JP3884640B2 - ヒートシンク及び発熱体の冷却構造 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にはヒートシンク及び発熱体の冷却構造に関し、さらに具体的には、パワートランジスタその他の高発熱量の電子素子(発熱体)の冷却に適するヒートシンク及びそれらの発熱体の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレートフィンを使用した一般的な櫛形ヒートシンクは、例えば図4及び図5で示されているように、アルミ又はアルミ合金等の熱伝導性の高い基板2の片面に一定方向に沿って互いに平行に多数のプレートフィン3をほぼ均一なピッチ(隣接するフィンの厚みの中心相互の間隔)で立てたものである。各プレートフィン3は、ロウ付け又はカシメにより基板2に固定されている。
基板2の他の片面に、パワートランジスタその他の発熱素子からなる発熱体4を接触させるか又は定着させ、図示しないファンにより矢印5のように各プレートフィン3の長さ方向に沿って冷却風を流し、発熱体4が発した熱を基板2で拡散するとともにプレートフィン3を通じて大気中に放散することにより、発熱体4を冷却する構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のヒートシンクは、基板2に対してプレートフィン3がほぼ均一なピッチで形成されているので、基板2は各部においてほぼ均一に冷却される。しかし、近年の発熱体4の小型化,高性能化によりその発熱密度が増大しているため、基板2による熱伝導のみでは熱拡散が間に合わず、基板2の発熱体4との接触部で局所的に高温部分が生じ、十分に放熱することができなくなっている。
基板2に局所的な高熱部が生じないように熱拡散を促進させるには、基板2の肉厚内にヒートパイプを埋め込み状に貫通させ、これらのヒートパイプにより基板全体の均熱化を図る手段があるが、コストの増大を伴う。
【0004】
ヒートパイプを使用しないで、基板上に局所的に生じた高熱を拡散放熱する手段として、以下のような手段が提案されている。
その第1は、例えば特開平8−321569号公報で開示されているもので、基板の片面にピン型フィンを多数直立させたピンフィン型ヒートシンクであり、基板の中央部のピン密度を密にし、基板の外周方向に沿って次第にピン密度を粗にしたものである。
しかしこのヒートシンクは、取付基板に設置された軸流ファンにより、ピン頂部方向からピンフィン及び基板に対して冷却風を流すものであるので、フィン間を通過した冷却風をヒートシンクの四周から排出する必要があり、機器の設計変更を伴うので実用性に乏しかった。
【0005】
その第2は、特開平11−307705号公報で開示されているように、基板に多数のピンフィンを直立させ、基板面と平行な特定方向又は反特定方法に冷却風を流すピンフィン型ヒートシンクである。このヒートシンクは、発熱体が装着された基板部分の風上側又は/及び風下側において、ピンフィンの高さを他の部分よりも小さくするか、当該部分のピンフィンの密度を他の部分より粗にするか、あるいは当該部分のピンフィンをなくするように構成している。
このヒートシンクは、ピンフィン群に対して側方より冷却風を流しながら使用するのであるが、流入方向に沿って真っ直ぐに通過する冷却風の量は少なく、高発熱領域(発熱体を装着した部分の基板の反対側領域)に流入した冷却風の大半は流入方向の側方に逸れ(逃げ)、高発熱部の下流側ではピンフィンに接触する冷却風の量が相対的に小さくなるため、冷却性能が低下する。
また、ピンフィンの高さを小さくした場合には、冷却風の多くの部分は途中でフィン頂部の方向へ逸れ(逃げ)、下流側で風量が少なくなるため、冷却性能が低下する。
前述のような冷却風の逸れ(逃げ)を防止するには、冷却風が逸れる方向に対抗するように風向制御板を設けることが必要と考えられるが、風向制御板の材料費や組立費等のコスト増大を招くことになる。
【0006】
本発明は前述の各課題を解決するために提案されるもので、その目的とするところは、発熱体が接触する基板部分が他の部分より高熱になった場合でも、当該部分の熱を効率的に放熱して基板全体の均熱化を図ることができ、しかも、冷却風のフィン間摩擦圧力損失(冷却風がフィンに接触することによる圧力損失)の均一化を図ることができる櫛形のヒートシンクを提供することにある。
