JP3889532B2 - Built-in magnetizing method for DC brushless motor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば冷蔵庫やエアコンの圧縮機駆動用などに用いられる集中巻線方式のDCブラシレスモータの組込着磁方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば冷蔵庫やエアコンの圧縮機モータなどには、回転数の制御が容易でかつ高効率なDCブラシレスモータが多く使用されている。図22は従来のDCブラシレスモータの一例の断面図である。
【0003】
図において、1は内周面に軸方向へ延びる24本のスロット1aが設けられている円筒状のステータコアであり、スロット1a間にはティース部1bが形成されている。2aは各スロット1a内にそれぞれ挿入されている巻線であり、これらの巻線2aは、3相4極を形成するようにY結線されている。また、巻線2aは、スロット1a間に跨って分布巻線として巻かれている。3はステータコア1及び巻線2aを有するステータである。
【0004】
4はステータ3の軸線上に配置され、ステータ3に対して回転可能なロータ軸、5はロータ軸4に固定されているロータコア、6はロータコア5の外周面に固定されている複数の永久磁石であり、これらの永久磁石6は、N極とS極とが交互になるように着磁される。7はロータ軸4、ロータコア5及び永久磁石6を有するロータであり、このロータ7とステータ3との間には、空隙8が設けられている。
【0005】
従来の圧縮機駆動用のモータは、分布巻線方式のステータ3を用いるのが一般的であった。しかし、最近は、巻線技術の目覚ましい進歩により、スロット断面積に対する巻線断面積の比(占積率)を向上させ効率改善を図った集中巻線方式が注目を集めている。
【0006】
集中巻線方式は、図23に示すように、1つのティース部1bに巻線2を直接施す方式である。このため、巻線2の周長や、巻線2の端部の高さ寸法を小さくすることができ、巻線抵抗値を低減し、ひいては銅損を低減した高効率なDCブラシレスモータを提供することが可能となる。
【0007】
ここで、上記のように構成されたDCブラシレスモータにおいては、分布巻線方式、集中巻線方式のいずれの巻線方式であっても、ロータ7に永久磁石6を用いているため、生産工程の中で永久磁石6を磁化するための着磁工程が必要となる。
【0008】
例えば、特開昭57−142165号公報又は特開平9−247909号公報には、従来のDCブラシレスモータの着磁方法が示されている。従来の着磁方法では、ステータ内にロータを組み込んだ後、着磁専用の着磁電源を用いてステータに700V、1kA程度の高圧パルス電圧を印加し、永久磁石を磁化させていた。
【0009】
図24は分布巻線方式のステータ3を用いて組込着磁を行った場合の磁界分布を示した説明図である。本方式では、3相Y結線の2相間に高圧のパルス電圧を印加して、ロータ部に均等な4極の磁界17を与えることにより、永久磁石が着磁される。一般的に、分布巻線方式においては、ステータ3のスロット数が永久磁石の極数の整数倍であるため、磁界17の分布は、永久磁石の極数と等しい均一な極を形成する。このため、上記のようなステータ内にロータを組み込んでの着磁が可能である。
【0010】
一方、集中巻線方式においては、トルクの有効利用の観点から、スロット数と永久磁石の極数との組み合わせを、3相の場合で3:2や3:4などとするのが一般的である。このため、スロット数と極数との組み合わせの構造上、ステータ3の巻線の作る磁束は均一な極を形成できず、上記のような着磁方法は適用できなかった。
【0011】
図25は集中巻線を施したステータを用いて、分布巻線方式のステータと同様に3相Y結線の2相間に高圧のパルスを印加した場合の磁界分布を示す説明図である。本図から明らかなように、ステータの巻線が作る磁界17は不均一であるため、磁石の片側端部が着磁されず、不完全着磁となっている。
【0012】
また、1b部の先端部をショートして永久磁石に鎖交しない磁束が多いため、必要な着磁電流も増加してしまう。以上のような理由から、集中巻線方式のステータを用いた場合、分布巻線方式のステータと同様な組込着磁方式を適用することができなかった。
【0013】
図26は従来の集中巻線方式のステータを有するDCブラシレスモータの永久磁石の着磁装置を示す断面図、図27は図26の装置を用いた着磁方法を示すフローチャートである。従来、集中巻線方式のモータの永久磁石を着磁する場合、まず専用の着磁ヨーク9内にロータ7を挿入する(ステップS1)。着磁ヨーク9には、永久磁石6の極数の整数倍の数だけ磁極突起9aが設けられている。これらの磁極突起9aには、極性が交互に来るように巻線2bが施されている。
【0014】
次に、着磁電源(図示せず)を用いて、パルス状の電圧を巻線2bに印加することにより均一な磁束を発生させる(ステップS2)。これにより、永久磁石6が着磁される。この後、ロータ7を着磁ヨーク9から取り外し、モータのステータ3内へ組み込む(ステップS3)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記にように構成された従来の集中巻線方式を用いたDCブラシレスモータの着磁方法においては、専用の着磁ヨーク9を用いて着磁した後、着磁ヨーク9からロータ7を取り出し、さらにロータ7をステータ3に組み込む作業が必要となるため、作業工程が増加してしまう。しかも、強力な磁力を持ったロータ7を、1mm以下の隙間8を隔てただけのステータ3の内側に組み込む作業には特に手間がかかってしまう。
【0016】
また、着磁されたロータ7を着磁ヨーク9から取り出して大気中に開放すると、永久磁石6のパーミアンス係数が低下し、磁気的に不安定な状態となり、特に大気中の温度が高い状況下では、永久磁石6の減磁を生じる恐れがあった。さらに、着磁されたロータ7の管理は難しく、着磁後、ステータ3に組み込む前にロータ7の表面に磁性体の破片などが付着した場合、そのまま圧縮機に組み込まれると圧縮機の細管を詰まらせ、圧縮機の故障の原因となっていた。
【0017】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、集中巻線方式のモータのロータを容易に着磁することができるとともに、ステータへのロータの組込を容易にすることができ、また永久磁石の減磁を防止することができ、さらにロータへの磁性体の付着を防止することができるDCブラシレスモータの組込着磁方法を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るDCブラシレスモータの組込着磁方法は、2N極(Nは1以上の整数)を形成する無着磁状態の複数の磁石素材が設けられているロータを、3N個の磁極突起を有し、それぞれの磁極突起に集中巻線が施され、3相Y結線されたステータ内に挿入する工程、ロータの無着磁状態の隣接する磁石素材の切れ目と、ステータの隣接する磁極突起の溝開口部の中心とが一致するように回転方向への位置決め固定を行い、集中巻線の一部に高圧パルス電圧を印加する第1の着磁工程、及びロータを電気角で180度回転させ位置決め固定を行い、集中巻線の前回と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する第2の着磁工程を含み、第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束が漏れ磁束を抑制することを利用して、第1の着磁工程に対して、第2の着磁工程で印加する着磁電流のレベルを小さくしたものである。
【0019】
また、高圧パルス電圧を所定の2相間に印加するものである。
【0020】
また、この発明に係るDCブラシレスモータの組込着磁方法は、2N極(Nは1以上の整数)を形成する無着磁状態の複数の永久磁石が設けられているロータを、3N個の磁極突起を有し、3相Y結線され中性点を有する集中巻線がそれぞれの磁極突起に施されたステータ内に挿入する工程、所定の単相の磁極突起の中心と無着磁状態の磁石素材の中心とが一致するように回転方向への位置決め固定を行い、集中巻線の所定の単相間に高圧パルス電圧を印加する第1の着磁工程、及びロータを電気角で180度回転させ位置決め固定を行い、集中巻線の前回と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する第2の着磁工程を含み、第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束が漏れ磁束を抑制することを利用して、第1の着磁工程に対して、第2の着磁工程で印加する着磁電流のレベルを小さくしたものである。
【0021】
また、この発明に係るDCブラシレスモータの組込着磁方法は、2N極(Nは1以上の整数)を形成する無着磁状態の永久磁石が設けられているロータを、3N個の磁極突起を有し、それぞれの磁極突起に集中巻線が施され、3相Y結線されたステータ内に挿入する工程、ロータとステータの回転方向への位置決め固定を行い、集中巻線の3相間に高圧パルス電圧を印加する工程、及びロータを電気角で60度回転させ位置決め固定を行い、集中巻線の所定の1相を除いた前回と同様の部分に前回と同一極性の高圧パルス電圧を印加する工程を含むものである。
【0022】
また、埋め込み磁石形ロータを用いたものである。
【0024】
また、磁石素材に希土類磁石を用いたものである。
また、磁石素材の形状を、磁石素材の中央部の厚みに対して、端部の厚みを小さくしたものである。
また、2N個以下の磁石素材を設けたロータを用いて、磁石素材を2N極に着磁するものである。
また、磁石素材にリング磁石を用いたものである。
また、リング磁石の配向を極異方性としたものである。
また、ロータがステータに挿入される前に、ステータを圧縮機筐体内に固着する工程を含むものである。
また、ロータの軸受け部を片持ち構造としたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャート、図2は図1の方法によりモータを着磁する様子を示す断面図、図3は図2の後段の状態を示す断面図、図4は圧縮機にDCブラシレスモータを組み込んでロータを回転自在に保持するための保持構造を示す断面図、図5は図4の圧縮機を組み込んだ冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図で、ここでは室内機と室外機とから成るセパレート型のルームエアコンを示している。
