを取るチャンネルビットのPLLをカウントする手段の機能を果たす。
【0022】
また、光ディスクに対して前回書き込まれたデータの終端から正確に書き始めるタイミングを取るフレームシンク信号をカウントする手段の機能を果たす。
さらに、光ディスクに対するデータの書き込み中にホストからのデータ転送が間に合わないときはデータ書き込みを一時停止し、ホストからデータが充分に送られてきたときにデータ書き込みを再開する手段の機能を果たす。
【0023】
さらにまた、光ディスクに対するデータの書き込み中にホストからのデータ転送が間に合わないときはデータ書き込みを一時停止し、光ディスクに対するデータの書き込み速度を落した後にデータ書き込みを再開する手段の機能を果たす。
【0024】
図2はオレンジブックに規定されているCD−R,CD−R/Eのデータ書き込み単位のフォーマットを示す図である。通常、データインターリーブや同期引込みの関係から、ユーザデータブロック(User Data blocks)にデータを書き込んだだけでは完全にそのデータを読み出すことができない。そこで、ユーザデータブロックの前と後にそれぞれ5ブロックと2ブロックの冗長ブロックを設けることによってユーザデータブロックを保護し、通常の光ディスク装置でも確実にデータを読み出せるようにしている。
【0025】
すなわち、図2に示すように、ユーザデータブロックの前に、リンクブロック(Link block),ランインブロック1(Run−in block1),ランインブロック2(Run−in block2),ランインブロック3(Run−in block3),ランインブロック4(Run−in block4),ランインブロック5(Run−in block5)の5ブロックの冗長ブロックを、後にランアウトブロック1(Run−out block1),ランアウトブロック2(Run−out block2)の2ブロックの冗長ブロックを設けている。
【0026】
図3は図2に示したユーザデータブロックに対して複数回に分けてデータを書き込んだときのフォーマットの一例を示す図である。この実施形態の光ディスク装置は、ホストからデータを受け取り、バッファRAM10がそのデータで一杯になるとスタートライト(Start Write)を実行する。
【0027】
そして、ユーザデータブロックを書き始めて、バッファRAM10のデータが残り少なくなると、ポーズライト(Pause Write)を実行して書き込みを一時停止する。その後、ホストからのデータ転送を待ち、バッファRAM10がデータで一杯になったときにリスタートライト(Restart Write)を実行し、ポーズライトでデータ書き込みを一時停止した位置から続けてデータを書き始める。
【0028】
このように、バッファRAM10のデータが少なくなるとポーズライトでデータ書き込みを一時停止し、バッファRAM10にデータが一杯になるとリスタートライトでデータ書き込みを再開する処理を適宜繰り返して、ホストからのデータを全て書き込んだら最後にストップライト(Stop Write)で書き込みを完了する。
【0029】
ところで、従来の光ディスク装置で上述のようなデータの書き込みを行なわなかったのは、オレンジブックに規定されていないこともさることながら、次の2つの点の障害ポイントがあったからである。
【0030】
第1の点は、データの書き込み単位はホスト(ファイルシステム)が決定し、それを1回で書き込まなければならないという固定観念から発している。
確かに、ユーザデータブロックだけでは再生できないというCD等の光ディスクに特有のフォーマットのためにホストのデータ書き込み単位を変えることはできない。
【0031】
しかし、データの連続性が維持されるのならばホストのデータ書き込み単位を分けて書き込むようにしても問題はない。
そこで、この実施形態の光ディスク装置では、データの連続性を維持してホストからのデータ書き込み単位を分けて書き込むように制御している。
【0032】
つまり、オレンジブックに規定されたルールに沿った論理的なデータ書き込み単位と、実際に光ディスクにデータを書き込むときの物理的なデータ書き込み単位を分けるのである。そして、ホストは必ずデータを連続して送ってくるので、エンコーダが一時停止を行なうようにすれば、データの物理的な書き込み単位を分けることは容易に行なえる。
【0033】
次に、そのデータ書き込み制御について説明する。
図4はそのデータ書き込み制御を行なう回路構成例を示すブロック図である。
この回路にポーズ(Pause)信号が入力されるとCD−ROMエンコーダ15とCIRCエンコーダ20へのクロック(Clock)が中断されるので、CD−ROMエンコーダ15とCIRCエンコーダ20はエンコード動作を中断し、ライトデータ(Write Data)の出力を中止する。
