JP3891509B2 - Reduced protein derived from higher animal hair or aqueous medium dispersion thereof and method for producing the same - Google Patents

Reduced protein derived from higher animal hair or aqueous medium dispersion thereof and method for producing the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高等動物体毛由来の還元タンパク質またはその水性媒体分散物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、高分子量成分が多く、かつ架橋可能なチオール基を有し、しかも生分解性を有する高等動物体毛由来の還元タンパク質またはその水性媒体分散物およびその製造方法に関する。本発明によって得られる還元タンパク質は、架橋可能なチオール基を有することと、高分子量成分が多いという特性を利用して、たとえば膜、フィルム、繊維、スポンジなどの高分子成形品の製造に好適に使用され、それらの高分子成形品は、生分解性を有していて、投棄された場合、微生物によって分解するので、自然環境の保護に役立つという優れた特性を有している。
【0002】
【従来の技術】
人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛は外層と内層に分けられる。外層はスケールと呼ばれる薄い板状のクチクル細胞であり、内層はケラチンタンパク(蛋白)質を主成分とするコルテックス細胞から成っている。
上記のような高等動物体毛を還元抽出して得られるケラチンペプチドやその誘導体は、既に毛髪化粧料、繊維染色剤、織物改質剤などの配合剤として利用されている。
【0003】
また、毛髪、羊毛などの組織中に構造タンパクとして存在するケラチンは、従来から、フィルム、繊維などの産業素材原料として注目されてきた。しかしながら、ケラチンは、通常の溶媒に対して不溶ないしは難溶であるため、溶液状態を経て二次加工に利用するには、加水分解により大幅に短分子量化するか、あるいはケラチンのジスルフィド結合の還元処理をするか、あるいは生成したチオール基の化学処理(アルキル化反応など)による不可逆的修飾を施さなければ利用することができなかった。
【0004】
すなわち、これまで、ケラチンを溶液状態を経て二次加工に利用するには、羊毛などのケラチン含有物質を酸、アルカリまたは酵素により加水分解して短分子量化したケラチン加水分解物の水溶液として利用するか、あるいは還元剤と尿素などのタンパク質変成剤との共用によりケラチンのジスルフィド結合をチオール基に還元して生成した還元ケラチンの水溶液として利用するか、あるいは上記の還元ケラチンのチオール基の再結合防止のためにモノヨード酢酸によりアルキル化誘導体にするか、あるいは亜硫酸ナトリウム/テトラチオン酸ナトリウムによりS−SO3 −Na+ 化することによって不可逆的に化学修飾したケラチン誘導体の水溶液として利用されてきた。
【0005】
一方、高等動物体毛の10〜20重量%を占めるスケールはエキソクチクルとエンドクチクルを主成分とするが、これらのクチクル細胞由来のタンパク質はタンパク質分子間のイソペプチド結合やホスホアミド結合によって架橋されている上に、アミノ酸としてハーフシステインを多量に含んでいて(エキソクチクルでは全アミノ酸の20〜30モル%を占める)、タンパク質分子間をジスルフィド結合(S−S)によって架橋しているため、化学薬品に対して高い抵抗性を示し、かつ、いかなる溶媒に対しても不溶であり、このクチクル細胞由来のタンパク質を産業用素材として利用しようとする試みを阻む原因となっていた。
【0006】
これらのケラチンタンパク質やクチクル細胞由来のタンパク質を産業用素材として利用する方法として、本発明者は、特開平6−100500号公報において高分子量の還元ケラチンの製造方法を開示し、また、クチクル細胞由来のタンパク質の利用に関しては特開平6−336499号公報において動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパクの製造方法を開示してきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報における製造方法では、可溶性の還元ケラチンタンパクと不溶性の還元クチクルタンパクを分離する必要があり、製造工程が複雑になり、そのぶん収率も低下するという問題があった。
また、還元クチクルタンパクは不透明なため、この還元クチクルタンパクから得られるフィルムは、還元ケラチンタンパクから得られるフィルムのような透明性を有しないという問題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記事情に鑑み、人毛、羊毛、羽毛などの高等動物体毛由来のタンパク質を還元して得られる還元タンパク質の製造方法の効率化と上記還元タンパク質の高品質化について鋭意検討を重ねた結果、高等動物体毛を水性媒体中、タンパク質変成剤の存在下またはタンパク質変成剤と界面活性剤の存在下で、還元剤で還元し、還元ケラチンと還元クチクルとが混在したまま、還元剤の存在下で、ミキサーやホモジナイザーなどで細片化し、密栓容器に移して50〜100℃で1日以上加温熟成させるか、または上記加温熟成後、細片化すると、還元クチクルを主成分とする不溶部の大部分が液状化し、この液状流動物を透析、塩析、沈殿などにより水可溶性物質を分離して精製することにより、還元タンパクを生産性よく製造することができ、しかも得られた還元タンパクから作製されるフィルムが、透明度や膜強度に優れていることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0009】
すなわち、高等動物体毛を上記のように水性媒体中で還元すると、還元された還元ケラチンは水性媒体中に溶解し、ケラチンを包んでいたキューティクルなどは不溶物として水性媒体中に存在するが、この混合液状物をミキサーやホモジナイザーなどで細片化し、密栓容器に移して加温して熟成させるか、または加温熟成した後、細片化すると、還元クチクルを主成分とする不溶物は徐々に溶解する。そこで、この不溶物が溶解して液状化した液状流動物を透析、塩析または沈殿処理などの方法で、液状流動物中に含まれている還元剤、タンパク質変成剤、界面活性剤などを除去して精製すると、タンパク質が還元された状態を保持したまま、すなわち、還元したときに生成したチオール基がほぼ保持された状態で還元タンパクを得ることができる。
【0010】
上記方法によれば、分子量が10,000〜130,000のものを主成分とし、アミノ酸100残基当り4〜16個のシステインを有する還元タンパクが得られる。そして、その収率は人間の毛髪や羊毛などを出発原料とする場合60〜90%に達する。
【0011】
ここで、上記の還元タンパクがアミノ酸100残基当り4〜16個のシステインを有することと、還元タンパクがその還元状態をほぼ保持したまま、つまり還元により生成したチオール基をほぼ保持した状態で得られることとの関係について説明すると、次の通りである。
高等動物体毛由来のタンパク質は、その含有物質の種類によって多少異なるが、アミノ酸分析すると、一般にアミノ酸100残基当り2〜8個のシスチン(ハーフシスチンとしては4〜16個)を含んでいる。そこで、このタンパク質を還元すると、シスチン中のジスルフィド結合(−S−S結合)が開裂してチオール基(SH基)になり、シスチンはシステインになる。
【0012】
したがって、本発明により得られる還元タンパクは、高等動物体毛由来のタンパク質に応じて、アミノ酸100残基当り4〜16個のシステインを有しており、これは還元タンパクが還元により生成したチオール基をほぼ保持した状態で得られたことに相当する。また、得られる還元タンパクの分子量範囲は、分子量分析の手段により異なるが、透析による分離精製法では約10,000〜130,000、塩析または沈殿による分離精製法では約2,000〜130,000である。
【0013】
本発明において還元タンパクとは、還元工程を経て得られたものをいうが、その還元によりタンパク中のシスチンのすべてが還元されているということを意味するものではなく、タンパク中のシスチンの一部が還元されることなく残存しているものであってもよい。