【0026】
図において、1は内周面に軸方向へ延びる複数のスロット1aが設けられている円筒状のステータコアであり、スロット1a間には磁極突起としてのティース部1bが形成されている。2はティース部1bに直接巻き付けられている3相Y結線の集中巻線、3はステータコア1及び巻線2を有するステータである。
【0027】
4はステータ3の軸線上に配置され、ステータ3に対して回転可能なロータ軸、5はロータ軸4に固定されているロータコア、6はロータコア5の外周面に固定されている複数の永久磁石であり、これらの永久磁石6は、N極とS極とが交互になるように着磁される。また、永久磁石6は、フェライト又はネオジなどを主成分に構成されている。7はロータ軸4、ロータコア5及び永久磁石6を有するロータであり、このロータ7とステータ3との間には、空隙8が設けられている。
【0028】
図5において、15は圧縮機、32は冷房運転及び暖房運転の冷媒の流れを切換える流路切換え手段で例えば四方弁、33は室外熱交換器、44は第1流量制御装置、35は室内熱交換器、41は室外ユニット、42は室内ユニットであり、これらは配管によって順次接続され冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルの冷媒には、HFC系冷媒で、R32とR125の混合冷媒であるR410Aが用いられ、冷凍機油としてはアルキルベンゼン系油が用いられている。その他冷媒としてはR407Cなどが、冷凍機油としては鉱油、エステル油などが適用可能である。
【0029】
次に、着磁方法について説明する。まず、ステータ3は、焼きばめなどにより、圧縮機15の筐体10に予め固定しておく。そのステータ3の内側に0.5〜1mm程度の空隙8を隔てて、無着磁(未着磁)の永久磁石(磁石素材)6を有するロータ7を挿入し、回転可能な状態で保持する。なお、ロータは、図4で示すように片持ち軸受け部11により、圧縮機要素部12側のみで回転可能となるように保持する構造となっている。従って、圧縮機要素部12の反対側には軸受けや、圧縮要素部などの構造物はなく、空間部13を有する構造となっている。次に、ロータ7とステータ3とが所定の位置関係となるようにステータ3に対するロータ7の回転方向への位置決めを行う(ステップS11)。
【0030】
このとき、図2の位置、即ちU相の巻線2が施されたティース部1bと、V相の巻線2が施されたティース部1bとによって形成されるスロット1aの中央(溝開口部の中心)に永久磁石6の継ぎ目(隣接する磁石素材の切れ目、即ち着磁後を想定した場合のN極とS極との境界)が来るようにロータ7を位置決めする。後述する工程において、着磁のための永久磁石6と巻線2との位置関係はロータの回転方向に移動させるものであるから、永久磁石6の継ぎ目合わせと着磁のためのロータ位置変更とが同じロータ回転方向で行える。また、永久磁石6の継ぎ目を合わせることで、作業者が目視で永久磁石6と巻線2との位置関係を確認することができる。
【0031】
また、ロータコア5の軸端部には、軸方向へ延びる位置決め用の穴又は切欠等の位置決め部14が設けられており、この穴又は切欠等の位置決め部14に位置決め回転手段(図示せず)の係合部(複数のピン等)を係合させることにより、ロータ7の位置決めが行われる。
【0032】
次に、3相のうち、U相及びV相の2相間に着磁電源(図示せず)を用いて高圧の直流パルス電圧を瞬間的に印加する(ステップS12:第1の着磁工程)。高圧パルス電圧を印加することによって、Y結線されたステータ3の巻線には瞬間的に、図2に示す向きにピーク1kA程度のパルス状の大電流が流れ、図中の向きに磁界17が発生する。
【0033】
このとき、巻線2に流れる電流によって発生した磁束は、U相のティース部1b先端面とV相のティース部1b先端面とに対向した永久磁石6の領域を鎖交して流れることによって、磁束が鎖交した部分のみ着磁が行われる。従って、この時点では、磁束の鎖交しないW相のティース部1bの先端面と対向する永久磁石6の領域は完全な着磁はされず、永久磁石6全体としては、不完全な着磁状態にある。
【0034】
この後、位置決め回転手段のモータを駆動させ、電気角で180度(この例では、4極なので機械角で90度)、ロータ7を任意の向きに回転させた後、位置決め回転手段によりロータ7を固定する(ステップS13)。このとき、ロータ7の固定は、第1の着磁工程で行ったロータの固定よりも、強固に行う。これは、第1の着磁工程で、永久磁石素材の60%程度が着磁されているため、後述する第2の着磁工程で高圧パルス電圧を印加した瞬間に、電機子巻線に大電流が流れ、この電流と第1の工程で着磁された永久磁石の作る磁束との間にフレミングの左手の法則によるトルクが作用するためである。
【0035】
次に、集中巻線2の第1の着磁工程と同様の相間(U−V間)に、前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する(ステップS14:第2の着磁工程)。ここで、着磁電源は、通電方向の切換が可能になっている。このように、2回目の電圧印加により図3に示すような磁界17が発生し、永久磁石6の残りの部分が着磁され、完全な着磁状態に至る。着磁後に、位置決め回転手段が撤去され、圧縮機15にカバー16が被せられる。
【0036】
このように、集中巻線2のステータ3を用いて、永久磁石6の着磁を行うことで、専用の着磁ヨークが不要となるため、外部の着磁ヨークを用いて永久磁石を着磁した後、ロータ内に永久磁石を組み付ける生産方法と比べて、生産工数を大幅に削減でき製造ラインの簡略化を図ることができる。また、集中巻きステータを用いて組込着磁を行うことで、従来の分布巻きステータを用いて行う組込着磁と比べて、ステータのコイルエンド部を約1/2と格段に小さくさせることができるため、分布巻きの組込着磁時に過大な電流が巻線に流れることで生じていた巻線の変形によるコイルの絶縁皮膜破壊がなくなり信頼性の高いモータが実現できる。
【0037】
また、巻線の変形が生じなくなったことにより、従来の分布巻きステータで用いていた巻線の変形を防止するための巻線固定用のワニス処理が不要となり安価なモータが提供できる。また、第1の着磁工程及び第2の着磁工程において、磁石素材の切れ目を、隣接する磁極突起の溝開口部中心と一致するように位置決めしたので、磁石の切れ目を境に、N極S極となるような異極の磁極を有した永久磁石が形成されるため、永久磁石の切れ目(空隙)を介して同極の磁極が形成される様な磁石の位置決めを行わない着磁方法と比べて、磁石の切れ目による磁力の損失がなくなり、永久磁石の磁力を向上させることができ、電流を低減した銅損の小さい高効率のモータを提供することができる。
【0038】
また、圧縮機15の筐体10にステータ3とロータ7を組み込んだ状態で、永久磁石の着磁が行われるので、着磁後に鉄粉などがロータに付着することがなくなり、圧縮機15の運転中に鉄粉が圧縮機15内部に飛び散り、圧縮機15に接続された細管(図示せず)に鉄粉が入り込み、細管を詰まらせて故障するといった不具合がなくなる。また、ステータ3内に組み込まれた状態で永久磁石6の着磁が行われるので、永久磁石6のパーミアンス係数は高く、磁気的に安定した状態が保たれる。従って、着磁後の永久磁石6が大気中に開放される場合と異なり、永久磁石6の減磁の恐れがなく、信頼性の高いDCブラシレスモータを得ることができる。
【0039】
また、圧縮機15にモータを組み込む際、ロータの軸受け部の構造を、圧縮機要素部12側でロータ軸を回転自在に保持する片持ち軸受け部11で構成することで、反軸受け部側には空間部13ができるため、ロータの回転方向への位置決めを行うための位置決め回転手段を容易に装着することが可能となる。これにより、ロータの回転方向への位置決め固定が容易に行えるようになり、位置決め精度が向上し、信頼性の高い組込着磁が実現できる。
【0040】
なお、実施の形態1では、4極のモータを例に説明したが、2N極(Nは1以上の整数)のモータについても同様の方法で組込着磁を行うことができる。また、実施の形態1では、U−V相間の励磁を例に説明したが、U−V相の通電の代わりに、V−W相やU−W相を基準に励磁をしても同様の効果が得られる。
【0041】
また、実施の形態1では、第1の着磁の工程及び、第2の着磁の工程で各1回づつの高圧パルス電圧を印加して着磁を行っていたが、この代わりに、各工程で複数回の高圧パルス電圧を印加しても同様の効果が得られる。例えば、第1の着磁工程及び、第2の着磁工程で連続的にそれぞれ2回づつの高圧パルスを印加する方法や、第1の着磁工程で2回、第2の着磁工程で1回などといった方法が考えられる。このように、各工程で複数回の連続的な高圧パルス電圧を印加することで、より確実に信頼性の高い組込着磁が実現できる。
【0042】
さらに、実施の形態1では、説明の簡略化のため、永久磁石6を表面に配置した構成のDCブラシレスモータを例に説明したが、例えば図6〜図8に示すように、永久磁石6をロータコア5内に埋め込んだ埋め込み磁石形のDCブラシレスモータについても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0043】
この実施の形態の圧縮機15は、圧縮機筐体10内で高圧パルス電圧を所定の集中巻線の端子の一部に印加することで、ロータの永久磁石に着磁したDCブラシレスモータを、圧縮機筐体10内に保持したままカバー16を被せるので、ロータに磁性体などの不純物が付着することを防止できる。
【0044】
そして、図5に示すようにこのような圧縮機15を搭載し、凝縮器(冷房時では室外熱交換器33、暖房時では室内熱交換器35)、蒸発器(冷房時では室内熱交換器35、暖房時では室外熱交換器33)が順次接続された冷凍サイクル装置は、冷媒にHFC系冷媒が用いられている。HFC系冷媒は冷凍機油との相溶性が低いため、冷凍機油は冷凍サイクル中の配管内に付着しやすく、この油に磁性体等の不純物が付着して配管詰まりや伝熱性能の低下を引き起こすことがあるが、この実施の形態ではDCブラシレスモータの永久磁石の着磁を圧縮機筐体に固定した状態で行え、着磁後カバーをすることができるから、ロータへの不純物の付着が無く、冷凍サイクル中への不純物の付着を低減でき、HFC系冷媒の冷凍サイクルに好適な信頼性の高い冷凍サイクル装置が得られる。
【0045】
実施の形態2.
