JP3880740B2 - 変位制御デバイス及びアクチュエータ - Google Patents

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    • H10N30/204Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators using bending displacement, e.g. unimorph, bimorph or multimorph cantilever or membrane benders

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デバイスの一部がヒステリシス様の変位軌跡を描くように圧電/電歪素子を用いて駆動する変位制御デバイスと、光学機器や精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構や回転モータ、リニア搬送装置等として好適に用いられる前記デバイスを用いたアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学や磁気記録、精密加工等の分野において、サブミクロンオーダーでの光路長や位置を調整する変位制御素子やアクチュエータが所望されるようになってきている。また、微細加工技術を応用して、近年、研究開発が盛んに行われているマイクロマシンの中で、モータ等の動力部品は、医療分野において、極部的な手術等に用いることができる装置部品として注目を集めている。
【0003】
更に、小型・軽量化が急速に進んだ種々の電子機器においては、当然に使用される部品が小型化されており、このような部品の搬送、選別に使用される搬送機械やパーツフィーダ等についても、部品の形状に適し、かつ高い精度での駆動が可能な装置が求められるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、上述したアクチュエータ等としては電磁モータが広く用いられている。しかしながら、電磁モータによる制御精度はあまり高いものではない。従って、例えば、変位制御用装置に用いる場合には、大きな移動を電磁モータによって行い、より小さい最終的な移動(位置決め)を別の変位機構を有する素子を用いて行うといった構成が取られる場合が多い。また、電磁モータには消費電力が大きいという問題点がある。
【0005】
電磁モータに換わる新たな技術として、例えば、「TRANSDUCER’97」の「1997 International Conference on solid−state Sensors and Actuators」の予稿集1081〜1084頁には、SiもしくはNiのマイクロマシンプロセスで作製した静電方式のマイクロアクチュエータが紹介されており、これはマイクロマシニングにより形成した複数の板状電極間に電圧を印加することにより微小変位が得られるものである。
【0006】
しかし、このアクチュエータにおいては、構造上、固有振動数を上げることが難しく、その結果、高速動作を行った場合に振動が減衰し難いという問題を内在し、また、マイクロマシニングというプロセス自体に製造コストの面で問題がある。従って、このようなアクチュエータを用いた変位制御装置もまた、駆動精度やコストの面で、更なる改良が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した各種のアクチュエータ等の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低電力でありながら高速で精密な動作を可能とした変位制御デバイスと、それを複数用いてなるアクチュエータを提供することにある。
【0008】
即ち、本発明によれば、連結板が2枚の振動板によって挟持され、かつ、当該連結板が基板に形成された凹部の底面に接合されると共に、当該振動板が少なくとも当該凹部の側面と接合されてなり、当該振動板の厚みは当該連結板及び当該基板のそれぞれの厚みより薄く、かつ、当該振動板、当該連結板及び当該基板は、それぞれの一面が連続面となるように接合されると共に、当該基板の厚み方向に非対称に形成されてなる変位制御デバイスであって、少なくとも2個の独立した膜型圧電/電歪素子が、当該振動板の片面又は両面に形成されていると共に、当該振動板の両方に分配して配設され、当該連結板の長手方向をY軸、当該連結板を挟持する2枚の当該振動板を結ぶ方向をX軸、当該基板の厚み方向をZ軸としたとき、当該連結板が、そのX軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動されることを特徴とする変位制御デバイス、が提供される。
この変位制御デバイスにおいては、連結板の一端に固定板を接合した構造とすることも好ましい。
【0009】
また、本発明によれば、長手方向における一端が少なくとも2枚の振動板によって挟持され、かつ、他端が別の少なくとも2枚の振動板によって挟持された連結板が、対向する凹部を有し、互いの凹部の一方の側面を繋げてなる連続面を形成する基板の、対向する当該凹部の底面間に跨ぐように設けられると共に、当該振動板は少なくとも当該凹部の側面とも接合され、固定板が当該固定板の長手方向が当該振動板が当該連結板を挟持する方向と平行になるように当該連結板に接合されてなり、当該振動板の厚みは当該連結板、当該固定板及び当該基板のそれぞれの厚みより薄く、かつ、当該振動板、当該連結板、当該固定板及び当該基板は、それぞれの一面が連続面となるように接合されると共に、当該基板の厚み方向に非対称に形成されてなる変位制御デバイスであって、少なくとも2個の独立した膜型圧電/電歪素子が、当該振動板の片面又は両面に形成されていると共に、少なくとも当該連結板の一方の端部にある当該連結板を挟持する少なくとも2枚の振動板の両方に配設され、当該連結板の長手方向をY軸、当該連結板を挟持する2枚の当該振動板を結ぶ方向(当該固定板の長手方向)をX軸、当該基板の厚み方向をZ軸としたとき、当該固定板が、そのY軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動されることを特徴とする変位制御デバイス、が提供される。
【0010】
このような固定板を必須の構成部品とする変位制御デバイスにおいては、固定板と連結板との接合部に切欠部を形成することも好ましい。また、連結板を固定板の長手方向に少なくとも2分割すると共に分割されて形成された少なくとも2枚の連結板に固定板を接合した構造とすることも好ましい。なお、固定板と連結板との接合部から固定板の長手方向にかけて、固定板にひんじ部を設けることも好ましい。
【0011】
上述した全ての変位制御デバイスにおいては、少なくとも連結板と振動板とは互いの側面において接合された構造とすることが好ましく、少なくとも連結板と振動板並びに基板は、一体的に形成されていることが好ましい。勿論、固定板を配設する場合には、固定板をも一体的に形成することができる。このような一体形成は、グリーンシート積層法を用いて作製することができる。
【0012】
さて、本発明の変位制御デバイスにおいては、駆動に用いる圧電/電歪素子以外に、1個以上の補助素子として用いられる圧電/電歪素子を配設することも好ましい。この場合に、駆動用の圧電/電歪素子と、補助素子とは、必ずしも同じ型のものを用いる必要はない。また、圧電/電歪素子及び圧電/電歪素子の電極に導通する電極リードを、樹脂若しくはガラスからなる絶縁層により被覆すると、耐久性の向上が図られ、好ましい。このとき樹脂としては、フッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂が好適に用いられる。更に、絶縁層の表面上に導電性部材からなるシールド層を形成することも、駆動特性の向上と安定に寄与し、好ましい。
【0013】