そして、上記のようにして得られた還元タンパクは凍結乾燥法などの手段により粉末にしたり、あるいは必要に応じて少量の界面活性剤と酸化防止のための還元剤を添加した水またはアルコール水溶液などの水性媒体に溶解または分散することによって、還元タンパクの水性媒体分散物とすることができる。
【0014】
上記還元タンパクは、ケラチン細胞およびクチクル細胞由来のタンパク質を還元処理してジスルフィド結合(S−S結合)をチオール基(SH基)へと変換したものであり、上記チオール基は反応性が高く、容易に酸化されてジスルフィド結合を再生するので、上記還元タンパクを酸化して重合させ、フィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒などのタンパク質の高分子成形品にすることができ、また、その造膜性を利用して化粧品用配合剤として利用できる。
【0015】
そして、上記還元タンパクを酸化重合させて得られる高分子は、ポリエチレンなどの石油系ポリマーとは異なり、生分解性を有しているので、上記のような還元タンパクから得られるフィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒などの高分子成形品は、投棄された場合、土壌中の微生物によって速やかに分解されるので、自然環境の保護にも役立つという優れた特性を有している。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、還元タンパクを得るにあたり、出発原料として用いる高等動物体毛としては、ケラチンやクチクル細胞を含むものであればよく、たとえば、人毛(人間の毛髪)、羊毛、馬毛、牛毛などの獣毛、鶏などの鳥類の羽毛などが挙げられる。
上記の水性媒体は、水単独か、または水と水混和性の有機溶媒との混合溶媒であってもよく、そのような混合溶媒を用いる場合は、含水率が50重量%以上のものが好ましく、特に含水率が80重量%以上のものが好ましい。上記水混和性の有機溶媒としては、たとえばメタノール、エタノールなどの低級脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0017】
還元剤は、高等動物体毛由来のタンパク質中のジスルフィド結合を還元してチオール基に変換する作用をするものであり、この還元剤としては、たとえば2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ジチオスレイトール、ジチオエリトリトールなどのチオール化合物、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィンなどの有機リン化合物、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元能力を持つ無機化合物などが挙げられる。
これらの還元剤の使用量は、高等動物体毛に対する割合で示すと、通常、高等動物体毛10gに対して0.02〜0.5モルであることが好ましく、特に還元反応の効率と経済性を考慮すると、高等動物体毛10gに対して0.05〜0.2モルが好ましい。
【0018】
タンパク質変成剤は、高等動物体毛由来のタンパク質中の水素結合を切断する作用を有するもので、その具体例としては、たとえば尿素、チオ尿素、グアニジン、アコ銅アンモニア錯体(〔Cu(NH3 2 〕〔OH〕)などが好適なものとして挙げられる。
このタンパク質変成剤の使用にあたっては、タンパク質に対して溶解作用をもつ水酸化ナトリウム、アンモニアなどのアルカリ、塩化亜鉛、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウムなどの無機塩を溶解助剤として用いてもよい。
このタンパク質変成剤の濃度と使用量は、高等動物体毛由来のタンパク質の溶解性などを考慮して決定するのが適しているが、通常、高等動物体毛に対して3〜10mol/l濃度のものを3〜40倍重量、特に5〜8mol/l濃度のものを5〜20倍重量使用することが好ましい。
【0019】
本発明において、還元工程は、上記のようなタンパク質変成剤の存在下、またはタンパク質変成剤と界面活性剤の存在下で行われるが、後者のように界面活性剤を共存させた場合は、還元速度が速くなり、高等動物体毛からの還元タンパクの抽出速度が向上する。
上記界面活性剤としては、下記のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤のいずれも用いることができる。
【0020】
アニオン界面活性剤としては、たとえばドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、たとえば次式で示されるカチオン界面活性剤などが挙げられる。
〔R1 ・R2 ・R3 ・R4 N〕+ -
〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 のうち1個または2個は直鎖もしくは分岐鎖を有する炭素数8〜20のアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、残余は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基またはベンジル基である。Xはハロゲン原子、炭素数1〜2個のアルキル硫酸基またはアルキルピリジニウムハライドなどの芳香族四級アミン塩などである〕。
【0021】
両性界面活性剤としては、たとえば脂肪族アミンのN−カルボキシメチル体、N−スルホアルキル化体、イミダゾリンスルホン酸などのベタイン系の両性界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基またはアシル基、対イオンはアルカリ金属などである)などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル型、脂肪酸エステル型、ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンエーテル型、ポリグリセリンエステル型などのノニオン界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基またはアシル基である)などが挙げられる。
【0022】
そして、この界面活性剤の還元工程での使用量は、高等動物体毛の5〜100重量%、特に5〜50重量%が好ましい。
界面活性剤としては、前記したように、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤のいずれも使用することができるが、なかでもアニオン界面活性剤、たとえばアルキル硫酸塩やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などが特に好ましい。
【0023】
還元工程の具体的操作は、たとえば次のように行われる。すなわち、高等動物体毛をその全量が浸るに充分な5〜40倍重量の3〜10M(mol/l)のタンパク質変成剤水溶液、たとえば尿素の場合には5〜8Mの尿素水溶液に浸漬し、還元剤または還元剤と界面活性剤を加えてから容器を密栓し、好ましくは室温〜120℃で1〜36時間加熱攪拌する。
上記還元工程中または後記の細片化や熟成中あるいはその直後に、還元剤を含む反応混合物に超音波を照射すると、還元抽出作業を促進することができ、還元工程に要する時間を短縮することができる。超音波照射はプローブ型、浴槽型などの公知の超音波照射装置を用いることができる。超音波照射の強さは反応系の大きさにより異なるが、たとえば反応系の大きさが1リットル以下のときは出力50〜200Wで充分である。
【0024】
上記の還元工程を経て得られた液状流動物を還元剤が存在する状態でミキサーやホモジナイザーなどで細片化してスラリー状にし、密栓容器に移して密栓し、熟成させると、不透明な液状流動物は徐々に透明化してくる(なお、この細片化と熟成の操作順序は逆でもよい)。熟成温度は、低すぎると液状流動物の透明化が起こらず、また、温度が高いと透明化の速度が速くなるので、前記のように、熟成は50〜100℃の温度で行う。熟成に際しては密栓容器を振盪培養器などで振盪させて行うと熟成が速く進む。熟成時間は、通常、1〜30日である。この細片化や熟成は還元剤の存在下で行うので、この細片化や熟成の間も還元が進行する。そして、この細片化や熟成を経ることにより液状流動物が半透明化ないしは透明化する理由としては、高等動物体毛由来のタンパク質が還元されることにより、分子中に現れたチオール基が加水分解触媒作用を発揮して、クチクルのフラグメント化が起こり、可溶化が進むことによるものと考えられる。
【0025】
つぎに、半透明化ないしは透明化した液状物は、透析、塩析、沈殿などにより分離精製される。
