JP3888671B2 - Wave height calculation device, wave height calculation method, recording medium, and ship - Google Patents
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- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波浪情報の算出に関し、特に波浪情報の波高、周期、方向の内の波高を算出する装置、方法、算出するためにプログラムを記録しコンピュータが読取り可能な記録媒体、及び波高算出装置を備える船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】
海や河や湖等の水面に関する波浪情報として、波の高さ(以下、波高と云う)、波の周期、波の方向がある。これらの波浪情報は、船舶や水上構造物の設計の他、船舶の保守やウェザールーティングに有用であり、船舶の安全性や運航効率の向上に重要な情報である。
【0003】
このため、従来よりこれらの波浪情報を求める方法が種々開発されている。この波浪情報を求める方法として、レーダーによる水面反射を含む画像から波数スペクトルを求め、波の波長、及び波向きの分布を算定する方法が知られており(例えば、「航走中の船体運動による海洋波スペクトルのリアルタイム推定−実船試験−」平山次清、関西造船協会誌、第198号(1985)、pp17−29)、上記方法等によって、波浪情報の内の、波の周期(波の周期は波長から求めることができる)、及び波向きの分布を求めることができる。
【0004】
一方、波浪情報の波高については、波数スペクトルの高さ(縦軸)から波高に関する情報を得ることができるが、この情報は相対的な情報であるため、実測して得た波高値を用いてチューニングを行う必要がある。実測値を用いたチューニングによって波高値を求める方法として、例えば、シグナル雑音法や陰影比法(例えば、「Evaluation of Marine Wave Radar(PartII),ファビオ高瀬、平山次清、日本造船学会論文集、第188号(2000)、pp225−237」が知られている。
【0005】
シグナル雑音法は、レーダーにより得られた情報からスペクトルピークとバックグラウンド雑音を求め、このシグナル雑音比(SNR)を算出し、算出したSNRから波高を推定するものであり、有義波高一群の波の中の高い方から数えて全体の1/3に間にある波についての平均の波高を持つ波の高さ)は、
H1/3=α+β√SNR …(1)
で表される。なお、α、βは、波浪ブイを利用した実測による測定結果に基づいて決定される較正用パラメータである。
【0006】
また、陰影比法は、レーダー画面上において、陰になった部分と水面領域との面積比率(陰影比Shadow Ratio)と、水面の荒れ具合との間に関係があることを利用して波高を推定するもので、波高H1/3は、A,Bを定数とし、SRを陰影比としたとき
H1/3=A・SRB …(2)
で表される。
【0007】
また、上記の方法の他に、ピッチ(縦揺)やヒーブ(上下揺)などの船体運動の計測データを組み合わせることによって、船体運動のみから方向スペクトルを求める方法(例えば、「航走中の船体運動による海洋波スペクトルのリアルタイム推定(その2)−方向スペクトルの推定−」平山次清、関西造船協会誌、第204号(1987)、pp21−27)」も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案されている方法では、波高の算出において実測値を用いた較正を必要とするという問題がある。波高を実測するには例えば波浪ブイを利用する必要があり、船舶の航走中に波高を実測することは困難であり、また、リアルタイムで測定することも困難であるという問題がある。
【0009】
また、陰影比法は、波高と陰影とが比例関係になく、低い波高に対しては有効であるが、高い波高に対しては陰影比が飽和するため適用が難しくなるという問題がある。
また、船体運動の計測データを用いた推定方法では、必ずしも波の方向や波高が安定しないという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、波高の算出において実測に基づく較正を不要とすることを目的とし、高い波高についても高精度の算出を行うことを目的とする。また、船舶上において波高を安定してリアルタイムで得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーダー画像信号と船体運動情報とを組み合わせることによって、実測に基づく較正が不要であり、高い波高についても高精度で安定した波高値の算出を可能とする。
【0012】
本発明の波高算出方法では、レーダー画像信号及び船体応答関数に基づく第1のパワースペクトルと、船体運動情報に基づく第2のパワースペクトルとを求める工程と、第2のパワースペクトルの縦軸に対する前記第1のパワースペクトルの縦軸の大きさ比率を求める工程と、比率に基づいて波高値を求める工程を含む。
【0013】
第1のパワースペクトルはレーダー画像信号及び船体応答関数に基づくものであり、波高に対応する縦軸の大きさが不定である。そこで、船体運動情報に基づく第2のパワースペクトルの縦軸の大きさをベースとして、第2のパワースペクトルの縦軸に対する第1のパワースペクトルの縦軸の大きさの比率を求める。この比率はレーダー画像信号の方向スペクトルの大きさに対応しており、この比率から波高値を算出することができる。
【0014】
本発明はレーダー画像信号と船体運動情報を組み合わせることによって、レーダー画像データから波の波長(周期)と波向きを安定して得ることができ、また、船体運動情報から波高を安定して得ることができる。
【0015】
さらに、第1のパワースペクトルを求める工程は、レーダー画像信号をフーリエ変換し正規化した方向スペクトルと船体応答関数の二乗の積を角度方向に積分して算出する工程を含み、また、第2のパワースペクトルを求める工程は、船体運動情報の時系列のパワースペクトルあるいは統計解析によって算出する工程を含む。
【0016】
第1のパワースペクトルの縦軸の大きさは、方向スペクトルが正規化されているため船体の応答に依存した大きさを表している。一方、第2のパワースペクトルの縦軸の大きさは船体運動に依存した大きさを表しており、共に船体運動にのみ依存している。そこで、この両方の縦軸の大きさを比較し、第1のパワースペクトルの縦軸の大きさを第2のパワースペクトルの縦軸の大きさに合わせることによって、振幅が波の大きさを表す方向スペクトルを得ることができ、この比率は波の高さを表すことになる。
【0017】
波高値を算出するには、第1のパワースペクトル及び第2のパワースペクトルの各スペクトルモーメントを求め、このスペクトルモーメントから縦軸の大きさの比率を求め、求めた大きさの比率に基づいて波高値を演算する。
【0018】
また、本発明の波高算出装置は、レーダー画像信号及び船体応答関数に基づく第1のパワースペクトルと、船体運動情報に基づく第2のパワースペクトルとを求めるスペクトル演算手段と、第2のパワースペクトルの縦軸に対する第1のパワースペクトルの縦軸の大きさの比率に基づいて波高値を求める波高算出手段とを備える。