基板、連結板、振動板の材料としては、完全安定化ジルコニア或いは部分安定化ジルコニアが好適に用いられる。また、固定板、連結板、振動板の少なくともいずれかの形状は、レーザ加工若しくは機械加工によりトリミングして寸法調整することが好ましい。更に、圧電素子における電極をレーザ加工若しくは機械加工することにより、圧電素子の有効電極面積を調整することも好ましい。
【0014】
次に、本発明においては、上述した変位制御デバイスを用いたアクチュエータが提供される。即ち、独立した2個以上の圧電/電歪素子の駆動によって、連結板若しくは固定板が、そのX軸変位位置又はY軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動される上述した変位制御デバイスを複数用いてなるアクチュエータであって、当該固定板どうしが当該固定板の中心線が略平行となるように配設され、及び/又は当該連結板どうしが当該連結板の中心線が略平行となるように配設されてなることを特徴とするアクチュエータ、が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、独立した2個以上の圧電/電歪素子の駆動によって、連結板若しくは固定板が、そのX軸変位位置又はY軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動される上述した変位制御デバイスを複数用いてなるアクチュエータであって、当該変位制御デバイスを周設してなることを特徴とするアクチュエータ、もまた提供される。
ここで、複数の変位制御デバイスは、固定板の中心線が互いに交差するように、又は連結板の中心線が互いに交差するように、固定板若しくは連結板の先端を、その中心線の交差する点に向けて配設する構造とすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の変位制御デバイス(以下、単に「デバイス」という。)と、デバイスを用いたアクチュエータの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係るデバイスは、以下の説明から明らかとなるように、構成要素である連結板若しくは固定板が圧電/電歪素子の駆動により、ヒステリシス様の変位軌跡を描くように運動するものであるが、この「ヒステリシス様」という意味については、追って説明することとする。また、本発明に係るアクチュエータとは、複数の変位制御デバイスを構成要素として含むデバイス群を指し、必ずしもアクチュエータが他の物体を運動させる場合に限定されず、アクチュエータ自体が自走、回転等の運動を行うものをも含む。
【0017】
図1(a)はデバイス36の平面図を示し、図1(b)は、平面図中のX軸を含み、平面図(紙面)に垂直な断面における断面図(以下、このような断面図を「X軸における断面図」のように表記する。)を示している。
【0018】
デバイス36は、連結板2が2枚の振動板3A・3Bによって挟持され(この挟持方向、即ち連結板2と振動板3A・3Bとの接合の方向を「X軸方向」とし、以下同様とする。)、かつ、連結板2が基板5に形成された凹部6の底面に接合されると共に、振動板3A・3Bが凹部6の側面及び底面と接合された構造を有している。ここで、連結板2と基板5との接合方向は好ましくはX軸に直交する方向であり、以後この方向を「Y軸方向」と定義する。そして、独立した圧電/電歪素子(以下、「圧電素子」という。)4A・4Bが、それぞれ振動板3A・3Bの一方の主平面に配設されている。
【0019】
デバイス36において、振動板3A・3Bは少なくとも凹部6の側面と接合されている必要があるが、凹部6の底面とは必ずしも接合される必要はない。即ち、振動板3A・3Bは、連結板2と凹部6の側面との間に跨設される形で形成されていても構わない。
【0020】
なお、圧電素子4A・4Bには、圧電素子4A・4Bを形成する電極から電極リードが基板5へ向けて配設されるが、図1の各図では省略されている。また、「独立した圧電素子」とは、圧電素子そのものが別体であることのみならず、各圧電素子を別々に独立して駆動させることができる意味で用いるものとする。
【0021】
これら連結板2、振動板3、基板5の各部材の接合は、各部材の側面において好適に行われ、一体的に形成されていることが好ましい。後述するグリーンシート積層法を用いれば、容易に一体成形されたデバイス36を得ることができる。連結板2は振動板3よりも厚く形成されているが、振動板3と同様程度に薄く形成しても構わない。
【0022】
ここで、連結板とは、圧電素子の駆動によって生ずる振動板の変位或いは振動を伝達すると共に、振動板の変位を拡大する要素をいう。連結板の先端にはその先端の形状を任意のものとすべく、固定板を接合することが可能である。つまり、連結板は、固定板等と基板を連結し、固定板等を変位或いは振動させる役割をも果たすものであり、デバイス36においては、連結板2自体が固定板の役割をも果たしていると考えることができる。
【0023】
振動板とは、主平面(表面)に配設した圧電素子の歪みを屈曲モードの変位或いは振動に変換し、この変位或いは振動を連結板に伝達する要素をいう。なお、振動板は、逆に連結板や連結板に接合された固定板等が変位或いは振動したときに生ずる歪みを圧電素子に伝達する役割をも果たす。基板とは、可動部(連結板、振動板、圧電素子、並びに固定板等が配設されている場合には固定板等を含む。)を保持すると共に、駆動装置や測定装置へ取り付けるための種々の電極端子を配設し、実際の使用においてハンドリングに供される要素をいう。
【0024】
前述したように、基板5には、連結板2及び振動板3A・3Bを図1記載の所定の形態に保持するための凹部6が形成されているが、この凹部6における側面(X軸に垂直な面)と底面(Y軸に垂直な面)は、必ずしも直交している必要はなく、また、側面と底面の交差部は曲率を有していてもよい。このような凹部6は、基板5の外周側面の一部を切り欠いて形成してもよく、また、基板5内部に四角形状の孔部を形成したときの4側面中の3側面を用いるものであってもよい。
【0025】
従って、凹部6は必ずしも連結板2が突出するY軸方向の一方に開口している必要はないが、この場合には、後述するように、デバイス36において利用される連結板2の変位軌跡に悪影響を及ぼさないような形状の設定が必要とされる。
【0026】
さて、圧電素子4A・4Bの形態としては、図2に示されるように、振動板89上に、圧電膜86を第1電極85と第2電極87とで挟んで層状に形成した圧電素子88が代表的であるが、図3に示すような振動板89上に圧電膜90を配し、圧電膜90上部に第1電極91と第2電極92とが、一定幅の隙間部93を形成した櫛型構造を有する圧電素子94Aを用いることもできる。なお、図3における第1電極91と第2電極92は、振動板89と圧電膜90の接続面の間に形成されてもかまわない。更に、図4に示すように、櫛型の第1電極91と第2電極92との間に圧電膜90を埋設するようにした圧電素子94Bも好適に用いられる。圧電素子88では電界誘起歪みの横効果(d31)を、圧電素子94A・94Bでは電界誘起歪みの縦効果(d33)が好適に用いられる。
【0027】
図3及び図4に示した櫛型電極を有する圧電素子94A・94Bを用いる場合には、櫛形電極におけるピッチWを小さくすることで、その歪み量を大きくすることが可能となる。このような図2〜図4記載の圧電素子は、後述する本発明のデバイス全てに適用することができる。こうして圧電素子88等の種々の形態を有する圧電素子4A・4Bに電圧を印加すると、圧電膜には印加電圧に応じた歪みが発生し、この歪みが振動板3に伝達され、次に連結板2へと伝達されることにより、連結板2に所定の変位が発生する。
【0028】
ここで、デバイス36の圧電素子4A・4Bとして、共にd31を利用する型の圧電素子を配設したと仮定して、圧電素子4A・4Bに生じた歪みによって連結板2が変位する過程を考察することとする。圧電素子4A・4Bに印加する電圧をそれぞれVA・VBとし、また、X軸とY軸の両軸に直交する軸をZ軸とする。
