JP3886773B2 - 目標追尾装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーダ等のセンサから得られた探知データから、複数の目標の航跡を推定する目標追尾装置、特に既に追尾目標から分離した目標についても効果的かつ効率的に追尾が行えるように工夫した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
目標の軌道である航跡を推定する目標追尾では、センサから得られる探知データをまず、目標からのものか、不要信号であるかを判定する。目標からのものと判定した場合、それが既に追尾を行っている目標のものであるのか(既存の目標が複数ある場合はそのうちのどれであるのか)、新たに発生した目標なのかを判定する。この判定には、既存目標の速度から該当時刻における位置を算出した予測値を中心とする空間領域であるゲートを利用する。このゲートの大きさについては、追尾目標からの探知データがこのゲート内で観測される確率が、例えば0.9以上といった高い確率となるよう設定される。
【0003】
このゲート内に入った探知データは既存目標からのものである可能性が高く、どのゲートにも入らなかった探知データは不要信号または新目標である可能性が高いといえる。既存航跡から得られたと判定した探知データについては、既存航跡が持つ予測値を利用して探知データが探知された時刻における目標の真の位置と速度の推定値を計算する。
【0004】
図22に航跡と探知データの相関の例を示す。現時刻t=3で30,31,32,33の4つの探知データが得られている。目標0の航跡(探知データ00,10,20によって構成される航跡)のゲートには探知データ30,31が入り、目標1(探知データ01,11,21によって構成される航跡)の航跡のゲートには探知データ32が入る。探知データ33はどちらのゲートにも入らない。
【0005】
一つの可能性としては、「探知データ30:目標0、探知データ31:不要信号、探知データ32:目標1、探知データ33:新目標」というものがあるし、別の可能性として「探知データ30:不要信号、探知データ31:目標0、探知データ32:目標1、探知データ33:不要信号」も考えられる。このように可能性が多くある状況で、どれか一つに決定してしまうと、それが誤りであった場合には目標の追跡に失敗する危険性が高くなる。
【0006】
そこで割り当て方(仮説)を複数考えて、探知データと目標の相関を仮説毎に決定し、最終的に最も良い仮説を残せば、より正確な目標追尾が可能である。このやり方に基づいた従来の目標追尾装置は、例えば特開平8−271617号公報に示されている。この手法では、探知データとそれの組み合わせである航跡と、航跡の組み合わせである仮説を互いに探知データを共有しないクラスタ毎に処理を行うことによって、処理の効率化を図っている。
【0007】
ここでこの従来技術に基づく目標追尾装置の構成図を図18、その追尾手順の動作の概略を示すフローチャートを図19に示す。
【0008】
図18において、100は目標追尾装置、1は目標追尾装置100に入力した探知データ全体と各航跡の存在可能領域からクラスタ毎に航路対応の探知データを選択する探知データ選択部、2は目標追尾装置100内全体のクラスタの状態を示すシステム内クラスタ表、3は探知データ選択部1の出力とシステム内クラスタ表2に示された既存のクラスタの関係から、複数のクラスタ内の航路と対応付けられる探知データがある場合に対応するクラスタを統合し、また既存のクラスタ内の航路と対応がとれない探知データについて新クラスタを作成しクラスタ内観測ベクトル表4を作成するクラスタ新設統合部である。
【0009】
4はクラスタ内に含まれる探知データである観測ベクトルの全体を示すクラスタ内観測ベクトル表である。5はクラスタ内仮説状況データ群10からの既存航跡とクラスタ内観測ベクトル表4からの探知データとの相関具合よりクラスタ内のゲート内判定行列を算出するゲート内判定行列算出部である。6はクラスタ内の探知データである観測ベクトルと航跡の関係を示すクラスタ内ゲート内判定行列表である。
【0010】
7はクラスタ内ゲート内判定行列6を基に各探知データ(観測ベクトル)に対する解釈の可能な組み合わせ全てを抽出する、クラスタ内の航跡相関行列を算出する航跡相関行列算出部、8はそのクラスタ内で仮説の拡張可能性を示すクラスタ内航跡相関行列表、9は前時刻までの観測ベクトルによる既存の仮説状況とクラスタ内航跡相関行列を組み合わせて現時刻に入力した新たな観測ベクトルに対応して仮説を更新する仮説更新部である。
【0011】
10はクラスタ内仮説状況データ群であり、11はクラスタ内にある全ての仮説を示したクラスタ内仮説表、12は各仮説ごとに仮説内にある全ての航跡を示した仮説内航跡表、13はクラスタ内にある全ての航跡に対して航跡を構成する観測ベクトルを示したクラスタ内航跡−観測ベクトル表である。
【0012】
14は各クラスタに含まれる全ての既存航跡に対して次の探知データの存在可能領域を算出するゲート算出部、15は信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説群を縮小する準最適化処理を実行する仮説縮小部、16は航跡間の探知データの共有具合を基にクラスタ分離の処理を実行するクラスタ分離部、17は仮航跡群の中から目標を追跡している可能性が極めて高い航跡を本航跡に昇格させ状況を出力する航跡決定部、200は空間中の目標を観測して観測ベクトル等の探知データを得るためのセンサである目標観測装置、そして300はディスプレイ上に航跡を表示し目標の状態を使用者に示す目標表示装置である。
【0013】
以下、図19に従って従来技術の動作を説明する。まず、図19の「次サンプリングデータの読込」ステップ00で探知データ選択部1がその時刻の探知データを、センサである目標観測装置200から読み込む。次の「ゲート内判定」ステップ01で探知データ選択部1がゲート算出部14が算出した既存航跡のゲートと探知データの相関具合を調べ、入ってきた探知データがどのクラスタに属するのか決定する。
【0014】
以下、図20〜22までの図を例として説明する。あるクラスタにおいて時刻t=2までに3サンプリングで5つの探知データがあり、図20のような状態であったとする。この時、航跡は探知データの組で表記して、
