JP3884555B2 - 符号量配分装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、量子化スケールでフレーム符号化タイプ毎の発生符号量を制御するデジタル画像符号化圧縮装置の符号量配分装置に係り、特に符号化対象とする画像シーケンスの歪み量を最小化する符号量配分装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動画像は少しずつ異なるフレームを連続して表示することにより得られるが、これらの連続するフレームはフレーム間で相関が高く、フレーム間の相関をとることにより冗長性を削減できる。さらに動き補償予測を用いることによって、動き部分についても差分を小さくすることができる。そこで、いわゆるMPEG−2映像符号化規格ではIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャという3種類のピクチャタイプを定め、1つのIピクチャと複数のP,Bピクチャを図1に示すようにまとめてGOP(Group of Pictures)とし、GOPを符号化の単位として、一定の符号量に収まるように、符号量を制御して動画像の符号化圧縮を行っている。
【0003】
このような画像符号化圧縮における符号量配分手法は、従来、2つに大別される。1つは、既符号化画像の発生符号量と量子化スケールの値から予め定められた計算式に基づき各フレーム符号化タイプ(ピクチャタイプ)ごとの配分符号量を算出する手法であり、MPEG−2に準拠したビットストリームを生成するMPEG−2のTM5(ISO/IEC−JTC1/SC29/WG11:“Test Model 5(Draft)”,MPEG93/N0400,1993)中に記載されている手法がよく知られている。
【0004】
もう一つは、画像シーケンス内で推定した総歪み量を最小化するように各フレーム符号化タイプに符号量を配分する手法である。ここで、画像シーケンスは前述したGOPのように、ビットレートを一定に保つために設けられた各フレーム符号化タイプの一定数のフレームからなるまとまりであり、画像シーケンスに与えられた総符号量の枠内で総歪み量に基づき各フレーム符号化タイプに符号量を配分しようとするものである。
【0005】
本発明は、画像シーケンス内で推定した総歪み量を最小化するように各フレーム符号化タイプに符号量を配分する手法、すなわち、上記後者の手法に属するものであることから、その既に知られている一般的な手法の手順を説明する。
【0006】
この手法においては、まず、符号量をパラメータに個々のフレームの歪み量を見積もる。後述する説明では符号量と個々のフレームの歪み量の関係を既知として扱っているが、これは、例えば、符号量と歪み量の関係を実験的に求めることにより歪み量を見積もっても差し支えない。
【0007】
次に、各フレーム歪み量と画像シーケンスを構成する各フレーム符号化タイプ数とから画像シーケンス総歪み量を推定する。本発明は、この画像シーケンス総歪み量の算出手法に関するものである。
【0008】
最後に、各フレームの発生符号量を均等にするのではなく、最適な符号化効率となるように各フレーム符号化タイプ毎の符号量を決めて符号量制御を行うために、ラグランジュ未定係数法を用いて、画像シーケンス総歪み量を最小化するように、各フレーム符号化タイプに符号量を配分する。
以下、それぞれの従来技術を説明する。
【0009】
符号量と歪み量の関係に関する従来技術
隣接画素間の相関が高く、電力スペクトルが非一様という特徴を持つ一般的な画像に対して、符号量Rと符号化歪み log(D/σx 2 )の関係は図5のようになることが知られている(N.S. Jayant and P. Noll :“Digital coding of waveforms ”, Prentice-Hall,1984)。高ビットレートつまり量子化歪みが小さいときの符号量Rと量子化歪み量Dの関係は(1)式で表される。このとき、符号量Rと log(D/σx 2 )は、図5のaの領域に示されるように直線関係になる。
【数2】
D=κ・2-2R σx 2 (1)
κ :入力信号の振幅分布や電力スペクトル分布を表す因数
σx 2 :入力信号分散値
【0010】
しかし、符号量Rが制限され図5のaの領域をはずれるに従い、量子化歪み量Dは次第に増加し(1)式を満たさなくなる。従ってこのような非線型領域で符号量をパラメータにフレーム歪み量を見積もる場合には符号量と歪み量の関係を実験的に求めることが必要である。
【0011】
画像シーケンス総歪み量に関する従来技術
