JP3893179B2 - 安定性の向上した可変サイクルガスタービンエンジン - Google Patents

安定性の向上した可変サイクルガスタービンエンジン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変サイクルガスタービンエンジンに関し、より詳細には、安定性の向上した2段可変ステータベーンを有するハイブリッドステージを有するエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機ガスタービンエンジンは、高度と、飛行速度と、出力設定等、広い運転状態において運転がなされる。上記したような運転状態において広く運転条件を変化させるには、異なった、また時として相反する要求をエンジンに対して課することになる。従って、エンジンは、典型的にはそのエンジンが最も頻繁に使用される運転状態の部分においてピーク性能を発揮するように設計がなされている。この結果、エンジン性能は、上記以外の条件下では副次的に最適化されたものとなってしまう。また、可変ピッチブレードと可変ピッチベーン等の機械的デバイスを、特別な制御手法とともに使用してエンジン性能が最適化付近となる上記運転状態部分を、最大化させることも通常実施されている。しかしながら、これらのデバイス及び手法は、上記エンジンの基本的熱力学的サイクルを変えるものではなく、従って上記エンジンの運転状態全てにわたって均一な最適性能を与えることはできない。
【0003】
上記エンジンは、単一の熱力学的サイクルに基づいているので、これらを単一サイクルエンジンと呼ぶ。近年の市販されているエンジンのほとんどは、単一サイクルエンジンの良い例である。これらは、運転されるほとんどの巡航状態(高高度、高亜音速対気速度、中程度のエンジン出力等)において優れた燃費を示すが、エンジンの運転寿命のうちの比較的少ない部分ではあるが、別の運転条件においては燃費がより劣ってしまう。
【0004】
可変サイクルエンジンは、エンジン運転状態において適切に条件変更を行わせるための別の手法である。この可変サイクルエンジンは、2つ以上のいかなるモードにおいても運転することができ、それぞれのモードは、明確に異なった熱力学的サイクルに対応している。それぞれのモードは、所定の運転状態部分において可能な最高性能を達成するように特に設計されている。例えば、航空母艦に搭載される軍事用航空機には、離陸時等、出力を増強するべき限定的な期間中、高い比推力(単位エアフローあたりの推力すなわち、単位前面面積あたりの推力)が必要とされるとともに、上記航空機の戦闘半径を最大化させるため良好な燃料経済性が要求される。単一サイクルエンジンでは、上記双方の要求を満足させることができず、かつ、どちらの要求も緩和することはできないので、可変サイクルエンジンにより、上記相反する要求を満足させることが必要である。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
上記可変サイクルエンジンのサイクル可変性は、しばしば外付けの複数のドアシステムによって達成されており、これらのドアは、開閉することで補助的なエアインレットポート、又は、エアエキゾーストポートを露出させたり閉鎖させたりしている。これに加え、又は、これとは別に、複数の内側ドア、又は、複数の内側バルブを開閉して、上記エンジン内において空気流を再循環させることもできる。これらのシステムによる運転は、注意深く複数の別のエンジンシステムと連携させて、それぞれの運転モードにおいて、運転モード間のスムーズ、かつ、無事故での移行等、適切なエンジンの運転を保証する必要がある。明らかに、可変サイクルエンジンの不都合な点としては、上記システムに伴う複雑性、重量、コスト及びその運転等を挙げることができる。これらの不都合な点はあるものの、上記エンジンがその全ての運転モードに課せられる上記特性についての要求を満足させることが必要とされていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の上記課題は、可変サイクルガスタービンエンジンであって、
前記ガスタービンエンジンに作動媒体を導入させるためのエンジンインテークと、
中心軸を中心として回転可能であり、かつ、少なくとも一つのファンブレード列を有した前記インテーク下流側にあるファンと、
前記ファン下流にあるファンダクトと、
前記ファン下流にあり、かつ、前記ファンダクトと平行になったコアユニットと、を有し、
このコアユニットは、一連の流れにおいて、
ガイドベーン列と、
ロータブレード列及びステータベーン列を備えたハイブリッド段と、
少なくとも一つのロータブレード列を備えたコンプレッサと、を有し、
かつ、前記ハイブリッド段のロータブレード列と、前記コンプレッサのロータブレード列と、がそれぞれ共通の回転速度で上記中心軸を中心として回転可能であり、
更に、前記ファンと前記ファンダクトの間の連通を制御しているファンダクトバイパスバルブと、
前記コンプレッサ上流にあり、かつ、前記コアユニットと前記ファンダクトの間を選択的に連通させうるコンプレッサバイパスポートと、