たとえば、透析による分離精製処理においては、半透明ないしは透明化した液状流動物を分子量分画サイズ1万程度の透析チューブに移し、水に対して透析を行うが、透析中、還元タンパクのチオール基が酸化しないように還元剤を少量含有させた水を使用するのが好ましい。
透析時の水温が高すぎると、液状流動物の着色が起こりやすいため、4〜50℃で行うのが好ましい。
【0026】
この透析により、残存しているタンパク質変成剤や還元剤(界面活性剤を用いている場合は、その界面活性剤も)などの水可溶性物質が除去されるが、低分子量の還元ケラチンタンパクや低分子量の還元クチクルタンパクも除去されるため、高分子量の還元タンパクが得られる。
上記のような透析により分離精製された還元タンパクは、半透明ないしは透明な溶液で、必要に応じ凍結乾燥法などにより粉末にするか、あるいはアンモニアなどで弱アルカリ(pH8〜9)にし、酸化防止のために還元剤を少量含有させて透明な水溶液にすることができる。
【0027】
一方、塩析による分離精製処理は、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩を上記細片化−熟成後の液状流動物に加えることによって行われる。この塩析にあたっては、上記液状流動物を塩酸などの酸を加えて弱酸性(pH3〜5、特に3.5付近が好適)にしておくことが好ましい。また、アセトン、メタノール、エタノールなどの極性有機溶媒を併用添加し、塩析の効果を高めるようにしてもよい。
この塩析にあたっての無機塩の添加量は、上記熟成後の液状流動物に対して無機塩が0.1〜2Mの濃度になるようにするのが好ましい。塩析時の温度は0℃近辺から40℃の範囲が適しており、塩析に要する時間は長くても10分程度みておけば充分である。
【0028】
また、沈殿による分離精製処理方法は、上記細片化−熟成後の液状流動物に対してアセトン、メタノール、エタノールなどの極性有機溶媒を添加することによって行われる。
この沈殿による分離精製処理にあたっての極性有機溶媒の添加量は、溶媒の種類によっても異なるが、通常、極性有機溶媒の濃度が5〜50重量%になるようにするのが好ましい。この沈殿による分離精製処理時の温度は、低いほど沈殿しやすく、0〜20℃が適しており、沈殿に要する時間は長くても10分程度みておけば充分である。
【0029】
上記塩析や沈殿による分離精製処理によって固形物として得られた還元タンパクは、水洗後、必要に応じて凍結乾燥法などにより粉末にするか、あるいはアンモニアなどで弱アルカリ(pH8〜9)にしつつ還元タンパクに対して5〜50重量%の界面活性剤を含んだ水溶液(酸化防止のために還元剤を少量含有させてもよい)を加えて透明ないしは半透明の水性媒体分散液にすることができる。
【0030】
上記のようにして得られた還元タンパクをアミノ酸分析すると、原料として使用したタンパク質によって若干変動するものの、アミノ酸100残基当りシステイン〔−NH−CH(CH2 SH)CO−〕を4〜16個有していて、そのチオール基(SH基)が空気中の酸素や酸化剤により容易に酸化され、ジスルフィド結合(−S−S結合)を生成して重合し、高分子化する。
【0031】
上記還元タンパクは、液状で得られたものはそのままで、また、粉末化したものは水性媒体に分散させて水性媒体分散液として、それらを適当な型、形状に流して乾燥すれば、フィルム、シート、カプセル、スポンジなどの所望のものに成形することができる。
そして、上記の還元タンパクの高分子体は、ポリエチレンなどの生分解性のない石油系ポリマーとは異なり、生分解性を有していて、土壌中の微生物によって速やかに分解される。たとえば、厚さ0.03mm、横10mm、縦20mmのタンパクのフィルムを土壌中に埋蔵しておくと、25℃にて2〜4カ月間で分解して消失する。したがって、使用後、投棄されることがあっても、土壌中の微生物によって分解されて消失するので、自然環境の保護に役立たせることができる。
【0032】
また、上記還元タンパクを成形するにあたって、成形品に柔軟性を持たせるために、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどの可塑剤を用いることができる。
【0033】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%は重量%である。
【0034】
実施例1
脱脂洗浄された羊毛20g、尿素80g(羊毛10gに対して0.67モル)、2−メルカプトエタノール20g(羊毛10gに対して0.12モル)、ドデシル硫酸ナトリウム10gおよび蒸留水100gを容器に入れて、60℃で24時間攪拌して還元を行った。
【0035】
得られた反応混合物を還元剤が存在する状態でミキサー(Ika−Labortechnik社製 Ultra−TurraxT25、13500−20500rpm)で断続的に計5分間攪拌して細片化し、得られた液状流動物を再度容器に入れ、60℃で24時間振盪した。ついで、この液状流動物を透析用セロファンチューブ(ユニオンカーバイト社製 分子量分画約1万)に入れ、濃度0.2%の2−メルカプトエタノール水溶液3リットルで3回透析を繰り返し、半透明な水性スラリーを290g得た。
得られた半透明水性スラリーは、凍結乾燥品の秤量結果から、10g当たり固形成分を0.63g含むことが判明した。
【0036】
アミノ酸分析によれば、この半透明スラリーの成分は、アルギニンが6.7モル%、アスパラギン酸が5.3モル%、システイン+ハーフシスチンが12.8モル%、グルタミン酸が11.7モル%、グリシンが7.1モル%、セリンが9.0モル%含まれていて、構成アミノ酸分布が原料の羊毛にほぼ一致していた。
【0037】
また、この半透明スラリーを遠心分離して得られた上澄み液をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法で分子量分布を調べたところ、分子量は10,000から130,000の範囲にあり、羊毛ケラチン由来のタンパク質を主体とする多種のタンパク質バンドが連続状の帯になって観察された。
【0038】
実施例2
脱脂洗浄された羊毛20g、尿素80g、2−メルカプトエタノール20g、ドデシル硫酸ナトリウム10gおよび蒸留水100gを容器に入れて、60℃で24時間攪拌して還元を行った。
【0039】
得られた反応混合物を還元剤が存在する状態でミキサー(Ika−Labortechnik社製 Ultra−TurraxT25、13500−20500rpm)で断続的に計5分間攪拌して細片化し、さらに窒素ガス下にて、短針(プロープ)型超音波装置により200W/cm2 、50℃で、延べ30分間超音波処理した。得られた液状流動物を再度容器に入れ、60℃で24時間振盪した。ついで、この液状流動物を透析用セロファンチューブ(ユニオンカーバイト社製 分子量分画約1万)に入れ、濃度0.2%の2−メルカプトエタノール水溶液5リットルで3回透析を繰り返し、半透明な水性スラリーを250g得た。得られた半透明水性スラリーは、凍結乾燥品の秤量結果から、10g当たり固形成分を0.66g含むことが判明した。
【0040】
アミノ酸分析によれば、この半透明スラリーの成分は、アルギニンが6.4モル%、アスパラギン酸が5.1モル%、システイン+ハーフシスチンが11.7モル%、グルタミン酸が11.0モル%、グリシンが7.1モル%、セリンが8.4モル%含まれていて、その構成アミノ酸分布が原料の羊毛にほぼ一致していた。
【0041】
また、この半透明スラリーを遠心分離して得られた上澄み液をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法で分子量分布を調べたところ、分子量は10,000から130,000の範囲にあり、羊毛ケラチン由来のタンパク質を主体とする多種のタンパク質バンドが連続状の帯になって観察された。
【0042】
実施例3
実施例1と同様に、羊毛を還元し、かつ細片化と熟成をして得られた液状流動物を、室温にて、6N塩酸でpH5に調整し、この液状流動物に飽和硫酸アンモニウム水溶液40gを添加し、室温で10分間放置した。この液状流動物を遠心分離して上澄みを捨て、沈積したタンパク成分に濃度0.2%の2−メルカプトエタノール水溶液100gを加えて攪拌と遠心分離による洗浄操作を3回繰り返してタンパク成分を洗浄し、洗浄後に濃度0.2%の2−メルカプトエタノールを加えて全体を250gとした。
得られた半透明スラリーは、凍結乾燥品の秤量結果から、10g当たり固形成分を0.64g含むことが判明した。
【0043】