T1: 10−20
T2: 10−21
T3: 11−20
T4: 11−21
T5: 20
T6: 21
である。
【0015】
また、航跡を採択する仮説は「ID:{航跡組}信頼度」と表記して、
H1: {T1,T4}rel1
H2: {T1,T6}rel2
H3: {T2,T5}rel3
H4: {T2}rel4
H5: {T5}rel5
である。
【0016】
また、探知データの読み込みを行う「次サンプリングデータの読込」ステップ00で、図21のように探知データ30,31,32,33が入り、30,31がT1,T3,T5の航跡のゲートに、32がT2,T4のゲートに入ったとする。また33はどの航跡のゲートにも入らなかったとする。
【0017】
次の「航跡および新クラスタの作成」ステップ02ではクラスタ新設統合部3により、ゲートと探知データの相関具合を元に、航跡が作成される。作成される航跡は以下の3つの種類がある。
(1)更新航跡:既存航跡に、ゲート内に入った探知データを追加してできる航跡
(2)新航跡:その時刻に入った探知データを起点とする航跡
(3)メモリトラック航跡:既存航跡に対し、「該当する時刻には相関する探知データがなかった」とする航跡
【0018】
図21の例では、まず更新航跡として、
T11: 10−20−30
T12: 10−20−31
T21: 10−21−32
T31: 11−20−30
T32: 11−20−31
T41: 11−21−32
T51: 20−30
T52: 20−31
T61: 21−32
新航跡としては
T71: 30
T72: 31
T73: 32
が生成され、メモリトラック航跡としては
T81: 10−20
T82: 10−21
T83: 11−20
T84: 11−21
T85: 20
T86: 21
が作成される。
【0019】
航跡は新航跡として生成されたばかりの段階では仮航跡であり、その後更新を続け、本航跡として認められるまで仮航跡の状態であり続ける。仮航跡は目標を追跡しているのかどうかの判断が保留されている段階の航跡であり、本航跡は目標を追跡していると判断された状態の航跡である。
【0020】
また、本ステップでは、どのクラスタとも相関がなかった探知データについては、その探知データを起点とする新たなクラスタを生成する。図21の例では探知データ33はどの航跡とも相関がないので、この探知データによる新クラスタが生成される。
【0021】
また、本ステップではこの時刻における探知データにより後述する同値関係が複数のクラスタ間で発生した場合、それらのクラスタを統合する処理が行われる。
【0022】
次の「クラスタ毎の航跡相関行列生成」ステップ03では、まずゲート内判定行列算出部5によって各クラスタに相関した探知データに対する解釈の可能性の一覧である、ゲート内判定行列が生成される。
【0023】
このゲート内判定行列の各行は該当時刻にクラスタと相関した探知データを示している。図23の(a)に、本例におけるゲート内判定行列の例を示す。この例では第1行が探知データ30、第2行が探知データ31、第3行が探知データ32に相当する。また、列に関しては、第1列は不要信号であることを示し、第2列から第7列までが既存航跡T1〜T6を示し、終わりの3列は新航跡であることを示す。全ての探知データは不要信号である可能性を持っているので、第1列の要素は全て1となる。第2列については、既存航跡T1と相関する探知データは30,31であるので第1,2行が1となり第3行は0となる。終わりの3列については、3つの新航跡はそれぞれの起点にしか対応できないから、単位行列となる。
【0024】
次に、航跡相関行列算出部7がこのゲート内判定行列から航跡相関行列を作る。航跡相関行列は、
・1となる要素と同一のゲート内判定行列の要素は必ず1となっている
・各行で、1となる要素の数は1つのみ
・各列は高々1つの要素が1となる(ただし、第1列はいくつ1の要素があってもよい)
という条件を満たす全ての行列である。これは、各探知データの互いに矛盾しない解釈の組み合わせである。
【0025】
図23の(b)〜(f)に、本例における(a)のゲート内判定行列より得られる航跡相関行列のいくつかの例を示す。
【0026】
次の「仮説の作成」ステップ04で、仮説更新部9が既存仮説を航跡相関行列によって更新する処理を行う。各仮説の更新では、その中に含まれている航跡以外の航跡の存在を仮定している航跡相関行列を除いた全ての航跡相関行列を使用する。例えば、仮説H1ではT1とT4が参照されている。図23の航跡相関行列(b)〜(f)では、航跡相関行列(c)と(d)が航跡T2の存在を仮定しているので、仮説H1の更新には用いられない。
【0027】
H1を航跡相関行列(b)によって更新すると、これはt=3の探知データが全て不要信号であることを示しているので、
H11:{T81,T84}
となる。また、H1を航跡相関行列(e)によって更新すると、
H12:{T11,T41}
となる。また、H1を航跡相関行列(f)によって更新すると、
H13:{T81,T72,T41}
となる。このようにして、可能な仮説と航跡相関行列の組み合わせによって既存仮説を更新し、新たな仮説を生成する。
【0028】
次の「準最適化とクラスタ分離」ステップ05において、仮説縮小部15が信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説群を縮小する準最適化処理を実行し、さらにクラスタ分離部16がそれに伴うクラスタ分離の処理を実行する。準最適化には様々な手法があり、
・信頼度に閾値を設け、それに満たない信頼度を持つ仮説を全て削除する
・仮説数の上限を設け、信頼度が高い順に、設定した個数の仮説のみを残し、その他を削除する
・過去N回の時刻における探知データの相関内容が同一の仮説を統合する
といった手法が知られている。
【0029】
また、クラスタ分離はクラスタ分離部16によって以下のように航跡間の探知データの共有具合を検査することによって行われる。クラスタでは、原則として探知データを共有する航跡を構成する探知データは全て同じクラスタに属していなければならない。例えば
Ta:11−20−30
Tb:21−32
Tc:20−32
なる3航跡が存在する場合、TaとTc、TbとTcは探知データの共有があり、これらは同一クラスタを構成する。この状況で準最適化によりTcが削除された場合を考える。残りの2航跡は探知データを共有していないので、各々独立にクラスタを構成することができる。
