JP3897105B2 - 穴明け工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穴明け工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
切削工具としての穴明け工具は、被削材の加工穴の内周形状を工具の外周形状と同一形状に加工することを目的に用いられる。穴明け工具には様々な形状のものがあり、面取り加工、内径加工、底面加工などといった用途に応じた形状のものが使い分けられている。
【0003】
図5(A)は従来の穴明け工具の一つである穴明けボーリングバイト30の一例を示す図である。図示する例の穴明けボーリングバイト30は被削材31の加工穴の開口縁部の面取り加工、及び加工穴の内周壁を切削する内径加工を行う他、底壁に更に小径の加工穴33が存在する加工穴について、小径の加工穴33の開口縁部の面取りも併せて行うためのものである。開口縁部の面取りと内周壁の切削とを行う穴明けボーリングバイト30の場合、面取り加工を行う第一切り刃1と内周壁を切削する第二切り刃2との交点部PにR形状が残り、それにより被削材においても第一切り刃1が形成した面と第二切り刃2が形成した面との稜線部にR形状が残るという問題がある。このため従来のボーリングバイト30では、被削材の稜線部にR形状を生じさせないよう第一切り刃1と第二切り刃2との交点部Pに逃がし部3が設けられている。逃がし部3を設けることにより交点部PのR形状が取り除かれ、これにより被削材の稜線部にR形状が生じることを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、逃がし部を設けると逃がし部に入り込んだ被削材の一部がばりとなって残るという問題がある。
【0005】
図5(B)は穴明けボーリングバイト30の一部を拡大して示す図である。図示するように逃がし部3は第一切り刃1と第二切り刃2との間に設けられることから、逃がし部3に入り込んだ被削材の一部はどちらの切り刃によっても切削されることがなく、最終的にばり4となって残る。
【0006】
ばりに起因して生じる問題は多く、場合によっては多額の損失を招く可能性がある。そのため加工時におけるばりの除去やばりの抑制に対する要求は強く、従来は除去のための専用化された高額設備を導入したり、ブラシ類を用いて除去作業を行ったり、検査器を使ってばりの有無の確認を行ったりするなど、ばりの除去や検査に多くの費用を費やしている。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みて創作されたものであって、穴明け加工の過程で生じるばりを穴明け加工をしつつ除去できる穴明け工具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の穴明け工具は、第一切り刃と第二切り刃との境界に凹み状の逃がし部が設けられている。これにより第一切り刃と第二切り刃との間に生じるR形状を取り除いている。しかしながら、逃がし部を設けたことで被削材の第一切り刃によって形成された面と第二切り刃によって形成された面との稜線部にばりが生じることになる。請求項1に記載の穴明け工具の逃がし部の相対回転方向後方には、前記第一切り刃より後端部側まで直線状に延び、回転軸に対する傾斜角度が第二切り刃の傾斜角度と等しい第三切り刃が形成されており、第三切り刃を回転軸へ垂直に投影した切り刃領域は、逃がし部を回転軸へ垂直に投影した逃がし部領域を含んでいる。従って、穴明け工具の先端部が加工穴に当接して穴明け工具の送り方向への送りが停止した状態で穴明け工具が回転軸周りに回転すると、逃がし部によって生じたばりは第三切り刃によって切削される。よって請求項1に記載の穴明け工具によると、穴明け加工の過程で被削材に生じるばりを穴明け加工をしつつ除去できる。
【0009】
請求項2に記載の穴明け工具は、逃がし部領域の後端部側の端部から切り刃領域の後端部側の端部までの長さが、回転軸に直交する面上において回転軸を中心に逃がし部と当該第三切り刃とで形成される角度を相対回転する間に穴明け工具が送り方向に相対移動する距離分の長さ以上である。よって請求項2に記載の穴明け工具によると、穴明け工具が送り方向へ送られつつ相対回転している間も第三切り刃によってばりを切削できる。
【0010】
請求項3に記載の穴明け工具によると、被削材の第一切り刃によって形成された面、第二切り刃によって形成された面及び第三切り刃によって形成された面と穴明け工具との不要な接触を避けることができる。
【0011】
請求項4に記載の穴明け工具によると、第一切り刃、第二切り刃及び第三切り刃によって生じた切り屑を排出できる。