アミノ酸分析によれば、この半透明スラリーの成分は、実施例1の場合と同様な組成を示し、また、このスラリーを遠心分離して得られた上澄み液は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法で分子量分布を調べたところ実施例1の場合と同様に分子量が10,000から130,000の範囲にあった。
【0044】
試験例1
実施例1で調製した半透明スラリーを凍結乾燥して得られた粉体1.7gに、蟻酸12gを加えて溶解し、ほぼ無色透明な羊毛の蟻酸溶液(タンパク濃度約14%)を得た。
【0045】
この溶液を水平なポリプロピレン板に展開して室温にて乾燥し、ついで80℃で15分間加熱処理し、ポリプロピレン板から剥がして透明なフィルムを得たのち、該フィルムをメタノール浴、グリセリン−水浴(重量比1:9)にそれぞれ10分間浸漬し、室温で24時間乾燥した。
このフィルムの40cm2 を引張り試験機(今田製作所製 形式SV55)により、相対湿度65%、引張り速度20mm/minの条件下で、最大破断強度およびヤング率を測定した。
【0046】
また、3cm×3cm(相対湿度65%時)の正方形状のフィルムを常温水に1時間浸漬し、湿った状態のままで試験片の長さを測定し、下記式によりフィルムの膨潤度を求めた。
【0047】

Figure 0003891509
【0048】
さらに、このフィルムの水(30℃)、沸騰水、メタノール(30℃)、ジメチルホルムアミド(30℃)およびジメチルスルフォキシド(30℃)に対する溶解性を下記式により求めた。処理は、沸騰水に対してはフィルムを10分間浸漬することによって行い、水、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドに対しては、それぞれフィルムを30℃で24時間浸漬することによって行った。なお、重量は処理前および処理後の試験片を水洗後、30℃にて24時間乾燥した後に測定した。
Figure 0003891509
【0049】
それらの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003891509
【0051】
表1に示すように、実施例1の半透明スラリーと蟻酸より作製したフィルムは、最大破断強度が780kg/cm2 で、ヤング率が5500kg/cm2 であり、実用上充分な機械的強度を有していた。
【0052】
また、このフィルムは常温の水に対して30%の膨潤度を示し、水に不溶で膜形状を保っていた。
さらに、このフィルムは、試験した各種有機溶媒に対して溶解せず(溶解性0%)、すなわち、これらの溶媒に不溶で、これらの溶媒中で溶解することなく使用できることが明らかにされた。
【0053】
試験例2
実施例1〜3で調製した半透明スラリーのそれぞれ10gにグリセリン0.15gを加え、それらをそれぞれ別々に水平なポリプロピレン板に展開して室温にて乾燥し、ついで60℃で15分間加熱処理し、ポリプロピレン板から剥がして半透明なフィルムを得た。
【0054】
これらのフィルムの40cm2 について、試験例1と同様の引張り試験機を用いて、最大破断強度およびヤング率を測定した。
【0055】
また、それぞれ試験例1と同様に3cm×3cmの正方形状のフィルムを常温水に1時間浸漬し、試験例1と同様にフィルムの膨潤度を求めた。
さらに、これらのフィルムの水、沸騰水、メタノール、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルフォキシドに対する溶解性を試験例1と同様に調べた。それらの結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
Figure 0003891509
※:フィルム重量のうち、20%を占めるグリセロール分を含む
【0057】
表2に示すように、実施例1〜3の半透明スラリーとグリセリンから作製したフィルムは、最大破断強度がそれぞれ600kg/cm2 、1050kg/cm2 、980kg/cm2 で、ヤング率がそれぞれ5500kg/cm2 、7000kg/cm2 、6000kg/cm2 であり、実用上充分な機械的強度を有していた。
【0058】
また、これらのフィルムはそれぞれ水に対して20%、10%、20%の膨潤度を示し、水に不溶で膜形状を保っていた。
さらに、これらのフィルムは、試験した各種溶媒に対して溶解せず(溶解性0%)、すなわち、これらの溶媒に不溶で、これらの溶媒中でも溶解することなく使用できることが明らかにされていた。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、高分子量成分が多く、かつ架橋可能なチオール基を有する還元タンパクを製造することができる。
【0060】
そして、得られた還元タンパクは、架橋可能なチオール基を有することと、高分子量成分が多いという特性を利用して、たとえば、フィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒などの高分子成形品を作製することができる。
【0061】
上記還元タンパクの高分子体は、生分解性を有していて、上記還元タンパクを原料として作製された高分子成形品は、投棄された場合、微生物によって分解するので、自然環境の保護に役立つ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a reduced protein derived from higher animal hair or an aqueous medium dispersion thereof and a method for producing the same. More specifically, the present invention relates to a higher protein having a high molecular weight component, a crosslinkable thiol group, and biodegradability. The present invention relates to a reduced protein derived from animal hair or an aqueous medium dispersion thereof and a method for producing the same. The reduced protein obtained by the present invention is suitable for the production of polymer molded products such as membranes, films, fibers, sponges, etc., by utilizing the property that it has a crosslinkable thiol group and a large amount of high molecular weight components. The polymer molded products used are biodegradable and have excellent characteristics that they are useful for protecting the natural environment because they are decomposed by microorganisms when discarded.
[0002]
[Prior art]
Higher animal hairs such as human hair, animal hair, and feathers are divided into an outer layer and an inner layer. The outer layer consists of thin plate-like cuticle cells called scales, and the inner layer consists of cortex cells whose main component is keratin protein (protein).
Keratin peptides and their derivatives obtained by reducing and extracting higher animal hair as described above have already been used as compounding agents for hair cosmetics, fiber dyes, fabric modifiers and the like.
