JP3893190B2 - 二重容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内容物を冷却し保冷し、または加熱して保温するのに簡便な二重容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特に液体(粘性液体を含む)を入れる容器としては、水筒、魔法瓶、缶、ペットボトル等の硬質容器の他、柔軟な袋状の容器が利用されている。そしてこれらを冷却・保冷または加熱・保温したりする場合には容器ごと冷蔵庫内に入れたり加熱して、例えばこれらを搬送する場合には保冷庫や保温庫に入れて行なっていた。
【0003】
特に行楽等で飲料を用意する場合は多いが、近年1.5リットル以上の大容量のペットボトルが普及する中で、一般家庭の冷蔵庫において他の収納(冷蔵)品があるにもかかわらずこのような大型の容器を冷蔵庫内に収納するのは非常に難があった。
【0004】
また、冷却が不十分だと目的地に到着するまでに温度が上がってしまう。
【0005】
さらに、ペットボトルを例に挙げると飲用後の容器はごみとなり処分に困惑するのである。概して、硬質容器は常に形状が一定しているので、不使用時の収納においても相当の場所を取ることになる。容量が大きいほど収納時の問題は大きい。
【0006】
そのため、最近は繰り返し使用可能な保冷材が普及し、予めそれのみを冷凍庫で凍らせて、クーラーボックス等の中にペットボトル等と一緒に入れて冷却を図ったりまたは温度の上昇を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、保冷材を使用した場合にはペットボトル等との密着性が悪いので熱伝導が悪く期待以上に冷えないのが現状である。クーラーボックス等の保冷庫を使用した場合には保冷庫内のデッドスペースが多いほど冷却性が低くなる。デッドスペースの空気を介して冷却するからである。
【0008】
また、保冷庫内から出した後は温度が上昇する一方である。すなわち飲料を例に挙げれば、飲み始めは冷えていても飲み終るまでに時間がかかった場合、最後の方は生ぬるくなってしまう。加熱保温の場合も同様に、保温庫から出してすぐは熱いが時間の経過とともにぬるくなってしまう。
【0009】
さらに、飲用後の容器の処理の問題に関しては、上記手段では何ら問題の解決にはなっていない。
【0010】
この発明の二重容器は従来例の上記欠点を解消しようとするものであり、冷却・保冷または加熱・保温が容易であり、使用後や不使用時には収納が容易である二重容器を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明の二重容器は、少なくとも2枚のシートからなる外袋と少なくとも2枚のシートからなる内袋からなり、外袋と内袋とで形成される充填部および内袋内部の中空部を備え、なおかつ充填部および中空部それぞれに独立した開口を備えるとともに、中空部の内または外に保護筒を配置したことを特徴とするものである。
【0012】
この発明の二重容器は、少なくとも2枚のシートからなる外袋と少なくとも2枚のシートからなる内袋からなり、外袋と内袋とで形成される充填部および内袋内部の中空部を備え、なおかつ充填部および中空部それぞれに独立した開口を備えるとともに、中空部の内または外に保護筒を配置したことを特徴とする二重容器において、充填部の開口には弁を設けたことをも特徴とするものである。
【0013】
上記二重容器においては、充填部の開口に設ける弁が自動閉止弁であることを特徴としている。
【0014】
またこの発明の二重容器は、外容器と内容器からなり、外容器と内容器とで形成される充填部および内容器内部の中空部を備え、なおかつ充填部および中空部それぞれに独立した開口を備えるとともに、中空部の内または外に保護筒を配置したことをも特徴とするものである。
【0015】
削除
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、この発明の二重容器の実施の形態について説明する。
【0017】