【0030】
次の「本航跡判定」ステップ06において、航跡決定部17が仮航跡群の中から、目標を追跡している可能性が極めて高い仮航跡を本航跡に昇格させる処理が行われる。この「目標を追跡している可能性が極めて高い」ことを判定するための条件として、例えば
・その航跡が残存する全ての仮説に含まれること
が挙げられる。
【0031】
以上が1サイクル分のデータ処理の流れであり、1サイクルが終了すると、次の探知データを読み込み、次のサイクルの処理が実行される。
【0032】
ここで本発明が問題とする、「既追尾目標から複数の目標が分離される」状況とその対処方法について説明する。センサから得られる探知データを利用して目標の軌道である航跡を推定する目標追尾の機能は、
1.未知の目標を探知する、追尾初期化機能
2.既知の目標を追跡する、追尾維持機能
に大別することができる。前者については、各探知データについて新たに発生した目標からのものであるとする可能性を考慮する必要があるが、後者については、それが維持対象目標からのものであるかどうかのみを考えればよい。上記に説明した従来の追尾方式でこれらをどのように実現するかについて説明する。追尾初期化機能では各探知データについて新航跡を考慮し、新航跡から更新された仮航跡が本航跡に昇格されることにより目標が探知されたとすればよい。これに対して追尾維持機能では本航跡が始めからあることを仮定しており、各探知データについて新航跡を考慮せずに維持対象の本航跡との相関の有無のみを検査する。
【0033】
追尾維持機能では上記で説明した追尾方式の中で、ゲート内判定行列、航跡相関行列を作る際、新航跡に相当する列が不要となる。しかし遠方からセンサに近づく複数目標を観測する場合、センサの分解能が原因で遠方では1目標として観測されていたものが、ある時点から複数の目標として観測されるという場合が起こる。このような目標を追尾維持対象とする場合、維持対象目標から一つ、またはそれ以上の別目標が分離され、それらと元の既追尾目標と併せて追尾しなければならない。このような場合、上記の追尾維持機能を適用しようとすると、追尾維持機能のみでは、分離された目標のどれか一つのみしか追尾できない。
【0034】
また、追尾維持、初期化の両機能を備えた追尾方式では、分離された目標のうちのどれか一つを既追尾目標、他を新目標として扱う。新航跡として開始した航跡は仮航跡から成長して本航跡に昇格する。この方式により、分離後の全てを追尾することが可能である。しかしこの追尾初期化は既存の本航跡からの分離を想定していないので、誤った航跡を本航跡に昇格させる可能性が高くなる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来方式による目標追尾装置では、既追尾目標の維持機能のみによる従来の追尾方式では、分離後の全ての目標を追尾することができない。また追尾初期化機能と追尾維持機能の両方を持った従来の追尾方式では、分離目標を追尾していない航跡を本航跡としてしまう可能性が高くなるという問題があった。
【0036】
本発明は、後者における新航跡の生成について制限を設けることによって、分離目標を追尾している可能性が高い航跡のみを作成する目標追尾装置を提供することを目的とする。

【0037】
また、後者における仮航跡の生成、更新についてその残存の条件をより厳しく設定することによって、分離目標を追尾している可能性が高い航跡のみを処理する目標追尾装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑み、この発明は、センサからの探知データを使って目標を追尾する目標追尾装置であって、各クラスタに含まれる既存航跡から探知データの存在可能領域を算出するゲート算出部と、存在可能領域と全体の探知データからクラスタ毎に航跡対応の探知データを選択する探知データ選択部と、既存のクラスタ内の航跡と対応がとれない探知データについて新クラスタを作成し、また、複数のクラスタ内の航跡と対応付けられる探知データがある場合に対応するクラスタを統合するクラスタ新設、統合部と、既存航跡と探知データの相関具合よりゲート内判定行列を作成するゲート内判定行列算出部と、ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部と、既存の仮説と航跡相関行列を組み合わせて新たに仮説を生成、更新する仮説更新部と、信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説数を削減する仮説縮小部と、航跡間の探知データの共有具合を基にクラスタを分離するクラスタ分離部と、目標である可能性の高い航跡を選択して本航跡とする航跡決定部と、探知データと既存の本航跡の相関を検査して、相関ありと判定された探知データの集合より新目標としての可能性を考慮する探知データを、本航跡のゲートに入ったか否かという条件により決定する新目標用探知データ選択部と、を備えたことを特徴とする目標追尾装置にある。
【0039】
また、本航跡の予測に関する運動諸元の代表値を計算する本航跡諸元代表値決定部と、新目標を生成する探知データの位置情報と前記代表値を用いて新航跡の運動諸元を計算する新航跡諸元計算部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0040】
さらに前記本航跡諸元代表値決定部における代表値計算は、本航跡の内の航跡信頼度が高い順の上位の所定の数の本航跡における運動諸元の航跡信頼度による重み付け平均によることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を各実施の形態に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の一実施の形態による目標追尾装置の構成図、図2にはその追尾手順動作の概略を示すフローチャートを示す。図1において図18に示す従来のものと同一もしくは相当部分は同一符号で示し説明を省略する。図1において100aはこの発明の一実施の形態による目標追尾装置であり、探知データと既存の本航跡の相関を検査して、その探知データが新目標となる可能性が高いか否かを決定する新目標用探知データ選択部18が追加されている。
【0047】
