JP3882590B2 - Lactic acid polymer composition and molded article thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳酸系ポリマーを含有する乳酸系ポリマー組成物、該乳酸系ポリマー組成物を成形してなる乳酸系ポリマー成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳酸系ポリマーは、生分解性を有し、燃焼カロリーがポリエチレンやポリプロピレンなどの約1/3〜1/2と低く、焼却炉を傷めることがなく、また、焼却時に塩化水素、NOx、SOx、とりわけダイオキシン等の有毒ガスを発生しない特徴がある。さらに、乳酸系ポリマーは、毎年再生可能な植物資源(コーンスターチ等)を出発原料に利用できるため、石油のような化石資源を使用しなくてもよく、汎用プラスチックの代替可能な材料として期待されている。
【0003】
一方、近年、エレクトロニクス、メカトロニクス、オプトエレクトロニクス、レーザー、液晶、光学、オフィスオートメーション、ファクトリーオートメーション等の分野における技術開発の急速な進展に伴い、透明なプラスチックフィルムの需要が急増し、その用途も飛躍的に拡大しつつある。具体的には、例えば、オーバーへッドプロジェクター用フィルム、製版用フィルム、トレーシングフィルム、食品ラッピングフィルム、農業用フィルム、透明導電性フィルム(例えば、コンピューター入力用画面タッチパネル等)、熱線反射フィルム、液晶ディスプレー用フィルム、液晶ディスプレー用偏光フィルム、プリント回路基盤等の用途が挙げられる。
【0004】
従来、これらの用途には、ガラス、アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート等の可撓性(フレキシビリティー)の低い硬質なフィルムが使用されてきたが、最近は、可撓性、成形容易性、耐熱性等に優れた透明フィルムへの代替が急速に進行しつつある。このような代替フィルムの一部として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを利用できるが、例えば、分解性が要求される用途には、PETでは問題となる場合がある。このような背景から、透明フィルムの技術分野においては、今後、透明性、耐熱性(結晶性)、及び分解性を有する透明フィルムの果たす役割は一段と大きくなることが予想される。
【0005】
ところで、分解性、熱可塑性ポリマーであるポリ乳酸や乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又は脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸のコポリマー等の乳酸系ポリマーの成形体(例えば、フィルム、シート、ボ卜ル、カップ、各種成形品等)は、通常、成形直後は非晶性であり、光を散乱する原因となる光の波長と同程度以上の大きさの結晶が殆ど存在しないので透明である。しかしながら、得られた成形体は、通常、非晶性であるため、耐熱性に劣る。このため、非晶性ポリ乳酸容器は、透明性に優れているが耐熱性が低く、熱湯又は電子レンジを使用することができず、用途が限定されていた。耐熱性を向上させるための方法としては、成形加工時に結晶化温度付近に保持した金型内に充填するか、又は成形後に非晶性の成形品を熱処理(アニール)する等の熱処理する方法が採用されている。しかし、熱処理して結晶化度をあげると、通常、光を散乱する原因となる光の波長と同程度以上の大きさの結晶(例えば、球晶)が、結晶を可視光の波長以上の大きさまで急速に成長するため、成形体は不透明となってしまう。
【0006】
乳酸系ポリマーに関する技術分野においては、例えば、以下の添加剤を添加する技術が開示されているが、球晶の成長を抑制し、透明性を付与したり、結晶化速度を促進する目的で、結晶核剤を添加する技術は、ほとんど知られていない。
【0007】
1)特開平5−70696号には、プラスチック製容器の材料として、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ポリ−3−ヒドロキシバリレート共重合体、ポリカプロラクトンあるいはポリ乳酸のような生分解性プラスチックに、平均粒径20μm以下の炭酸カルシウム、含水珪酸マグネシウム(タルク)を重量比で10〜40%混合することが開示されている。しかしながら、この技術においては、無機充填剤を大量に添加することにより、分解性を促進することはできるが、ポリマーの透明性や耐熱性(結晶性)を改善することは困難である。
【0008】
2)特表平4−504731号公報(WO 90/01521号公報)には、ラクチド熱可塑性プラスチックに、シリカ、カオリナイトのような無機化合物の充填剤を添加することにより、硬度、強度、温度抵抗性の性質を変える技術が開示されている。その実施例には、L,DL−ラクチド共重合体に、核剤として、乳酸カルシウム5重量%を加え、170℃の加熱ロールで5分間ブレンドすることにより、剛性と強度に優れ、結晶化度が高いシートを製造する技術が開示されている。しかしながら、このような技術においても、やはり、透明性が著しく低下することが開示されている。
【0009】
3)特表平6−504799号公報(WO 92/04413号公報)には、ラクチド熱可塑性プラスチックに、核剤として、乳酸塩、安息香酸塩を添加する技術が開示されている。その実施例には、ポリラクチドコポリマーに、1%の乳酸カルシウムを配合し、2分間の滞留時間で、約85℃に保持した型で射出成形し、さらに、型中で約110〜135℃でアニーリングする技術が開示されている。この場合も、やはり、透明性が著しく低下することが開示されている。
【0010】
これら文献記載の技術では、乳酸系ポリマーの成形体に、透明性と結晶性を同時に付与することは困難であった。
【0011】
【課題を解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、透明性及び結晶性(耐熱性)を有する成形体を製造できる乳酸系ポリマー組成物、及び該乳酸系ポリマー組成物を成形してなる成形体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリアセタールとエステル系可塑剤とを乳酸系ポリマーに添加し、成形時(又は成形後)に、成形体を結晶化させることにより、ポリアセタールとエステル系可塑剤が相乗的に作用して透明性及び結晶性(耐熱性)を有する成形体が得られ、かつ結晶化速度を速めることにより成形サイクルを短縮させることができることを見い出だした。
【0013】
即ち、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、下記の乳酸系ポリマー組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
項1 ポリアセタール、エステル系可塑剤及び乳酸系ポリマーを含有することを特徴とする乳酸系ポリマー組成物。
【0014】
項2 ポリアセタールのメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1g/10分〜200g/10分の範囲である上記項1に記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0015】
項3 エステル系可塑剤が、多価アルコール誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステル、ポリエーテルポリオール誘導体及びリン酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項1又は2に記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0016】
項4 エステル系可塑剤が、グリセリン誘導体、クエン酸誘導体及びポリアルキレングリコール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項1〜3のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0017】
項5 グリセリン誘導体が、グリセリントリ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステルの少なくとも1種である上記項4に記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0018】
項6 クエン酸誘導体が、アセチルクエン酸トリアルキル(アルキル基:炭素数1〜18)エステル及びクエン酸トリアルキル(アルキル基:炭素数1〜18)エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項4に記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0019】
項7 ポリアルキレングリコール誘導体が、ジエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、トリエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、テトラエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪酸カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ジエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、トリエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、テトラエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、ポリエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、ジプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、トリプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、テトラプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ポリプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ジプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、トリプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、テトラプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル及びポリプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項4に記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0020】
項8 乳酸系ポリマーが重量平均分子量5万以上のものである上記項1〜7のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0021】
項9 乳酸系ポリマー100重量部に対して、ポリアセタールを0.1〜80重量部及びエステル系可塑剤を1〜300重量部含む上記項1〜8のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0022】
項10 上記項1〜9のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物を成形してなる成形体。
【0023】
項11 シート又はフィルムの形態にある上記項10に記載の成形体。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
ポリアセタール
本発明に用いられるポリアセタールとは、一般式(1)で表されるオキシメチレン基を主たる構成単位とする高分子化合物で、i)オキシメチレンホモポリマー、及びii)オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ以外の構成単位を含有するコポリマーが例示できる。具体的には、前者のオキシメチレンホモポリマーとしては、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを単独重合して得られる重合体が挙げられる。また、後者のコポリマーとしては、例えば、下記一般式(1)で示されるオキシメチレン単位と下記一般式(2)で表されるオキシアルキレン単位がランダムに結合した構造を有する共重合体が挙げられる。
[式中、nは1以上の整数である。]
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン、アルキル基、アリル基、アリール置換アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基、又はアルコキシ基を示す。mは2〜6の整数である。]
【0025】
このオキシアルキレン単位の割合は、オキシメチレン単位100モルに対して、好ましくは0.05〜50モル、より好ましくは、0.1〜20モルの範囲である。このオキシアルキレン単位としては、例えば、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位、オキシフェニレン単位などが挙げられる。これらオキシアルキレン単位の中でもオキシメチレン共重合体の物性を向上させる観点から、オキシエチレン単位及びオキシテトラメチレン単位が特に好ましい。これらのコポリマーはホルムアルデヒド、トリオキサンと環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させることによって得られる。
【0026】
環状エーテル及び環状ホルマールとしては、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が例示される。
【0027】
本発明に用いられるポリアセタールのうち、重合直後にポリアセタール末端にヒドロキシル基を有している場合は不安定である。ポリアセタールがホモポリマーの場合には、末端のヒドロキシル基をエステル化、エーテル化、ウレタン化等により安定な基に変換(封止)することが好ましい。また、ポリアセタールがコポリマーの場合には、ホモポリマーと同様に処理するか、又は末端の不安定部分を加水分解によって除去することが好ましい。
【0028】
また、本発明に用いられるポリアセタールの重合度に関しては、特に制限はなく、溶融成形加工性を有するものであればよい。好ましいポリアセタールとしては、メルトマスフローレイト(JIS K−7210)が、0.1g/10分〜200g/10分、好ましくは0.5g/10分〜100g/10分、より好ましくは1.0g/10分〜80g/10分の範囲である。かかる範囲を外れて、メルトマスフローレイトが低くなると溶融粘度が高くなり、乳酸系ポリマーとの相溶性が悪くなる傾向が見られ、また、メルトマスフローレイトが高くなると、ポリアセタールの核剤性能が低くなる傾向が見られ好ましくない。
【0029】
エステル系可塑剤
本発明で用いられるエステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、多価アルコール誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、脂肪族又は芳香族カルボン酸エステル、ポリエーテルポリオール誘導体、リン酸誘導体などが挙げられ、特に、多価アルコール誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、ポリエーテルポリオール誘導体が好ましい。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0030】
多価アルコール誘導体としては、グリセリン誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、及びポリエーテルポリオール誘導体が好ましい、
【0031】
グリセリン誘導体としては、グリセリントリ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数1〜18)エステルが好ましく、具体的には、グリセリントリ酢酸エステル、グリセリントリプロピオン酸エステル、グリセリントリカプロン酸エステル、グリセリントリカプリル酸エステル、グリセリントリ(2−エチルヘキサン酸エステル)、グリセリントリイソノナン酸エステル、グリセリントリイソステアリン酸エステルなどが例示される。
【0032】