図1はこの発明の二重容器の第1の参考例を示す正面図である。二重容器1は袋状の外容器2には上部に内容物の注入口または注出口を兼ねた口4が設けられており、脱着可能な封止栓5を備えている。図ではネジ式のキャップとしている。外容器2の下端7は開口になっており、この開口で溶着された内容器3が、その開口部7を下向きにして逆さまに外容器2の上方に向かって奥行きを有するように備えられている。内容器3の底部隅9は外容器2の上端付近に溶着固定され、外容器2内に内容物を入れた場合に下端の開口7から内容器3が押し出されてしまわないようになっている。
【0018】
外容器2の下端開口7は内容器3の開口7と全周にわたり溶着されるために開口7が確実に溶着封止され、外容器2の充填部10が形成され、その内容物が漏れないようになっている。すなわち、外容器2で形成される充填部10を内容器3で隔離して外容器2の内部に内容器3によって中空部11が形成されていることとなる。そして、内容器3の開口(外容器の下端)7には内容器3内の内容物が出ないように例えばラインファスナ等の封止手段6が設けられている。そしてこの封止手段6は防水型のものを用いれば、内部に氷等の溶解性のものを入れることも可能である。図中8は保冷材または冷却材である。なお、以下において、保冷材8は冷却材を含むものとする。加熱・保温する場合はこれを蓄熱材に替えれば良い。
【0019】
上記二重容器1を形成する素材としては、例えばプラスチック系、あるいはこれらとアルミ箔等との複合シートからなる素材が、素材としての汎用性、加工性、ゴミ化した後の処理性等において、この発明の上記課題の解決にきわめて好適であることを確認している。
【0020】
図2はこの二重容器1の縦断面図である。この二重容器の使用に際しては、予め冷凍庫で凍らせておいた保冷材8を内容器3の中空部11に挿入してラインファスナ6を締める。そして、注出入口4から内容物(例えば清涼飲料水)12を注入する。先に内容物12を注入した後に冷却材8を挿入してもよいことはもちろんであるが、外容器2の充填部10に内容物12が入ると内容器3は内圧で密着してしまい、挿入がしにくくなる。保冷材8は、冷凍庫で冷媒を凍結させるタイプのほか、衝撃を与えることで2液が混合され化学反応によって瞬時に氷点下になるタイプのもの(例えば、ロッテ株式会社製のヒヤロン(商品名))等が好適に使用される。
【0021】
図3は第1の参考例1の二重容器1の横断面図である。内容器3に挿入された保冷材8は周囲を外容器2内の内容物12に囲まれる形となり、さらにその内圧で内容物12が保冷材8に密着している。したがって、外容器2の内容物12自体が保冷材8に直接的に冷却されながら、保冷材8が直接外気に触れることを防止するので、急速な温度上昇をすることがない。
【0022】
参考までに出願人による試験によれば、この二重容器1による冷却性能について下記表1のような結果を得ている。(以下余白)
【0023】
【表1】
この結果によれば、保冷材8は3時間経過時においてもなお冷却を続けており、さらに10時間経過してもなお高い保冷状態を維持していることがわかる。
【0024】
したがって、この結果から言えることは、例えば行楽等で1リットルの水を運ぶ場合に、1リットルの水全体を冷蔵庫等で冷却しなくとも1時間の移動時間があれば、この発明の二重容器1の充填部10に常温の水を入れておき、中空部11に保冷材8を入れておけば目的地に到着するまでには必要な温度に冷却させられるということである。となれば、限られた冷蔵庫の空間に水を入れて冷やす必要がなくなるので、冷蔵庫内の水を入れるスペースに他のものを入れて冷却することが可能となり、限られたスペースを効率よく利用することができるのである。
【0025】
使用後は袋状なので畳んでしまえば良い。また、内部を洗浄して再び使用することができる。
【0026】
図4はこの発明の二重容器1の第2の参考例を示すもので、内容器3の開口7を外容器2の注出入口4同様上方に備えたものである。図中14は中空部11内に入れた氷である。図中(a)は内容器開口7の封止手段6をラインファスナで形成したものであり、(b)は封止手段6として外容器2の注入口4同様のスクリューキャップ5を備えた口15を設けた場合を示している。
【0027】
二重容器1はさらに以下のようなバリエーションが可能である。
【0028】