簡単のために2フレームからなる画像シーケンスにおける総歪み量を考える。2フレームともに両画像間の相関に無関係に互いに独立なイントラモード符号化(イントラモード符号化とは、フレーム間差分をとらずフレーム内で完結した符号化であり、シーンチェンジなどフレーム間に相関がない場合や誤り伝搬を防ぐためのリフレッシュに用いられる符号化である。)を行う場合には、総歪み量Jは(2)式のように2フレームの歪み量の単純和で表される。
【数3】
J=D1(Q1)+D2(Q2) (2)
Q1,Q2 :各フレーム符号化の平均量子化パラメータ
D1(Q1),D2(Q2):各フレームをそれぞれQ1,Q2 で符号化したときの歪み量
【0012】
2フレームの一方の画像をイントラモードで符号化し、その復号化画像を予測参照フレームとして他方の画像を動き補償予測して符号化する場合のようにフレーム間の冗長性を利用した符号化を行う場合には、総歪み量Jは(3)式のように原画像と符号化画像との平均二乗誤差を用いたそれぞれの歪みの重み和とする報告がある(K. Ramchandran, A. Ortega,“Bit Allocation for Dependent Quantization with Applications to Multiresolution and MPEG Video Coders”, IEEE Trans. on Image Processing, vol. 3, No. 5, pp533−545,1994)。
【数4】
J=ω1 D1(Q1)+ω2 D2(Q1,Q2) (3)
Q1,Q2 :各フレーム符号化の平均量子化パラメータ
D1,D2 :歪み量
ω1,ω2 :原画像と符号化画像との平均二乗誤差による重み
【0013】
また、画像シーケンス総歪み量の算出法としてフレーム間相関を用いたそれぞれの歪みの重み和とする報告もある(甲藤、太田:“MPEG圧縮効率の理論解析とその符号量制御への応用”、信学技報IE95−10,DSP95−10,1995)。
【0014】
これらの従来手法では、動き予測に伴い予測参照フレームの復号化画像中の歪みが符号化対象フレームの予測誤差信号に混入する歪み量を考慮していない。予測参照フレームの復号化画像中の歪みを小さくすることにより、予測誤差信号に混入する歪みも減り、全体として符号化効率が高くなるため、歪みの伝搬量を考える必要がある。
【0015】
ラグランジュ未定係数法
n個の変数
【外1】
を考える。ラグランジュ未定係数法とは、n個の変数
【外2】
が次の(4)式のS個の付帯条件によって制限されているとき、関数
【外3】
の極値または停留値を求める手法であり、その詳細は、小出著:“物理数学I”、朝倉書店(1967)にゆずる。
【数5】
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
符号量制御の中枢をなす各フレーム符号化タイプへの符号量配分は、各フレームに最適な符号量配分を行うことで符号化効率が向上し、符号化画質が大きく向上するため、符号化画質向上の重要な要素である。上述したように、従来技術としても符号化歪み量を最小化する符号量配分手法はあるが、従来手法では画像シーケンスの総歪み量を導出する際に、動き補償予測に伴う伝搬歪み量を考慮していない。
【0017】
本発明の目的は、動き補償予測に伴う伝搬歪み量を考慮した画像シーケンスの総歪み量を導出することによって、大きく向上した符号化画質が得られる符号量配分装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、予測参照フレームとして何を用いるかによる符号化対象フレームの予測誤差電力の差に基づいて歪み伝搬率を定義し、これを用いて画像シーケンスの総歪み量を推定することを基本にしている。
【0019】
すなわち、本発明符号量配分装置は、量子化スケールを制御して複数のフレーム符号化タイプで画像を圧縮符号化する符号化圧縮装置の発生符号量を調節するための符号量配分装置であって、I,P,Bピクチャのそれぞれ異なるフレーム符号化タイプに対し、動き補償予測により予測参照フレームの局部復号化画像中の歪みが符号化対象の予測誤差信号に伝搬する際の歪み伝搬率をそれぞれF i (i=I,P,B)、予測参照フレームに原画像を用いたときの予測誤差電力値をそれぞれX i (i=I,P,B)、および予測参照フレームに前記局部復号化画像を用いたときの予測誤差電力値をそれぞれY i (i=I,P,B)としたとき、
【数6】