以下、図2のフローチャートに従って動作を説明する。まず、「次サンプリングデータの読込」ステップ001で探知データ選択部1がその時刻の探知データを、センサである目標観測装置200から読み込む。次の「ゲート内判定」ステップ002で探知データ選択部1が既存航跡のゲートと探知データの相関具合を調べ、入ってきた探知データがどのクラスタに属するのか決定する。
【0048】
以下、図3に示す航跡と探知データの例を用いて説明する。あるクラスタにおいて時刻t=2までに1回航跡が確立して、図3のような本航跡と仮航跡が一つずつ存在する状態であったとする。この時、各航跡を以下のように表記する。
Tt1:(本航跡)
Tp1:d11−d21
また、航跡を採択する仮説は「ID:{航跡組}信頼度」なる形式で表記して、
H1:{Tt1,Tp1}rel1
H2:{Tt1}rel2
とする。
【0049】
時刻t3において「次サンプリングデータ(探知データ)の読込」ステップ001でこのクラスタと相関を持つ探知データとしてd31,d32,d33が入力され、「ゲート内判定」ステップ002でd31,d32が本航跡のゲートに、d33が仮航跡のゲートに入ったとする。
【0050】
次の「新目標用探知データの選択」ステップ003では、新目標用探知データ選択部18が前ステップ002で相関有りと判定された探知データの集合より、新目標としての可能性を考慮する探知データを選択する。この選択は「本航跡のゲートに入ったか否か」という条件による判定で実施される。この例では、d31とd32が新目標の可能性を考慮する探知データとして選択される。
【0051】
次の「航跡および新クラスタの作成」ステップ004では従来技術と同様にクラスタ新設統合部3により、既存航跡ゲートと探知データの相関具合を元に、航跡が作成される。作成される航跡は以下の3つの種類がある。
(1)更新航跡:既存航跡にゲート内に入った探知データを追加してできる航跡
(2)新航跡:その時刻に入った探知データを起点とする航跡
(3)メモリトラック航跡:既存航跡に対し「該当する時刻には相関する探知データがなかった」とする航跡
ただし、(2)の新航跡については、前ステップ003において新目標の可能性を考慮する探知データについてのみ航跡が作成される。
【0052】
図3の例では、まず更新航跡として、
Tt11:Tt01−d31
Tt12:Tt01−d32
Tp21:d11−d21−d32
Tp22:d11−d21−d33
新航跡としては
Tp31:d31
Tp32:d32
が生成され、メモリトラック航跡としては
Tt41: Tt01
Tp42: d10−d21
が作成される。
【0053】
また、本ステップでは、どのクラスタとも相関がなかった探知データについては、その探知データを起点とする新たなクラスタを生成する。また、本ステップではこの時刻における探知データにより後述する同値関係が複数のクラスタ間で発生した場合、それらのクラスタを統合する処理が行われる。
【0054】
次の「クラスタ毎の航跡相関行列生成」ステップ005では、まずゲート内判定行列算出部5によってゲート内判定行列が生成される。ゲート内判定行列は、探知データと航跡の可能な相関関係を示す表である。
【0055】
このゲート内判定行列の各行は該当時刻にクラスタと相関した探知データを示している。図4に本例におけるゲート内判定行列とそれより得られる航跡相関行列のいくつかの例を示す。図4の(a)に示す例では、第1行が探知データ31、第2行が探知データ32、第3行が探知データ33に相当する。また、列に関しては、第1列は不要信号であることを示し、第2、3列が既存航跡Tt1、Tp2を示し、終わりの3列は新航跡であることを示す。全ての探知データは不要信号である可能性を持っているので、第1列の要素は全て1となる。第2列については、既存航跡Tt1と相関する探知データはd31,d32であるので第1,2行が1となり第3行は0となる。終わりの3列については、3つの探知データのうち、d33については新航跡の可能性は考慮されないので、新航跡部における3行目の要素は全て0が設定される。
【0056】
次に、航跡相関行列算出部7がこのゲート内判定行列から航跡相関行列を作る。航跡相関行列は、
・1となる要素と同一のゲート内判定行列の要素は必ず1となっている
・各行で1となる要素の数は1つのみ
・各列は高々1つの要素が1となる(ただし、第1列はいくつ1の要素があってもよい)
という条件を満たす全ての行列である。これは、各探知データの互いに矛盾しない解釈の組み合わせである。
【0057】
次の「仮説の作成」ステップ006で、仮説更新部9が既存仮説を航跡相関行列によって更新する処理を実行する。各仮説の更新では、その中に含まれている航跡以外の航跡の存在を仮定している航跡相関行列を除いた全ての航跡相関行列を使用する。例えば、仮説H2ではTt1のみが参照されている。図4の(b)〜(f)の航跡相関行列では、(c)と(d)が航跡Tp1の存在を仮定しているので、この2つの航跡相関行列は仮説H2の更新には用いられない。H1を図4の(b)によって更新すると、これはt=3の探知データが全て不要信号であることを示しているので、
H11:{Tt41,Tp42}
となる。また、H1を(4)によって更新すると、
H12:{Tt11,Tp22}
となる。また、H1を(f)によって更新すると、
H13:{Tt41,Tt22,Tp32}
となる。このようにして、可能な仮説と航跡相関行列の組み合わせによって既存仮説を更新し、新たな仮説を生成する。
【0058】
次の「準最適化とクラスタ分離」ステップ007において、仮説縮小部15が信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説群を縮小する準最適化処理を実行し、さらにクラスタ分離部16がそれに伴うクラスタ分離の処理を実行する。
【0059】
次の「本航跡判定」ステップ008において、航跡決定部17が仮航跡群の中から、目標を追跡している可能性が極めて高い仮航跡を本航跡に昇格させる処理が行われる。
【0060】
以上のようにこの実施の形態に係わる発明によれば、新目標の可能性を考慮する探知データを追尾維持航跡のゲート内に入る探知データに限定するため、維持対象目標から分離した目標を追尾している可能性が高い航跡のみを効率良く生成することができる。
【0061】
実施の形態2.