【0029】
図5(a)〜(c)は、図1(b)に相当するZ−X平面における断面図であり、連結板2の変位の推移を示す説明図である。また、図5(d)は同じくZ−X平面上での連結板2の先端面2Fの位置の変化を示す説明図である。先ず、圧電素子4Bを駆動せずに、圧電素子4Aのみに電圧を印加すると、圧電膜に電界誘起歪みが生じて、圧電素子4AはX軸方向に縮む。こうして、図5(a)に示されるように、振動板3Aには、矢印Cで表される振動板3Aの主平面に垂直なZ軸方向への屈曲モードの変位が生じる。このとき、振動板3Aと連結板2との接合部B1には、矢印Dで示される矢印Cとは反対向きの力が作用する。この矢印Dの方向はZ軸方向であり、X軸方向とは直交するために、連結板2をX軸方向へ変位させる成分を含んでおらず、そのため、電圧印加の瞬間には、連結板2はX軸方向には変位しない。
【0030】
しかし、振動板3Aに屈曲が生ずると、接合部B1に作用する力は、矢印Dの向きではなく、図5(b)に示される矢印Eの向きとなって、X軸方向の成分(矢印EA)が生じるようになる。こうして、矢印EAの変位成分によって、連結板2がX軸方向(図面右向き)に変位するようになると考えられる。一方、振動板3Aは、その3辺が基板5並びに連結板2と接合されており、1辺が自由端となっている。このため、振動板3Aの屈曲変位が大きくなるに従い、振動板3Aの自由端は、矢印Dの方向、即ちZ軸方向(図面上向き)に変位し、この振動板3AのZ軸方向の変位によって、連結板2はZ軸方向へも変位することとなる。
【0031】
つまり、圧電素子4A・4Bに駆動電圧を全く印加しない状態における連結板2の先端面2Fの位置を図5(d)におけるP点とすると、圧電素子4Aのみの駆動により、連結板2の先端面2Fは、P点からQ点へ移動するように変位する。従って、Q点では、圧電素子4Aに印加されている電圧がVAであり、圧電素子4Bに印加されている電圧が0(ゼロ)の状態にある。このような電圧印加の状態を、以下、(VA・0)と記すこととする。
【0032】
上述した場合とは逆に、圧電素子4Aには電圧を印加せず、圧電素子4Bにのみ電圧を印加する場合を考えると、圧電素子4Bの駆動によって連結板2と振動板3Bとの接合部B2に作用する矢印Fで表される力は、図5(c)に示されるように、先に図5(b)に示した圧電素子4Aのみを駆動した場合の矢印Eで表される力とは、Z軸について対称な方向となる。つまり、圧電素子4Bのみの駆動によって、連結板2の先端面Fは、図5(d)においては、P点からS点へ移動するように変位することとなる。このS点での電圧印加状態は、(0・VB)で表される。
【0033】
従って、連結板2の先端面2FがQ点にある状態から、圧電素子4Aへの電圧印加を維持した状態において、圧電素子4Bに電圧を印加すると、X軸方向の変位成分は相殺されて小さくなるものの、Z軸方向の変位成分は加算されるため、所定電圧(VA・VB)の状態で、X軸方向への変位量が0で、Z軸方向に最も大きく変位するR点へ移動させることができる。
【0034】
こうして、2個の独立した圧電素子4A・4Bの電圧印加状態を変化させることによって、連結板2を、その先端面2FがP点→Q点→R点→S点→P点へと、ヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動させることが可能となり、勿論、このような経路を逆行させて駆動することもできる。更に、圧電素子4A・4Bにかける電圧を(VA/2・VB/2)とすると、T点へ連結板2を変位させることもできる。従って、P点→Q点→T点→S点→P点に至る経路で、連結板2を駆動させることもでき、この場合には、Q点とS点との間では、Z軸方向の変位量が相対的に変化しない駆動形態となる。
【0035】
つまりは、連結板が2枚の振動板3A・3Bによって挟持されている構造において、少なくとも独立した2個の圧電素子4A・4Bを駆動することによって、P・Q・R・S点によって囲まれる範囲において、連結板2を任意の経路でヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動させることができる。なお、図5(d)においては、P点〜T点の各点間の変位軌跡は直線状で示されているが、前述の通り、圧電素子4A・4Bのそれぞれに印加する電圧を調整することによって、曲線状或いは略円周状となるように、軌跡を描くことも、勿論可能である。
【0036】
こうして、例えば図6に示すように、連結板2のX−Y平面上に物体101を置いて、連結板2の先端面2Fを反時計回りに回転するように駆動させると、少なくとも連結板2と物体101との摩擦によって、物体101をX軸の負の向き(矢印FFの向き)へ移動させることができる。なお、連結板2において、連結板2が物体101と接触する部分は、図6に示されるような断面が矩形のものに代えて、断面が円形のものを用いることもできる。つまり、連結板2の形状は、矩形状に限定されるものではない。以上は、圧電素子としてd31を利用する型の素子を用いた場合で説明したが、d33を利用する型の素子とした場合にも同様にヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動することができる。
【0037】
なお本発明では、連結板2の変位形態としてヒステリシス様の変位軌跡という語句を用いているが、これは次のような意味として使用する。一般にヒステリシスとは、ある量Aの変化に伴って他の量Bが変化する場合、Aの変化の経路によって同じAに対するBの値が異なる現象を言うが、前記Aを連結板2のX軸変位位置、Bを連結板2のZ軸変位位置と置き換えると、通常、圧電素子4Aに電圧を印加した場合、例えば、0〜VAで電圧を変化させた場合、連結板2のX軸変位位置の変化とZ軸変位位置の変化との関係は、図5(d)のP点からQ点へ向かう経路で示される。この場合、連結板2のX軸変位位置に対するZ軸変位位置は一義的に決まる。
【0038】
しかし、本発明においては、圧電素子4Bへの電圧印加によって、連結板2がQ点からR点へ向かう経路を採るように駆動することができる。従って、同じ連結板2のX軸変位位置でありながら、Z軸変位位置は異なる状態となり、X軸変位位置に対してZ軸変位位置は一義的には定まらない。Q点→R点→S点→P点へと変位する経路は、本デバイスの変位経路(軌跡)の一例であるが、このような変位形態に対して、本発明ではヒステリシス様の変位軌跡という語句を使用するものである。従って、P点とR点との間の往復変位(Z軸方向振動)は、連結板2のX軸変位位置に対して、Z軸変位位置が多値の例であり、これもまたヒステリシス様の変位軌跡と表現することができる。
【0039】
なお、本発明のデバイスを、上述のようにヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動させるための圧電素子に実際に印加する電圧は、圧電素子の構造や圧電膜の圧電特性、1個のデバイス内における各圧電素子の寸法バラツキ等によって、適宜、好適なヒステリシス様の変位軌跡が描かれるように調整する必要がある。
【0040】
さて、上述したデバイス36においては、連結板2が複数の振動板で挟持されているため、Y軸周りのねじれ変位が抑制される。また、この場合、Z軸方向の変位も抑制されるが、X軸方向の変位量は大きくなる。また、振動板3A・3Bを凹部6の底面とは接合しない形態とした場合には、Y軸周りのねじれ変位が生じ易くなるが、Z軸方向の変位量を大きく取ることができる。更に、後述するように、連結板2の形状によっても、ヒステリシス様の変位軌跡の形状を制御することが可能である。このように、ヒステリシス様の変位軌跡の形状は、圧電素子に印加する電圧の制御方法によって変化させることができるが、デバイス自体の構造設計によっても、変化させることができる。
【0041】