【0019】
スペクトル演算手段は、レーダー画像信号をフーリエ変換し正規化した方向スペクトルと船体応答関数とから第1のパワースペクトルを算出する第1の算出手段と、船体運動情報から第2のパワースペクトルを算出する第2の算出手段とを備え、また、波高算出手段は、第1のパワースペクトル及び第2のパワースペクトルの各スペクトルモーメントから縦軸の大きさの比率を求める比率算出手段と、比率算出手段で求めた大きさの比率に基づいて波高値を演算する演算手段とを備える。
【0020】
また、本発明の記録媒体は、前記した本発明の波高算出の各工程をコンピュータに実施させるプログラムをコンピュータにより読み出し可能に記録する。
また、本発明の船舶は、前記した本発明の波高算出装置、あるいは、前記記録媒体に記録されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに基づいて波高算出の各工程を実施させるコンピュータを備える。
【0021】
本発明において、船体運動情報は、船体の上下揺軸、前後揺軸、左右揺軸、船首揺軸、横揺軸、縦揺軸の少なくとも一軸について、加速度、速度、又は変位、あるいは、加速度と速度と変位の任意の組み合わせとすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の波高算出の概略を説明するためのブロック図である。本発明の波高算出は、レーダーの画像データと船体の計測データを用いる。レーダーによる画像データは、船舶や水上構造物が備えるレーダーから発射し海面等の水面で反射した反射波を受信して得られる画像データであり、波浪情報を含んでいる。
【0023】
一方、船体の計測データは船体の運動情報であり、例えば図2に示すように、船体の上下揺(ヒーブ)、前後揺(サージ)、左右揺(スウエイ)、船首揺(ヨー)、横揺(ロール)、縦揺(ピッチ)の6方向の少なくとも一方向の運動について、加速度、速度又は変位、あるいは加速度、速度、変位を任意に組み合わせたものとすることができる。
【0024】
本発明の波高算出において、レーダーの画像データh(x,y,t)をフーリエ変換によってパワースペクトルSr(kx,ky,ωe)に変換した後、正規化した方向スペクトルSw(ω,θ)を求め、この方向スペクトルSw(ω,θ)と船体応答関数Gz(ω,θ,U)とによって船体運動パワースペクトルSzを求める。波に係わる方向スペクトルSw(ω,θ)が正規化されているため、船体運動パワースペクトルSzの縦軸の大きさは船体運動に依存し、この船体運動パワースペクトルSzから求めた有義値Zsrは船体運動に係わる波高値情報を表している。
【0025】
一方、本発明の波高算出において、船体の計測データから求めた船体運動パワースペクトルSsmの縦軸の大きさは船体運動に依存し、この船体運動パワースペクトルSsmから求めた有義値Zsmは船体運動に係わる波高値情報を表している。
【0026】
したがって、レーダーの画像データから求めた有義値Zsrと船体の計測データから求めた有義値Zsmとは同じ船体運動に係わる波高値情報を表しており、計測データから求めた有義値Zsmに対するレーダーの画像データから求めた有義値Zsrの比率C(=Zm/Zr)の2乗は、パワースペクトルSrの縦軸の大きさを表すことになる。
【0027】
有義波高Hwは、パワースペクトルSrのスペクトルの0次のモーメントm0を用いて
Hw=4.0×√m0 …(3)
で表される。ここで、正規化された方向スペクトルSwのスペクトルの積分値は1であるため√m0は比率Cとなり、有義波高Hwは、
Hw=4.0×C …(4)
により求めることができる。なお、このとき、絶対方位ベースの方向スペクトルは、船首方向をφとしたとき、Sw(ω,θ−φ)・C・Cで表される。
【0028】
次に、図3のフローチャートを用いて本発明の波高算出の手順について説明する。
船舶等に設けたレーダー装置から送信波を発射し、海面等の水面で反射された反射波信号を受信することによってレーダー画像信号h(x,y,t)を得る。レーダー画像信号h(x,y,t)は、連続してn画面取得しておく。レーダー装置は、送信機、アンテナ、受信機等からなるシステムであって、レーダー画像信号h(x,y,t)はレーダー指示器(PPI)に表示することができる。
【0029】
レーダー装置としては、例えば船舶用レーダー装置を適用することができるが、他のレーダー装置を適用することもできる。なお、船舶用レーダー装置は、物体からの反射を捉える必要性から、水面からの反射波信号を不要な雑音として除去する機能を備える。そこで、本発明においては、水面で反射された反射波信号を取得するために、船舶用レーダー装置の上記処理機能をオフとして使用するか、あるいは、上記処理を施す前の信号からレーダー画像信号h(x,y,t)を取り出す。雑音除去前の反射波信号を用いることによって、本来のレーダーの機能を損なうことなく水面反射を含む画像信号を取得することができる。
【0030】
また、波高算出の精度を高めるには、レーダー装置を近距離レンジで測定し、アンテナの高さも高いほうが望ましい(ステップS1)。
取得したレーダー画像信号h(x,y,t)は、空間(x,y平面)及び時間tの信号である。なお、n画面を取得した場合には、画像信号の全体の時間長は(n−1)・サンプリング時間Δとなる。
【0031】
このレーダー画像信号h(x,y,t)をフーリエ変換して、空間ベース及び時間ベースから波数(kx,ky)ベース及び出会い周波数(ωe(rad/sec))ベースの3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)を算出する。なお、出会い周波数は、船体と出会う波浪の周波数である。なお、レーダー画像信号h(x,y,t)は画像の濃淡強度を表し、波数kはLを波長(m)としたとき2π/Lで表される(ステップS2)。
【0032】
得られた3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)に、水面の流れや船体等の測定装置側の動きによって生じるドップラー効果が反射波に影響を及ぼす場合には、この影響を除去して波情報のみとする必要がある。
【0033】
そこで、反射波にドップラー効果による影響がある場合には(ステップS3)、船速U(m/sec)及び船首方位φ(deg)を計測し(ステップS4)、出会い周波数ωeと波数kとの分散関係を表す分散関係式ωe=U・k+√kgを用いて波情報のみの3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)とする。なお、上記分散関係式式においてU・kはベクトルの内積であり、√kg中のkは(kx2+ky2)の平方根(=√(kx2+ky2))であり、gは重力の加速度(9.8m/sec/sec)である。なお、船速U及び船首方位φは、GPSによって求めることができる。
【0034】
