JP3892253B2 - 薬剤滴下塗布器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医科歯科治療に際して、口腔内等の非常に狭い部位に薬剤を正確に滴下塗布するための薬剤滴下塗布器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科治療において、たとえば、口腔内の一部を局所麻酔するために比較的粘性の高い麻酔剤を塗布するような場合には、細い棒の先端に取り付けた綿球に麻酔剤を付着させ、この綿球を所望の部位に押し当てることにより、麻酔剤を塗布していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような方法では、粘性の高い麻酔剤であると、綿球から麻酔剤が離れにくいうえ、綿球が必用以上の広い範囲に接触したりするので、麻酔剤を所望の部位のみに適切な量だけ塗布することは困難であった。しかも、この方法では、綿球に多量の麻酔剤が残ってしまい、不経済でもあった。
【0004】
このような問題を解消するために、発明者は、図2に示したようなデンタルシリンジ10を用いて、薬剤滴下塗布の実験をしてみた。デンタルシリンジ10は、シリンダ1と、シリンダ1の一端8に設けられた注ぎ管2と、シリンダ1内に摺動可能に挿入され前記シリンダ1内壁との間に適切な摩擦力を有し所定以上の力で押されない限り移動しないピストン3と、一端9がピストン3に固定され他端がシリンダ1の他端から突出した断面十字形のピストンロッド4と、シリンダ1の他端およびピストンロッド4の他端に夫々設けられた指掛け部5、6からなっている。
【0005】
ここで、シリンダ1の一端8とピストン3との間に麻酔剤等の薬剤7を充填し、この注ぎ管2の先端を口腔内の所望の部位に近接させてから、両指掛け部5、6間に力を加えることにより、ピストン3を押し込んで、薬剤7を滴下塗布させる。すると、容易に所望の狭い部位に正確に必要なだけの薬剤7を滴下塗布することができ、しかも使用する薬剤7を1/4程度に減らすことができ、極めて経済的であった。
【0006】
しかしながら、前述のようなデンタルシリンジ10を用いると、口腔内には病原菌が存在することがあり、デンタルシリンジ10を介して病原菌の院内感染が発生する恐れがある。このため、デンタルシリンジ10を使用の前後に消毒する必要があり、また、誤ってピストンロッドを引いてしまうと、唾液とともに病原菌を注ぎ管2から吸い込んでしまう恐れがあり、非常に慎重に薬剤滴下塗布作業をしなければならず、この作業が煩わしいという問題があった。
【0007】
そこで、所望の狭い部位に正確に必要なだけの薬剤を容易に滴下塗布できるようにするとともに、病原菌の院内感染を起こしにくくした安全な薬剤滴下塗布器を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、請求項1に係る発明の医科歯科治療用の薬剤滴下塗布器では、シリンダと、該シリンダの一端に設けられた注ぎ管と、前記シリンダ内に摺動可能に挿入され前記シリンダ内壁との間に適切な摩擦力を有した逆動防止ピストンと、前記シリンダ内に摺動可能に挿入され前記シリンダ内壁との間に適切な摩擦力を有した押圧ピストンと、一端が該押圧ピストンに固定され他端が前記シリンダの他端から突出したピストンロッドと、前記注ぎ管に被せられ先端が閉鎖部とされた中空管状のキャップとを備え、前記シリンダの一端と前記逆動防止ピストンとの間に薬剤が充填され、前記押圧ピストンには該押圧ピストンと前記逆動防止ピストンとの間の空間を外部に連通する連通部が設けられ、前記キャップは前記閉鎖部を切り落とし可能にされたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記キャップは、先端へ行くほど細くなっていて、先端の閉鎖部を切り落とすときの切断位置により、薬剤滴下量を調節可能としたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に係る発明において、前記注ぎ管は前記シリンダの中心線から一方側へ曲がっていