JP3892584B2 - Aromatic polycarbodiimide and sheet thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の背景】
本発明は新規な芳香族ポリカルボジイミドに関する。本発明の芳香族ポリカルボジイミドは、高耐熱性、低誘電率など種々の優れた特性を有するシート(フィルム)や接着剤、成形物として用いられる。
【0002】
芳香族ポリカルボジイミドには、従来ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイソシアネート(TDI)などをモノマーとし、これを重合したものが知られている。このようなポリカルボジイミドは、その優れた耐熱性により耐炎化フィルムや耐熱性接着剤として使用されている。
【0003】
【発明の目的及び概要】
これらポリカルボジイミドフィルムは、400℃以上の高温にさらしても揮発性ガスや分解モノマーを生成しないという点では耐熱性を有するが、耐湿性が低かったり、200℃以上で熱処理すると自己保持性がなく、脆くなり実用に耐えない。また、有機溶媒に対する溶解性が乏しく加工性も低い。
【0004】
本発明者らは、このような従来のポリカルボジイミドの欠点を解消すべく種々の芳香族ポリマーについて検討を重ねた。その結果、公知の芳香族ポリカルボジイミドに側鎖エステル基を導入することにより前記課題を解決し得るとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は下式(I):
【化2】
(式中、nは2〜200の整数、Rは有機基を意味する。)
で表される構成単位を有する芳香族ポリカルボジイミドを提供するものである。本発明のポリカルボジイミドは、特にRが炭素数3〜20のアルキル基またはフッ素化アルキル基であるのが好ましい。
【0006】
このポリマーは新規な高分子化合物であり、優れた溶解性と共に非常に高い耐熱性を有し、また接着性、低温加工性及び耐湿性にも優れる。なお、本願発明のポリカルボジイミドに関連し、下式(II):
【化3】
(式中、nは2〜200の整数を表す。)
で表される芳香族ポリカルボジイミドは公知である(特開平2-292316、特開平4-279618)。しかしながら、本発明のように側鎖エステル基を導入したポリカルボジイミドについては報告例がない。
【0007】
【発明の詳細な開示】
本発明のポリカルボジイミドは、下式(III):
【化4】
(式中、Rは前記に同じ。)
で表されるジイソシアネートをモノマーとし、これをリン系触媒の存在下、それ自体は公知の方法で重合することにより得られる。
【0008】
式中、Rは有機基で、例えばアルキル基、フッ素化アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの脂環基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基などの芳香環などが挙げられるが、この中でも特に炭素数3〜20のアルキル基、フッ素化アルキル基が好ましい。Rが炭素数3〜20のアルキル基またはフッ素化アルキル基であると、特に溶解性が向上すると共に耐熱性、耐湿性が改善する。また、フッ素化アルキル基の使用は低誘電率特性に好結果を与える。
【0009】
前記のジイソシアネートモノマーは単独で用いてもよく、本発明のポリカルボジイミドの特性を損なわない範囲で他の有機ジイソシアネート、例えば2,2−ビス[(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ-4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、o−トリレンジイソシアネートなどと共重合してもよい。共重合比は式(III)で表されるジイソシアネートモノマーに対し、1〜90mol%、より好ましくは1〜70mol%、最も好ましくは1〜50mol%である。共重合比が90mol%を超えると、本発明のポリカルボジイミドの特性が失われる可能性がある。
【0010】
重合時温度は40〜150℃が好ましく、50〜140℃がより好ましい。反応温度が40℃より低いと反応時間が長くなりすぎ実用的でない。また150℃を越える反応温度は溶媒の選択が困難である。
【0011】
ポリカルボジイミド合成におけるジイソシアネートモノマー濃度は5〜70重量%(以下、単に%という)、好ましくは10〜60%、最も好ましくは15〜50%である。モノマー濃度が5%より低いとカルボジイミド化が進行しない場合がある。また70%を越えると反応の制御が困難になる可能性がある。
【0012】
ポリカルボジイミドの合成時及びポリカルボジイミド溶液に用いられる有機溶媒は、従来公知のものであってよい。具体的にはテトラクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0013】
カルボジイミド化に用いる触媒としては公知のリン系触媒がいずれも好適に用いられ、例えば1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドが挙げられる。
【0014】
また重合反応の末期、中期、初期のいずれか、もしくは全般にわたり、モノイソシアネートを加えて末端封鎖処理をしてもよい。このようなモノイソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、p−及びm−トリルイソシアネート、p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イソプロピルフェニルイソシアネートなどを用いることができる。このようにして得られたポリカルボジイミド溶液は、溶液の保存安定性に優れている。
【0015】
また、反応終了後にメタノール、エタノール、ヘキサンなどの貧溶媒に反応液を投入し、ポリカルボジイミドを沈澱として析出させ、未反応のモノマーや触媒を取り除いてもよい。ポリカルボジイミドの溶液を調製するには、沈殿として析出したポリマーを所定の操作により洗浄、乾燥を行い、再度有機溶媒に溶解する。このような操作を行うことにより、ポリカルボジイミドの溶液安定性を向上させることができる。
【0016】
また、ポリマー溶液中に含まれる副生成物を、適当な吸着剤などに吸着させ、精製してもよい。吸着剤としては例えばアルミナゲル、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、活性酸化マグネシウム、活性ボーキサイト、フラースアース、活性白土、分子ふるいカーボンなどを単独もしくは併用して用いることができる。
