JP3887126B2 - Method for producing water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fiber - Google Patents

Method for producing water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fiber Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水溶性の熱可塑性ポリビニルアルコール繊維の溶融紡糸法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称することもある)系水溶性繊維としては、1)原液溶媒と固化浴のいずれもが水系である湿式・乾湿式紡糸法による繊維、2)原液溶媒が水系である乾式紡糸法による繊維、3)原液溶媒と固化浴のいずれもが非水溶媒系の湿式・乾湿式紡糸(ゲル紡糸)法による繊維が知られている。
【0003】
これらのPVA系繊維は、ステープルまたはショートカット繊維として乾式不織布や紡績糸、製紙分野などで用いられたり、マルチフィラメントとして織物や編物に用いられている。特に80℃〜90℃の熱水に可溶のショートカット繊維は繊維状バインダーとして製紙工業において重要な位置を占め、マルチフィラメントもケミカルレースの基布として多く用いられている。また近年の環境問題において、環境にやさしい生分解性繊維としても注目されている。
【0004】
しかしながら、一般的にこれら紡糸方法では、例えば、500m/分を超える高速紡糸が困難であること、繊維断面を異形度の大きい複雑な異形断面にすることが困難であること、紡糸工程で使用される各種溶剤の回収のための設備が必要であることなどの点において、溶融紡糸法に比較すると種々の制限を受け、特別な配慮が必要であることは否めなかった。
溶融紡糸法において一般的なFOYは、工程が2工程に分けられ、工程間の移動による繊維品質低下や、それによる次工程での生産能率低下等の問題を生じることが多く、結果として量産性の点でコスト面等の苦労が多かった。
さらに紡速3000m/分以上の高速紡糸では断糸発生が多く工程性に問題があった。
また1step法の一種として、溶融紡出した糸条を4000m/分以上または2000〜4500m/分という高速で引き取りながら一旦そのガラス転移温度以下の温度にまで冷却した後、引き続いて加熱帯域を通過させてその加熱帯域で延伸させる方法が知られている(特公昭45−1932号公報,特公昭55−10684号公報等)。
この方法では、回転速度の異なる複数のローラーを用いるような機械的な延伸装置を特に使用する必要がなくなり、簡略化した設備により効率的製造できるという長所がある。
しかしながらこの方法では延伸がローラー速度差による機械延伸でないため加熱帯域の温度、糸条の走行速度、走行糸条にかかる張力などによつて繊維の品質、工程性が大きく左右され、加熱帯域における糸条の走行速度や走行糸条にかかる張力などが微妙に変動しても延伸斑が生じ易く、それにより断糸、ループ、毛羽、繊度斑などが起こり易いという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ループや毛羽の発生がなく、繊度斑もなく均一性に優れる安価で高品質の水溶性ポリビニルアルコール繊維の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、粘度平均重合度が200〜500、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が160℃〜230℃であるポリビニルアルコール(A)からなり、かつ(A)100重量部に対してアルカリ金属イオン(B)がナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部含有し、さらに平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.05重量%〜10重量%の範囲で含有しているポリビニルアルコールを紡糸口金より溶融紡糸し、3000m/分以上の引取速度で巻き取るに際し、ポリビニルアルコールの紡糸装置内での滞留時間t(分)と、工程温度T(℃)、紡速V(m/分)とが下記式を満足するように紡糸することを特徴とする水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維の製造方法であり、
20≦t+T/10≦45 (1)
10≦Vt×10−3≦80 (2)
また、粘度平均重合度が200〜500、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が160℃〜230℃であるポリビニルアルコール(A)からなり、かつ(A)100重量部に対してアルカリ金属イオン(B)がナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部含有し、さらに平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.05重量%〜10重量%の範囲で含有されているポリビニルアルコールを紡糸口金より溶融紡糸し、紡出糸条を一旦ガラス転移点以下の温度に冷却し、次いで加熱装置内を走行させて延伸熱処理し2500m/分以上の引取速度で巻き取るに際し、ポリビニルアルコールの紡糸装置内での滞留時間t(分)と、工程温度T(℃)、紡速V(m/分)、口金単孔吐出量Q(g/min)とし、口金単孔面積をL(mm)としたときのQ/LをM、としたとき下記式を満足するように紡糸することを特徴とする水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維の製造方法である。
20≦t+T/10≦45 (3)
0≦0.02V−M≦135 (4)
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のポリビニルアルコール繊維におけるポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコールのホモポリマーは勿論のこと、例えば、共重合、末端変性、および後反応により官能基を導入した変性ポリビニルアルコールも包含するものである。
【0008】
本発明に用いられるPVAの粘度平均重合度(以下、単に重合度と略記する)は200〜500であり、230〜470が好ましく、250〜450が特に好ましい。重合度が200未満の場合には紡糸時に十分な曳糸性が得られず、繊維化できない。重合度が500を越えると溶融粘度が高すぎて、紡糸ノズルからポリマーを吐出することができない。また重合度500以下のいわゆる低重合度のPVAを用いることにより、水溶液で繊維を溶解するときに溶解速度が速くなるばかりでなく繊維が溶解する時の収縮率を小さくすることができる。
【0009】
PVAの重合度(P)は、JIS−K6726に準じて測定される。すなわち、PVAを再鹸化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められるものである。
P=([η]×10/8.29)(1/0.62)
重合度が上記範囲にある時、本発明の目的がより好適に達せられる。
【0010】
本発明のPVAの鹸化度は90〜99.99モル%でなければならない。93〜99.98モル%が好ましく、94〜99.97モル%がより好ましく、96〜99.96モル%が特に好ましい。鹸化度が90モル%未満の場合には、PVAの熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な溶融紡糸を行うことができないのみならず、後述する共重合モノマーの種類によってはPVAの水溶性が低下し、本発明の水溶性繊維を得ることができない場合がある。
一方、鹸化度が99.99モル%よりも大きいPVAは安定に製造することができず、安定した繊維化もできない。
【0011】
本発明において、トライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基とは、PVAのd6−DMSO溶液での500MHz プロトン−NMR(JEOL GX−500)装置、65℃測定による水酸基プロトンのトライアッドのタクティシティを反映するピーク(I)を意味する。
ピーク(I)はPVAの水酸基のトライアッド表示のアイソタクティシティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタクティシティ連鎖(4.36ppm)およびシンジオタクティシティ連鎖(4.13ppm)の和で表わされ、全てのビニルアルコールユニットにおける水酸基のピーク(II)はケミカルシフト4.05ppm〜4.70ppmの領域に現れることから、本発明のビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(II)で表されるものである。
本発明においては、水酸基3連鎖の中心水酸基の量を制御することで、PVAの水溶性、吸湿性など水に関わる諸物性、強度、伸度、弾性率など繊維に関わる諸物性、融点、溶融粘度など溶融紡糸性に関わる諸物性をコントロールできる。これはトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基は結晶性に富み、PVAの特長を発現させるためと思われる。
【0012】
本発明の繊維におけるPVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量は70〜99.9モル%であり、72〜99モル%が好ましく、74〜97モル%がより好ましく、75〜96モル%がさらに好ましく、76〜95モル%が特に好ましい。
PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量が70モル%未満である場合には、ポリマーの結晶性が低下し、繊維強度が低くなると同時に、溶融紡糸時に繊維が膠着して巻取り後に巻き出しできない場合がある。また本発明で目的とする水溶性の熱可塑性繊維が得られない場合がある。
PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量が99.9モル%より大の場合には、ポリマーの融点が高いため溶融紡糸温度を高くする必要があり、その結果、溶融紡糸時のポリマーの熱安定性が悪く、分解、ゲル化、ポリマーの着色が起こる。
【0013】
また本発明においては、ポリビニルアルコール繊維中に平均粒径0.01μm以上1μm以下の無機微粒子が含有されていることが重要である。無機微粒子としては、ポリビニルアルコールに対して実質的に劣化作用をもたず、それ自体で安定性に優れるものであればいずれも使用できる。かかる無機微粒子の代表例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機微粒子を挙げることができ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。
【0014】
平均粒径は、0.01μm以上1μm以下であることが必要であり、好ましくは0.02μm以上0.6μm以下である。平均粒径が0.01μm未満であると延伸時の糸条にかかる張力などに僅かな変動を生じても得られる繊維にループや毛羽、繊度斑により断糸が発生するようになる。
一方、平均粒径が1μmを超えると繊維の紡糸性、延伸性の低下をもたらして断糸などを発生し易くなる。尚ここでいう平均粒径とは遠心沈降法を用いて得られた値をいう。
【0015】
微粒子の含有量はポリビニルアルコール繊維を基にして0.05重量%以上、10重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以上5重量%以下であることが望ましい。粒子含有量が0.05重量%未満であると延伸時のネッキング変形においてネッキング点が安定せず、結果的に得られた繊維にループ、毛羽、繊度斑などが生じ易くなる。さらに高速紡糸では断糸の発生により工程性は得られない。一方10重量%を超えると、工程通過性が悪く断糸の原因となる。
【0016】
無機微粒子の添加方法については、特に制限されず、ポリビニルアルコールの重合から溶融紡糸直前までの任意の段階でポリビニルアルコール中に無機微粒子が均一に混合されているように添加混合すればよい。
【0017】