【0034】
また、ポーズ信号でライトゲート(Write Gate)もマスクするので、光ディスクへのデータ書き込みも中断する。
しかし、RAM21,22にはエンコード途中のデータがそのまま記憶されているので、ポーズ信号の解除によってそのデータがライトデータとして引き続き出力され、ライトゲートのマスク解除と共に光ディスクへの書き込みを再開する。ただし、データ書き込みの一時停止と再開にはポーズ信号を高度に同期化させている。
【0035】
このようにして、光ディスクに対してデータ書き込みの終点及び始点部分でCIRC復調によるデータ連続性を維持する書き込みを行なうので、光ディスクに対してデータの書き込みを一時停止し、その後に再開して書き込んでも、後からそのデータを正確に且つ連続的に読み出すことができる。
【0036】
次に、障害ポイントの第2点は、従来の光ディスク装置の書き込み制御では、データ書き始めのビーム位置をビットクロックの誤差レベルで決められなかったからである。
【0037】
図5はオレンジブックに規定されている光ディスク上のデータの書き終わりと書き始めの位置関係を示す図である。
このフォーマットに示すように、4EFMフレーム(4EFM Frames)というかなり大きなデータの重なりが許容されている。これは、始めから前提にしていないが、これでは訂正能力の高いCD等の光ディスクでもフレーム同期が外れてしまって正常な再生は行なえない。
【0038】
そして、このような許容値が許されている理由は、スピンドルモータの制御誤差を吸収するためであり、データ書き込み開始位置が既に書き込まれたデータとは無関係にウォブル信号のATIPによって決定しているからである。
【0039】
そこで、データ記録の継目で同期を損なわずにデータを再生するためにフレーム同期保護ウィンドウ幅を考慮すると、図6に示すフォーマットのようになる。
図6は図1に示した光ディスク装置による光ディスク上の継目の形成例を示す図である。
【0040】
つまり、同図に示すように、±2ビットクロック程度のズレで継目を形成する必要がある。このように正確なデータ書き出し位置を決定するには従来の光ディスク装置のようにスピンドルモータの制御精度に基づいた書き込み制御では困難であった。
【0041】
そこで、この実施形態の光ディスク装置では、光ディスク上の直前に書き込んだデータの終端を見つけ、具体的には直前に書き込んだデータに同期したクロックに基づいて計算した終端位置を求めて、その終端位置に基づいてデータ書き出し位置を決定するようにしている。
【0042】
次に、チャンネルビットのPLLをカウントして書き込みタイミングをとり、光ディスク上に書き込まれたデータの終端から正確に書き込みを始める書き込み処理について説明する。
【0043】
図7は図1に示した光ディスク装置の図6に示した継目形成の書き込みタイミングを作る回路構成例を示すブロック図、図8は図7に示した回路のタイミングチャート図である。
【0044】
図7に示す回路は、チャンネルビットPLLをカウントして書き込み開始タイミングを作成する。まず、チャンネルビットオフセットレジスタ30が、サブコードシンククロックから書き込み開始位置までのチャンネルビットクロック数を入力する。
【0045】
その後、ATIP又はSubQコードによって書き込み開始セクタ1のアドレスを検出し、最初のサブコードシンク、つまり書き込み開始セクタのサブコードシンクでチャンネルビットオフセットレジスタの値を16ビットDOWNカウンタ31にロードする。
そして、16ビットDOWNカウンタ31がチャネルビットPLLでディクリメントされて「0」になるとRC、つまり書き込み開始(ライトスタート)を出力する。
【0046】
このようにして、チャンネルビットのPLLのカウントに基づくタイミングで光ディスクに対して前回書き込まれたデータの終端から正確に書き始めることができ、書き込まれたデータに対して最も誤差が小さい信号であるチャンネルビットのPLLによってずれの小さい書き込み継目を精度良く形成することができ、データ書き込みを一時停止した後の再開時の書き込みを精度を良く行なえる。
【0047】
次に、フレームシンク信号をカウントして書き込みタイミングをとり、光ディスク上に書き込まれたデータの終端から正確に書き込みを始める書き込み制御処理について説明する。
【0048】
図9は図1に示した光ディスク装置のフレームシンク信号に基づいて書き込みタイミングを作る回路構成例を示すブロック図、図10は図9に示した回路のタイミングチャート図である。
【0049】
図9に示す回路は、フレームシンククロックをカウントして書き込み開始タイミングを作成する。まず、フレームオフセットレジスタ40がサブコードシンククロックから「Fr25」のフレームシンクまでのフレームシンククロック数を入力する。また、クロックオフセットレジスタ41が「Fr25」のフレームシンククロックから書き込み開始位置までのライト基準クロック数を入力する。