前記コンプレッサバイパスポートを通前記作動媒体の流れを制御するためのコンプレッサバイパスバルブと、を有しているものであり、
前記ファンダクトバイパスバルブと、コンプレッサバイパスバルブとは、それぞれが閉位置と、開位置と、を有しており、かつ、前記ガスタービンエンジンは、複数の前記バルブの複数の位置によって決定される少なくとも二つのモードで運転可能とされていて、このうちの一つのモードにおいて前記コアユニットへと導入される前記作動媒体の質量流量が、それとは別のモードにおいて前記コアユニットへと導入される前記作動媒体の質量流量を超えるようにされており、
記ハイブリッド段のステータベーン列のそれぞれのベーンが前縁を備えた前縁セグメントと、後縁を備えた後縁セグメントと、を有し、前記前縁セグメントと前記後縁セグメントとが前記前縁と前記後縁の中間位置でヒンジ止めされていて、前記前縁セグメントの方向は、前記作動媒体に対する前記前縁の迎え角を規制するために前縁セグメントピッチ角の範囲で調節可能とされており、前記後縁セグメントの方向は、前記前縁セグメントの方向とは独立して前記ハイブリッド段のステータベーン列の前記質量流量を制御するために後縁セグメントピッチ角の範囲内で調節可能とされていることを特徴とする可変サイクルガスタービンエンジンを提供することによって解決される。
【0007】
すなわち本発明は、可変サイクルエンジンに関し、この可変サイクルエンジンは、上記エンジン内において空気流を再変向させる内側バルブによって、マルチモード運転を可能としている。一つの運転モードにおいては、これをローモードとするが、上記エンジンは、通常のターボファンエンジンとほとんど同様に運転される。上記エンジンインテークを通過して空気が導入され、その後、この空気流は、複数の同心状環状流へと分けられる。一方の流れは、ファンダクトへと流されるが、もう一方の流れは、コアユニット内へと導入される。このコアユニットは、可変ピッチガイドベーン列を有し、さらにロータブレード列及び可変ピッチステータベーンを備えたハイブリッド圧縮段と、コアコンプレッサと、を有している。上記それぞれの流れは、上記ファンダクトの後方端にある内側混合面において再度合流され、この際合流された流れは、外側エキゾーストノズルを通して排出される。このモードでは、上記エンジンは、巡航状態における充分な比推力を発生させることができ、かつ、低い燃料消費を達成でき、さらに内部温度を中程度として運転することが可能である。別の運転モードでは、これをハイモードとするが、上記ファンからの空気流は、上記ファンダクトへと流入するのが遮られており、そのかわりに上記ガイドベーン列を通して上記エンジンコアユニットへと導入される。上記コンプレッサの上流側では、上記空気流は2つの流れへと分けられるが、そのうちの一方は、上記コンプレッサへと流入し、別の空気流は、コンプレッサバイパスポートを通して上記ファンダクトへと流される。上記ハイモードでは、上記エンジンは、上記ローモードよりも、より高い比推力を発生させているが、燃料消費が増加して経済性が悪化し、かつ、内部温度が高くなってしまう。
【0008】
上記に説明した可変サイクルエンジンの欠点のうちの一つは、上記説明したそれぞれのモードにおいて、上記コアユニットへと導入させる空気量(単位時間当たりに流れる質量)が異なることに関係する。上記ハイモードでは、上記ガイドベーン列の複数のベーンは、より大量の空気を上記コアユニットへと導入させるようにそのピッチ角が開くように配列される。上記ハイブリッド段のステータベーン列の複数のベーンは、開かれたピッチ角で似たように配列されていて、上記複数のハイブリッドベーンと上記空気流の局所的流れ方向の間のインシデンスアングル(incidence angle)すなわち、迎え角、は、複数の上記ベーンが空力学的に安定運転できる迎え角の範囲内となっている。このような開いたベーン配置はまた、上記ハイブリッドベーン列の流れ領域(すなわち、複数のベーン間流路が集合している領域)の上記空気流が、上記ファンから大量の空気を受け取るようにするのを保証している。上記エンジンが上記ローモードで運転されている場合には、明らかにわずかな空気量が、これに対応した低速で上記コアユニットへと導入される。複数の上記ガイドベーンは、より閉じたピッチ角とされていて、このピッチ角は、上記低い空気速度に対応するようにされている。複数の上記ハイブリッドベーンは、また、より閉じたピッチ角に配列されており、上記迎え角は、上記速度低減の影響もあり、空力的な安定領域にとどまっている。不都合なことには、上記閉じたピッチ角はまた、上記ハイブリッドベーン列における流れ面積を低減させてしまい、その流れ容量を制限してしまうことになる。このような流れ容量低下は、上記ローモードで上記コアユニットへと導入される空気量を減少させ過ぎてしまうことになる(上記ハイモードに比べて)。この結果、上記ハイブリッドロータブレード列の下流圧は、上がってしまい、上記ロータブレード列が、空力的不安定領域とされ易くなり、この不安定性は、複数の上記ハイブリッドベーンの閉鎖により生じる不安定性に類似したものである。
【0009】
