JP3889981B2 - Mobile node, mobile communication system, and communication control program - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動ノード、移動通信システム及び通信制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動ノードが移動ホストである場合における、従来の移動ホストのハンドオフ時の状態遷移を図8に基づいて説明する。図8において、MHは移動ホスト(Mobile Host)、ARはアクセスルータ(Access Router)、CHは通信相手ホスト(Correspondent Host)を示している。
【0003】
ここでは、移動ホスト101は固定ネットワーク内の通信相手ホスト107と通信するものとする。図8に示されるように、移動ホスト101のハンドオフに伴う状態遷移は4つに分けられる。
【0004】
状態I:移動ホスト101のリンク層はアクセスルータ103と接続しており、デフォルトルータ(Default Router)はアクセスルータ103に設定されている。
【0005】
状態II:移動ホスト101のリンク層はアクセスルータ103からアクセスルータ105へ接続点を切り替える。この接続点切り替えの間をリンク層瞬断時間と呼ぶ。このとき、デフォルトルータは依然としてアクセスルータ103である。
【0006】
状態III:移動ホスト101のリンク層はアクセスルータ105と接続している。このとき、デフォルトルータは依然としてアクセスルータ103である。この状態は、移動ホスト101がアクセスルータ105のルータ通知(Router Advertisement)を受信して、デフォルトルータをアクセスルータ103からアクセスルータ105へ変更するまで続く。
【0007】
状態IV:アクセスルータ105のルータ通知を受信し、デフォルトルータをアクセスルータ103からアクセスルータ105へ変更した後の状態である。このとき、リンク層の接続点、デフォルトルータともにアクセスルータ105である。
【0008】
上述した状態I〜状態IVのリンク層接続点及びデフォルトルータをまとめると表1のようになる。
【表1】
【0009】
続いて、移動ノードが移動ルータである場合における、従来の移動ルータのハンドオフ時の状態遷移を図9に基づいて説明する。図9において、SHは固定ホスト(Stationary Host)、MRは移動ルータ(Mobile Router)、ARはアクセスルータ(Access Router)、CHは通信相手ホスト(Correspondent Host)を示している。
【0010】
ここでは、移動ネットワーク内の固定ホスト109が通信相手ホスト107と通信するものとする。図9に示されるように、移動ルータ111のハンドオフに伴う状態遷移は4つに分けられる。
【0011】
状態I:移動ルータ111のリンク層はアクセスルータ103と接続しており、デフォルトルータ(Default Router)はアクセスルータ103に設定されている。
【0012】
状態II:移動ルータ111のリンク層はアクセスルータ103からアクセスルータ105へ接続点を切り替える。この接続点切り替えの間をリンク層瞬断時間と呼ぶ。このとき、デフォルトルータは依然としてアクセスルータ103である。
【0013】
状態III:移動ルータ111のリンク層はアクセスルータ105と接続している。このとき、デフォルトルータは依然としてアクセスルータ103である。この状態は、移動ルータ111がアクセスルータ105のルータ通知(Router Advertisement)を受信して、デフォルトルータをアクセスルータ103からアクセスルータ105へ変更するまで続く。
【0014】
状態IV:アクセスルータ105のルータ通知を受信し、デフォルトルータをアクセスルータ103からアクセスルータ105へ変更した後の状態である。このとき、リンク層の接続点、デフォルトルータともにアクセスルータ105である。
【0015】
上述した状態I〜状態IVのリンク層接続点及びデフォルトルータをまとめると表2のようになる。
【表2】
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の移動ノードのハンドオフ時の状態遷移においては、以下のような問題点を有していることが判明した。
【0017】
まず、移動ノードが移動ホストである場合の問題点について説明する。移動ホスト101が通信相手ホスト107へ送信するパケットは、リンク層の接続点とデフォルトルータが一致する場合(状態Iおよび状態IV)は、デフォルトルータに設定されたアクセスルータ(状態Iではアクセスルータ103、状態IVではアクセスルータ105)に受信され、固定ネットワーク内の通信相手ホスト107ヘルーチングされる。移動ホストは状態II、状態III中も、通信相手ホスト宛のパケットの送信を続ける。
【0018】
状態II、状態IIIではデフォルトルータはアクセスルータ103であるので、これらパケットの宛先MAC(Media Access Control)アドレスはアクセスルータ103のMACアドレスである。しかしながら、アクセスルータ103とのリンク層の接続は既に切れているので、これらのパケットはアクセスルータ103には到達せず固定ネットワークヘルーチングされない。このように、状態IIもしくは状態IIIにおいて、移動ホスト101が通信相手ホスト107宛に送信したパケットは、通信相手ホスト107に到達しない、すなわちパケットロスが生じるという問題がある。
【0019】
続いて、移動ノードが移動ルータである場合の問題点について説明する。固定ホスト109が通信相手ホスト107宛に送信し、途中移動ルータ111によりルーチングされるパケットは、移動ルータ111においてリンク層接続点とデフォルトルータが一致する場合(状態Iおよび状態IV)にのみデフォルトルータに設定されたアクセスルータ(状態Iではアクセスルータ103、状態IVではアクセスルータ105)に受信され、固定ネットワーク内の通信相手ホスト107ヘルーチングされる。移動ルータ111のIP層は状態II、状態III中も、固定ホスト109が送信した通信相手ホスト107宛のパケットのルーチングを続ける。
【0020】
状態II、状態IIIではデフォルトルータはアクセスルータ103であるので、これらパケットの宛先MACアドレスはアクセスルータ103のMACアドレスである。しかしながら、アクセスルータ103とのリンク層の接続は既に切れているので、これらのパケットはアクセスルータ103には到達せず固定ネットワークヘルーチングされない。このように、固定ホスト109が通信相手ホスト107に送信し、状態IIもしくは状態IIIにある移動ルータ111が固定ネットワーク側ヘルーチングするパケットは、通信相手ホスト107に到達しない、すなわちパケットロスが生じるという問題がある。
【0021】
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことが可能な移動ノード、移動通信システム及び通信制御プログラムを提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る移動ノードは、パケットを送信する移動ノードであって、ハンドオフの期間中にパケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットを送信する手段を有しており、手段は、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングしないことを特徴としている。