[0003]
In addition, keratin, which is present as a structural protein in tissues such as hair and wool, has been attracting attention as a raw material for industrial materials such as films and fibers. However, since keratin is insoluble or hardly soluble in ordinary solvents, it can be used for secondary processing through a solution state, either by shortening the molecular weight significantly by hydrolysis or by reducing the disulfide bond of keratin. It could not be used without treatment or irreversible modification by chemical treatment (alkylation reaction etc.) of the generated thiol group.
[0004]
That is, until now, in order to use keratin for secondary processing through a solution state, it is used as an aqueous solution of a keratin hydrolyzate obtained by hydrolyzing a keratin-containing substance such as wool with an acid, alkali or enzyme to reduce the molecular weight. Alternatively, it can be used as an aqueous solution of reduced keratin formed by reducing the disulfide bond of keratin to a thiol group by using a reducing agent and a protein modifying agent such as urea, or preventing the recombination of the thiol group of the reduced keratin described above. For this purpose, it has been used as an aqueous solution of a keratin derivative irreversibly chemically modified by making it an alkylated derivative with monoiodoacetic acid or by S-SO 3 -Na + conversion with sodium sulfite / sodium tetrathionate.
[0005]
On the other hand, the scale occupying 10 to 20% by weight of higher animal hair is mainly composed of exocycles and endocicles. Proteins derived from these cuticle cells are cross-linked by isopeptide bonds or phosphoamide bonds between protein molecules. , Which contains a large amount of half cysteine as an amino acid (occupies 20 to 30 mol% of all amino acids in an exocycle), and is cross-linked by disulfide bonds (SS) between protein molecules, it is high against chemicals It showed resistance and was insoluble in any solvent, which hindered attempts to use this cuticle cell-derived protein as an industrial material.
[0006]
As a method of using these keratin proteins and protein derived from cuticle cells as industrial materials, the present inventor disclosed a method for producing high molecular weight reduced keratin in JP-A-6-100500, and derived from cuticle cells. Regarding the use of these proteins, JP-A-6-336499 has disclosed a method for producing insoluble reduced protein derived from animal cuticle cells.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the production method in the above publication has a problem that it is necessary to separate soluble reduced keratin protein and insoluble reduced cuticle protein, which complicates the production process and lowers the yield.
Further, since the reduced cuticle protein is opaque, there is a problem that the film obtained from the reduced cuticle protein does not have transparency as the film obtained from the reduced keratin protein.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above circumstances, the present inventor has conducted intensive studies on the efficiency of a method for producing a reduced protein obtained by reducing proteins derived from human animal hair such as human hair, wool, feathers, and the quality of the reduced protein. As a result, the higher animal hair is reduced with a reducing agent in an aqueous medium in the presence of a protein denaturant or in the presence of a protein denaturant and a surfactant, and the reducing keratin and the reducing cuticle coexist with the reducing agent. In the presence of, and then cut into small pieces with a mixer, homogenizer, etc., transferred to a sealed container and allowed to age at 50 to 100 ° C. for one day or more, or after the above-mentioned warming and aging, the reduced cuticle is the main component. Most of the insoluble part is liquefied, and the liquid fluid is separated and purified by dialysis, salting out, precipitation, etc. to produce reduced protein with high productivity. Can be, moreover are made from the resulting reduced protein film, found that it is excellent in transparency and film strength, they have accomplished the present invention.
[0009]
That is, when higher animal hair is reduced in an aqueous medium as described above, the reduced reduced keratin is dissolved in the aqueous medium, and the cuticle enclosing keratin is present in the aqueous medium as an insoluble matter. The mixed liquid material is broken into pieces with a mixer or a homogenizer, and transferred to a sealed container and heated to age or mature. Dissolve. Therefore, the reducing fluid, protein denaturant, surfactant, etc. contained in the liquid fluid are removed by dialysis, salting-out, or precipitation treatment of the liquid fluid in which the insoluble material is dissolved and liquefied. When purified, the reduced protein can be obtained while maintaining the reduced state of the protein, that is, in a state where the thiol group generated upon reduction is substantially retained.
[0010]
According to the above method, a reduced protein having a molecular weight of 10,000 to 130,000 as a main component and 4 to 16 cysteines per 100 amino acid residues can be obtained. The yield reaches 60 to 90% when human hair or wool is used as a starting material.
[0011]
Here, the above-mentioned reduced protein has 4 to 16 cysteines per 100 amino acid residues, and the reduced protein is almost retained in its reduced state, that is, in a state of substantially retaining the thiol group generated by the reduction. It is as follows when the relationship with what is done is demonstrated.
Proteins derived from higher animal body hairs vary somewhat depending on the types of contained substances, but when amino acid analysis is performed, generally 2 to 8 cystines (4 to 16 as half cystine) are included per 100 amino acid residues. Therefore, when this protein is reduced, the disulfide bond (—S—S bond) in cystine is cleaved to become a thiol group (SH group), and cystine becomes cysteine.
[0012]
Therefore, the reduced protein obtained according to the present invention has 4 to 16 cysteines per 100 amino acid residues, depending on the protein derived from higher animal hair, and this represents the thiol group produced by reduction of the reduced protein. This is equivalent to that obtained in a substantially held state. Further, the molecular weight range of the obtained reduced protein varies depending on the means of molecular weight analysis, but is about 10,000 to 130,000 in the separation and purification method by dialysis, and about 2,000 to 130,000 in the separation and purification method by salting out or precipitation. 000.
[0013]
In the present invention, the reduced protein refers to a protein obtained through a reduction process, but does not mean that all of the cystine in the protein is reduced by the reduction, but a part of the cystine in the protein. May remain without being reduced.
The reduced protein obtained as described above is powdered by means such as freeze-drying, or water or an aqueous alcohol solution to which a small amount of a surfactant and an antioxidant are added as necessary. An aqueous medium dispersion of the reduced protein can be obtained by dissolving or dispersing in the aqueous medium.
[0014]
The reduced protein is a protein obtained by reducing a protein derived from keratin cells and cuticle cells to convert a disulfide bond (SS bond) into a thiol group (SH group), and the thiol group is highly reactive, Since it is easily oxidized to regenerate disulfide bonds, the reduced protein can be oxidized and polymerized to form a polymer molded product of protein such as film, sheet, capsule, sponge, cylinder, etc. It can be used as a compounding agent for cosmetics using its properties.
[0015]
The polymer obtained by oxidative polymerization of the reduced protein has biodegradability unlike petroleum-based polymers such as polyethylene. Therefore, films, sheets, and capsules obtained from the reduced protein as described above are used. Polymer molded products such as sponges and cylinders have excellent characteristics that they are also useful for protecting the natural environment because they are rapidly decomposed by microorganisms in the soil when discarded.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the higher animal hair used as a starting material for obtaining the reduced protein may be any hair containing keratin or cuticle cells, such as human hair (human hair), wool, horse hair, cow hair, etc. Examples include animal hair and feathers of birds such as chickens.