図5はこの発明の二重容器の第3の参考例として、外容器1の充填部10をさらに複数の空間に分離した場合を示している。(a)は、外容器2の充填部10を左右に分離して16,17とし、複数の異なる内容物を入れることができるようになっている。それぞれの収容空間16,17の上端には専用の注出入口4が備えてあり、それぞれに封止栓5(図ではスクリューキャップ)を備えている。使用の際には、例えば右の部屋17にはオレンジジュース、左の部屋16にはリンゴジュースを充填するような使い方ができる。さらに、内容器3の中空部11内に氷14を入れておけば、全体が冷却されて氷が解けた場合には冷水として飲用も可能となる。
【0029】
(b)は、内容器3を隔離した二つの外容器2,2'でサンドイッチさせた場合を示している。
【0030】
図6はこの発明の二重容器の第4の参考例として、外容器2の注出入口4に自動閉止弁111を備えた場合を示している。(a)は正面図、(b)はその縦断面図である。注出入口4の上方には固定したつまみ18が備わっており、その内部を管状部材20がつまみ19でスライド可能に取りつけられている。さらにその上には飲み口21が備わっている。自動閉止弁111の作用については後述するが、常態で閉じている自動閉止弁111に管状部材20を押し込むことによって自動閉止弁111が開き内容物を注出することができるようになっている。そして、管状部材20を引き出すことによって再び自動閉止弁111が閉まるようになっているものである。
【0031】
図7はこの発明の二重容器の第5の参考例として、ペットボトル等の硬質容器にも応用が可能な例を示している。すなわち外容器2内に底部から突出させた内容器3を備え、その内容器3内の中空部11に適合する保冷材8を封入するようになっている。22は底部キャップである。容器全体のサイズに比べて保冷材8は十分に小さいので、仮に複数の保冷材を使用する場合であっても冷凍庫内でこれらが占める空間は少なくて済む。袋状の柔軟性の容器に比べて再使用のための洗浄・乾燥が容易であることが硬質容器のメリットでもある。
【0032】
図8はこの発明の実施例を示し、柔軟性のある外袋2において、先に充填部に内容物を充填した場合に内容物の内圧によって内袋3が密着するような場合であっても保冷材等の出し入れを容易にするため、内袋3の内側にその密着を防止する保護筒23を設けている。この保護筒23は硬質の素材が好適である。また、必ずしも内袋3の内側にある必要はなく、内袋の外側に設けるものとしても良いことはもちろんである。
【0033】
以下、図6に示した例で使用する自動閉止弁111の詳細について説明する。
【0034】
図9は自動閉止弁111を構成している、軟質シートからなる開閉可能な通路体を示すものである。この通路体31は2枚の軟質シートを貼り合わせて作成することができ、通路部分32は筒状に開口することが可能である。また通路部分32の両側には、下記支持体および弾性体間に挟み込んで通路体31を保持するずれ止め片33が形成されている。34はずれ止め片33の位置から突出している通路体31のガイド部である。
【0035】
上記通路体31としては、使用する軟質シートを、ゴムシート、プラスチックシート、耐水紙、防水布、アルミ箔あるいはこれらの複合シートから選ぶことが望ましい。
【0036】
図9において(a)は通路体31の通路部分32が閉じている場合を示し、(b)は通路体31の通路部分32が開いていて、気体や液体、粘稠物等が通過している状態を示している。
【0037】
図10は通路体31の通路部分32を、2枚の軟質シートを貼り合わせて加熱溶着する場合を示すものである。図において(a)はガイド部34の反対側に向かってつぼまっているテーパ状の通路部分32を示す。(b)はガイド部34の反対側に向かってつぼまり、さらにその先は筒状になっている通路部分32を示す。(c)はガイド部34の反対側に向かって所定の広さの部分があってからつぼまり、さらにその先は筒状になっている通路部分32を示す。(d)はガイド部34と同じ径の筒状に形成された通路部分32を示す。
【0038】
上記通路体31の通路部分32の幅は、気体や液体、粘稠物等の通過に無理がなく、しかも自動閉止弁111の全体が大がかりにならない程度とすることが望ましい。もちろん、充填作業をストロー等の棒状体で行なうときは、挿入する棒状体の径に応じたサイズであることが望ましい。
【0039】
上記通路体31に通路部分32を形成する手段としては、2枚の軟質シートを貼り合わせてずれ止め片33部分で加熱溶着する手段が望ましいが、他の形成手段でも良いことはもちろんである。ずれ止め片33の溶着に際しては、通路部分32との境界のみ溶着すれば十分である。