【0017】
本発明のポリカルボジイミドの分子量は、数平均分子量にして700〜70,000、好ましくは2,600〜13,000である。すなわち、式(I)においてnは2〜200の整数、好ましくは8〜40の整数である。ポリカルボジイミドの分子量がこれより高すぎると、常温での放置においても数分から数時間で容易にゲル化するため、実用上好ましくない。また、分子量が低すぎると、皮膜の信頼性に欠けるので好ましくない。
【0018】
(フィルム及び接着シートの製造)
本発明のポリカルボジイミドフィルム(又はシート)は、ポリカルボジイミドワニスを公知の方法(キャスティング、スピンコーティング、ロールコーティングなど)を用いて適当な厚さに製膜することにより得られる。このフィルムは、通常、溶媒の除去に必要な温度で乾燥すればよく、硬化反応をあまり進行させずに乾燥させるよう、塗工温度は例えば20〜350℃、好ましくは50〜250℃、最も好ましくは70〜200℃である。乾燥温度が20℃より低いと、フィルム中に溶剤が残存し、フィルムの信頼性が乏しくなり好ましくない。また乾燥温度が350℃より高いと、フィルムの熱硬化が進みやすい。
【0019】
本発明のポリカルボジイミド樹脂組成物には、その加工性、耐熱性を損なわない範囲で微細な無機充填剤を配合してよい。また表面平滑性を出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0020】
本発明のポリマーをフィルム状に成形した成形物は、耐熱性接着シートとして用いることができる。フィルム、又は接着シートに成形することができるシート厚としては、一般には1〜200μmであるが、これに限定されるものではなく目的に応じて適宜選択することができる。またシートの形状や大きさについても、リードフレームや半導体チップなど、被着体に応じて適宜に決定することができる。
【0021】
接着シートを製造する場合、導電性の付与や熱伝導性の向上、弾性率の調節、特に高弾性率化などをはかるため、例えばアルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田などの金属、あるいは合金、アルミナ、シリカ、マグネシア、窒化ケイ素などのセラミック、その他カーボンなどからなる種々の無機粉末を必要に応じ1種または2種以上配合してもよい。
【0022】
さらに、これらのフィルムを支持体上に形成して接着シートとしてもよい。このような構成の接着シートを製造するには、支持体上にワニスを塗工してもよく、あらかじめフィルムを形成し、これをプレスなどによりラミネートして製造してもよい。
【0023】
ここで用いられる支持体としては金属箔、絶縁性フィルムなどが挙げられる。金属箔としてはアルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、インジウム、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム等がいずれも用いられてよく、これらを単独で、あるいは合金として用いてもよい。また、絶縁性フィルムとしては、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなど、耐熱性や耐薬品性を有するフィルムであればいずれも用いることができる。
【0024】
また金属箔と絶縁性フィルムは、それぞれ単独で用いてもよく、また両者を2層以上積層した、例えば金属箔/絶縁性フィルムなどの2層基材を用いてもよい。このような2層基材としては、例えば銅/ポリイミド2層基材などが挙げられる。
【0025】
本発明のシート状接着剤は、加熱処理により熱硬化して強固な接着力を発現すると共に、低吸湿性の硬化物となる。加熱処理を行うには、例えばヒーター、超音波、紫外線などの適宜の方法が用いられてよい。従って本発明の接着シートは、種々の材料の接着処理に好ましく、特に高信頼性の固着処理が要求され、そのため低吸湿性であることを要する半導体チップやリードフレームなどで代表される電気・電子部品の固着処理に好ましい。本発明の接着シートは低吸湿性であること、可撓性に富み取り扱いやすいこと、半導体素子に対して接着性がよいこと、保存安定性がよいことなどの点で優れている。
【0026】
(用途)
このようにして製造されたポリカルボジイミド樹脂は、その耐熱性を利用して電子部品用の接着剤として用いることもできる。
【0027】
(モノマー)
つぎに本発明ポリカルボジイミドのモノマーの製法についても説明する。
【0028】
本発明ポリカルボジイミドの原料であるジイソシアネート化合物、(前記式(III))は、その前駆体である下式(IV):
【化5】
(式中、Rは炭素数3〜20のアルキル基またはフッ素化アルキル基を意味する。)
で表されるエステル化ジアミンを、それ自体は公知の方法でジイソシアネート化することにより製造することができる。
【0029】
なお、かかるエステル化ジアミンは、M.Marek Jr.et.al., Macromol. Rapid. Commun., 19, 53 (1998)に記載されているように、ジニトロ安息香酸クロライドにアルコールを作用させてカルボキシル基をエステル化した後、ニトロ基を還元して製造することができる。
【0030】
このようなエステル化ジアミン化合物のジイソシアネート化法としては、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、又はカルボニルジイミダゾールを作用させる方法が挙げられる。さらに、他の方法として、ジアミン化合物をハロゲン化アルキルホーメートまたはハロゲン化アリールホーメートを用いて一旦ジカーバメートとし、これに触媒としてクロロシランを用いてジイソシアネート化する方法(G. Greber. et. al., Angew. Chem. Int. Ed., Vol. 17, No.12, 941(1968))やカテコールボランを用いてジイソシアネート化する方法(V.L.K.Valli.et.al.,J.Org.Chem.,Vol.60,257(1995))があり、収率及び安全性の点からより好ましい。
【0031】