【0023】
本発明に係る移動ノードでは、ハンドオフの期間中に送信されるべきパケットが当該ハンドオフの期間中に送信されることなくバッファリングされ、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットが送信されることとなる。これにより、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことができる。また、本発明では、上記手段は、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングしない。全てのパケットをバッファリングすると以下のような問題が生じる。一般的に、接続リンクを切り替えた移動ノードは新たに接続するリンク上でデフォルトルータをいち早く知るために、ルータ通知をなるべく早く受信することが好ましい。そこで移動ノードはリンク接続点変更完了直後、リンク内全ルータ宛のマルチキャストを用いて、アクセスルータにルータ要請を送信することができる。ところが、全てのパケットをバッファリングすると、ルータ要請がアクセスルータに到達せず、結果として移動ノードのルータ通知の受信が遅れてしまう。このため、ルータ要請をバッファリングしないことで、移動ノードが送信するルータ要請はアクセスルータに到達することとなり、移動ノードはいち早くルータ通知を受信することができる。
【0024】
また、上記手段によりパケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ノードのリンク層がいずれの外部リンクにも接続していないリンク層瞬断時間の開始から、当該リンク層瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータをデフォルトルータに変更するまでの期間であることが好ましい。このように構成した場合、パケットをバッファリングする期間が極めて適切に設定されることとなり、パケットロスを確実に防ぐことができる。
【0025】
また、上記手段は、リンク層瞬断時間の開始を外部リンクに接続するインターフェースからの信号により検知し、デフォルトルータの変更を移動ノードのIP層からの信号により検知することが好ましい。このように構成した場合、パケットをバッファリングする期間を適切且つ簡易に検知することができる。
【0027】
一方、本発明に係る移動通信システムは、パケットを送信する移動ノードと、移動ノードに外部リンクを提供する複数のアクセスルータと、を備える移動通信システムであって、移動ノードは、ハンドオフの期間中にパケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットを新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータに送信する手段を有しており、手段は、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングしないことを特徴としている。
【0028】
本発明に係る移動通信システムでは、移動ノードにおいて、ハンドオフの期間中に送信されるべきパケットが当該ハンドオフの期間中に送信されることなくバッファリングされ、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットが新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータに送信されることとなる。これにより、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことができる。また、本発明では、上記手段は、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングしないので、移動ノードが送信するルータ要請はアクセスルータに到達することとなり、移動ノードはいち早くルータ通知を受信することができる。
【0029】
また、上記手段によりパケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ノードのリンク層がいずれの外部リンクにも接続していないリンク層瞬断時間の開始から、当該リンク層瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータをデフォルトルータに変更するまでの期間であることが好ましい。このように構成した場合、パケットをバッファリングする期間が極めて適切に設定されることとなり、パケットロスを確実に防ぐことができる。
【0030】
また、上記手段は、リンク層瞬断時間の開始を外部リンクに接続するインターフェースからの信号により検知し、デフォルトルータの変更を移動ノードのIP層からの信号により検知することが好ましい。このように構成した場合、パケットをバッファリングする期間を適切且つ簡易に検知することができる。
【0032】
そして、本発明に係る通信制御プログラムは、パケットを送信するために、コンピュータを、ハンドオフの期間中にパケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットを送信する手段として機能させ、手段にて、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングさせないことを特徴としている。
【0033】
本発明に係る通信制御プログラムでは、コンピュータが上記手段として機能することで、ハンドオフの期間中に送信されるべきパケットが当該ハンドオフの期間中に送信されることなくバッファリングされ、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットが送信されることとなる。これにより、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことができる。また、本発明では、上記手段にて、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングさせないので、移動ノードが送信するルータ要請はアクセスルータに到達することとなり、移動ノードはいち早くルータ通知を受信することができる。
【0034】
また、上記手段によりパケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ノードのリンク層がいずれの外部リンクにも接続していないリンク層瞬断時間の開始から、当該リンク層瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータをデフォルトルータに変更するまでの期間であることが好ましい。このように構成した場合、パケットをバッファリングする期間が極めて適切に設定されることとなり、パケットロスを確実に防ぐことができる。
【0035】
また、上記手段にて、リンク層瞬断時間の開始を外部リンクに接続するインターフェースからの信号により検知させ、デフォルトルータの変更を移動ノードのIP層からの信号により検知させることが好ましい。このように構成した場合、パケットをバッファリングする期間を適切且つ簡易に検知することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る移動ノード、移動通信システム及び通信制御プログラムについて図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0038】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。図1において、MHは移動ホスト(Mobile Host)、HAはホームエージェント(Home Agent)、ARはアクセスルータ(Access Router)、CHは通信相手ホスト(Correspondent Host)を示している。