本発明で使用されるPVAは、ビニルエステル系重合体のビニルエステル単位を鹸化することにより得られる。ビニルエステル単位を形成するためのビニル化合物単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る点からは酢酸ビニルが好ましい。
【0018】
本発明の複合繊維を構成するA成分のPVA重合体は、ポリビニルアルコールのホモポリマーであっても共重合単位を導入した変性PVAであつてもよいが、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性の観点からは、共重合単位を導入した変性ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。共重合単量体の種類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量体、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル類、酢酸イソプロペニル、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸または無水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を有する単量体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられる。これらの単量体の含有量は、25モル%以下、特に20モル%以下であることが好ましい。
【0019】
これらの単量体の中でも、入手のしやすさなどから、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エーテルグリコールビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量体、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類に由来する単量体が好ましい。
【0020】
特に、共重合性、溶融紡糸性および複合繊維の易分割性の観点からエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好ましい。炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に0.1〜20モル%存在していることが好ましく、さらに4〜15モル%が好ましく、6〜13モル%が特に好ましい。
さらに、α−オレフィンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなることから、特にエチレン単位が4〜15モル%、より好ましくは6〜13モル%導入された変性PVAを使用することが好ましい。
【0021】
本発明で使用されるPVAの重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられる。共重合に使用される開始剤としては、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシジカーボネートなどのアゾ系開始剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合温度については特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲が適当である。本発明で規定する重合度、鹸化度、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率、融点を満足するPVAは、周知の酢酸ビニルの重合方法および鹸化方法を用い、その際の変性種と変性量を特定の値にすることにより達成される。
【0022】
本発明の複合繊維におけるA成分のPVA中のアルカリ金属イオン(B)の含有割合は、PVA(A)100重量部に対してナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部であり、0.0003〜0.8重量部が好ましく、0.0005〜0.6重量部がより好ましく、0.0005〜0.5重量部が特に好ましい。アルカリ金属イオンの含有割合が0.0003重量部未満の場合には、得られた繊維が十分な水溶性を示さず未溶解物が残る場合がある。またアルカリ金属イオンの含有量が1重量部より多い場合には溶融紡糸時の分解及びゲル化が著しく繊維化することができない。
アルカリ金属イオンとしては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等があげられる。
【0023】
本発明において、特定量のアルカリ金属イオン(B)をPVA中に含有させる方法は特に制限されず、PVAを重合した後にアルカリ金属イオン含有の化合物を添加する方法、ビニルエステルの重合体を溶媒中において鹸化するに際し、鹸化触媒としてアルカリイオンを含有するアルカリ性物質を使用することによりPVA中にアルカリ金属イオンを配合し、鹸化して得られたPVAを洗浄液で洗浄することにより、PVA中に含まれるアルカリ金属イオン含有量を制御する方法などが挙げられるが後者のほうが好ましい。
なお、アルカリ金属イオンの含有量は、原子吸光法で求めることができる。
【0024】
鹸化触媒として使用するアルカリ性物質としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあげられる。鹸化触媒に使用するアルカリ性物質のモル比は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好ましく、0.005〜0.05が特に好ましい。鹸化触媒は、鹸化反応の初期に一括添加してもよいし、鹸化反応の途中で追加添加してもよい。
鹸化反応の溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジエチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどがあげられる。これらの溶媒の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.001〜1重量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率を0.003〜0.9重量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率を0.005〜0.8重量%に制御したメタノールが特に好ましい。洗浄液としては、メタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エステル、ヘキサン、水などがあげられ、これらの中でもメタノール、酢酸メチル、水の単独もしくは混合液がより好ましい。
洗浄液の量としてはアルカリ金属イオン(B)の含有割合を満足するように設定されるが、通常、PVA100重量部に対して、300〜10000重量部が好ましく、500〜5000重量部がより好ましい。洗浄温度としては、5〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。洗浄時間としては20分間〜10時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
【0025】
また本発明の目的や効果を損なわない範囲で、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合反応時、またはその後の工程で添加することができる。特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0026】
本発明においては、ポリビニルアルコール中に無機微粒子が存在することによって溶融紡糸法における高速化が可能となる。
本発明においては、紡糸口金より溶融紡出した微粒子含有PVA糸条を3000m/分以上の引取速度で巻き取るに際し、PVAの紡糸時の滞留時間t分、口金温度を除く工程温度をT℃、紡糸速度Vm/分としたときに下記式(1)および(2)を満足する必要がある。
20≦t+T/10≦45 (1)
10≦Vt×10−3≦80 (2)
【0027】
上述の「紡糸時の滞留時間」とは、押出機によって溶融押出後、紡糸口金より紡出されるまでの時間を示し、「口金温度を除く、工程温度」とは、押出機を出た後、紡糸ヘッドに入るまでの温度、すなわち原液管の温度を示す。
(1)でt+T/10が20未満の場合には、溶融粘度斑が生じ易く、紡糸時の断糸あるいは繊度斑等が生じやすい。一方、t+T/10が45を超えるとPVAのゲル化が懸念され、工程調子を悪化させる。より好ましくは23≦t+T/10≦40である。
また(2)でVt×10−3が10未満の場合、あるいは90を超える場合は、紡糸時の断糸により、工程性が得られない。より好ましくは24≦Vt×10−3≦60である。
【0028】
溶融紡出温度は、PVAの融点〜融点+80℃の範囲の温度、より好ましくはPVAの融点〜融点+50℃の範囲の温度にし、かつ溶融紡糸速度(溶融紡出量)を約20〜50g/紡糸孔1mm・分程度とするとPVA系繊維を良好な紡糸工程性で得ることができる。また紡糸口金における紡糸孔の大きさや数、紡糸孔の形状なども特に制限されず目的とするPVA繊維の単繊維繊度、総合デニール数、断面形状などに応じて調節することができる。紡糸孔(単孔)の大きさは約0.01〜0.07mm程度にしておくのが望ましい。
【0029】
そして上記によって溶融紡出したPVA繊維を一対になったゴデットローラーを介して直接巻き取るものであるが、その際、紡糸口金の下に冷却風吹き付け筒などの冷却風吹き付け装置を設けておいて、紡出されてきたPVA繊維に冷却風を吹き付けてガラス転移温度以下に冷却するようにするのが好ましく、その際に冷却風の温度や湿度、冷却風の吹き付け速度、紡出糸条に対する冷却風の吹き付け角度などの冷却条件も特に制限されず、口金から紡出されてきたPVA繊維の揺れなどを生じないようにしながら速やかに且つ均一にガラス転移温度以下にまで冷却できる条件であればいずれでもよい。そのうちでも、冷却風の温度を約20〜30℃、冷却風の湿度を20〜60%、冷却風の吹き付け速度を0.4〜1.0m/秒程度とし、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け方向を紡出方向に対して垂直にして紡出したPVA繊維の冷却を行うのが、高品質のPVA繊維を円滑に得ることができので好ましい。また、冷却風吹き付け筒を用いて前記の条件下で冷却を行う場合は、紡糸口金の直下にやや間隔をあけてまたは間隔をあけないで、長さが約80〜120cm程度の冷却風吹き付け筒を配置するのが好ましい。
【0030】
次に、ガラス転移温度以下にまで冷却したPVA繊維にできるだけ早く油剤を付与して集束する。本発明により得られる繊維は水溶性であり、吸湿性も高い繊維であるので、水を含まないストレート油剤を付与することが好ましい。
【0031】
油剤成分は水を含まない制電剤成分と平滑剤成分とからなるが、たとえば、ポリオキシエチレンラウリルホスフェートジエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンセチルホスフェートジエタノールアミン塩、アルキルイミダゾリウムエトサルフェート、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルカチオン化物、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸グリセライド、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールアルキルエステル、ポリオキシエチレンカスターワックス、プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド(PO/EO)ランダムエーテル、PO/EOブロックエーテル、PO/EO変性シリコーン、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、高分子アマイド、ブチルセロソルプ、鉱物油、中性油から選んで配合したものを用いることができる。
【0032】
油剤を付与する方法は、通常行われているローラータッチ、烏口による方法でよい。