静止画像1枚では180度の不確定性が含まれるが、上記で求めた3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)は、波の方向性による不確定性を排除することができる(ステップS5)。
【0035】
求めた3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)を絶対角周波数ω(rad/sec)、及び船尾方向からを0度とする相対方位θをベースとする2次元スペクトルに変換し、さらに、このスペクトルの積分値(容積)を1に正規化し、正規化した2次元パワースペクトルをSw(ω,θ)とする。なお、相対方位θの0度は必ずしも船尾方向である必要はなく、任意に設定することもできる(ステップS6)。
【0036】
次に、船体運動の応答関数Gを理論計算で求める。この船体応答関数Gは、絶対角周波数ω、相対方位θ、及び船速Uに対する船体運動を記述するものであり、船体の各軸(例えば、前記した上下揺(ヒーブ)、前後揺(サージ)、左右揺(スウエイ)、船首揺(ヨー)、横揺(ロール)、縦揺(ピッチ)の6方向の各軸)について求めることができる。例えば、船体応答関数Gzとして上下揺軸についての上下加速度で表すことができる。以下では、この船体応答関数Gzを用いて説明する。なお、この船体応答関数は通常複素数表現で表される(ステップS7)。
【0037】
ステップS6の工程で求めた2次元パワースペクトルSw(ω,θ)とステップS7の工程で求めた船体応答関数Gz(ω,θ,U)とを用いて船体運動の1次元パワースペクトルSz(ω,U)を求める。この1次元パワースペクトルSz(ω,U)は、2次元パワースペクトルSw(ω,θ)に船体応答関数Gz(ω,θ,U)の絶対値の2乗を乗じ、角度方向に積分することで求めることができる。
Sz(ω,U)=∫Sw・|Gz|2dθ …(5)
(ステップS8)。
【0038】
ステップS8の工程で求めた1次元パワースペクトルSz(ω,U)を周波数方向に積分することによって運動の分散値であるスペクトルモーメントm0を求める。
m0=∫ω0Sz(ω,U)dω …(6)
(ステップS9)。
【0039】
有義波高値に対応する有義値Zはこのスペクトルモーメントm0を用いて求めることができ、レーダー画像信号と船体応答関数とを用いて得た1次元パワースペクトルSz(ω,U)の有義値Zsrは、
Zsr=4.0√m0 …(7)
で表される。なお、有義値Zsrの添え字のsは船体を意味し、rはレーダーを意味している(ステップS10)。
【0040】
一方、レーダーによってレーダー画像信号h(x,y,t)を計測すると共に、同じ時刻における船体の運動を計測し、計測信号から時系列のパワースペクトルの算出あるいは統計解析を行い、前記ステップS9と同様にスペクトルモーメントm0を求めることによって、有義波高値に対応する有義値Zsmを求める。なお、有義値Zsmの添え字のmは計測を意味して付している(ステップS11)。
【0041】
ステップS10及びステップS11の各工程で求めた有義値Zsrと有義値Zsmとを比較する。有義値Zsrは、レーダー画像信号と船体応答関数とを用いて得られる有義値であって、レーダー画像信号に係わる2次元パワースペクトルSw(ω,θ)は1に正規化されているため、この有義値の大きさは主に船体運動に係わり、波の波高に係わる情報を含んでいない。一方、有義値Zsmは船体運動を計測することで得られるため、この有義値の大きさは船体運動に係わるものである(ステップS12)。
【0042】
したがって、両有義値の大きさは共に船体運動に係わり、有義値Zsmに対して有義値Zsrの大きさを合わせることによって、波の有義波高値を算出することができる。
そこで、有義値Zsmに対する有義値Zsrの大きさの関係を係数C
C=Zm/Zr …(11)
で求める。なお、Zm及びZrは有義値Zsm及び有義値Zsrを一般的に表す値として示している(ステップS13)。
【0043】
したがって、2次元パワースペクトルSw(ω,θ)は1に正規化され、スペクトルモーメントは1となるため、有義波高値Hwは
Hw=4.0・C …(12)
で表すことができる。なお、このとき、絶対方位ベースに方向スペクトルはSw(ω,θ−φ)・C2で表される(ステップS14)。
【0044】
前記図3に示すフローチャートでは、有義値Zsmに対する有義値Zsrの大きさの関係を表す係数Cを用いて有義波高値Hwを算出しているが、他の手法によって有義波高値を算出することもできる。
【0045】
図4のフローチャートは有義波高値Hwを算出する他の手順を示し、有義値Zsmと有義値Zsrの大きさを比較し、両有義値の大きさが等しくなるように、レーダー画像hの縦軸の大きさを求めることによって、有義波高値を算出するものである。なお、図4に示すフローチャートは、図3に示したフローチャートとほぼ同様であるため、以下では相違する部分のみについて説明する。なお、共通する工程については同一の符号(ステップS)を付している。
【0046】
ステップS1の工程で受信したレーダー画像hの縦軸の大きさを初期値Aに設定した後(ステップS21)、前記ステップS2〜ステップS11と同様の工程によって有義値Zsm及び有義値Zsrを求める。
【0047】
求めた有義値Zsmと有義値Zsrとを比較し(ステップS22)、有義値Zsmと有義値Zsrが一致している場合には、設定した縦軸の大きさAを用いて有義波高値Hwは
Hw=4.0・A …(13)
によって算出することができる(ステップS24)。
【0048】
有義値Zsmと有義値Zsrが不一致である場合には、設定した縦軸の大きさAを変更し(ステップS23)、有義値Zsmと有義値Zsrが一致するまで前記ステップS21〜ステップS22を繰り返し、有義値Zsmと有義値Zsrが一致したときの設定値Aを用いて、式(13)によって有義波高値Hwを算出する。
【0049】
本発明の波高算出は、前記図3あるいは図4のフローチャートで示される手順を船舶等が備えるコンピュータで実行する形態の他、所定の装置として構成することができる。
【0050】
図5は、本発明の波高算出装置の一例を説明するためのブロック図であり、図3のフローチャートで示される手順に基づく構成例である。なお、図に示す構成中の各手段は、ハードで構成することもプログラムによってCPUが実行する各機能で構成することもできる。また、図5に示す構成例は一例であり、前記した手順を他の構成で実現することもできる。
図5において、波高算出装置1は、スペクトル演算手段2と波高演算手段3を備える。
【0051】
スペクトル演算手段2は、レーダー装置4からのレーダー画像信号hrを信号処理する構成と、船体運動計測手段5からの計測信号hsを信号処理する構成を備える。なお、レーダー装置4は、前記したように、送信機、アンテナ、受信機等からなるシステムであり、例えば、船舶用レーダーを適用することができる。また、船体運動計測手段5は、例えば、船舶に設置した加速度計によって加速度を求める他、この加速度を積分して速度や変位を求める。
【0052】