【0050】
その後、ATIP又はSubQコードによって書き込み開始セクタ1のアドレスを検出し、最初のサブコードシンク、つまり書き込み開始セクタのサブコードシンクでフレームオフセットレジスタの値を5ビットDOWNカウンタ42にロードして、チャンネルビットオフセットレジスタの値を16ビットDOWNカウンタ31にロードする。
【0051】
さらに、5ビットDOWNカウンタ42がフレームシンククロックでディクリメントされて「0」になると、クロックオフセットレジスタ41の値を11ビットDOWNカウンタ43にロードする。そして、11ビットDOWNカウンタ43がライト基準クロックでディクリメントされて「0」になるとRC、つまり書き込み開始(ライトスタート)を出力する。
【0052】
このようにして、フレームシンク信号のカウントに基づくタイミングで光ディスクに対して前回書き込まれたデータの終端から正確に書き始めることができ、安価な汎用品のデコーダLSIによってそのフレームシンク信号を得ることができるので、光ディスク装置のコストを低減することができる。
【0053】
次に、この実施形態の光ディスク装置におけるホストからのデータ転送が間に合わないときの書き込み制御処理について説明する。
まず、データ書込中にホストからのデータ転送が間に合わないときは書き込みを中断して、充分な量を受信してから書き込みを再開するときの処理について説明する。
【0054】
図11はそのデータ書き込み制御処理を示すフローチャートである。
この処理は、ステップ(図中「S」で示す)1でスタートライトし、ステップ2へ進んでディスクライトし、ステップ3へ進んでホストからデータ受信して、ステップ4へ進んでホストデータ(ホストから転送されるデータ)が少量か否かを判断する。
【0055】
ステップ4の判断でホストからのデータが少量でなければ、ステップ5へ進んでデータ書き込み終了か否かを判断して、データ書き込みが終了でなければステップ2へ戻ってデータ書き込みを継続し、データ書き込み終了ならステップ6へ進んでストップライトして、この処理を終了する。
【0056】
また、ステップ4の判断でホストからのデータが少量なら、ステップ7へ進んでポーズライトして光ディスクへの書き込みを中断し、ステップ8へ進んでホストからデータを受信して、ステップ9へ進んでホストデータ(ホストから転送されるデータ)が満量になったか否かを判断して、ならなければステップ8へ進んでホストからのデータ受信を継続し、満量になったらステップ10へ進んでリスタートライトして光ディスクへの書き込みを再開し、ステップ3へ戻ってデータ書き込み処理を継続する。
【0057】
さらに、この処理について説明する。まず、光ディスク装置はホストからライトコマンドとある程度量のデータを受け取るとデータ書き込み開始(スタートライト)を実行する。そのスタートライトはリンクブロックから始まる通常のライトシーケンスであり、光ディスクへのライトとホストからのデータ受信を所定のレングス繰り返す。
【0058】
そして、そのデータ書込中、光ディスクへの書き込み速度よりもデータ転送速度が遅いと、バッファ内のデータの減少が早くて書き込みが続行できなくなるので、データの減少を検出してデータの転送が間に合わないと判断したらポーズライトを実行する。そのポーズライトはランアウトブロックを書き込まずに書き込みを一時中断するライトシーケンスである。
【0059】
その後、ホストからデータを充分受信してリスタートライトを実行する。そのリスタートライトは、リンクブロックを書き込まずに前からのデータの連続性を保ち、且つ同期が外れないように前のデータピット終端に正確に合わせて書き出すライトシーケンスである。
【0060】
そして、所定のレングスを書き終わるとストップライトを実行する。そのストップライトはランアウトブロックを書き込む通常のライトシーケンスである。
つまり、この光ディスク装置は、ライトシーケンス中にバッファのデータ量を監視し、バッファアンダーランによる書き込み失敗を防ぐために随時ポーズライトとリスタートライトを繰り返す。
【0061】
このようにして、光ディスクに対するデータの書き込み中にホストからのデータ転送が間に合わないときはデータ書き込みを一時停止し、ホストからデータが充分に送られてきたときにデータ書き込みを再開する。
【0062】
したがって、ホストからのデータ転送が一瞬途切れたり転送レートが多少低下しても複数回に分けて正常にデータを光ディスクに書き込むことができ、データ書き込み失敗を防止することができる。