次に、図9はこの発明の実施の形態2によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャート、図10は図9の方法によりモータを着磁する様子を示す断面図、図11は図10の後段の状態を示す断面図である。この例の集中巻線2は、3相Y結線で中性点を有している。他の構成は、実施の形態1とほぼ同様である。
【0046】
次に、着磁方法について説明する。まず、ステータ3は、圧縮機15の筐体10に予め固定しておく。そのステータ3の内側に0.5〜1mm程度の空隙8を隔てて、無着磁(未着磁)の永久磁石(磁石素材)6を有するロータ7を挿入し、回転可能な状態で保持する。次に、ロータ7とステータ3とが所定の位置関係となるようにステータ3に対するロータ7の回転方向への位置決めを行う(ステップS21)。
【0047】
このとき、図10の位置、即ちU相の巻線2が施されたティース部1bの極中心に着磁後を想定した場合の永久磁石6の極中心が来るようにロータ7を位置決めする。ロータ7の回転及び位置決めは、実施の形態1と同様の位置決め回転手段により行われる。
【0048】
次に、3相のうち、U相と中性点の単相間に着磁電源を用いて高圧の直流パルスを瞬間的に印加する(ステップS22)。高圧パルス電圧を印加することによって、ステータ3のU相の巻線2には瞬間的に、図10に示す向きにパルス状の大電流が流れ、図中の向きに磁界17が発生する。
【0049】
このとき、巻線2に流れる電流によって発生した磁束は、U相のティース部1b先端面を経由して、U相のティース部1b先端面と対向した磁石面に鎖交する。その後、永久磁石6を鎖交した磁束は、磁気的に安定な無通電相のV相及びW相のティース部1bへ向かって2方向に分岐して流れる。これによって、磁束が鎖交したU相のティース部1bに対向する永久磁石6の極中心付近、及びU相のティース部1bと対向しない永久磁石6の両端部付近の着磁が行われる。従って、この時点では、磁束の鎖交しないU相のティース部1bと対向する永久磁石6の両端付近、及びU相のティース部1bと対向しない永久磁石6の極中心付近は不完全な着磁状態である。
【0050】
この後、位置決め回転手段のモータを駆動させ、電気角で180度(この例では、4極なので機械角で90度)、ロータ7を任意の向きに回転させた後、位置決め回転手段によりロータ7を固定する(ステップS23)。次に、集中巻線2の前回と同様の単相間(U−中性点間)に、前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する(ステップS24)。このように、2回目の電圧印加により図11に示すような磁界17が発生し、永久磁石6の残りの部分が着磁され、完全な着磁状態に至る。
【0051】
このように、中性点を有する集中巻線2のステータ3を用いて、単相間に高圧パルス電圧を印加する2回着磁方法によって、より簡単な結線でロータ7の組込着磁を行うことができる。
【0052】
実施の形態3.
図12は、この発明の実施の形態3によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャート、図13は図12の方法によりモータを着磁する様子を示す断面図、図14は図13の後段階の状態を示す断面図である。モータの構成は実施の形態1と同様である。
【0053】
次に、着磁方法について説明する。まず、ステータ3は、圧縮機の筐体に予め固定しておく。そのステータ3の内側に0.5〜1mm程度の空隙8を隔てて、無着磁(未着磁)の永久磁石(磁石素材)6を有するロータ7を挿入し、回転可能な状態で保持する。次に、ロータ7とステータ3とが所定の位置関係となるようにステータ3に対するロータ7の回転方向への位置決めを行う(ステップS31)。
【0054】
このとき、図13の位置、即ちU相の巻線2が施されたティース部1bとW相の巻線2が施されたティース部1bとによって形成されるスロット1aの中央に永久磁石6の継ぎ目(着磁後を想定した場合のN極とS極の境界)が来るようにロータ7を位置決めする。ロータ7の回転及び位置決めは、実施の形態1と同様の位置決め回転手段により行われる。
【0055】
次に、3相のうち、所定の1相は正の電極側に接続し、残りの2相は短絡して負の電極側に接続することにより、3相間に着磁電源(図示せず)を用いて高圧の直流パルス電圧を瞬間的に印加する(ステップS32)。このとき、例えば、U相を正、V相とW相を短絡して負の電極側に接続した場合、高圧パルス電圧を印加することによって、図13に示すU相端子からV相端子及び、U相端子からW相端子の方向にパルス電流が流れ、図中の向きに磁界17が発生する。
【0056】
このとき、巻線2に流れる電流によって発生した磁束は、U相のティース部1b先端面とV相のティース部1b先端面、及び、U相のティース部1b先端面とW相のティース部1b先端面とに対向した永久磁石6の領域を鎖交して流れることによって、磁束が鎖交した部分の着磁が行われる。従って、この時点では、U相のティース部1b先端面に対向する磁石の機械角で60度の領域がN極、V相、及びW相のティース部1b先端面とに対向する機械角で120度の磁石の領域がS極となり、N極に対してS極の磁極幅が広くなるようなアンバランスな着磁がされている。
【0057】
この後、位置決め回転手段のモータを駆動させ、電気角で60度(この例では、4極なので機械角で30度)、ロータ7を反時計方向の向きに回転させた後、位置決め回転手段によりロータ7を固定する(ステップS33)。次に、集中巻線2のW相を開放とし、U相とV相の相間に、前回と同様の極性の高圧パルス電圧を印加する(ステップS34)。このように、2回目の電圧印加により図14に示すような磁界17が発生し、U相のティース部1b先端面と対向する磁石の領域がN極、V相のティース部1b先端面と対向する磁石の領域がS極になるように着磁が行われる。従って、1回目の着磁工程で着磁された永久磁石6のS極の120度領域の内、N極と隣接する一方の30度分がN極に着磁され、残りの90度の領域はS極のまま保持される。この2回目の着磁工程によって、バランス良い4極の着磁が実現可能となる。
【0058】
このように、集中巻線2のステータ3を用いて、永久磁石6の着磁を行うことで、実施の形態1と同様な効果が得られる他、2回目の着磁工程において、1回目の着磁工程で着磁された磁石領域の一部に再度、パルス電圧を印加するため、より信頼性の高い組込着磁が実現できる。
【0059】
なお、実施の形態3では、U相を正の電極側としV相とW相を短絡して負の電極側に接続して行う着磁の例について述べたが、他の相を用いた任意の組み合わせでも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0060】
実施の形態4.
図15は、この発明の実施の形態4による集中巻線ステータを用いてDCブラシレスモータの組込着磁を実現するためのロータ構造を示す断面図である。ロータは、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ永久磁石埋め込み形のロータ構造を有している。また、永久磁石素材は、ロータの極数と等しい数だけ配置されており、その形状は、永久磁石の極中心の厚みLに対して、永久磁石の端部の厚みmが小さくなるように定められている。
【0061】
図16に永久磁石素材の厚みが等しい場合のモータと、この実施の形態で示す永久磁石端部の厚みを永久磁石の極中心に対して小さくした場合のモータの磁束線図を同一電流条件で比較した結果を示す。本図(a)より、同一電流条件において、永久磁石素材の厚みを同一としたモータでは、永久磁石素材の端部を磁束が完全に通過していないのが分かる。これは、ステータ側から見て、永久磁石素材の端部の磁気抵抗が大きくなっており、通電相の磁極突起間を跨って磁束がステータ内部で閉じてしまっているためである。この場合、永久磁石端部を完全に着磁するためには、更に大きな電流を印加する必要がある。
【0062】
一方、同図(b)より、永久磁石端部の厚みを永久磁石の極中心に対して小さくした場合は、ステータ側から見た永久磁石端部の磁気抵抗を減少させることができるため、永久磁石素材の端部に磁束を完全に通過させることができるようになり、永久磁石の厚みを同一としたロータと比べて、より小さい電流で着磁することが可能となり、生産工程における省エネルギー化を図ることができる。
【0063】
なお、この実施の形態では、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋め込み形ロータの例について述べたが、永久磁石の磁極中心の厚みに対して、端部の厚みを小さくした形状のロータであれば、図17に示す永久磁石をロータ表面に配置した仕様のモータであっても同様の効果が得られる。
【0064】
実施の形態5.