次に油剤が付与された糸条は一対のゴデットローラーを介して引取速度3000m/分以上の速度で巻き取られる。3000m/分以上、特に4000m/分以上の速度で巻き取られることにより、ある程度の結晶性を有し、繊維強度、伸度等の繊維物性を保持しながらスビンドロー法、2工程法により得られた糸条と比較して、寸法安定性に優れた繊維を得ることができる。
巻取速度3000m/分未満の場合には、繊維強度水溶剤の寸法安定性等の諸物性が低下し実用的でなくなる。一方、9000m/分を超えるような超高速では、断糸が起こりやすく、好ましくは8000m/分以下である。
【0033】
次に本発明のもう一つの製造方法(高速紡糸法)を説明する。
本発明は、紡糸口金より溶融紡出したPVA糸条を一旦ガラス転移点以下の温度に冷却し、次いで加熱装置内を走行させて延伸熱処理し2500m/分以上の引取速度で巻き取るに際し、PVAの紡糸時の滞留時間t分、口金温度を除く工程温度T℃、紡速Vm/分、口金単孔面積L(mm)当たりの口金単孔吐出量Q(g/min)をMとしたとき下記式(3)および(4)を満足する必要がある。
20≦tT/10≦45(3)
−10≦0.02V−M≦135 (4)
(3)は前記した(1)の内容と同様であるが、より好ましくは、24≦t+T/10≦38である。
(4)では、0.02V−Mの値が−10未満であるとノズル背圧が高すぎることとなり、0.02V−Mの値が135を超えるとノズル背圧が低すぎることとなり、いずれの場合も繊度不良や工程調子悪化の原因となる。より好ましくは20≦0.02V−M≦90である。
【0034】
紡出したPVA糸条をガラス転移点以下の温度に冷却するまでは、上述した内容と同様である。それ以降について以下詳細に説明する。
ガラス転移温度以下にまで冷却したPVA繊維を引き続いてそのまま直接加熱帯域に導入して延伸する。加熱帯域の温度はPVAの種類などに応じて異なるが、PVAのガラス転移温度よりも40℃以上高い温度としておくと、得られるPVA繊維の物性を実用上満足のゆくものとすることができるので好ましく、PVA繊維の場合は加熱帯域の温度を約100℃以上とするのが好ましい。加熱帯域の上限温度は、加熱帯域内で繊維間の融着や糸切れ、単糸切れなどが生じないような温度であればよい。
【0035】
加熱帯域の種類や構造は、加熱帯域内を走行するPVA繊維を加熱帯域内の加熱手段などに接触せずに加熱することができ、しかも加熱帯域内を走行する糸条とそれを包囲する空気との間に抵抗を生じさせて糸条張力を増大させて、繊維に延伸を生じさせることのできる構造であればいずれでもよい。そのうちでも、加熱帯域としては、筒状構造の加熱帯域が好ましく用いられ、特に筒状壁自体がヒーターとなっている内径約20〜50mm程度のチューブヒーターなどが好ましい。
加熱帯域の紡糸口金からの設置位置、加熱帯域の長さなどは、PVA繊維の種類、PVAの紡出量、PVA繊維の冷却温度、PVA繊維の走行速度、加熱帯域の温度、加熱帯域の内径などに応じて調節できるが、紡糸口金直下から加熱帯域の入口までの距離を0.5〜3.0m程度とし、そして加熱帯域の長さを1.0〜2.0m程度としておくと、加熱帯域内でPVA繊維を加熱して均一に円滑に延伸することができるので望ましい。
【0036】
そして加熱延伸が施された糸条は、必要に応じて油剤が付与され、ついで2500m/分以上の速度で巻き取られる。引取速度2500m/分未満の場合には加熱帯域での加熱延伸が不十分であり、繊維強度等の諸物性が低下し実用的でなくなる。しかも一連の工程からなる前述の製造方法においては、満足な製糸性を得ることができ、とくに加熱帯域における糸条の張力変動、過加熱等が生じて均一な延伸が困難となる。結果として上述のランダムに存在する非晶部分が存在しなくなるのである。
【0037】
本発明では、最終的に得られる繊維の単繊維繊度や総デニール数などは特に制限されず、繊維の用途などに応じて適宜調節することができるが、本発明の方法は特に短繊維繊度が0.5〜6デニール、総デニール数が30〜300デニールのPVA繊維を製造するのに適している。
【0038】
【実施例】
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[PVAの分析方法]
PVAの分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。
変性量は変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを用いて500
MHz プロトン−NMR(JEOL GX−500)装置による測定から求めた。
アルカリ金属イオンの含有量は原子吸光法で求めた。
【0039】
本発明のPVAのトライアッド表示による3連鎖の水酸基量の割合は以下の測定により求めた。
PVAを鹸化度99.5モル%以上に鹸化後、十分にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間したPVAを用いて、d6−DMSOに溶解した後、500MHz プロトン−NMR(JEOL GX−500)装置により65℃測定を行った。PVA中のビニルアルコールユニットの水酸基由来のピークはケミカルシフト4.05ppmから4.70ppmの領域に現われ、この積分値をビニルアルコールユニット量(II)とする。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基はそれぞれアイソタクティシティ連鎖の場合4.54ppm、ヘテロタクティシティ連鎖の場合4.36ppmおよびシンジオタクティシティ連鎖の場合4.13ppmに現れる。この3者の積分値の和をトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基量(I)とする。
本発明のPVAのビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(II)で表される。
【0040】
[融点]
PVAの融点は、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後室温まで冷却し、再度、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度で表した。
【0041】
[紡糸性]
PVA繊維を100kg紡糸し、紡糸時の断糸の有無を調べると共に得られたPVA繊維における毛羽の発生の有無を目視により観察して、下記に示す評価基準にしたがって評価した。
PVA繊維の紡糸性評価基準
◎:紡糸時に断糸が何ら発生せず、しかも得られたPVA繊維には毛羽が全く発生しておらず、紡糸性が極めて良好である。
○:紡糸時に断糸が発生せず、そして得られたPVA繊維には毛羽が僅かに発生していたが、紡糸性はほぼ良好である。
△:100kgを紡糸したときに、断糸が3回まで発生し、紡糸性が不良である。
×:100kgを紡糸したときに断糸が3回よりも多く発生し、紡糸性が極めて不良である。
[無機微粒子の平均粒径の測定]
遠心粒径測定器(堀場製作所製「CAPA−5000型」)を用いて測定した。
【0042】
実施例1
特願平11−19544号実施例1に記載されている方法により、粘度平均重合度が330、鹸化度が98.4モル%、水酸基3連鎖の水酸基の含有量83モル%であり、融点206℃のエチレン10モル%変性PVA(該変性PVAを灰化させた後、酸に溶解したものを用いて原子吸光光度計により測定したナトリウムの含有量は、変性PVA100重量部に対して0.03重量部)を得た。これに、一次平均粒径0.4μmの酸化チタン0.5重量%を2軸押出し機にて添加混練し、得られた変性PVAを溶融押出し、紡糸口金手前までの工程温度を220℃、滞留時間を7.5分とし、口金孔径0.25mmφの紡糸ノズルから紡出温度235℃で紡出後、紡糸口金直下に設置された長さ80cmの一方冷却装置により、紡出糸条を直ちに冷却した。冷却風の温度は25℃であり、湿度は60%、冷却風速は0.5m/秒として紡出糸条の温度を40℃以下まで冷却した。ついてカラス口ガイドで給油し、一対の引取りローラーを介して4500m/分の速度で巻き取った。得られた繊維は75デニール/24フィラメントであった。その時の紡糸条件と紡糸調子の評価を表1に示した。
【0043】
【表1】

Figure 0003887126
【0044】
実施例2〜3
滞留時間と工程温度を表1に示す条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0045】
実施例4
紡速を表1に示す条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0046】
実施例5
無機微粒子の種類とその添加量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0047】
実施例6
紡出糸条を冷却するまでは実施例1と同様に実施し、冷却された紡出糸条を長さ1.5m、入口径5mm、出口径10mm、内径30mmφの筒型加熱装置(内温180℃)に導入して加熱装置内で延伸した後、糸条にカラス口ガイドで給油し、一対の引取ローラーを介して4000m/分の速度で巻き取り、紡糸調子を評価した(表1)。
【0048】
実施例7
口金孔径及び紡速を表1に示すように変更したこと以外は実施例6と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0049】
実施例8
口金孔径、紡速及び加熱装置温度を表1に示すように変更したこと以外は実施例6と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0050】
比較例1
無機微粒子を何ら添加していないPVAを用いたこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0051】
比較例2〜3
無機微粒子の添加量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0052】
比較例4
無機微粒子の種類と添加量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0053】
比較例5〜8
紡速、滞留時間と工程温度(T℃)を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0054】
比較例9〜10
紡速、滞留時間と工程温度(T℃)を表1に示すように変更したこと以外は実施例6と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0055】
比較例11
口金孔径及び紡速を表1に示すように変更したこと以外は実施例6と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。
【0056】
比較例12
口金孔径及び紡速を表1に示すように変更したこと以外は実施例6と同様にして繊維化を行ない、その時の紡糸条件と紡糸調子を評価した(表1)。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for melt spinning water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fibers.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a polyvinyl alcohol (hereinafter also abbreviated as PVA) water-soluble fiber, 1) a fiber obtained by a wet / dry wet spinning method in which both the stock solution solvent and the solidification bath are aqueous, and 2) a stock solution solvent. Fibers based on water-based dry spinning methods are known. 3) Fibers based on wet / dry-wet spinning (gel spinning) methods in which both the stock solution solvent and the solidification bath are non-aqueous solvents.