さて、続いて、デバイス36と同様に、上述したヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動することができるデバイスの実施形態を列記しながら説明する。図7(a)の平面図と、平面図中のX軸における断面図(b)に示したデバイス37は、デバイス36における振動板3A・3Bの両主平面にそれぞれ独立した圧電素子(4A・4C)・(4B・4D)を配設した形態を有している。ここで、圧電素子4A〜4Dとして、d31を用いる型のもの、d33を用いる型のものを適宜選択して配置し、先に図5に示した駆動原理に従って、圧電素子4A〜4Dを駆動をすることにより、圧電素子4A〜4Dの全てを用いた駆動が可能である。例えば、d31を利用する圧電素子4Aの駆動によって生じた振動板3Aの歪みを更に大きくするように、d33を利用する圧電素子4Cを駆動する形態が挙げられる。
【0042】
一方、デバイス37においては、デバイス36と同様に、圧電素子4A・4Bを駆動素子として用い、圧電素子4C・4Dを補助素子として用いることもできる。ここでの補助素子とは、故障診断用素子、変位確認/判定用素子、駆動補助用素子等をいい、補助素子の使用により高精度な連結板の駆動が可能となる。なお、複数の異なる用途の補助素子を配設することも好ましい。
【0043】
図8の平面図は、デバイス36の連結板2の先端に固定板1を接合してなるデバイス38を示している。ここで、固定板とは、連結板の変位を更に拡大して所定量ほど変位する要素であり、図示された連結板2のような棒状部材との接触が困難である物体を移動させる場合等に、その物体の形状等に合わせて設計される。
【0044】
なお、デバイス38においては、1枚の振動板3Aの一方の主平面にY軸方向に分割された2個の独立した圧電素子4A・4Cが形成され、他方の振動板3Bにも同様の形態を有する圧電素子4B・4Dが形成されている。この場合、固定板1に近い側の圧電素子4A・4Bを駆動素子として用い、凹部6の底面側の圧電素子4C・4Dを補助素子として用いることが好ましい。圧電素子の分割は、圧電素子4A・4Bを配設した後に、後述するレーザ加工等により分割加工する方法、或いは圧電素子4A〜4Dを配設する際に最初から2素子1組として配設する方法のいずれを用いてもよい。このような圧電素子の分割形成と使用方法は、本発明の全てのデバイスに適用することができる。
【0045】
次に、図9(a)にはデバイス39の平面図を、図9(b)には、平面図中のX1軸における断面図を示す。デバイス39は、長手方向(Y軸方向)における一端が振動板3A・3Bによって挟持され、かつ、他端が別の2枚の振動板3C・3Dによって挟持された連結板2が、基板5に形成された対向する凹部6A・6Bの底面間に跨設されると共に、振動板3A〜3Dが凹部6A・6Bの底面及び側面と接合され、固定板1が、固定板1の長手方向が振動板(3A・3B)・(3C・3D)が連結板2を挟持する方向(X軸方向)と平行になるように連結板2に接合された構造を有している。
【0046】
そして、振動板3A〜3Dそれぞれについて、主平面に独立した圧電素子4A〜4Dが配設されているが、前述したデバイス37のように、圧電素子は振動板3A〜3Dの両主平面に配設することもできる。また、後述するデバイス39の駆動形態から明らかなように、連結板2の一端において連結板2を挟持する振動板3A・3Bのみにそれぞれ圧電素子4A・4Bを配設することもできる。但し、このように2個の独立した圧電素子により駆動した場合には、振動板3A〜3Dのそれぞれに独立した4個の圧電素子4A〜4Dを配設して駆動させた場合と比較すると、変位の拡大効率という点では劣るものとなる。
【0047】
なお、振動板3Aの代わりに、平板面を平行に対向させた2枚1組の振動板を用い、同様に、振動板3Bについても、2枚1組の振動板を用いて、計4枚の振動板で連結板を挟持してもよい。振動板3C・3Dについても同様である。
【0048】
さて、デバイス39における圧電素子4A・4B及び圧電素子4C・4Dの配置形態は、前述したデバイス36における圧電素子4A・4Bと同様であるから、デバイス39においては、圧電素子4A〜4Dの全てをd31を利用する型の圧電素子で構成するか、或いはd33を利用する型の圧電素子で構成することが好ましい。
【0049】
例えば、圧電素子4A〜4Dとして、d31を利用する型の圧電素子を用いた場合に、先ず、圧電素子4A・4Cのみに電圧を印加すると、圧電素子4Aが連結板2をX軸方向に変位させようとする力と、圧電素子4Cが連結板2をX軸方向に変位させようとする力は、互いに逆の向きになるため、固定板1と連結板2の接合部においては、X軸とY軸の交点近傍を中心として、連結板2を主にX−Y平面内において回転させる力が生ずる。この力によって、固定板1は、X軸とY軸の交点近傍を中心として、固定板1の先端がY軸方向に駆動するように変位する。
【0050】
つまり、デバイス39は、圧電素子4A・4Cの撓み変位が、連結板2のX軸方向の撓み変位を生じさせ、更に連結板2の撓み変位が固定板1のY軸方向の回転変位に変換されるという2段階の変位拡大機構を有するものであり、このとき、固定板1のX軸方向長さ等の設計によって、変位量の拡大が図られる。そして連結板2に生じたZ軸方向の変位は、固定板1にも伝達される。
【0051】
同様に、圧電素子4B・4Dのみに電圧を印加した場合には、圧電素子4A・4Cを駆動させた場合と比較して、Y軸方向であっても反対の向きに変位することとなる。
【0052】
こうして、デバイス39における圧電素子4A・4Bを、前述したデバイス36における圧電素子4A・4Bと同様に、連結板2がヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動し、かつ、電圧印加の状態を一組の圧電素子4A・4Cで合わせ、同時に他組の圧電素子4B・4Dで合わせることによって、固定板1の先端面の動きをY−Z平面上に表したときに、図5(d)と同様のヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動させることができるようになる。
【0053】
なお、デバイス39の連結板2と固定板1との接合部に形成された切欠部9は、上述した連結板2のX軸方向変位の固定板1のY軸方向変位への拡大変換を有効に発現させる役割を果たしており、切欠部9は、連結板2の幅方向の距離、即ちX軸方向の距離を、固定板1内に至るまでに長く形成することが好ましく、一方、切欠部11の幅、即ち切欠部9のY軸方向の距離は短い方が好ましい。
【0054】
次に、図10に示したデバイス40は、連結板2を固定板1の長手方向(X軸方向)に2分割し、更に、分割された連結板2のそれぞれを連結板2の跨設方向(Y軸方向)に2分割した形態を有している。従って、固定板1は、結果的に4枚の連結板2に横架するように、連結板2の片側主平面に接合されている。ここで、連結板2と固定板1とが一体的に形成されていてもよいことは言うまでもなく、連結板2の分割は3分割以上であっても構わない。本発明におけるこのような固定板の長手方向(X軸方向)における連結板の分割とは、連結板が分割されて間隙が形成された結果、新たに形成された連結板のX軸方向の幅が小さくなる場合に加えて、連結板のX軸方向幅を変化させずに、X軸方向に間隙を介して複数並列に配設された形状となる場合をも含む。
【0055】
デバイス40においては、圧電素子4A〜4Dは、それぞれ1枚ずつの連結板2を、対応する振動板3A〜3Dを介して駆動する形態となっているために、圧電素子4A〜4Dの歪みを固定板1に作用させるポイント(接合部)を複数取ることができ、デバイス39と同様に駆動することにより、効率的に固定板1を駆動することが可能となる。
【0056】