レーダー装置4からのレーダー画像信号hrを信号処理する構成として、レーダー画像信号hrをフーリエ変換して3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)を求める3次元パワースペクトル演算手段2a,分散関係式によってノイズを除去するノイズ除去手段2b、3次元パワースペクトルSr(kx,ky,ωe)を2次元パワースペクトルSw(ω,θ)に変換するスペクトル変換手段2c、2次元パワースペクトルSw(ω,θ)と船体応答関数Gz(ω,θ,U)を用いて船体運動の1次元パワースペクトルSz(ω,θ)を算出するスペクトル算出手段2d、及びスペクトル算出手段2dに船体応答関数Gzを入力するための入力あるいは記憶手段2eを備える。なお、船体応答関数Gzは、本発明の波高算出を適用する船舶について理論計算により求めておき、入力あるいは記憶手段2eからスペクトル算出手段2dに導入する他、スペクトル算出手段2d内に予め設定しておくこともできる。
【0053】
一方、船体運動計測手段5からの計測信号hsを信号処理し、船体運動のパワースペクトルを求める構成として、時系列スペクトル演算手段2fあるいは統計解析手段(図示していない)を備える。
【0054】
また、波高演算手段3は、スペクトル算出手段2dで算出した船体運動の1次元パワースペクトルSz(ω,θ)と、時系列スペクトル演算手段2fで求めた船体運動のパワースペクトルとを入力し、それぞれの有義値Zsr,Zsmを算出する有義値算出手段3aと、算出した有義値Zsr及びZsmを用いて係数C(=Zm/Zs)を算出する係数算出手段3bと、算出した係数Cを用いて有義波高値を算出する有義波高値算出手段3cを備える。なお、スペクトル変換手段2cの出力から方向スペクトルを得ることができる。
【0055】
本発明の波高算出は、上記の構成をハード装置、あるいはプログラムによるソフトの何れの形態によっても行うことができ、波高算出の実行手順を記述した記録媒体を汎用のコンピュータに読み込ませて実行させることもできる。
【0056】
本発明の波高算出は、レーダーと船体運動を組み合わせることによって、レーダー画像信号から波長(周波数)と波向きの情報を安定して得ることができ、また、船体運動の計測信号から波高の情報を安定して得ることができるため、波浪情報について総合して安定した結果を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波高の算出において実測に基づく較正を不要とすることができ、高い波高についても高精度の算出を行うことができる。また、船舶上において波向き、周期だけでなく波高も安定してリアルタイムで求めることができる。
【0058】
また、波の方向スペクトルも、縦軸も含めて安定した結果が得られる。この波の方向スペクトルは、海洋物理の他、波浪の数値予測モデルの重要な要素であり、本発明によって得られる波の方向スペクトルを用いることによって、波浪の数値予測モデルを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波高算出の概略を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の波高算出を適用する船体の運動状態を説明するための図である。
【図3】本発明の波高算出の手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の波高算出の他の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の波高算出装置の一例を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 波高算出装置
2 スペクトル演算手段
2a 3次元パワースペクトル演算手段
2b ノイズ除去手段
2c スペクトル変換手段
2d スペクトル算出手段
2e 船体応答関数の入力あるいは記憶手段
2f 時系列スペクトル演算手段
3 波高演算手段
3a 有義値算出手段
3b 係数算出手段
3c 有義波高値算出手段
4 レーダー装置
5 船体運動計測手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to calculation of wave information, and in particular, an apparatus and method for calculating the wave height, period, and direction of wave information, a recording medium that records a program for calculation and can be read by a computer, and a wave height calculation apparatus It is related with the ship provided with.
[0002]
[Prior art]
Wave information on the water surface of the sea, river, lake, etc. includes wave height (hereinafter referred to as wave height), wave period, and wave direction. Such wave information is useful for ship maintenance and weather routing as well as ship and water structure design, and is important information for improving ship safety and operational efficiency.
[0003]
For this reason, various methods for obtaining such wave information have been developed. As a method for obtaining this wave information, there is known a method for obtaining a wave number spectrum from an image including water surface reflection by a radar and calculating a wave wavelength and a wave direction distribution (for example, “depending on the movement of a ship during navigation”). Ocean wave spectrum real-time estimation-actual ship test-"Hirayama Tsuyoshi, Kansai Shipbuilding Association, 198 (1985), pp17-29), the above method, etc., the wave period (wave The period can be obtained from the wavelength), and the wave direction distribution can be obtained.