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1に示した本発明の一実施例の薬剤滴下塗布器11は、透明又は半透明の材料からなるシリンダ1と、シリンダ1の一端8に設けられ注ぎ管2と、シリンダ3内壁との間に適切な摩擦力を有しており所定以上の力で押されない限り移動しないゴム製の逆動防止ピストン12と、シリンダ1内壁と適切な摩擦力を有しており所定以上の力で押されない限り移動しないゴム製の押圧ピストン13と、押圧ピストン13に一端9が固定され、他端がシリンダ1の他端から突出した断面十字形のピストンロッド4と、シリンダ1の他端とピストンロッド4の他端に夫々一体的に設けられた指掛け部5、6とからなっている。
【0016】
押圧ピストン13には、図1、図3又は図4から分るように、軸方向に沿う溝18又は孔19等の連通部が設けてあり、逆流防止ピストン12と押圧ピストン13間の空間20は外部と連通されており、誤ってピストンロッド4が引かれて押圧ピストンが移動しても、空間20内が負圧にならないように外部から空気が流入するようにして、逆流防止ピストン12が押圧ピストン13とともに移動することを確実に防止している。
【0017】
注ぎ管2は、シリンダ1と一体に形成され、先端へ行くほど細くなった内径0.1−2.0mm程度中空管であり、シリンダ1の中心線から約15−90°程度、望ましくは35°程度の方向を向くように円弧状に曲がっており、口腔内の所望の部位に注ぎ管2の先端を近接させ易くなっている。この注ぎ管2の内径は、薬剤7の粘度によって決まり、一般に粘度が低い程細くする。注ぎ管2には、先端が閉鎖部17とされた中空管状の柔らかい材料のキャップ15が被せられる。
【0018】
薬剤7は、シリンダ1の一端8と逆動防止ピストン12との間に充填される。この薬剤7の充填は衛生的な工場で行う。シリンダ1内には逆動防止ピストン12が挿入してあるので、薬剤7を使い切った後に、工場に比べて病原菌の存在する可能性の高い病院等においては、薬剤7の再充填が簡単にできないようになっていて、病原菌の院内感染の可能性を少なくしている。
【0019】
この薬剤滴下塗布器11は、使用するときは、キャップ15を外して使用することも可能であるが、通常はキャップ15を外さずに、キャップ15の先端の切断線16a又は16bに沿って閉鎖部17を鋏で切り落とす。この際、粘度の低い薬剤の場合は、切断線16aに沿って切断して、開口面積を小さくし、粘度の高い薬剤の場合は、切断線16bに沿って切断して、開口面積を大きくする。キャップ15の先端を開口させると、キャップ15の先端を薬剤塗布したい部位に近づけてから、両指掛け部5、6間に力を加える。すると、両指掛け部5、6に加わった力は、ピストンロッド4と押圧ピストン13を介して、逆動防止ピストン12を移動させるので、キャップ15の先端から所望の狭い部位に正確に必要なだけの薬剤7を容易に滴下塗布できる。
【0020】
この際、誤ってピストンロッド4を引いてしまっても、逆動防止ピストン12はシリンダ1内壁との摩擦力のため戻らないので、唾液とともに病原菌を吸い込んでしまう恐れがないので、薬剤滴下塗布作業中の過度の負担がなく、この作業を容易に行える。また、使用後のキャップ15は、先端が開口しているので、使い捨てにしなければならず、使用後は新しいキャップ15を注ぎ管2に被せる。このため、使用後にキャップ15及び注ぎ管2をいちいち消毒する煩わしさがなく、キャップ15に病原菌が付着しても院内感染を防止できる。このように、本実施例の薬剤滴下塗布器11は、安全で薬剤滴下塗布が容易なものである。
【0021】
