JP3894176B2 - 高温鋼材の冷却方法および高張力鋼材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱間圧延工場等で高温鋼材を冷却する際、水質を適正に管理することにより高温鋼材を均一に冷却する方法、及びそのような冷却方法を用いて鋼材を製造する方法に関する。さらに詳しくは、厚板工場でのオンライン冷却を行う際、水質を適正に管理することにより、高温鋼材を均一に冷却し、冷却後の平坦不良や機械試験値のばらつきを減少させる冷却方法に関するものである。
従来、鋼の合金成分中に高価な元素を入れることなく、高温鋼材に所定の冷却を行って、機械的性質を向上させる、いわゆる制御冷却技術が広く行われている。制御冷却では、ノズルから水を噴射させて鋼材を冷却する方法が一般的である。とくに、厚板のようにオンライン冷却で材質制御を行うものは、冷却停止温度を制御する精度が重要なファクターであり、この温度がばらつくと機械試験に悪影響を及ぼす。また、長時間連続操業中にノズル詰まりが起こると、品質に悪影響を及ぼすので、水質は厳しく管理する必要がある。例えば厚板の制御冷却の場合、3mm程度の径のジェット式ノズルが用いられるが、水質が悪いとノズル詰まりを起し、均一な冷却が妨げられることがある。また、水質が悪いと、熱伝達にも悪影響を及ぼす。ノズル詰まりを防止するには、ノズル径を大きくすることも1つの解決手段ではあるが、ノズル径を大きくすると、供給する水量も多量に必要で、必然的に水処理設備も大がかりなものになり、設備コストも高くなるので現実的ではない。したがって、ノズル詰まりを防止する方法として、従来は一般に、ノズルを定期的に洗浄したり、交換したりする方法がとられていた。
一方、特許文献1には、冷却水として、塩素剤、スケール防止剤を含有させた水を用いることによりスプレー部近傍の金属の腐食を防止し、ノズル詰まりを防止する方法が開示されている。
特開平8−155529号公報
しかし、従来一般にとられていたノズルの定期的な洗浄や交換等を実施する方法ではメンテナンスに多大な工数がかかるという問題点があり、さらには、メンテナンス期間が伸びると冷却中にノズル詰まりを起し、鋼材の冷却が不均一となる結果、鋼材の品質のばらつきも大きくなるという問題点があった。
また、特許文献1の方法には、ノズル自身の腐食防止には効果があるがコストが高くなるという欠点があり、また、塩素剤とスケール防止剤の両方を使用するので、大量の冷却水を循環使用するような水処理系ではノズル自身が薬剤によりわずかながら溶解する結果、ノズル寿命が短くなるという欠点があった。
上記の従来技術は、いずれもノズル詰まりの軽減を目的とした水質管理であり、ノズル詰まり防止だけで均一冷却を図ろうとしていた。しかし、ノズル詰まりがなく比較的均一な冷却水の噴射が行われている場合であっても、水質が悪いと熱伝達に悪影響を及ぼし、圧延鋼材の幅方向、長手方向の冷却温度ムラを引き起こすという問題があった。従って、均一な冷却を行うには、従来技術による対策に加えて、更なる検討が必要であった。
そこで、本発明は、適正な熱伝達ができ、かつノズル詰まりをなくす適正な水質管理を行った水を用いて高温鋼材を冷却する方法、及び該冷却方法を用いて安定した品質の鋼材を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、不均一冷却の原因を鋭意研究し、以下の(1)〜(3)に示す知見を得た。
(1)SS(懸濁物質:JIS K0101−16−1によって測定される懸濁物質(Suspended Solids)のことをいう。)の量によって熱伝達係数が変化し、特にSSが多いほど膜沸騰領域から核沸騰領域に変化する点(以後、「クエンチ点」と呼ぶ。)が高温側になること。
(2)クエンチ点が高温になると、温度ムラが発生しやすく、冷却後の鋼材に温度ばらつきが生じやすくなること。
(3)水質を適正な範囲に管理すれば、温度ばらつきが軽減すること。