[0004]
On the other hand, as for the wave height of the wave information, information on the wave height can be obtained from the height (vertical axis) of the wave number spectrum, but since this information is relative information, the wave height value obtained by actual measurement is used. Need to tune. For example, signal noise method and shadow ratio method (for example, “Evaluation of Marine Wave Radar (Part II), Fabio Takase, Tsuyoshi Hirayama, Proceedings of the Shipbuilding Society of Japan, No. 1) 188 (2000), pp225-237 "is known.
[0005]
In the signal noise method, a spectrum peak and background noise are obtained from information obtained by a radar, the signal-to-noise ratio (SNR) is calculated, and the wave height is estimated from the calculated SNR. The height of the wave with the average wave height for waves that are between 1/3 of the total, counting from the higher of
H 1/3 = α + β√SNR (1)
It is represented by Α and β are calibration parameters that are determined based on measurement results obtained by actual measurement using a wave buoy.
[0006]
The shadow ratio method uses the fact that there is a relationship between the area ratio (shadow ratio) between the shaded area and the water surface area on the radar screen and the roughness of the water surface. The wave height H 1/3 is estimated by assuming that A and B are constants and SR is a shadow ratio, H 1/3 = A · SR B (2)
It is represented by
[0007]
In addition to the above method, a method of obtaining a direction spectrum from only the hull motion by combining the measurement data of the hull motion such as pitch (pitch) and heave (up-and-down swing) A real-time estimation of ocean wave spectrum by motion (Part 2) -estimation of direction spectrum- "Junsei Hirayama, Kansai Shipbuilding Association, No. 204 (1987), pp 21-27)" has also been proposed.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventionally proposed method, there is a problem that calibration using an actual measurement value is required in calculating the wave height. In order to actually measure the wave height, it is necessary to use a wave buoy, for example, and it is difficult to actually measure the wave height while the ship is sailing, and it is also difficult to measure in real time.
[0009]
The shadow ratio method has a problem that the wave height and the shadow are not proportional to each other and is effective for a low wave height, but is difficult to apply to a high wave height because the shadow ratio is saturated.
In addition, the estimation method using the measurement data of the hull motion has a problem that the wave direction and the wave height are not always stable.
[0010]
Therefore, the present invention aims to solve the above-mentioned conventional problems, to eliminate the need for calibration based on actual measurement in calculating the wave height, and to perform highly accurate calculation even for a high wave height. Moreover, it aims at obtaining the wave height stably on a ship in real time.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, calibration based on actual measurement is unnecessary by combining a radar image signal and ship motion information, and a highly accurate and stable wave height value can be calculated even for a high wave height.
[0012]
In the wave height calculation method of the present invention, a step of obtaining a first power spectrum based on a radar image signal and a hull response function and a second power spectrum based on hull motion information; A step of obtaining a size ratio of the vertical axis of the first power spectrum, and a step of obtaining a peak value based on the ratio.
[0013]
The first power spectrum is based on the radar image signal and the hull response function, and the size of the vertical axis corresponding to the wave height is indefinite. Therefore, based on the magnitude of the vertical axis of the second power spectrum based on the hull motion information, the ratio of the magnitude of the vertical axis of the first power spectrum to the vertical axis of the second power spectrum is obtained. This ratio corresponds to the magnitude of the direction spectrum of the radar image signal, and the peak value can be calculated from this ratio.
[0014]
The present invention can stably obtain the wave wavelength (period) and wave direction from the radar image data by combining the radar image signal and the ship motion information, and can stably obtain the wave height from the ship motion information. Can do.
[0015]
Further, the step of obtaining the first power spectrum includes a step of calculating the product of the square of the direction spectrum and the hull response function obtained by Fourier transform and normalizing the radar image signal in the angular direction, and the second power spectrum. The step of obtaining the power spectrum includes a step of calculating by time series power spectrum of the hull motion information or statistical analysis.
[0016]
The size of the vertical axis of the first power spectrum represents the size depending on the response of the hull because the direction spectrum is normalized. On the other hand, the size of the vertical axis of the second power spectrum represents the size depending on the hull motion, and both depend only on the hull motion. Therefore, by comparing the magnitudes of both the vertical axes, and matching the magnitude of the vertical axis of the first power spectrum to the magnitude of the vertical axis of the second power spectrum, the amplitude represents the magnitude of the wave. A directional spectrum can be obtained, and this ratio will represent the wave height.
[0017]
In order to calculate the peak value, the respective spectrum moments of the first power spectrum and the second power spectrum are obtained, the ratio of the magnitude of the vertical axis is obtained from the spectrum moment, and the wave is calculated based on the obtained magnitude ratio. Calculate the high price.
[0018]
In addition, the wave height calculation apparatus of the present invention includes a spectrum calculation means for obtaining a first power spectrum based on a radar image signal and a hull response function, and a second power spectrum based on hull motion information, and a second power spectrum. And a wave height calculating means for obtaining a wave height value based on a ratio of the magnitude of the vertical axis of the first power spectrum to the vertical axis.
[0019]
The spectrum calculation means calculates a first power spectrum from a directional spectrum obtained by Fourier transform of the radar image signal and normalized and a hull response function, and calculates a second power spectrum from the hull motion information. And a wave height calculating means includes a ratio calculating means for obtaining a ratio of the magnitude of the vertical axis from each spectral moment of the first power spectrum and the second power spectrum, and the ratio calculating means. Calculating means for calculating a peak value based on the ratio of the obtained magnitudes.
[0020]
In addition, the recording medium of the present invention records a program that allows a computer to execute the above-described steps of calculating the wave height of the present invention so that the computer can read the program.
Moreover, the ship of this invention is equipped with the computer which reads the program recorded on the above-mentioned wave height calculation apparatus of this invention or the said recording medium, and performs each process of wave height calculation based on the read program.
[0021]
In the present invention, the hull motion information includes acceleration, speed, displacement, or acceleration for at least one of the vertical axis, forward / backward axis, left / right axis, bow axis, roll axis, and vertical axis of the hull. It can be any combination of speed and displacement.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a block diagram for explaining the outline of wave height calculation according to the present invention. The wave height calculation of the present invention uses radar image data and hull measurement data. The image data by the radar is image data obtained by receiving a reflected wave that is emitted from a radar provided in a ship or a floating structure and reflected by a water surface such as the sea surface, and includes wave information.