【0039】
移動通信システム1は、図1に示されるように、移動ホスト3、ホームエージェント5、複数のアクセスルータ7,9、通信相手ホスト11、IPネットワーク13を含んでいる。
【0040】
移動ホスト3は、リンクからリンクへと移動しながら通信相手ホスト11と通信するノードである。アクセスルータ7,9は、移動ホスト3が接続可能な外部リンク(無線リンク)を提供するルータである。ホームエージェント5は、IPモビリティ制御方式MobileIPv6(Internet Protocol version 6)を用いて、移動ホスト3宛のパケットを移動ホスト3が所在するリンク(アクセスルータが提供する外部リンク等)に転送することのできるルータである。通信相手ホスト11は、移動ホスト3と通信するノードである。
【0041】
なお、ノードとはIPv6に対応したパケットを送受信する装置のことであり、リンクとはノードが送信したパケットを有線伝送方式や無線伝送方式によって他のノードに伝送する通信路である。リンクにはホームリンクと外部リンクとが含まれる。ホームリンクは、移動ホスト3が所属しているリンクであり、外部リンクはホームリンク以外のリンクである。移動ホスト3は、ホームリンクからホームアドレスが割り当てられ、外部リンクから気付アドレスが割り当てられる。
【0042】
図2は、移動ホスト3の構成を示す図である。移動ホスト3は、アプリケーション31aを含むアプリケーション層31、TCP(TransmissionControl Protocol)及びUDP(User Datagram Protocol)33a(以下、TCP/UDPと称する)及びバッファスペース33bを含むトランスポート層33、IP(Internet Protocol)35aを含むIP層35、リンク37a及びインターフェース37bを含むリンク層37を備える。
【0043】
移動ホスト3においては、アプリケーション31aが他のホストへ送信するデータは、TCP/UDP33a、IP35a、リンク37aを経て、インターフェース37bから送信される。また、逆に他のホストから送信されたデータは、インターフェース37b、リンク37a、IP35a、TCP/UDP33aを経てアプリケーション31aに到達する。
【0044】
バッファスペース33bは、ハンドオフの期間中にパケットをバッファリングするためのものである。TCP/UDP33aは、パケットをバッファスペース33bにバッファリングする。パケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ホスト3のリンク層37がいずれの外部リンクにも接続していないリンク層37瞬断時間の開始から、当該リンク層37瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータをデフォルトルータに変更するまでの期間である。ここで、TCP/UDP33aは、リンク層37瞬断時間の開始をインターフェース37bからの信号により検知し、デフォルトルータの変更をIP35aからの信号により検知する。
【0045】
インターフェース37bは接続点をアクセスルータ7からアクセスルータ9へ切り替える時に、TCP/UDP33aにバッファ命令を出す。これにより、TCP/UDP33aはリンク層37瞬断時間の開始を検知することとなる。バッファ命令を受けたTCP/UDP33aはバッファスペース33bを利用し、本来はIP35aに渡すべきパケットのバッファリングを開始する。
【0046】
IP35aは、アクセスルータ9から受信するルータ通知(Router Advertisement)により、デフォルトルータを変更した時点でTCP/UDP33aにバッファ解除命令を出す。これにより、TCP/UDP33aはデフォルトルータの変更を検知することとなる。バッファ解除命令を受けたTCP/UDP33aはバッファリングを解除し、バッファスペース33bにバッファリングされたパケットをIP35aへ渡す。IP35aに渡されたパケットは、上述したように、リンク37aを経て、インターフェース37bから新たに接続された外部リンクを提供する(デフォルトルータとして設定された)アクセスルータ9に送信される。
【0047】
図3は、通信相手ホスト11と通信を行っている移動ホスト3がアクセスルータ7からアクセスルータ9ヘハンドオフする場合のシーケンスチャートである。実線矢印はMobile IPv6を用いたIP層レベルでのハンドオフを実行するのための制御パケットを示し、点線矢印は移動ホスト3が通信相手ホスト11へ送信するデータパケットを示す。図3における状態I〜状態IVは、図8にて説明した状態I〜状態IVに対応するものである。
【0048】
状態Iにおいては、移動ホスト3のリンク層37はアクセスルータ7と接続しており、デフォルトルータはアクセスルータ7に設定されていることから、データパケット(P1)及び(P2)はアクセスルータ7に到達して、通信相手ホスト11にルーチングされる。続く、状態II及び状態IIIにおいては、データパケット(P3)〜(P8)は送信されることなくバッファリングされる。
【0049】
移動ホスト3がアクセスルータ9のルータ通知を受信して、デフォルトルータをアクセスルータ7からアクセスルータ9へ変更すると、状態IVに遷移して、バッファリングしたデータパケット(P3)〜(P8)を送信する。移動ホスト3のリンク層37はアクセスルータ9と接続しており、デフォルトルータはアクセスルータ9に設定されていることから、データパケット(P3)〜(P8)はアクセスルータ9に到達して、通信相手ホスト11にルーチングされる。また、データパケット(P9)及び(P10)もアクセスルータ9に到達して、通信相手ホスト11にルーチングされる。
【0050】
なお、移動ホスト3は、外部リンクで使用する新気付アドレスを取得すると、Binding Updateオプションを含むパケットをホームエージェント5に送信する。ホームエージェント5は、Binding Updateパケットを受信するとBinding(移動ホスト3のホームアドレスと気付アドレスとの対応)を記憶し、確認応答としてBinding Acknowledgementオプションを含むパケットを移動ホスト3に送信する。
【0051】
本第1実施形態においては、簡略化のため、移動ホスト3はルータ要請(Router Solicitation)を送信しない、としている。もちろん、ルータ要請を送信する移動ホスト3にも適用可能であるが、ルータ要請をバッファリングしないようにする必要がある。なお、本第1実施形態のように、トランスポート層33でバッファリングしていれば、ルータ要請がバッファリングされることはない。
【0052】
一方、IP層35でバッファリングすることも可能であるが、この場合には、IP層35がパケットのIPヘッダ以下を解析することでバッファリング対象パケットがルータ要請であるか否かの判定を行い、ルータ要請である場合はこれをバッファリング対象から除外する必要がある。パケットのIPヘッダ以下の解析とは、具体的には以下の動作を示す。IP層35は各パケットについて、拡張ヘッダを含む各IPヘッダ中の次ヘッダフィールドに格納されたプロトコル番号をチェックしており、プロトコル番号が58(icmp)を示す場合、当該IPヘッダに後続するicmpのタイプを示すフィールドをチェックする。タイプ番号が133(ルータ要請)である場合、当該パケットがルータ要請であると判定する。