図18に、この発明の実施の形態5によるロータの断面図を示す。実施の形態1では、2N極の磁極を有するロータに2N枚の永久磁石素材を用いて組込着磁を行う例について述べたが、永久磁石素材の枚数を2N枚以下としても同様の効果が得られる。例えば、N=3で6極の磁極を有するロータを考えた場合、図18に示すように永久磁石素材の枚数を3枚若しくは2枚とすることで、永久磁石素材間の継ぎ目の数を減少することができ、素材間の隙間の部分を永久磁石として使用できるようになり、ロータの磁力を向上させることができる。また、永久磁石素材の枚数を減らすことができるため、加工費を削減することができる。
【0065】
実施の形態6.
図19に、この発明の実施の形態6によるロータの断面図を示す。実施の形態1では、2N極の磁極を有するロータに2N枚の永久磁石素材を用いて組込着磁を行う例について述べたが、この実施の形態では、永久磁石素材を分割せずに1枚の焼結のリング磁石を用いてロータを構成している。この実施の形態はN=4、即ち8極の磁極を形成している場合の例を示すものである。従って、12個の磁極突起を有するステータを用いることにより、容易に組込着磁を行うことができる。
【0066】
このように、焼結リング磁石を用いてロータを構成することにより、実施の形態1と同様の効果が得られる他、永久磁石素材間の継ぎ目をなくすことにより、素材間の隙間の部分を永久磁石として使用できるようになり、実施の形態5と比べて、更にロータの磁力を向上させることができる。また、電機子巻線に流れる電流の作る磁束の流れは、極異方性リング磁石の方向と、ほぼ一致するため、永久磁石素材の厚みが一定であっても、着磁電流を最小限に抑制することができる。
【0067】
実施の形態7.
図20に、この発明の実施の形態7による集中巻きステータを用いて、ロータに配置した永久磁石素材を着磁する場合の着磁電流を示す。この実施の形態による組込着磁の方法は、第1の着磁工程における電機子巻線に流れる着磁電流に対し、第2の着磁工程における電機子巻線に流れる着磁電流を小さくなるように高圧パルス電圧を印加することを特徴としている。
【0068】
図21にこの実施の形態の方法で着磁を行った場合と、第1の着磁工程と第2の着磁工程で印加する電流値を等しくして着磁を行った場合の磁束量を比較した結果を示す。本図より、第2の着磁工程の印加電流を第1の着磁工程の印加電流に対して小さくしても、第1の着磁工程と第2の着磁工程で印加する電流値を等しくして着磁を行った場合と同じ磁気特性が得られることが分かる。
【0069】
これは、第2の着磁工程では、第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束が、無通電相の磁極突起へ流れようとする着磁エネルギーに寄与しない漏れ磁束を抑制する働きをすることで、漏れ磁束を低減し、着磁に必要な磁束が永久磁石素材に有効に作用するためである。
【0070】
以上のように、第1の着磁工程に対し、第2の着磁工程の電機子巻線に流れる電流を小さくすることにより、第2の着磁工程で、電機子巻線に流れ電流と第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束の作用によって発生するフレミングの左手の法則に従うトルクを、第1の着磁工程と同一電流を印加する場合と比べて小さくすることができるため、第2の着磁工程におけるロータの固定力を減少させることができる。これにより、ロータを位置決め固定するための装置を簡略化することができる。また、着磁エネルギーを抑制することにより、生産設備の省電力化を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のDCブラシレスモータの組込着磁方法は、ロータとステータとが所定の位置関係となるようにステータに対するロータの回転方向への位置決めを行った後、集中巻線2の一部に高圧パルス電圧を印加し、さらにその後、ロータを電気角で180度回転させ、集中巻線2の前回と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加するようにしたので、専用の着磁ヨークが不要となるため、外部の着磁ヨークを用いて永久磁石を着磁した後、ロータ内に永久磁石を組み付ける生産方法と比べて、生産工数を大幅に削減でき製造ラインの簡略化を図ることができる。
また、集中巻きステータを用いて組込着磁を行うことで、従来の分布巻きステータを用いて行う組込着磁と比べて、ステータのコイルエンド部を約1/2と格段に小さくさせることができるため、分布巻きの組込着磁時に過大な電流が巻線に流れることで生じていた巻線の変形によるコイルの絶縁皮膜破壊がなくなり信頼性の高いモータが実現できる。
また、巻線の変形が生じなくなったことにより、従来の分布巻きステータで用いていた巻線の変形を防止するための巻線固定用のワニス処理が不要となり安価なモータが提供できる。
また、第1の着磁工程及び第2の着磁工程において、磁石素材の切れ目を、隣接する磁極突起の溝開口部中心と一致するように位置決めしたので、磁石の切れ目を境に、N極S極となるような異極の磁極を有した永久磁石が形成されるため、永久磁石の切れ目(空隙)を介して同極の磁極が形成される様な磁石の位置決めを行わない着磁方法と比べて、磁石の切れ目による磁力の損失がなくなり、永久磁石の磁力を向上させることができ、電流を低減した銅損の小さい高効率のモータを提供することができる。また、着磁後に鉄粉などがロータに付着することがなくなる。
また、ステータ内に組み込まれた状態で永久磁石の着磁が行われるので、永久磁石のパーミアンス係数は高く、磁気的に安定した状態が保たれる。従って、着磁後の永久磁石が大気中に開放される場合と異なり、永久磁石の減磁の恐れがなく、信頼性の高いDCブラシレスモータを得ることができる。
【0072】
また、高圧パルス電圧を所定の2相間に印加するようにしたので、ロータの組込着磁を容易に行うことができる。
【0073】
また、この発明のDCブラシレスモータの組込着磁方法は、集中巻線が中性点を有しており、高圧パルス電圧を所定の単相間に印加するようにしたので、より簡単な結線でロータの組込着磁を行うことができる
【0074】
また、この発明のDCブラシレスモータの組込着磁方法は、ロータとステータの回転方向への位置決め固定を行った後、上記集中巻線の3相間に高圧パルス電圧を印加する工程と、さらにその後、ロータを電気角で60度回転させ位置決め固定を行い、上記集中巻線の所定の1相を除いた前回と同様の部分に前回と同一極性の高圧パルス電圧を印加するようにしたので、請求項1と組込着磁方法と同様の効果が得られる他、2回目の着磁工程において、1回目の着磁工程で着磁された磁石領域の一部に再度、パルス電圧を印加するため、より信頼性の高い組込着磁が実現できる。
【0075】
また、埋め込み磁石形ロータを用いたので、ロータの組込着磁を容易に行うことができる。
【0076】
また、この発明のDCブラシレスモータの着磁装置は、3相の集中巻線2が施されたステータの内側で、無着磁状態の永久磁石が設けられているロータを回転させるとともに、ステータとロータとが所定の位置関係となるようにステータに対するロータの回転方向への位置決めを行う回転位置決め手段と、集中巻線2の一部に通電して高圧パルス電圧を印加するとともに、通電方向が切換可能になっている着磁電源とを備えたので、集中巻線方式のモータのロータを容易に着磁することができるとともに、ステータへのロータの組込を容易にすることができ、また永久磁石の減磁を防止することができ、さらにロータへの磁性体の付着を防止することができる。
【0077】
また、ロータに用いられる磁石素材に希土類磁石を用いたので、ロータの組込着磁を容易に行うことができる。
また、ステータ側から見た永久磁石端部の磁気抵抗を減少させることができるため、永久磁石素材の端部に効率よく磁束を通過させることができるようになり、より小さい電流で着磁することが可能となり、生産工程における省エネルギー化を図ることができる。
また、2N個以下の磁石素材を設けたロータを用いて、磁石素材を2N極に着磁するようにしたので、永久磁石素材間の継ぎ目の数を減少することができ、素材間の隙間の部分を永久磁石として使用できるようになり、ロータの磁力を向上させることができる。また、永久磁石素材の枚数を減らすことができるため、加工費を削減することができる。
また、ロータの磁石素材にリング磁石を用いるようにしたので、永久磁石素材間の継ぎ目を完全になくすことにより、更にロータの磁力を向上させることができる。
また、上記リング磁石素材の配向を極異方性としたので、電機子巻線に流れる電流の作る磁束の流れは、極異方性リング磁石の方向と、ほぼ一致するため、永久磁石素材の厚みが一定であっても、着磁電流を最小限に抑制し、容易に組込着磁を行うことができる。
また、第1の着磁工程に対して、第2の着磁工程で印加するパルス電流のレベルを小さくしたので、着磁エネルギーを抑制することができ、生産設備の省電力化を図ることができる。
また、第1の着磁工程、及び、第2の着磁工程の中で、少なくとも3回以上の高圧パルス電圧を印加するようにしたので、信頼性の高い組込着磁が実現できる。
また、ロータがステータに挿入される前に、圧縮機筐体10にステータを固着する工程を含むので、専用の着磁ヨークが不要となるため、外部の着磁ヨークを用いて永久磁石を着磁した後、ロータ内に永久磁石を組み付ける生産方法と比べて、生産工数を大幅に削減でき製造ラインの簡略化を図ることができる。
また、従来の分布巻きステータを用いて行う組込着磁と比べて、ステータのコイルエンド部を約1/2と格段に小さくさせることができるため、分布巻きの組込着磁時に過大な電流が巻線に流れることで生じていた巻線の変形によるコイルの絶縁皮膜破壊がなくなり信頼性の高いモータが実現できる。
また、巻線の変形が生じなくなったことにより、従来の分布巻きステータで用いていた巻線の変形を防止するための巻線固定用のワニス処理が不要となり安価なモータが提供できる。
また、着磁後に鉄粉などがロータに付着することがなくなり、圧縮機の運転中に鉄粉が圧縮機内部に飛び散り、圧縮機に接続された細管に鉄粉が入り込み、細管を詰まらせて故障するといった不具合がなくなる。
また、ステータ内に組み込まれた状態で永久磁石の着磁が行われるので、永久磁石6のパーミアンス係数は高く、磁気的に安定した状態が保たれる。従って、着磁後の永久磁石が大気中に開放される場合と異なり、永久磁石の減磁の恐れがなく、信頼性の高いDCブラシレスモータを得ることができる。
また、圧縮機にモータを組み込む際、ロータの軸受け部の構造を、圧縮機要素部側でロータ軸を回転自在に保持する片持ち軸受け部で構成することで、反軸受け部側に空間部ができるため、ロータの回転方向への位置決めを行うための位置決め回転手段を容易に装着することが可能となる。これにより、ロータの回転方向への位置決め固定が容易に行えるようになり、位置決め精度が向上し、信頼性の高い組込着磁が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャートである。
【図2】 図1の方法によりモータを着磁する様子を示す断面図である。
【図3】 図2の後段の状態を示す断面図である。
【図4】 圧縮機にDCブラシレスモータを組み込んでロータを回転自在に保持するための保持構造を示す断面図である。
【図5】 図4の圧縮機を搭載した冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図である。
【図6】 埋め込み磁石形のロータの一例を示す断面図である。
【図7】 埋め込み磁石形のロータの他の例を示す断面図である。
【図8】 埋め込み磁石形のロータのさらに他の例を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャートである。
【図10】 図9の方法によりモータを着磁する様子を示す断面図である。
【図11】 図10の後段の状態を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態3によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャートである。
【図13】 図12の方法によりモータを着磁する様子を示す断面図である。
【図14】 図13の後段の状態を示す断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態4による永久磁石埋め込み形DCブラシレスモータの組込着磁方法を容易に実現するためのロータ構造を示す断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態4によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を実現するためのロータを用いて組込着磁を行った場合の磁束線図を示すものである。