The aqueous medium may be water alone or a mixed solvent of water and a water-miscible organic solvent. When such a mixed solvent is used, the water content is preferably 50% by weight or more. Particularly preferred are those having a water content of 80% by weight or more. Examples of the water-miscible organic solvent include lower aliphatic alcohols such as methanol and ethanol.
[0017]
The reducing agent acts to reduce disulfide bonds in proteins derived from higher animal hair and convert them into thiol groups. Examples of the reducing agent include 2-mercaptoethanol, thioglycolic acid, dithiothreitol, Examples include thiol compounds such as dithioerythritol, organic phosphorus compounds such as tripropylphosphine and tributylphosphine, and inorganic compounds having a reducing ability such as sodium hydrogen sulfite.
The amount of these reducing agents used is usually preferably 0.02 to 0.5 moles per 10 g of higher animal hair, particularly in terms of the efficiency and economics of the reduction reaction, when expressed as a percentage of higher animal hair. In consideration, 0.05 to 0.2 mol is preferable with respect to 10 g of higher animal hair.
[0018]
The protein denaturing agent has a function of cleaving hydrogen bonds in proteins derived from higher animal hairs, and specific examples thereof include urea, thiourea, guanidine, acopper ammonia complex ([Cu (NH 3 ) 2 ] [OH]) and the like are preferable.
In using this protein denaturant, an inorganic salt such as sodium hydroxide or ammonia having a dissolving action on protein, zinc chloride, sodium iodide, sodium bromide or the like may be used as a solubilizing agent.
The concentration and amount of the protein denaturing agent is suitably determined in consideration of the solubility of the protein derived from higher animal hair, but usually has a concentration of 3 to 10 mol / l with respect to the higher animal hair. It is preferable to use those having a concentration of 3 to 40 times, particularly 5 to 8 mol / l.
[0019]
In the present invention, the reduction step is carried out in the presence of the protein denaturing agent as described above, or in the presence of the protein denaturing agent and a surfactant. The speed is increased, and the extraction speed of reduced protein from higher animal hair is improved.
As the surfactant, any of the following anionic surfactants, cationic surfactants, amphoteric surfactants, and nonionic surfactants can be used.
[0020]
Examples of the anionic surfactant include anionic surfactants such as alkyl sulfates such as sodium dodecyl sulfate and polyethylene glycol lauryl ether sulfate, alkyl sulfate esters, alkyl phosphate esters, and sulfosuccinate salts.
Examples of the cationic surfactant include a cationic surfactant represented by the following formula.
[R 1 · R 2 · R 3 · R 4 N ] + X -
[In the formula, one or two of R 1 , R 2 , R 3 and R 4 are linear or branched alkyl groups having 8 to 20 carbon atoms or hydroxyalkyl groups, with the remainder being a hydrogen atom, An alkyl group having 1 to 3 carbon atoms, a hydroxyalkyl group, or a benzyl group. X is a halogen atom, an alkyl sulfate group having 1 to 2 carbon atoms, or an aromatic quaternary amine salt such as an alkyl pyridinium halide].
[0021]
Examples of amphoteric surfactants include betaine amphoteric surfactants such as N-carboxymethyl compounds, N-sulfoalkylated aliphatic amines, and imidazoline sulfonic acids (hydrophobic groups are mainly alkyl groups having 12 to 14 carbon atoms). Or an acyl group or a counter ion is an alkali metal).
Examples of nonionic surfactants include nonionic surfactants such as polyoxyethylene alkyl ether type, fatty acid ester type, polyethyleneimine type, polyglycerin ether type, polyglycerin ester type (hydrophobic groups are mainly alkyl groups having 12 to 14 carbon atoms). Group or an acyl group).
[0022]
And the usage-amount in the reduction | restoration process of this surfactant is 5-100 weight% of a higher animal body hair, Especially 5-50 weight% is preferable.
As described above, as the surfactant, any of an anionic surfactant, a cationic surfactant, an amphoteric surfactant, and a nonionic surfactant can be used. Particularly preferred are salts and polyoxyethylene alkyl ether sulfates.
[0023]
The specific operation of the reduction process is performed as follows, for example. That is, the animal body hair is immersed in a 3 to 10 M (mol / l) protein denaturant aqueous solution of 5 to 40 times weight sufficient to immerse the whole amount of the animal hair, for example, in the case of urea, 5 to 8 M urea aqueous solution is reduced. After adding an agent or a reducing agent and a surfactant, the container is sealed and heated and stirred at room temperature to 120 ° C. for 1 to 36 hours.
When the reaction mixture containing the reducing agent is irradiated with ultrasonic waves during the above reduction step or during or after the fragmentation or ripening described later, the reduction extraction work can be promoted and the time required for the reduction step can be shortened. Can do. For the ultrasonic irradiation, a known ultrasonic irradiation device such as a probe type or a bathtub type can be used. The intensity of ultrasonic irradiation varies depending on the size of the reaction system. For example, when the size of the reaction system is 1 liter or less, an output of 50 to 200 W is sufficient.
[0024]
When the liquid fluid obtained through the above-described reduction step is broken into a slurry by mixing with a mixer or a homogenizer in the presence of a reducing agent, transferred to a sealed container, sealed, and aged, an opaque liquid fluid Gradually becomes transparent (note that the order of stripping and ripening may be reversed). If the aging temperature is too low, the liquid fluid does not become transparent, and if the temperature is high, the speed of the clarification increases, so that the aging is performed at a temperature of 50 to 100 ° C. as described above. When ripening, if the sealed container is shaken with a shaking incubator or the like, the aging proceeds rapidly. The aging time is usually 1 to 30 days. Since the fragmentation and aging are performed in the presence of a reducing agent, the reduction proceeds during the fragmentation and aging. The reason why the liquid fluid becomes translucent or transparent through this fragmentation and aging is that the protein derived from higher animal hair is reduced, so that the thiol group appearing in the molecule is hydrolyzed. This is considered to be due to the catalytic action, fragmentation of the cuticle, and solubilization.
[0025]
Next, the translucent or clarified liquid material is separated and purified by dialysis, salting out, precipitation, or the like.
For example, in a separation and purification process by dialysis, a translucent or transparent liquid fluid is transferred to a dialysis tube having a molecular weight fraction of about 10,000 and dialyzed against water. It is preferable to use water containing a small amount of a reducing agent so as not to oxidize.
If the water temperature at the time of dialysis is too high, the liquid fluid is likely to be colored.
[0026]
This dialysis removes water-soluble substances such as remaining protein denaturing agents and reducing agents (and surfactants if surfactants are used), but low molecular weight reduced keratin proteins and low Since the molecular weight reduced cuticle protein is also removed, a high molecular weight reduced protein is obtained.
The reduced protein separated and purified by dialysis as described above is a translucent or transparent solution, which is powdered by lyophilization or the like if necessary, or weakly alkaline (pH 8-9) with ammonia or the like to prevent oxidation. Therefore, a small amount of a reducing agent can be contained to make a transparent aqueous solution.