冷却能力は、熱伝達係数が大きくなるほど向上するが、そのためにはSS等の不純物が多いほど良い。これはSS等の不純物の存在が、膜沸騰領域の蒸気膜を破るきっかけとなるからであると考えられる。しかし、不純物が多くなれば当然ノズル詰まりが生じ、両者は二律背反の関係にある。
上記知見を踏まえて、本発明者らは、特に高張力鋼等の制御冷却において目標とする機械試験値を有する鋼材を効率よく生産するには、冷却水による冷却能力を向上させることよりも、均一な冷却を行うことの方がより重要であることを見出し、それを実現するための適正な水質管理範囲について、さらに研究を進め、本発明を完成させるに至ったものである。
かくして、本発明の第一の態様は、循環使用される冷却水のSS濃度を水処理により、20mg/L未満に管理し、該冷却水を使用して鋼材の冷却を行うことを特徴とする高温鋼材の冷却方法である。この第一の態様の冷却方法によれば、鋼材を冷却する冷却水のSSを20mg/L未満とすることで、冷却時のクエンチ点は約600℃以下となり、これによって鋼材の幅方向、長手方向にも均一な冷却が可能となる。また、SSを20mg/L未満とすることによりヘドロを激減させ、これによってノズル詰まりを防止することができる。
上記態様において、冷却水中の凝集剤濃度を0.1〜200mg/Lに保持することにより、前記SS濃度を管理することが望ましい。このように冷却水中の凝集剤濃度を一定範囲内に保持しておくことにより、操業に伴って常時連続的に発生するSSを凝集剤により沈降させて、冷却水中のSS濃度を20mg/L未満に保持しておくことが容易となる。
さらに上記態様において、凝集剤は有機系凝集剤であることが好ましい。有機系凝集剤を使用することにより、凝集剤使用量を大幅に削減することが可能となる。また、有機系凝集剤を使用した場合には、使用後の冷却水のpHを調整する必要がないか、あるいは必要があってもその程度は軽度であるという利点がある。
さらにまた、上記態様において、前記冷却水のpHを6〜8に保持することが好ましい。冷却水のpHをこの範囲に保持することにより、ノズルの腐食を防止することができる。
さらに、上記態様において、前記冷却水の水処理設備が、冷却装置専用冷却水の水処理設備として独立しており、前記設備で処理された冷却水を用いることが望ましい。このようにすれば、例えば圧延機に使用される冷却水に含まれる多量のスケール等が混入されることがないので、水処理設備が共用されている場合と比較してきれいな冷却水を使用できるため、冷却水中のSSが減少し、更なる均一な冷却が可能となる。
本発明の第二の態様は、上記態様の方法で冷却することを特徴とする高張力鋼材の製造方法である。この高張力鋼材の製造方法によれば、均一な冷却が容易なものとなり、制御冷却により製造された高張力鋼材の幅方向あるいは長さ方向の機械的性質のバラつきを少なくすることが可能となる。
鋼材の均一な冷却が可能となるため、機械試験外れによる外れ率が低下する。また、ノズル詰まりがなくなるため、メンテナンス工数が減少し、ノズル交換費用を削減することができる。
本発明は、制御冷却において冷却水として使用される循環水のSSを水処理により、20mg/L未満に管理して使用することを要旨とする。この水処理には、凝集剤、及び必要に応じて、酸、アルカリ等のpH調整剤が使用される。
(1)SS
本発明の冷却方法において、使用される冷却水のSSは20mg/L未満であることが必須である。冷却水中のSSが20mg/L以上の場合、冷却水で高温の鋼材を冷却する場合のクエンチ点が高くなり、鋼材を均一に冷却することが困難になると共にヘドロ状の物質がノズル近傍に固まってしまうため、ノズル詰まりをおこしやすい。ノズル詰まりが生じれば、鋼材表面への冷却水のスプレーが不均一となってさらに均一な冷却が困難になる。従って、本発明においてSSの量は、20mg/L未満であることが必須である。SSの量は、さらに好ましくは15mg/L以下である。
(2)凝集剤