ジイソシアネート化合物の他の製造法としてはジアミノ安息香酸を原料としてトリメチルクロロシラン、トリエチルアミンを作用させてジアミノ安息香酸のシリル化化合物とし、これにフェニルクロロホルメートを作用させてジアミノ安息香酸のジカーバメートを合成し、その後N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N'−カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤を用いたアルコールとジカーバメートのカルボキシル基のカップリングにより製造したエステル化ジカーバメートを経由する製造法が挙げられる。
【0032】
かかる製法においてシリル化時の反応温度は、40〜150℃が好ましく、50〜140℃がより好ましい。反応温度が40℃より低いと反応時間が長くなりすぎ実用的でない。また150℃を越えると溶媒の選択が困難である。次のジカーバメート化時の反応温度は、-20〜90℃が好ましく、-10〜80℃がより好ましい。反応温度が-20℃より低いと反応時間が長くなりすぎ実用的でない。また、90℃よりも高くなると副生成物が多くなり収率低下の原因となる。次に側鎖導入時すなわちエステル化時の反応温度は、-20〜90℃が好ましく、-10〜80℃がより好ましい。反応温度が-2O℃より低いと反応時間が長くなり過ぎ実用的でない。また、90℃より高くなると副生成物が多くなり収率低下の原因となる。
【0033】
ジカーバメート化および側鎖導入反応において原料濃度はいずれも5〜70重量%(以下、単に%という)、好ましくは10〜60%、最も好ましくは15〜50%である。かかる濃度が5%より低いと反応の進行が遅い場合がある。また70%を越えると反応の制御が困難になる可能性がある。
【0034】
ジカーバメート化時の有機溶媒は、従来公知のものであってよい。具体的にはジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また側鎖導入時の有機溶媒は、上記ジカーバメート化に用いられた溶媒の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどの非プロトン性溶媒等を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0035】
アルコールとカルボン酸の縮合によるエステル化合物の合成方法は、一般的に酸触媒を用いる方法、縮合剤を用いる方法、o−アルキル化による方法、カルボン酸塩から合成する方法、酸無水物から合成する方法、酸ハロゲン化物から合成する方法などが挙げられる。このうちエステル化反応による側鎖導入は、縮合剤を用いる方法が好適に用いられ、縮合剤としては例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N'−カルボニルジイミダゾールなどが用いられる。
【0036】
なお、前記のジアミンのジカーバメート化、側鎖導入、ジイソシアネート化及びカルボジイミド化は、それぞれの工程で単離、精製を行い、段階的に進めてもよく、1つの反応容器中でこれらの工程を続けて一連の反応として行ってもよい。
【0037】
【実施例】
つぎに本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。なお、得られたポリカルボジイミドの特性は次のようにして測定した。
【0038】
IR
日本電子製FT/IR-230を用いて測定した。
【0039】
熱硬化温度及びガラス転移温度 (Tg)
DSC-200((株)セイコー電子工業製)を用いて測定し、三量体化の発熱ピークを熱硬化温度とした。
【0040】
熱分解開始温度 (Td)
TG/DTA 300((株)セイコー電子工業製)を用いて測定し、5%重量減少温度をTd とした。
【0041】
数平均分子量
装置としてHLC8120((株)東ソー製)、カラムにGMHHR-H+GMHHR-H+G2000HHR((株)東ソー製)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として測定した。
【0042】
接着強度
島津オートグラフAGS-100Dを用いて180°ピール強度を測定した。
【0043】
[製造例1]
撹拌装置、滴下漏斗、冷却管を取り付けた500mL四つ口フラスコに3,5-ジアミノ安息香酸(10.0g、0.066mol)、トリエチルアミン(20.0g,0.197mol)、トリメチルクロロシラン(21.4g、0.197mol)、トルエン253gを仕込み、窒素雰囲気下80℃で2時間撹拌して3,5−ジアミノ安息香酸のシリル化化合物を得た。室温まで冷却後、滴下漏斗にフェニルクロロホルメート(20.6g、0.131mol)を入れ、水浴中でおよそ60分かけて滴下し、室温で一晩撹拌した。
【0044】
生成したトリエチルアミン塩酸塩を水洗により除去し、得られたウレタン化化合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、溶媒留去して粗生成物を得た。これをメタノールに再溶解し、撹拌しながら水中に投入した。析出した固体を集めて減圧下40℃で乾燥して、3,5−ビス(フェニルカーバメート)安息香酸20.8g(収率81%)を淡赤色粉末として得た。
【0045】
続いて、撹拌装置、滴下漏斗を取り付けた300mL三つ口フラスコに上記で得られた3,5−ビス(フェニルカーバメート)安息香酸(11.0g、28.0mmol)、カルボニルジイミダゾール(4.6g、28.0mmol)、テトラヒドロフラン60gを仕込み氷浴中で1時間撹拌した。そこに、1−ドデカノール(5.2g、28.0mmol)とトリエチルアミン(2.8g、28.0mmo1)を含むテトラヒドロフラン溶液45gをゆっくりと滴下し、氷浴中で4時間撹拌し、室温に戻してさらに一晩撹拌した。反応生成物をジクロロメタンに抽出し、有機層を0.5N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して粗生成物を得、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて展開)にて目的物を分離精製した。さらに、トルエン−n−ヘキサン系で再結晶し、1−ドデシル−3,5−ビス(フェニルカーバメート)安息香酸エステル5.4g(収率40%)を白色結晶として得た。
【0046】
[実施例1]
(1−ドデシル−3,5−ビス(フェニルカーバメート)安息香酸エステルのポリカルボジイミド化)