[0003]
These PVA fibers are used as staples or shortcut fibers in the dry nonwoven fabric, spun yarn, papermaking field, etc., or as multifilaments in woven fabrics and knitted fabrics. In particular, shortcut fibers soluble in hot water at 80 ° C. to 90 ° C. occupy an important position in the paper industry as a fibrous binder, and multifilaments are often used as a base fabric for chemical lace. Moreover, in recent environmental problems, it attracts attention as an environmentally friendly biodegradable fiber.
[0004]
However, these spinning methods are generally used in the spinning process, for example, that high-speed spinning exceeding 500 m / min is difficult, that it is difficult to make the fiber cross-section into a complicated cross-section with a high degree of deformation. In view of the necessity of equipment for recovery of various solvents, it was undeniable that special considerations were required due to various limitations compared to the melt spinning method.
In general FOY in the melt spinning method, the process is divided into two processes, which often causes problems such as fiber quality degradation due to movement between processes and production efficiency degradation in the next process, resulting in mass productivity. However, there were many problems such as cost.
Furthermore, high speed spinning at a spinning speed of 3000 m / min or more often causes breakage and has a problem in processability.
As one type of 1-step method, the melt-spun yarn is cooled to a temperature below its glass transition temperature while being pulled at a high speed of 4000 m / min or more or 2000 to 4500 m / min, and then passed through a heating zone. A method of stretching in the heating zone is known (Japanese Patent Publication No. 45-1932, Japanese Patent Publication No. 55-10684, etc.).
This method has an advantage in that it is not necessary to use a mechanical stretching apparatus that uses a plurality of rollers having different rotation speeds, and it can be efficiently manufactured with simplified equipment.
However, in this method, since the drawing is not mechanical drawing due to the difference in roller speed, the quality of the fiber and the processability are greatly influenced by the temperature of the heating zone, the running speed of the yarn, the tension applied to the running yarn, etc. Even if the running speed of the strips and the tension applied to the running yarns fluctuate slightly, stretched spots are likely to occur, which leads to the occurrence of yarn breakage, loops, fluff and fineness spots.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an inexpensive and high-quality water-soluble polyvinyl alcohol fiber manufacturing method that is free from loops and fluff and has no fineness unevenness and excellent uniformity.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
That is, in the present invention, the viscosity average polymerization degree is 200 to 500, the saponification degree is 90 to 99.99 mol%, and the molar fraction of the central hydroxyl group of three hydroxyl groups by triad display with respect to the vinyl alcohol unit is 70 to 99.9 mol. %, The melting point of which is made of polyvinyl alcohol (A) having a melting point of 160 ° C. to 230 ° C. Further, polyvinyl alcohol containing inorganic fine particles having an average particle diameter of 0.01 μm to 1 μm in a range of 0.05 wt% to 10 wt% is melt-spun from a spinneret and wound at a take-up speed of 3000 m / min or more. In taking the polyvinyl alcohol, the residence time t (min) in the spinning device, the process temperature T (° C.), and the spinning speed V (m / min) satisfy the following formula. A method for producing a water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fiber, characterized in that spinning is performed,
20 ≦ t + T / 10 ≦ 45 (1)
10 ≦ Vt × 10-3≦ 80 (2)
Further, the viscosity average polymerization degree is 200 to 500, the saponification degree is 90 to 99.99 mol%, the molar fraction of the central hydroxyl group of the hydroxyl group 3 chain by triad display with respect to the vinyl alcohol unit is 70 to 99.9 mol%, It consists of polyvinyl alcohol (A) having a melting point of 160 ° C. to 230 ° C., and contains alkali metal ions (B) in an amount of 0.0003 to 1 parts by weight in terms of sodium ions with respect to 100 parts by weight of (A). Polyvinyl alcohol containing inorganic fine particles having a particle size of 0.01 μm to 1 μm in a range of 0.05 wt% to 10 wt% is melt-spun from a spinneret, and the spun yarn is once brought to a temperature below the glass transition point. Cooling, then running in the heating device, stretching heat treatment and winding at a take-up speed of 2500 m / min or more, in the polyvinyl alcohol spinning device The residence time t (minute), the process temperature T (° C.), the spinning speed V (m / minute), and the single-hole discharge rate Q (g / min), and the single-hole area of the base L (mm)2) Is a method for producing water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fiber, wherein spinning is performed so that the following formula is satisfied when M is Q / L.
20 ≦ t + T / 10 ≦ 45 (3)
0 ≦ 0.02V-M ≦ 135 (4)
It is.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyvinyl alcohol in the polyvinyl alcohol fiber of the present invention includes not only a homopolymer of polyvinyl alcohol but also a modified polyvinyl alcohol having a functional group introduced by copolymerization, terminal modification, and post-reaction.
[0008]
The PVA used in the present invention has a viscosity average polymerization degree (hereinafter simply referred to as polymerization degree) of 200 to 500, preferably 230 to 470, and particularly preferably 250 to 450. When the degree of polymerization is less than 200, sufficient spinnability cannot be obtained at the time of spinning and fiberization cannot be performed. When the degree of polymerization exceeds 500, the melt viscosity is too high and the polymer cannot be discharged from the spinning nozzle. Further, by using a so-called low polymerization PVA having a polymerization degree of 500 or less, not only the dissolution rate is increased when the fiber is dissolved in an aqueous solution, but also the shrinkage rate when the fiber is dissolved can be reduced.
[0009]
The degree of polymerization (P) of PVA is measured according to JIS-K6726. That is, after re-saponifying and purifying PVA, the intrinsic viscosity [η] measured in water at 30 ° C. is obtained by the following formula.
P = ([η] × 103/8.29)(1 / 0.62)
When the degree of polymerization is in the above range, the object of the present invention can be achieved more suitably.
[0010]
The saponification degree of the PVA of the present invention should be 90-99.99 mol%. 93-99.98 mol% is preferable, 94-99.97 mol% is more preferable, 96-99.96 mol% is especially preferable. When the saponification degree is less than 90 mol%, not only the thermal stability of PVA is poor, but satisfactory melt spinning cannot be performed by thermal decomposition or gelation, and depending on the type of copolymerization monomer described later, In some cases, the water-soluble fiber of the present invention cannot be obtained.