【図17】 この発明の実施の形態4による永久磁石表面配置形DCブラシレスモータの組込着磁方法を容易に実現するためのロータ構造を示す断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態5によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を実現するためのロータ構造を示す断面図である。
【図19】 この発明の実施の形態6によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を実現するためのロータ構造を示す断面図である。
【図20】 この発明の実施の形態7による集中巻きステータを用いて、ロータに配置した永久磁石素材を着磁する場合の着磁電流を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態7による着磁方法で組込着磁を行った場合の磁束量の結果を示す図である。
【図22】 従来の分布巻線方式のDCブラシレスモータの一例を示す断面図である。
【図23】 従来の集中巻線方式のDCブラシレスモータの一例を示す断面図である。
【図24】 従来の分布巻線方式のステータを用いて組込着磁時を行った場合の磁界分布を示す説明図である。
【図25】 従来の集中巻線方式のステータを用いて分布巻線方式の場合と同様に組込着磁を行った場合の磁界分布を示す説明図である。
【図26】 従来の集中巻線方式のステータを有するDCブラシレスモータの永久磁石の着磁装置を示す断面図である。
【図27】 図26の装置を用いた着磁方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステータコア、1a スロット、1b ティース部、2 集中巻線、2a 分布巻線、2b 巻線、3 ステータ、4 ロータ軸、5 ロータコア、6 永久磁石、7 ロータ、8 空隙、9 着磁ヨーク、9a 磁極突起、11 片持ち軸受け部、12 圧縮機要素部、13 空間部、14 位置決め部、15 圧縮機、16 圧縮機カバー、17 磁界。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a concentrated brush type DC brushless motor used for driving a compressor of a refrigerator or an air conditioner, for example.It is related to the built-in magnetization method.
[0002]
[Prior art]
In recent years, for example, a compressor motor of a refrigerator or an air conditioner is often used with a DC brushless motor that can easily control the rotation speed and is highly efficient. FIG. 22 is a cross-sectional view of an example of a conventional DC brushless motor.
[0003]
In the figure,
[0004]
4 is arranged on the axis of the
[0005]
A conventional motor for driving a compressor generally uses a distributed
[0006]
The concentrated winding method is a method in which the
[0007]
Here, in the DC brushless motor configured as described above, the
[0008]
For example, Japanese Patent Laid-Open No. 57-142165 or Japanese Patent Laid-Open No. 9-247909 shows a conventional method for magnetizing a DC brushless motor. In the conventional magnetizing method, after a rotor is incorporated in the stator, a permanent magnet is magnetized by applying a high-voltage pulse voltage of about 700 V and 1 kA to the stator using a magnetizing power source dedicated to magnetizing.
[0009]
FIG. 24 is an explanatory diagram showing a magnetic field distribution when built-in magnetization is performed using the distributed
[0010]
On the other hand, in the concentrated winding method, from the viewpoint of effective use of torque, the combination of the number of slots and the number of permanent magnet poles is generally set to 3: 2 or 3: 4 in the case of three phases. is there. For this reason, due to the structure of the combination of the number of slots and the number of poles, the magnetic flux produced by the windings of the
[0011]
FIG. 25 is an explanatory diagram showing a magnetic field distribution when a high-voltage pulse is applied between two phases of a three-phase Y-connection using a stator with concentrated windings in the same manner as a distributed winding type stator. As is clear from this figure, the
[0012]
Moreover, since there is much magnetic flux which does not link a permanent magnet with the front-end | tip part of 1b part being short, a required magnetizing current will also increase. For the reasons described above, when a concentrated winding type stator is used, the built-in magnetization method similar to the distributed winding type stator cannot be applied.
[0013]
FIG. 26 is a cross-sectional view showing a conventional permanent magnet magnetizing apparatus of a DC brushless motor having a concentrated winding type stator, and FIG. 27 is a flowchart showing a magnetizing method using the apparatus of FIG. Conventionally, when magnetizing a permanent magnet of a concentrated winding motor, first, the
[0014]
Next, a uniform magnetic flux is generated by applying a pulsed voltage to the winding 2b using a magnetized power source (not shown) (step S2). Thereby, the
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
In the DC brushless motor magnetizing method using the conventional concentrated winding method configured as described above, after magnetizing using the dedicated
[0016]
Further, when the
[0017]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and can easily magnetize the rotor of a concentrated winding type motor, and can incorporate the rotor into the stator. The DC brushless motor can be made easy, can prevent the demagnetization of the permanent magnet, and can prevent the magnetic material from adhering to the rotor.Obtaining a built-in magnetization methodWith the goal.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The built-in magnetization method for a DC brushless motor according to the present invention includes a rotor provided with a plurality of non-magnetized magnet materials forming 2N poles (N is an integer of 1 or more), and 3N magnetic pole projections. Each of the magnetic pole projections is subjected to concentrated winding, and inserted into a three-phase Y-connected stator, a break between adjacent magnet materials in a non-magnetized state of the rotor, and adjacent magnetic pole projections of the stator The first magnetizing step in which the high voltage pulse voltage is applied to a part of the concentrated winding, and the rotor is rotated by 180 degrees in electrical angle. The second magnetizing step is to fix the positioning and apply a high voltage pulse voltage with the polarity reversed to the previous part of the concentrated winding.In addition, the magnetic flux generated by the permanent magnet magnetized in the first magnetizing step is used to suppress the leakage magnetic flux, and applied to the first magnetizing step in the second magnetizing step. Reduced magnetic current levelIs.
[0019]
Also highA pressure pulse voltage is applied between two predetermined phases.
