JP3881627B2 - ドッグフードの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はドッグフードに関するものであり、詳しくは、犬の補助食として好適に用いられるガム状の餌材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
犬には骨を食い尽くす習性があり、この習性に着目し、骨型や棒状に形成したいわゆる犬用ガムとして商品化されているのであって、歯や歯茎を丈夫にしたり、ストレスの解消等に役立てている。
そして、当初この犬用ガムは牛皮等の動物製皮を乾燥して固化したもので、無臭に近く、嗜好性が無いためすぐに興味が薄れ、あまり噛もうとしなくなるのである。
【0003】
そこで、特開2002−65098のように、乾燥牛皮等の材料からなる骨型ガムの形態に成形し、ミルク風味等の香料を全体に含ませ、或いは内部の芯材のみに含ませたものがある。
又、特開平8−238061のように、牛肉皮を主成分とするガム本体の表面に、牛肉、鶏肉又は羊肉のミンチ体又はペースト体を主成分とする嗜好性増進層を付着させたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2002−65098では、香料を含ませたため嗜好性は向上するものの、栄養の面では従前に近く充分に考慮されていない。
又、特開平8−238061では、表面の嗜好性増進層が食べられてしまうと、元の牛皮のみとなって食い尽きが悪くなってしまうのである。
【0005】
そこで、本発明は犬の嗜好性が最後まで喪失することがなく、かつ栄養面でも充分に考慮されたドッグフードの製造方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るドッグフードの製造方法は、雌型内に食用の皮材を数枚重ねて敷設すると共に、上方へ折曲した皮材で雌型の周壁面に皮材の起立片を形成し、その時点で最上層の皮材の上に皮以外の食材を載せ、起立片の先片を食材上に折り返して全面を被覆し、雄型でプレスして成形固化することを特徴とするものであり、請求項2の発明は、起立部の先片を折り返した上に、更に他の皮材を積層して皮以外の食材上の全面を被覆したものである。
【0007】
内部に封入する食材を包む皮材のうち、下層部の皮材で底面部と側面部を形成すべく、雌型の周壁面に起立して収めてあるから、プレス後に製品の側周面を皮材で構成して、皮以外の食材を内部に封入することができる。
【0008】
請求項3の製造方法の発明は、上・底部面及び前・後部面を形成し、上部面において、少なくとも端部同士が重合する一の皮材と、底部面、一方の側部面及び上部面を形成すると共に、互いに及び前記一の皮材とも底部面と上部面で少なくとも一部が重合する二枚の他の皮材とで形成する箱体で、皮以外の食材を包んで雌型へ収め、雄型でプレスして成形固化することを特徴とするものであり、請求項4の発明は、雄型でプレスせずに乾燥させて固化することを特徴とするものである。
【0009】
皮材で封入する食材を包んだ状態として雌型へ収め、プレス又は乾燥するものであるから、外側には皮材のみが現れ、内部に他の食材を確実に封入できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の製造方法により製造されたドッグフードの一実施の形態を示す斜視図、図2及び図3は同断面図である。
【0011】
ドッグフード1は動物の骨の形態2を成し、外部表面は牛皮3で構成され、牛皮3は乾燥して固化されたものである。
又、固化した牛皮3の内部には、骨2の長手方向に沿って乾燥牛肉4が封入され、牛皮3と同様に固化している。
【0012】
したがって、内部の牛肉4の匂いが犬の嗅覚で感じられ、嗜好性が良好なフードと成り、外部の牛皮3を噛んで行けば内部の牛肉4も食することと成り、栄養的にも良好となる。
又、内部の牛肉4は封入され、外部の牛皮3と一体と成っているため、内部の牛肉4のみ食べられることなく、牛皮3と共に最後まで犬に飽きられずに食べられるものである。
【0013】
外部を構成する乾燥皮は牛皮に限定されるものでなく、他の動物の例えば、ブタ皮や鳥の皮等を使用してもよい。
又、内部に封入する食材も牛肉に限らず、他の動物の肉、魚介類、海藻類、野菜や穀物で犬が好む乾燥食材を用いて、各々単独で或いは複数の異種食材を混ぜて使用することができ、又ゼラチンで固めたものとしてもよい。
更に、固化した形態は動物の骨状でなくても棒状体やその他任意の形状を選択できる。
【0014】
次に、製造方法の実施の形態を図4に基づいて説明する。