本発明の冷却方法において、冷却水中の凝集剤の量は、0.1〜200mg/Lであることが好ましい。冷却水中の凝集剤が0.1mg/L未満では、微粒子である懸濁物質(Suspended Solids)を擬集できず、ヘドロ状の物質がノズルに詰まりやすくなるので好ましくない。また、200mg/Lを超えると凝集効果が飽和するので、経済的でない。汚濁水の処理剤として、一般には有機(高分子)系、及び無機系の凝集剤が入手可能である。いずれも汚濁水中のSSの凝集分離を主目的としている。このうち無機系の凝集剤では汚濁水中のSSを凝集分離した後、分離水のpH調整を必要としている。有機系の凝集剤についても、酸性領域用、中性領域用、アルカリ性領域用、のそれぞれに適するように調整されたものが多いが、無機系凝集剤と同様にSSを凝集分離した後の分離水をpH調整する必要があるものもある。本発明では、SSを凝集分離した後の分離水pHを調整する必要がないタイプの、有機(高分子)系凝集剤を使用することが望ましい。さらに有機系凝集剤は、必要な使用量が無機系凝集剤の数十分の一の量で済むという利点もある。
(3)pH
本発明の冷却方法において、冷却水のpHは、6〜8であることが望ましい。冷却水のpHが6未満、あるいはpHが8を超えると、ノズルの腐食が激しく、ノズル交換頻度が多くなって経済的でない。上記したように、それ自体が中性に近い性質を持つ有機(高分子)系の凝集剤を使用することによって、冷却水のpHを6〜8の範囲内に管理することが容易なものとなる。
(4)冷却水の管理
冷却水の水質管理方法としては、循環系路内に5〜100メッシュの水処理系のストレーナーを使用することが好ましい。100メッシュを超えるとストレーナーの目詰まりを起しやすく、安定して大量の水が供給できない恐れがある。ストレーナーが5メッシュ未満だと、SSの大きなものが水に混じり通過してしまうので、ノズル詰まりを起す危険性が大きくなる。ストレーナーの設置位置は、冷却装置に確実に清浄化された冷却水を供給するという観点から、水処理設備から冷却装置にいたる配管の途中に設けることが望ましい。またストレーナーは、スケール等により目詰まりを起こすことがあるので、安定した操業を確保するという観点から、複数並列に設置することが好ましい。
さらに冷却水の水質管理を厳しくするには、水処理系統をミル(圧延機)廻りの冷却水と、圧延終了後の鋼材を冷却する冷却装置用の冷却水との2系統に分けることがよい。これは、冷却装置の冷却水の水処理系統と、ミル廻りの水処理系統とが一緒になると、ミル廻りから発生するスケール等の粗い不純物が混ざり、ストレーナーの目詰まりを起しやすく、水質も2系統に分けた場合に比べ悪くなるからである。
本発明において、冷却水のSS量管理は必須である。SS量は、冷却水循環系統内にインラインの測定器を組み込んで、常時監視するように構成しても良いし、あるいは定期的に冷却水系統内からサンプリングして、試験室などにおいて測定するようにしても良い。同時に冷却水中の凝集剤の量、pHを測定することが好ましい。これらの測定結果に応じて適宜凝集剤の補給、酸/アルカリによるpH調整を実施する。
なお、新たな冷却水(工業用水が使用されることが多く、これら工業用水にはもともと一定のSS量を有しているものがある。)の補給により、あるいは操業に伴って常時冷却水中にSSの原因物質が混入されてくるので、あらかじめこれらの量を見越して、それに見合った一定濃度の凝集剤を所定量ずつ冷却水の循環系統内に常時補給するようにしても良い。
本発明において、冷却水のスプレーに使用するノズルの形態は特に規定しないが、スリット式・スプレー式でも良い。また、冷却の対象とする鋼材の種類については、高温鋼材を冷却するもの、例えば厚板、熱延、形鋼、鋼管、線材、棒鋼等鋼材の種類を問わず有効であるが、特に好ましいのは、冷却で材質制御を行う厚板、熱延、形鋼、鋼管である。
厚板工場における水処理工程の一例を図1に示す。