[0023]
On the other hand, the measurement data of the hull is the hull motion information. For example, as shown in FIG. 2, the hull is moved up and down (heave), back and forth (surge), left and right (sway), bow (yaw) and roll. For at least one direction of movement (roll) and pitch (pitch), acceleration, speed, or displacement, or any combination of acceleration, speed, and displacement can be used.
[0024]
In the wave height calculation of the present invention, the radar image data h (x, y, t) is converted into a power spectrum Sr (kx, ky, ωe) by Fourier transform, and then the normalized direction spectrum Sw (ω, θ) is converted. The hull motion power spectrum Sz is obtained from the direction spectrum Sw (ω, θ) and the hull response function Gz (ω, θ, U). Since the directional spectrum Sw (ω, θ) related to the waves is normalized, the size of the vertical axis of the hull motion power spectrum Sz depends on the hull motion, and the significant value Zsr obtained from this hull motion power spectrum Sz. Represents peak value information related to hull motion.
[0025]
On the other hand, in the calculation of the wave height of the present invention, the size of the vertical axis of the hull motion power spectrum Ssm obtained from the hull measurement data depends on the hull motion, and the significant value Zsm obtained from the hull motion power spectrum Ssm is the hull motion. This shows the peak value information related to.
[0026]
Therefore, the significant value Zsr obtained from the image data of the radar and the significant value Zsm obtained from the measurement data of the hull represent the peak value information related to the same hull movement, and the significant value Zsm obtained from the measurement data The square of the ratio C (= Zm / Zr) of the significant value Zsr obtained from the radar image data represents the size of the vertical axis of the power spectrum Sr.
[0027]
The significant wave height Hw is expressed as Hw = 4.0 × √m 0 (3) using the 0th-order moment m 0 of the spectrum of the power spectrum Sr.
It is represented by Here, since the integral value of the spectrum of the normalized direction spectrum Sw is 1, √m 0 becomes the ratio C, and the significant wave height Hw is
Hw = 4.0 × C (4)
It can ask for. At this time, the direction spectrum based on the absolute direction is represented by Sw (ω, θ−φ) · C · C, where φ is the bow direction.
[0028]
Next, the procedure for calculating the wave height according to the present invention will be described with reference to the flowchart of FIG.
A radar image signal h (x, y, t) is obtained by emitting a transmission wave from a radar device provided in a ship or the like and receiving a reflected wave signal reflected by a water surface such as the sea surface. The radar image signal h (x, y, t) is acquired continuously for n screens. The radar device is a system including a transmitter, an antenna, a receiver, and the like, and a radar image signal h (x, y, t) can be displayed on a radar indicator (PPI).
[0029]
As the radar device, for example, a marine radar device can be applied, but other radar devices can also be applied. The marine radar apparatus has a function of removing a reflected wave signal from the water surface as unnecessary noise because it is necessary to capture reflection from an object. Therefore, in the present invention, in order to obtain the reflected wave signal reflected on the water surface, the processing function of the marine radar apparatus is used with the processing function turned off, or the radar image signal h is obtained from the signal before the processing is performed. (X, y, t) is taken out. By using the reflected wave signal before noise removal, an image signal including water surface reflection can be obtained without impairing the original radar function.
[0030]
Further, in order to increase the accuracy of wave height calculation, it is desirable that the radar device is measured in a short range and the height of the antenna is also high (step S1).
The acquired radar image signal h (x, y, t) is a signal in space (x, y plane) and time t. When n screens are acquired, the total time length of the image signal is (n−1) · sampling time Δ.
[0031]
The radar image signal h (x, y, t) is Fourier-transformed to generate a wave number (kx, ky) -based and encounter frequency (ωe (rad / sec))-based three-dimensional power spectrum Sr ( kx, ky, ωe) are calculated. The encounter frequency is the frequency of waves that meet the hull. The radar image signal h (x, y, t) represents the intensity of the image, and the wave number k is represented by 2π / L where L is the wavelength (m) (step S2).
[0032]
If the Doppler effect caused by the flow on the water surface or the movement of the measuring device such as the hull affects the reflected wave in the obtained three-dimensional power spectrum Sr (kx, ky, ωe), remove this influence. It is necessary to use only wave information.
[0033]
Therefore, when the reflected wave is affected by the Doppler effect (step S3), the ship speed U (m / sec) and the heading φ (deg) are measured (step S4), and the encounter frequency ωe and the wave number k are calculated. A three-dimensional power spectrum Sr (kx, ky, ωe) of only wave information is obtained using a dispersion relation expression ωe = U · k + √kg representing the dispersion relation. In the above dispersion relational expression, U · k is an inner product of vectors, k in √kg is a square root of (kx 2 + ky 2 ) (= √ (kx 2 + ky 2 )), and g is an acceleration of gravity. (9.8 m / sec / sec). The ship speed U and the heading φ can be obtained by GPS.
[0034]
Although one still image includes 180 degrees of uncertainty, the three-dimensional power spectrum Sr (kx, ky, ωe) obtained above can eliminate uncertainty due to wave directionality (step) S5).
[0035]
The obtained three-dimensional power spectrum Sr (kx, ky, ωe) is converted into a two-dimensional spectrum based on an absolute angular frequency ω (rad / sec) and a relative orientation θ that is 0 degrees from the stern direction, The integral value (volume) of this spectrum is normalized to 1, and the normalized two-dimensional power spectrum is defined as Sw (ω, θ). In addition, 0 degree | times of relative bearing (theta) does not necessarily need to be a stern direction, and can also be set arbitrarily (step S6).
[0036]
Next, the response function G of the hull motion is obtained by theoretical calculation. The hull response function G describes the hull motion with respect to the absolute angular frequency ω, the relative azimuth θ, and the hull speed U, and each axis of the hull (for example, the above-described vertical swing (heave), forward / backward swing (surge)). , Left and right swing (sway), bow swing (yaw), roll (roll), and pitch (pitch) 6 directions). For example, the hull response function Gz can be expressed by the vertical acceleration about the vertical axis. Hereinafter, the hull response function Gz will be described. Note that this hull response function is usually expressed in complex number representation (step S7).