ところで、本発明は、前記実施例に限るものではなく、種々の変形は可能である。たとえば、薬剤としては、歯科用麻酔剤に限らず、種々の治療に用いる任意の薬剤を充填できる。また、逆動防止ピストン12と押圧ピストン13は、ゴム製でなくても、プラスチック等の適当な弾性材料でもよく、押圧ピストン13とピストンロッド4は一体に形成してもよい。さらに、ピストンロッド4の断面は、十字形でなく、円筒形等の適宜形状でもよく、注ぎ管2は、円弧状ではなく、への字状に折り曲げてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明の医科歯科治療用の薬剤滴下塗布器においては、薬剤をシリンダの一端と逆動防止ピストンとの間に充填しているので、病院内で薬剤の充填をする必要がなく便利であるうえ、病院内で薬剤を充填することによる院内感染の危険性を小さくできるので安全である。もし、誤ってピストンロッドを引いてしまっても、押圧ピストンに逆動防止ピストンと押圧ピストンとの間の空間を外部に連通する連通部を設けたので、逆動防止ピストンはシリンダ内壁との摩擦力のため戻らず、唾液とともに病原菌をシリンダ内に吸い込んでしまう恐れがなく、この薬剤滴下塗布器を介する病原菌の院内感染をいっそう起こしにくく安全である。また、シリンダ内には逆動防止ピストンが挿入してあるので、薬剤を使いきった後には、病院等において薬剤の再充填が簡単にできないようにして、院内感染の危険性をさらに小さくしている。しかも、この薬剤滴下塗布器には注ぎ管が設けられていて、注ぎ管を所望の部位へ近接できるので、所望の狭い部位に正確に必要なだけの薬剤を容易に滴下塗布できる。
【0024】
さらに、請求項1に係る発明によれば、使用するときは、キャップを注ぎ管から外さずに、キャップの先端の閉鎖部を切り落として使用し、使用後は新しいキャップに交換できるから、使用後にキャップ及び注ぎ管をいちいち消毒する煩わしさがなく、キャップ又は注ぎ管に不着した病原菌による院内感染を防止でき、安全である。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、さらに、キャップは、先端へ行くほど細くされており、先端の閉鎖部を切り落とすときの切断位置により薬剤滴下塗布量を調節可能にしてあるので、所望の狭い部位に正確に必要なだけの薬剤をいっそう容易に滴下塗布できる。
【0026】
請求項3に係る発明によれば、さらに、注ぎ管が曲がっているため、キャップ先端を口腔内の所望の部位に近接させ易くなるので、所望の狭い部位に正確に必要なだけの薬剤をいっそう容易に滴下塗布できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施例の薬剤滴下塗布器を示す図である。
【図2】本発明者が最初に思い付いて使用した薬剤滴下塗布器を示す図である。
【図3】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図4】図1におけるA−A線に沿う別の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 注ぎ管
4 ピストンロッド
7 薬剤
11 薬剤滴下塗布器
12 逆動防止ピストン
13 押圧ピストン
15 キャップ
16a,16b 切断線
17 閉鎖部
18 溝(連通部)
19 孔(連通部)
Claims (3)
- シリンダと、該シリンダの一端に設けられた注ぎ管と、前記シリンダ内に摺動可能に挿入され前記シリンダ内壁との間に適切な摩擦力を有した逆動防止ピストンと、前記シリンダ内に摺動可能に挿入され前記シリンダ内壁との間に適切な摩擦力を有した押圧ピストンと、一端が該押圧ピストンに固定され他端が前記シリンダの他端から突出したピストンロッドと、前記注ぎ管に被せられ先端が閉鎖部とされた中空管状のキャップとを備え、
前記シリンダの一端と前記逆動防止ピストンとの間に薬剤が充填され、前記押圧ピストンには該押圧ピストンと前記逆動防止ピストンとの間の空間を外部に連通する連通部が設けられ、前記キャップは前記閉鎖部を切り落とし可能にされたことを特徴とする医科歯科治療用の薬剤滴下塗布器。 - 前記キャップは、先端へ行くほど細くなっていて、先端の閉鎖部を切り落とすときの切断位置により、薬剤滴下量を調節可能としたことを特徴とする請求項1に記載の医科歯科治療用の薬剤滴下塗布器。
- 前記注ぎ管は前記シリンダの中心線から一方側へ曲がっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医科歯科治療用の薬剤滴下塗布器。
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