浄水装置15により、工場での使用に耐えうる程度にまで浄化された工業用水30(本実施例における工業用水の硬度は、全硬度で80mg/L程度であった。)は、ポンプ13で汲み上げられ、圧延機10へ送られる。圧延機10の排水は、スケールピット20へ流れ、排水中の大きなスケール等が取り除かれる。スケールピット20を経た水は、分配槽40へ送られた後、一次沈殿池21へと流れ、一次沈殿池21で汚泥等の不純物が分離される。一次沈殿池21において分離された不純物は、ポンプで汲み上げられた後、汚泥濃縮槽41へ送られる一方で、一次沈殿池21において汚泥等の不純物を取り除かれた水は、フロック槽22へと流れる。一次沈殿池21からフロック槽22へと流れる水には、凝集剤投入装置12より凝集剤が投入され、水中のSSが小さな塊(フロック)となってフロック槽22の底に沈殿する。フロック槽22の上澄み水は、そのまま二次沈殿池23へと流れ、二次沈殿池23の上澄み水は、処理水槽24へと流れていく。一方で、フロック槽22と二次沈殿池23の沈殿物は、ポンプで汲み上げられ、汚泥槽42へと送られる。汚泥槽42の汚泥は、その後、ポンプで汲み上げられて汚泥濃縮槽41へと送られる。汚泥濃縮槽41で濃縮された汚泥は、排泥31とともに中継シックナー43に集められる一方で、汚泥濃縮槽41の上澄み水は、分配槽40へと送られる。中継シックナー43の底に固まった汚泥は、ペレット状に固められて処分される一方で、中継シックナー43の上澄み水は、スケールピット20へと送られて再び上記処理に付される。二次沈殿池23より流れてきた水が溜められる処理水槽24では、pH調整が行われる。処理水槽24において適正なpH範囲に管理された水は、ポンプで汲み上げられ、ストレーナー14を通過した後、圧延後の鋼材を冷却する冷却装置11へと送られる。ストレーナーには60メッシュのステンレス製のウエッジワイヤー式エレメントを用いた自動洗浄式を並列に2基配置した。その後、冷却装置11の排水は、スケールピット20へと流れて行く。スケールピット20以降の行程では、再び上述の工程と同じ水処理が施される結果、厚板工場の水は循環利用されることになる。
本実施例の厚板工場では、ミル廻りの水処理系統と、圧延終了後の鋼材の冷却装置冷却水の系統が同じであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者を分離して設置しても良く、むしろ良質な冷却水を循環使用するという観点からは両者を分離するほうが好ましい。
凝集剤には、有機(高分子)系の凝集剤として市販されている片山化学製の「フロックランSC−630」を使用した。凝集剤には、無機系の凝集剤と有機(高分子)系の凝集剤が存在するが、無機系の凝集剤は化学反応によって不純物を凝集させるという特徴を有し、無機系の凝集剤を投入により溶液のpHは変化する。したがって、無機系の凝集剤を使用する場合には、pH調整用に別途中和剤が必要となる。一方で、高分子系の凝集剤は、分子の鎖で不純物を補足するという特徴を有し、高分子系の凝集剤を投入しても溶液のpHは変化しないため、pH調整用の中和剤は不要である。また、ある一定の効果を得るために必要な無機系および高分子系の凝集剤使用量を比較した場合、高分子系の凝集剤によっては、無機系の凝集剤の数十分の一の使用量で済む場合がある。本実施例で使用する凝集剤は、これらの事を考慮して高分子系の凝集剤を選択した。なお、本実施例で使用した高分子系の凝集剤を投入する際、凝集剤は連続的に滴下した。
厚板工場の操業においては、操業の進行に伴う循環冷却水中の凝集剤濃度の時間的変化は少ないため、連続滴下以外には、サンプリングした冷却水の凝集剤濃度が通常の濃度傾向から外れた場合に限り、濃度が0.5mg/Lとなるような分量の凝集剤を、冷却水に投入した。また、本実施例において、凝集剤濃度を測定するために実施するサンプリングの頻度は、週2回とし、サンプリング実施時には、凝集剤濃度の測定の他、SS量とpHの測定も行った。凝集剤使用時にpH調整が必要となった場合に使用するpH調整液は、特定する必要はなく、例えば、ステンレス鋼板等の酸洗廃液を用いてもよい。なお、本実施例で凝集剤を使用した場合のSS量は5〜15mg/L、pHは7.2〜7.8であった。凝集剤を入れず、かつSSが20以下の冷却水を使ったものを実施例2とした。
比較用として、凝集剤を入れず、かつSSが20を超える(SS=25〜50)冷却水を使ったものを比較例1とした。比較条件としては、幅方向温度差、鋼板の冷却後の平坦不良率、機械試験外れ率等を採用し、冷却停止温度ばらつき・平坦不良率・機械試験外れ率は、ともに板厚30mm以下のものを対象とした。また、厚板工場で1ケ月間操業した時のノズル詰まり状況についても評価した。