[0037]
A one-dimensional power spectrum Sz (ω) of the hull motion using the two-dimensional power spectrum Sw (ω, θ) obtained in the step S6 and the hull response function Gz (ω, θ, U) obtained in the step S7. , U). This one-dimensional power spectrum Sz (ω, U) is obtained by multiplying the two-dimensional power spectrum Sw (ω, θ) by the square of the absolute value of the hull response function Gz (ω, θ, U) and integrating in the angular direction. Can be obtained.
Sz (ω, U) = ∫Sw · | Gz | 2 dθ (5)
(Step S8).
[0038]
By integrating the one-dimensional power spectrum Sz (ω, U) obtained in the step S8 in the frequency direction, a spectral moment m 0 that is a dispersion value of the motion is obtained.
m 0 = ∫ω 0 Sz (ω, U) dω (6)
(Step S9).
[0039]
The significant value Z corresponding to the significant wave height value can be obtained using this spectral moment m 0, and the significant value of the one-dimensional power spectrum Sz (ω, U) obtained using the radar image signal and the hull response function is obtained. The value Zsr is
Zsr = 4.0√m 0 (7)
It is represented by The subscript s of the meaningful value Zsr means the hull, and r means the radar (step S10).
[0040]
On the other hand, the radar image signal h (x, y, t) is measured by the radar, the movement of the hull at the same time is measured, the time series power spectrum is calculated from the measurement signal, or the statistical analysis is performed. Similarly, the significant value Zsm corresponding to the significant wave height value is obtained by obtaining the spectral moment m 0 . The subscript m of the meaningful value Zsm is attached to mean measurement (step S11).
[0041]
The significant value Zsr obtained in each step of Step S10 and Step S11 is compared with the significant value Zsm. The significant value Zsr is a significant value obtained using the radar image signal and the hull response function, and the two-dimensional power spectrum Sw (ω, θ) related to the radar image signal is normalized to 1. The magnitude of this significant value is mainly related to the hull motion and does not include information related to the wave height. On the other hand, since the significant value Zsm is obtained by measuring the hull motion, the magnitude of this significant value is related to the hull motion (step S12).
[0042]
Therefore, both significant values are related to the hull motion, and the significant wave crest value of the wave can be calculated by matching the significant value Zsr with the significant value Zsm.
Therefore, the relationship between the magnitude of the significant value Zsr and the significant value Zsm is expressed by the coefficient C
C = Zm / Zr (11)
Ask for. Zm and Zr are shown as values that generally represent the significant value Zsm and the significant value Zsr (step S13).
[0043]
Accordingly, since the two-dimensional power spectrum Sw (ω, θ) is normalized to 1 and the spectral moment is 1, the significant wave height value Hw is Hw = 4.0 · C (12)
It can be expressed as At this time, the direction spectrum is expressed by Sw (ω, θ−φ) · C 2 based on the absolute direction (step S14).
[0044]
In the flowchart shown in FIG. 3, the significant wave height value Hw is calculated using the coefficient C representing the relationship between the significant value Zsm and the significant value Zsr. However, the significant wave height value is calculated by another method. It can also be calculated.
[0045]
The flowchart of FIG. 4 shows another procedure for calculating the significant wave height value Hw, comparing the magnitudes of the significant value Zsm and the significant value Zsr, so that the magnitudes of both significant values are equal. The significant wave height value is calculated by determining the size of the vertical axis of h. Note that the flowchart shown in FIG. 4 is almost the same as the flowchart shown in FIG. 3, and therefore only the different parts will be described below. In addition, the same code | symbol (step S) is attached | subjected about the common process.
[0046]
After setting the size of the vertical axis of the radar image h received in the step S1 to the initial value A (step S21), the significant value Zsm and the significant value Zsr are obtained by the same steps as in the steps S2 to S11. Ask.
[0047]
The obtained significant value Zsm and the significant value Zsr are compared (step S22), and when the significant value Zsm and the significant value Zsr coincide with each other, it is determined using the set vertical axis size A. The well-known value Hw is Hw = 4.0 · A (13)
(Step S24).
[0048]
When the significant value Zsm and the significant value Zsr do not coincide with each other, the size A of the set vertical axis is changed (step S23), and the steps S21 to S21 until the significant value Zsm and the significant value Zsr coincide with each other. Step S22 is repeated, and the significant wave height value Hw is calculated by Equation (13) using the set value A when the significant value Zsm and the significant value Zsr match.
[0049]
The wave height calculation according to the present invention can be configured as a predetermined apparatus in addition to a mode in which the procedure shown in the flowchart of FIG. 3 or FIG.
[0050]
FIG. 5 is a block diagram for explaining an example of the wave height calculation apparatus of the present invention, and is a configuration example based on the procedure shown in the flowchart of FIG. Note that each means in the configuration shown in the figure can be configured by hardware or by each function executed by the CPU by a program. Further, the configuration example shown in FIG. 5 is an example, and the above-described procedure can be realized by another configuration.
In FIG. 5, the wave
[0051]
The
[0052]
As a configuration for processing the radar image signal hr from the
[0053]
On the other hand, as a configuration for processing the measurement signal hs from the hull motion measuring means 5 and obtaining the power spectrum of the hull motion, a time series spectrum calculating means 2f or a statistical analysis means (not shown) is provided.
[0054]
The wave height calculating means 3 inputs the one-dimensional power spectrum Sz (ω, θ) of the hull motion calculated by the spectrum calculating means 2d and the power spectrum of the hull motion calculated by the time series spectrum calculating means 2f, respectively. Significant value calculation means 3a for calculating significant values Zsr and Zsm, coefficient calculation means 3b for calculating coefficient C (= Zm / Zs) using the calculated significant values Zsr and Zsm, and calculated coefficient C The significant wave peak value calculation means 3c which calculates a significant wave peak value using is provided. A direction spectrum can be obtained from the output of the spectrum conversion means 2c.