On the other hand, PVA having a saponification degree greater than 99.99 mol% cannot be produced stably and cannot be stably made into fibers.
[0011]
In the present invention, the central hydroxyl group of the three-hydroxyl group represented by triad reflects the triad tacticity of a hydroxyl proton measured by a 500 MHz proton-NMR (JEOL GX-500) apparatus in a dVA-DMSO solution of PVA at 65 ° C. It means peak (I).
Peak (I) is represented by the sum of the triad-represented isotacticity chain (4.54 ppm), heterotacticity chain (4.36 ppm) and syndiotacticity chain (4.13 ppm) of the hydroxyl group of PVA, all Since the peak (II) of the hydroxyl group in the vinyl alcohol unit of the present invention appears in the region of a chemical shift of 4.05 ppm to 4.70 ppm, the molar fraction of the central hydroxyl group of the hydroxyl group 3 chain by triad display with respect to the vinyl alcohol unit of the present invention is It is represented by 100 × (I) / (II).
In the present invention, by controlling the amount of the central hydroxyl group of the hydroxyl group 3 chain, various physical properties related to water such as water solubility and hygroscopicity of PVA, physical properties related to fibers such as strength, elongation, elastic modulus, melting point, melting Various physical properties related to melt spinnability such as viscosity can be controlled. This is presumably because the central hydroxyl group of the three-hydroxyl group represented by triad is rich in crystallinity and exhibits the features of PVA.
[0012]
In the fiber of the present invention, the content of the central hydroxyl group of the three-hydroxyl group represented by triad display of PVA is 70 to 99.9 mol%, preferably 72 to 99 mol%, more preferably 74 to 97 mol%, and more preferably 75 to 96. More preferred is mol%, particularly preferred is 76 to 95 mol%.
When the content of the central hydroxyl group of the three-hydroxyl group represented by PVA triad is less than 70 mol%, the crystallinity of the polymer is lowered, the fiber strength is lowered, and at the same time, the fiber is stuck and wound during melt spinning. You may not be able to unwind later. Moreover, the water-soluble thermoplastic fiber intended in the present invention may not be obtained.
When the content of the central hydroxyl group of the hydroxyl group 3 chain by PVA triad display is larger than 99.9 mol%, it is necessary to increase the melt spinning temperature because of the high melting point of the polymer. The thermal stability of the polymer is poor, causing decomposition, gelation, and coloration of the polymer.
[0013]
In the present invention, it is important that the polyvinyl alcohol fiber contains inorganic fine particles having an average particle diameter of 0.01 μm or more and 1 μm or less. Any inorganic fine particles can be used as long as they have substantially no deterioration effect on polyvinyl alcohol and are excellent in stability by themselves. Typical examples of such inorganic fine particles include inorganic fine particles such as silica, alumina, titanium oxide, calcium carbonate, and barium sulfate. These may be used alone or in combination of two or more.
[0014]
The average particle size needs to be 0.01 μm or more and 1 μm or less, and preferably 0.02 μm or more and 0.6 μm or less. If the average particle size is less than 0.01 μm, even if a slight change occurs in the tension applied to the yarn during drawing, the resulting fiber will be broken by loops, fluff and fineness.
On the other hand, when the average particle diameter exceeds 1 μm, the fiber spinnability and stretchability are lowered, and yarn breakage is likely to occur. Here, the average particle diameter means a value obtained using a centrifugal sedimentation method.
[0015]
The content of the fine particles is preferably 0.05% by weight or more and 10% by weight or less, more preferably 0.1% by weight or more and 5% by weight or less based on the polyvinyl alcohol fiber. When the particle content is less than 0.05% by weight, the necking point is not stable in the necking deformation during stretching, and loops, fluff, fineness spots, and the like are likely to occur in the resulting fiber. Further, in high-speed spinning, processability cannot be obtained due to the occurrence of yarn breakage. On the other hand, if it exceeds 10% by weight, the process-passing property is poor, which causes yarn breakage.
[0016]
The method for adding the inorganic fine particles is not particularly limited, and may be added and mixed so that the inorganic fine particles are uniformly mixed in the polyvinyl alcohol at any stage from polymerization of polyvinyl alcohol to immediately before melt spinning.
[0017]
The PVA used in the present invention can be obtained by saponifying vinyl ester units of a vinyl ester polymer. Vinyl compound monomers for forming vinyl ester units include vinyl formate, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl valenate, vinyl caprate, vinyl laurate, vinyl stearate, vinyl benzoate, vinyl pivalate and Examples thereof include vinyl versatate, and among these, vinyl acetate is preferable from the viewpoint of obtaining PVA.
[0018]
The PVA polymer of component A constituting the conjugate fiber of the present invention may be a homopolymer of polyvinyl alcohol or a modified PVA introduced with copolymerized units, but it has melt spinnability, water solubility, and fiber properties. From the viewpoint, it is preferable to use a modified polyvinyl alcohol having a copolymer unit introduced therein. Examples of the comonomer include α-olefins such as ethylene, propylene, 1-butene, isobutene, and 1-hexene, acrylic acid and salts thereof, methyl acrylate, ethyl acrylate, and acrylic acid n- Acrylic acid esters such as propyl and i-propyl acrylate, methacrylic acid and salts thereof, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, methacrylic acid esters such as i-propyl methacrylate, acrylamide, N- Acrylamide derivatives such as methyl acrylamide and N-ethyl acrylamide, methacrylamide derivatives such as methacrylamide, N-methyl methacrylamide, N-ethyl methacrylamide, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, n-propyl vinyl ether, i-propiyl Vinyl ethers such as vinyl ether, n-butyl vinyl ether, ethylene glycol vinyl ether, 1,3-propanediol vinyl ether, hydroxy group-containing vinyl ethers such as 1,4-butanediol vinyl ether, allyl acetate, propyl allyl ether, butyl allyl ether, Allyl ethers such as hexyl allyl ether, monomers having an oxyalkylene group, vinylsilyls such as vinyltrimethoxysilane, isopropenyl acetate, 3-buten-1-ol, 4-penten-1-ol, 5-hexene -1-ol, 7-octen-1-ol, 9-decene-1-ol, hydroxy group-containing α-olefins such as 3-methyl-3-buten-1-ol, fumaric acid, maleic acid, itacon Acid, maleic anhydride , Monomers having a carboxyl group derived from phthalic anhydride, trimellitic anhydride or itaconic anhydride; ethylene sulfonic acid, allyl sulfonic acid, methallyl sulfonic acid, 2-acrylamido-2-methylpropane sulfonic acid, etc. Monomer having sulfonic acid group derived from: vinyloxyethyl trimethylammonium chloride, vinyloxybutyltrimethylammonium chloride, vinyloxyethyldimethylamine, vinyloxymethyldiethylamine, N-acrylamidomethyltrimethylammonium chloride, N-acrylamidoethyltrimethylammonium Chloride, N-acrylamide dimethylamine, allyltrimethylammonium chloride, methallyltrimethylammonium chloride, dimethylallylamine, Monomers include having a cationic group derived from the drill ethyl amine. The content of these monomers is preferably 25 mol% or less, particularly preferably 20 mol% or less.
[0019]
Among these monomers, α-olefins such as ethylene, propylene, 1-butene, isobutene, 1-hexene, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, n-propyl vinyl ether, i-propyl are available because of their availability. Vinyl ethers such as vinyl ether, n-butyl vinyl ether, ether glycol vinyl ether, 1,3-propanediol vinyl ether, hydroxy group-containing vinyl ethers such as 1,4-butanediol vinyl ether, allyl acetate, propyl allyl ether, butyl allyl ether, Allyl ethers such as hexyl allyl ether, monomers having an oxyalkylene group, 3-buten-1-ol, 4-penten-1-ol, 5-hexen-1-ol, 7-octen-1-ol 9-decene-1-ol, a monomer derived from 3-methyl-3-buten-1-alpha-olefins hydroxy group-containing ol are preferred.