図5はこの発明の別の実施の形態による目標追尾装置の構成図、図6にはその動作の概略を示すフローチャートを示す。図5および図6において従来のものと同一もしくは相当部分は同一符号で示し説明を省略する。図5においては、本航跡の予測に関する運動諸元の代表値を計算する本航跡諸元代表値決定部19、および新目標を生成する探知データの位置情報と前記代表値を用いて新航跡の運動諸元を計算する新航跡諸元計算部20が追加されている。また、図6においては、「新航跡運動諸元計算」ステップ0075が追加されている。
【0062】
以下、図6のフローチャートに従って動作を説明する。「新航跡運動諸元計算」ステップ0075以外は、実施の形態1における同名のステップと同一処理であるので、このステップのみについて説明する。
【0063】
「新航跡運動諸元計算」ステップ0075では、まず本航跡諸元代表値決定部19が前時刻における全ての本航跡が持つ予測に関する諸元を使って、代表的な予測に関する諸元を計算する。ただし、この本航跡群は、航跡確立時点における探知データの相関が完全に一致するものである。また、ここで航跡信頼度とは、その航跡を持っている仮説の信頼度の和である。
【0064】
この代表値の計算については、たとえば本航跡の内の航跡信頼度が高い順の上位N個の航跡が持つ諸元の、以下のような航跡信頼度による重み付け平均とする。
【0065】
【数1】
Figure 0003886773
【0066】
(1)式は予測ベクトル、(2)式は予測誤差共分散行列の代表値である。また、xkpi、Pkpi、βiはそれぞれ、航跡iの予測ベクトル、予測誤差共分散行列、航跡信頼度である。
【0067】
次に新航跡諸元計算部20が、新航跡の各々について、本航跡諸元代表値決定部19が計算した予測の諸元の代表値と、新航跡を生成する探知データの位置情報を用いて新航跡の運動諸元(平滑値)を計算する。
【0068】
以上のようにこの実施の形態に係わる発明によれば、新航跡の運動諸元を本航跡の予測に関する運動諸元を使用するので、精度の良い運動諸元を持った仮航跡を生成することができ、追尾処理を正確に、かつ効率的に行うことができる。
【0069】
実施の形態3.
図7はこの発明のさらに別の実施の形態による目標追尾装置の構成図、図8は図7の新目標数限定航跡相関行列算出部21の構成図、図9にはこの実施の形態による目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートを示す。図7および図9において上記実施の形態のものと同一もしくは相当部分は同一符号で示し説明を省略する。
【0070】
図7においては、航跡相関行列算出部7の代わりに、ゲート内判定行列を基に各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを新航跡数に関する制限を考慮しながら抽出する新目標数限定航跡相関行列算出部21が設けられている。また、図9においては、「新目標数制限付き航跡相関行列生成」ステップ005以外は従来のものと同様である。
【0071】
また、図8において、7はゲート内判定行列を基に各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部、101はこの航跡相関行列算出部が生成した航跡相関行列中の新目標数を検査し、指定数を超えていたらその航跡相関行列を除外する新目標数検査部である。
【0072】
以下、図9のフローチャートに従って動作を説明する。「新目標数制限付き航跡相関行列生成」ステップ005以外は、従来技術のフローチャート図における同名のステップと同一処理であるので、このステップのみについて説明する。
【0073】
「新目標数制限付き航跡相関行列生成」ステップ005では新目標数限定航跡相関行列算出部21が、前ステップの「ゲート内判定行列生成」ステップ004で作成されたゲート内判定行列を基に、航跡相関行列を作成する。この航跡相関行列は以下の条件を満たす。
・1となる要素と同一のゲート内判定行列の要素は必ず1となっている
・各行で1となる要素の数は1つのみ
・各列は高々1つの要素が1となる(ただし、第1列はいくつ1の要素があってもよい)
という条件を満たす全ての行列である。
・新航跡の部分が選択されている行数は予め指定された整数値以下である。
【0074】
この最後の条件で、指定整数値を1とした場合、図3の例において作成されるゲート内判定行列、航跡相関行列は図11のようになる。新航跡の数は1以下としてあるため、(k)に示す航跡相関行列は作成されない。この最後の条件を満たすか否かは図8の新目標数限定航跡相関行列算出部21の詳細構成図における新目標数検査部101が行い、その他の処理は航跡相関行列算出部7が行う。後者は従来技術における構成図の同名の部分と同じものである。
【0075】
実施の形態4.
この実施の形態4では上記実施の形態3の図9に示す「新目標数制限付き航跡相関行列生成」ステップ005における新目標数制限の指定値を、過去数サンプル中の探知データ数の平均と本航跡数を用いて、
指定数 = 過去数サンプル中の探知データ数の平均 − 本航跡数
なる式によって算出する方式である。この実施の形態での図7の構成図における新目標数限定航跡相関行列算出部21の詳細構成図10の新目標数算出部102が上記指定数の算出を行う。
【0076】
以上のように実施の形態3、4に係わる発明によれば、仮説中の新航跡数を予め制限することにより予想した分離数以上の新航跡を持つ仮説の生成が抑制されるため、分離目標を想定した追尾処理を効率的に行うことができる。また、余計な新航跡を作って誤った確立判定をしてしまう可能性が少なくなるため、より正確な追尾が可能となる。
【0077】
実施の形態5.