に基づき、前記フレーム符号化タイプ毎の歪み伝搬率を算出する歪み伝搬率算出部と、GOP( Group of Pictures )内の未符号化ピクチャの符号化で消費できる総符号量をR DCT 、前記GOP内の未符号化I,P,Bピクチャの各フレーム数をN I ,N P ,N B 、各I,P,Bピクチャへの配分符号量をR I ,R P ,R B としたとき、
N I ・R I +N P ・R P +N B ・R B −R DCT =0
の関係式によりラグランジュ未定係数法に基づき、前記歪み伝搬率、未符号化ピクチャのフレーム数及び配分符号量により表したGOP内の未符号化ピクチャ総歪み量を最小化するための配分符号量を導出する配分符号量導出部とを少なくとも具えたことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照し、発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の着眼等について説明しながら、如何にして本発明による配分符号量が得られるかを説明する。
【0022】
本発明では、符号量を配分する複数の画像フレームからなる画像シーケンス内で、各フレームの発生符号量を均等にするのではなく、最適な符号化効率となるように各フレーム符号化タイプ毎の符号量を決めてビットレートが一定になるよう符号量制御を行うことを前提としている。なお、符号量配分はフレームを符号化する度に更新されることから、以下ではGOP内の全未符号化フレームを画像シーケンスとして扱う場合について本発明の基本的な考え方を説明する。
【0023】
MPEG−2等の予測符号化では、予測参照フレームの復号化画像中の符号化歪みが符号化対象フレームの予測符号化の際に混入し、符号化対象フレームの予測誤差電力を増大させ、符号化効率を低下させる。そのため、予測参照フレームの局部復号化画質の影響を正しく評価することで、符号化対象フレームの予測誤差電力を小さくし、符号化効率を高めることができる。
【0024】
本発明では、従来技術における総歪み量である(2)式の各項に予測に伴う歪み伝搬の影響を考慮した係数を乗ずることにより歪み量を算出することとした。このため、フレーム符号化タイプ毎にまず予測参照フレームに原画像を用いたときの予測誤差電力値Xと、予測参照フレームに局部復号化画像を用いたときの予測誤差電力値Yを求める。次に、XとYから(5)式で定義される歪み伝搬率Fを求める。
【数7】
歪み伝搬の影響は、予測参照フレームと符号化対象フレームとの予測間距離と、順方向予測や双方向予測等の予測方式により異なるため、ここでは、MPEG−2符号化を想定しPピクチャへの歪み伝搬率FP とBピクチャへの歪み伝搬率FB をそれぞれ求める例で説明する。
【0025】
再び図1を参照するに、図1においては、M=3,N=15のGOP構造と動き補償予測における予測方向を示す。ここでMはPピクチャの予測フレーム間隔を、また、NはIピクチャと次のIピクチャ間のフレーム間隔である。GOP内の同じフレーム符号化タイプのフレームには同量の符号量を配分し同じ符号化歪みが生じるものと仮定し、I,P,Bピクチャの歪みをそれぞれDI ,DP ,DB としたときの伝搬歪み量を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
ここで、図1の「B3」から「B8」フレームについては予測参照フレームが同じピクチャタイプの双方向予測であるため、単純にF・Dにより伝搬歪み量を求めることができる。しかし、異なるピクチャタイプを予測参照フレームとした双方向予測では単純にF・Dから伝搬歪み量を求めることができない。例えば、図1の「B1」フレームに着目すると、1フレーム間隔の順方向予測に用いる「I1」フレームと2フレーム間隔の後方向予測に用いる「P1」フレームを予測参照フレームに用いている。また、図1の「B9」フレームに着目すると、2フレーム間隔の後方向予測に用いる「I2」フレームと1フレーム間隔の順方向予測に用いる「P4」フレームを予測参照フレームに用いている。そこで、このような対称性を利用して、「B1」と「B9」フレームを併せた伝搬歪み量を、双方向予測で用いる2枚の予測参照フレームを共にIピクチャとしたときの伝搬歪み量および2枚の予測参照フレームを共にPピクチャとしたときの伝搬歪み量の和と考えてFB ・DI +FB ・DP により求めることとした。同様に、図1の「B2」と「B10」フレームは予測参照フレームが対称関係にあるので、「B2」と「B10」フレームを併せた伝搬歪み量を、双方向予測で用いる2枚の予測参照フレームを共にIピクチャとしたときの伝搬歪み量および2枚の予測参照フレームを共にPピクチャとしたときの伝搬歪み量の和と考えた。