請求項5に記載の穴明け工具によると、第一切り刃、第二切り刃及び第三切り刃によって生じた切り屑をよりスムーズに排出できる。
【0012】
請求項6に記載の穴明け工具によると、生じたばりが溝に沿って相対的に進行することで穴明け工具はばりに接触することなく相対回転できる。従ってばりに接触しないようにするために第一逃げ面及び第二逃げ面を大きく逃がす必要がなく、第一切り刃及び第二切り刃の強度を保つことができる。
【0013】
請求項7に記載の穴明け工具によると、第一切り刃のみでなく第三切り刃によっても加工穴の内周壁を切削できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。
図2は、本発明の一実施例である穴明け工具を示す図である。本実施例の穴明け工具は、被削材に予め開口した加工穴に対する穴明け加工を行う穴明けボーリングバイト10である。加工穴はその内径の半径が穴明けボーリングバイト10の回転軸26から後述する第二切り刃18までの半径より小径である。穴明けボーリングバイト10は所定の送り量で被削材に対して相対回転することにより加工穴の開口縁部を切削して面取りを行うとともに、加工穴内周壁の切削を行って内周壁の内径を拡大し、それにより加工穴の内周形状を穴明けボーリングバイト10の外周形状と同一形状に加工する。ここで送り量とは1回転当たりの送り方向への相対移動量のことをいい、例えば1回転する間に送り方向にVmm移動した場合、送り量はVmmとなる。尚、本実施例では加工穴の内部に段差があって加工穴の内径が途中で小さくなっている加工穴、すなわち加工穴の底壁に更に小径の加工穴が存在する加工穴について、小径の加工穴の開口縁部の面取りも併せて行う穴明けボーリングバイト10を例に説明する。このため本実施例の穴明けボーリングバイト10の先端部には小径の加工穴の面取りを行うための一対の切り刃が設けられている。
【0015】
図1(A)は穴明けボーリングバイト10を拡大して示す図であり、図1(B)は図1(A)に示す穴明けボーリングバイト10を逆方向から見た図である。穴明けボーリングバイト10は超硬合金からなり、シャンク部11、第一切り屑排出溝12、第二切り屑排出溝13、第一逃げ面14、第一切り刃15、逃がし部、第二逃げ面17、第二切り刃18、第三逃げ面19、第三切り刃20、先端部としての底部21、一対の第四切り刃22及び一対の切り屑排出溝23を備える。
【0016】
シャンク部11は円柱形状であり、使用に際してシャンク部11が例えば工作機械に保持されて回転させられる。これによりシャンク部11は回転軸26周りに回転する。ここで方向27は穴明けボーリングバイト10の被削材に対する相対回転方向を示している。
【0017】
穴明けボーリングバイト10の底部21からは、第一切り刃15及び第二切り刃18の切り屑を排出する第一切り屑排出溝12、並びに第三切り刃20による切屑を排出する第二切り屑排出溝13が形成されている。第一切り屑排出溝12は穴明けボーリングバイト10の底部21から、第二切り刃18と第三逃げ面19との間、逃がし部としての凹み部16a及び溝部16bと第三逃げ面19との間、更に第一切り刃15と第三逃げ面19との間を穴明けボーリングバイト10の後端部へ向かって相対回転方向27の逆方向へ螺旋状にねじれて延びている。同様に第二切り屑排出溝13は、第二逃げ面17と第三切り刃20との間、更に第一逃げ面14と第三切り刃20との間を後端部へ向かって相対回転方向27の逆方向へ螺旋状にねじれて延びている。第一切り屑排出溝12と第二切り屑排出溝13とは同方向にねじれているため、互いに交差することはない。尚、第一切り屑排出溝12及び第二切り屑排出溝13はねじれずに後端部に延びていてもよい。
【0018】
第一逃げ面14はシャンク部11に連なっており、概ね円錐曲面状に後端部に向かってねじれて延びている。第一逃げ面14と第一切り屑排出溝12の壁面とは稜線部を形成しており、その稜線部に第一切り刃15が形成されている。すなわち、第一逃げ面14は、第一切り刃15の相対回転方向27後方に連なっている。
【0019】
第一切り刃15の端部Eは図示するようにシャンク部11に連なっている。従って第一切り刃15はシャンク部11より先端部側に形成されている。第一切り刃15はシャンク部11に連なる端部Eから底部21側の他端部Fへいくにつれて回転軸26に近づくよう回転軸26に対して所定の傾斜角度で傾斜しており、所定の切刃角をもって形成されている。第一切り刃15は被削材の加工穴の開口縁部を切削するためのものであり、穴明けボーリングバイト10と被削材とを相対回転させることで第一切り刃15が被削材の開口縁部を切削し、これにより面取りが行われて被削材の開口縁部に面が形成される。