ヒドロキシカルボン酸誘導体としてはクエン酸誘導体が好ましく、具体的にはアセチルクエン酸トリアルキル(アルキル基:炭素数1〜18)エステル、及びクエン酸トリアルキル(アルキル基:炭素数1〜18)エステルが好ましい。アセチルクエン酸トリアルキル(アルキル基:炭素数1〜18)エステルとしては、具体的には、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリイソプロピル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ(2−エチルヘキシル)、アセチルクエン酸トリイソノニル、アセチルクエン酸トリイソステアリルなどが例示でき、またクエン酸トリアルキル(アルキル基:炭素数1〜18)エステルとしては、具体的には、クエン酸トリエチル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリ(2−エチルヘキシル)、クエン酸トリイソノニル、クエン酸トリイソステアリルなどが例示される。
【0033】
ポリエーテルポリオール誘導体としてはポリアルキレングリコール誘導体が好ましく、具体的には、ジエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、トリエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、テトラエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ジエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、トリエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、テトラエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、ポリエチレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、ジプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、トリプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、テトラプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ポリプロピレングリコールジ脂肪族カルボン酸(脂肪族カルボン酸:炭素数2〜18)エステル、ジプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、トリプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、テトラプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールジ芳香族カルボン酸エステルなどが例示できる。
【0034】
ポリアルキレングリコール誘導体の具体例として、ジエチレングリコールジ酢酸エステル、ジエチレングリコールジプロピオン酸エステル、ジエチレングリコールジカプロン酸エステル、ジエチレングリコールジカプリル酸エステル、ジエチレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、ジエチレングリコールジイソノナン酸エステル、ジエチレングリコールジイソステアリン酸エステル、トリエチレングリコールジ酢酸エステル、トリエチレングリコールジプロピオン酸エステル、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、トリエチレングリコールジイソノナン酸エステル、トリエチレングリコールジイソステアリン酸エステル、テトラエチレングリコールジ酢酸エステル、テトラエチレングリコールジプロピオン酸エステル、テトラエチレングリコールジカプロン酸エステル、テトラエチレングリコールジカプリル酸エステル、テトラエチレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、テトラエチレングリコールジイソノナン酸エステル、テトラエチレングリコールジイソステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールジ酢酸エステル、ポリエチレングリコールジプロピオン酸エステル、ポリエチレングリコールジカプロン酸エステル、ポリエチレングリコールジカプリル酸エステル、ポリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、ポリエチレングリコールジイソノナン酸エステル、ポリエチレングリコールジイソステアリン酸エステル、ジエチレングリコールジ安息香酸エステル、ジエチレングリコールジトルイル酸エステル、ジエチレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、ジエチレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、ジエチレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、ジエチレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、ジエチレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、ジエチレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ安息香酸エステル、トリエチレングリコールジトルイル酸エステル、トリエチレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル、テトラエチレングリコールジトルイル酸エステル、テトラエチレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、テトラエチレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、テトラエチレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、テトラエチレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、テトラエチレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、テトラエチレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、トリエチレングリコールジ安息香酸エステル、ポリエチレングリコールジトルイル酸エステル、ポリエチレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、ポリエチレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、ポリエチレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、ポリエチレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、ポリエチレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、ポリエチレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、ジプロピレングリコールジ酢酸エステル、ジプロピレングリコールジプロピオン酸エステル、ジプロピレングリコールジカプロン酸エステル、ジプロピレングリコールジカプリル酸エステル、ジプロピレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、ジプロピレングリコールジイソノナン酸エステル、ジプロピレングリコールジイソステアリン酸エステル、トリプロピレングリコールジ酢酸エステル、トリプロピレングリコールジプロピオン酸エステル、トリプロピレングリコールジカプロン酸エステル、トリプロピレングリコールジカプリル酸エステル、トリプロピレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、トリプロピレングリコールジイソノナン酸エステル、トリプロピレングリコールジイソステアリン酸エステル、テトラプロピレングリコールジ酢酸エステル、テトラプロピレングリコールジプロピオン酸エステル、テトラプロピレングリコールジカプロン酸エステル、テトラプロピレングリコールジカプリル酸エステル、テトラプロピレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、テトラプロピレングリコールジイソノナン酸エステル、テトラプロピレングリコールジイソステアリン酸エステル、ポリプロピレングリコールジ酢酸エステル、ポリプロピレングリコールジプロピオン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカプロン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカプリル酸エステル、ポリプロピレングリコールジ(2−エチルヘキサン酸エステル)、ポリプロピレングリコールジイソノナン酸エステル、ポリプロピレングリコールジイソステアリン酸エステル、ジプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ジプロピレングリコールジトルイル酸エステル、ジプロピレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、ジプロピレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、ジプロピレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、ジプロピレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、ジプロピレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、ジプロピレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、トリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、トリプロピレングリコールジトルイル酸エステル、トリプロピレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、トリプロピレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、トリプロピレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、トリプロピレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、トリプロピレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、トリプロピレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、テトラプロピレングリコールジ安息香酸エステル、テトラプロピレングリコールジトルイル酸エステル、テトラプロピレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、テトラプロピレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、テトラプロピレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、テトラプロピレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、テトラプロピレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、テトラプロピレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)、ポリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールジトルイル酸エステル、ポリプロピレングリコールジ(エチル安息香酸エステル)、ポリプロピレングリコールジ(イソプロピル安息香酸エステル)、ポリプロピレングリコールジ(t−ブチル安息香酸エステル)、ポリプロピレングリコールジ(クロロ安息香酸エステル)、ポリプロピレングリコールジ(ヒドロキシ安息香酸エステル)、ポリプロピレングリコールジ(フェニル安息香酸エステル)などが挙げられる。
【0035】
カルボン酸誘導体としては、例えば、オレイン酸ブチル、イソステアリン酸ブチルなどのモノカルボン酸エステルや、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアジピン酸エステル、アジピン酸の代わりにセバシン酸やアゼライン酸を用いたエステルなどが挙げられる。
【0036】
リン酸誘導体としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジルなどが挙げられる。
【0037】
乳酸系ポリマー
本発明に係る主成分である乳酸系ポリマーとしては、(a)乳酸ホモポリマー、(b)乳酸コポリマー、及び(c)乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種と他のポリマーとのブレンドポリマー等を例示できる。かかる乳酸系ポリマーの原料である乳酸成分としては、特に限定されるものではないが、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はこれらの混合物又は、乳酸環状2量体であるL−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、又はこれらの混合物を使用することができる。
【0038】
乳酸としては、L体とD体の比(L/D)は特に限定されるものではないが、高い融点を得るためには、光学純度が高いことが好ましい。具体的には、乳酸として、総乳酸中、L体を80モル%以上、更にL体を95モル%以上含むことが好ましい。また、ラクチドについても、総ラクチド中、L体を80モル%以上、更にL体を95モル%以上含むことが好ましい。かかる乳酸系ポリマーのうち、乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーの重量平均分子量は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは5万以上、更に好ましくは5万〜50万、更に好ましくは10万〜50万である。
【0039】
〈乳酸ホモポリマー〉
本発明で使用する乳酸ホモポリマーとしては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はこれらの混合物を直接脱水縮合するか、又は、L−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、又はこれらの混合物等の乳酸環状2量体ラクチドを開環重合することにより得られるポリマーを例示できる。
【0040】
〈乳酸コポリマー〉
乳酸コポリマーは、前記の乳酸モノマー、ラクチド又は乳酸ホモポリマーと他の共重合可能な成分とのランダム又はブロック共重合体である。この場合、乳酸コポリマーの製造に使用する乳酸ホモポリマーとしては、広い範囲のものが使用できるが、重量平均分子量1000〜200000程度、好ましくは5000〜100000程度のものを使用するのが望ましい。
上記共重合可能な他の成分としては、例えば、分子内に2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つ化合物、例えば、a)ジカルボン酸、b)多価アルコール、c)乳酸以外のヒドロキシカルボン酸、d)ラクトン等、及びe)これらの種々の構成成分より成る各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
【0041】
a)上記ジカルボン酸としては、具体的には、炭素数4〜50、特に炭素数4〜20の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、及びポリエーテルジカルボン酸が例示される。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などが好ましく、及び芳香族ジカルボンとしては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが好ましい。
【0042】
ポリエーテルジカルボン酸としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンエーテルの両末端にカルボキシメチル基を有するジカルボン酸が好ましく、これらのうちでも、特に数平均分子量が2000以下、好ましくは1000以下、さらに好ましくは178〜1000のポリエーテルジカルボン酸が好ましい。
【0043】
b)上記多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール類、芳香族多価アルコール類、及びポリアルキレンエーテル類が例示される。
【0044】
脂肪族ポリオール類としては、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの水酸基2〜4個有する炭素数2〜50、特に2〜20の脂肪族ポリオール類が例示される。