請求項1の一実施の形態を説明するに、乾燥した皮材3A(例えば牛皮)を雌型5の底面に収めるに際し、皮材3Aを折り曲げて起立部7を形成し、この起立部7で雌型5の周壁6を被覆するように複数枚の皮材3Aを配置して底面に敷設する。
【0015】
そして、皮以外の乾燥食材(例えば牛肉等)4Aを敷設した皮材3A上に置き、更に、その上に皮材3Aの各起立部7の先片7Aを折り返して乾燥食材4Aの全面を被覆して、雄型8で加圧しプレス成形して製品1を得るものである。
【0016】
又、各起立部7の先片7Aを折り返しても乾燥食材4A上の上面を充分に被覆できない時は、別の皮材3Bを折り返した起立部7の先片7A上に重ねて雄型8でプレスすることにより、乾燥食材4Aを皮材3A、3B内に封入して成形することができる(図5)。
【0017】
乾燥食材4Aは、敷設した皮材3Aの起立部7より高くならないように全面に渉って置き、更に被覆する皮材3Bは乾燥食材4Aを完全に被覆するように、或いは起立部7Aを覆うように積層するものとする。
【0018】
請求項3の製造方法の一実施の形態を説明する。
本請求項は皮以外の食材4Aを皮3で包んだ状態を得て雌型へ収め、プレス成形或いは乾燥させて固化するものである。
【0019】
図6に示すように、三枚の皮材3A、3B、3Cを使用し、皮材3Aは中央部分で底部面9Aを形成して、その前後部分を起立させて、前・後部面10、11と起立させた先部を更に底面部9A上に折り曲げて上部面12A、12Aを形成し、その端部が少なくとも重合するものと成している。
【0020】
又、他の二枚の皮材3B、3Cは基部で底面部9B、9Cを形成し、起立させた中央部分で各々一方の側部面13、14と、起立させた先部を更に底部面9B、9C上に折り曲げて上部面12B、12Cを形成し、その端部が少なくとも重合するものと成している。
【0021】
そこで、前記三枚の皮材を組み合わせて箱形状に構成して、内部に皮以外の食材4Aを入れて雌型5内に収め、プレス成形するか或いは乾燥させることによって固化させて目的のドッグフードを得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明は、従来の動物の皮のみでなく、内部に犬の好物である食材が封入されているため、従来通りの犬のストレス解消や歯茎・アゴを鍛える効果があると共に、味覚があり最後まで飽きることがなく、更に栄養的にも優れたものとなる効果を有するドッグフードを製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法により製造されたドッグフードの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 図1の横断正面図である。
【図3】 図1の縦断側面図である。
【図4】 本発明方法の一工程の実施の一形態を示す縦断正面図である。
【図5】 本発明の他の方法の一工程の実施の一形態を示す縦断正面図である。
【図6】 本発明の他の方法の一工程の実施の一形態を示す分解斜視図である。
【図7】 本発明の他の方法の一工程の実施の一形態を示す一部切り欠いた斜視図である。
【符号の説明】
1 ドッグフード
2 骨の形態
3 牛皮
4 牛肉
5 雌型
6 周壁
7 起立部
7A 先片
8 雄型
3A、3B、3C 皮材
4A 食材
9A、9B、9C 底部面
10 前部面
11 後部面
12A、12B、12C 上部面
13、14 側部面
Claims (4)
- 雌型内に食用の皮材を数枚重ねて敷設すると共に、上方へ折曲した皮材で雌型の周壁面に皮材の起立片を形成し、その時点で最上層の皮材の上に皮以外の食材を載せ、起立片の先片を食材上に折り返して全面を被覆し、雄型でプレスして成形固化することを特徴とするドッグフードの製造方法。
- 起立部の先片を折り返した上に、更に他の皮材を積層して皮以外の食材上の全面を被覆した請求項1記載のドッグフードの製造方法。
- 上・底部面及び前・後部面を形成し、上部面において、少なくとも端部同士が重合する一の皮材と、底部面、一方の側部面及び上部面を形成すると共に、互いに及び前記一の皮材とも底部面と上部面で少なくとも一部が重合する二枚の他の皮材とで形成する箱体で、皮以外の食材を包んで雌型へ収め、雄型でプレスして成形固化することを特徴とするドッグフードの製造方法。
- 上・底部面及び前・後部面を形成し、上部面において、少なくとも端部同士が重合する一の皮材と、底部面、一方の側部面及び上部面を形成すると共に、互いに及び前記一の皮材とも底部面と上部面で少なくとも一部が重合する二枚の他の皮材とで形成する箱体で、皮以外の食材を包んで雌型へ収め、乾燥させて固化することを特徴とするドッグフードの製造方法。
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