[0020]
The DC brushless motor built-in magnetization method according to the present invention includes a 3N rotor having a plurality of non-magnetized permanent magnets that form 2N poles (N is an integer of 1 or more). A step of inserting concentrated windings having magnetic pole projections and three-phase Y-connected neutral points into the stators provided on the respective magnetic pole projections, the center of a predetermined single-phase magnetic pole projection and a non-magnetized state; Positioning and fixing in the rotation direction so that the center of the magnet material coincides with the first magnetizing step in which a high voltage pulse voltage is applied between predetermined single phases of the concentrated winding, and the rotor is rotated 180 degrees by an electrical angle The second magnetizing step is to fix the positioning and apply a high voltage pulse voltage with the polarity reversed to the previous part of the concentrated winding.In addition, the magnetic flux generated by the permanent magnet magnetized in the first magnetizing step is used to suppress the leakage magnetic flux, and applied to the first magnetizing step in the second magnetizing step. Reduced magnetic current levelIs.
[0021]
Also thisThe built-in magnetization method of the DC brushless motor according to the invention has a rotor provided with a non-magnetized permanent magnet that forms 2N poles (N is an integer of 1 or more), and has 3N magnetic pole projections. , Concentrated winding on each magnetic pole protrusion, insertion into the stator with three-phase Y connection, positioning and fixing in the rotation direction of the rotor and stator, and high voltage pulse voltage between the three phases of the concentrated winding And a step of applying a high-voltage pulse voltage having the same polarity as the previous time to the same part as the previous time except for the predetermined one phase of the concentrated winding. It is a waste.
[0022]
Also,An embedded magnet type rotor is used.
[0024]
Also, a rare earth magnet is used as the magnet material.
Further, the shape of the magnet material is such that the thickness of the end portion is smaller than the thickness of the central portion of the magnet material.
Further, a magnet material is magnetized to 2N poles using a rotor provided with 2N or less magnet materials.
Further, a ring magnet is used as the magnet material.
Ring magnet orientation with polar anisotropyIt is.
Also,Before the rotor is inserted into the stator, the step of fixing the stator in the compressor housing is included.
Further, the bearing portion of the rotor has a cantilever structure.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
FIG. 1 is a flowchart showing a built-in magnetizing method for a DC brushless motor according to
[0026]
In the figure,
[0027]
4 is arranged on the axis of the
[0028]
In FIG. 5, 15 is a compressor, 32 is a flow path switching means for switching the flow of refrigerant in cooling operation and heating operation, for example, a four-way valve, 33 is an outdoor heat exchanger, 44 is a first flow control device, and 35 is indoor heat. The exchanger 41 is an outdoor unit, and 42 is an indoor unit, which are sequentially connected by piping to constitute a refrigeration cycle. As the refrigerant for the refrigeration cycle, R410A, which is an HFC refrigerant and a mixed refrigerant of R32 and R125, is used, and alkylbenzene oil is used as the refrigerator oil. In addition, R407C or the like can be used as the refrigerant, and mineral oil, ester oil, or the like can be used as the refrigerating machine oil.
[0029]
Next, the magnetization method will be described. First, the
[0030]
At this time, the center of the slot 1a (groove opening portion) formed by the position shown in FIG. 2, that is, the
[0031]
Further, a
[0032]
Next, among the three phases, a high-voltage DC pulse voltage is instantaneously applied between two phases of the U phase and the V phase by using a magnetized power source (not shown) (step S12: first magnetization step). . By applying a high voltage pulse voltage, a large pulse current of about 1 kA peak flows in the direction shown in FIG. 2 instantaneously in the winding of the Y-connected
[0033]
At this time, the magnetic flux generated by the current flowing through the winding 2 flows through the region of the
[0034]
Thereafter, the motor of the positioning rotation means is driven, and the
[0035]
Next, a high voltage pulse voltage whose polarity is reversed from the previous time is applied between the phases (between U and V) similar to the first magnetizing step of the concentrated winding 2 (step S14: second magnetizing step). . Here, the magnetizing power source can switch the energization direction. In this way, the
[0036]
In this way, the
[0037]
Further, since the winding is not deformed, the winding fixing varnish treatment for preventing the deformation of the winding used in the conventional distributed winding stator is not required, and an inexpensive motor can be provided. In the first magnetizing step and the second magnetizing step, since the cut of the magnet material is positioned so as to coincide with the center of the groove opening of the adjacent magnetic pole projection, the N pole Since a permanent magnet having a magnetic pole of a different polarity to be an S pole is formed, a magnetizing method that does not position the magnet so that a magnetic pole of the same polarity is formed through a break (gap) in the permanent magnet As compared with, the loss of magnetic force due to the break of the magnet is eliminated, the magnetic force of the permanent magnet can be improved, and a highly efficient motor with reduced copper loss and reduced current can be provided.
[0038]
Further, since the permanent magnet is magnetized in a state in which the
[0039]
Further, when the motor is incorporated into the compressor 15, the structure of the rotor bearing portion is constituted by the cantilever bearing portion 11 that rotatably holds the rotor shaft on the compressor element portion 12 side, so that Since the
[0040]
In the first embodiment, a four-pole motor has been described as an example, but built-in magnetization can be performed by a similar method for a motor having 2N poles (N is an integer of 1 or more). In the first embodiment, the excitation between the U and V phases has been described as an example. However, the same applies even when the excitation is performed based on the V and W phases instead of the energization of the U and V phases. An effect is obtained.
[0041]
Further, in the first embodiment, the high voltage pulse voltage is applied once in each of the first magnetizing step and the second magnetizing step. The same effect can be obtained even when a plurality of high voltage pulse voltages are applied in the process. For example, a method of applying a high-voltage pulse twice in each of the first magnetization step and the second magnetization step, or twice in the first magnetization step and in the second magnetization step. A method such as once is conceivable. Thus, by applying a continuous high-voltage pulse voltage a plurality of times in each step, built-in magnetization with higher reliability can be realized more reliably.
[0042]
Further, in the first embodiment, the DC brushless motor having the configuration in which the
[0043]
The compressor 15 of this embodiment applies a high-voltage pulse voltage to a part of the terminals of a predetermined concentrated winding in the
[0044]
Then, as shown in FIG. 5, such a compressor 15 is mounted, a condenser (an outdoor heat exchanger 33 during cooling, an indoor heat exchanger 35 during heating), and an evaporator (an indoor heat exchanger during cooling). 35. In the refrigeration cycle apparatus to which the outdoor heat exchanger 33) is sequentially connected during heating, an HFC refrigerant is used as the refrigerant. Since HFC refrigerants have low compatibility with refrigerating machine oil, refrigerating machine oil easily adheres to pipes in the refrigerating cycle, and impurities such as magnetic substances adhere to this oil, causing clogging of pipes and deterioration of heat transfer performance. However, in this embodiment, the permanent magnet of the DC brushless motor can be magnetized in a state of being fixed to the compressor housing, and the cover can be provided after the magnetization, so that no impurities adhere to the rotor. Thus, it is possible to reduce the adhesion of impurities into the refrigeration cycle, and to obtain a highly reliable refrigeration cycle apparatus suitable for the refrigeration cycle of the HFC refrigerant.
[0045]
Next, FIG. 9 is a flowchart showing a built-in magnetizing method for a DC brushless motor according to
[0046]
Next, the magnetization method will be described. First, the
[0047]
At this time, the
[0048]
Next, among the three phases, a high-voltage DC pulse is instantaneously applied between the U phase and the single phase of the neutral point using a magnetized power supply (step S22). By applying a high voltage pulse voltage, a large pulse current flows instantaneously in the U-phase winding 2 of the
[0049]
At this time, the magnetic flux generated by the current flowing through the winding 2 is linked to the magnet surface facing the tip surface of the
[0050]
Thereafter, the motor of the positioning rotation means is driven, and the
[0051]
In this way, the built-in magnetization of the
[0052]
FIG. 12 is a flowchart showing a built-in magnetizing method for a DC brushless motor according to
[0053]
Next, the magnetization method will be described. First, the
[0054]
At this time, the
[0055]
Next, among the three phases, a predetermined one phase is connected to the positive electrode side, and the remaining two phases are short-circuited and connected to the negative electrode side, whereby a magnetized power source (not shown) is provided between the three phases. Is used to instantaneously apply a high-voltage DC pulse voltage (step S32). At this time, for example, when the U phase is positive, the V phase and the W phase are short-circuited and connected to the negative electrode side, by applying a high voltage pulse voltage, the U phase terminal shown in FIG. A pulse current flows from the U-phase terminal to the W-phase terminal, and a
[0056]
At this time, the magnetic flux generated by the current flowing through the winding 2 is divided into the
[0057]
Thereafter, the motor of the positioning rotation means is driven, and the
[0058]
Thus, by magnetizing the
[0059]
In the third embodiment, an example of magnetization performed by connecting the U phase to the positive electrode side, shorting the V phase and the W phase and connecting to the negative electrode side has been described. It goes without saying that the same effect can be obtained even with the combination.