【0045】
芳香族多価アルコール類としては、ビス−(オルソ、メタ又はパラ)ヒドロキシメチルベンゼン、ヒドロキノンなどの炭素数6〜20の芳香族ジオール類、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類に炭素数2〜4のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドを付加反応させた数平均分子量2000以下、特に数平均分子量1000未満の芳香族ジオール類が例示される。
【0046】
ポリアルキレンエーテル類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の数平均分子量が2000以下、特に1000以下のエーテルグリコール類が挙げられる。
【0047】
c)乳酸以外のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、6−ヒドロキシカプロン酸等の炭素数3〜10のヒドロキシカルボン酸(但し乳酸を除く)が例示される。
【0048】
d)ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が例示される。
【0049】
e)各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネートとしては、乳酸コポリマー製造に従来から使用されているものであれば、特に制限されることなく使用でき、これらの重量平均分子量としては、1000〜150000、好ましくは5000〜100000の範囲のものが推奨される。
【0050】
上記各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネートのうちでも、特に、ポリエステルをコモノマーとするのが好ましい。かかるコモノマーとしてのポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステルが好ましい。
【0051】
上記脂肪族ポリエステルの一方の構成成分である脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの炭素数4〜20の直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましいが、側鎖や二重結合を有しているものも使用することができる。
【0052】
上記脂肪族ポリエステルの一方の構成成分である脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどの炭素数2〜20の脂肪族ジオール及びポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレンエーテル(単独重合体又は共重合体)及びポリアルキレンカーボネートが例示される。ポリアルキレンエーテル及びポリアルキレンカーボネートとしては、数平均分子量が2000以下、特に1000以下のものが好ましい。 かかる脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジオールの他に、副次的な成分として、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸などのヒドロキシカルボン酸、ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン、芳香族ジカルボン酸などのエステル結合形成性の官能基を有する化合物であれば、本発明の効果が損なわれない範囲で、上記脂肪族ポリエステルの構成成分として用いることもできる。以上のような乳酸コポリマーのうちでも、特に乳酸と前記ヒドロキシカルボン酸(乳酸を除く)との共重合体、乳酸/ジオール/ジカルボン酸共重合体(特に、乳酸と前記脂肪族ジオールと前記脂肪族ジカルボン酸との共重合体)、乳酸と前記ラクトンとの共重合体等が好ましい。
【0053】
本発明で使用する乳酸コポリマーにおいて、上記共重合成分a)〜e)は、乳酸を主成分とする乳酸系ポリマーの全重量の50重量%未満が好ましい。共重合体成分が多いと、乳酸系ポリマーの結晶性や耐熱性が低下する傾向が見られることから、共重合成分の比率は目的や用途によって適宜選択されるが、乳酸系ポリマーの全重量に対して、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%であることが推奨される。
【0054】
〈ブレンドポリマー〉
ブレンドポリマーは、上記乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分とし、更に、他のポリマーとして、ポリエステル、例えば、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル又はそれらの混合物を含む配合物である。該他のポリマーとしては、特に、生分解性の点から脂肪族ポリエステルが好ましい。
【0055】
他のポリマーの配合比率は、目的と用途により適宜選択されるが、上記乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種95〜50重量%に対し、ポリエステル5〜50重量%の範囲が好ましい。ポリエステルの量が、5重量%未満だと柔軟性や耐衝撃性が得られにくい傾向にあり、50重量%を越えると、機械物性が不充分となる傾向が見られ、また透明性が得られにくくなる傾向にある。上記乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種94〜60重量%に対し、ポリエステル6〜40重量%の範囲がより好ましい。
【0056】
かかるブレンドポリマーにおけるポリエステルの分子量は、あまり低分子量であると機械物性が不充分となり好ましくない。ポリエステルとしては、重量平均分子量が、好ましくは1万以上、更に好ましくは3万以上、更に好ましくは5万以上、通常50000〜300000のものが最も広く用いられる。
【0057】
脂肪族ポリエステルの構成成分である脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの炭素数4〜20の直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましいが、側鎖や二重結合を有しているものも用いることができる。
【0058】
もう一方の構成成分である脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどの炭素数2〜20の脂肪族ジオール及びポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレンエーテル(単独重合体又は共重合体)及びポリアルキレンカーボネートが例示される。ポリアルキレンエーテル及びポリアルキレンカーボネートとしては、数平均分子量が2000以下、特に1000以下のものが好ましい。
【0059】
かかる脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジオールの他に、副次的な成分としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸などのヒドロキシカルボン酸、ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン、芳香族ジカルボン酸などのエステル結合形成性の官能基を有するものであれば、本発明の効果が損なわれない範囲で、上記脂肪族ポリエステルの構成成分として用いることもできる。
【0060】
〈乳酸系ポリマーの製造方法〉
本発明の主成分である乳酸系ポリマーは、いずれも、従来公知の方法で製造することができる。具体的には、乳酸ホモポリマーは、乳酸モノマーからの直接脱水縮合、または乳酸環状2量体ラクチドの開環重合によって製造することができる(例えば、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報)。
【0061】
ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例えば、米国特許第4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin、14、491−495(1985)及びMakromol Chem,187、1611−1628(1986)等の文献に記載されている。
【0062】
乳酸系ポリマーとして、乳酸と前記c)のヒドロキシカルボン酸との共重合体又は乳酸と前記d)のラクトンとの共重合体を用いる場合の該共重合体の製造方法としては、乳酸と前記c)のヒドロキシカルボン酸を直接脱水重縮合するか、乳酸環状2量体(ラクチド)と前記d)のラクトンとを、触媒としてジカプロン酸スズ等の脂肪族金属塩を適宜用いて開環重合する方法が挙げられる(例えば、特開平6−306264号公報、米国特許第4057537号明細書)。
【0063】
乳酸系ポリマーとして乳酸/ジオール/ジカルボン酸共重合体を用いる場合の該共重合体の製造方法としては、開環重合触媒の存在下で乳酸環状2量体と種々の構成割合からなる脂肪族ジカルボン酸成分及びジオール成分からなるポリエステルポリマーと反応させる方法(例えば、特開平7−173266号公報)、(i)乳酸ホモポリマーと、(ii)脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸成分からなるポリエステルとを、有機溶媒存在下に反応させる方法(例えば、EP0712880A2公報)等が挙げられる。
【0064】
また、本発明で使用するブレンドポリマーは、上記乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種と前記他のポリマーとを、常法に従って、ブレンドすることにより得られる。ブレンド法としては、特に限定されないが、例えば、溶融状態や溶液状態で機械的撹拌等で混合してもよく、粉末状や粒子状で混合して、溶融又は溶解する従来公知の方法が採用できる。具体的には、押出機、リアクター、ロール等を使用して上記ブレンドポリマーを用いることができる。
【0065】
乳酸系ポリマー組成物
本発明の乳酸系ポリマー組成物は、乳酸系ポリマー、上記ポリアセタール、上記エステル系可塑剤、及び必要に応じてその他の添加剤を含有するものである。
【0066】
該ポリアセタールの添加量は、乳酸系ポリマー100重量部に対して、0.1〜80重量部であり、好ましくは、1〜50重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。0.1重量部未満では、透明核剤としての効果が不十分となる傾向があり、逆に80重量部を越えると、該ポリアセタール自身が結晶性ポリマーであるため成形物の透明性が悪化する傾向が見られる。
【0067】
該エステル系可塑剤の添加量は、乳酸系ポリマー100重量部に対して、1〜300重量部であり、好ましくは、1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。1重量部未満では結晶促進剤としての効果が不十分となる傾向があり、逆に300重量部を越えると、得られる成形体の表面に該可塑剤がブリードアウトし、経時劣化を起こす傾向がある。また、乳酸系ポリマーに配合される該エステル系可塑剤は、通常単独で使用されるが、必要に応じて2種以上併用して使用してもよい。
【0068】
乳酸系ポリマーにポリアセタール及びエステル系可塑剤を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来この分野で公知の混練装置が採用できる。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、押出機、リアクター、ニーダー、ロール及びこれらの組合せなどを用い、各原料を固体状で混合させたり、又、さらにポリマーを溶融させながら混合混練させる方法が挙げられる。この混合混練は通常120〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度で行われる。得られる本発明の乳酸系ポリマー組成物は、通常、ペレットの形態に製造される。
【0069】
更に、本発明の乳酸系ポリマー組成物には、結晶化速度、耐熱性、機械物性、耐ブロッキング性等の諸物性を改善するためにタルク、カオリナイト、SiO2、クレー等無機添加剤を、得られる成形体の透明性を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。例えば、i)耐ブロッキング性の物性改良を目的とした場合、例えば、粒径が1〜50nmのSiO2等が透明性を損なうことがないため好適である。ii)成形加工時の結晶化速度をさらに向上させることを目的とした場合、SiO2成分を10重量%以上含む結晶性の無機物を用いることができ、具体的には、タルクTM−30(富士タルク社製)、カオリンJP−100(土屋カオリン社製)、NNカオリンクレー(土屋カオリン社製)、カオリナイトASP−170(富士タルク社製)、カオリンUW(エンゲルハード社製)、タルクRF(富士タルク社製)等が挙げられる。
【0070】
かかる無機添加剤の添加量は、成形体の透明性を損なわない範囲であれば特に制限はないが、乳酸系ポリマー100重量部に対して、30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、最も好ましくは1重量%以下が好適である。また、更に他の添加剤として、成形体の透明性を損なわない範囲で、顔料、安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、滑剤、染料、抗菌剤、各種エラストマー、各種フィラーなどを目的や用途に応じて適宜使用することができる。
【0071】
本発明の成形体
かくして得られる本発明の乳酸系ポリマー組成物を成形することにより得られる成形体は、生分解性も良好で、透明性及び結晶性(耐熱性)に優れている。
【0072】
成形方法としては、一般のプラスチックと同様の押出成形、射出成形、真空成形、圧空成形などの各種成形方法が採用でき、特に限定されるものではない。
【0073】
〈結晶化〉
乳酸系ポリマー組成物を成形時、又は成形後において成形体を結晶化させる方法として、例えば、1)成形時に該組成物の溶融物を金型内に充填し、金型内でそのまま結晶化させる方法、2)該組成物の溶融物をTダイ押出成形機から押出し、チルロールにて結晶化させる方法(以下1)と2)を「一段階結晶化法」と略記する。)及び3)該組成物の非晶性又は一部結晶化した成形体を熱処理する方法(以下「二段階結晶化法」と略記する。)が挙げられる。この一段階結晶化法及び二段階結晶化法では、成形体を結晶化する際の最適の温度条件は異なる。
【0074】
一段階結晶化法における結晶化の温度条件は、該組成物の示差走査熱量分析(以下「DSC分析」と略記する。)における乳酸系ポリマーの結晶化開始温度(以下「Tc」と略記する。)から、ガラス転移温度(以下「Tg」と略記する。)までの温度範囲が好ましい。Tcより高い温度では、結晶化速度が著しく小さくなり、生産性、操作性が悪くなったり、さらには結晶化しなくなり、目的とする成形体が得られない場合があり、逆にTg温度より低い温度では結晶化速度が著しく小さく、目的とする成形体が得られない場合がある。この方法では、結晶化の保持時間は、該乳酸系ポリマー組成物によっても異なるが、成形体が十分に結晶化するにたる時間以上であれば、特に制限はない。
【0075】
また、二段階結晶化法の場合、設定温度条件は、該組成物における乳酸系ポリマーの融点(以下「Tm」と略記する。)からTgまでの温度範囲、より好ましくは、(Tg+5℃)から(Tm−20℃)、さらに好ましくは(Tg+10℃)から(Tm−40℃)までの温度範囲がよい。設定温度がTmより高い場合は、短時間で結晶化させても透明性を損ねたり、形状が歪んだりする場合があり、さらに長時間加熱すると融解する場合がある。逆にTgより低い温度では、結晶化速度が著しく小さく、目的とする結晶性の成形体が得られない場合がある。この方法では成形体を熱処理する時間は、組成物により異なるが、成形体が十分に結晶化するに足る時間以上であれば、特に制限されない。
【0076】
但し、二段階結晶化法は、一段階結晶化法に比べて成形サイクルスピードが遅いため、工業的には必ずしも十分な方法とは言えない。本発明の乳酸系ポリマー組成物は、上記、一段階結晶化法、二段階結晶化法の何れの結晶化方法でも、透明性と結晶性の高い成形体を得ることができる。
【0077】
本発明における推定される結晶化機構は、溶融状態の乳酸系ポリマー組成物が冷却されていくと、乳酸系ポリマー組成物の中で結晶化開始温度の高いポリアセタールが結晶化し、次いで、ポリアセタールの結晶を核として乳酸系ポリマーが結晶化するため、小さな結晶となり、透明性で結晶性の高い成形体が得られ、ポリアセタールが透明核剤として作用しているものと推定される。また、エステル系可塑剤は、結晶化速度を上げる機能を有し、特に乳酸系ポリマーの結晶化速度を上げ、成形体の成形サイクルを短縮できたものと推定される。
【0078】