[0020]
In particular, from the viewpoints of copolymerizability, melt spinnability, and easy partitionability of the composite fiber, ethylene, propylene, 1-butene, isobutene having 4 or less α-olefins, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, n-propyl vinyl ether, More preferred are vinyl ethers such as i-propyl vinyl ether and n-butyl vinyl ether. The unit derived from α-olefins having 4 or less carbon atoms and / or vinyl ethers is preferably present in the PVA in an amount of 0.1 to 20 mol%, more preferably 4 to 15 mol%, and 6 to 13 Mole% is particularly preferred.
Furthermore, when the α-olefin is ethylene, the physical properties of the fiber are improved, and therefore it is preferable to use a modified PVA in which ethylene units are introduced in an amount of 4 to 15 mol%, more preferably 6 to 13 mol%.
[0021]
  Examples of the polymerization method of PVA used in the present invention include known methods such as a bulk polymerization method, a solution polymerization method, a suspension polymerization method, and an emulsion polymerization method. Among them, a bulk polymerization method or a solution polymerization method in which polymerization is performed without solvent or in a solvent such as alcohol is usually employed. Examples of alcohol used as a solvent during solution polymerization include lower alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, and propyl alcohol. Examples of the initiator used for the copolymerization include α, α′-azobisisobutyronitrile, 2,2′-azobis (2,4-dimethyl-valeronitrile), benzoyl peroxide, and n-propyl peroxydi. Known initiators such as azo initiators such as carbonate or peroxide initiators may be mentioned. Although there is no restriction | limiting in particular about superposition | polymerization temperature, The range of 0 to 150 degreeC is suitable.The PVA satisfying the degree of polymerization, the degree of saponification, the mole fraction of the central hydroxyl group of the three-hydroxyl group by triad display with respect to the vinyl alcohol unit, and the melting point defined in the present invention are obtained by using well-known vinyl acetate polymerization and saponification methods This is achieved by setting the specific modification species and modification amount to specific values.
[0022]
The content ratio of the alkali metal ion (B) in the PVA of component A in the composite fiber of the present invention is 0.0003 to 1 part by weight in terms of sodium ion with respect to 100 parts by weight of PVA (A), and 0.0003 -0.8 weight part is preferable, 0.0005-0.6 weight part is more preferable, 0.0005-0.5 weight part is especially preferable. When the content ratio of alkali metal ions is less than 0.0003 parts by weight, the obtained fiber may not exhibit sufficient water solubility and an undissolved product may remain. On the other hand, when the content of alkali metal ions is more than 1 part by weight, decomposition and gelation during melt spinning cannot be remarkably made into fibers.
Examples of the alkali metal ion include potassium ion and sodium ion.
[0023]
In the present invention, the method for containing a specific amount of alkali metal ions (B) in PVA is not particularly limited. A method of adding a compound containing alkali metal ions after polymerizing PVA, a polymer of vinyl ester in a solvent. In the saponification, by using an alkaline substance containing an alkali ion as a saponification catalyst, an alkali metal ion is blended in the PVA, and the PVA obtained by saponification is washed with a washing solution to be contained in the PVA. Although the method etc. which control alkali metal ion content are mentioned, the latter is more preferable.
The content of alkali metal ions can be determined by atomic absorption method.
[0024]
Examples of the alkaline substance used as the saponification catalyst include potassium hydroxide and sodium hydroxide. The molar ratio of the alkaline substance used for the saponification catalyst is preferably from 0.004 to 0.5, particularly preferably from 0.005 to 0.05, based on the vinyl acetate unit. The saponification catalyst may be added all at the beginning of the saponification reaction, or may be additionally added during the saponification reaction.
Examples of the saponification solvent include methanol, methyl acetate, diethyl sulfoxide, dimethylformamide and the like. Among these solvents, methanol is preferable, methanol whose water content is controlled to 0.001 to 1% by weight is more preferable, methanol whose water content is controlled to 0.003 to 0.9% by weight is more preferable, and water content is Methanol controlled to 0.005 to 0.8% by weight is particularly preferable. Examples of the cleaning liquid include methanol, acetone, methyl acetate, acetic acid ester, hexane, and water. Among these, methanol, methyl acetate, and water alone or a mixed liquid are more preferable.
Although it sets so that the content rate of an alkali metal ion (B) may be satisfied as a quantity of a washing | cleaning liquid, Usually, 300-10000 weight part is preferable with respect to 100 weight part of PVA, and 500-5000 weight part is more preferable. As washing | cleaning temperature, 5-80 degreeC is preferable and 20-70 degreeC is more preferable. The washing time is preferably 20 minutes to 10 hours, and more preferably 1 hour to 6 hours.
[0025]
In addition, a stabilizer such as a copper compound, a colorant, an ultraviolet absorber, a light stabilizer, an antioxidant, an antistatic agent, a flame retardant, a plasticizer, and a lubrication may be used as long as the purpose and effect of the present invention are not impaired. An agent and a crystallization rate retarder can be added during the polymerization reaction or in a subsequent step. Addition of an organic stabilizer such as hindered phenol, a copper halide compound such as copper iodide, and an alkali metal halide compound such as potassium iodide as heat stabilizers improves the melt retention stability during fiberization. Therefore, it is preferable.
[0026]
In the present invention, the presence of inorganic fine particles in polyvinyl alcohol makes it possible to increase the speed in the melt spinning method.
In the present invention, when winding fine particle-containing PVA yarn melt-spun from the spinneret at a take-up speed of 3000 m / min or more, the residence time t during spinning of PVA, the process temperature excluding the die temperature is T ° C, It is necessary to satisfy the following formulas (1) and (2) when the spinning speed is Vm / min.
20 ≦ t + T / 10 ≦ 45 (1)
10 ≦ Vt × 10-3≦ 80 (2)
[0027]
The above “residence time during spinning” refers to the time from melt extrusion by an extruder until spinning from the spinneret, and “process temperature excluding the nozzle temperature” means that after exiting the extruder, The temperature until entering the spinning head, that is, the temperature of the stock solution pipe is indicated.
In (1), when t + T / 10 is less than 20, melt viscosity spots are likely to occur, and yarn breakage or fineness spots during spinning are likely to occur. On the other hand, when t + T / 10 exceeds 45, there is a concern about gelation of PVA, which deteriorates the process condition. More preferably, 23 ≦ t + T / 10 ≦ 40.
In addition, Vt × 10 in (2)-3When is less than 10 or exceeds 90, processability cannot be obtained due to yarn breakage during spinning. More preferably, 24 ≦ Vt × 10-3≦ 60.
[0028]
The melt spinning temperature is a temperature ranging from the melting point of PVA to the melting point + 80 ° C., more preferably a temperature ranging from the melting point of PVA to the melting point + 50 ° C., and the melt spinning speed (melt spinning amount) is about 20-50 g / Spinning hole 1mm2-If it is about a minute, a PVA-type fiber can be obtained by favorable spinning process property. Also, the size and number of spinning holes in the spinneret, the shape of the spinning holes, etc. are not particularly limited, and can be adjusted according to the target single fiber fineness, total denier number, cross-sectional shape, and the like. The size of spinning hole (single hole) is about 0.01 ~ 0.07mm2It is desirable to keep the degree.
[0029]
Then, the PVA fiber melt-spun as described above is directly wound up through a pair of godet rollers. At that time, a cooling air blowing device such as a cooling air blowing cylinder is provided under the spinneret. It is preferable that the PVA fibers that have been spun are blown with cooling air to cool below the glass transition temperature, in which case the temperature and humidity of the cooling air, the blowing speed of the cooling air, and the spun yarn The cooling conditions such as the blowing angle of the cooling air are not particularly limited as long as the conditions can be quickly and uniformly cooled to the glass transition temperature or less while avoiding the shaking of the PVA fibers spun from the die. Either is acceptable. Among them, the cooling air temperature is about 20 to 30 ° C., the cooling air humidity is 20 to 60%, the cooling air blowing speed is about 0.4 to 1.0 m / sec, and the cooling air is blown onto the spinning fiber. It is preferable to cool the spun PVA fibers with the direction perpendicular to the spinning direction because high quality PVA fibers can be obtained smoothly. In addition, when cooling is performed under the above-described conditions using a cooling air blowing cylinder, a cooling air blowing cylinder having a length of about 80 to 120 cm is provided with a slight gap or no gap immediately below the spinneret. Is preferably arranged.