本発明の他の目的は、ヒートシンクの基板に接触又は定着された発熱体を効率的に放熱することができる発熱体の放熱構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るヒートシンクは、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項1に記載のヒートシンクは、基板の片面には一定方向に沿って互いに平行な多数のプレートフィンが立てられており、前記基板は、プレートフィンの長さ方向と直交する方向に沿ってフィンピッチを異にする複数の領域を有し、フィンピッチの最も粗な領域でのフィンピッチに対する各プレートフィン両面の平均面積を1としたときに、他の領域でのフィンピッチに対する各プレートフィン両面の平均面積が0.8〜1.2となるようにプレートフィンを配置したことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載のヒートシンクは、請求項1のヒートシンクにおいて、前記他の領域の個々においては、各プレートフィンの長さがほぼ同じであることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載のヒートシンクは、請求項1のヒートシンクにおいて、前記他の領域の個々においては、プレートフィンは長さの小さいものと長さの大きいものとが混在していることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発熱体の冷却構造は、前記請求項1〜3のいずれかのヒートシンクの基板の他の片面において、前記他の領域のプレートフィンが立てられている部分と対応する部分に発熱体を接触ないし定着させ、前記各プレートフィンの長さ方向に沿ってフィン相互間に冷却風を流すことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながら、本発明に係るヒートシンク及び発熱体冷却構造の好適な実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は本発明に係る第1実施形態のヒートシンクの平面図である。
【0012】
基板2はアルミニウム又はアルミニウム合金その他の熱伝導性の良い方形の金属板であり、基板2の片面には図の上下方向に沿って互いに平行な多数のプレートフィン3がロウ付け又はカシメにより立てられている。
基板2は、前記プレートフィン3の長さ方向と直交する方向に沿ってフィンピッチp(隣合うプレートフィンの厚みの中心間の距離)を異にする領域a1,a2,a3とb及びcの五つの領域を有している。この実施形態では、領域a1,a2,a3のフィンピッチpは等しくかつ最も粗であり、以下領域b,cの順でフィンピッチpが密になっているので、フィンピッチpの大きさで分けると三種の領域に分かれている。
そして、フィンピッチpの最も粗な領域a1,a2,a3でのフィンピッチpに対する各プレートフィン3両面の平均面積を1としたときに、他の領域b,cでのフィンピッチpに対する各プレートフィン3両面の平均面積がそれぞれ0.8〜1.2となるように、プレートフィン3を配置している。
【0013】
各領域のフィンピッチpに対する各プレートフィン3両面の平均面積の算出方法について、図1を参照しながら以下説明する。
図1のヒートシンクにおいて、各領域a1,a2,a3及びb,cの総ピッチ幅は、同図の上方にそれらの各領域として各符号で指示した幅(当該領域におけるフィンピッチp×フィン数)とすることもできるが、ここでは便宜上、当該領域における両端部のプレートフィン3の厚みの中心相互の距離を当該領域の総ピッチ幅とした。
したがって、領域a1,a2,a3及びb,cの総ピッチ幅をそれぞれBa1,Ba2,Ba3及びBb,Bcとする。元来、フィンピッチpが等しい三つの領域a1,a2,a3におけるプレートフィン3の総枚数はNa、他の領域b,cにおけるプレートフィン3の総枚数はそれぞれNb,Ncであるが、前述の便宜に合わせて、領域a1,a2,a3のプレートフィン3の総枚数をNa−3、他の領域b,cのプレートフィン3の総枚数をそれぞれNb−1,Nc−1とする。フィンピッチpの最も粗な各領域a1,a2,a3のプレートフィン3の長さはそれぞれLaであり、他の領域b,cにおけるプレートフィン3の長さはそれぞれLb,Lcである。各領域におけるプレートフィン3の高さは等しくそれぞれHとする。
【0014】
以上を基礎として、領域a1,a2,a3におけるプレートフィン3の両面の総面積Aaと、他の領域b,cにおけるプレートフィン3の両面の総面積Ab,Acをそれぞれ以下の演算式で求める。