なお、本明細書において、Tg、Tmとは、DSC分析にて、乳酸系ポリマー組成物を10℃/分の条件下で昇温した時の乳酸系ポリマーがゴム状に変わる点をガラス転移温度(Tg)、乳酸系ポリマーの融解ピークの頂点温度(融点:Tm)を示し、また、Tcとは、DSC分析にて該組成物の溶融物を10℃/分の条件下で冷却した時の乳酸系ポリマーの結晶化開始温度(Tc)を示す。
【0079】
〈成形体の製造方法〉
以下に、本発明に係る、成形体に透明性と結晶性を同時に付与することができる成形体の製造方法を説明する。
【0080】
例えば、a)射出成形の場合、ポリアセタール、エステル系可塑剤及び乳酸系ポリマーを添加した乳酸系ポリマー組成物(ペレット)の溶融物を、TcからTgの温度範囲内に保持された金型内に充填し保持することにより、本発明で目的とする透明性及び結晶性を有する成形体を一段階製造方法により得ることができる。また、例えば、上記ペレットを用いてTg未満の温度に保持された金型に充填して、得られた非晶性又は一部結晶化した成形体を、TgからTmの温度範囲内の雰囲気下に保持したり、又は適当な熱媒体と接触させることにより、本発明で目的とする透明性及び結晶性を有する成形体を二段階製造法により得ることができる。
【0081】
b)押出成形の場合、例えば、上記ペレットの溶融物を、一般的なTダイ押出成形機でTcからTgの温度範囲内に保持されたチルロールに押出し、チルロール上で結晶化させることにより、本発明で目的とする透明性及び結晶性を有するシートやフィルムを一段階製造法で得ることができる。また、例えば、上記ペレットを、一般的なTダイ押出成形機でTg未満の温度に保持されたチルロールに押出して得られた非晶性又は一部結晶化したフィルムやシートを、TgからTmの範囲内に保持されたオーブン(加熱炉)中や温水中に連続的に通過させ熱処理したり、あるいはバッチ的に熱処理したりすることにより、本発明で目的とする透明性及び結晶性を有するシートやフィルムを二段階製造方法で得ることができる。
【0082】
本発明の乳酸系ポリマー成形体は、優れた透明性を有しており、透明性の指標として、特に厚みが0.5mmの該成形体のへイズが30%以下であることが好ましい。また、乳酸系ポリマー成形体は、高い結晶性を有しており、結晶性の指標として、特にX線回折装置により測定された結晶化度が30%以上であることが好ましい。上記製造方法により、結晶化度が30%以上であり、厚みが0.5mmにおいてヘイズが30%以下の成形体が容易に得られる。更に上記成形条件の中で結晶化の適切な温度条件を選べば、厚みが0.5mmにおいてヘイズが15%以下の結晶性(耐熱性)及び透明性を有する乳酸系ポリマー成形体を得ることもできる。
【0083】
本発明の透明性、結晶性(耐熱性)及び分解性を有する乳酸系ポリマー成形体の用途としては、フィルム、シート、テープ、ラベル、ラミネート、繊維、編物、織物、不織布、紙、フェルト、板、棒、袋、チューブ、多孔質成形品、各種容器、各種部品、及びその他の成形品を容易に得ることができる。具体的には、本発明の成形体は、農業用袋、マルチフィルム、トンネルフィルム、植生シート、植生ネット、種紐、養生シート、苗木用ポット、釣糸、漁網などの農水産業・園芸用資材、食器用容器(例えば、インスタント食品、弁当箱、ファーストフード)、食品包装用フィルム、トレー、ストレッチフィルム、シュリンクフィルム、飲料用ボトルなどの食品包装用材料、断熱材、型枠、土留め、保水シート、土嚢などの土木・建築資材、紙おむつ、生理用品包装などの衛生用材料、食品袋、レジ袋、ゴミ袋、一般規格袋、シート、テープ、ラベル、シャンプーボトル、リンスボトル、化粧品容器などの日用雑貨品、梱包材、緩衝材、結束テープ、紐などの産業用資材である。
【0084】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、ポリアセタールのメルトマスフローレイト、及び本発明の乳酸系ポリマー組成物から得れれる成形体の物性評価は、以下の通りである。
1)ポリアセタールのメルトマスフローレイト
JIS K−7210に準拠し、試験温度190℃、公称荷重2.16kgの条件で測定した。
2)透明性(ヘイズ)
JIS K−6714に準拠し、東洋精機製作所製、Haze Meterを使用して測定した。
3)結晶化度
X線回折装置(理学電機社製、RINT−2100型)にて成形後の試験片を測定し、得られたチャートの結晶ピーク面積の総面積に対する比率を求めた。
4)引張試験
JIS K−6723に準拠し、降伏強度及び伸びを測定した。
5)耐熱性試験
試験片を80℃のギヤオーブンに入れ、24時間後の試験片の変形状態を目視により判断し、次の3段階で評価した。
○:変形が認められない
△:少し変形が認められる
×:明らかに変形が認められる
6)結晶化開始温度(Tc)
示差走査熱量分析装置(島津製作所製、DSC−50)を使用して乳酸系ポリマー組成物を一旦溶融した後、10℃/分の条件下で降温した時、乳酸系ポリマーの結晶化ピークが認められた温度を結晶化開始温度(Tc)とした。
7)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量分析装置(島津製作所製、DSC−50)を使用して乳酸系ポリマー組成物を10℃/分の条件下で昇温した時、乳酸系ポリマーがゴム状に変化する点をガラス転移点(Tg)、乳酸系ポリマーの融解ピークの頂点を融点(Tm)とした。
【0085】
以下の実施例中のポリアセタールは、ポリプラスチック社製のMFR(g/10分)が、a)2.5、b)9.0、及びc)45.0のものを使用した。また、例中の部は、全て重量基準である。
【0086】
実施例1〜18
ポリ乳酸(重量平均分子量14万、L−乳酸/D−乳酸=95/5、島津製作所製、商品名「ラクティ#9000」)100重量部に対し、表1に記載のポリアセタール及びエステル系可塑剤を所定量混合し、直径20mmの押出機(長さ/直径の比=19、東洋精機製作所製、商品名「ラボプラストミル」)を用いて200℃で混練りし、窒素パージにより押し出された樹脂組成物を水により冷却後、ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットは成形前に、予め、50℃で真空乾燥を24時間行った後に使用した。
【0087】
次に、上記乾燥ペレットを、200℃/2minで溶融させ、さらに200℃/100kgf/cm2/5minでプレスし、引き続き表1記載の条件下で熱処理し、厚さ0.5mmのシートを一段階結晶化法により得た。
【0088】
得られたシートから、試験片(厚さ=0.5mm)を切り出し、その試験片の透明性(ヘイズ)、結晶化度、引張試験、及び耐熱性試験を測定した。その結果を表1に示す。
【0089】
比較例1〜5
ポリアセタールを添加しないことを除いて、実施例1と同様にペレット化した。得られたペレットを乾燥し、実施例と同様の方法により成形し、表2に示す条件下で熱処理し、厚さ0.5mmのシートを得た。得られたシートの物性測定結果を表2に示す。
【0090】
比較例6〜7
エステル系可塑剤を添加しないことを除いて、実施例1と同様にペレット化した。得られたペレットを乾燥し、実施例1と同様に方法により成形し、表2に示す条件で熱処理し、厚さ0.5mmのシートを得た。得られたシートの物性測定結果を表2に示す。
【0091】
比較例8〜9
ポリアセタール及びエステル系可塑剤を添加しないことを除いて、実施例1と同様にペレット化した。得られたペレットを乾燥し、実施例1と同様に方法により成形し、表2に示す条件で熱処理し、厚さ0.5mmのシートを得た。得られたシートの物性測定結果を表2に示す。
【0092】
【0093】
【0094】
注)表1及び表2において、A〜Kの各記号は、次のエステル系可塑剤を指す。
A:グリセリントリ酢酸エステル
B:アセチルクエン酸トリブチル
C:クエン酸トリ(2−エチルへキシル)
D:トリエチレングリコールジ(2−エチルへキサン酸エステル)
E:ジエチレングリコールジ安息香酸エステル
F:数平均分子量400ポリエチレングリコールのジ(2−エチルへキサン酸エステル)
G:数平均分子量200ポリエチレングリコールのジ安息香酸エステル
H:トリプロピレングリコールジ(2−エチルへキサン酸エステル)
I:ジプロピレングリコールジ安息香酸エステル
J:数平均分子量400ポリプロピレングリコールのジ(2−エチルへキサン酸エステル)
K:数平均分子量400ポリプロピレングリコールのジ安息香酸エステル
【0095】
【発明の効果】
本発明により、透明性及び結晶性(耐熱性)を有する乳酸系ポリマーからなる成形体を提供することができる。本発明により、乳酸系ポリマーからなる成形体に、高い透明性と高い結晶性を同時に付与することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lactic acid polymer composition containing a lactic acid polymer, and a lactic acid polymer molded article obtained by molding the lactic acid polymer composition.
[0002]
[Prior art]
Lactic acid-based polymers are biodegradable and have a low calorific value of about 1/3 to 1/2 of polyethylene, polypropylene, etc., and do not damage the incinerator. Also, during incineration, hydrogen chloride, NOx, SOx, In particular, it does not generate toxic gases such as dioxins. Furthermore, since lactic acid polymers can use renewable plant resources (such as corn starch) as starting materials every year, it is not necessary to use fossil resources such as petroleum. Yes.
[0003]
On the other hand, in recent years, with the rapid development of technology development in fields such as electronics, mechatronics, optoelectronics, laser, liquid crystal, optics, office automation, factory automation, etc., the demand for transparent plastic films has increased rapidly, and its use has also increased dramatically. Is expanding. Specifically, for example, an overhead projector film, a plate-making film, a tracing film, a food wrapping film, an agricultural film, a transparent conductive film (for example, a screen touch panel for computer input), a heat ray reflective film, Examples include liquid crystal display films, polarizing films for liquid crystal displays, and printed circuit boards.
[0004]
Conventionally, hard films with low flexibility (flexibility) such as glass, acrylic (for example, polymethyl methacrylate), and polycarbonate have been used for these applications. Replacement with a transparent film excellent in ease and heat resistance is rapidly progressing. A polyethylene terephthalate (PET) film can be used as a part of such an alternative film. However, for applications that require degradability, for example, PET may be a problem. Against this background, in the technical field of transparent films, it is expected that the role played by transparent films having transparency, heat resistance (crystallinity), and decomposability will be further increased.
[0005]
By the way, a molded product of a lactic acid polymer such as polylactic acid which is a degradable, thermoplastic polymer, lactic acid and other aliphatic hydroxycarboxylic acid and / or a copolymer of aliphatic polyhydric alcohol and aliphatic polycarboxylic acid (for example, Films, sheets, balls, cups, various molded products, etc.) are usually amorphous immediately after molding, and there are almost crystals with a size equal to or greater than the wavelength of light that causes light scattering. It is transparent because it does not. However, since the obtained molded body is usually amorphous, it is inferior in heat resistance. For this reason, the amorphous polylactic acid container is excellent in transparency but has low heat resistance, so that hot water or a microwave oven cannot be used, and its application is limited. As a method for improving heat resistance, there is a method of performing heat treatment such as filling in a mold held near the crystallization temperature at the time of molding, or heat-treating (annealing) an amorphous molded product after molding. It has been adopted. However, when the degree of crystallinity is increased by heat treatment, a crystal having a size equal to or larger than the wavelength of light that causes light scattering (for example, a spherulite) is usually larger than the wavelength of visible light. Since it grows so rapidly, the molded body becomes opaque.
[0006]
In the technical field related to lactic acid-based polymers, for example, a technique for adding the following additives is disclosed, but for the purpose of suppressing the growth of spherulites, imparting transparency, and accelerating the crystallization rate, Little is known about the technique of adding a crystal nucleating agent.