撹拌装置、冷却管を取り付けた100mLのフラスコに1−ドデシル−3,5−ビス(フェニルカーバメート)安息香酸エステル(2g、3.57mmol)、トリエチルアミン(650mg、6.42mmol)、トリメチルクロロシラン(700mg、6.42mmol)、カルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)(30mg、0.18mmol)、トルエン13gを仕込み、窒素雰囲気下80℃で2時間撹拌してイソシアネート化及び重合を行った。生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去し、黄色ワニスを得た。IRスぺクトルによりカルボジイミド化を確認した(図1参照)。このポリカルボジイミドの数平均分子量(Mn)は6,000であった。
【0047】
上記ワニスの保存安定性は、30日以上であり、ワニスをガラス板上にキャスティングし、90℃にて10分間、さらに250℃で30分間乾燥して可撓性を有するフィルムを得た。得られたフィルムの熱的特性を評価したところ、熱硬化温度は360℃、5%重量減少温度は306℃及びガラス転移温度は207℃であった。
【0048】
[実施例2]
実施例1で製造したワニスを厚さ105μmの銅箔上に塗工し、90℃で30分間、次いで200℃で10分間乾燥して接着剤層の厚みが10μmの接着シートを得た。これを42アロイ板(42%Ni−Fe合金板)に貼り付け、300℃、50kg/cm2の圧力で1秒間プレスして貼り合わせた。接着力を測定したところ、1000g/cmの接着力を示した。この基材の半田耐熱試験を行ったところ、良好な接着性を示した。接着剤層のTgは140℃で、240℃における弾性率は70MPa、吸水率は0.1%であった。
【0049】
[比較例1]
2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物(混合割合90:10)5g(28.7mmol)をテトラヒドロフラン20g中でカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)43mg(0.22mmol)とともに60℃で15時間撹拌し、ポリカルボジイミド溶液を得た。このポリマーの数平均分子量は6,700であった。ポリマー溶液をガラス板上にキャスティングし、90℃で30分間乾燥して厚さ17μm、熱硬化温度300℃、Tg=53℃、Td=450℃のフィルムを作製した。このフィルムを250℃×1時間で熱処理を行うと変色し可撓性がなくなり、自己保持性を失った。
【0050】
【発明の効果】
本発明のポリカルボジイミドは有機溶媒への溶解性が高く加工性が良好で、かつ優れた耐熱性、耐湿性を示し、電子部品製造時のハンダ付け工程における耐熱性被覆材料などとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にて得られたポリカルボジイミドの赤外吸収スペクトルである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel aromatic polycarbodiimide. The aromatic polycarbodiimide of the present invention is used as a sheet (film), an adhesive or a molded product having various excellent properties such as high heat resistance and low dielectric constant.
[0002]
Conventional aromatic polycarbodiimides are known in which diphenylmethane diisocyanate (MDI) or tolylene diisocyanate (TDI) is used as a monomer and polymerized. Such polycarbodiimide is used as a flame-resistant film or a heat-resistant adhesive because of its excellent heat resistance.
[0003]
OBJECT AND SUMMARY OF THE INVENTION
These polycarbodiimide films have heat resistance in that they do not generate volatile gases or decomposition monomers even when exposed to high temperatures of 400 ° C. or higher, but they have low moisture resistance and are not self-holding when heat-treated at 200 ° C. or higher. It becomes brittle and cannot withstand practical use. Moreover, the solubility with respect to an organic solvent is scarce, and workability is also low.
[0004]
The present inventors have studied various aromatic polymers in order to eliminate the disadvantages of the conventional polycarbodiimide. As a result, the inventors have obtained the knowledge that the problem can be solved by introducing a side chain ester group into a known aromatic polycarbodiimide, and have completed the present invention.
[0005]
That is, the present invention provides the following formula (I):
[Chemical 2]
(In the formula, n represents an integer of 2 to 200, and R represents an organic group.)