【0020】
逃がし部は、第一切り刃15の先端部側の端部に凹み状に設けられている凹み部16aと、凹み部16aから第一逃げ面14と第二逃げ面17との間を後端部に向かって溝状にねじれて延びる溝部16bとを備える。図4(A)は逃がし部を示す拡大図である。図示するように第一切り刃15と第二切り刃18との境界、すなわち交点部QにはR形状ではなく凹み部16aが設けられている。凹み部16aを設けることにより第一切り刃15と第二切り刃18との間にR形状がなくなり、これにより第一切り刃15によって形成される被削材の面と第二切り刃18によって形成される被削材の面との稜線部にR形状が生じることを防止している。しかしながら、凹み部16aは第一切り刃15と第二切り刃18との間に設けられることから、凹み部16aに入り込んだ被削材の一部はどちらの切り刃によっても切削されることがなく、従って凹み部16aに入り込んだ被削材の一部はばり24となって残ることになる。これにより逃がし部によってばり24が生じる。生じたばり24は穴明けボーリングバイト10が回転しつつ送られるとき、溝部16bに沿って相対的に進むことで穴明けボーリングバイト10に接触することなく第三切り刃20まで到達する。溝部16bの形状は、底部21が加工穴の底壁に当接して穴明けボーリングバイト10の送り方向Yへの送りが停止したとき、残されたばりが回転軸26に垂直な方向に穴明けボーリングバイト10に接触することなく第三切り刃20まで到達する形状に形成されている。なお、第一逃げ面14及び第二逃げ面17が大きく逃げており、溝部16bを設けなくてもばり24が穴明けボーリングバイト10に接触しなければ溝部16bを設けなくてもよい。
【0021】
図1(A)及び図1(B)に示すように、第二逃げ面17は底部21に連なっており、概ね円柱曲面状である。第二逃げ面17と第一切り屑排出溝12の壁面とは稜線部を形成しており、その稜線部に第二切り刃18が形成されている。すなわち、第二逃げ面17は、第二切り刃18の相対回転方向27後方に連なっている。
【0022】
第二切り刃18は、一方の端部が底部21に連なり、他方の端部が逃がし部の凹み部16aに連なり、回転軸26に概ね平行で段差がない形状である。ここでいう回転軸26に概ね平行とは、切削をスムーズに行うために所定の角度だけ回転軸26に対して相対回転方向27に傾斜していることをいう。第二切り刃18は概ね回転軸26に平行であるため、第二切り刃18の回転軸26に対する傾斜角度は概ね0度ということになる。本実施例の第一切り刃15の回転軸26に対する傾斜角度は図1(A)に示すように概ね45度であるため、第二切り刃18の回転軸26に対する傾斜角度は第一切り刃15の回転軸26に対する傾斜角度より小さくなっている。第二切り刃18は加工時に被削材に空いた加工穴の内周壁を切削し、加工穴の内径を拡大する。
【0023】
尚、本実施例の第二切り刃18は概ね回転軸26に平行であるが、第二切り刃18は底部21側にいくにつれて回転軸26に近づくよう回転軸26に対して傾斜してもよい。この場合、第二切り刃18の回転軸26に対する傾斜角度は、第一切り刃の回転軸26に対する傾斜角度より小さければ任意の角度であってよく、その傾斜角度は加工穴の形状に応じて適宜変更してよい。また、第二切り刃18は底部21側にいくにつれて回転軸26に近づくよう回転軸26に対して傾斜しつつ、切削をスムーズに行うために回転軸26に対して相対回転方向27に傾斜していてもよい。
【0024】
先端部としての底部21は、加工穴の底壁に当接する面と、その面に連なり円錐曲面状に後端部に向かってねじれて延びる面とを有している。底部21が加工穴の底壁に当接することで穴明けボーリングバイト10の送り方向Yへの送りが停止する。底部21は回転軸26方向から見て直径方向に一対の第四切り刃22と、第四切り刃22の切り屑を排出する切り屑排出溝であって一方が第一切り屑排出溝12に連なり他方が第二切り屑排出溝13に連なる一対の第四切り屑排出溝23とを備えている。各第四切り刃22は底部21に連なる側の端部から送り方向Y側の端部へいくにつれて回転軸26に近づくよう回転軸26に対して傾斜しており、これら一対の第四切り刃22は小径の加工穴の開口縁部の面取りを行う。尚、内部に小径の加工穴が無い、あるいは小径の加工穴の面取りを行わないのであればそれら一対の第四切り刃22及び一対の第四切り屑排出溝23を備えることは不要である。
【0025】