[0007]
1) Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-70696 discloses a biodegradable plastic such as poly-3-hydroxybutyrate / poly-3-hydroxyvalerate copolymer, polycaprolactone or polylactic acid as a material for a plastic container. In addition, it is disclosed that 10 to 40% by weight of calcium carbonate having an average particle diameter of 20 μm or less and hydrous magnesium silicate (talc) are mixed. However, in this technique, decomposability can be promoted by adding a large amount of an inorganic filler, but it is difficult to improve the transparency and heat resistance (crystallinity) of the polymer.
[0008]
2) In Japanese National Publication No. Hei 4-504731 (WO 90/01521), by adding a filler of an inorganic compound such as silica or kaolinite to lactide thermoplastic, hardness, strength, temperature Techniques for changing the resistive nature are disclosed. In this example, 5% by weight of calcium lactate is added to the L, DL-lactide copolymer as a nucleating agent, and blended for 5 minutes with a 170 ° C. heating roll, resulting in excellent rigidity and strength, and crystallinity. A technique for manufacturing a high-height sheet is disclosed. However, it is disclosed that the transparency is remarkably lowered even in such a technique.
[0009]
3) Japanese Patent Publication No. 6-504799 (WO 92/04413) discloses a technique of adding lactate and benzoate as a nucleating agent to lactide thermoplastic. In that example, polylactide copolymer was blended with 1% calcium lactate, injection molded in a mold held at about 85 ° C. with a residence time of 2 minutes, and further annealed in the mold at about 110-135 ° C. Techniques to do this are disclosed. Also in this case, it is disclosed that the transparency is significantly lowered.
[0010]
With the techniques described in these documents, it has been difficult to simultaneously impart transparency and crystallinity to a molded body of a lactic acid-based polymer.
[0011]
[Problems to be solved]
An object of the present invention is to provide a lactic acid polymer composition capable of producing a molded article having the transparency and crystallinity (heat resistance), and a molded article formed by molding the lactic acid polymer composition. There is to do.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have added polyacetal and an ester plasticizer to a lactic acid polymer, and crystallized the molded body at the time of molding (or after molding), It has been found that a molded article having transparency and crystallinity (heat resistance) can be obtained by synergistic action of polyacetal and ester plasticizer, and that the molding cycle can be shortened by increasing the crystallization speed. It was.
[0013]
That is, this invention is completed based on this knowledge, and it aims at providing the following lactic acid-type polymer composition and its molded object.
Item 1. A lactic acid polymer composition comprising a polyacetal, an ester plasticizer, and a lactic acid polymer.
[0014]
Item 2. The lactic acid polymer composition according to Item 1, wherein the polyacetal has a melt mass flow rate (MFR) in the range of 0.1 g / 10 min to 200 g / 10 min.
[0015]
Item 3 The item 1 or 2, wherein the ester plasticizer is at least one selected from the group consisting of polyhydric alcohol derivatives, hydroxycarboxylic acid derivatives, aliphatic or aromatic carboxylic acid esters, polyether polyol derivatives, and phosphoric acid derivatives. 3. A lactic acid polymer composition according to 2.
[0016]
Item 4 The lactic acid polymer composition according to any one of Items 1 to 3, wherein the ester plasticizer is at least one selected from the group consisting of a glycerin derivative, a citric acid derivative and a polyalkylene glycol derivative.
[0017]
Item 5 The lactic acid-based polymer composition according to Item 4, wherein the glycerin derivative is at least one of glycerin trialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester.
[0018]
Item 6 The citric acid derivative is at least one selected from the group consisting of trialkyl citrate (alkyl group: carbon number 1-18) ester and trialkyl citrate (alkyl group: carbon number 1-18) ester. Item 5. The lactic acid polymer composition according to Item 4.
[0019]
Item 7 The polyalkylene glycol derivative is diethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, triethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, Tetraethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, polyethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (fatty acid carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, diethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, Triethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, tetraethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, polyethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, dipropylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) , Tripropylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, tetrapropylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, polypropylene glycol dialiphatic Carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2-18 carbon atoms) ester, dipropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, tripropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, tetrapropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester and polypropylene glycol diaromatic Item 5. The lactic acid polymer composition according to Item 4, which is at least one selected from the group consisting of aliphatic carboxylic acid esters.
[0020]
Item 8 The lactic acid polymer composition according to any one of Items 1 to 7, wherein the lactic acid polymer has a weight average molecular weight of 50,000 or more.
[0021]
Item 9 The lactic acid polymer composition according to any one of Items 1 to 8, comprising 0.1 to 80 parts by weight of polyacetal and 1 to 300 parts by weight of an ester plasticizer with respect to 100 parts by weight of the lactic acid polymer.
[0022]
Item 10 A molded article obtained by molding the lactic acid polymer composition according to any one of Items 1 to 9.
[0023]
Item 11 The molded article according to Item 10, which is in the form of a sheet or a film.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Polyacetal
The polyacetal used in the present invention is a polymer compound having an oxymethylene group represented by the general formula (1) as a main structural unit, i) an oxymethylene homopolymer, and ii) an oxymethylene group as a main repeating unit. And copolymers containing other structural units. Specifically, the former oxymethylene homopolymer includes a polymer obtained by homopolymerizing formaldehyde or trioxane. Examples of the latter copolymer include a copolymer having a structure in which an oxymethylene unit represented by the following general formula (1) and an oxyalkylene unit represented by the following general formula (2) are randomly bonded. .
[Wherein n is an integer of 1 or more. ]
[Wherein R1And R2Are the same or different and each represents a hydrogen atom, a halogen, an alkyl group, an allyl group, an aryl-substituted alkyl group, an aryl group, an alkyl-substituted aryl group, or an alkoxy group. m is an integer of 2-6. ]
[0025]
The ratio of this oxyalkylene unit is preferably 0.05 to 50 mol, more preferably 0.1 to 20 mol, per 100 mol of oxymethylene units. Examples of the oxyalkylene unit include an oxyethylene unit, an oxypropylene unit, an oxytetramethylene unit, and an oxyphenylene unit. Among these oxyalkylene units, an oxyethylene unit and an oxytetramethylene unit are particularly preferable from the viewpoint of improving the physical properties of the oxymethylene copolymer. These copolymers are obtained by copolymerizing formaldehyde, trioxane, cyclic ether, and cyclic formal.
[0026]
Specific examples of cyclic ether and cyclic formal include ethylene oxide, propylene oxide, butylene oxide, epichlorohydrin, epibromohydrin, styrene oxide, oxetane, 3,3-bis (chloromethyl) oxetane, tetrahydrofuran, trioxepane, 1,3 -Dioxolane, propylene glycol formal, diethylene glycol formal, triethylene glycol formal, 1,4-butanediol formal, 1,5-pentanediol formal, 1,6-hexanediol formal and the like are exemplified.
[0027]
Among the polyacetals used in the present invention, it is unstable when it has a hydroxyl group at the end of the polyacetal immediately after polymerization. When the polyacetal is a homopolymer, the terminal hydroxyl group is preferably converted (sealed) to a stable group by esterification, etherification, urethanization, or the like. When the polyacetal is a copolymer, it is preferably treated in the same manner as the homopolymer or the terminal unstable portion is removed by hydrolysis.
[0028]
Moreover, there is no restriction | limiting in particular regarding the polymerization degree of the polyacetal used for this invention, What is necessary is just to have melt-molding workability. As a preferable polyacetal, melt mass flow rate (JIS K-7210) is 0.1 g / 10 min to 200 g / 10 min, preferably 0.5 g / 10 min to 100 g / 10 min, more preferably 1.0 g / 10. The range is from min to 80 g / 10 min. Outside this range, if the melt mass flow rate is low, the melt viscosity is high and the compatibility with the lactic acid polymer tends to be poor, and if the melt mass flow rate is high, the nucleating agent performance of polyacetal is low. A tendency is seen, which is not preferable.
[0029]
Ester plasticizer
The ester plasticizer used in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include polyhydric alcohol derivatives, hydroxycarboxylic acid derivatives, aliphatic or aromatic carboxylic acid esters, polyether polyol derivatives, and phosphoric acid derivatives. In particular, polyhydric alcohol derivatives, hydroxycarboxylic acid derivatives, and polyether polyol derivatives are preferable. These may be used alone or in combination of two or more.
[0030]
As the polyhydric alcohol derivative, a glycerin derivative, a hydroxycarboxylic acid derivative, and a polyether polyol derivative are preferable.
[0031]
As the glycerin derivative, glycerin trialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: carbon number 1 to 18) ester is preferable, and specifically, glycerin triacetic acid ester, glycerin tripropionic acid ester, glycerin tricaproic acid ester, glycerin. Examples include tricaprylic acid ester, glycerin tri (2-ethylhexanoic acid ester), glycerin triisononanoic acid ester, glycerin triisostearic acid ester and the like.
[0032]
As the hydroxycarboxylic acid derivative, a citric acid derivative is preferable. Specifically, a trialkyl (alkyl group: carbon number 1 to 18) ester of acetyl citrate and a trialkyl citrate (alkyl group: carbon number 1 to 18) ester are used. preferable. Specific examples of the acetyl citrate trialkyl (alkyl group: carbon number 1 to 18) ester include acetyl citrate triethyl, acetyl citrate triisopropyl, acetyl citrate tributyl, acetyl citrate tri (2-ethylhexyl), Examples include acetyl citrate triisononyl, acetyl citrate triisostearyl, and the like. Specific examples of the trialkyl citrate (alkyl group: carbon number 1 to 18) ester include triethyl citrate, triisopropyl citrate, Examples include tributyl acid, tri (2-ethylhexyl) citrate, triisononyl citrate, triisostearyl citrate and the like.
[0033]
The polyether polyol derivative is preferably a polyalkylene glycol derivative. Specifically, diethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2 to 18 carbon atoms) ester, triethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid). Acid: 2-18 carbon atoms ester, tetraethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2-18 carbon atoms) ester, polyethylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2-18 carbon atoms) ) Ester, Diethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, Triethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, Tetraethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, Polyethylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, Dipropylene glycol dialiphatic acid Boronic acid (aliphatic carboxylic acid: 2-18 carbon atoms) ester, tripropylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: 2-18 carbon atoms) ester, tetrapropylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid) Acid: carbon number 2-18) ester, polypropylene glycol dialiphatic carboxylic acid (aliphatic carboxylic acid: carbon number 2-18) ester, dipropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester, tripropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester And tetrapropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester and polypropylene glycol diaromatic carboxylic acid ester.