この様な欠点は、当然ながら、上記2つのモードのそれぞれにおいて上記コアユニットへと導入される空気量の差を低減することにより克服することができる。このような差を低減させることによって、複数の上記ハイブリッドベーンの配列を設定することができ、このような配列とすることで、上記ローモードにおいて適切な流れ容量としつつ、許容可能な迎え角とすることができる。しかしながら、上記空気流量差を減少させることは、これらに対応した熱力学的サイクルの差を低減させることにもなり、サイクル可変性の利点が減少したり、又は、喪失してしまうことがあった。上述したように、サイクル可変性という可能な利点を実用化させるためには、可変サイクルエンジンの複雑さと、コストとを、適正化させる必要もあった。
【0010】
従って、本発明の目的は、それぞれが空力的安定性を有する少なくとも2つの運転モードを有する上述したタイプの可変サイクルエンジンを提供することにある。また、それぞれ対応する熱力学的サイクルは、サイクル可変性の欠点を克服し、かつ、十分に異なったものとされている。
【0011】
本発明の可変サイクルエンジンによれば、ハイブリッド段に異なった量の空気量を導入させることができるように運転可能であり、このガスタービンエンジンは、上記ハイブリッド段の上記ステータベーン列として、2段可変ベーン(bivariable vane)を有している。それぞれの2段可変ベーンは、前縁セグメントと、後縁セグメントと、を有しており、上記それぞれのセグメントは、それぞれのピッチ角度範囲にわたって独立に調節可能とされている。上記複数のセグメントが別々に調節可能となっていることにより、安定的な迎え角を維持させつつ、上記2つのモードの差の実際の空気流差には比例しないように、上記ベーン列の流れ容量を変化させて、上記相反する要求を満足させることができる。
【0012】
本発明の1つの実施例では、上記前縁セグメントを調節すべき角度範囲は、上記コンプレッサバイパスポートを、上記ハイブリッド段ステータベーン列上流に配置させることによって最低限にされている。
【0013】
本発明の主要な効果は、エンジン安定性に影響を与えずに上記エンジンの運転状態のほとんどの部分において最適運転を可能とすることのできるサイクル可変性を提供できることにある。
【0014】
本発明の上記特徴及び効果及びその運転については、本発明の最良の実施例の記載と添付の図面とを持ってより詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の可変サイクルガスタービンエンジン10を示しており、このガスタービンエンジン10は、空気といった作動媒体を上記エンジンへと導くインテーク12と、ファンセクション(単にファンとも呼ぶ)16と、を有し、このファンセクション16は、複数のファンブレード20が周方向に分散配置され少なくとも1つのファンブレード列18、周方向に複数のファンステータベーン24が分散配置された少なくとの一つのファンステータベーン列22と、を有している。複数の上記ファンブレード列18は、中心軸26を中心として回転可能とされている。このエンジンは、また、作動媒体がファンセクション16から連続して流れるようになっているファンダクト28と、コアユニット30と、を有しており、さらに、これらは作動流体が互いに平行に流れるようにされている。上記コアユニット30は、ガイドベーン列36と、ハイブリッドロータブレード列40及びハイブリッドステータベーン列42を備えたハイブリッド段38と、少なくとも1段のロータブレード列を備えたコンプレッサ(コアコンプレッサとも呼ぶ)46と、を有している。上記コアユニット30のブレード列ベーン列は、上記ファンセクション16のファンブレード列18やファンステータベーン列22と同様、ガイドベーン50ハイブリッドロータブレード52ハイブリッドステータベーン54等複数のブレード複数のベーン有しており、上記コアユニット30のブレード列は、また、上記中心軸26を通して回転可能となっている。
【0016】
上記説明の際に引用した上記ハイブリッド段(38)とは、コアユニット(30)の段とファン(16)の双方との類似性により本願中で名付けたものである。上記ハイブリッド段(38)のハイブリッドロータブレード列(40)は、上記コアコンプレッサ(46)と同じ速度で回転するとともにその全にわたって、上記コンプレッサ(46)とともに一連の流れの中にある。この点については、このハイブリッド段(38)は上記コア(30)の段と同様に機能する。しかしながら、上記エンジンの一つの運転モードでは、空気インテーク(12)により導入された上記全ての作動媒体空気は、上記ハイブリッド段(38)に導入される。この点について言えば、ターボファンガスタービンエンジンの本来のコア(30)の段は、上記エンジンインテーク(12)に導かれた空気の一部分を受け取るようになっているので、上記一つの運転モードにおける上記ハイブリッド段(38)は、ファン(16)の段に類似している。
【0017】