The aromatic polycarbodiimide which has a structural unit represented by these is provided. In the polycarbodiimide of the present invention, it is particularly preferable that R is an alkyl group having 3 to 20 carbon atoms or a fluorinated alkyl group.
[0006]
This polymer is a novel polymer compound, has very high heat resistance with excellent solubility, and is excellent in adhesion, low-temperature workability and moisture resistance. In addition, in relation to the polycarbodiimide of the present invention, the following formula (II):
[Chemical 3]
(In the formula, n represents an integer of 2 to 200.)
Aromatic polycarbodiimides represented by the formula (1) are known (JP-A-2-923316, JP-A-4-279618). However, there is no report on the polycarbodiimide having a side chain ester group introduced as in the present invention.
[0007]
Detailed Disclosure of the Invention
The polycarbodiimide of the present invention has the following formula (III):
[Formula 4]
(Wherein R is the same as above)
Is obtained by polymerizing by a known method per se in the presence of a phosphorus catalyst.
[0008]
In the formula, R is an organic group, for example, an alicyclic group such as an alkyl group, a fluorinated alkyl group, a cyclopentyl group, a cyclohexyl group, a phenyl group, a naphthyl group, a tolyl group, a xylyl group, a mesityl group, a benzyl group, a phenethyl group, An aromatic ring such as a styryl group is exemplified, and among these, an alkyl group having 3 to 20 carbon atoms and a fluorinated alkyl group are particularly preferable. When R is an alkyl group having 3 to 20 carbon atoms or a fluorinated alkyl group, solubility is improved and heat resistance and moisture resistance are improved. Also, the use of fluorinated alkyl groups gives good results for low dielectric constant properties.
[0009]
The above diisocyanate monomers may be used alone, and other organic diisocyanates such as 2,2-bis [(4-isocyanatophenoxy) phenyl] hexafluoropropane, 4, as long as the properties of the polycarbodiimide of the present invention are not impaired. 4'-diphenylmethane diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, 1-methoxyphenyl-2,4-diisocyanate, 3,3'-dimethoxy-4,4'-diphenylmethane diisocyanate, 4, It may be copolymerized with 4′-diphenyl ether diisocyanate, 3,3′-dimethyl-4,4′-diphenyl ether diisocyanate, o-tolylene diisocyanate, or the like. The copolymerization ratio is 1 to 90 mol%, more preferably 1 to 70 mol%, and most preferably 1 to 50 mol% with respect to the diisocyanate monomer represented by the formula (III). If the copolymerization ratio exceeds 90 mol%, the properties of the polycarbodiimide of the present invention may be lost.
[0010]
The polymerization temperature is preferably 40 to 150 ° C, more preferably 50 to 140 ° C. When the reaction temperature is lower than 40 ° C., the reaction time becomes too long and is not practical. Moreover, the reaction temperature exceeding 150 ° C. makes it difficult to select a solvent.
[0011]
The diisocyanate monomer concentration in the synthesis of polycarbodiimide is 5 to 70% by weight (hereinafter simply referred to as%), preferably 10 to 60%, and most preferably 15 to 50%. If the monomer concentration is lower than 5%, carbodiimidization may not proceed. If it exceeds 70%, it may be difficult to control the reaction.
[0012]
The organic solvent used in the synthesis of the polycarbodiimide and in the polycarbodiimide solution may be a conventionally known one. Specifically, halogenated hydrocarbons such as tetrachloroethylene, 1,2-dichloroethane, chloroform and dichloromethane, ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and cyclohexanone, cyclic ether solvents such as tetrahydrofuran and dioxane, toluene and xylene Aromatic hydrocarbon solvents such as These may be used alone or in combination of two or more.
[0013]
As the catalyst used for carbodiimidization, any known phosphorus catalyst is preferably used. For example, 1-phenyl-2-phospholene-1-oxide, 3-methyl-2-phospholene-1-oxide, 1-ethyl-2 -Phosphorene oxides such as -phospholene-1-oxide, 3-methyl-1-phenyl-2-phospholene-1-oxide, or their 3-phospholene isomers.
[0014]
Further, the end-capping treatment may be carried out by adding monoisocyanate at any of the final stage, middle stage and initial stage of the polymerization reaction, or over the whole. As such monoisocyanate, phenyl isocyanate, p-nitrophenyl isocyanate, p- and m-tolyl isocyanate, p-formylphenyl isocyanate, p-isopropylphenyl isocyanate and the like can be used. The polycarbodiimide solution thus obtained is excellent in storage stability of the solution.
[0015]
Further, after the reaction is completed, the reaction solution may be poured into a poor solvent such as methanol, ethanol, hexane, etc., and polycarbodiimide may be precipitated as a precipitate to remove unreacted monomers and catalysts. In order to prepare a solution of polycarbodiimide, the polymer deposited as a precipitate is washed and dried by a predetermined operation, and dissolved again in an organic solvent. By performing such an operation, the solution stability of polycarbodiimide can be improved.
[0016]
Further, the by-product contained in the polymer solution may be adsorbed on an appropriate adsorbent and purified. As the adsorbent, for example, alumina gel, silica gel, activated carbon, zeolite, activated magnesium oxide, activated bauxite, fruct earth, activated clay, molecular sieve carbon and the like can be used alone or in combination.