【0053】
なお、本第1実施形態において、パケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ホスト3のリンク層37がいずれの外部リンクにも接続していないリンク層37瞬断時間の開始から、当該リンク層37瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータをデフォルトルータに変更するまでの期間としているが、これに限られるものではない。たとえば、無線リンクの状態などを考慮してパケットをバッファリングする期間を上記期間以上に長く設定してもよい。
【0054】
以上のように、本第1実施形態においては、ハンドオフの期間中で、移動ホスト3からいずれのアクセスルータ7,9にもパケットを到達させることができない間は、移動ホスト3はハンドオフの期間中に送信されるべきパケットをバッファリングしておき、ハンドオフ先のアクセスルータ7,9にパケットが到達できるようになってから、バッファリングしていたパケットを送信する。これにより、移動ホスト3がハンドオフ中に送信しようとしたパケットは、全てハンドオフ先のアクセスルータ7,9経由で通信相手ホスト11にルーチングされることとなり、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことができる。
【0055】
また、本第1実施形態においては、移動ホスト3がパケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ホスト3のリンク層37がいずれの外部リンクにも接続していないリンク層37瞬断時間の開始から、当該リンク層37瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータ7,9をデフォルトルータに変更するまでの期間とされている。これにより、パケットをバッファリングする期間が極めて適切に設定されることとなり、パケットロスを確実に防ぐことができる。
【0056】
また、本第1実施形態では、TCP/UDP33aにおいて、リンク層37瞬断時間の開始を外部リンクに接続するインターフェース37bからの信号により検知し、デフォルトルータの変更を移動ホスト3のIP層35からの信号により検知している。これにより、パケットをバッファリングする期間を適切且つ簡易に検知することができる。
【0057】
なお、ルータ要請を送信する移動ホスト3においては、全てのパケットをバッファリングすると以下のような問題が生じる。一般的に、移動ホスト3はデフォルトルータをいち早く知るために、ルータ通知をなるべく早く受信することが好ましい。そこで移動ホスト3はリンク接続点変更完了直後、リンク内全ルータ宛のマルチキャストを用いて、アクセスルータにルータ要請を送信することができる。ところが、全てのパケットをバッファリングすると、ルータ要請がアクセスルータ7,9に到達せず、結果として移動ホスト3のルータ通知の受信が遅れてしまう。このため、ルータ要請をバッファリングしないことで、移動ホスト3が送信するルータ要請はアクセスルータ7,9に到達することとなり、移動ホスト3はいち早くルータ通知を受信することができる。
【0058】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。図4において、SHは固定ホスト(Stationary Host)、MRは移動ルータ(Mobile Router)、HAはホームエージェント(Home Agent)、ARはアクセスルータ(Access Router)、CHは通信相手ホスト(Correspondent Host)を示している。
【0059】
移動通信システム51は、図4に示されるように、移動ルータ53、固定ホスト55、ホームエージェント5、複数のアクセスルータ7,9、通信相手ホスト11、IPネットワーク13を含んでいる。
【0060】
移動ルータ53は、固定ホスト55を含む移動ネットワーク57を伴ってリンクからリンクへ移動し、移動ネットワーク57のゲートウェイルータとして機能する。移動ルータ53は、ホームリンク上でホームアドレスを使用し、外部リンク上ではホームアドレスおよび各リンクのリンクプレフィクスを有する気付アドレスを使用する。固定ホスト55は、移動ルータ53との接続関係が変わらないノードである。なお、移動ネットワーク57は、ルータや移動ホストも含んでいてもよい。ホームエージェント5は移動ルータ53にホームリンクを提供し、アクセスルータは移動ルータ53に外部リンクを提供する。
【0061】
移動ルータ53はホームエージェント5に、自ノードのホームアドレスおよび移動ネットワーク57内に存在するネットワークプレフィクスと、接続リンクで取得する気付アドレスのBindingを通知し、ホームエージェント5はこのBindingを保持する。ホームエージェント5は、移動ルータ53のホームアドレス宛、もしくは移動ネットワーク57内のネットワークプレフィクスに属するアドレス宛パケットを受信した際、Bindingされている気付アドレス宛のIPパケットを作成し、ペイロード部に当該パケットを格納し、移動ルータ53へ転送する。転送パケットを受信した移動ルータ53はペイロード部からもとのパケットを取り出し、これが移動ネットワーク57内に存在するホスト宛であれば、移動ネットワーク57内ヘルーチングする。
【0062】
図5は、移動ルータの構成を示す図である。IP71a及びバッファスペース71bを含むIP層71、第1リンク73a、第2リンク73b、移動ネットワーク側インターフェース73c及び固定ネットワーク側インターフェース73dを含むリンク層73を備える。
【0063】
移動ネットワーク側インターフェース73cまたは固定ネットワーク側インターフェース73dから受信されたパケットはそれぞれ第1リンク73a、第2リンク73bを経てIP71aに到達する。IP71aはルーチングテーブルを参照し、パケットを固定ネットワーク側(デフォルトルータ)に送信するか、移動ネットワーク57側(固定ホスト55)に送信するかを判定し、判定結果に従いパケットを第2リンク73bもしくは第1リンク73aへ渡す。
【0064】
バッファスペース71bは、ハンドオフの期間中にパケットをバッファリングするためのものである。IP71aは、パケットをバッファスペース71bにバッファリングする。パケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ルータ53のリンク層73の第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73dがいずれの外部リンクにも接続していないリンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の開始から、当該リンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータ7,9をデフォルトルータに変更するまでの期間である。ここで、IP71aは、リンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の開始を固定ネットワーク側インターフェース73dからの信号により検知し、デフォルトルータの変更を自らが検知する。