上記エンジンの別の構成部分として、この可変ガスタービンエンジン10は、燃焼器60と、高圧タービン62と、低圧タービン64と、内側可変面積エキゾーストノズル66と、外側可変面積エキゾーストノズル68と、を有している。高速シャフト72は、上記高圧タービン62のブレード列74を、上記コンプレッサ46と上記ハイブリッド段38のそれぞれブレード列へと連結しており、これと同軸とされた低速シャフト76は低圧タービンブレード78を上記ファンブレード列18へと連結している。エンジン運転中には、上記タービン62,64は、上記中心軸26を中心として回転して、上記ファンブレード列18と、上記ハイブリッドロータブレード列40と、コンプレッサ46のロータブレード列と、を回転駆動させている。上記高速シャフト72及びそのブレード列74は、上記低速シャフト76及びそのブレード列78よりも高い角速度で回転している。
【0018】
上記エンジンはまた、上記エンジン内において上記空気流を変向させるための複数の内側バルブを有している。ファンダクトバイパスバルブ90は、上記ファンの下流側に位置しており、上記ファンと上記ファンダクトの間の連通を制御している。どのような好適なバルブとバルブ制御配置であっても使用することができる。例えば、上記バルブとしては、列として周方向に分散配置され、外側に向かってピボットして開位置となるようなヒンジ付きの複数のドアでも良く、これによって上記ファンと上記ファンダクト間が連通され、又、内側に向かって閉位置とされて連通を遮断するようにされていても良い。上記複数のドアのピボットは、1つ以上のアクチュエータによっても行うことができ、これらのアクチュエータは、ユニゾンリングが上記軸方向へと移動し、さらに好適なリンケージ配置によってそれぞれのドアに連結されていても良い。コンプレッサバイパスバルブ92は、コンプレッサバイパスポート94を通して流れる空気流を制御するようになっていて、選択的に上記コアユニットと上記ファンダクトの間を連通させるようになっている。上記バイパスポートは、上記ハイブリッドロータ列の下流側、かつ、上記コンプレッサの上流側に位置している。上記ファンダクトバイパスバルブとしては、いかなる好適なバルブと駆動手段でも使用することができる。例えば、上記バルブは、環状体であっても良く、この環状体は、周方向に回動して、開位置となり、とびとびに周方向に分散配置された上記バイパスダクト96の端部98の複数の吐出用開口に対応するようにされていても良く、上記吐出用開口を回動することで閉塞されるようにされていても良い。
【0019】
上記エンジンは、2つの運転モードを有しており、これらの運転モードでは、上記コアユニット30へとバイパスされる空気量(通常は、単位時間当たりに流れる質量で表される)は、互いに異なっている。上記エンジンの運転モードは、部分的には、上記バイパスバルブの複数の位置によって規定されており、また、それぞれのモードは、異なった熱力学的サイクルに対応する。
【0020】
一つの運転モード、これを高ファン圧比モード、すなわち単にハイモードでは、上記ファンダクトバイパスバルブは、閉ざされており、上記コンプレッサバイパスバルブは開かれている。加えて、上記可変面積ノズル66,68は、それぞれ自動的に調節されて、ファンダクトと、複数のエンジン吐出面100,102のそれぞれにおいて上記流れ面積を最低化させている。
【0021】
作動媒体空気は、実線の矢印で示されているように、上記インテーク12を通して上記エンジンへと導かれ、上記ファン16を通して流れ、上記ファンダクトバイパスバルブ90は、上記空気の上記ファンダクトへの進入を防止している。上記空気は、従って、上記コアユニットへと導入され、上記ガイドベーン列36と、少なくともハイブリッド段ロータブレード列40と、を通して流されるようになっている。上記コンプレッサバイパスバルブ92が開かれているので、上記空気の一部が、上記バイパスダクト96を通して流れ、上記ファンダクトへと流れ込むとともに、その空気の残りは、上記コアコンプレッサと、燃焼器60と、タービン62,64と、を通って進んで行く。これらの複数の空気流は、上記ファンダクト及び上記コアユニットの直下流のそれぞれの吐出面100,101において再度一体とされ、混合され、この再度一体とされた流れは、上記エンジン吐出面102において上記エンジンから吐出されるようになっている。
【0022】
上記ハイモードは、迅速に燃料が消費されてコストがかかるが、高水準の推力を発生させることができ、また、内部温度が著しく高まるためエンジン部品の劣化を加速してしまうことになる。従って、このモードは、短距離離陸、又は、戦闘動作のために、短時間だけ作動させる出力増強が必要な軍事用航空機に好適である。
【0023】