[0034]
Specific examples of polyalkylene glycol derivatives include diethylene glycol diacetate, diethylene glycol dipropionate, diethylene glycol dicaproate, diethylene glycol dicaprylate, diethylene glycol di (2-ethylhexanoate), diethylene glycol diisononanoate, diethylene glycol diisostearate. Acid ester, triethylene glycol diacetate, triethylene glycol dipropionate, triethylene glycol dicaproate, triethylene glycol dicaprylate, triethylene glycol di (2-ethylhexanoate), triethylene glycol di Isononanoic acid ester, triethylene glycol diisoste Phosphate ester, tetraethylene glycol diacetate ester, tetraethylene glycol dipropionate ester, tetraethylene glycol dicaproate ester, tetraethylene glycol dicaprylate ester, tetraethylene glycol di (2-ethylhexanoate), tetraethylene glycol Diisononanoic acid ester, tetraethylene glycol diisostearic acid ester, polyethylene glycol diacetic acid ester, polyethylene glycol dipropionic acid ester, polyethylene glycol dicaproic acid ester, polyethylene glycol dicaprylic acid ester, polyethylene glycol di (2-ethylhexanoic acid ester), Polyethylene glycol diisononanoate, polyethylene glycol diisoester Phosphate ester, diethylene glycol dibenzoate ester, diethylene glycol ditoluic acid ester, diethylene glycol di (ethyl benzoate ester), diethylene glycol di (isopropyl benzoate ester), diethylene glycol di (t-butylbenzoate ester), diethylene glycol di (chlorobenzoate) Acid ester), diethylene glycol di (hydroxy benzoate), diethylene glycol di (phenyl benzoate), triethylene glycol dibenzoate, triethylene glycol ditoluic acid ester, triethylene glycol di (ethyl benzoate), tri Ethylene glycol di (isopropyl benzoate), triethylene glycol di (t-butyl benzoate), Triethylene glycol di (chlorobenzoate), triethylene glycol di (hydroxybenzoate), triethylene glycol di (phenylbenzoate), polyethylene glycol dibenzoate, tetraethylene glycol ditoluate, tetraethylene Glycol di (ethyl benzoate), tetraethylene glycol di (isopropyl benzoate), tetraethylene glycol di (t-butylbenzoate), tetraethylene glycol di (chlorobenzoate), tetraethylene glycol di (hydroxy) Benzoic acid ester), tetraethylene glycol di (phenyl benzoic acid ester), triethylene glycol dibenzoic acid ester, polyethylene glycol ditoluic acid Steal, polyethylene glycol di (ethyl benzoate), polyethylene glycol di (isopropyl benzoate), polyethylene glycol di (t-butylbenzoate), polyethylene glycol di (chlorobenzoate), polyethylene glycol di (hydroxybenzoate) Acid ester), polyethylene glycol di (phenylbenzoate), dipropylene glycol diacetate, dipropylene glycol dipropionate, dipropylene glycol dicaproate, dipropylene glycol dicaprylate, dipropylene glycol di (2 -Ethylhexanoic acid ester), dipropylene glycol diisononanoic acid ester, dipropylene glycol diisostearic acid ester, Propylene glycol diacetate, tripropylene glycol dipropionate, tripropylene glycol dicaproate, tripropylene glycol dicaprylate, tripropylene glycol di (2-ethylhexanoate), tripropylene glycol diisononanoate, Tripropylene glycol diisostearate, tetrapropylene glycol diacetate, tetrapropylene glycol dipropionate, tetrapropylene glycol dicaproate, tetrapropylene glycol dicaprylate, tetrapropylene glycol di (2-ethylhexanoate), Tetrapropylene glycol diisononanoic acid ester, tetrapropylene glycol dii Sostearic acid ester, polypropylene glycol diacetic acid ester, polypropylene glycol dipropionic acid ester, polypropylene glycol dicaproic acid ester, polypropylene glycol dicaprylic acid ester, polypropylene glycol di (2-ethylhexanoic acid ester), polypropylene glycol diisononanoic acid ester, Polypropylene glycol diisostearate, dipropylene glycol dibenzoate, dipropylene glycol ditoluic acid ester, dipropylene glycol di (ethyl benzoate), dipropylene glycol di (isopropyl benzoate), dipropylene glycol di (t -Butylbenzoic acid ester), dipropylene glycol di (chlorobenzoic acid ester) Dipropylene glycol di (hydroxybenzoate), dipropylene glycol di (phenylbenzoate), tripropylene glycol dibenzoate, tripropylene glycol ditoluate, tripropylene glycol di (ethyl benzoate), tri Propylene glycol di (isopropyl benzoate), tripropylene glycol di (t-butylbenzoate), tripropylene glycol di (chlorobenzoate), tripropylene glycol di (hydroxybenzoate), tripropylene glycol di ( Phenylbenzoic acid ester), tetrapropylene glycol dibenzoic acid ester, tetrapropylene glycol ditoluic acid ester, tetrapropylene glycol di ( Chill benzoate), tetrapropylene glycol di (isopropyl benzoate), tetrapropylene glycol di (t-butylbenzoate), tetrapropylene glycol di (chlorobenzoate), tetrapropylene glycol di (hydroxybenzoate) ), Tetrapropylene glycol di (phenyl benzoate), polypropylene glycol dibenzoate, polypropylene glycol ditoluic acid ester, polypropylene glycol di (ethyl benzoate), polypropylene glycol di (isopropyl benzoate), polypropylene glycol di (T-butyl benzoate), polypropylene glycol di (chlorobenzoate), polypropylene glycol di (H And droxybenzoic acid ester) and polypropylene glycol di (phenyl benzoic acid ester).
[0035]
Examples of the carboxylic acid derivatives include monocarboxylic acid esters such as butyl oleate and butyl isostearate, phthalic acid esters such as di-2-ethylhexyl phthalate and diisononyl phthalate, diisobutyl adipate, di-2-adipate Examples include adipic acid esters such as ethylhexyl, and esters using sebacic acid or azelaic acid instead of adipic acid.
[0036]
Examples of the phosphoric acid derivative include tributyl phosphate, tri-2-ethylhexyl phosphate, triphenyl phosphate, and tricresyl phosphate.
[0037]
Lactic acid polymer
The lactic acid-based polymer as the main component according to the present invention includes at least one selected from the group consisting of (a) lactic acid homopolymer, (b) lactic acid copolymer, and (c) lactic acid homopolymer and lactic acid copolymer, and other Examples thereof include a blend polymer with a polymer. The lactic acid component that is a raw material of the lactic acid-based polymer is not particularly limited, but L-lactic acid, D-lactic acid, DL-lactic acid or a mixture thereof, or L-lactide that is a lactic acid cyclic dimer, D-lactide, meso-lactide, or mixtures thereof can be used.
[0038]
The ratio of L-form to D-form (L / D) is not particularly limited as lactic acid, but it is preferable that the optical purity is high in order to obtain a high melting point. Specifically, the lactic acid preferably contains 80 mol% or more of L isomer and 95 mol% or more of L isomer in the total lactic acid. Moreover, also about lactide, it is preferable to contain L mol 80 mol% or more and also L mol 95 mol% or more in total lactide. Among such lactic acid-based polymers, the weight average molecular weight of the lactic acid homopolymer and lactic acid copolymer is not particularly limited and can be appropriately selected from a wide range, but is preferably 50,000 or more, more preferably 50,000 to 500,000, and still more preferably 10 10,000 to 500,000.
[0039]
<Lactic acid homopolymer>
As the lactic acid homopolymer used in the present invention, L-lactic acid, D-lactic acid, DL-lactic acid or a mixture thereof is directly subjected to dehydration condensation, or L-lactide, D-lactide, meso-lactide, or these Examples thereof include a polymer obtained by ring-opening polymerization of a lactic acid cyclic dimer lactide such as a mixture.
[0040]
<Lactic acid copolymer>
The lactic acid copolymer is a random or block copolymer of the lactic acid monomer, lactide or lactic acid homopolymer and other copolymerizable components. In this case, the lactic acid homopolymer used for the production of the lactic acid copolymer can be used in a wide range, but it is desirable to use a lactic acid homopolymer having a weight average molecular weight of about 1,000 to 200,000, preferably about 5,000 to 100,000.
Examples of the other copolymerizable components include compounds having two or more ester bond-forming functional groups in the molecule, such as a) dicarboxylic acid, b) polyhydric alcohol, and c) hydroxy other than lactic acid. Examples thereof include carboxylic acids, d) lactones, and e) various polyesters, various polyethers, various polycarbonates and the like composed of these various components.
[0041]
a) Specific examples of the dicarboxylic acid include linear or branched saturated or unsaturated aliphatic dicarboxylic acids having 4 to 50 carbon atoms, particularly 4 to 20 carbon atoms, and aromatic dicarboxylic acids having 8 to 20 carbon atoms. And polyether dicarboxylic acid. As the aliphatic dicarboxylic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, decanedicarboxylic acid and the like are preferable, and as the aromatic dicarboxylic acid, phthalic acid, terephthalic acid, isophthalic acid and the like are preferable.
[0042]
The polyether dicarboxylic acid is preferably a dicarboxylic acid having a carboxymethyl group at both ends of a polyalkylene ether such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polybutylene glycol, and polyethylene polypropylene glycol. Among these, the number average molecular weight is particularly 2000. Hereinafter, polyether dicarboxylic acid having a molecular weight of preferably 1000 or less, more preferably 178 to 1000 is preferred.
[0043]
b) Examples of the polyhydric alcohol include aliphatic polyols, aromatic polyhydric alcohols, and polyalkylene ethers.
[0044]
Aliphatic polyols include butanediol, hexanediol, octanediol, decanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, glycerin, sorbitan, trimethylolpropane, neopentylglycol and the like having 2 to 4 hydroxyl groups. 50, especially 2-20 aliphatic polyols are exemplified.
[0045]
Aromatic polyhydric alcohols include aromatic diols having 6 to 20 carbon atoms such as bis- (ortho, meta or para) hydroxymethylbenzene and hydroquinone, bisphenols such as bisphenol A and bisphenol F, and 2 to 2 carbon atoms. 4 is an aromatic diol having a number average molecular weight of 2000 or less, particularly a number average molecular weight of less than 1000, obtained by addition reaction of 4 alkylene oxides, particularly ethylene oxide, propylene oxide, butylene oxide.
[0046]
Examples of polyalkylene ethers include ether glycols having a number average molecular weight of 2000 or less, particularly 1000 or less, such as ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, and polypropylene glycol.
[0047]
c) Examples of the hydroxycarboxylic acid other than lactic acid include hydroxycarboxylic acids having 3 to 10 carbon atoms such as glycolic acid, hydroxybutylcarboxylic acid, and 6-hydroxycaproic acid (excluding lactic acid).
[0048]
d) Examples of the lactone include glycolide, ε-caprolactone glycolide, ε-caprolactone, β-propiolactone, δ-butyrolactone, β- or γ-butyrolactone, pivalolactone, δ-valerolactone, and the like.
[0049]
e) Various polyesters, various polyethers, and various polycarbonates can be used without particular limitation as long as they are conventionally used in the production of lactic acid copolymers, and their weight average molecular weight is 1000 to 150,000, A range of 5,000 to 100,000 is recommended.
[0050]
Among the various polyesters, various polyethers, and various polycarbonates, it is particularly preferable to use polyester as a comonomer. As the polyester as the comonomer, for example, an aliphatic polyester composed of an aliphatic dicarboxylic acid and an aliphatic diol is preferable.