【0065】
固定ネットワーク側インターフェース73dは接続点をアクセスルータ7からアクセスルータ9へ切り替える時に、IP71aにバッファ命令を出す。これにより、IP71aはリンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の開始を検知することとなる。バッファ命令を受けたIP71aはバッファスペース71bを利用し、本来は第2リンク73bに渡すべきパケットのバッファリングを開始する。
【0066】
IP71aは、アクセスルータ9から受信するルータ通知によりデフォルトルータを変更した時点で、自らがデフォルトルータの変更を検知し、バッファリングを解除する。そして、IP71aは、バッファスペース71bにバッファリングされたパケットを第2リンク73bへ渡す。第2リンク73bに渡されたパケットは、上述したように、固定ネットワーク側インターフェース73dから新たに接続された外部リンクを提供する(デフォルトルータとして設定された)アクセスルータ9に送信される。
【0067】
図6は、通信相手ホスト11と通信を行っている移動ルータ53がアクセスルータ7からアクセスルータ9ヘハンドオフする場合のシーケンスチャートである。実線矢印はハンドオフを実行するのための制御パケットを示し、点線矢印は移動ルータ53が通信相手ホスト11へ送信するデータパケットを示す。図6における状態I〜状態IVは、図9にて説明した状態I〜状態IVに対応するものである。
【0068】
状態Iにおいては、移動ルータ53のリンク層73(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)はアクセスルータ7と接続しており、デフォルトルータはアクセスルータ7に設定されていることから、データパケット(P1)及び(P2)はアクセスルータ7に到達して、通信相手ホスト11にルーチングされる。続く、状態II及び状態IIIにおいては、データパケット(P3)〜(P8)は送信されることなくバッファリングされる。
【0069】
移動ルータ53がアクセスルータ9のルータ通知を受信して、デフォルトルータをアクセスルータ7からアクセスルータ9へ変更すると、状態IVに遷移して、バッファリングしたデータパケット(P3)〜(P8)を送信する。移動ルータ53のリンク層73(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)はアクセスルータ9と接続しており、デフォルトルータはアクセスルータ9に設定されていることから、データパケット(P3)〜(P8)はアクセスルータ9に到達して、通信相手ホスト11にルーチングされる。また、データパケット(P9)及び(P10)もアクセスルータ9に到達して、通信相手ホスト11にルーチングされる。
【0070】
なお、移動ルータ53は、外部リンクで使用する新気付アドレスを取得すると、Binding Updateオプションを含むパケットをホームエージェント5に送信する。ホームエージェント5は、Binding Updateパケットを受信するとBinding(移動ルータ53のホームアドレスと気付アドレスとの対応)を記憶し、確認応答としてBinding Acknowledgementオプションを含むパケットを移動ルータ53に送信する。
【0071】
本第2実施形態においては、簡略化のため、移動ルータ53はルータ要請を送信しない、としている。もちろん、ルータ要請を送信する移動ルータ53にも適用可能であるが、ルータ要請をバッファリングしないようにする必要がある。IP層71でバッファリングする場合には、IP層71がパケットのIPヘッダ以下を解析することでバッファリング対象パケットがルータ要請であるか否かの判定を行い、ルータ要請である場合はこれをバッファリング対象から除外する必要である。パケットのIPヘッダ以下の解析とは、具体的には以下の動作を示す。IP層71は各パケットについて、拡張ヘッダを含む各IPヘッダ中の次ヘッダフィールドに格納されたプロトコル番号をチェックしており、プロトコル番号が58(icmp)を示す場合、当該IPヘッダに後続するicmpのタイプを示すフィールドをチェックする。タイプ番号が133(ルータ要請)である場合、当該パケットがルータ要請であると判定する。
【0072】
なお、本第2実施形態において、パケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ルータ53のリンク層73の第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73dがいずれの外部リンクにも接続していないリンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の開始から、当該リンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータ7,9をデフォルトルータに変更するまでの期間としているが、これに限られるものではない。たとえば、無線リンクの状態などを考慮してパケットをバッファリングする期間を上記期間以上に長く設定してもよい。
【0073】
以上のように、本第2実施形態においては、ハンドオフの期間中で、移動ルータ53からいずれのアクセスルータ7,9にもパケットを到達させることができない間は、移動ルータ53はハンドオフの期間中に送信されるべきパケットをバッファリングしておき、ハンドオフ先のアクセスルータ7,9にパケットが到達できるようになってから、バッファリングしていたパケットを送信する。これにより、移動ルータ53がハンドオフ中に固定ネットワーク側ヘルーチングしょうとしたパケットは、全てハンドオフ先のアクセスルータ7,9経由で通信相手ホスト11にルーチングされることとなり、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことができる。
【0074】
また、本第2実施形態においては、移動ルータ53がパケットをバッファリングする期間は、接続点の切り替えのために移動ルータ53のリンク層73の第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73dがいずれの外部リンクにも接続していないリンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の開始から、当該リンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の終了後に新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータ7,9をデフォルトルータに変更するまでの期間とされている。これにより、パケットをバッファリングする期間が極めて適切に設定されることとなり、パケットロスを確実に防ぐことができる。
【0075】
また、本第2実施形態では、IP71aにおいて、リンク層(第2リンク73b及び固定ネットワーク側インターフェース73d)瞬断時間の開始を外部リンクに接続する固定ネットワーク側インターフェース73dからの信号により検知し、デフォルトルータの変更を自らが検知している。これにより、パケットをバッファリングする期間を適切且つ簡易に検知することができる。
【0076】
なお、ルータ要請を送信する移動ルータ53においては、移動ルータ53がルータ要請をバッファリングしないことが好ましい。これにより、移動ルータ53が送信するルータ要請はアクセスルータ7,9に到達することとなり、移動ルータ53はいち早くルータ通知を受信することができる。