第三逃げ面19は底部21に連なり、概ね円柱曲面状である。第三逃げ面19と第二切り屑排出溝13の壁面とは稜線部を形成しており、その稜線部に第三切り刃20が形成されている。すなわち、第三逃げ面19は、第三切り刃20の相対回転方向27後方に連なっている。第三切り刃20は逃がし部の凹み部16aの相対回転方向27後方に設けられており、本実施例では具体的には回転軸26を挟んで逃がし部の凹み部16aに対向する側に設けられている。
【0026】
第三切り刃20は回転軸26に概ね平行に形成されており、第三切り刃20の回転軸26に対する傾斜角度は第二切り刃18の回転軸26に対する傾斜角度と同じ角度である。尚、第三切り刃20は第二切り刃18と同様に切削をスムーズに行うために回転軸26に対して相対回転方向27に傾斜していてもよい。図3は図1(A)に示す穴明けボーリングバイト10を更に拡大して示す図である。尚、理解を容易にするため、図3においては第四切り屑排出溝23や、第二切り屑排出溝13と第一逃げ面14との稜線部の一部などは省略している。図3に示すように、第三切り刃20は稜線部25全域に渡って形成されており、第三切り刃20を回転軸26へ垂直に投影した切り刃領域Xには、逃がし部の凹み部16aを回転軸26へ垂直に投影した逃がし部領域Zが含まれている。ここで切り刃領域Xは、第三切り刃20の底部21側の端部を通り回転軸26に垂直な直線L1と回転軸26との交点と、第三切り刃20の後端部側の端部を通り回転軸26に垂直な直線L2と回転軸26との交点とで挟まれる領域である。逃がし部領域Zも同様に直線L3及び直線L4の交点で挟まれる領域である。第三切り刃20は回転軸26を挟んで凹み部16aに対向する側に設けられていることから、回転軸26に直交する面上において回転軸26を中心に凹み部16aと第三切り刃20とで形成される角度は180度となる。従って、穴明けボーリングバイト10を被削材に対して相対回転させると、凹み部16aによって生じたばりは180度相対回転した時点で稜線部25に到達する。ここで例えば所定の送り量をVmmとすると、穴明けボーリングバイト10が180度相対回転する間に送り方向Yに相対移動する距離はV/2mmとなる。従って、逃がし部領域Zの後端部側の端部から切り刃領域Xの後端部側の端部までの領域を領域Uとすると、領域Uの長さがV/2mm以上であれば穴明けボーリングバイト10が相対回転しつつ送り方向Yへ送られる間も第三切り刃20は稜線部25に到達したばりを切削できることになる。図示するように本実施例の領域UはV/2mm以上である。従って穴明けボーリングバイト10が相対回転しつつ送り方向Yへ送られる間も稜線部25に到達したばりは第三切り刃20によって切削される。底部21が加工穴の底壁に当接して送り方向Yへの送りが停止したとき、ばりは逃がし部の溝部16bに沿って加工穴の稜線部に概ね1/2周する長さで螺旋状に残った状態となる。この状態で穴明けボーリングバイト10を相対回転させるとばりは回転軸26に垂直な方向に相対的に進行することになり、残ったばりは、回転軸26において逃がし部領域Zの底部21側の端部と、逃がし部領域Zの後端部側の端部から後端部側にV/2mm離れた位置とで挟まれる領域に対応する第三切り刃20の領域M全体で切削される。
【0027】
尚、本実施例の第三切り刃20は底部21まで延び、底部21に連なっている。これにより第三切り刃20は第二切り刃18と同様に加工穴の内周壁の切削も併せて行っているが、回転軸26において逃がし部領域Zの底部21側の端部より底部21側の領域に対応する第三切り刃20の領域Hには切り刃を形成しなくてもよい。その場合、加工穴内周壁の切削は第一切り刃15のみによって行われることになる。また、回転軸26において逃がし部領域Zの後端部側の端部から後端部側の領域に対応する第三切り刃20の領域Kにも切り刃が形成されているが、領域Kには切り刃を形成しなくてもよい。この場合、穴明けボーリングバイト10が送り方向に進行している間は逃がし部によって生じたばりは第一切り刃15が次に相対回転してきたとき加工穴の開口縁部と供に第一切り刃15によって切削される。底部21が加工穴の底壁に当接して送り方向Yへの送りが停止した状態で穴明けボーリングバイト10を相対回転させると、螺旋状に残ったばりは第一切り刃15が次に相対回転してきたとき加工穴の開口縁部と供に第一切り刃15によって切削され、逃がし部に入り込んで第一切り刃15が切削することのできないばりは第三切り刃20によって切削される。
【0028】