[0030]
Next, the PVA fiber cooled to the glass transition temperature or lower is applied with an oil agent as soon as possible and focused. Since the fiber obtained by the present invention is a fiber that is water-soluble and highly hygroscopic, it is preferable to apply a straight oil agent that does not contain water.
[0031]
The oil component is composed of a water-free antistatic component and a smoothing component. For example, polyoxyethylene lauryl phosphate diethanolamine salt, polyoxyethylene cetyl phosphate diethanolamine salt, alkylimidazolium ethosulphate, polyoxyethylene lauryl amino ether Cationized product, sorbitan monostearate, sorbitan tristearate, sorbitan polyoxyethylene monostearate, sorbitan polyoxyethylene tristearate, glyceride stearate, polyoxyethylene stearyl ether, polyethylene glycol stearate, polyethylene glycol alkyl ester, poly Oxyethylene caster wax, propylene oxide / ethylene oxide (PO / EO) random Ether, PO / EO block ethers, PO / EO modified silicones, coconut fatty acid diethanolamide, can be used blended choose polymeric amide, Buchiruserosorupu, mineral oil, neutral oil.
[0032]
The method of applying the oil agent may be a commonly used method of roller touch and mouth.
Next, the yarn to which the oil agent is applied is wound at a take-up speed of 3000 m / min or more via a pair of godet rollers. By being wound at a speed of 3000 m / min or more, particularly 4000 m / min or more, it has a certain degree of crystallinity, and is obtained by a spin draw method and a two-step method while maintaining fiber properties such as fiber strength and elongation. Compared with the yarn, a fiber excellent in dimensional stability can be obtained.
When the winding speed is less than 3000 m / min, various physical properties such as dimensional stability of the fiber strength aqueous solvent are deteriorated and become impractical. On the other hand, at an ultra-high speed exceeding 9000 m / min, yarn breakage is liable to occur and is preferably 8000 m / min or less.
[0033]
Next, another production method (high-speed spinning method) of the present invention will be described.
In the present invention, when a PVA yarn melt-spun from a spinneret is once cooled to a temperature below the glass transition point, then it is run in a heating device and is stretched and heat-treated at a take-up speed of 2500 m / min or more. Residence time t during spinning, process temperature T ° C excluding die temperature, spinning speed Vm / min, die single hole area L (mm2) When the discharge amount Q (g / min) of the die per cap is M, it is necessary to satisfy the following formulas (3) and (4).
20 ≦ tT / 10 ≦ 45 (3)
−10 ≦ 0.02 V−M ≦ 135 (4)
(3) is the same as the content of (1) described above, but more preferably 24 ≦ t + T / 10 ≦ 38.
In (4), when the value of 0.02 V-M is less than −10, the nozzle back pressure is too high, and when the value of 0.02 V-M exceeds 135, the nozzle back pressure is too low. In this case, it becomes a cause of poor fineness and deterioration of process condition. More preferably, 20 ≦ 0.02 V-M ≦ 90.
[0034]
The process is the same as described above until the spun PVA yarn is cooled to a temperature below the glass transition point. The subsequent steps will be described in detail below.
The PVA fiber cooled to below the glass transition temperature is subsequently introduced directly into the heating zone and drawn. Although the temperature of the heating zone varies depending on the type of PVA, etc., if the temperature is set to 40 ° C. or higher than the glass transition temperature of PVA, the physical properties of the obtained PVA fiber can be made practically satisfactory. Preferably, in the case of PVA fiber, the temperature of the heating zone is preferably about 100 ° C. or higher. The upper limit temperature of the heating zone may be a temperature at which fusion between fibers, yarn breakage, single yarn breakage or the like does not occur in the heating zone.
[0035]
The type and structure of the heating zone is such that the PVA fiber traveling in the heating zone can be heated without contacting the heating means in the heating zone, and the yarn traveling in the heating zone and the air surrounding it. Any structure may be used as long as it can cause resistance between them and increase the yarn tension to cause the fibers to stretch. Among them, as the heating zone, a heating zone having a cylindrical structure is preferably used, and a tube heater having an inner diameter of about 20 to 50 mm in which the cylindrical wall itself is a heater is particularly preferable.
The installation position of the heating zone from the spinneret, the length of the heating zone, etc. are the type of PVA fiber, the spinning amount of PVA, the cooling temperature of the PVA fiber, the running speed of the PVA fiber, the temperature of the heating zone, the inner diameter of the heating zone The distance from the position immediately below the spinneret to the inlet of the heating zone is set to about 0.5 to 3.0 m and the length of the heating zone is set to about 1.0 to 2.0 m. This is desirable because PVA fibers can be heated and uniformly stretched smoothly in the zone.
[0036]
The heated and stretched yarn is provided with an oil as necessary, and then wound at a speed of 2500 m / min or more. When the take-up speed is less than 2500 m / min, the heat-drawing in the heating zone is insufficient, and various physical properties such as fiber strength are deteriorated and become impractical. Moreover, in the above-described production method comprising a series of steps, satisfactory yarn forming properties can be obtained, and in particular, fluctuations in the tension of the yarn in the heating zone, overheating, etc. occur, making uniform drawing difficult. As a result, the above-mentioned randomly existing amorphous parts are not present.
[0037]
In the present invention, the single fiber fineness and the total denier number of the finally obtained fiber are not particularly limited and can be appropriately adjusted according to the use of the fiber, etc., but the method of the present invention has a short fiber fineness in particular. It is suitable for producing PVA fibers having a denier of 0.5 to 6 and a total denier of 30 to 300 denier.
[0038]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited to these Examples.
[Analysis method of PVA]
The analysis method of PVA followed JIS-K6726 unless otherwise specified.
The amount of modification is 500 using modified polyvinyl ester or modified PVA.
It calculated | required from the measurement by a MHz proton-NMR (JEOL GX-500) apparatus.
The content of alkali metal ions was determined by atomic absorption method.
[0039]
The ratio of the amount of hydroxyl groups in three chains according to the triad display of the PVA of the present invention was determined by the following measurement.
PVA was saponified to a saponification degree of 99.5 mol% or more, thoroughly washed with methanol, and then dissolved in d6-DMSO using PVA that had been dried at 90 ° C. under reduced pressure for 2 days. -500) Measurement was performed at 65 ° C. using an apparatus. The peak derived from the hydroxyl group of the vinyl alcohol unit in PVA appears in the region of a chemical shift of 4.05 ppm to 4.70 ppm, and this integrated value is taken as the amount of vinyl alcohol unit (II). The central hydroxyl group of the three hydroxyl groups represented by the triad display of PVA appears at 4.54 ppm in the case of isotacticity linkage, 4.36 ppm in the case of heterotacticity linkage, and 4.13 ppm in the case of syndiotacticity linkage, respectively. The sum of these three integral values is defined as the central hydroxyl group amount (I) of the three hydroxyl groups represented by triad display.
The molar fraction of the central hydroxyl group of three hydroxyl groups by triad display with respect to the vinyl alcohol unit of the PVA of the present invention is represented by 100 × (I) / (II).
[0040]
[Melting point]
The melting point of PVA was DSC (Mettler, TA3000), heated to 250 ° C. at a temperature rising rate of 10 ° C./min in nitrogen, then cooled to room temperature, and again 250 ° C. at a temperature rising rate of 10 ° C./min. The temperature was expressed as the peak top temperature of the endothermic peak indicating the melting point of PVA when the temperature was raised to.
[0041]
[Spinnability]
100 kg of PVA fiber was spun and examined for the presence or absence of yarn breakage during spinning, and the presence or absence of fluff in the obtained PVA fiber was visually observed and evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria for spinnability of PVA fiber
A: No yarn breakage occurred during spinning, and no fluff was produced in the obtained PVA fiber, and the spinnability was very good.
○: No yarn breakage occurred during spinning, and the obtained PVA fiber had slight fluff, but the spinnability was almost good.
Δ: When 100 kg is spun, yarn breakage occurs up to three times and the spinnability is poor.
X: When 100 kg is spun, yarn breakage occurs more than three times, and the spinnability is extremely poor.
[Measurement of average particle size of inorganic fine particles]
It measured using the centrifugal particle size measuring device (Horiba Seisakusho "CAPA-5000 type").