[0017]
The molecular weight of the polycarbodiimide of the present invention is 700 to 70,000, preferably 2,600 to 13,000 in terms of number average molecular weight. That is, in the formula (I), n is an integer of 2 to 200, preferably an integer of 8 to 40. If the molecular weight of the polycarbodiimide is too high, gelation easily occurs in several minutes to several hours even when left at room temperature, which is not preferable in practice. On the other hand, if the molecular weight is too low, the film is not reliable, which is not preferable.
[0018]
(Manufacture of films and adhesive sheets)
The polycarbodiimide film (or sheet) of the present invention can be obtained by forming a polycarbodiimide varnish to an appropriate thickness using a known method (casting, spin coating, roll coating, etc.). The film is usually dried at a temperature necessary for removing the solvent, and the coating temperature is, for example, 20 to 350 ° C., preferably 50 to 250 ° C., most preferably dried so that the curing reaction does not proceed so much. Is 70-200 ° C. When the drying temperature is lower than 20 ° C., the solvent remains in the film, and the reliability of the film becomes poor. On the other hand, if the drying temperature is higher than 350 ° C., the film is likely to be thermally cured.
[0019]
You may mix | blend a fine inorganic filler with the polycarbodiimide resin composition of this invention in the range which does not impair the workability and heat resistance. Moreover, you may add various additives, such as a smoothing agent, leveling agent, and a defoaming agent for giving surface smoothness as needed.
[0020]
A molded product obtained by molding the polymer of the present invention into a film can be used as a heat-resistant adhesive sheet. The sheet thickness that can be formed into a film or an adhesive sheet is generally 1 to 200 μm, but is not limited thereto and can be appropriately selected depending on the purpose. In addition, the shape and size of the sheet can be appropriately determined according to the adherend such as a lead frame or a semiconductor chip.
[0021]
When manufacturing an adhesive sheet, for example, aluminum, copper, silver, gold, nickel, chromium, lead, tin, etc. in order to impart conductivity, improve thermal conductivity, adjust the elastic modulus, particularly increase the elastic modulus Various inorganic powders composed of metals such as zinc, palladium, solder, or alloys, ceramics such as alumina, silica, magnesia, and silicon nitride, and other carbons may be blended as needed.
[0022]
Furthermore, these films may be formed on a support to form an adhesive sheet. In order to produce an adhesive sheet having such a configuration, a varnish may be applied on a support, or a film may be formed in advance and laminated by a press or the like.
[0023]
Examples of the support used here include a metal foil and an insulating film. As the metal foil, any of aluminum, copper, silver, gold, nickel, indium, chromium, lead, tin, zinc, palladium and the like may be used, and these may be used alone or as an alloy. As the insulating film, any film having heat resistance and chemical resistance such as polyimide, polyester, polyethylene terephthalate, etc. can be used.
[0024]
In addition, the metal foil and the insulating film may be used alone, or a two-layer substrate such as a metal foil / insulating film in which two or more layers are laminated may be used. Examples of such a two-layer base material include a copper / polyimide two-layer base material.
[0025]
The sheet-like adhesive of the present invention is thermally cured by heat treatment and exhibits a strong adhesive force, and becomes a low hygroscopic cured product. In order to perform the heat treatment, an appropriate method such as a heater, an ultrasonic wave, or an ultraviolet ray may be used. Therefore, the adhesive sheet of the present invention is preferable for the adhesion treatment of various materials, and particularly requires a highly reliable fixing treatment. Therefore, the electrical and electronic devices typified by semiconductor chips and lead frames that need to have low moisture absorption. It is preferable for fixing the parts. The adhesive sheet of the present invention is excellent in that it has low hygroscopicity, is flexible and easy to handle, has good adhesion to semiconductor elements, and has good storage stability.
[0026]
(Use)
The polycarbodiimide resin thus produced can also be used as an adhesive for electronic components by utilizing its heat resistance.
[0027]
(monomer)
Next, a method for producing the monomer of the polycarbodiimide of the present invention will also be described.
[0028]
The diisocyanate compound that is a raw material of the polycarbodiimide of the present invention, (formula (III)) is a precursor of the following formula (IV):
[Chemical formula 5]
(In the formula, R means an alkyl group having 3 to 20 carbon atoms or a fluorinated alkyl group.)
Can be produced by diisocyanating by a method known per se.
[0029]
Such esterified diamines can be obtained by reacting dinitrobenzoic acid chloride with an alcohol as described in M. Marek Jr. et.al., Macromol. Rapid. Commun., 19, 53 (1998). After esterifying the group, it can be prepared by reducing the nitro group.
[0030]
Examples of the diisocyanation method for such esterified diamine compounds include a method in which phosgene, diphenyl carbonate, or carbonyldiimidazole is allowed to act. Further, as another method, a diamine compound is once dicarbamate using a halogenated alkylformate or a halogenated arylformate, and then diisocyanated using chlorosilane as a catalyst (G. Greber. Et.al. , Angew. Chem. Int. Ed., Vol. 17, No. 12, 941 (1968)) and a method of diisocyanation using catecholborane (VLKValli. Et.al., J. Org. Chem., Vol. 60,257 (1995)), which is more preferable from the viewpoint of yield and safety.