[0051]
As the aliphatic dicarboxylic acid which is one component of the aliphatic polyester, a linear aliphatic dicarboxylic acid having 4 to 20 carbon atoms such as succinic acid, adipic acid, sebacic acid and decanedicarboxylic acid is preferable. And those having a double bond can also be used.
[0052]
Examples of the aliphatic diol that is one component of the aliphatic polyester include aliphatic diols having 2 to 20 carbon atoms such as ethylene glycol, propanediol, butanediol, hexanediol, and octanediol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, Examples include polyalkylene ethers (homopolymers or copolymers) such as butylene glycol and polyalkylene carbonates. As the polyalkylene ether and polyalkylene carbonate, those having a number average molecular weight of 2000 or less, particularly 1000 or less are preferred. In addition to such aliphatic dicarboxylic acids and aliphatic diols, secondary components such as carboxylic acids such as lactic acid, glycolic acid and hydroxybutyl carboxylic acid, lactones such as butyrolactone and ε-caprolactone, and aromatic dicarboxylic acids Any compound having an ester bond-forming functional group can be used as a constituent of the aliphatic polyester as long as the effects of the present invention are not impaired. Among the lactic acid copolymers as described above, in particular, a copolymer of lactic acid and the hydroxycarboxylic acid (excluding lactic acid), a lactic acid / diol / dicarboxylic acid copolymer (in particular, lactic acid, the aliphatic diol, and the aliphatic A copolymer of dicarboxylic acid), a copolymer of lactic acid and the lactone, and the like are preferable.
[0053]
In the lactic acid copolymer used in the present invention, the copolymerization components a) to e) are preferably less than 50% by weight of the total weight of the lactic acid-based polymer containing lactic acid as a main component. When there are many copolymer components, the crystallinity and heat resistance of the lactic acid polymer tend to be reduced, so the ratio of the copolymer component is appropriately selected depending on the purpose and application, but the total weight of the lactic acid polymer is On the other hand, it is recommended that it is preferably 1 to 30% by weight, more preferably 5 to 20% by weight.
[0054]
<Blend polymer>
The blend polymer contains at least one selected from the group consisting of the lactic acid homopolymer and the lactic acid copolymer as a main component, and further includes a polyester such as an aliphatic polyester, an aromatic polyester, or a mixture thereof as another polymer. It is a blend. The other polymer is particularly preferably an aliphatic polyester from the viewpoint of biodegradability.
[0055]
The blending ratio of the other polymer is appropriately selected depending on the purpose and application, but it is 5 to 50% by weight of the polyester with respect to 95 to 50% by weight of at least one selected from the group consisting of the lactic acid homopolymer and lactic acid copolymer. A range is preferred. If the amount of polyester is less than 5% by weight, flexibility and impact resistance tend to be difficult to obtain, and if it exceeds 50% by weight, mechanical properties tend to be insufficient, and transparency is obtained. It tends to be difficult. The range of 6 to 40% by weight of polyester is more preferable with respect to at least one 94 to 60% by weight selected from the group consisting of the lactic acid homopolymer and lactic acid copolymer.
[0056]
If the molecular weight of the polyester in such a blend polymer is too low, the mechanical properties are insufficient, which is not preferable. As the polyester, those having a weight average molecular weight of preferably 10,000 or more, more preferably 30,000 or more, more preferably 50,000 or more, and usually 50,000 to 300,000 are most widely used.
[0057]
As the aliphatic dicarboxylic acid which is a constituent component of the aliphatic polyester, a linear aliphatic dicarboxylic acid having 4 to 20 carbon atoms such as succinic acid, adipic acid, sebacic acid and decanedicarboxylic acid is preferable. Those having a bond can also be used.
[0058]
Examples of the aliphatic diol as the other constituent component include aliphatic diols having 2 to 20 carbon atoms such as ethylene glycol, propanediol, butanediol, hexanediol, and octanediol, and polyethylene glycol, polypropylene glycol, polybutylene glycol, and the like. Examples include polyalkylene ethers (homopolymers or copolymers) and polyalkylene carbonates. As the polyalkylene ether and polyalkylene carbonate, those having a number average molecular weight of 2000 or less, particularly 1000 or less are preferred.
[0059]
In addition to such aliphatic dicarboxylic acids and aliphatic diols, secondary components include hydroxycarboxylic acids such as lactic acid, glycolic acid and hydroxybutylcarboxylic acid, lactones such as butyrolactone and ε-caprolactone, and aromatic dicarboxylic acids. As long as it has an ester bond-forming functional group, it can be used as a constituent of the aliphatic polyester as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0060]
<Production method of lactic acid polymer>
Any of the lactic acid-based polymers as the main component of the present invention can be produced by a conventionally known method. Specifically, a lactic acid homopolymer can be produced by direct dehydration condensation from a lactic acid monomer or by ring-opening polymerization of a lactic acid cyclic dimer lactide (for example, JP-A-7-33861 and JP-A-59). -96123).
[0061]
The synthesis, purification and polymerization operations of lactide are described, for example, in US Pat. No. 4,057,537, published European Patent Application No. 261572, Polymer Bulletin, 14, 491-495 (1985) and Makromol Chem, 187, 1611-1628. (1986).
[0062]
In the case of using a copolymer of lactic acid and the hydroxycarboxylic acid of c) or a copolymer of lactic acid and the lactone of d) as the lactic acid-based polymer, a method for producing the copolymer includes lactic acid and c ) Or a ring-opening polymerization of a lactic acid cyclic dimer (lactide) and a dactone lactone using an aliphatic metal salt such as tin dicaproate as a catalyst. (For example, JP-A-6-306264, US Pat. No. 4,057,537).
[0063]
When a lactic acid / diol / dicarboxylic acid copolymer is used as the lactic acid-based polymer, the copolymer is produced by an aliphatic dicarboxylic acid comprising a lactic acid cyclic dimer and various constituent ratios in the presence of a ring-opening polymerization catalyst. A method of reacting with a polyester polymer comprising an acid component and a diol component (for example, JP-A-7-173266), (i) a lactic acid homopolymer, and (ii) a polyester comprising an aliphatic diol and an aliphatic dicarboxylic acid component. And a method of reacting in the presence of an organic solvent (for example, EP0712880A2).
[0064]
Moreover, the blend polymer used by this invention is obtained by blending at least 1 sort (s) chosen from the group which consists of the said lactic acid homopolymer and lactic acid copolymer, and said other polymer according to a conventional method. The blending method is not particularly limited. For example, the blending method may be mixed in a molten state or a solution state by mechanical stirring or the like, and a conventionally known method of melting or dissolving by mixing in powder form or particle form can be adopted. . Specifically, the blend polymer can be used using an extruder, a reactor, a roll or the like.
[0065]
Lactic acid polymer composition
The lactic acid polymer composition of the present invention contains a lactic acid polymer, the polyacetal, the ester plasticizer, and other additives as required.
[0066]
The addition amount of the polyacetal is 0.1 to 80 parts by weight, preferably 1 to 50 parts by weight, and more preferably 3 to 30 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the lactic acid polymer. If the amount is less than 0.1 parts by weight, the effect as a transparent nucleating agent tends to be insufficient. Conversely, if the amount exceeds 80 parts by weight, the transparency of the molded product deteriorates because the polyacetal itself is a crystalline polymer. There is a trend.
[0067]
The addition amount of the ester plasticizer is 1 to 300 parts by weight, preferably 1 to 100 parts by weight, and more preferably 1 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the lactic acid polymer. If the amount is less than 1 part by weight, the effect as a crystallization accelerator tends to be insufficient. Conversely, if the amount exceeds 300 parts by weight, the plasticizer bleeds out on the surface of the resulting molded body and tends to deteriorate over time. is there. In addition, the ester plasticizer blended in the lactic acid polymer is usually used alone, but may be used in combination of two or more as required.
[0068]
The method for blending the polyacetal and the ester plasticizer with the lactic acid polymer is not particularly limited, and conventionally known kneading apparatuses can be employed. For example, a Henschel mixer, a ribbon blender, an extruder, a reactor, a kneader, a roll, and combinations thereof may be used to mix the raw materials in a solid state, or to mix and knead the polymer while melting the polymer. This mixing and kneading is usually performed at a temperature of 120 to 250 ° C, preferably 150 to 200 ° C. The resulting lactic acid-based polymer composition of the present invention is usually produced in the form of pellets.
[0069]
Furthermore, the lactic acid-based polymer composition of the present invention includes talc, kaolinite, SiO in order to improve various physical properties such as crystallization speed, heat resistance, mechanical properties, and blocking resistance.2An inorganic additive such as clay can be blended as necessary within a range not impairing the transparency of the obtained molded article. For example, i) For the purpose of improving physical properties of blocking resistance, for example, SiO having a particle size of 1 to 50 nm2Etc. are preferable because they do not impair the transparency. ii) For the purpose of further improving the crystallization speed during molding,2A crystalline inorganic substance containing 10% by weight or more of components can be used. Specifically, talc TM-30 (manufactured by Fuji Talc), kaolin JP-100 (manufactured by Tsuchiya Kaolin), NN kaolin clay (Tsuchiya kaolin) Kaolinite ASP-170 (manufactured by Fuji Talc), Kaolin UW (manufactured by Engelhard), Talc RF (manufactured by Fuji Talc), and the like.
[0070]
The amount of the inorganic additive added is not particularly limited as long as it does not impair the transparency of the molded article, but is 30% by weight or less, preferably 20% by weight or less, based on 100 parts by weight of the lactic acid polymer. It is preferably 10% by weight or less, more preferably 5% by weight or less, and most preferably 1% by weight or less. Further, as other additives, pigments, stabilizers, antistatic agents, ultraviolet absorbers, antioxidants, flame retardants, mold release agents, lubricants, dyes, antibacterial agents, as long as the transparency of the molded product is not impaired. Various elastomers, various fillers and the like can be appropriately used according to the purpose and application.
[0071]
Molded article of the present invention
The molded product obtained by molding the lactic acid polymer composition of the present invention thus obtained has good biodegradability and excellent transparency and crystallinity (heat resistance).
[0072]
As the molding method, various molding methods such as extrusion molding, injection molding, vacuum molding, and pressure molding, which are the same as those for general plastics, can be adopted, and the molding method is not particularly limited.
[0073]
<Crystallization>
As a method of crystallizing a molded product at the time of molding or after molding of a lactic acid polymer composition, for example, 1) At the time of molding, a melt of the composition is filled in a mold and crystallized as it is in the mold. Method 2) The methods (hereinafter 1) and 2) in which the melt of the composition is extruded from a T-die extruder and crystallized with a chill roll are abbreviated as “one-step crystallization methods”. And 3) a method of heat-treating an amorphous or partially crystallized molded body of the composition (hereinafter abbreviated as “two-stage crystallization method”). In the one-step crystallization method and the two-step crystallization method, the optimum temperature conditions for crystallization of the molded product are different.