【0077】
最後に、本発明の実施形態に係る通信制御プログラムについて説明する。通信制御プログラムは、パケットを送信するために、コンピュータを、ハンドオフの期間中にパケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットを送信する手段として機能させるものである。通信制御プログラムは、たとえば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録される。ここで、記録媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読み取り装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読み取り装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。かかる記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、コンピュータに内蔵されるメモリなどが該当する。
【0078】
記録媒体81は、図7に示されるように、プログラムを記録するプログラム領域83を備えている。このプログラム領域には、通信制御プログラム85が記録されている。通信制御プログラムは、処理を統括するメインモジュール85aと、移動ノードがハンドオフの期間中にパケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットを送信するためのパケットバッファリング制御モジュール85bとを含んでいる。
【0079】
コンピュータは、上述した通信制御プログラムを実行させることにより、上述した第1実施形態における移動ホスト3あるいは第2実施形態における移動ルータ53として機能する。これにより、ハンドオフの期間中に送信されるべきパケットが当該ハンドオフの期間中に送信されることなくバッファリングされ、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされたパケットが送信されることとなり、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことができる。
【0080】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ハンドオフの期間中にパケットロスが生じるのを防ぐことが可能な移動ノード、移動通信システム及び通信制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
【図2】移動ホストの構成を示す図である。
【図3】通信相手ホストと通信を行っている移動ホストがハンドオフする場合のシーケンスチャートである。
【図4】第2実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
【図5】移動ルータの構成を示す図である。
【図6】通信相手ホストと通信を行っている移動ルータがハンドオフする場合のシーケンスチャートである。
【図7】記憶媒体の構成を示す図である。
【図8】従来の移動ホストのハンドオフ時の状態遷移を示すシーケンスチャートである。
【図9】従来の移動ルータのハンドオフ時の状態遷移を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
1,51…移動通信システム、3…移動ホスト、5…ホームエージェント、7,9…アクセスルータ、11…通信相手ホスト、13…IPネットワーク、31…アプリケーション層、33…トランスポート層、33b,71b…バッファスペース、35…IP層、37…リンク層、37b…インターフェース、53…移動ルータ、55…固定ホスト、71…IP層、73…リンク層、73d…固定ネットワーク側インターフェース、81…記録媒体、85…通信制御プログラム、85b…パケットバッファリング制御モジュール、101…移動ホスト、103,105…アクセスルータ、107…通信相手ホスト、109…固定ホスト、111…移動ルータ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a mobile node, a mobile communication system, and a communication control program.
[0002]
[Prior art]
A state transition at the time of handoff of a conventional mobile host when the mobile node is a mobile host will be described with reference to FIG. In FIG. 8, MH indicates a mobile host, AR indicates an access router (Access Router), and CH indicates a communication partner host (Correspondent Host).
[0003]
Here, it is assumed that the
[0004]
State I: The link layer of the
[0005]
State II: The link layer of the
[0006]
State III: The link layer of the
[0007]
State IV: A state after the router notification of the
[0008]
Table 1 summarizes the link layer connection points and default routers in the state I to state IV described above.
[Table 1]
[0009]
Next, a state transition at the time of handoff of a conventional mobile router when the mobile node is a mobile router will be described with reference to FIG. In FIG. 9, SH indicates a fixed host (Stationary Host), MR indicates a mobile router (Mobile Router), AR indicates an access router (Access Router), and CH indicates a correspondent host (Correspondent Host).
[0010]
Here, it is assumed that the
[0011]
State I: The link layer of the
[0012]
State II: The link layer of the
[0013]
State III: The link layer of the
[0014]
State IV: A state after the router notification of the
[0015]
Table 2 summarizes the link layer connection points and default routers in the state I to state IV described above.