Aa=La×H×2(Na−3)
Ab=Lb×H×2(Nb−1)
Ac=Lc×H×2(Nc−1)
そして、フィンピッチpの最も粗な領域a1,a2,a3の単位ピッチ幅当たりの各プレートフィン3両面の平均面積を、Aa/(Ba1+Ba2+Ba3)の演算式で求める。この演算式で求められた値を1としたときに、Ab/Bb,Ac/Bcの各演算式で求められる他の領域b,cにおける単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積が、それぞれ0.8〜1.2の範囲内となるように、例えば各領域b,cのプレートフィン3の長さを調整する。
【0015】
第1実施形態のヒートシンクを使用して発熱体を冷却するするには、基板2のフィンピッチpが密な領域b,cのプレートフィン3が立てられている部分の反対側に発熱体4を接触ないし定着させ、図1の矢印5又はその逆方向に各プレートフィン3の長さ方向に沿ってフィン相互間に冷却風を流す。
各プレートフィン3相互間に冷却風の流すには、冷却風の風上側に吹き込みファンを設置するか、あるいは、冷却風の風下側に吸い込みファンを設置する。
【0016】
第1実施形態のヒートシンク及び発熱体の放熱構造によれば、基板2の発熱体4直下のプレートフィン3のフィンピッチpが小さくなっており、温度上昇が顕著な領域b,cでは局所的な放熱面積が増大し、これらの領域b,cからより多くの放熱が集中的に行われるので、高温発熱部分でより高効率の放熱が可能となる。
【0017】
通常単純に他の部分よりもフィンピッチpを狭くした領域b,cを形成した場合には、フィンピッチpの密な領域b,cではプレートフィン3と空気との接触面積が大きくなるのでその分圧力損失(フィン間摩擦圧力損失)が増大し、冷却風はフィンピッチpの広い方の領域a1,a2,a3等に流れ易くなり、フィンピッチpの狭い領域b,cでは十分な風量を確保し難くなる。
しかし、前記実施形態では、フィンピッチpが最も広い領域a1,a2,a3の単位ピッチ幅あたりのフィン両面の平均面積を1としたときに、他の領域b,cの単位ピッチ幅あたりのフィン両面の平均面積が0.8〜1.2となるようにプレートフィン3のフィン配置を設計しているため、フィンピッチpが領域間で異なっていても冷却風とフィン両面の摩擦によって生じるフィン間摩擦圧力損失は大差がなくなり、フィン間の通風量を平均的に確保することができる。このように、フィンピッチpが狭い領域b,cでの冷却風の風量をフィンピッチpが広い領域a1,a2,a3とほぼ同様に確保し、かつ、発熱体4の取付部位直下の放熱面積を局所的に従来の櫛形ヒートシンクよりも大きくできることから、高温部位からの放熱が効率的に行われ、ヒートシンク全体の放熱性能を向上させることができる。
【0018】
図1の矢印5の方向又はその逆方向へ冷却風を送風する場合、フィンピッチpの密な領域b,cでは、プレートフィン3の長さが短く、送風される冷却風は領域b,cの各プレートフィン3と接触するまでは(風上側では)熱を吸収せず温度はあまり上がらないので、その低温の冷却風はフィンピッチの密な領域b,cにおいて発熱体4の直下に流入し易い。すなわち、フィンピッチの密な領域b,cでは、発熱体4により上昇した当該部分の温度とは温度差の大きい冷却風が通過するので、ヒートシンクの当該部分に対してより大きな温度差の冷却風により、ヒートシンクの当該部分から冷却風への放熱は大きくなる。
【0019】
前記実施形態のヒートシンクでは、前記作用効果の説明から明らかなように、フィンピッチpが最も粗な領域a1,a2,a3の単位ピッチ幅あたりの各プレートフィン3両面の平均面積が1であるときに、他の領域b,cの単位ピッチ幅あたりのフィン両面の平均面積が0.8〜1.2となるようにプレートフィン3のフィン配置を設計することが必要である。
前者を1としたときに後者が0.8未満では、領域b,cでのプレートフィン3のフィンピッチpが粗に過ぎるか、あるいは当該領域b,cでのプレートフィン3の長さが小さ過ぎて、当該領域での高効率の放熱が期待できないおそれがある。
他方、前者を1としたときに後者が1.2を超えると、当該領域b,cでのプレートフィン3のフィンピッチpが密に過ぎ、あるいは当該領域でのプレートフィン3の長さが大きすぎて、冷却風のフィン間摩擦圧力損失が増大し、前述のような効果が発揮できないおそれがある。
【0020】
第2実施形態
図2は本発明に係るヒートシンク、及び発熱体の放熱構造の第2実施形態を示す平面図である。