図12はこの発明のさらに別の実施の形態による目標追尾装置の構成図、図13は図12の仮航跡制限部22の詳細構成図、図14にはこの実施の形態による目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートを示す。図7および図9において従来のものと同一もしくは相当部分は同一符号で示し説明を省略する。
【0078】
図12においては、仮説中の仮航跡数を検査し、指定数以上の仮航跡を持つ仮説を削除する仮航跡制限部22が設けられている。また、図14においては、「仮航跡制限」ステップ009以外は従来のものと同様である。また図13において、111は仮説中の仮航跡数を検査する仮航跡数検査部、112は指定数以上の仮航跡を持つ仮説を削除する仮説削除部である。
【0079】
以下、図14のフローチャートに従って動作を説明する。「仮航跡制限」ステップ009以外は従来技術のものと同一処理であるので、このステップのみについて説明する。「仮航跡制限」ステップ009では仮航跡制限部22が、前ステップである006「仮説の作成」ステップ006で作成された仮説群から指定数以上の仮航跡を持つ仮説を削除する。
【0080】
この指定数を2とした場合の例を、図3を用いて説明する。時刻t3において更新航跡として、
Tt11:Tt01−d31
Tt12:Tt01−d32
Tp21:d11−d21−d32
Tp22:d11−d21−d33
新航跡として
Tp31:d31
Tp32:d32
Tp33:d33
メモリトラック航跡としては
Tt41:Tt01
Tp42:d10−d21
が作成される。
【0081】
これらの航跡を組合せて作成される仮説には、以下の3例が含まれる。
H01:{Tt11 }
H11:{Tt11,Tp22}
H31:{Tt41,Tp22,Tp32}
このうち、H31は仮航跡が2つ含まれるので削除され、H01とH11は残され、次のステップ007における準最適化方式によってふるいに掛けられる。仮航跡数制限部22の詳細構成図を示す図13において、各仮説の仮航跡数の検査を仮航跡数検査部111が行い、条件を満たさなかった仮説を仮説削除部112が削除する。
【0082】
実施の形態6.
本実施の形態では実施の形態5の「仮航跡制限」ステップ009における仮説中の仮航跡数制限の指定値を、過去数サンプル中の探知データ数の平均と本航跡数を用いて、
指定数 = 過去数サンプル中の探知データ数の平均 − 本航跡数
なる式によって算出するという方式により追尾処理を行う。この実施の形態の発明の図12の構成図における仮航跡制限部22の詳細構成図15の仮航跡数算出部113が上記指定数の算出を行う。
【0083】
以上のように実施の形態5、6に係わる発明によれば、仮説中の仮航跡数を制限することにより予想した分離数以上の仮航跡を持つ仮説の生成が抑制されるため、分離目標を想定した追尾処理を効率的に行うことができる。また、余計な仮航跡を作って誤った確立判定をしてしまう可能性が少なくなるため、より正確な追尾が可能となる。
【0084】
実施の形態7.
この実施の形態による目標追尾装置の全体の構成図および動作の概略を示すフローチャートは図12、図14と同じである。図16にはこの実施の形態による仮航跡制限部22の詳細構成図、図17には図14の「仮航跡制限」ステップ009での動作を示す詳細なフローチャートを示す。図16において、114は仮航跡に相関する探知データを検査する相関探知データ検査部、115は探知データの相関について条件を満たさない仮航跡を削除する航跡削除部、116は参照する航跡が同一となった仮説を統合する仮説統合部である。
【0085】
以下、この実施の形態における動作について説明する。図14において「仮航跡制限」ステップ009以外は、従来技術のものにおける同名のステップと同一処理であるので、このステップのみについて説明する。
【0086】
「仮航跡制限」ステップ009では仮航跡制限部22が、前ステップである「仮説の作成」ステップ006で作成された仮説群から、相関した全探知データ中の、他の本航跡のゲート内に入った探知データの割合が閾値に満たない仮航跡を削除する。ステップ009の詳細な動作を示す図17のフローチャートにおいて、「仮航跡の相関具合の検査」ステップ0091では、相関探知データ検査部114が各仮航跡について、相関した全探知データ中の、他の本航跡のゲート内に入った探知データの割合を計算する。
【0087】
図3の例で、探知データd11は本航跡T01のゲート内に入り、探知データd21は入らなかったとする。
更新航跡中の仮航跡は、
Tp21:d11−d21−d32
Tp22:d11−d21−d33
新航跡として
Tp31:d31
Tp32:d32
Tp33:d33
メモリトラック航跡中の仮航跡は
Tp42:d11−d21
となり、6個の仮航跡ができる。新航跡のTp31,Tp32,Tp33は相関する探知データが1個だけなので、検査から除外する。
【0088】
時刻t3において本航跡のゲート内に入っているのはd31,d32であるので、本航跡のゲート内に入った探知データの割合は
Tp21:d11−d21−32 → 2/3
Tp22:d11−d21−33 → 1/3
Tp42:d11−d21 → 1/2
となる。
【0089】
「誤航跡の削除」ステップ0092では航跡削除部115が、本航跡のゲート内に入った探知データの割合が閾値に満たない仮航跡を削除する。この閾値を1/2とするとTp22は削除される。
【0090】
「仮説の統合」ステップ0093では仮説統合部116が、前ステップ0092での仮航跡の削除により同一となった仮説を統合する。以下の3つの仮説があったとする。
H01:{Tt11}rel01
H11:{Tt11,Tp22}rel11
H31:{Tt41,Tp22,Tp32}rel31
Tp22を削除すると
H01:{Tt11 } rel01
H11’:{Tt11}rel11
H31’:{Tt41,Tp32}rel31
で、H01とH11’の内容(含まれる航跡)が同一となる。従ってこの2仮説は統合され、統合仮説の信頼度はrel01+rel11となる。
【0091】
以上のようにこの実施の形態に係わる発明によれば、全相関探知データ中の、本航跡のゲート内に入った探知データの割合によって仮航跡を篩いにかけるので、分離目標である可能性が高い仮航跡のみを残すことができ、追尾処理を効率的に行うことができる。また、余計な仮航跡を残して誤った本航跡昇格判定をしてしまう可能性が少なくなるため、より正確な追尾が可能となる。