また、データ転送の脈動を吸収するバッファRAMの容量を小さくすることができ、光ディスクのコストダウンを図ることができる。
【0063】
次に、データ書込中にホストからのデータ転送が間に合わないときは書き込みを中断して、書き込み速度を落してから書き込みを再開するときの処理について説明する。
【0064】
図12はそのデータ書き込み制御処理を示すフローチャートである。
この処理は、ステップ(図中「S」で示す)11で最高速度又はホストが設定した速度でスタートライトし、ステップ12へ進んでディスクライトし、ステップ13へ進んでホストからデータ受信して、ステップ14へ進んでホストデータ(ホストから転送されるデータ)が少量か否かを判断する。
【0065】
ステップ14の判断でホストからのデータが少量でなければ、ステップ15へ進んでデータ書き込み終了か否かを判断して、データ書き込みが終了でなければステップ12へ戻ってデータ書き込みを継続し、データ書き込み終了ならステップ16へ進んでストップライトして、この処理を終了する。
【0066】
また、ステップ14の判断でホストからのデータが少量なら、ステップ17へ進んでポーズライトして光ディスクへの書き込みを中断し、ステップ18へ進んでホストからデータを受信して、ステップ19へ進んでホストデータ(ホストから転送されるデータ)が満量になったか否かを判断する。
【0067】
ステップ19の判断で満量にならなければ、ステップ18へ進んでホストからのデータ受信を継続し、満量になったらステップ20へ進んで最低速度でなければ速度を一段階落して、ステップ21へ進んでリスタートライトして光ディスクへの書き込みを再開し、ステップ13へ戻ってデータ書き込み処理を継続する。
【0068】
さらに、この処理について説明する。
まず、光ディスク装置はホストからライトコマンドとある程度の量のデータを受け取るとデータ書き込み開始(スタートライト)を実行するが、このとき、ホストが設定した速度又は設定がなければ光ディスク装置の持つ最高速度でスタートライトを実行する。そのスタートライトはリンクブロックから始まる通常のライトシーケンスであり、光ディスクへのライトとホストからのデータ受信を所定のレングス繰り返す。
【0069】
そして、そのデータ書込中、光ディスクへの書き込み速度よりもデータ転送速度が遅いと、バッファ内のデータの減少が早くて書き込みが続行できなくなるので、データの減少を検出してデータの転送が間に合わないと判断したらポーズライトを実行する。そのポーズライトはランアウトブロックを書き込まずに書き込みを一時中断するライトシーケンスである。
【0070】
そのデータ書き込みの中断時、最低速度でなければ書き込み速度を一段階落して、ホストからデータを受信してリスタートライトを実行する。そのリスタートライトは、リンクブロックを書き込まずに前からのデータの連続性を保ち、且つ同期が外れないように前のデータピット終端に正確に合わせて書き出すライトシーケンスである。
【0071】
その後、再びホストからのデータ転送が間に合わないときには、データ書き込みを中断し、データ書き込みの速度をさらに落してリスタートライトする。
そして、所定のレングスを書き終わるとストップライトを実行する。そのストップライトはランアウトブロックを書き込む通常のライトシーケンスである。
【0072】
このようにして、光ディスクに対するデータの書き込み中にホストからのデータ転送が間に合わないときはデータ書き込みを一時停止し、光ディスクに対するデータの書き込み速度を落した後にデータ書き込みを再開する。
【0073】
したがって、この光ディスク装置は、ホストからのデータ転送にあったデータ書き込み速度に自動的に変更して書き込みを継続するので、バッファアンダーランによる書き込み失敗を防ぐために随時ポーズライトとリスタートライトを多数回繰り返して書き込み処理が長時間になることを防止できる。
また、ユーザがホストのデータ転送能力や光ディスク装置の書き込み速度を常にチェックする必要が無くて操作性を向上させることができ、ホストの能力を最大限に生かしたデータ書き込みを行なえる。
【0074】
この実施形態の光ディスク装置では、バッファアンダーランを回避し、書き込みデータを連続データとして正常に読み出すことができるようにデータ書き込みを行なえる。したがって、データ書き込みの信頼性を向上させることができる。
また、ユーザはホストのパフォーマンスを気にすること無く光ディスクに対して安全にデータの書き込みを行なえる。したがって、データ書込時の操作性を向上させることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の光ディスク装置によれば、ホストからのデータ転送が間に合わないことによるデータ書き込み失敗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】オレンジブックに規定されているCD−R,CD−R/Eのデータ書き込み単位のフォーマットを示す図である。