【0028】
表1に従う予測伝搬モデルを考慮すると、GOP内の未符号化ピクチャ総歪み量JはNP ≧1のとき(6)式で表される。
【数8】
この関係を用いて、各フレーム符号化タイプの符号量をパラメータとしてフレーム符号化タイプ毎に歪み量を求めるためには符号量と歪み量の関係が明らかになっていなければならない。量子化歪みが小さい場合を例にとって説明すると、両者の関係として(1)式の符号量と歪み量の関係を用いることができる。すなわち、I,P,Bピクチャにおける(1)式のパラメータκをそれぞれκI , κP ,κB 、符号量をRI ,RP ,RB とすると、NP ≧1のとき(1)式を(6)式に代入して、(7)式を得る。
【数9】
【0029】
また、GOP内の未符号化ピクチャの符号化で消費できる総符号量をRDCT ,GOP内の未符号化I,P,Bピクチャの各フレーム数をNI ,NP ,NB とすると、この総符号量RDCT と各ピクチャタイプへの配分符号量RI ,RP ,RB とは(8)式の関係がある。
【数10】
NI ・RI +NP ・RP +NB ・RB −RDCT =0 (8)
ラグランジュ未定係数法を用い、(8)式の拘束条件のもとで(7)式の歪み量を最小化するRI ,RP ,RB の組を求めると、NI >0,NP >0,NB >0のときには(9)式となる。
【数11】
【0030】
いずれかのピクチャタイプのフレーム数が零のとき、例えばNI =0のときも、同様にラグランジュ未定係数法を用いると、(9′)式となる。
【数12】
【0031】
また、各ピクチャタイプの配分符号量は負の値をとれないので、(9)式あるいは(9′)式においていずれかの配分符号量が負になった場合、例えばRP <0の場合、NP =0,RP =0として、各ピクチャタイプの配分符号量が非負となるまでラグランジュ未定係数法を再帰的に行う。
以上の導出手法に従って、本発明による配分符号量を求めることができる。
【0032】
図2は、本発明符号量配分装置の一実施形態を示している。
図2において、破線枠にて囲んで示され、動き誤差信号導出部1、直交変換部2、量子化スケール制御部3および符号化部4を順次の構成要素として含んでなる部分は動き補償予測を行う一般的な符号化圧縮装置を示している。この破線枠外に、図示のように、信号分散計測部5、歪み量見積もり部6、歪み伝搬率算出部7、GOP内の未符号化フレーム計数部8、総符号量算出部9および配分符号量導出部10を新たに配置して一実施形態としての本発明符号量配分装置を構成する。
【0033】
以下、動作につき説明する。
まず、第一段階として、各フレーム符号化タイプの歪み量を導出する手順を説明する。
図2に示す信号分散計測部5では、フレーム符号化タイプ毎に動き予測誤差信号の信号分散を求める。符号量配分は符号化対象フレームのマクロブロックを符号化する以前に行われるため、信号分散計測部5で求めた分散は次フレーム以降の符号量配分に用いられる。ここで、マクロブロックとはブロック符号化の符号化単位である画像ブロック(例えば16画素×16画素)の集合からなる一定の大きさのブロックであって、同一の量子化スケールを用いるブロックをいう。次段の歪み量見積もり部6では、信号分散計測部5で計測された信号分散から例えば(1)式に従って歪み量を与えるκ・σx 2 を求める。なお、このκ・σx 2 を求めるにあたっては、図5のa領域からはずれた量子化歪みが大きい領域では実験的に求めた関係から歪み量を見積もることが望ましい。
【0034】
次に、第二段階として、歪み伝搬率を導出する手順を説明する。
同じく図2に示す歪み伝搬率算出部7では、動き補償予測符号化を行うPピクチャとBピクチャへの歪み伝搬率を算出する。図3は歪み伝搬率算出部7で行われる歪み伝搬率の導出原理を示している。図3のブロック11において予測参照フレームに原画像を用いたときの予測誤差電力値Xを求め、同様にブロック12において予測参照フレームに局部復号化画像を用いたときの予測誤差電力値Yを求める。さらに、ブロック13では、(5)式に従いPピクチャとBピクチャ各々への歪み伝搬率FP ,FB を求める。
【0035】
また、第三段階として、GOP内の未符号化フレームで消費できる総符号量を導出する手順を説明する。
図2に示すGOP内の未符号化フレーム計数部8では、GOPを構成する各符号化フレーム数から既に符号化されたそれぞれの符号化フレーム数を減算することにより、GOP内の未符号化フレーム数を各フレーム符号化タイプ毎に計数する。また、総符号量算出部9では、ビットレートから逆算したGOP内の全フレームで消費できる符号量を初期値とし、順次符号化済みフレームの発生符号量を減じることで、GOP内の全未符号化フレームで消費できる総符号量RDCT を求める。