[0031]
Another method for producing diisocyanate compounds is to use diaminobenzoic acid as a raw material to react with trimethylchlorosilane and triethylamine to form a diaminobenzoic acid silylated compound, which is then reacted with phenylchloroformate to synthesize diaminobenzoic acid dicarbamate. Then, a production method through esterified dicarbamate produced by coupling of an alcohol and a dicarbamate carboxyl group using a condensing agent such as N, N′-dicyclohexylcarbodiimide or N, N′-carbonyldiimidazole is mentioned. It is done.
[0032]
In such a production method, the reaction temperature during silylation is preferably 40 to 150 ° C, more preferably 50 to 140 ° C. When the reaction temperature is lower than 40 ° C., the reaction time becomes too long and is not practical. If the temperature exceeds 150 ° C., it is difficult to select a solvent. The reaction temperature at the next dicarbamate formation is preferably -20 to 90 ° C, more preferably -10 to 80 ° C. When the reaction temperature is lower than −20 ° C., the reaction time becomes too long and is not practical. Moreover, when it exceeds 90 degreeC, a by-product will increase and will cause a yield fall. Next, the reaction temperature at the time of side chain introduction, that is, esterification, is preferably -20 to 90 ° C, more preferably -10 to 80 ° C. When the reaction temperature is lower than −2 ° C., the reaction time becomes too long and is not practical. Moreover, when it exceeds 90 degreeC, a by-product will increase and will cause a yield fall.
[0033]
In the dicarbamination and side chain introduction reaction, the raw material concentration is 5 to 70% by weight (hereinafter simply referred to as%), preferably 10 to 60%, and most preferably 15 to 50%. If the concentration is lower than 5%, the reaction may progress slowly. If it exceeds 70%, it may be difficult to control the reaction.
[0034]
The organic solvent at the time of dicarbamation may be a conventionally known one. Specifically, halogenated hydrocarbons such as dichloromethane, tetrachloroethylene, 1,2-dichloroethane and chloroform, ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and cyclohexanone, cyclic ether solvents such as tetrahydrofuran and dioxane, toluene and xylene Aromatic hydrocarbon solvents such as These may be used alone or in combination of two or more. In addition to the solvent used for dicarbamination, an aprotic solvent such as dimethylformamide, dimethyl sulfoxide, hexamethylphosphorotriamide, or the like may be used as the organic solvent for introducing the side chain. These may be used alone or in combination of two or more.
[0035]
The synthesis method of ester compounds by condensation of alcohol and carboxylic acid is generally a method using an acid catalyst, a method using a condensing agent, a method using o-alkylation, a method of synthesizing from a carboxylate, and a method of synthesizing from an acid anhydride. And a method of synthesizing from an acid halide. Among these, a method using a condensing agent is preferably used for introducing a side chain by esterification reaction. As the condensing agent, for example, N, N′-dicyclohexylcarbodiimide, N, N′-carbonyldiimidazole or the like is used.
[0036]
The dicarbamation, side chain introduction, diisocyanation, and carbodiimidization of the diamine may be isolated and purified in each step, and may be advanced step by step. These steps may be performed in one reaction vessel. You may perform as a series of reaction succeedingly.
[0037]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples. In addition, the characteristic of the obtained polycarbodiimide was measured as follows.
[0038]
IR
Measurement was performed using FT / IR-230 manufactured by JEOL.
[0039]
Thermosetting temperature and glass transition temperature (Tg)
It was measured using DSC-200 (manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd.), and the exothermic peak of trimerization was defined as the thermosetting temperature.
[0040]
Thermal decomposition start temperature (Td)
Measured using TG / DTA 300 (manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd.), the 5% weight loss temperature was Td.
[0041]
Number average molecular weight HLC8120 (manufactured by Tosoh Corp.) was used as an apparatus, GMH HR-H + GMH HR-H + G2000H HR (manufactured by Tosoh Corp.) was used as a column, and tetrahydrofuran was used as a developing solvent.
[0042]
Adhesive strength 180 ° peel strength was measured using Shimadzu Autograph AGS-100D.
[0043]
[Production Example 1]
In a 500 mL four-necked flask equipped with a stirrer, a dropping funnel, and a condenser, 3,5-diaminobenzoic acid (10.0 g, 0.066 mol), triethylamine (20.0 g, 0.197 mol), trimethylchlorosilane (21.4 g, 0.197 mol) and 253 g of toluene were charged and stirred at 80 ° C. for 2 hours under a nitrogen atmosphere to obtain a silylated compound of 3,5-diaminobenzoic acid. After cooling to room temperature, phenyl chloroformate (20.6 g, 0.131 mol) was added to the dropping funnel, and the mixture was added dropwise over about 60 minutes in a water bath and stirred overnight at room temperature.