[0055]
The wave height calculation according to the present invention can be performed by the above configuration in any form of a hardware device or software by a program, and a general-purpose computer is read and executed by a recording medium describing a wave height calculation execution procedure. You can also.
[0056]
The wave height calculation of the present invention can stably obtain information on the wavelength (frequency) and wave direction from the radar image signal by combining radar and ship motion, and can also obtain wave height information from the measurement signal of ship motion. Since it can be obtained stably, it is possible to obtain a stable result by combining the wave information.
[0057]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, calibration based on actual measurement can be made unnecessary in calculating the wave height, and high-precision calculation can be performed even for a high wave height. Further, not only the wave direction and period but also the wave height can be stably obtained on the ship in real time.
[0058]
In addition, a stable result is obtained for the direction spectrum of the wave including the vertical axis. This wave direction spectrum is an important element of ocean wave physics as well as a wave numerical prediction model. By using the wave direction spectrum obtained by the present invention, the wave numerical prediction model can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram for explaining an outline of wave height calculation according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining a motion state of a hull to which the wave height calculation of the present invention is applied.
FIG. 3 is a flowchart for explaining a procedure for calculating a wave height according to the present invention;
FIG. 4 is a flowchart for explaining another procedure of wave height calculation according to the present invention.
FIG. 5 is a block diagram for explaining an example of a wave height calculation apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (11)
船体運動を実測して得られる計測信号から、波の波高情報を含む船体運動の第2のパワースペクトルを実測する工程と、
前記第1のパワースペクトルの推定値と前記第2のパワースペクトルの実測値からそれぞれ船体運動に係わる有義値を求め、波の波高値が正規化された船体運動の第1のパワースペクトルの有義値に対する第2のパワースペクトルの有義値の比率を求める工程と、
前記有義値の比率から、波の波高値を求める工程を含むことを特徴とする、波高算出方法。Obtain wave direction spectrum with normalized crest value from radar image signal, obtain hull motion response function by theoretical calculation, do not include wave crest information using the wave direction spectrum and hull motion response function Estimating a first power spectrum of ship motion;
Measuring a second power spectrum of the hull motion including wave height information from a measurement signal obtained by actually measuring the hull motion;
Significant values related to the hull motion are obtained from the estimated value of the first power spectrum and the actually measured value of the second power spectrum, respectively, and the significance of the first power spectrum of the hull motion with the wave crest value normalized. Determining a ratio of a significant value of the second power spectrum to a significant value;
A wave height calculation method comprising a step of obtaining a wave peak value from the ratio of the significant values.
前記第2のパワースペクトルを求める工程は、前記船体運動情報の時系列のパワースペクトルあるいは統計解析によって算出する工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の波高算出方法。The step of obtaining the first power spectrum includes the step of calculating by integrating the product of the square of the directional spectrum normalized by Fourier transform of the radar image signal and the hull response function in the angular direction,
2. The wave height calculation method according to claim 1, wherein the step of obtaining the second power spectrum includes a step of calculating by time series power spectrum or statistical analysis of the ship motion information.
前記第1のパワースペクトル及び前記第2のパワースペクトルの各スペクトルモーメントから前記縦軸の大きさの比率を求める工程と、
当該大きさの比率に基づいて波高値を求める工程とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の波高算出方法。The step of obtaining the peak value includes
Obtaining a ratio of the magnitude of the vertical axis from each spectral moment of the first power spectrum and the second power spectrum;
A wave height calculation method according to claim 2, further comprising a step of obtaining a wave height value based on the ratio of the sizes.
船体運動を実測して得られる計測信号から、波の波高情報を含む船体運動の第2のパワースペクトルの実測値を求める処理を含むスペクトル演算手段と、
前記第1のパワースペクトルの推定値と前記第2のパワースペクトルの実測値からそれぞれ船体運動に係わる有義値を求める処理と、
波の波高値が正規化された第1のパワースペクトルの有義値に対する第2のパワースペクトルの有義値の比率を求め、当該有義値の比率から波の波高値を求める処理を行う波高演算手段とを備えることを特徴とする、波高算出装置。Obtain wave direction spectrum with normalized crest value from radar image signal, obtain hull motion response function by theoretical calculation, do not include wave crest information using the wave direction spectrum and hull motion response function Processing for calculating an estimate of the first power spectrum of the hull motion;
Spectrum calculation means including processing for obtaining an actual measurement value of the second power spectrum of the hull motion including wave height information from a measurement signal obtained by actually measuring the hull motion;
A process for obtaining a significant value relating to the hull movement from the estimated value of the first power spectrum and the actually measured value of the second power spectrum;
A wave height for obtaining a ratio of a significant value of the second power spectrum to a significant value of the first power spectrum in which the wave crest value is normalized, and performing processing for obtaining a wave crest value from the ratio of the significant values An apparatus for calculating a wave height, comprising: an arithmetic means.
レーダー画像信号をフーリエ変換し正規化した方向スペクトルと、前記船体応答関数とから第1のパワースペクトルを算出する第1の算出手段と、
前記船体運動情報から第2のパワースペクトルを算出する第2の算出手段とを備えることを特徴とする、請求項5記載の波高算出装置。The spectrum calculation means includes:
First calculation means for calculating a first power spectrum from a directional spectrum normalized by Fourier transform of a radar image signal and the hull response function;
The wave height calculation apparatus according to claim 5, further comprising: a second calculation unit that calculates a second power spectrum from the hull motion information.
前記第1のパワースペクトル及び前記第2のパワースペクトルの各スペクトルモーメントから前記縦軸の大きさの比率を求める比率算出手段と、
当該大きさの比率に基づいて波高値を求める算出手段とを備えることを特徴とする、請求項6に記載の波高算出装置。The wave height calculating means includes
A ratio calculating means for obtaining a ratio of the magnitude of the vertical axis from each spectral moment of the first power spectrum and the second power spectrum;
The wave height calculating apparatus according to claim 6, further comprising a calculating unit that obtains a wave height value based on the ratio of the sizes.
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