別の運転モードは、低ファン圧力比モード、すなわち、単にローモードと呼ぶが、このモードでは、上記ファンダクトバイパスバルブは、開かれており、かつ、上記コンプレッサバイパスバルブ92は閉ざされている。加えて、上記可変面積ノズル66,68は、それぞれ自動的に調節されていて、それぞれ上記ファンダクトと、エンジン吐出面100,102と、において上記流れ面積を最大化させるようにされている。上記ローモードにおいて、上記エンジンを通って行く上記作動媒体空気のこれに続いた経路は、破線で示してある。上記ハイモードでは、上記作動媒体空気は、そのインテークを通して上記エンジンへと入り、上記ファンを通じて流れて行く。上記ハイモードとは異なり、分岐点106で、上記ファンから吐出された上記空気は、複数の同心、かつ、環状平行流とされる。このうちの外側流、すなわち2次流は、上記ファンダクトを通して流され、それと同心の内側流、すなわち1次流は、上記コアユニットへと導入されるようになっている。上記コンプレッサバイパスバルブ92は閉鎖されているので、上記内側空気流、すなわち上記1次流の上記空気の全量は、上記ハイブリッド段を通過し、上記コンプレッサへと入ることになる。上記内側空気流(上記1次流)は、上記コンプレッサと、上記燃焼器と、上記タービンと、を通して流れ、それぞれ上記コアユニットと、ファンダクト吐出面100,102と、の後方において上記外側空気流と再度一体とされるようになっている。上記再度一体化された複数の流れは、上記エンジン吐出面102において上記エンジンから吐出される。上記ローモードでは、上記ハイモードよりも発生する推力は小さいが、上記エンジン部品は、中程度の内部温度に晒されること及び著しく僅かな燃料を消費することを特徴とする。このローモードは、上記ハイモードと異なり、極限の速度と推力とが要求されるよりも、長距離、耐久性、経済性の要求される長時間飛行のために好適である。
【0024】
上記ローモードでは、上記インテーク12へと導入された空気のうちの約57%から77%(通常では67%)が、上記コアユニット30へと導入され、残りの23%から43%(通常では33%)の空気が上記ファンダクト28へと導入される。上記ハイモードでは、上記インテークへ導入された空気の100%がコアユニットへと導入され、このうち16%から36%(通常では26%)の空気流は、上記バイパスダクト96を通して上記ファンダクトへと導入される。従って、上記ハイモードでは、上記コアユニットへと上記ローモードの1から1.5倍の空気(100%を67%で割ると約1.5となる)を導入させるようになっている。上記コアユニットへと導入される上記空気量の差は、それぞれのモードに対応した熱力学的サイクルの差異に直接関連づけることができ、従って上記相反する運転に対する要求を満足させることができる。不都合なことではあるが、次に説明するように空気流量差により、さらにエンジンの空力的安定性と両立させることが必要とされる。
【0025】
図2(A)及び図2(B)は、代表的な図1のエンジンのガイドベーン50と、ハイブリッド段ロータブレード52と、ハイブリッド段ステータベーン54と、を径方向内側から見た図であり、2つのエンジン運転モードでの上記2段可変ベーンの動作を比べた図である。図2(A)と、図2(B)には、代表的なガイドベーン50が示されており、ハイブリッドロータブレード52と、ハイブリッド段ステータベーン54とが、上記ハイモード(図2(A))及び上記ローモード(図2(B))の場合について示してある。上記ガイドベーン50と、ハイブリッドステータベーン54とは、それぞれ上記ベーンの正圧面と上記ベーンの負圧面との間において、その前縁からその後縁半ばにまで延びた平均キャンバラインを有している。例えば、上記ハイブリッドベーンについては図3にそのより詳細を示すが、このハイブリッドベーンは、上記ベーンの前縁112から上記ベーンの後縁114にまで延び、かつ、上記正圧面116と上記負圧面118との中間にある平均キャンバライン110を有している。上記平均キャンバラインの前縁延長部110aは、直線とされており、これはまた、上記ベーンの上記前縁延長部110aで上記平均キャンバラインに接している。同様に、上記平均キャンバラインの後縁延長部110bは、上記ベーンの上記後縁114で上記平均キャンバラインに接している。上記それぞれの延長部は、上記ピッチ角を定義するには便利であり、このピッチ角は、およそ126,128,130(図2)等の基準ラインと110a又は110bといった平均キャンバラインの延長部の間のなす角である。
【0026】
再度図2(A)と、図2(B)と、を参照すると、上記複数のガイドベーン50は、可変ピッチベーンとされており、それぞれのベーンは、径方向軸51を中心としてピボットするようになっていて、上記ベーンの方向(orientation)は、ガイドベーンピッチ角δの所定角度分にわたって調節できるようにされている(サブスクリプトを付していない符号は、通常角度を表しているが、Lで示されている符号、又は、Hで表されている符号は、上記ローモード又は上記ハイモードいずれかにおける角度である)。上記複数のハイブリッドステータベーンは、その代表的なベーン54で表されているように、2段可変とされている。それぞれの可変ベーンは、前縁セグメント140と、後縁セグメント146と、を有しておりこれらは径方向に延びたヒンジ150を中心として互いにヒンジ止めされている。上記前縁セグメントの方向は、前縁セグメントピッチ角θの範囲で調節可能とされていて、上記前縁112の迎え角αを上記作動媒体の局所的な流れ方向に対して制御するようになっている。上記後縁セグメント146の方向は、後縁セグメントピッチ角σにわたって独立して調節可能とされている。上記それぞれのピッチ角度をそれぞれ調節するためのメカニズムは、本発明が意図するところではないので図示していない。