なお、間隙部10において、連結板2よりも厚みの薄い板状部材を、連結板2間にX軸方向に跨設しても構わない。この場合には、板状部材を跨設しない場合と比較すると、固定板1の相対的な変位量は低下するものの、剛性を高めて、より早い応答速度で固定板1を動作させることが可能となる。また、間隙部10は必ずしも連結板2の全長(Y軸方向長さ)にわたって形成する必要はなく、一部の範囲であってもその効果は得られる。
【0057】
図11には、固定板1の長手方向に分割されて形成された2枚の連結板2に、固定板1が一体的に接合され、また、固定板1と連結板2との接合部から固定板1の長手方向にかけて、固定板1にひんじ部11が設けられ、更に固定板1と連結板2との接合部に切欠部9が形成されたデバイス41の平面図を示した。ひんじ部11は固定板1先端のY軸方向への変位駆動を補助するため、切欠部9と併せて形成することによって、より効果的に大きな変位量を得ることができるようになる。このようなひんじ部11は、前述したデバイス39・40にも形成することができる。
【0058】
次に、前述したデバイス36を例に、圧電素子からの電極リードの形成の形態について説明する。図12(a)は、デバイス36に配設した圧電素子4A・4Bに、電極リード21A〜21Dを設けると共に、圧電素子4A・4Bと電極リード21A〜21Dに絶縁層22を設け、更に絶縁層22を被覆するようにシールド層23を形成した一実施形態を示す平面図であり、図12(b)〜(d)は、それぞれが図12(a)中のX1軸における断面図であって、異なる形態を示している。
【0059】
絶縁層22は、圧電素子4A・4Bの耐環境特性の向上に有効に機能する。シールド層23は、デバイスを高周波数で駆動する場合等に、外部からの電磁波を遮断して変位精度を良好に確保する他、誤作動やノイズの混入を防止する機能を有する。
【0060】
シールド層23の配設の形態としては、図12(b)に示されるように、基板5を挟み込むように形成する形態の他、図12(c)に示されるように、基板5上の配線部分のみを囲う形態や、図12(d)に示すように、配線部分を上部片側のみでシールドする形態が挙げられるが、中でも、図12(b)、(c)に示すような配線部分全体をシールドする形態が好ましい。なお、図12(a)においては、基板5に設けられたスルーホール24を用いて基板5の各面に形成されたシールド層23の導通を確保しているが、基板5の側面を利用してこの導通を図ってもよい。これら、絶縁層22及びシールド層23の形成に好適に用いられる材料の詳細については、デバイスの構成材料について後述する際に併せて説明する。
【0061】
次に、本発明のデバイスに用いられる材料について説明する。基板、固定板、連結板、振動板は、接着剤を使用せずに、圧電素子と一体的に形成しうる絶縁体、誘電体であればよく、セラミックスが好適に用いられ、例えば、酸化物であれば完全安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア等が、非酸化物であれば窒化珪素等を挙げることができる。このうち、完全安定ジルコニアと部分安定化ジルコニアは、薄板においても機械的強度が大きいこと、靭性が高いこと、圧電膜や電極材との反応性が小さいことから最も好適に採用される。なお、これら基板等の材料として、完全安定化ジルコニア若しくは部分安定化ジルコニアを使用する場合には、少なくとも振動板には、アルミナあるいはチタニア等の添加物を含有させて構成すると好ましい。
【0062】
また、セラミックスを用いた場合には、後述するグリーンシート積層法を用いて、デバイスを一体的に成形することができるため、各部の接合部の信頼性の確保や製造工程の簡略化等の見地から好ましい。
【0063】
なお、本発明のデバイスにおける固定板の厚みや形状には制限がなく、使用用途に応じて適宜設計されることは既に述べたが、基板の厚みも操作性を考慮して適宜決められ、必ずしも板状である必要もない。これに対し、振動板の厚みは3〜20μm程度とすることが好ましく、振動板と圧電素子を合わせた厚みは15〜60μmとすることが好ましい。また、連結板の厚みは20〜600μm、幅30〜500μmが好適であり、連結板のアスペクト比(幅(X軸方向長さ)/厚み方向(Z軸方向)長さ))は、0.1〜15の範囲とすることが好ましいが、特にX−Y平面内の変位をより支配的なものとする為には、0.1〜7の範囲とすることが好ましい。
【0064】
圧電素子における圧電膜としては、膜状に形成された圧電セラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セラミックス、或いは反強誘電体セラミックスを用いることも可能である。また、分極処理が必要な材料、必要でない材料のいずれであってもよい。但し、磁気記録ヘッド等に用いる場合には、固定板の変位量と駆動電圧若しくは出力電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましく、従って、坑電界としては、10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0065】
具体的な圧電セラミックスとしては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、チタン酸バリウム等や、これらのいずれかを組み合わせた成分を含有するセラミックスが挙げられる。このうち、本発明においては、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛からなる成分を主成分とする材料が好適に用いられるが、これは、このような材料が高い電気機械結合係数と圧電定数を有すること、圧電膜の焼結時における基板(セラミック基板)との反応性が小さく、所定の組成のものを安定に形成することができること等の理由による。
【0066】
更に、上記圧電セラミックスに、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物、若しくはこれらいずれかの組み合わせ又は他の化合物を、適宜添加したセラミックスを用いてもよい。例えば、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とし、これにランタンやストロンチウムを含有させ、坑電界や圧電特性を調整して用いることもまた好ましい。
【0067】
一方、圧電素子の電極は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体あるいはこれらのいずれかを組み合わせた合金が用いられ、更に、これらに圧電膜あるいは振動板と同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
【0068】
圧電素子における電極の材料選定は、圧電膜の形成方法に依存して決定される。例えば、振動板上に第1電極を形成した後、第1電極上に圧電膜を焼成により形成する場合には、第1電極には圧電膜の焼成温度においても変化しない白金等の高融点金属を使用する必要があるが、圧電膜を形成した後に圧電膜上に形成される第2電極は、低温で電極形成を行うことができるので、アルミニウム等の低融点金属を使用することができる。
【0069】
また、圧電素子を一体焼成して形成することもできるが、この場合には、第1電極及び第2電極の両方を圧電膜の焼成温度に耐える高融点金属としなければならない。一方、図3に示した圧電素子94Aのように、圧電膜90上に第1・第2電極91・92を形成する場合には、双方を同じ低融点金属を用いて形成することができる。このように、第1電極及び第2電極は、圧電膜の焼成温度に代表される圧電膜の形成温度、圧電素子の構造に依存して、適宜好適なものを選択すればよい。なお、電極リードは、圧電素子における電極と同時に形成することが可能であり、また、振動板上の電極リードは圧電素子と同時に形成しておき、その後に基板上の電極リードを、スパッタ法、スクリーン印刷法等、種々の方法を用いて形成してもよい。
【0070】