[0042]
Example 1
  By the method described in Japanese Patent Application No. 11-19544, Example 1,The viscosity average polymerization degree is 330, the saponification degree is 98.4 mol%, the content of hydroxyl group of 3 chain hydroxyl groups is 83 mol%, and the melting point is 206 ° C. 10 mol% ethylene modified PVA (after the modified PVA is incinerated) The content of sodium measured by an atomic absorption photometer using a material dissolved in an acid is 0.03 parts by weight based on 100 parts by weight of modified PVA)Got. to thisIn addition, 0.5% by weight of titanium oxide having a primary average particle size of 0.4 μm was added and kneaded with a twin screw extruder, the resulting modified PVA was melt extruded, the process temperature before the spinneret was 220 ° C., and the residence time was After spinning at a spinning temperature of 235 ° C. from a spinning nozzle having a nozzle hole diameter of 0.25 mmφ for 7.5 minutes, the spun yarn was immediately cooled by a one-way cooling device having a length of 80 cm installed immediately below the spinning nozzle. The temperature of the cooling air was 25 ° C., the humidity was 60%, the cooling air speed was 0.5 m / sec, and the temperature of the spun yarn was cooled to 40 ° C. or lower. Then, oil was supplied by a crow mouth guide and wound up at a speed of 4500 m / min via a pair of take-up rollers. The resulting fiber was 75 denier / 24 filament. Table 1 shows the spinning conditions and the evaluation of the spinning tone at that time.
[0043]
[Table 1]
Figure 0003887126
[0044]
Examples 2-3
Fiberization was carried out in the same manner as in Example 1 except that the residence time and the process temperature were changed to the conditions shown in Table 1, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1).
[0045]
Example 4
Except for changing the spinning speed to the conditions shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 1, and the spinning conditions and spinning tone at that time were evaluated (Table 1).
[0046]
Example 5
Except that the kind of inorganic fine particles and the amount added were changed as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 1, and the spinning conditions and spinning tone at that time were evaluated (Table 1).
[0047]
Example 6
The same procedure as in Example 1 was carried out until the spun yarn was cooled. The cooled spun yarn was heated to a cylindrical heating device (inner temperature of 1.5 m, inlet diameter 5 mm, outlet diameter 10 mm, inner diameter 30 mmφ). 180 ° C.) and stretched in a heating device, and then the yarn was lubricated with a crow mouth guide and wound at a speed of 4000 m / min via a pair of take-up rollers to evaluate the spinning condition (Table 1). .
[0048]
Example 7
Except for changing the nozzle hole diameter and spinning speed as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 6, and the spinning conditions and spinning tone at that time were evaluated (Table 1).
[0049]
Example 8
Fiber formation was carried out in the same manner as in Example 6 except that the diameter of the nozzle hole, the spinning speed, and the heating device temperature were changed as shown in Table 1, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1).
[0050]
Comparative Example 1
Except for using PVA to which no inorganic fine particles were added, fiberization was carried out in the same manner as in Example 1, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1).
[0051]
Comparative Examples 2-3
Except for changing the addition amount of the inorganic fine particles as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 1, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1).
[0052]
Comparative Example 4
Except having changed the kind and addition amount of inorganic fine particles as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 1, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1).
[0053]
Comparative Examples 5-8
Except that the spinning speed, residence time and process temperature (T ° C.) were changed as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 1, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1). .
[0054]
Comparative Examples 9-10
Except that the spinning speed, residence time and process temperature (T ° C.) were changed as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 6, and the spinning conditions and spinning condition at that time were evaluated (Table 1). .
[0055]
Comparative Example 11
Except for changing the nozzle hole diameter and spinning speed as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 6, and the spinning conditions and spinning tone at that time were evaluated (Table 1).
[0056]
Comparative Example 12
Except for changing the nozzle hole diameter and spinning speed as shown in Table 1, fiberization was carried out in the same manner as in Example 6, and the spinning conditions and spinning tone at that time were evaluated (Table 1).

Claims (4)

粘度平均重合度が200〜500、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が160℃〜230℃であるポリビニルアルコール(A)からなり、かつ(A)100重量部に対してアルカリ金属イオン(B)がナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部含有し、さらに平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.05重量%〜10重量%の範囲で含有しているポリビニルアルコールを紡糸口金より溶融紡糸し、3000m/分以上の引取速度で巻き取るに際し、ポリビニルアルコールの紡糸装置内での滞留時間t(分)、工程温度T(℃)、紡速V(m/分)とが下記式を満足するように紡糸することを特徴とする水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維の製造方法。
20≦t+T/10≦45 (1)
10≦Vt×10−3≦80 (2)
The viscosity average polymerization degree is 200 to 500, the saponification degree is 90 to 99.99 mol%, the molar fraction of the central hydroxyl group of the three hydroxyl groups by triad display with respect to the vinyl alcohol unit is 70 to 99.9 mol%, and the melting point is It consists of polyvinyl alcohol (A) at 160 ° C. to 230 ° C. and contains 0.0003 to 1 part by weight of alkali metal ion (B) in terms of sodium ion with respect to 100 parts by weight of (A), and further has an average particle size When polyvinyl alcohol containing 0.01 μm to 1 μm of inorganic fine particles in a range of 0.05% to 10% by weight is melt-spun from a spinneret and wound at a take-up speed of 3000 m / min or more, Spinning so that the residence time t (min) in the spinning device, the process temperature T (° C.), and the spinning speed V (m / min) satisfy the following formula: A process for producing a water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fiber characterized by
20 ≦ t + T / 10 ≦ 45 (1)
10 ≦ Vt × 10 −3 ≦ 80 (2)
粘度平均重合度が200〜500、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が160℃〜230℃であるポリビニルアルコール(A)からなり、かつ(A)100重量部に対してアルカリ金属イオン(B)がナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部含有し、さらに平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.05重量%〜10重量%の範囲で含有されているポリビニルアルコールを紡糸口金より溶融紡糸し、紡出糸条を一旦ガラス転移点以下の温度に冷却し、次いで加熱装置内を走行させて延伸熱処理し2500m/分以上の引取速度で巻き取るに際し、ポリビニルアルコールの紡糸装置内での滞留時間t(分)、口金温度を除く工程温度T(℃)、紡速V(m/分)、口金単孔面積L(mm)当たりの口金単孔吐出量Q(g/min)をMとしたとき下記式を満足するように紡糸することを特徴とする水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維の製造方法。
20≦t+T/10≦45 (3)
0≦0.02V−M≦135 (4)
The viscosity average polymerization degree is 200 to 500, the saponification degree is 90 to 99.99 mol%, the molar fraction of the central hydroxyl group of the three hydroxyl groups by triad display with respect to the vinyl alcohol unit is 70 to 99.9 mol%, and the melting point is It consists of polyvinyl alcohol (A) at 160 ° C. to 230 ° C. and contains 0.0003 to 1 part by weight of alkali metal ion (B) in terms of sodium ion with respect to 100 parts by weight of (A), and further has an average particle size Polyvinyl alcohol containing 0.05 to 10% by weight of inorganic fine particles of 0.01 μm to 1 μm is melt-spun from the spinneret, and the spun yarn is once cooled to a temperature below the glass transition point. Next, when running in the heating device and drawing and heat-treating at a take-up speed of 2500 m / min or more, the polyvinyl alcohol stays in the spinning device. Retention time t (min), process temperature T (° C.) excluding die temperature, spinning speed V (m / min), die single hole discharge amount Q (g / min) per die single hole area L (mm 2 ) A process for producing a water-soluble thermoplastic polyvinyl alcohol fiber, characterized by spinning so as to satisfy the following formula when M:
20 ≦ t + T / 10 ≦ 45 (3)
0 ≦ 0.02V-M ≦ 135 (4)
ポリビニルアルコール(A)が、炭素数4以下のαオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を0.1〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコールである請求項1または2に記載の製造方法。The production method according to claim 1 or 2, wherein the polyvinyl alcohol (A) is a modified polyvinyl alcohol containing 0.1 to 20 mol% of an α-olefin unit and / or vinyl ether unit having 4 or less carbon atoms. ポリビニルアルコール(A)がエチレン単位を4〜15モル%含有する変性ポリビニルアルコールである請求項3に記載の製造方法。The production method according to claim 3, wherein the polyvinyl alcohol (A) is a modified polyvinyl alcohol containing 4 to 15 mol% of ethylene units.
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