【0027】
上記ハイモード(図2(A))運転中は、複数の上記ガイドベーン50は、開いたピッチ角度に調節されていて、上記コアユニットへと大量の空気を流すようになっており、空気が適切に複数の上記ハイブリッドロータブレード52へと確実に向かうようにしている。上記作動媒体空気が、上記ハイブリッドロータブレード列を通して流れ、速度成分Cx及び速度成分絶対値Vabs(すなわち、上記回転ブレードの基準フレームにおいて)で上記ブレード列を排出される。上記複数のブレードは、上記エンジン中心線を中心として、速度Uで回転しているので、上記ハイブリッドステータベーン54の上記前縁に対する空気速度は、Vrelであり、これは、上記Vabsと上記Uのベクトル和である。上記図に見られるように、上記ハイブリッドステータベーン54の上記前縁セグメント140は、開いたピッチ角θHに調節されており、上記相対速度ベクトルと上記平均キャンバライン延長部110aの間の上記迎え角αHは、上記ベーンが確実に空力的に安定して運転できる範囲とされている。上記後縁セグメント146は、ピッチ角σHに調節されていて、上記ハイブリッドベーン列の流れ面積は、上記ハイブリッドベーン列によって充分な空気量を流すことができるように大きくされている。
【0028】
図2(B)には、上記ローモードにおける運転が、これに対応して低速度とされた上記コアユニットへと導入される空気量が減少されることを除き、同様になっているところを示している。ここで、上記複数のガイドベーンは、より閉じた配列へと調節されていて(δLが、δHよりも小さい)、空気量と、空気速度の低減と、に対応している。図2(B)と、図2(A)とを比較すると、上記軸方向速度Cxもまた低くなっている。上記ロータ速度Uは、これと比例するように低くならないので、上記相対速度成分Vrelは、上記ローモードでは、上記ハイモードよりもより周方向へと向けられることになる。従って、上記ハイブリッドロータブレードの上記前縁セグメント140は、より閉じた位置へと調節され(すなわち、θLが、θHよりも小さい)、上記迎え角αLが、空力的安定範囲内とされている。上記前縁セグメントが、図2(A)と同一の配置にされたままとされると、αLは、αHよりも大きくなり、上記ハイブリッドステータベーンは、空力的に失速し易くなる。
【0029】
図2に示したように、上記後縁セグメント146は、独立して開いた位置へと調節される(すなわち、σLが、σHよりも大きい)。上記ステータベーンが2段可変性(すなわち、上記前縁セグメントと後縁セグメントがそれぞれ方向できること)とされていないと、上記後縁セグメントは破線の後縁セグメント146’で示される位置へと上記前縁セグメントの移動につれて同一の変化を受ける。このような流れ面積となる結果、上記ハイブリッドベーン列の流れ容量は、上記ローモードで実際の流れ量を減少させたいよりも、より多く減少されることになる(上記ハイモードに対して相対的に)。さらに、この結果、複数の上記ハイブリッドロータブレード下流の圧力があがってしまい、上記複数のブレードは、複数の上記ハイブリッドベーンが閉じないようにされているにも拘わらず空力的に失速し易くなる。これとは対照的に、本発明の2段可変ステータは、独立して上記複数のセグメントが調節できるようになっている。上記前縁セグメントは、より閉じた方向に調節されて(上記ハイモードに比較して上記ローモードにおいて)、上記後縁セグメントがより開いた方向とされて、上記ハイブリッドベーン列の上記流れ容量を規制するようにしながら、上記前縁がその迎え角を確実に保つようになっている。
【0030】
上記前縁部分と上記後縁部分の相対方向はまた、安定性化といった効果を有する。これらの部分が方向されていて、上記キャンバ、すなわち、上記ハイブリッドベーンの曲がりが過剰となると、空気流は、上記ベーンの負圧面から剥離し、空力的不安定性を生じさせる。許容可能なキャンバ量は、所定設計の空力特性に依存しており、従ってケースバイケースで評価する必要がある。
【0031】
図3に示されるように、複数の上記ハイブリッドベーンセグメント140,146のヒンジ150を中心としたピボットは、上記負圧面118に沿ってギャップ154を延ばしたり縮めたりする。上記ギャップ154を横切るように柔軟性のあるシールを取り付けて、上記負圧面118上での上記前縁セグメント140と上記後縁セグメント146の間に連続性を付与することもできる。しかしながら、上記シールは、エンジン運転の過酷条件の下では寿命が長くはない。起こりがちな上記シール損傷や、又は、シールが取り付けられなかったりした場合には、上記ギャップ154は、上記負圧面118の上記連続性と、スムーズさと、を乱してしまう。上記ギャップ154の幅が小さければ、翼としての空力特性は、完全に連続な翼に比べて留意すべきほどには低下しない。上記前縁セグメント140が閉位置にまでピボットし(図において反時計回り)、かつ、上記後縁セグメント146が開位置にまでピボットしていて(図において時計回り)、より大きなギャップがあると、空力的特性が、低下することになる。従って、上記前縁セグメント140と上記後縁セグメント146の上記のような組み合わせの方向変化は最小にすることが好適である。別の要によってもまた、上記組み合わせによる方向変化を最小にすることが好ましい。例えば、それぞれの角度変化を低減させると、アクチュエータの長さが低減でき、ひいてはエンジン重量が低減できるためである。