【0040】
図10(a)ないし(c)は上記通路体31を挟み込んで開閉、特に自動的に密閉させるための支持体および弾性体の例を示すものである。支持体35はシート状の弾性体36(図示せず)と別々に形成されている。そして支持体35の端部には、プラスチックヒンジ37を介して蓋体38が、左右の方向に延長するよう形成されている。この支持体35、プラスチックヒンジ37および蓋体38は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート等からなるプラスチック素材を射出成形で所定の形状に成形することが望ましい。もちろん、成形の方法はこの射出成形に限るものではない。
【0041】
図10(a)において、支持体35の上部両側および下部両側にはそれぞれ保持ガイド39が突設されている。また上記支持体35の上端中央には、棒状体を挿入する位置に挿入ガイド40が設けてある。
【0042】
図10(a)の例では上記蓋体38は、平板のほぼ中央に棒状体を通した通路体31を収納する円弧状断面のガイド溝42が形成されており、その両側には弾性体36を押さえるためのリブ43が、通路体31の長さ方向に沿って一対形成されている。このリブ43の長さや形状、位置や数は、上記弾性体36の厚さやサイズ等に応じて適宜決定することができる。ただし、弾性体36の開閉反応を損なわないだけの十分な長さや形状、位置や数を持たせることが望ましい。
【0043】
また44は、蓋体38の端部に設けた支持体35と結合させるためのフックである。このフック44は、支持体35の端部に厚さ方向に貫通するよう設けた受け口45にはめ込まれ、抜け止めするようになっている。このようにして支持体35および弾性体36を蓋体38とともに所定の曲率で曲げた状態で固定することにより、非常に耐久性に優れた自動閉止弁111を得ることができる。
【0044】
図10(b)の例ではこの蓋体38は、ガイド溝42の両側に弾性体36を押さえるためのリブ43が、通路体31の長さ方向に対して直角の方向に形成されている。
【0045】
図10(c)の例ではこの蓋体38は、両端から支持体35に沿って内向きに傾いた状態で中央の円弧状断面のガイド溝42につながっており、上記弾性体36を押さえるためのリブ43は形成されていない。
【0046】
上記においてフック44および受け口45からなる結合手段を例示したが、このような結合手段のみならず、他の形状や構造、あるいは熱溶着等の手段も使用できる。
【0047】
なお上記支持体35および蓋体38はそれぞれ同じ肉厚であっても、また肉厚を異ならせておいてもよい。通路体31との関係でいえば、支持体35および蓋体38は変形しない程度の厚みを必要とし、また通路体31は柔軟性を要するため薄手のものを使用し、弾性体36はその機能上、所定の肉厚であることを必要とする。もちろん、弾性体36は通路体31よりも厚いものであることが望ましい。
【0048】
上記通路体31および弾性体36の材質としては、プラスチックシート、金属シート、あるいはこれらを構成材料とする複合シートから選ぶことができる。プラスチックシートの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。この場合、通路体31を同じ材質とすることが望ましい。
【0049】
上記弾性体36の厚さとしては、上記ポリエチレン等のプラスチックシートを使用した場合、約0.1〜0.5mmのものを使用することが望ましい。また支持体35および弾性体36の寸法は矩形の場合を例に取れば、横軸:縦軸比率で約2〜1.5:1が望ましい。例えば、横軸:縦軸の実寸で40mm:25mm、35mm:20mm、30mm:11mm等の寸法とすることができる。
【0050】
上記支持体35および弾性体36を湾曲させた場合の曲率半径は、11mm〜40mmが望ましい。小さい曲率では支持体35および弾性体36の通路体31を挟む力が強い上、管状体41の挿抜に対する反応がよい。逆に,曲率半径を大きくしていって支持体35および弾性体36の通路体31を挟む力や、加圧して移送する際や、棒状体を挿抜する際の力加減を調整することができる。
【0051】