続いて、圧電素子並びに電極リード上に形成する絶縁層の材料としては、絶縁性のガラス若しくは樹脂が用いられるが、変位を阻害しないようにしてデバイスの性能を上げるためには、ガラスよりも樹脂を用いることが好ましく、化学的安定性に優れたフッ素樹脂、例えば、四フッ化エチレン樹脂系テフロン(デュポン(株)製のテフロンPTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂系テフロン(テフロンFEP)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂系テフロン(テフロンPFA)、PTFE/PFA複合テフロン等が好適に用いられる。
【0071】
また、これらのフッ素樹脂よりも耐食性、耐候性等に劣るが、シリコーン樹脂(中でも熱硬化型のシリコーン樹脂)も好適に用いられる他、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等も目的に応じて使用することができる。なお、圧電素子並びにその近傍と、電極リード並びにその近傍とで異なる材料を用いて、絶縁層を形成することも好ましい。更に、絶縁性樹脂に無機・有機充填材を添加し、振動板等の剛性を調整することも好ましい。
【0072】
絶縁層を形成した場合に、絶縁層上に形成されるシールド層の材料としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の種々の金属が好適に用いられるが、他にも上述した圧電素子における電極等に用いられる全ての金属材料を用いることができる。また、金属粉末を樹脂と混合してなる導電性ペーストを用いることもできる。
【0073】
続いて、本発明のデバイスの作製方法について、前述したデバイス39を例に説明する。本発明のデバイスは、連結板や固定板等の複数の部材から構成されているため、別体で準備された種々の材料からなる部品をそれぞれ接合して作製することが可能である。しかし、この場合、生産性が高いものではなく、接合部における破損等が生じやすいことから、信頼性の面で問題がある。そこで、本発明においてはセラミックス粉末を原料としたグリーンシート積層法が好適に採用される。
【0074】
グリーンシート積層法においては、先ず、材料であるジルコニア等のセラミックス粉末にバインダ、溶剤、分散剤等を添加混合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法により所定の厚みを有するグリーンシート若しくはグリーンテープを作製する。次に、グリーンシートを金型を用いた打ち抜き(パンチング)等の方法により、図13に示すような種々のグリーンシート部材(以下、「シート部材」という。)を作製する。
【0075】
シート部材51は、焼成後に、基板5、連結板2、固定板1並びに振動板3A〜3Dとなる部材であり、この時点ではそれらの形状が不明確な一枚板の状態となっている。これは、前述したように、振動板3A〜3Dは、3〜20μmと薄く形成することが好ましいことから、グリーンシートの状態でこれら各部材の形状を形成するよりも、焼成後に、レーザ加工等により、不要な部分を切り落とす方が、形状精度が良好に保たれ、好ましいことによる。
【0076】
シート部材52は、基板5となる他、固定板1と連結板2の厚みを振動板3A〜3Dよりも厚く形成するための部材であって、基準孔54、窓部55、固定板1、連結板2が形成されている。固定板1と連結板2の接合部には、切欠部11を形成しておくことができる。このシート部材52を1枚以上の所定数ほど積層して、所望する固定板1並びに連結板2の厚みを得る。なお、固定板1を連結板2よりも薄く形成する場合には、シート部材52から固定板1となる部分のみを削除したシート部材を作製し、これを積層すればよい。基準孔54と窓部55を形成したシート部材53は、基板5となる部材である。1枚以上の所定枚数ほど積層することで、所望する厚みを得ることができる。
【0077】
これらのシート部材51〜53を、この順番で基準孔54を利用して位置決めを行いながら積層して、熱圧着等の方法により一体化し、積層体を作製する。そしてその後、1200℃〜1600℃の温度で焼成を行うが、ここで、シート部材51の最終的に振動板3A〜3Dが形成される位置に、予め圧電素子4A〜4Dを形成しておき、積層体と一体焼成することも好ましい。
【0078】
このような積層体と圧電素子の同時焼成による圧電素子4A〜4Dの配設方法としては、金型を用いたプレス成形法又はスラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電膜を成形し、この焼成前の圧電膜をシート部材51に熱圧着で積層し、同時に焼結して基板と圧電膜とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この場合には、後述する膜形成法を用いて、基板あるいは圧電膜に予め電極を形成しておく必要がある。
【0079】
圧電膜の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜定められるが、一般には、800℃〜1400℃であり、好ましくは1000℃〜1400℃である。この場合、圧電膜の組成を制御するために、圧電膜の材料の蒸発源の存在下に雰囲気調整して焼結することが好ましい。そして、特に後述する焼成後の基板を用いる場合に圧電膜の焼成応力を緩和し、より高い材料特性を引き出すための前記雰囲気調整は、焼成後の圧電膜を電子顕微鏡等で観察し、成分の分布をモニタすることで制御することが好ましい。
【0080】
例えば、本発明で好適に採用される圧電セラミックスであるジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛からなる成分を主成分とする材料のように、ジルコン酸鉛を含有する材料を使用する場合には、焼成した圧電膜においてジルコニウム成分が偏析するように雰囲気を調整し、焼成することが好ましい。更に好ましくは、圧電膜表面にはジルコニウム成分の偏析が認められ、圧電膜内部ではその偏析がほとんど認められないような雰囲気とすることが望ましい。このような成分分布を有する圧電膜は、偏析のない圧電膜と比較すると、振動特性に優れ、即ち振動振幅が大きく、また、ジルコニウム成分の偏析によって焼成応力が緩和されているので、圧電粉末の本来有する材料特性が大きく低下することなく、維持される特徴を有する。
【0081】
従って、本発明のデバイスでは、このような圧電膜となるように圧電素子を形成することが最も好ましい。また、前記圧電膜組成にするとともに、圧電膜焼成後、デバイスの各部材、例えば連結板、基板等に、圧電材料の成分、特に前記酸化チタンを含む圧電材料の場合には酸化チタンが含有されるように雰囲気焼成することも好ましい。そして、圧電膜の焼成と基板との焼成を同時に行う場合には、両者の焼成条件をマッチングすることが必要である。
【0082】
また、焼結後の積層体における振動板形成位置に、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、メッキ等の各種薄膜形成法により、圧電素子を配設することができる。このうち、本発明においては、圧電膜を形成するにあたり、スクリーン印刷法やディッピング法、塗布法、電気泳動法等による厚膜形成法が好適に採用される。これは、これらの手法は、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルション、ゾル等を用いて圧電膜を形成することができ、良好な圧電作動特性が得られるからである。また、特に電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成できることをはじめ、技術文献「「DENKI KAGAKU」、53,No.1(1985)p63〜68、安斎和夫著」に記載されているような特徴を有する。従って、要求精度や信頼性等を考慮して、適宜、手法を選択して用いるとよい。