【0032】
本発明の実施例では、上記組み合わされた角度変化は、上記コンプレッサバイパスポート94(図1)を、上記ハイブリッドステータベーン列の下流側ではなく、上流側に位置させたことにより最低化されている。上記コンプレッサバイパスポート位置の効果は、図4(A)と、図4(B)と、図5(A)と、図5(B)と、に示されている。図4(A)及び図4(B)は、図1の上記2段可変ベーンを径方向内側から見た図であり、コンプレッサバイパスポートを上記ハイブリッド段ステータベーン列の下流側に配置し、上記2段可変ベーンへ上記ピッチ角調節を行う効果を示した図である。図4(A)では、上記ハイブリッドステータベーン54の下流側に上記コンプレッサバイパスポート94を配置させた場合の運転を示した図である。上記前縁セグメント140は、ピッチ角θH1で配列されていて、空力的に安定な前縁迎え角αH1となっている。図5(A)及び図5(B)は、図1の2段可変ベーンを径方向内側から見た図であり、コンプレッサバイパスポートを上記ハイブリッド段ステータベーン列の上流側に配置し、上記2段可変ベーンに上記ピッチ角調節を行っているところを示した図である。図5(A)では、また、ハイモード運転を示しているが、上記コンプレッサバイパスポート94は、上記ハイブリッドベーンの上流側に配置されていて、上記空気の一部が、上記バイパスポートを通して上記ハイブリッドベーンに達する前に上記ファンダクトへと分流されている。上記ハイブリッドベーンによって受け取られる低減した空気量は、対応して低減した軸方向速度Cxを有しており、さらには、より周方向へ向かう相対速度Vrelを有している。安定な迎え角αH2を維持するために(図5(A))のαH2は、図4(A)のαH1に等しくされている)、上記前縁セグメントは、上記ピッチ角θH2へと調節されており、この角は、上記ピッチ角θH1よりも閉じられたものに対応している。
【0033】
ここで、図4(B)と、図5(B)と、を参照すると、これらの図は、上記ローモードでの運転に対応しているが、上記前縁セグメントは、ピッチ角θLとされている。このθLは、上記ローモードでは、上記ポートを通る分流される空気は存在しないので、上記コンプレッサの位置とは無関係である。明らかに、θH2〜θLへの角度変化は、θH2が、θH1よりも閉じているので、θH1からθLまでの角度変化より小さい。従って、上記図5(B)の上記ギャップ154は、図5(A)の上記ギャップ154よりも小さくなっており、空力的性能を改善している。
【0034】
以上、本発明を説明してきたが、本発明のまとめると、本発明は、可変サイクルガスタービンエンジン(10)は、コアユニット(30)を有しており、このコアニット(30)は、ガイドベーン列(36)と、ハイブリッド段(38)と、を有しており、このハイブリッド段(38)は、さらにロータブレード列(40)と、ステータベーン列(42)と、を有している構成のエンジンを用いて、少なくとも2モードで運転できるように下ガスタービンエンジンに関するものである。この2つのモードでは、上記コアユニットへと異なった量の作動媒体空気が導入され、またそれぞれのモードは、異なった熱力学的サイクルに対応するようになっている。ハイブリッドステータベーン列の複数のベーン(54)は、2段可変とされていて、それぞれの前縁セグメント(140)と、後縁セグメント(146)は、ピッチ角度が独立に可変となっている。上記ベーンの2段可変性により、それぞれのモードでの空力的安定性を増加させることが可能となっている。
【0035】
本発明について、2モード可変サイクルエンジンを例にとって説明してきたが、本発明は、上記コアユニットへと異なった量の空気を導入させて、エンジンの2モード運転を行う市販及び軍事用用途双方の2モード以上を有するエンジン及び別の型の2モードエンジンについても適用できることが明らかである。さらに、本発明の範囲は、これまで説明し、開示を行ってきた特定の2段可変ステータ設計のものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、複数の2段可変ベーンを有するハイブリッド段ステータベーン列を備えた可変サイクルガスタービンエンジンの概略的な側面図である。
【図2】図2は、図1のエンジンのガイドベーンと、ハイブリッド段ロータブレードと、ハイブリッド段ステータベーンと、を径方向内側から見た図である。
【図3】図3は、図2の上記2段可変ベーンの拡大側面図である。
【図4】図4は、図1の上記2段可変ベーンを径方向内側から見た図である。
【図5】図5は、図1の2段可変ベーンを径方向内側から見た図である。
【符号の説明】
10…ガスタービンエンジン
12…インテーク