以上説明したように、本実施例の穴明けボーリングバイト10は従来の穴明けボーリングバイト30と同様、第一切り刃15と第二切り刃18との境界に凹み部16aを備える。これにより第一切り刃15と第二切り刃18との間に生じるR形状を取り除いている。しかしながら、凹み部16aを設けたことで被削材の第一切り刃15によって形成された面と第二切り刃18によって形成された面との稜線部に図4(A)に示すようにばり24が生じる。本実施例の穴明けボーリングバイト10は凹み部16aに対向する側に第三切り刃20を備えていることから、生じたばりは図4(B)に示すように第三切り刃20によって切削され除去される。よって本実施例の穴明けボーリングバイト10によると、穴明け加工の過程で生じるばりを穴明け加工をしつつ除去できる。従って除去のための高額設備、ブラシ類を用いた除去作業、検査器を使ったばりの有無の確認などが不要になり、ばりの除去や検査に費やす費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明の一実施例による穴明け工具の一部を拡大して示す図であり、BはAに示す穴明け工具を逆方向から見た図である。
【図2】本発明の一実施例による穴明け工具を示す図である。
【図3】図1(A)に示す穴明け工具の一部を拡大して示す模式図である。
【図4】Aは本発明の一実施例による穴明け工具の逃がし部を示す図であり、Bは第三切り刃を示す図である。
【図5】Aは従来の穴明け工具の一部を示す図であり、BはAに示す穴明け工具の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 第一切り刃
2 第二切り刃
3 逃がし部
10 穴明けボーリングバイト(穴明け工具)
11 シャンク部
12 第一切り屑排出溝
13 第二切り屑排出溝
14 第一逃げ面
15 第一切り刃
16a 凹み部(逃がし部)
16b 溝部(逃がし部)
17 第二逃げ面
18 第二切り刃
19 第三逃げ面
20 第三切り刃
21 底部(先端部)

Claims (7)

  1. 被削材に対して相対回転することにより、前記被削材の内周壁を切削する穴明け工具であって、
    回転軸周りに回転するシャンク部と、
    前記シャンク部より先端部側に形成され、先端部側へいくにつれて前記回転軸に近づくよう前記回転軸に対して所定の傾斜角度で傾斜する第一切り刃と、
    前記第一切り刃の先端部側の端部に設けられる凹み状の逃がし部と、
    前記逃がし部に連なり前記回転軸に概ね平行か又は先端部側へいくにつれて前記回転軸に近づくよう前記回転軸に対して傾斜し、前記回転軸に対する傾斜角度が前記第一切り刃の前記傾斜角度より小さい第二切り刃と、
    前記回転軸に対する傾斜角度が前記第二切り刃の前記傾斜角度と等しい第三切り刃であって、前記逃がし部の相対回転方向後方に設けられ、前記第一切り刃より後端部側まで直線状に延び、当該第三切り刃を前記回転軸へ垂直に投影した切り刃領域は前記逃がし部を前記回転軸へ垂直に投影した逃がし部領域を含む第三切り刃と、
    を備えることを特徴とする穴明け工具。
  2. 前記第三切り刃は、前記逃がし部領域の後端部側の端部から前記切り刃領域の後端部側の端部までの長さが、前記回転軸に直交する面上において前記回転軸を中心に前記逃がし部と当該第三切り刃とで形成される角度を相対回転する間に前記穴明け工具が送り方向に相対移動する距離分の長さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の穴明け工具。
  3. 前記第一切り刃の相対回転方向後方に連なる第一逃げ面と、
    前記第二切り刃の相対回転方向後方に連なる第二逃げ面と、
    前記第三切り刃の相対回転方向後方に連なる第三逃げ面と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の穴明け工具。
  4. 前記第一切り刃、前記逃がし部及び前記第二切り刃と、前記第三逃げ面との間を先端部から後端部へ向かって延びる第一切り屑排出溝と、
    前記第一逃げ面及び前記第二逃げ面と、前記第三切り刃との間を先端部から後端部へ向かって延びる第二切り屑排出溝と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の穴明け工具。
  5. 前記第一切り屑排出溝及び前記第二切り屑排出溝は、後端部に向かって相対回転方向の逆方向へねじれて延びることを特徴とする請求項4に記載の穴明け工具。
  6. 前記逃がし部は、前記第一逃げ面と前記第二逃げ面との間を後端部に向かって溝状にねじれて延びることを特徴とする請求項3、4、又は5に記載の穴明け工具。
  7. 前記第三切り刃の先端部側の端部は、先端部に連なっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の穴明け工具。
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