【0083】
例えば、作製した積層体を所定条件にて焼成した後、焼成後のシート部材51の表面の所定位置に第1電極を印刷、焼成し、次いで圧電膜を印刷、焼成し、更に第2電極を印刷、焼成して圧電素子を配設することができ、続いて形成された圧電素子における電極を測定装置に接続するための電極リードを印刷、焼成する。ここで、例えば、第1電極として白金(Pt)を、圧電膜としてはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を、第2電極としては金(Au)を、更に電極リードとして銀(Ag)等の材料を使用すると、焼成工程における焼成温度が逐次低くなるように設定されるので、ある焼成段階において、それより以前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集といった不具合の発生を回避することが可能となる。
【0084】
なお、適当な材料を選択することにより、圧電素子の各部材と電極リードを逐次印刷して、一回で一体焼成することも可能であり、一方、圧電膜を形成した後に低温で各電極等を設けることもできる。また、圧電素子の各部材と電極リードはスパッタ法や蒸着法等の薄膜法によって形成してもかまわず、この場合には、必ずしも熱処理を必要としない。
【0085】
こうして圧電素子を膜形成法によって形成することにより、接着剤を用いることなく圧電素子と振動板とを一体的に接合、配設することができ、信頼性、再現性を確保し、集積化を容易とすることができる。ここで、更に圧電膜を適当なパターンに形成してもよく、その形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法、あるいはレーザ加工法、又はスライシング、超音波加工等の機械加工法を用いることができる。
【0086】
このようにして、圧電素子や電極リードが形成された焼成後の積層体の所定位置に振動板や固定板、連結板、また必要に応じて切欠部を形成する。ここで、YAGレーザの第4次高調波を用いた加工により、焼結後のシート部材51の不要な部分を切り出し加工して除去することが好ましい。こうして、図9に示した形状の振動板3A〜3D、固定板1、連結板2を有するデバイス39が得られる。なお、基板5に相当する部分であって、不要な部分を前記レーザ加工やダイシングによって除去しても構わない。
【0087】
また、主にシート部材52により形成された固定板1、連結板2の形状や、シート部材51により形成された振動板3A〜3D等の形状を、このような加工時に調整することで、形状のばらつきを小さくすると共に、変位量や駆動特性の調整を行うことも好ましい。
【0088】
更に、図2に示した圧電素子88を、図14に示すように、第2電極87を上部電極、第1電極85を下部電極として、その中間に圧電膜86を形成した圧電素子88を一度配設した後、上部電極をYAG第4次高調波レーザ、機械加工等によりトリミングして圧電素子の有効電極面積を調整し、デバイスのインピーダンス等の電気特性を調整し、所定の変位特性を得ることも好ましい。なお、圧電素子88の構造が、図3或いは図4に示されるような櫛型構造である場合には、一方のあるいは両方の電極の一部をトリミングすればよい。
【0089】
このような加工においては、上記のYAG第4次高調波レーザを用いた加工以外にも、YAGレーザ及びYAGレーザの第2次又は第3次高調波、エキシマレーザ、CO2レーザ等によるレーザ加工、電子ビーム加工、ダイシング(機械加工)など、デバイスの大きさと形状に適した種々の加工方法を適用することができる。
【0090】
なお、本発明のデバイスは、上述したグリーンシートを用いた作製方法の他に、成形型を用いた加圧成形法や鋳込成形法、射出成形法等を用いて作製することもできる。これらの場合においても、焼成前後において、切削や研削加工、レーザ加工、パンチングによる打ち抜き、あるいは超音波加工等の機械加工により加工が施され、所定形状とされる。
【0091】
こうして作製されたデバイス39における圧電素子4A〜4D並びに並びに電極リード上に形成する絶縁層は、ガラス若しくは樹脂を用いて、スクリーン印刷法、塗布法、スプレー法等によって形成することができる。ここで、材料としてガラスを用いた場合には、デバイス自体をガラスの軟化温度程度まで昇温する必要があり、また硬度が大きいので変位若しくは振動を阻害するおそれがあるが、樹脂は柔らかく、しかも乾燥程度の処理で済むことから、樹脂を用いることが好ましい。
【0092】
なお、絶縁層として用いられる樹脂として、フッ素樹脂あるいはシリコーン樹脂が好適に用いられる旨は既に述べたが、これらの樹脂を用いる場合には、下地のセラミックスとの密着性を改善する目的で、使用する樹脂とセラミックスとの種類に応じたプライマー層を形成し、その上に絶縁層を形成することが好ましい。
【0093】
次に、絶縁層上に形成されるシールド層の形成は、絶縁層が樹脂からなる場合には、焼成処理を行うことが困難なため、種々の金属材料を用いる場合には、スパッタ法等の加熱を要しない方法を用いて行われ、一方、金属粉末と樹脂からなる導電性ペーストを用いる場合には、スクリーン印刷法、塗布法等を好適に用いることができる。なお、絶縁層をガラスで形成した場合には、ガラスが流動しない温度以下で、導体ペーストをスクリーン印刷等し、焼成することも可能である。
【0094】
以上、本発明の変位制御デバイスの実施の形態、構成材料、作製方法について説明してきたが、本発明によれば、更に上述した種々のデバイスを用いたアクチュエータもまた提供される。図15の平面図に示したアクチュエータ61は、複数(図15の場合には、合計8個)のデバイス39を、それぞれの固定板1の中心線(Y軸)が略平行となるように、また、各固定板1のX−Y平面が、静止状態において同一平面を形成するように配設された構造を有している。そして、各固定板1の先端部分と接触するように、搬送物69が載置されている。
【0095】
アクチュエータ61において、Z−X平面について対称な位置にあるデバイス39どうし、例えば、デバイス39A・39Eを、固定板1の先端部が、Z−X平面について対称なヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動すると、先に図6に示した原理に基づき、搬送物69にはX軸方向へ移動する力が作用する。X軸方向のどちらの向きに搬送物69を移動させるかによって、ヒステリシス様の変位軌跡が描かれる向きを設定すればよい。デバイス39B〜39Dはデバイス39Aと同等のヒステリシス様の変位軌跡を描くように、また、デバイス39F〜39Hはデバイス39Eと同等のヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動することで、アクチュエータ61は、リニアなモータ、搬送機等として使用することができる。
【0096】
なお、デバイス39A〜39Dは基板5Aに、デバイス39E〜39Hは基板5Bに、それぞれ一体的に形成されている。このような構造を有するアクチュエータは、上述したグリーンシート積層法を用いることにより、容易に作製することができるが、勿論、各デバイス39A〜39Hを別体で作製し、所定の位置に配設してアクチュエータ61を構成しても構わない。アクチュエータ61を構成するデバイスは、デバイス39に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0097】
次に、図16には、8個のデバイス39A〜39Hを、1個の基板5を共有して、固定板1の先端が基板5の外側に向かうように、かつ、各固定板1の中心線(Y軸)が平行となるように配設したアクチュエータ62の斜視図(a)及び斜視図中の線AAを通るZ−X平面における断面図(b)を示す。
【0098】