16…ファンセクション
18…ファンブレード列
20…ファンブレード
22…ファンステータベーン列
24…ファンステータベーン
28…ファンダクト
30…コアユニット
36…ガイドベーン列
38…ハイブリッド段
40…ハイブリッドロータブレード列
42…ハイブリッドステータベーン列
46…コンプレッサ
50…ガイドベーン

Claims (7)

  1. 可変サイクルガスタービンエンジンであって、このガスタービンエンジンは、
    前記ガスタービンエンジンに作動媒体を導入させるためのエンジンインテークと、
    中心軸を中心として回転可能であり、かつ、少なくとも一つのファンブレード列を有した前記インテーク下流側にあるファンと、
    前記ファン下流にあるファンダクトと、
    前記ファン下流にあり、かつ、前記ファンダクトと平行になったコアユニットと、を有し、
    このコアユニットは、一連の流れにおいて、
    ガイドベーン列と、
    ロータブレード列及びステータベーン列を備えたハイブリッド段と、
    少なくとも一つのロータブレード列を備えたコンプレッサと、を有し、
    かつ、前記ハイブリッド段のロータブレード列と、前記コンプレッサのロータブレード列と、がそれぞれ共通の回転速度で上記中心軸を中心として回転可能であり、
    更に、前記ファンと前記ファンダクトの間の連通を制御しているファンダクトバイパスバルブと、
    前記コンプレッサ上流にあり、かつ、前記コアユニットと前記ファンダクトの間を選択的に連通させうるコンプレッサバイパスポートと、
    前記コンプレッサバイパスポートを通前記作動媒体の流れを制御するためのコンプレッサバイパスバルブと、を有しているものであり、
    前記ファンダクトバイパスバルブと、コンプレッサバイパスバルブとは、それぞれが閉位置と、開位置と、を有しており、かつ、前記ガスタービンエンジンは、複数の前記バルブの複数の位置によって決定される少なくとも二つのモードで運転可能とされていて、このうちの一つのモードにおいて前記コアユニットへと導入される前記作動媒体の質量流量が、それとは別のモードにおいて前記コアユニットへと導入される前記作動媒体の質量流量を超えるようにされており、
    記ハイブリッド段のステータベーン列のそれぞれのベーンが前縁を備えた前縁セグメントと、後縁を備えた後縁セグメントと、を有し、前記前縁セグメントと前記後縁セグメントとが前記前縁と前記後縁の中間位置でヒンジ止めされていて、前記前縁セグメントの方向は、前記作動媒体に対する前記前縁の迎え角を規制するために前縁セグメントピッチ角の範囲で調節可能とされており、前記後縁セグメントの方向は、前記前縁セグメントの方向とは独立して前記ハイブリッド段のステータベーン列の前記質量流量を制御するために後縁セグメントピッチ角の範囲内で調節可能とされていることを特徴とする可変サイクルガスタービンエンジン。
  2. 前記ハイブリッド段のステータベーン列上流には、コンプレッサバイパスポートが配設されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジン。
  3. 前記ハイブリッド段ステータベーン列のそれぞれのベーンは、正圧面と、負圧面と、を有しており、それぞれの面は、前記前縁から前記後縁へと延ばされているとともに、前記正圧面は、前記前縁と前記後縁の中間においてヒンジ止めされていて、前記前縁セグメントと、前記後縁セグメントと、がそれぞれ独立して調節できるようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービンエンジン。
  4. 前記複数のモードのうちの一つは、前記ファンダクトバイパスバルブが閉ざされており、かつ、前記コンプレッサバイパスバルブが開かれているハイモードであり、前記複数のモードのうちの別の一つが、前記ファンダクトバイパスバルブが開かれており、かつ、前記コンプレッサバイパスバルブが閉じられているローモードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
  5. 前記前縁セグメントピッチ角は、前記ハイモードよりも前記ローモードにおいて閉ざされており、かつ、前記後縁セグメントピッチ角は、前記ハイモードよりも前記ローモードにおいてより開かれていることを特徴とする請求項4に記載のガスタービンエンジン。
  6. 前記ローモードにおいて、前記コアユニットへと導入される前記作動媒体の前記質量流量は、前記エンジンインテークを通して前記エンジンに導入される質量流量の57%〜77%となっていることを特徴とする請求項4又は5に記載のガスタービンエンジン。
  7. 前記ハイモードにおいて、前記ファンダクトへと導入される前記作動媒体の前記質量流量は、前記エンジンインテークを通して前記エンジンに導入される質量流量の16%〜36%となっていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
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