[0060]
15 is a cross-sectional view showing a rotor structure for realizing built-in magnetization of a DC brushless motor using a concentrated winding stator according to
[0061]
FIG. 16 shows a magnetic flux diagram of the motor when the thickness of the permanent magnet material is equal to that of the motor when the thickness of the end of the permanent magnet shown in this embodiment is smaller than the pole center of the permanent magnet under the same current condition. The comparison result is shown. From this figure (a), it can be seen that in the motor having the same thickness of the permanent magnet material under the same current condition, the magnetic flux does not completely pass through the end portion of the permanent magnet material. This is because when viewed from the stator side, the magnetic resistance at the end of the permanent magnet material is large, and the magnetic flux is closed inside the stator across the magnetic pole projections of the energized phase. In this case, in order to completely magnetize the end portion of the permanent magnet, it is necessary to apply a larger current.
[0062]
On the other hand, when the thickness of the end of the permanent magnet is made smaller than the pole center of the permanent magnet, the magnetic resistance of the end of the permanent magnet viewed from the stator side can be reduced. Magnetic flux can be completely passed through the end of the magnet material, making it possible to magnetize with a smaller current compared to a rotor with the same permanent magnet thickness, saving energy in the production process. Can be planned.
[0063]
In this embodiment, an example of an embedded rotor in which a permanent magnet is embedded in the rotor has been described. However, if the rotor has a shape in which the thickness of the end portion is smaller than the thickness of the magnetic pole center of the permanent magnet. The same effect can be obtained even with a motor having a specification in which the permanent magnet shown in FIG. 17 is arranged on the rotor surface.
[0064]
FIG. 18 is a sectional view of a rotor according to the fifth embodiment of the present invention. In the first embodiment, an example in which built-in magnetization is performed using 2N permanent magnet materials on a rotor having 2N magnetic poles has been described, but the same effect can be obtained even if the number of permanent magnet materials is 2N or less. can get. For example, when considering a rotor having N = 3 and 6 poles, the number of permanent magnet materials is reduced to 3 or 2 as shown in FIG. Thus, the gap portion between the materials can be used as a permanent magnet, and the magnetic force of the rotor can be improved. In addition, since the number of permanent magnet materials can be reduced, processing costs can be reduced.
[0065]
FIG. 19 shows a cross-sectional view of a rotor according to
[0066]
In this way, by configuring the rotor using sintered ring magnets, the same effects as in the first embodiment can be obtained, and by eliminating the seams between the permanent magnet materials, the gaps between the materials can be made permanent. The magnetic force of the rotor can be further improved as compared with the fifth embodiment. In addition, since the flow of magnetic flux generated by the current flowing through the armature winding is almost the same as the direction of the polar anisotropic ring magnet, the magnetizing current is minimized even if the thickness of the permanent magnet material is constant. Can be suppressed.
[0067]
FIG. 20 shows the magnetizing current when magnetizing the permanent magnet material arranged on the rotor using the concentrated winding stator according to the seventh embodiment of the present invention. The built-in magnetization method according to this embodiment reduces the magnetizing current flowing through the armature winding in the second magnetizing step relative to the magnetizing current flowing through the armature winding in the first magnetizing step. It is characterized by applying a high voltage pulse voltage.
[0068]
FIG. 21 shows the amount of magnetic flux when magnetization is performed by the method of this embodiment and when the current value applied in the first magnetization step and the second magnetization step is equalized. The comparison result is shown. From this figure, even if the applied current in the second magnetizing process is made smaller than the applied current in the first magnetizing process, the current value applied in the first magnetizing process and the second magnetizing process is It can be seen that the same magnetic characteristics can be obtained as in the case of performing magnetization with equality.
[0069]
This is because, in the second magnetizing process, the magnetic flux generated by the permanent magnet magnetized in the first magnetizing process suppresses the leakage magnetic flux that does not contribute to the magnetizing energy that tends to flow to the magnetic pole projection of the non-conducting phase. This is because the leakage flux is reduced and the magnetic flux necessary for magnetization effectively acts on the permanent magnet material.
[0070]
As described above, by reducing the current flowing through the armature winding in the second magnetization step relative to the first magnetization step, the current flowing through the armature winding in the second magnetization step The torque according to the Fleming's left-hand rule generated by the action of the magnetic flux generated by the permanent magnet magnetized in the first magnetizing step can be reduced as compared with the case where the same current is applied as in the first magnetizing step. Therefore, the fixing force of the rotor in the second magnetization process can be reduced. Thereby, the apparatus for positioning and fixing the rotor can be simplified. Further, by suppressing the magnetizing energy, it is possible to save power in the production facility.
[0071]
【The invention's effect】
As explained above,thisThe built-in magnetizing method of the DC brushless motor according to the invention is such that the rotor and the stator are positioned in the rotation direction of the rotor with respect to the stator so that the rotor and the stator are in a predetermined positional relationship, and then the high-voltage pulse The voltage was applied, and then the rotor was rotated 180 degrees with an electrical angle, and a high voltage pulse voltage with the polarity reversed was applied to the same portion of the concentrated winding 2 as the previous time. Since a magnetic yoke is not required, the number of man-hours can be greatly reduced compared to a production method in which a permanent magnet is magnetized using an external magnetized yoke and then the permanent magnet is assembled in the rotor. Can be planned.
In addition, by performing built-in magnetization using a concentrated winding stator, the coil end portion of the stator can be remarkably reduced to about 1/2 compared to built-in magnetization performed using a conventional distributed winding stator. Therefore, it is possible to realize a highly reliable motor without the destruction of the insulating film of the coil due to the deformation of the winding caused by excessive current flowing in the winding during the built-in magnetization of the distributed winding.
Further, since the winding is not deformed, the winding fixing varnish treatment for preventing the deformation of the winding used in the conventional distributed winding stator is not required, and an inexpensive motor can be provided.
In the first magnetizing step and the second magnetizing step, since the cut of the magnet material is positioned so as to coincide with the center of the groove opening of the adjacent magnetic pole projection, the N pole Since a permanent magnet having a magnetic pole of a different polarity to be an S pole is formed, a magnetizing method that does not position the magnet so that a magnetic pole of the same polarity is formed through a break (gap) in the permanent magnet As compared with, the loss of magnetic force due to the break of the magnet is eliminated, the magnetic force of the permanent magnet can be improved, and a highly efficient motor with reduced copper loss and reduced current can be provided. Further, iron powder or the like does not adhere to the rotor after magnetization.
In addition, since the permanent magnet is magnetized while being incorporated in the stator, the permanent magnet has a high permeance coefficient, and a magnetically stable state is maintained. Therefore, unlike the case where the magnetized permanent magnet is opened to the atmosphere, there is no risk of demagnetization of the permanent magnet, and a highly reliable DC brushless motor can be obtained.
[0072]
Also,Since the high voltage pulse voltage is applied between two predetermined phases, the built-in magnetization of the rotor can be easily performed.
[0073]
Also thisIn the built-in magnetizing method of the DC brushless motor according to the invention, the concentrated winding has a neutral point, and a high voltage pulse voltage is applied between predetermined single phases. Can be magnetized
[0074]
Also thisThe DC brushless motor built-in magnetization method of the invention includes a step of applying a high voltage pulse voltage between the three phases of the concentrated winding after positioning and fixing the rotor and the stator in the rotational direction, Since the positioning is fixed by rotating 60 degrees with an electrical angle, a high voltage pulse voltage having the same polarity as the previous time is applied to the same part as the previous time except for the predetermined one phase of the concentrated winding. In addition to obtaining the same effect as the built-in magnetizing method, the pulse voltage is applied again to a part of the magnet area magnetized in the first magnetizing process in the second magnetizing process, so it is more reliable. Highly built-in magnetization can be realized.
[0075]
Also,Since the embedded magnet type rotor is used, the built-in magnetization of the rotor can be easily performed.
[0076]
Also thisThe DC brushless motor magnetizing apparatus of the invention rotates a rotor provided with a non-magnetized permanent magnet inside a stator provided with a three-phase concentrated winding 2, and the stator and rotor are A rotation positioning means for positioning the rotor in the rotation direction with respect to the stator so as to have a predetermined positional relationship, and a high voltage pulse voltage is applied to a part of the concentrated winding 2 and the energization direction can be switched. Therefore, the rotor of a concentrated winding motor can be easily magnetized, the rotor can be easily assembled into the stator, and the number of permanent magnets can be reduced. Magnetism can be prevented, and adhesion of a magnetic material to the rotor can be prevented.
[0077]
In addition,Since the rare earth magnet is used as the magnet material used in the rotor, the built-in magnetization of the rotor can be easily performed.
Also,Since the magnetic resistance at the end of the permanent magnet viewed from the data side can be reduced, the magnetic flux can be passed efficiently through the end of the permanent magnet material, and can be magnetized with a smaller current. Thus, energy saving in the production process can be achieved.
2Since the magnet material is magnetized to 2N poles using a rotor having N or less magnet materials, the number of seams between the permanent magnet materials can be reduced, and the gaps between the materials can be reduced. It becomes possible to use as a permanent magnet, and the magnetic force of the rotor can be improved. In addition, since the number of permanent magnet materials can be reduced, processing costs can be reduced.