【0092】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、センサからの探知データを使って目標を追尾する目標追尾装置であって、各クラスタに含まれる既存航跡から探知データの存在可能領域を算出するゲート算出部と、存在可能領域と全体の探知データからクラスタ毎に航跡対応の探知データを選択する探知データ選択部と、既存のクラスタ内の航跡と対応がとれない探知データについて新クラスタを作成し、また、複数のクラスタ内の航跡と対応付けられる探知データがある場合に対応するクラスタを統合するクラスタ新設、統合部と、既存航跡と探知データの相関具合よりゲート内判定行列を作成するゲート内判定行列算出部と、ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部と、既存の仮説と航跡相関行列を組み合わせて新たに仮説を生成、更新する仮説更新部と、信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説数を削減する仮説縮小部と、航跡間の探知データの共有具合を基にクラスタを分離するクラスタ分離部と、目標である可能性の高い航跡を選択して本航跡とする航跡決定部と、探知データと既存の本航跡の相関を検査して、その探知データが新目標となる可能性が高いか否かを決定する新目標用探知データ選択部と、を備えたことを特徴とする目標追尾装置としたので、新目標の可能性を考慮する探知データを例えば追尾維持航跡のゲート内に入る探知データに限定するため、維持対象目標から分離した目標を追尾している可能性が高い航跡のみを効率良く生成することができる。
【0093】
また、本航跡の予測に関する運動諸元の代表値を計算する本航跡諸元代表値決定部と、新目標を生成する探知データの位置情報と前記代表値を用いて新航跡の運動諸元を計算する新航跡諸元計算部と、をさらに備え、あるいはさらには、前記本航跡諸元代表値決定部における代表値計算が、上位N個の本航跡における運動諸元の航跡信頼度による重み付け平均によることとしたので、新航跡の運動諸元を本航跡の予測に関する運動諸元を使用するので、精度の良い運動諸元を持った仮航跡を生成することができ、追尾処理を正確に、かつ効率的に行うことができる。
【0094】
また、センサからの探知データを使って目標を追尾する目標追尾装置であって、各クラスタに含まれる既存航跡から探知データの存在可能領域を算出するゲート算出部と、存在可能領域と全体の探知データからクラスタ毎に航跡対応の探知データを選択する探知データ選択部と、既存のクラスタ内の航跡と対応がとれない探知データについて新クラスタを作成し、また、複数のクラスタ内の航跡と対応付けられる探知データがある場合に対応するクラスタを統合するクラスタ新設、統合部と、既存航跡と探知データの相関具合よりゲート内判定行列を作成するゲート内判定行列算出部と、ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを、新航跡数に関する制限を考慮しながら抽出する新目標数限定航跡相関行列算出部と、既存の仮説と航跡相関行列を組み合わせて新たに仮説を生成、更新する仮説更新部と、信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説数を削減する仮説縮小部と、航跡間の探知データの共有具合を基にクラスタを分離するクラスタ分離部と、目標である可能性の高い航跡を選択して本航跡とする航跡決定部と、を備え、前記新目標数限定航跡相関行列算出部を、ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部と、この航跡相関行列算出部が生成した航跡相関行列中の新目標数を検査し、指定数を超えていたらその航跡相関行列を除外する新目標数検査部とで構成した。あるいはまた、前記新目標数限定航跡相関行列算出部を、ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部と、この航跡相関行列算出部が生成した航跡相関行列中の新目標数を検査し、指定数を超えていたらその航跡相関行列を除外する新目標数検査部と、新目標の指定数を、過去観測された探知データ数より決定する新目標数算出部と、で構成した。これにより、仮説中の新航跡数を予め制限することにより予想した分離数以上の新航跡を持つ仮説の生成が抑制されるため、分離目標を想定した追尾処理を効率的に行うことができる。また、余計な新航跡を作って誤った確立判定をしてしまう可能性が少なくなるため、より正確な追尾が可能となる。
【0095】
また、センサからの探知データを使って目標を追尾する目標追尾装置であって、各クラスタに含まれる既存航跡から探知データの存在可能領域を算出するゲート算出部と、存在可能領域と全体の探知データからクラスタ毎に航跡対応の探知データを選択する探知データ選択部と、既存のクラスタ内の航跡と対応がとれない探知データについて新クラスタを作成し、また、複数のクラスタ内の航跡と対応付けられる探知データがある場合に対応するクラスタを統合するクラスタ新設、統合部と、既存航跡と探知データの相関具合よりゲート内判定行列を作成するゲート内判定行列算出部と、ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部と、既存の仮説と航跡相関行列を組み合わせて新たに仮説を生成、更新する仮説更新部と、信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説数を削減する仮説縮小部と、航跡間の探知データの共有具合を基にクラスタを分離するクラスタ分離部と、目標である可能性の高い航跡を選択して本航跡とする航跡決定部と、仮説中の仮航跡数を検査し、指定数以上の仮航跡を持つ仮説を削除する仮航跡制限部と、を備え、前記仮航跡制限部を、仮説中の仮航跡数を検査する仮航跡数検査部と、指定数以上の仮航跡を持つ仮説を削除する仮説削除部と、で構成した。あるいはまた前記仮航跡制限部を、仮説中の仮航跡数を検査する仮航跡数検査部と、指定数以上の仮航跡を持つと判断された仮説を削除する仮説削除部と、仮航跡の指定数を、過去観測された探知データ数より決定する仮航跡数算出部と、で構成した。これにより、仮説中の仮航跡数を制限することにより予想した分離数以上の仮航跡を持つ仮説の生成が抑制されるため、分離目標を想定した追尾処理を効率的に行うことができる。また、余計な仮航跡を作って誤った確立判定をしてしまう可能性が少なくなるため、より正確な追尾が可能となる。