[Table 2]
[0016]
[Problems to be solved by the invention]
However, it has been found that the above-described conventional state transition at the time of handoff of the mobile node has the following problems.
[0017]
First, problems when the mobile node is a mobile host will be described. In the packet transmitted from the
[0018]
Since the default router is the
[0019]
Next, problems when the mobile node is a mobile router will be described. A packet sent from the
[0020]
Since the default router is the
[0021]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a mobile node, a mobile communication system, and a communication control program that can solve the above-described problems and prevent packet loss from occurring during a handoff period.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
The mobile node according to the present invention is a mobile node that transmits a packet, and has means for buffering a packet during a handoff period and transmitting the buffered packet when the handoff is completed.Means, router notification ( router advertisement ) Request router to request access router to send () router solicitation ) Not bufferedIt is characterized by that.
[0023]
In the mobile node according to the present invention, a packet to be transmitted during the handoff period is buffered without being transmitted during the handoff period, and the buffered packet is transmitted when the handoff is completed. It will be. As a result, packet loss can be prevented during the handoff period.Also, in the present invention, the above means is a router advertisement ( router advertisement ) Request router to request access router to send () router solicitation ) Is not buffered. When all packets are buffered, the following problems occur. In general, it is preferable that the mobile node that has switched the connection link receives the router notification as soon as possible in order to quickly know the default router on the newly connected link. Therefore, immediately after the link node change is completed, the mobile node can transmit a router solicitation to the access router using multicast addressed to all routers in the link. However, when all the packets are buffered, the router solicitation does not reach the access router, and as a result, reception of the router notification of the mobile node is delayed. For this reason, by not buffering the router solicitation, the router solicitation transmitted by the mobile node reaches the access router, and the mobile node can quickly receive the router advertisement.
[0024]
In addition, during the period when the packet is buffered by the above means, the link layer instantaneous interruption occurs from the start of the link layer instantaneous interruption time when the link layer of the mobile node is not connected to any external link for switching the connection point. It is preferable that it is a period until the access router that provides the newly connected external link is changed to the default router after the end of the time. When configured in this manner, a period for buffering a packet is set very appropriately, and packet loss can be reliably prevented.
[0025]
Further, it is preferable that the above means detects the start of the link layer instantaneous interruption time by a signal from the interface connected to the external link, and detects a change of the default router by a signal from the IP layer of the mobile node. When configured in this way, it is possible to detect a period for buffering a packet appropriately and easily.
[0027]
Meanwhile, the mobile communication system according to the present invention is a mobile communication system comprising a mobile node that transmits a packet and a plurality of access routers that provide an external link to the mobile node, and the mobile node is in a handoff period. Has a means to buffer the packet and send the buffered packet to the access router that provides the newly connected external link when the handoff is completed.Means, router notification ( router advertisement ) Request router to request access router to send () router solicitation ) Not bufferedIt is characterized by that.
[0028]
In the mobile communication system according to the present invention, in a mobile node, packets to be transmitted during a handoff period are buffered without being transmitted during the handoff period, and buffered when the handoff is completed. The packet will be sent to the access router that provides the newly connected external link. As a result, packet loss can be prevented during the handoff period.Also, in the present invention, the above means is a router advertisement ( router advertisement ) Request router to request access router to send () router solicitation ) Is not buffered, the router solicitation transmitted by the mobile node reaches the access router, and the mobile node can receive the router advertisement immediately.
[0029]
In addition, during the period when the packet is buffered by the above means, the link layer instantaneous interruption occurs from the start of the link layer instantaneous interruption time when the link layer of the mobile node is not connected to any external link for switching the connection point. It is preferable that it is a period until the access router that provides the newly connected external link is changed to the default router after the end of the time. When configured in this manner, a period for buffering a packet is set very appropriately, and packet loss can be reliably prevented.
[0030]
Further, it is preferable that the above means detects the start of the link layer instantaneous interruption time by a signal from the interface connected to the external link, and detects a change of the default router by a signal from the IP layer of the mobile node. When configured in this way, it is possible to detect a period for buffering a packet appropriately and easily.
[0032]
The communication control program according to the present invention functions as a means for buffering a packet during a handoff period and transmitting the buffered packet when the handoff is completed in order to transmit the packet. Let, By means of router notification ( router advertisement ) Request router to request access router to send () router solicitation ) Is not bufferedIt is characterized by that.
[0033]
In the communication control program according to the present invention, packets that are to be transmitted during the handoff period are buffered without being transmitted during the handoff period by the computer functioning as the above means, and the handoff is completed. Sometimes buffered packets will be transmitted. As a result, packet loss can be prevented during the handoff period.In the present invention, the router notification ( router advertisement ) Request router to request access router to send () router solicitation ) Is not buffered, the router solicitation transmitted by the mobile node reaches the access router, and the mobile node can receive the router advertisement immediately.
[0034]
In addition, during the period when the packet is buffered by the above means, the link layer instantaneous interruption occurs from the start of the link layer instantaneous interruption time when the link layer of the mobile node is not connected to any external link for switching the connection point. It is preferable that it is a period until the access router that provides the newly connected external link is changed to the default router after the end of the time. When configured in this manner, a period for buffering a packet is set very appropriately, and packet loss can be reliably prevented.
[0035]
Further, it is preferable that the above-described means detects the start of the link layer instantaneous interruption time by a signal from the interface connected to the external link, and detects a change of the default router by a signal from the IP layer of the mobile node. When configured in this way, it is possible to detect a period for buffering a packet appropriately and easily.