素材的には二重容器1を構成する袋体、通路体31および支持体35および弾性体36、蓋体38を構成するプラスチック素材やシート類の何れも単一素材を使用することが望ましい。例えばプラスチック系、あるいはこれらとアルミ箔等との複合シートからなる素材が、素材としての汎用性、加工性、ゴミ化した後の処理性等において、この発明の上記課題の解決にきわめて好適であることを確認している。
【0052】
図11ないし図16に、通路体31を支持体35および弾性体36で挟み込んで自動閉止弁111を構成した状態を示す。すなわち、図11は支持体35と蓋体38を開いた状態を示し、図12は支持体35の保持ガイド39に沿って通路体31および弾性体36を構成する長尺シートを収納した状態を示し、図13は、蓋体38のフック44を支持体35の受け口45にはめ込んで通路体31の両側を挟み付けた状態を示している。この完成状態を示す図13において通路体31は、弾性体36とともに蓋体38のリブ43で支持体35に押し付けられている。
【0053】
上記のようにして組み付けられた自動閉止弁111は、図14および図16のように通路体31が支持体35および弾性体36の湾曲に連れて湾曲した状態で円弧状に保持され、さらに蓋体38がその弦の位置にある。このようにしておけば、弾性体36の形状を蓋体38により支持体35に沿って保持した上、上記リブ43により確実にその湾曲を保たせることができ、通路体31を強固に圧着することができる。
【0054】
図17は、通路体31にストローその他の管状体41を挿入した状態を示している。この自動閉止弁111は、通路体31の通路部分32の内部に管状体41を挿入することにより、支持体35および弾性体36により密着していた通路部分32の密着を解いて、通路を確保せしめるものである。この実施例においてはこのような管状体41としてストローを使用してより確実な通路を確保しようとしている。
【0055】
上記作用をより詳細に説明する図18において、ストローからなる管状体41の先端を通路体31のガイド部34の上端から挿入する。実際には、この部分に挿入ガイドを付けることにより、管状体41を挿入しやすい形状としておく。そして、図(a)から(c)のように徐々に管状体41を押し下げて行くと、通路体31の通路部分32は弾性体36ごと押し広げられていく。
【0056】
そして管状体41をさらに押し下げると、蓋体38によって支持体35に押し付けられていた弾性体36が、管状体41に沿って全長にわたって押し広げられ、図(d)のように気体や液体、粘稠物等が自由に流通することができるようになる。したがって、ストローからなる管状体41を使用した充填作業を簡単に行なうことができる。
【0057】
逆に、通路体31の通路部分32を閉じようとする場合には単に管状体41を引き抜けばよい。すなわち、弾性体36が徐々に元の位置に復帰して支持体35に密着し、通路体31の通路部分32は図(d)から(a)を逆にたどって、再び全長が自動的に密着することとなる。このとき、自動閉止弁111に逆方向から対象物を押し戻そうとする圧力が加わると、支持体35および弾性体36を介して通路体31に圧力が伝達され、通路体31の通路部分32はより一層密閉される。
【0058】
上記においては通路体31の通路部分32の開閉をストロー等の管状体41で行なった場合を示したが、通路体31の一端を開き、弾性体36の弾性力に抗して加圧しながら、強制的に対象物を通路部分32を通過させることにより、圧入することもできる。
【0059】
このようにして、自動閉止弁により外容器2の充填部10内の内容物12の逆流・漏出が防止される。
【0060】
なお上記弾性体36として、シート類に代えて弾性を備えた棒状体や弾性チューブ等を使用することができ、弾性チューブとしてとりわけシリコンチューブが好適に使用できる。
【0061】
【発明の効果】
この発明の二重容器によれば、容器内の内容物を冷却・保冷したり加熱・保温したりする場合に、嵩張る容器ごと冷蔵庫等の冷却または加熱手段に入れる必要がないので、スペース効率の高い冷却・保冷や加熱・保温ができる。そして、保冷材や蓄熱材を内包するので内容物がなくなるまで一定温度を維持できる。
【0062】
また、容器自体を柔軟性の高い袋状のものとすることで、内容物の減少にともなって容器の大きさも小さくなり、空になったら 折り畳めるので、ごみ処理はもちろん再利用する場合でも不使用時の収納が非常に簡便な二重容器を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の二重容器の第1の参考例を示す正面図である。