【0096】
さらに前記仮航跡制限部を、仮航跡に相関する探知データを検査する相関探知データ検査部と、探知データの相関について条件を満たさない仮航跡を削除する航跡削除部と、参照する航跡が同一となった仮説を統合する仮説統合部と、で構成したので、全相関探知データ中の、本航跡のゲート内に入った探知データの割合によって仮航跡をふるいにかけるので、分離目標である可能性が高い仮航跡のみを残すことができ、追尾処理を効率的に行うことができる。また、余計な仮航跡を残して誤った本航跡昇格判定をしてしまう可能性が少なくなるため、より正確な追尾が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態による目標追尾装置の構成図である。
【図2】 この発明の一実施の形態による目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図3】 航跡と探知データの一例を示す図である。
【図4】 ゲート内判定行列と航跡相関行列の一例を示す図である。
【図5】 この発明の別の実施の形態による目標追尾装置の構成図である。
【図6】 この発明の別の実施の形態による目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図7】 この発明のさらに別の実施の形態による目標追尾装置の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3における新目標数限定航跡相関行列算出部の構成図である。
【図9】 図7に示すこの発明の目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態4における新目標数限定航跡相関行列算出部の構成図である。
【図11】 ゲート内判定行列と航跡相関行列の一例を示す図である。
【図12】 この発明のさらに別の実施の形態による目標追尾装置の構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態5における仮航跡制限部の構成図である。
【図14】 図12に示すこの発明の目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態6における仮航跡制限部の構成図である。
【図16】 この発明の実施の形態7における仮航跡制限部の構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態7における仮航跡制限部の動作の概略を示すフローチャートである。
【図18】 従来の目標追尾装置の構成図である。
【図19】 従来の目標追尾装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図20】 従来の目標追尾装置の動作を説明するための図である。
【図21】 従来の目標追尾装置の動作を説明するための図である。
【図22】 検知データと航跡の相関の一例を示す図である。
【図23】 ゲート内判定行列と航跡相関行列の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 探知データ選択部、2 システム内クラスタ表、3 クラスタ新設統合部、4 クラスタ内観測ベクトル表、5 ゲート内判定行列算出部、6 クラスタ内ゲート内判定行列表、7 航跡相関行列算出部、8 クラスタ内航跡相関行列表、9 仮説更新部、10 クラスタ内仮説状況データ群、11 クラスタ内仮説表、12 仮説内航跡表、13 クラスタ内航跡−観測ベクトル表、14 ゲート算出部、15 仮説縮小部、16 クラスタ分離部、17 航跡決定部、18 新目標用探知データ選択部、19 本航跡諸元代表値決定部、20 新航跡諸元計算部、21 新目標数限定航跡相関行列算出部、22 仮航跡制限部、100a 目標追尾装置、101 新目標数検査部、102 新目標数算出部、111 仮航跡数検査部、112 仮説削除部、113 仮航跡数算出部、114相関探知データ検査部、115 航跡削除部、116 仮説統合部、200 目標観測装置、300 目標表示装置。

Claims (3)

  1. センサからの探知データを使って目標を追尾する目標追尾装置であって、
    各クラスタに含まれる既存航跡から探知データの存在可能領域を算出するゲート算出部と、
    存在可能領域と全体の探知データからクラスタ毎に航跡対応の探知データを選択する探知データ選択部と、
    既存のクラスタ内の航跡と対応がとれない探知データについて新クラスタを作成し、また、複数のクラスタ内の航跡と対応付けられる探知データがある場合に対応するクラスタを統合するクラスタ新設、統合部と、
    既存航跡と探知データの相関具合よりゲート内判定行列を作成するゲート内判定行列算出部と、
    ゲート内判定行列を基に、各探知データに対する解釈の可能な組合せ全てを抽出する航跡相関行列算出部と、
    既存の仮説と航跡相関行列を組み合わせて新たに仮説を生成、更新する仮説更新部と、
    信頼度の低い仮説の削除、似た仮説の統合によって仮説数を削減する仮説縮小部と、
    航跡間の探知データの共有具合を基にクラスタを分離するクラスタ分離部と、
    目標である可能性の高い航跡を選択して本航跡とする航跡決定部と、
    探知データと既存の本航跡の相関を検査して、相関ありと判定された探知データの集合より新目標としての可能性を考慮する探知データを、本航跡のゲートに入ったか否かという条件により決定する新目標用探知データ選択部と、
    を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  2. 本航跡の予測に関する運動諸元の代表値を計算する本航跡諸元代表値決定部と、
    新目標を生成する探知データの位置情報と前記代表値を用いて新航跡の運動諸元を計算する新航跡諸元計算部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の目標追尾装置。
  3. 前記本航跡諸元代表値決定部における代表値計算は、本航跡の内の航跡信頼度が高い順の上位の所定の数の本航跡における運動諸元の航跡信頼度による重み付け平均によることを特徴とする請求項2に記載の目標追尾装置。
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