この実施形態では、熱伝導性の良い方形の金属板からなる基板2の片面には、図の上下方向に沿って互いに平行な多数のプレートフィン3が立てられている。
基板2の片面には、プレートフィン3の長さ方向と直交する方向に沿って、フィンピッチpの最も粗な二つの領域a1,a2と、それらの中間に位置するようにフィンピッチpの密な一つの領域bとが形成されている。
フィンピッチpの密な領域bにおける各プレートフィン3の長さLbを、フィンピッチpの粗な領域a1,a2のプレートフィン3の長さLaよりも一様に短くすることにより、フィンピッチpの最も粗な領域a1,a2の単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積を1としたときに、他の領域bの単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積が0.8〜1.2となるように構成している。
【0021】
第2実施形態のヒートシンク及び発熱体の放熱構造において、基板2に対する発熱体4の取付位置や冷却風の通風方向、及びその他の構成や作用効果は、第1実施形態のヒートシンク及び発熱体の放熱構造とほぼ同様であるので、それらの説明は省略する。
【0022】
第3実施形態
図3は本発明に係るヒートシンク、及び発熱体の放熱構造の第3実施形態を示す平面図である。
熱伝導性の良い方形の金属板からなる基板2の片面には、図の上下方向に沿って互いに平行な多数のプレートフィン3が立てられている。
基板2のフィン形成面には、プレートフィン3の長さ方向にと直交する方向に沿って、フィンピッチpの最も粗な二つの領域a1,a2と、それらの中間に位置するようにフィンピッチpの密な一つの領域bとが形成されている。
フィンピッチpの密な領域bでは、フィンピッチpの粗な領域a1,a2におけるプレートフィン3の長さLaよりも、長さLb1がはるかに短いプレートフィン3と、前記長さLaよりも長さLb2がやや短いプレートフィン3とを混在させることにより、フィンピッチpの最も粗な領域a1,a2の単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積を1としたときに、他の領域bの単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積が0.8〜1.2となるように構成している。
【0023】
第3実施形態において、基板2に対する発熱体4の取付位置は、プレートフィン3のフィンピッチpが密である領域bにおいてプレートフィン3が最も集中設置されている部位(フィンピッチpの最も密な部位)の反対側である。
基板2へ図3のように発熱体4を取り付け、図3の矢印5の方向又はその逆方向へ冷却風を送風する場合、フィンピッチpの密な領域bでは、風上側においてフィンピッチが極めて粗になっていて、当該部分における基板2とプレートフィン3とからなるヒートシンクの温度はあまり上昇していないので、その低温の冷却風はフィンピッチの密な領域bにおいて発熱体4の直下に流入し易い。すなわち、フィンピッチの密な領域bでは、発熱体4により上昇した当該部分の温度とは比較的温度差の大きい冷却風が通過するので、当該部分のヒートシンクに対してより大きな温度差の冷却風により、ヒートシンクから冷却風への放熱は相対的に大きくなる。
第3実施形態のヒートシンク及び発熱体の放熱構造のその他の構成や作用効果は、第1実施形態の場合と同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0024】
その他の実施形態
第3実施形態(図3)のように、フィンピッチpが密である領域に、長さの長いプレートフィン3と長さの短いプレートフィン3とを混在させて設置する場合においては、異なる長さパターンは二種でなく三種以上であっても実施することができるほか、長さパターンの異なるプレートフィン3は同数でなく異なる数であっても実施することができる。これらの場合において、長さの最も大きいプレートフィン3は、フィンピッチpの最も粗な領域のプレートフィン3と同じであっても実施することができる。