[0037]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A mobile node, a mobile communication system, and a communication control program according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. In the description, the same reference numerals are used for the same elements or elements having the same function, and redundant description is omitted.
[0038]
(First embodiment)
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration of a mobile communication system according to the first embodiment. In FIG. 1, MH indicates a mobile host, HA indicates a home agent, AR indicates an access router (Access Router), and CH indicates a correspondent host (Correspondent Host).
[0039]
As shown in FIG. 1, the
[0040]
The
[0041]
Note that a node is a device that transmits and receives packets corresponding to IPv6, and a link is a communication path that transmits a packet transmitted by a node to another node by a wired transmission method or a wireless transmission method. The link includes a home link and an external link. The home link is a link to which the
[0042]
FIG. 2 is a diagram showing the configuration of the
[0043]
In the
[0044]
The
[0045]
When switching the connection point from the
[0046]
The
[0047]
FIG. 3 is a sequence chart when the
[0048]
In state I, since the
[0049]
When the
[0050]
Note that when the
[0051]
In the first embodiment, for simplification, the
[0052]
On the other hand, although it is possible to buffer at the
[0053]
In the first embodiment, the packet buffer period is the start of the
[0054]
As described above, in the first embodiment, during the handoff period, while the
[0055]
In the first embodiment, the
[0056]
In the first embodiment, in the TCP /
[0057]
In the
[0058]
(Second Embodiment)
FIG. 4 is a diagram showing the configuration of the mobile communication system according to the second embodiment. In FIG. 4, SH is a fixed host (Stationary Host), MR is a mobile router (Mobile Router), HA is a home agent (Home Agent), AR is an access router (Access Router), and CH is a correspondent host (Correspondent Host). Show.
[0059]
As shown in FIG. 4, the
[0060]
The
[0061]
The
[0062]
FIG. 5 is a diagram showing the configuration of the mobile router. An
[0063]
Packets received from the mobile
[0064]
The buffer space 71b is for buffering packets during the handoff period. The
[0065]
The fixed
[0066]
When the
[0067]
FIG. 6 is a sequence chart when the
[0068]
In state I, the link layer 73 (
[0069]
When the
[0070]
Note that when the
[0071]
In the second embodiment, for simplicity, the
[0072]
In the second embodiment, during the period of buffering the packet, the
[0073]
As described above, in the second embodiment, while the
[0074]
In the second embodiment, during the period in which the
[0075]
In the second embodiment, in the
[0076]
In the
[0077]
Finally, a communication control program according to the embodiment of the present invention will be described. In order to transmit a packet, the communication control program causes the computer to function as means for buffering the packet during the handoff period and transmitting the buffered packet when the handoff is completed. The communication control program is recorded on a computer-readable storage medium, for example. Here, the recording medium causes a state of change in energy such as magnetism, light, electricity, etc., corresponding to the description content of the program to the reading device provided in the hardware resource of the computer, and corresponds to it. The contents of the program description can be transmitted to the reading device in the form of a signal. Examples of such a recording medium include a magnetic disk, an optical disk, a CD-ROM, and a memory built in a computer.
[0078]
As shown in FIG. 7, the
[0079]
The computer functions as the
[0080]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, it is possible to provide a mobile node, a mobile communication system, and a communication control program capable of preventing packet loss during a handoff period.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a mobile communication system according to a first embodiment.
FIG. 2 is a diagram showing a configuration of a mobile host.
FIG. 3 is a sequence chart when a mobile host communicating with a communication partner host performs handoff.
FIG. 4 is a diagram showing a configuration of a mobile communication system according to a second embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing a configuration of a mobile router.
FIG. 6 is a sequence chart when a mobile router communicating with a communication partner host performs handoff.
FIG. 7 is a diagram illustrating a configuration of a storage medium.
FIG. 8 is a sequence chart showing state transition at the time of handoff of a conventional mobile host.
FIG. 9 is a sequence chart showing state transition at the time of handoff of a conventional mobile router.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
ハンドオフの期間中に前記パケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされた前記パケットを送信する手段を有しており、
前記手段は、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングしないことを特徴とする移動ノード。A mobile node that transmits packets,
Buffering the packet during the hand-off, and have a means for transmitting the packets buffered when the handoff has been completed,
The mobile node characterized in that the means does not buffer router solicitation for requesting an access router to transmit router advertisement .
前記移動ノードは、ハンドオフの期間中に前記パケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされた前記パケットを新たに接続された外部リンクを提供するアクセスルータに送信する手段を有しており、
前記手段は、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングしないことを特徴とする移動通信システム。A mobile communication system comprising: a mobile node that transmits a packet; and a plurality of access routers that provide an external link to the mobile node,
The mobile node, the packet buffering during handoff, have a means for transmitting to the access router providing the newly connected external link the packets buffered when the handoff has been completed And
The means does not buffer router solicitation for requesting an access router to transmit a router advertisement .
ハンドオフの期間中に前記パケットをバッファリングし、当該ハンドオフが完了したときにバッファリングされた前記パケットを送信する手段として機能させ、
前記手段にて、ルータ通知( router advertisement )の送信をアクセスルータに要求するためのルータ要請( router solicitation )をバッファリングさせないことを特徴とする通信制御プログラム。Computer to send packets,
Buffering the packet during a handoff period, functioning as a means for transmitting the buffered packet when the handoff is completed ;
It said at means, router advertisement (: router Show advertisement) communication control program router solicitation for requesting transmission to the access router (: router solicitation), characterized in that not buffered.
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