[0027]
On the other hand, the separation and purification treatment by salting out is performed by adding an inorganic salt such as sodium chloride, ammonium sulfate, sodium sulfate or the like to the liquid fluid after the fragmentation-ripening. In this salting out, it is preferable that the liquid fluid is made weakly acidic (pH 3-5, particularly around 3.5 is preferable) by adding an acid such as hydrochloric acid. Further, a polar organic solvent such as acetone, methanol, ethanol or the like may be added together to enhance the salting out effect.
The amount of the inorganic salt added in the salting out is preferably such that the inorganic salt has a concentration of 0.1 to 2M with respect to the liquid fluid after aging. The temperature at the time of salting out is suitably in the range of around 0 ° C. to 40 ° C., and it is sufficient that the time required for salting out is about 10 minutes at the longest.
[0028]
In addition, the separation and purification treatment method by precipitation is performed by adding a polar organic solvent such as acetone, methanol, ethanol or the like to the liquid fluid after the above-mentioned fragmentation-ripening.
The addition amount of the polar organic solvent in the separation and purification treatment by precipitation varies depending on the type of the solvent, but it is usually preferable that the concentration of the polar organic solvent is 5 to 50% by weight. The lower the temperature during the separation and purification treatment by precipitation, the easier it is to precipitate, and 0 to 20 ° C. is suitable, and it is sufficient if the time required for precipitation is about 10 minutes at the longest.
[0029]
The reduced protein obtained as a solid by the separation and purification treatment by salting-out or precipitation is powdered by lyophilization or the like as needed after washing with water, or weakly alkaline (pH 8-9) with ammonia or the like. An aqueous solution containing a surfactant of 5 to 50% by weight with respect to the reduced protein (a small amount of a reducing agent may be added to prevent oxidation) is added to form a transparent or translucent aqueous medium dispersion. it can.
[0030]
Analysis amino acids resulting reduced protein as described above, although slightly more or less protein used as the starting material, 4 to 16 amino acid 100 residues per cysteine [-NH-CH (CH 2 SH) CO- ] The thiol group (SH group) is easily oxidized by oxygen in the air or an oxidizing agent, and forms a disulfide bond (-SS bond) to polymerize and polymerize.
[0031]
The reduced protein can be obtained as it is in a liquid state, or a powdered product can be dispersed in an aqueous medium to form an aqueous medium dispersion. It can be formed into a desired material such as a sheet, capsule or sponge.
And the high molecular body of said reduced protein has biodegradability unlike the petroleum-type polymer which is not biodegradable, such as polyethylene, and is rapidly decomposed | disassembled by the microorganisms in soil. For example, if a protein film having a thickness of 0.03 mm, a width of 10 mm, and a length of 20 mm is embedded in soil, it will decompose and disappear at 25 ° C. in 2 to 4 months. Therefore, even if it is discarded after use, it is decomposed and disappeared by microorganisms in the soil, which can be used to protect the natural environment.
[0032]
In forming the reduced protein, a plasticizer such as glycerin, propylene glycol, polyethylene glycol, or polyvinyl alcohol can be used in order to give the molded product flexibility.
[0033]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, this invention is not limited only to those Examples. In the following examples and the like,% indicating the concentration of a solution or dispersion is wt%.
[0034]
Example 1
Degreased and washed 20 g wool, 80 g urea (0.67 mol per 10 g wool), 20 g 2-mercaptoethanol (0.12 mol per 10 g wool), 10 g sodium dodecyl sulfate and 100 g distilled water are placed in a container. Then, reduction was carried out by stirring at 60 ° C. for 24 hours.
[0035]
The resulting reaction mixture was chopped intermittently with a mixer (Ultra-Turrax T25, 13500-20500 rpm, manufactured by Ika-Labortechnik) in the presence of a reducing agent for a total of 5 minutes, and the resulting liquid fluid was again reused. Placed in a container and shaken at 60 ° C. for 24 hours. Next, this liquid fluid is put into a cellophane tube for dialysis (molecular weight fraction of about 10,000 manufactured by Union Carbide), and dialysis is repeated three times with 3 liters of a 2-mercaptoethanol aqueous solution having a concentration of 0.2%. 290 g of an aqueous slurry was obtained.
The obtained translucent aqueous slurry was found to contain 0.63 g of solid component per 10 g from the result of weighing the freeze-dried product.
[0036]
According to amino acid analysis, the components of this translucent slurry were 6.7 mol% arginine, 5.3 mol% aspartic acid, 12.8 mol% cysteine + half cystine, 11.7 mol% glutamic acid, The glycine content was 7.1 mol% and the serine content was 9.0 mol%, and the constituent amino acid distribution was almost consistent with the raw wool.
[0037]
Further, when the molecular weight distribution of the supernatant obtained by centrifuging this translucent slurry was examined by SDS-polyacrylamide electrophoresis, the molecular weight was in the range of 10,000 to 130,000, which was derived from wool keratin. Various protein bands mainly composed of proteins were observed as continuous bands.
[0038]
Example 2
Degreased and washed 20 g of wool, 80 g of urea, 20 g of 2-mercaptoethanol, 10 g of sodium dodecyl sulfate and 100 g of distilled water were placed in a container and reduced by stirring at 60 ° C. for 24 hours.
[0039]
The resulting reaction mixture was intermittently stirred for 5 minutes with a mixer (Ultra-Turrax T25, 13500-20500 rpm, manufactured by Ika-Labortechnik) in the presence of a reducing agent, and further fragmented under nitrogen gas. Using a (probe) type ultrasonic device, ultrasonic treatment was performed at 200 W / cm 2 and 50 ° C. for a total of 30 minutes. The resulting liquid fluid was again placed in a container and shaken at 60 ° C. for 24 hours. Next, this liquid fluid was put into a cellophane tube for dialysis (molecular weight fraction of about 10,000 manufactured by Union Carbide Co.), and dialysis was repeated 3 times with 5 liters of 2-mercaptoethanol aqueous solution with a concentration of 0.2% to obtain a translucent 250 g of an aqueous slurry was obtained. The obtained translucent aqueous slurry was found to contain 0.66 g of solid component per 10 g from the result of weighing the freeze-dried product.
[0040]
According to amino acid analysis, the components of this translucent slurry were 6.4 mol% arginine, 5.1 mol% aspartic acid, 11.7 mol% cysteine + half cystine, 11.0 mol% glutamic acid, The glycine content was 7.1 mol% and the serine content was 8.4 mol%, and the constituent amino acid distribution was almost identical to the raw wool.
[0041]
Further, when the molecular weight distribution of the supernatant obtained by centrifuging this translucent slurry was examined by SDS-polyacrylamide electrophoresis, the molecular weight was in the range of 10,000 to 130,000, which was derived from wool keratin. Various protein bands mainly composed of proteins were observed as continuous bands.