前記各実施形態では、フィンピッチpの最も粗な領域の単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積が1であるときに、他の領域bの単位ピッチ幅当たりのプレートフィン3両面の平均面積が0.8〜1.2となるようにするため、フィンピッチpの密な領域のプレートフィン3の全部又は一部のフィンの長さを調整し、各領域のフィン高さをほぼ等しくしている。しかし、ヒートシンク自体や機器類の冷却スペースの都合等により、冷却性能に影響がない範囲で高さの異なるプレートフィンを設置しても差し支えない。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係るヒートシンク及びこれを使用した発熱体の放熱方法によれば、基板のフィンピッチが小さい領域のプレートフィンが設置されている部位の反対側に発熱体を取り付け、プレートフィンの長さ方向に沿って冷却風を流すことにより、温度上昇が顕著な領域で局所的に放熱面積が増大し、これらの領域からより多くの放熱が集中的に行われるので、高温発熱部分でより高効率の放熱が可能となる。
【0026】
また、フィンピッチが最も粗な領域の単位ピッチ幅あたりの各プレートフィン両面の平均面積を1としたときに、他の領域の単位ピッチ幅あたりのプレートフィン両面の平均面積が0.8〜1.2となるようにプレートフィンのフィン配置を設計しているため、フィンピッチが領域間で異なっていても冷却風とフィン両面の摩擦によって生じるフィン間摩擦圧力損失はそれらの領域間で大差がなくなり、フィン間の通風量を平均的に確保することができる。このように、フィンピッチが密な領域での冷却風の風量をフィンピッチが最も粗な領域とほぼ同様に確保し、かつ、発熱体の取付部位直下の放熱面積を局所的に従来の櫛形ヒートシンクよりも大きくできることから、高温部位からの放熱が効率的に行われ、ヒートシンク全体の放熱性能を向上させることができる。
【0027】
さらに、フィンピッチの密な領域では、送風される冷却風はヒートシンクの当該部分と接触するまでは熱を少ししか吸収せず温度があまり上がらないので、その低温の冷却風はフィンピッチの密な領域において発熱体の直下に流入し易い。すなわち、フィンピッチの密な領域では、発熱体により上昇した当該部分の温度とは温度差の大きい冷却風が通過するので、ヒートシンクの当該部分に対してより大きな温度差の冷却風により、ヒートシンクの当該部分から冷却風への放熱はより大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒートシンクと発熱体の冷却構造の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明に係るヒートシンクと発熱体の冷却構造の第2実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明に係るヒートシンクと発熱体の冷却構造の第3実施形態を示す平面図である。
【図4】従来の櫛形ヒートシンクと発熱体の冷却構造の一形態を示す斜視図である。
【図5】図4のヒートシンクと発熱体の冷却構造の平面図である。
【符号の説明】
2 基板
3 プレートフィン
4 発熱体
5 冷却風の方向を示す矢印
a1,a2,a3,b,c 領域
p フィンピッチ
La,Lb,Lb1,Lb2,Lc プレートフィンの長さ
Ba1,Ba2,Ba3,Bb,Bc 領域の幅
Claims (4)
- 基板の片面には一定方向に沿って互いに平行な多数のプレートフィンが立てられており、
前記基板は、プレートフィンの長さ方向と直交する方向に沿ってフィンピッチを異にする複数の領域を有し、
フィンピッチの最も粗な領域でのフィンピッチに対する各プレートフィン両面の平均面積を1としたときに、他の領域でのフィンピッチに対する各プレートフィン両面の平均面積が0.8〜1.2となるようにプレートフィンを配置した、
ことを特徴とするヒートシンク。 - 前記他の領域の個々においては、各プレートフィンの長さがほぼ同じであることを特徴とする、請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記他の領域の個々においては、プレートフィンは長さの小さいものと長さの大きいものとが混在していることを特徴とする、請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記請求項1〜3のいずれかのヒートシンクの基板の他の片面において、前記他の領域のプレートフィンが立てられている部分と対応する部分に発熱体を接触ないし定着させ、前記各プレートフィンの長さ方向に沿ってフィン相互間に冷却風を流すことを特徴とする、発熱体の冷却構造。
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