【図3】図2に示したユーザデータブロックに対して複数回に分けてデータを書き込んだときのフォーマットの一例を示す図である。
【図4】図1に示した光ディスク装置のこの発明に係るデータ書き込み制御を行なう回路構成例を示すブロック図である。
【図5】オレンジブックに規定されている光ディスク上のデータの書き終わりと書き始めの位置関係を示す図である。
【図6】図1に示した光ディスク装置による光ディスク上の継目の形成例を示す図である。
【図7】図1に示した光ディスク装置の図6に示した継目形成の書き込みタイミングを作る回路構成例を示すブロック図である。
【図8】図7に示した回路のタイミングチャート図である。
【図9】図1に示した光ディスク装置のフレームシンク信号に基づいて書き込みタイミングを作る回路構成例を示すブロック図である。
【図10】図9に示した回路のタイミングチャート図である。
【図11】図1に示した光ディスク装置におけるホストからのデータ転送が間に合わないときのデータ書き込み制御処理を示すフローチャートである。
【図12】図1に示した光ディスク装置におけるホストからのデータ転送が間に合わないときの他のデータ書き込み制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:光ディスク 2:スピンドルモータ
3:モータドライバ 4:サーボ
5:光ピックアップ 6:リードアンプ
7:CDデコーダ 8:CD−ROMデコーダ
9:バッファマネージャ 10:バッファRAM
11:ATPI/SCSIインタフェース
12:D/Aコンバータ 13:ATIPデコーダ
14:CDエンコーダ
15:CD−ROMエンコーダ
16:レーザコントロール回路
17:CPU 18:ROM
19,21,22:RAM
20:CIRCエンコーダ
30:チャンネルビットオフセットレジスタ
31:16ビットDOWNカウンタ
40:フレームオフセットレジスタ
41:クロックオフセットレジスタ
42:5ビットDOWNカウンタ
43:11ビットDOWNカウンタ
Claims (3)
- ホストから転送されたデータをバッファRAMに蓄積し、該バッファRAMに蓄積されたデータをCD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダでエンコードしたライトデータをデータ書き込み可能な光ディスクに対して書き込みを行なう光ディスク装置において、
前記光ディスクに対してデータ書き込みの終点及び始点部分でCIRC復調によるデータ連続性を維持する書き込みを行なう手段と、
前記ホストからのデータ転送が間に合わない場合に前記光ディスクに対するデータ書き込みを一時停止したとき、書き込み再開時に前記ライトデータとして引き続き出力される、前記CD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダでエンコードされている途中のデータが、前記CD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダへのクロックが中断されることにより、そのまま記憶されるRAMとを設けたことを特徴とする光ディスク装置。 - ホストから転送されたデータをバッファRAMに蓄積し、該バッファRAMに蓄積されたデータをCD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダでエンコードしたライトデータをデータ書き込み可能な光ディスクに対して書き込みを行なう光ディスク装置において、
前記光ディスクに対してデータ書き込みの終点及び始点部分でCIRC復調によるデータ連続性を維持する書き込みを行なう手段と、
前記ホストからのデータ転送が間に合わない場合に前記光ディスクに対するデータ書き込みを一時停止したとき、書き込み再開時に前記ライトデータとして引き続き出力される、前記CIRCエンコーダによるエンコード途中のデータが、前記CIRCエンコーダへのクロックが中断されることにより、そのまま記憶されるRAMとを設けたことを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1又は2記載の光ディスク装置において、
前記光ディスクに対するデータ書き込みを一時停止するとき、前記CD−ROMエンコーダ及びCIRCエンコーダのエンコード動作を中断させるようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
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