[0042]
Example 3
In the same manner as in Example 1, the liquid fluid obtained by reducing wool, slicing and aging was adjusted to pH 5 with 6N hydrochloric acid at room temperature, and 40 g of saturated aqueous ammonium sulfate solution was added to this liquid fluid. And left at room temperature for 10 minutes. The liquid fluid is centrifuged and the supernatant is discarded. The protein component is washed by adding 100 g of 0.2-mer 2-mercaptoethanol aqueous solution to the deposited protein component and repeating stirring and centrifugation three times. After washing, 2-mercaptoethanol with a concentration of 0.2% was added to make the whole 250 g.
The obtained translucent slurry was found to contain 0.64 g of solid component per 10 g from the result of weighing the freeze-dried product.
[0043]
According to the amino acid analysis, the components of this translucent slurry showed the same composition as in Example 1, and the supernatant obtained by centrifuging this slurry was analyzed by SDS-polyacrylamide electrophoresis. When the molecular weight distribution was examined, the molecular weight was in the range of 10,000 to 130,000 as in Example 1.
[0044]
Test example 1
12 g of formic acid was added to and dissolved in 1.7 g of the powder obtained by freeze-drying the translucent slurry prepared in Example 1 to obtain an almost colorless and transparent formic acid solution of wool (protein concentration of about 14%). .
[0045]
This solution was spread on a horizontal polypropylene plate, dried at room temperature, then heat-treated at 80 ° C. for 15 minutes, peeled off from the polypropylene plate to obtain a transparent film, and then the film was subjected to methanol bath, glycerin-water bath ( Each was immersed in a weight ratio of 1: 9) for 10 minutes and dried at room temperature for 24 hours.
The maximum breaking strength and Young's modulus of 40 cm 2 of this film were measured under the conditions of a relative humidity of 65% and a pulling speed of 20 mm / min using a tensile tester (model SV55 manufactured by Imada Seisakusho).
[0046]
In addition, a square film of 3 cm × 3 cm (at a relative humidity of 65%) is immersed in room temperature water for 1 hour, the length of the test piece is measured in a wet state, and the degree of swelling of the film is obtained by the following formula. It was.
[0047]
Figure 0003891509
[0048]
Further, the solubility of this film in water (30 ° C.), boiling water, methanol (30 ° C.), dimethylformamide (30 ° C.) and dimethyl sulfoxide (30 ° C.) was determined by the following formula. The treatment was performed by immersing the film in boiling water for 10 minutes, and in water, methanol, dimethylformamide, and dimethyl sulfoxide, each film was immersed at 30 ° C. for 24 hours. The weight was measured after washing the test specimens before and after treatment and drying at 30 ° C. for 24 hours.
Figure 0003891509
[0049]
The results are shown in Table 1.
[0050]
[Table 1]
Figure 0003891509
[0051]
As shown in Table 1, the film prepared from the translucent slurry and formic acid of Example 1 has a maximum breaking strength of 780 kg / cm 2 and a Young's modulus of 5500 kg / cm 2 , and has a practically sufficient mechanical strength. Had.
[0052]
Further, this film showed a swelling degree of 30% with respect to water at room temperature, and was insoluble in water and kept the film shape.
Furthermore, it has been found that this film does not dissolve in the various organic solvents tested (solubility 0%), ie is insoluble in these solvents and can be used without dissolving in these solvents.
[0053]
Test example 2
0.15 g of glycerin is added to 10 g of each of the translucent slurries prepared in Examples 1 to 3, they are separately spread on a horizontal polypropylene plate, dried at room temperature, and then heat-treated at 60 ° C. for 15 minutes. The film was peeled from the polypropylene plate to obtain a translucent film.
[0054]
With respect to 40 cm 2 of these films, the maximum breaking strength and Young's modulus were measured using the same tensile tester as in Test Example 1.
[0055]
Further, a 3 cm × 3 cm square film was immersed in room temperature water for 1 hour in the same manner as in Test Example 1, and the degree of swelling of the film was determined in the same manner as in Test Example 1.
Further, the solubility of these films in water, boiling water, methanol, dimethylformamide and dimethyl sulfoxide was examined in the same manner as in Test Example 1. The results are shown in Table 2.
[0056]
[Table 2]
Figure 0003891509
*: Contains glycerol, which accounts for 20% of the film weight.
As shown in Table 2, films prepared from the translucent slurry with glycerol in Example 1-3, with a maximum breaking strength respectively 600kg / cm 2, 1050kg / cm 2, 980kg / cm 2, a Young's modulus of each 5500kg / Cm 2 , 7000 kg / cm 2 , and 6000 kg / cm 2 , and had sufficient mechanical strength for practical use.
[0058]
Further, these films exhibited swelling degrees of 20%, 10% and 20% with respect to water, respectively, and were insoluble in water and kept the film shape.
Furthermore, it has been shown that these films do not dissolve in the various solvents tested (solubility 0%), that is, are insoluble in these solvents and can be used without dissolving in these solvents.
[0059]
【The invention's effect】
According to the present invention, a reduced protein having a high molecular weight component and having a crosslinkable thiol group can be produced.
[0060]
The resulting reduced protein has a crosslinkable thiol group and uses many characteristics of high molecular weight components to produce polymer molded products such as films, sheets, capsules, sponges, and cylinders. can do.
[0061]
The polymer body of the reduced protein has biodegradability, and the polymer molded product produced using the reduced protein as a raw material is decomposed by microorganisms when discarded, which helps protect the natural environment. .

Claims (2)

人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛を、水性媒体中、タンパク質変成剤の存在下またはタンパク質変成剤と界面活性剤の存在下で、還元剤により還元し、還元ケラチンと還元クチクルとが混在したまま、還元剤の存在下で、細片化と50〜100℃で1日以上加温熟成した後、水可溶性物質を分離して精製することにより得られたことを特徴とする高等動物体毛由来の還元タンパク質またはその水性媒体分散物。Human animal hair, animal hair, feathers and other higher animal hairs are reduced with a reducing agent in an aqueous medium in the presence of a protein modifying agent or in the presence of a protein modifying agent and a surfactant, and reduced keratin and reduced cuticle are formed. while mixed, in the presence of a reducing agent, after heating aging over 1 day morselized and 50 to 100 ° C., higher animals, characterized in that obtained by purifying by separation of water-soluble material Reduced protein derived from body hair or an aqueous medium dispersion thereof. 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛を、水性媒体中、タンパク質変成剤の存在下またはタンパク質変成剤と界面活性剤の存在下で、還元剤により還元し、還元ケラチンと還元クチクルとが混在したまま、還元剤の存在下で、細片化と50〜100℃で1日以上加温熟成した後、水可溶性物質を分離して精製することを特徴とする高等動物体毛由来の還元タンパク質またはその水性媒体分散物の製造方法。Human animal hair, animal hair, feathers and other higher animal hairs are reduced with a reducing agent in an aqueous medium in the presence of a protein modifying agent or in the presence of a protein modifying agent and a surfactant, and reduced keratin and reduced cuticle are formed. In the presence of a reducing agent, the reduced protein derived from higher animal body hairs is characterized by stripping and heating and aging at 50 to 100 ° C. for one day or longer, followed by separation and purification of a water-soluble substance. Or the manufacturing method of the aqueous medium dispersion.
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