In addition,Since the ring magnet is used for the magnet material, the magnetic force of the rotor can be further improved by completely eliminating the joint between the permanent magnet materials.
Also onSince the orientation of the ring magnet material is polar anisotropy, the flow of magnetic flux generated by the current flowing through the armature winding is almost the same as the direction of the polar anisotropy ring magnet. Even if it is constant, the magnetizing current can be suppressed to the minimum, and the built-in magnetization can be easily performed.
The secondSince the level of the pulse current applied in the second magnetizing process is reduced with respect to the first magnetizing process, the magnetizing energy can be suppressed and the power consumption of the production facility can be reduced.
The secondSince the high voltage pulse voltage is applied at least three times in the first magnetizing step and the second magnetizing step, built-in magnetization with high reliability can be realized.
Also, before the rotor is inserted into the stator,Since it includes the step of fixing the stator to the
In addition, since the coil end portion of the stator can be remarkably reduced to about 1/2 compared with the built-in magnetization performed using the conventional distributed winding stator, an excessive current is generated during the built-in magnetization of the distributed winding. A highly reliable motor can be realized because the insulation film of the coil is not broken by the deformation of the winding caused by the flow of the coil into the winding.
Further, since the winding is not deformed, the winding fixing varnish treatment for preventing the deformation of the winding used in the conventional distributed winding stator is not required, and an inexpensive motor can be provided.
In addition, iron powder does not adhere to the rotor after magnetizing, iron powder scatters inside the compressor during operation of the compressor, iron powder enters the narrow tube connected to the compressor, clogs the thin tube Eliminates problems such as failure.
In addition, since the permanent magnet is magnetized while being incorporated in the stator, the
Also pressureWhen the motor is installed in the compressor, the structure of the rotor bearing part is composed of a cantilever bearing part that rotatably holds the rotor shaft on the compressor element part side, so that a space part is created on the side opposite to the bearing part. Therefore, it is possible to easily mount positioning rotating means for positioning the rotor in the rotation direction. Thereby, positioning and fixing in the rotation direction of the rotor can be easily performed, positioning accuracy is improved, and built-in magnetization with high reliability can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing a built-in magnetization method of a DC brushless motor according to
FIG. 2 is a cross-sectional view showing how a motor is magnetized by the method of FIG.
3 is a cross-sectional view showing a state in the latter stage of FIG. 2. FIG.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a holding structure for holding a rotor rotatably by incorporating a DC brushless motor into the compressor.
FIG. 5 is a refrigerant circuit diagram showing a refrigeration cycle apparatus equipped with the compressor of FIG.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an example of an embedded magnet type rotor.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing another example of an embedded magnet type rotor.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing still another example of an embedded magnet type rotor.
FIG. 9 is a flowchart showing a built-in magnetization method of a DC brushless motor according to
10 is a cross-sectional view showing how a motor is magnetized by the method of FIG.
11 is a cross-sectional view showing a state in the latter stage of FIG.
FIG. 12 is a flowchart showing a built-in magnetization method of a DC brushless motor according to
13 is a cross-sectional view showing how a motor is magnetized by the method of FIG.
14 is a cross-sectional view showing the state of the latter stage of FIG.
FIG. 15 is a cross-sectional view showing a rotor structure for easily realizing a built-in magnetization method of a permanent magnet embedded DC brushless motor according to
FIG. 16 shows a magnetic flux diagram when the built-in magnetization is performed using the rotor for realizing the built-in magnetization method of the DC brushless motor according to the fourth embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a cross-sectional view showing a rotor structure for easily realizing a built-in magnetization method of a permanent magnet surface-arranged DC brushless motor according to
FIG. 18 is a sectional view showing a rotor structure for realizing a built-in magnetizing method for a DC brushless motor according to
FIG. 19 is a cross-sectional view showing a rotor structure for realizing a built-in magnetization method for a DC brushless motor according to
FIG. 20 is a diagram showing a magnetizing current when a permanent magnet material arranged on a rotor is magnetized using a concentrated winding stator according to
FIG. 21 is a diagram showing the result of the amount of magnetic flux when built-in magnetization is performed by the magnetization method according to
FIG. 22 is a cross-sectional view showing an example of a conventional distributed winding DC brushless motor.
FIG. 23 is a cross-sectional view showing an example of a conventional concentrated winding DC brushless motor.
FIG. 24 is an explanatory diagram showing a magnetic field distribution when built-in magnetization is performed using a conventional distributed winding type stator.
FIG. 25 is an explanatory diagram showing a magnetic field distribution when built-in magnetization is performed in the same manner as in the distributed winding method using a conventional concentrated winding type stator.
FIG. 26 is a cross-sectional view showing a permanent magnet magnetizing device of a DC brushless motor having a conventional concentrated winding type stator.
FIG. 27 is a flowchart showing a magnetization method using the apparatus of FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (12)
上記ロータの上記無着磁状態の隣接する磁石素材の切れ目と、上記ステータの隣接する磁極突起の溝開口部の中心とが一致するように回転方向への位置決め固定を行い、上記集中巻線の一部に高圧パルス電圧を印加する第1の着磁工程、及び
上記ロータを電気角で180度回転させ位置決め固定を行い、上記集中巻線の前回と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する第2の着磁工程
を含み、
第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束が漏れ磁束を抑制することを利用して、第1の着磁工程に対して、第2の着磁工程で印加する着磁電流のレベルを小さくしたことを特徴とするDCブラシレスモータの組込着磁方法。A rotor provided with a plurality of non-magnetized magnet materials forming 2N poles (N is an integer of 1 or more) has 3N magnetic pole protrusions, and concentrated windings are applied to each magnetic pole protrusion. Inserting into a three-phase Y-connected stator;
Positioning and fixing in the rotational direction is performed so that the break of the magnet material adjacent to the non-magnetized state of the rotor coincides with the center of the groove opening of the magnetic pole protrusion adjacent to the stator. The first magnetizing step in which a high voltage pulse voltage is applied to a part, and the rotor is rotated 180 degrees with an electrical angle to perform positioning and fixing, and the polarity is reversed to the previous part in the same part as the previous part of the concentrated winding look including the second magnetizing step of applying a high pulse voltage,
Utilizing the fact that the magnetic flux generated by the permanent magnet magnetized in the first magnetizing step suppresses the leakage magnetic flux, the magnetizing current applied in the second magnetizing step with respect to the first magnetizing step A built-in magnetizing method for a DC brushless motor, characterized in that the level of DC is reduced .
所定の単相の磁極突起の中心と無着磁状態の磁石素材の中心とが一致するように回転方向への位置決め固定を行い、上記集中巻線の所定の単相間に高圧パルス電圧を印加する第1の着磁工程、及び
上記ロータを電気角で180度回転させ位置決め固定を行い、上記集中巻線の前回と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する第2の着磁工程
を含み、
第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束が漏れ磁束を抑制することを利用して、第1の着磁工程に対して、第2の着磁工程で印加する着磁電流のレベルを小さくしたことを特徴とするDCブラシレスモータの組込着磁方法。A rotor provided with a plurality of non-magnetized permanent magnets forming 2N poles (N is an integer equal to or greater than 1) is concentrated with 3N magnetic pole projections and 3-phase Y-connected neutral points. Inserting a winding into a stator applied to each magnetic pole projection;
Position and fix in the rotation direction so that the center of the predetermined single-phase magnetic pole projection and the center of the magnet material in the non-magnetized state coincide with each other, and apply a high voltage pulse voltage between the predetermined single phase of the concentrated winding A first magnetizing step, and a second method in which the rotor is rotated by 180 degrees in electrical angle and fixed in position, and a high voltage pulse voltage whose polarity is reversed from the previous time is applied to the same portion of the concentrated winding as in the previous time. the magnetization process only contains,
Utilizing the fact that the magnetic flux generated by the permanent magnet magnetized in the first magnetizing step suppresses the leakage magnetic flux, the magnetizing current applied in the second magnetizing step with respect to the first magnetizing step A built-in magnetizing method for a DC brushless motor, characterized in that the level of DC is reduced .
上記ロータと上記ステータの回転方向への位置決め固定を行い、上記集中巻線の3相間に高圧パルス電圧を印加する工程、及び
上記ロータを電気角で60度回転させ位置決め固定を行い、上記集中巻線の所定の1相を除いた前回と同様の部分に前回と同一極性の高圧パルス電圧を印加する工程
を含むことを特徴とするDCブラシレスモータの組込着磁方法。A rotor provided with a non-magnetized permanent magnet that forms 2N poles (N is an integer of 1 or more) has 3N magnetic pole protrusions, and concentrated windings are applied to the magnetic pole protrusions. Inserting into the phase Y-connected stator,
Positioning and fixing the rotor and the stator in the rotational direction, applying a high-voltage pulse voltage between the three phases of the concentrated winding; and rotating and rotating the rotor 60 degrees at an electrical angle to fix the concentrated winding. An embedded magnetizing method for a DC brushless motor, comprising a step of applying a high voltage pulse voltage having the same polarity as the previous time to a portion similar to the previous time excluding a predetermined one phase of the wire.
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