(1)幅方向温度差
冷却停止温度差(ばらつき)については、鋼板の幅方向温度を冷却後に幅スキャン放射温度計で測定し、冷却後の幅方向の温度差を測定し、目標冷却停止温度との差を測定した。温度ばらつきは、鋼板の長手方向中央部の代表点の幅方向の温度(20mmピッチ)と、目標とする冷却停止温度との差から算出し、その差(絶対値)の平均値で比較した。なお、この場合、鋼板エッジ部は極端に温度低下するので、両エッジから各々50mm入った点をエッジ部として温度差を求めた。
(2)平坦不良率
冷却後の平坦が悪く、次工程でレベラーに廻ったものの率を平坦不良率として記録した。
(3)機械試験外れ率
目標とする機械試験値(YP,TS,EL,衝撃値のいずれか)が外れた比率を機械試験外れ率として記録した。
(4)ノズル詰まり
工場の定期補修日に水を出してノズル詰まりを目視チェックした。
これらの結果を表1にまとめて示す。なお、表1において、「SS」、「pH」の値は、1ヶ月の操業期間における振れ幅の上限と下限とを表し、「凝集剤」は同期間内の管理値である。また、「幅方向温度差」、「平坦不良率」、「機械試験はずれ率」は、上記1ヶ月間に生産された鋼板の総平均値を表している。
Figure 0003894176
比較例1では、幅方向温度差が大であり、平坦不良、機械試験はずれ率も実施例に比べ大であった。また、ノズルの一部が詰まっていることが認められた。これは、冷却水中のSSが本発明の規定範囲外であるため、クエンチ点が高くなり、熱伝達係数が上がるため、冷却性は向上したものの、冷却の均一性が悪化したために、このような結果になったものと思われる。またSS値が大きいため、SSがノズル近傍に堆積してノズルつまりを併発したものと思われる。これに対して実施例1、2では幅方向温度差が小であり、平坦不良、機械試験はずれ率も比較例に比べ小であった。また、明瞭なノズル詰まりは認められなかった。特に、SSを20mg/L未満に管理するとともに、凝集剤濃度を0.5mg/Lに保持した実施例1においては、ノズル詰まりが全く認められず、かつ幅方向温度差、平坦不良、機械試験はずれ率に関して、最も良好な結果を示した。
厚板工場の水処理工程を示す図である。
符号の説明
10 圧延機
11 冷却装置
12 凝集剤投入装置
13 ポンプ
14 ストレーナー
15 浄水装置
20 スケールピット
21 一次沈殿池
22 フロック槽
23 二次沈殿池
24 処理水槽
30 工業用水
31 排泥
40 分配槽
41 汚泥濃縮槽
42 汚泥槽
43 中継シックナー

Claims (6)

  1. 循環使用される冷却水のSS濃度を水処理により、20mg/L未満に管理し、該冷却水を使用して鋼板の冷却を行うことを特徴とする高温鋼材の冷却方法。
  2. 前記冷却水中の凝集剤濃度を0.1〜200mg/Lに保持することにより、前記SS濃度を管理することを特徴とする請求項1に記載の高温鋼材の冷却方法。
  3. 前記凝集剤は、有機系凝集剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の高温鋼材の冷却方法。
  4. 前記冷却水のpHを6〜8に保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高温鋼材の冷却方法。
  5. 前記冷却水の水処理設備が、冷却装置専用冷却水の水処理設備として独立しており、前記設備で処理された冷却水を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高温鋼材の冷却方法。
  6. 鋼材を加熱、圧延し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で冷却することを特徴とする、高張力鋼材の製造方法。
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