[0074]
The temperature condition for crystallization in the one-step crystallization method is abbreviated as crystallization start temperature (hereinafter referred to as “Tc”) of the lactic acid polymer in the differential scanning calorimetry (hereinafter abbreviated as “DSC analysis”) of the composition. ) To the glass transition temperature (hereinafter abbreviated as “Tg”). When the temperature is higher than Tc, the crystallization rate is remarkably reduced, the productivity and operability are deteriorated, and further, crystallization does not occur and the desired molded article may not be obtained. Conversely, the temperature is lower than the Tg temperature. In this case, the crystallization speed is remarkably small, and the desired molded article may not be obtained. In this method, the retention time for crystallization varies depending on the lactic acid-based polymer composition, but is not particularly limited as long as it is longer than the time required for the molded body to be sufficiently crystallized.
[0075]
In the case of the two-stage crystallization method, the set temperature condition is a temperature range from the melting point (hereinafter abbreviated as “Tm”) of the lactic acid-based polymer in the composition to Tg, more preferably from (Tg + 5 ° C.). A temperature range from (Tm−20 ° C.), more preferably from (Tg + 10 ° C.) to (Tm−40 ° C.) is preferable. When the set temperature is higher than Tm, transparency may be impaired or the shape may be distorted even if crystallization is performed in a short time, and further melting may occur when heated for a long time. On the other hand, at a temperature lower than Tg, the crystallization rate is remarkably small, and the target crystalline molded article may not be obtained. In this method, the time for heat-treating the molded body varies depending on the composition, but is not particularly limited as long as it is sufficient for the molded body to be sufficiently crystallized.
[0076]
However, since the two-stage crystallization method has a slower molding cycle speed than the one-stage crystallization method, it is not necessarily an industrially sufficient method. The lactic acid-based polymer composition of the present invention can obtain a molded article having high transparency and crystallinity by any one of the above-described crystallization methods of the one-step crystallization method and the two-step crystallization method.
[0077]
The presumed crystallization mechanism in the present invention is that when the molten lactic acid polymer composition is cooled, polyacetal having a high crystallization start temperature in the lactic acid polymer composition is crystallized. Since the lactic acid-based polymer is crystallized using as a nucleus, a small crystal is obtained, and a molded product having transparency and high crystallinity is obtained, and it is presumed that polyacetal acts as a transparent nucleating agent. In addition, the ester plasticizer has a function of increasing the crystallization rate, and it is presumed that the crystallization rate of the lactic acid polymer can be increased and the molding cycle of the molded body can be shortened.
[0078]
In the present specification, Tg and Tm are glass transition temperatures when the lactic acid polymer composition is changed to a rubbery shape when the lactic acid polymer composition is heated at 10 ° C./min under DSC analysis. (Tg) indicates the peak temperature (melting point: Tm) of the melting peak of the lactic acid-based polymer, and Tc is a value obtained when the melt of the composition is cooled under conditions of 10 ° C./min in DSC analysis. The crystallization start temperature (Tc) of the lactic acid polymer is shown.
[0079]
<Method for producing molded body>
Below, the manufacturing method of the molded object which can provide transparency and crystallinity to a molded object based on this invention simultaneously is demonstrated.
[0080]
For example, in the case of a) injection molding, a melt of a lactic acid polymer composition (pellet) to which a polyacetal, an ester plasticizer and a lactic acid polymer are added is placed in a mold held in a temperature range of Tc to Tg. By filling and holding, a molded article having transparency and crystallinity targeted in the present invention can be obtained by a one-step manufacturing method. In addition, for example, the obtained amorphous or partially crystallized molded body is filled in a mold maintained at a temperature lower than Tg using the above pellets, and the atmosphere is in the temperature range of Tg to Tm. The molded article having the transparency and crystallinity intended in the present invention can be obtained by a two-stage production method by holding it in contact with an appropriate heat medium.
[0081]
b) In the case of extrusion molding, for example, the melt of the above pellets is extruded into a chill roll held within a temperature range of Tc to Tg by a general T-die extrusion molding machine, and crystallized on the chill roll. The sheet | seat and film which have transparency and crystallinity aiming at invention can be obtained with a one-step manufacturing method. Further, for example, an amorphous or partially crystallized film or sheet obtained by extruding the pellets on a chill roll maintained at a temperature lower than Tg by a general T-die extruder can be obtained from Tg to Tm. A sheet having transparency and crystallinity that is the object of the present invention by continuously passing through an oven (heating furnace) held in the range or warm water and heat-treating it or heat-treating it batchwise. And film can be obtained by a two-stage manufacturing method.
[0082]
The lactic acid polymer molded body of the present invention has excellent transparency, and as a transparency index, the haze of the molded body having a thickness of 0.5 mm is particularly preferably 30% or less. Further, the lactic acid polymer molded body has high crystallinity, and it is preferable that the crystallinity measured by an X-ray diffractometer is 30% or more as an index of crystallinity. By the above production method, a molded article having a crystallinity of 30% or more, a thickness of 0.5 mm and a haze of 30% or less can be easily obtained. Furthermore, if an appropriate temperature condition for crystallization is selected from the above molding conditions, a lactic acid polymer molded body having crystallinity (heat resistance) and transparency having a thickness of 0.5 mm and a haze of 15% or less may be obtained. it can.
[0083]
Applications of the lactic acid polymer molded body having transparency, crystallinity (heat resistance) and degradability of the present invention include films, sheets, tapes, labels, laminates, fibers, knitted fabrics, woven fabrics, non-woven fabrics, paper, felts, and plates. , Rods, bags, tubes, porous molded products, various containers, various parts, and other molded products can be easily obtained. Specifically, the molded body of the present invention includes agricultural bags, multi-films, tunnel films, vegetation sheets, vegetation nets, seed strings, curing sheets, seedling pots, fishing lines, fishing nets and other agricultural and horticultural materials, Containers for tableware (for example, instant foods, lunch boxes, fast foods), food packaging films, trays, stretch films, shrink films, beverage bottles and other food packaging materials, insulation, formwork, earth retaining, water retaining sheets Civil engineering and building materials such as sandbags, sanitary materials such as paper diapers and sanitary ware packaging, food bags, plastic bags, garbage bags, general standard bags, sheets, tapes, labels, shampoo bottles, rinse bottles, cosmetic containers, etc. Industrial materials such as general merchandise, packing materials, cushioning materials, binding tapes and strings.
[0084]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples and comparative examples, but the present invention is not limited thereto. The physical properties of the molded article obtained from the melt mass flow rate of polyacetal and the lactic acid polymer composition of the present invention are as follows.
1) Melt mass flow rate of polyacetal
Based on JIS K-7210, the measurement was performed under the conditions of a test temperature of 190 ° C. and a nominal load of 2.16 kg.
2) Transparency (haze)
Based on JIS K-6714, it measured using the Toyo Seiki Seisakusho make and Haze Meter.
3) Crystallinity
The test piece after molding was measured with an X-ray diffractometer (manufactured by Rigaku Corporation, RINT-2100 type), and the ratio of the crystal peak area of the obtained chart to the total area was determined.
4) Tensile test
Yield strength and elongation were measured according to JIS K-6723.
5) Heat resistance test
The test piece was placed in a gear oven at 80 ° C., and the deformation state of the test piece after 24 hours was judged by visual observation and evaluated in the following three stages.
○: Deformation is not recognized
Δ: Slight deformation is observed
×: Deformation is clearly observed
6) Crystallization start temperature (Tc)
When the lactic acid polymer composition was once melted using a differential scanning calorimeter (DSC-50, manufactured by Shimadzu Corporation) and then cooled at 10 ° C./min, a lactic acid polymer crystallization peak was observed. The obtained temperature was defined as a crystallization start temperature (Tc).
7) Glass transition temperature (Tg), melting point (Tm)
Glass transition of the point that the lactic acid polymer changes into a rubbery shape when the temperature of the lactic acid polymer composition is raised at 10 ° C./min using a differential scanning calorimeter (DSC-50, manufactured by Shimadzu Corporation) The point (Tg) and the top of the melting peak of the lactic acid-based polymer were defined as the melting point (Tm).
[0085]
The polyacetals used in the following examples were those having MFR (g / 10 minutes) of a) 2.5, b) 9.0, and c) 45.0 manufactured by Polyplastics. All parts in the examples are based on weight.
[0086]
Examples 1-18
Polyacetals and ester plasticizers listed in Table 1 with respect to 100 parts by weight of polylactic acid (weight average molecular weight 140,000, L-lactic acid / D-lactic acid = 95/5, manufactured by Shimadzu Corporation, trade name “Lacty # 9000”) Was mixed at a temperature of 200 ° C. using a 20 mm diameter extruder (length / diameter ratio = 19, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho, trade name “Laboplast Mill”), and extruded by nitrogen purge. The resin composition was cooled with water and then pelletized with a pelletizer. The obtained pellets were used after vacuum drying at 50 ° C. for 24 hours before molding.
[0087]
Next, the dried pellets are melted at 200 ° C./2 min, and further 200 ° C./100 kgf / cm.2The sheet was pressed at / 5 min and subsequently heat-treated under the conditions shown in Table 1 to obtain a sheet having a thickness of 0.5 mm by a one-step crystallization method.
[0088]
A test piece (thickness = 0.5 mm) was cut out from the obtained sheet, and the transparency (haze), crystallinity, tensile test, and heat resistance test of the test piece were measured. The results are shown in Table 1.
[0089]
Comparative Examples 1-5
Pelletized as in Example 1, except that no polyacetal was added. The obtained pellets were dried, molded by the same method as in the Examples, and heat-treated under the conditions shown in Table 2 to obtain a sheet having a thickness of 0.5 mm. Table 2 shows the physical property measurement results of the obtained sheet.
[0090]
Comparative Examples 6-7
Pelletization was performed in the same manner as in Example 1 except that no ester plasticizer was added. The obtained pellets were dried, molded by the same method as in Example 1, and heat-treated under the conditions shown in Table 2 to obtain a sheet having a thickness of 0.5 mm. Table 2 shows the physical property measurement results of the obtained sheet.
[0091]
Comparative Examples 8-9
Pellets were formed in the same manner as in Example 1 except that no polyacetal and ester plasticizer were added. The obtained pellets were dried, formed by the same method as in Example 1, and heat-treated under the conditions shown in Table 2 to obtain a sheet having a thickness of 0.5 mm. Table 2 shows the physical property measurement results of the obtained sheet.
[0092]
[0093]
[0094]
Note) In Tables 1 and 2, symbols A to K indicate the following ester plasticizers.
A: Glycerin triacetate
B: Tributyl acetyl citrate
C: Tri (2-ethylhexyl) citrate
D: Triethylene glycol di (2-ethylhexanoate)
E: Diethylene glycol dibenzoate
F: Number average molecular weight 400 Polyethylene glycol di (2-ethylhexanoate)
G: Dibenzoic acid ester of number average molecular weight 200 polyethylene glycol
H: Tripropylene glycol di (2-ethylhexanoate)
I: Dipropylene glycol dibenzoate
J: di (2-ethylhexanoic acid ester) of number average molecular weight 400 polypropylene glycol
K: dibenzoate of number average molecular weight 400 polypropylene glycol
[0095]
【The invention's effect】
According to the present invention, a molded body made of a lactic acid polymer having transparency and crystallinity (heat resistance) can be provided. According to the present invention, high transparency and high crystallinity can be simultaneously imparted to a molded body made of a lactic acid polymer.
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