【図2】その縦断面図である。(a)は内容器に保冷材を挿入する様子を示し、(b)は内容器に保冷材を挿入し外容器に内容物を注入した状態を示す。
【図3】その横断面図である。
【図4】この発明の二重容器の第2の参考例を示す正面図である。(a)は内容器の口にラインファスナを使用した場合を示し、(b)はスクリューキャップを使用した場合を示す。
【図5】この発明の二重容器の第3の参考例を示す正面図である。(a)外容器を左右に分離した場合を示し、(b)は外容器で内容器をサンドイッチした場合を示す。
【図6】この発明の二重容器の第4の参考例を示す。(a)は正面図、(b)は縦断面図。
【図7】この発明の二重容器の第5の参考例を示す。
【図8】この発明の二重容器の実施例を示す。
【図9】この発明の膨張体を構成している、軟質シートからなる開閉可能な通路体を示し、(a)は通路体の通路部分が閉じている場合、(b)は通路体の通路部分が開いていて、気体や液体、粘稠物、粉体、粒状物等の移送対象物が通過している状態を示す、それぞれ斜視図およびA−A断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、通路体を2枚の軟質シートを貼り合わせて加熱溶着する場合を示す概略斜視図である。
【図11】(a)〜(c)は支持体および蓋体を一体的に形成した例を示すそれぞれ斜視図である。
【図12】支持体および蓋体を開いた例を示す斜視図である。
【図13】支持体および蓋体間に通路体を組み付ける状態を示す斜視図である。
【図14】支持体と蓋体とを結合した状態を示す斜視図である。
【図15】支持体と蓋体とを結合した状態を示す拡大平面図である。
【図16】支持体と蓋体とを結合した状態を示す拡大断面図である。
【図17】通路体に棒状体を挿入した状態を示す拡大断面図である。
【図18】(a)〜(d)は通路体に棒状体を挿入した状態を段階的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 二重容器
2 外容器
3 内容器
4 注出入口
5 スクリューキャップ
6 封止手段
7 底部(開口部)
8 保冷材
9 底部隅
10 充填部
11 中空部
12 内容物
13 内容器開口部
14 氷
15 口
16 第1の充填部
17 第2の充填部
18,19 つまみ
20 管状部材
21 吸い口
22 底部キャップ
23 保護筒
31 通路体
32 通路部分
33 ずれ止め片
34 ガイド部
35 支持体
36 弾性体
37 ヒンジ
38 蓋体
39 保持ガイド
40 挿入ガイド
41 棒状体
42 ガイド溝
43 リブ
44 フック
45 受け口
111 自動閉止弁
Claims (4)
- 少なくとも2枚のシートからなる外袋と少なくとも2枚のシートからなる内袋からなり、外袋と内袋とで形成される充填部および内袋内部の中空部を備え、なおかつ充填部および中空部それぞれに独立した開口を備えるとともに、中空部の内または外に保護筒を配置したことを特徴とする二重容器。
- 少なくとも2枚のシートからなる外袋と少なくとも2枚のシートからなる内袋からなり、外袋と内袋とで形成される充填部および内袋内部の中空部を備え、なおかつ充填部および中空部それぞれに独立した開口を備え備えるとともに、中空部の内または外に保護筒を配置したことを特徴とする二重容器において、充填部の開口には弁を設けたことを特徴とする二重容器。
- 充填部の開口に設ける弁が自動閉止弁であることを特徴とする請求項2に記載の二重容器。
- 外容器と内容器からなり、外容器と内容器とで形成される充填部および内容器内部の中空部を備え、なおかつ充填部および中空部それぞれに独立した開口を備えるとともに、中空部の内または外に保護筒を配置したことを特徴とする二重容器。
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1997
- 1997-05-20 JP JP12949497A patent/JP3893190B2/ja not_active Expired - Fee Related
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