【0036】
最後に、配分符号量の導出手順を説明する。
図2に示す配分符号量導出部10では、図4のフローチャートに従って配分符号量を導出する。まず、ステップS1において、歪み量見積もり部6(図2参照、以下同)から各フレーム符号化タイプの歪み量と符号量との関係を示す関数、例えば(1)式の場合では
【外4】
を、歪み伝搬率算出部7から歪み伝搬率FP,FB を、また総符号量算出部9からRDCT をそれぞれ導出する。次に、ステップS2において、GOP内の未符号化フレーム計数部8から符号化対象GOP内の未符号化I,P,Bピクチャの各フレーム数NI,NP,NB を求め、次に、ステップS3において(9)式または(9′)式に従い各フレーム符号化タイプへの配分符号量RI,RP,RB を計算する。最後に、ステップS4において、配分符号量RI,RP,RB それぞれの正負判定を行い、それらがすべて非負(YES)であればそのまま出力し、RI,RP,RB のいずれかが負(NO)のときは、そのフレーム符号化タイプの配分符号量と未符号化フレーム数とを共に強制的に0としてステップS2に戻り、そのフレーム符号化タイプ以外について再帰的に配分符号量を再計算する。
【0037】
以上により得られた符号化対象フレームに該当するフレーム符号化タイプの配分符号量は、図2中に破線枠で囲んで示す符号化圧縮装置の量子化スケール制御部3に送られる。量子化スケール制御部3では配分符号量を目標値として実際の発生符号量を制御する。配分符号量の計算過程で強制的に配分符号量を0にしたフレーム符号化タイプについては、0を目標に許される範囲で最も粗い量子化スケールで符号化が行われることになる。
【0038】
【発明の効果】
本発明装置によれば、動き予測に伴う歪み伝搬の影響を考慮した画像シーケンス総符号量の算出が可能となり、従って、各符号化タイプへの最適な符号量配分が行われるため、符号化画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MPEGの表示順序におけるGOP構造と、Pピクチャ、Bピクチャにおける予測形態を示している。
【図2】本発明符号量配分装置の一実施形態を示している。
【図3】図2中の歪み伝搬率算出部で行われる歪み伝搬率の導出原理を示している。
【図4】図2中の配分符号量導出部で行われる配分符号量導出の手順をフローチャートにて示している。
【図5】一般的な画像における符号量Rと符号化歪みlog(D/σx 2)の関係を示している。
【符号の説明】
1 動き誤差信号導出部
2 直交変換部
3 量子化スケール制御部
4 符号化部
5 信号分散計測部
6 歪み量見積もり部
7 歪み伝搬率算出部
8 GOP内の未符号化フレーム計数部
9 総符号量算出部
10 配分符号量導出部
11 予測参照原画像と符号化対象P/Bピクチャ画像の予測誤差電力値X
12 予測参照局部復号化画像と符号化対象P/Bピクチャ画像の予測誤差電力値Y
13 P/Bピクチャへの歪み伝搬率算出
Claims (1)
- 量子化スケールを制御して複数のフレーム符号化タイプで画像を圧縮符号化する符号化圧縮装置の発生符号量を調節するための符号量配分装置であって、
I,P,Bピクチャのそれぞれ異なるフレーム符号化タイプに対し、動き補償予測により予測参照フレームの局部復号化画像中の歪みが符号化対象の予測誤差信号に伝搬する際の歪み伝搬率をそれぞれF i (i=I,P,B)、予測参照フレームに原画像を用いたときの予測誤差電力値をそれぞれX i (i=I,P,B)、および予測参照フレームに前記局部復号化画像を用いたときの予測誤差電力値をそれぞれY i (i=I,P,B)としたとき、
GOP( Group of Pictures )内の未符号化ピクチャの符号化で消費できる総符号量をR DCT 、前記GOP内の未符号化I,P,Bピクチャの各フレーム数をN I ,N P ,N B 、各I,P,Bピクチャへの配分符号量をR I ,R P ,R B としたとき、
N I ・R I +N P ・R P +N B ・R B −R DCT =0
の関係式によりラグランジュ未定係数法に基づき、前記歪み伝搬率、未符号化ピクチャのフレーム数及び配分符号量により表したGOP内の未符号化ピクチャ総歪み量を最小化するための配分符号量を導出する配分符号量導出部と
を少なくとも具えたことを特徴とする符号量配分装置。
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