[0044]
The produced triethylamine hydrochloride was removed by washing with water, and the resulting urethanized compound was extracted with ethyl acetate. The organic phase was dried over anhydrous magnesium sulfate and the solvent was distilled off to obtain a crude product. This was redissolved in methanol and poured into water with stirring. The precipitated solid was collected and dried under reduced pressure at 40 ° C. to obtain 20.8 g (yield 81%) of 3,5-bis (phenylcarbamate) benzoic acid as a pale red powder.
[0045]
Subsequently, the 3,5-bis (phenylcarbamate) benzoic acid (11.0 g, 28.0 mmol) obtained above and carbonyldiimidazole (4.6 g) were added to a 300 mL three-necked flask equipped with a stirrer and a dropping funnel. , 28.0 mmol) and 60 g of tetrahydrofuran were charged and the mixture was stirred in an ice bath for 1 hour. Thereto, 45 g of a tetrahydrofuran solution containing 1-dodecanol (5.2 g, 28.0 mmol) and triethylamine (2.8 g, 28.0 mmol) was slowly added dropwise, stirred in an ice bath for 4 hours, and returned to room temperature. The mixture was further stirred overnight. The reaction product was extracted into dichloromethane, and the organic layer was washed with 0.5N hydrochloric acid, saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and saturated brine in this order. The organic layer was dried over magnesium sulfate and concentrated under reduced pressure to obtain a crude product. The desired product was separated and purified by column chromatography using silica gel (developed with n-hexane: ethyl acetate = 4: 1). . Furthermore, recrystallization was performed with a toluene-n-hexane system to obtain 5.4 g (yield 40%) of 1-dodecyl-3,5-bis (phenylcarbamate) benzoate as white crystals.
[0046]
[Example 1]
(Polycarbodiimidization of 1-dodecyl-3,5-bis (phenylcarbamate) benzoate)
In a 100 mL flask equipped with a stirrer and a condenser, 1-dodecyl-3,5-bis (phenylcarbamate) benzoate (2 g, 3.57 mmol), triethylamine (650 mg, 6.42 mmol), trimethylchlorosilane (700 mg, 6.42 mmol), a carbodiimidization catalyst (3-methyl-1-phenyl-2-phospholene-1-oxide) (30 mg, 0.18 mmol), and 13 g of toluene were added, and the mixture was stirred at 80 ° C. for 2 hours under a nitrogen atmosphere. And polymerization. The generated triethylamine hydrochloride was removed by filtration to obtain a yellow varnish. Carbodiimidation was confirmed by IR spectrum (see FIG. 1). The number average molecular weight (Mn) of this polycarbodiimide was 6,000.
[0047]
The storage stability of the varnish was 30 days or more, and the varnish was cast on a glass plate and dried at 90 ° C. for 10 minutes and further at 250 ° C. for 30 minutes to obtain a flexible film. When the thermal characteristics of the obtained film were evaluated, the thermosetting temperature was 360 ° C., the 5% weight loss temperature was 306 ° C., and the glass transition temperature was 207 ° C.
[0048]
[Example 2]
The varnish produced in Example 1 was coated on a 105 μm thick copper foil and dried at 90 ° C. for 30 minutes and then at 200 ° C. for 10 minutes to obtain an adhesive sheet having an adhesive layer thickness of 10 μm. This was affixed to a 42 alloy plate (42% Ni-Fe alloy plate) and pressed and bonded for 1 second at 300 ° C. and a pressure of 50 kg / cm 2 . When the adhesive strength was measured, it showed an adhesive strength of 1000 g / cm. When this substrate was subjected to a solder heat resistance test, it showed good adhesion. The adhesive layer had a Tg of 140 ° C., an elastic modulus at 240 ° C. of 70 MPa, and a water absorption rate of 0.1%.
[0049]
[Comparative Example 1]
5 g (28.7 mmol) of 2,4-tolylene diisocyanate / 2,6-tolylene diisocyanate mixture (mixing ratio 90:10) was added to 20 g of tetrahydrofuran in a carbodiimidization catalyst (3-methyl-1-phenyl-2-phospholene-1). -Oxide) 43 mg (0.22 mmol) and stirred at 60 ° C. for 15 hours to obtain a polycarbodiimide solution. The number average molecular weight of this polymer was 6,700. The polymer solution was cast on a glass plate and dried at 90 ° C. for 30 minutes to produce a film having a thickness of 17 μm, a thermosetting temperature of 300 ° C., Tg = 53 ° C., and Td = 450 ° C. When this film was heat-treated at 250 ° C. for 1 hour, it discolored and lost flexibility and lost its self-holding property.
[0050]
【The invention's effect】
The polycarbodiimide of the present invention has high solubility in an organic solvent, good processability, excellent heat resistance and moisture resistance, and can be used as a heat resistant coating material in a soldering process during the manufacture of electronic components. .
[Brief description of the drawings]
1 is an infrared absorption spectrum of polycarbodiimide obtained in Example 1. FIG.
Claims (4)
で表される構成単位を有する芳香族ポリカルボジイミド。Formula (I):
An aromatic polycarbodiimide having a structural unit represented by:
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