前述したアクチュエータ61と同様に各デバイス39A〜39Hを駆動する場合には、アクチュエータ62は、リニアに自走する部品として使用することができる。なお、図16(b)に示されるように、アクチュエータ62は、静止状態において基板5が接地し、各固定板1が接地面から離れた状態に状態にある。この高低差hを固定板1のZ軸方向の変位量未満とすることで、高低差hがクラッチとして働く。つまり、固定板1のZ軸方向の変位量が高低差hを越えたときに、アクチュエータ62はそれ自体が移動するように動作することが可能となるが、固定板1のZ軸方向の変位量が高低差h以下であるときには、自走することができない。
【0099】
次に、図17(a)には、図1記載のデバイス36を2個(デバイス36A・36B)使用したアクチュエータ64の平面図を示す。また、図17(b)は、図17(a)中のY軸における断面図であるが、図17(b)においては、デバイス36A・36Bにおける振動板3A・3B及び圧電素子4A・4Bの位置を明確とするため、Y軸上にはないこれらの部材の位置をも付記している。
【0100】
図17(a)、(b)においては、デバイス36A・36B毎にはX軸、Y軸を設けず、図示されるようなX−Y−Z直交座標系を設定し、各軸の交点を原点Oとする。このとき、アクチュエータ64は、デバイス36A・36Bを、原点Oについて点対称となる位置に配設した構造となっており、デバイス36A・36Bの各固定板1に接するように、アクチュェータ64の中央部には、軸芯67によって回転中心が定められた回転体68が配置されている。ここでは、軸針67の回転中心とアクチュエータの点対称中心(原点O)が一致するように配設されている。
【0101】
デバイス36A・36Bの連結板2が、前記図5(d)に記載されるP点、R点の往復運動、即ちZ軸方向変位を生ずるように、所定の信号(電圧)を各デバイス36A・36Bに加えることによって、回転体68を一定方向に回転させるモータとするができる。このとき、一定方向の回転となるように、連結板2と回転体68との接触は、所定角度を有して行われる。また図17(a)、(b)では、点対称の位置にある1組のデバイスで構成されているが、更に点対称の位置にある別の1組のデバイスを配設して、各組ごとに回転体68と各連結板2との接触角を正負反対とすれば、一定方向の回転のみではなく、双方向への回転運動が得られるようになり好ましい。
【0102】
一方、連結板2の変位形態を前述のZ軸方向の変位から、図5(d)においてP点→Q点→R点→S点→P点のような回転軌跡となるように駆動することにより、回転体68に回転運動を惹起させることができる。この場合には、連結板2の直接的な回転運動を回転体68に伝達できる方式となるので、前記したZ軸方向変位を用いて回転させる場合と比較して、高トルクで高速回転が可能であるほか、駆動信号の変更により1組のデバイスのみで、回転方向を両方向にとることができる特徴があり、好ましい。
【0103】
続いて、図18(a)は、デバイス39を周設してなるアクチュエータ63の平面図であり、図18(b)は平面図中のX軸における断面図を示している。ここで、アクチュエータ63においては、各デバイス39A〜39Fについては、X軸及びY軸を設定しないこととし、アクチュエータ63自体に、図18(a)に示されるX−Y−Z軸を定義する。
【0104】
アクチュエータ63においては、各固定板1の中心線(固定板の長さ方向を示す線)が互いに交差するように、かつ、各固定板1の先端が中心線の交差する点(X軸とY軸の交点)へ向かうように、各デバイス39A〜39Eが配設されている。そして、各固定板1に接するように、アクチュエータ62の中央部には、軸芯67によって回転中心が定められた回転体68が配置されている。
【0105】
デバイス39A〜39Eの全てを、各固定板1から回転体68を一方向に回転させる向きへ力が伝達されるようなヒステリシスを描くように駆動することにより、回転体68に回転運動を惹起させることが可能である。また、固定板1がヒステリシスを描く向きを反転させることによって、回転方向の反転も容易に、しかも高速に行うことができる。このように、アクチュエータ63は、モータとして好適に使用することができる。
【0106】
なお、アクチュエータ63では、前述したアクチュエータ64と比較して、駆動部位を多く取れるために、更に高トルク化が図れる利点がある。また、アクチュエータ64と同様に、Z軸方向変位を用いる方式での回転体68の駆動も、勿論可能である。
【0107】
ところで、アクチュエータ62のように、自走させることができたように、円板状の基板を用いて、その円板状基板から、固定板の中心線どうしが交差するように、かつ固定板の先端が、例えば、外側へ放射状に突出するように、デバイス39を円板状基板へ配設することによって、自らが回転するアクチュエータとして用いることもできる。この場合、円板状基板には、回転中心を定めるための軸芯を設けることが好ましい。このような自走回転アクチュエータは、圧電素子への電圧印加方法を考えると、回転モータとしては用いることは難いが、微小な角度変位を制御するアクチュエータとしては、十分に用いることができる。
【0108】
上述した本発明に係るアクチュエータの動作速度は、圧電素子への印加する電圧の周波数や電圧値を制御することによって、容易に行うことができ、静止や反転の動作性能にも優れた特性を有する。
【0109】
以上、本発明の変位制御デバイス及びこれを用いたアクチュエータの実施の形態について詳述してきたが、本発明がこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の通常の知識に基づき、種々の変更、修正、改良が加え得るものであることが理解されるべきである。
【0110】
【発明の効果】
本発明の変位制御デバイスは、構造が簡単であり小型化、軽量化が容易であるとともに、省電力で変位効率が高く、しかも外部からの有害振動等の影響を受け難い特徴を有する。これにより、変位制御デバイス自体をセンサやアクチュエータ自体として用いることが可能であるとともに、複数の変位制御デバイスからなるアクチュエータは、制動性に優れたリニアモータや回転モータ、位置制御アクチュエータ等として用いることができる。また、グリーンシート積層法といった簡便で、設計の許容範囲の広い製造方法を用いることにより、一体構造として信頼性を高めつつ、安価に作製することができる効果を有する。更に、構成材料の選択の許容範囲が広く、目的に応じて都度好適な材料を使用することができる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の変位制御デバイスの一実施形態を示す平面図(a)及び断面図(b)である。
【図2】 本発明の変位制御デバイスに配設される圧電素子の一実施の形態を示す斜視図である。
【図3】 本発明の変位制御デバイスに配設される圧電素子の別の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の変位制御デバイスに配設される圧電素子の更に別の実施形態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の変位制御デバイスの駆動形態の説明図である。
【図6】 本発明の変位制御デバイスの駆動による他物体への力の伝達を示す模式図である。
【図7】 本発明の変位制御デバイスの別の実施形態を示す平面図(a)及び断面図(b)である。
【図8】 本発明の変位制御デバイスの更に別の実施形態を示す平面図である。
【図9】 本発明の変位制御デバイスの更に別の実施形態を示す平面図(a)及び断面図(b)である。
【図10】 本発明の変位制御デバイスの更に別の実施形態を示す平面図である。
【図11】 本発明の変位制御デバイスの更に別の実施形態を示す平面図である。
【図12】 本発明の変位制御デバイスの電極等の保護形態を示す平面図(a)及び断面図(b)〜(d)である。
【図13】 本発明の変位制御デバイスの作製に用いられるシート部材の形状例を示す平面図である。
【図14】 本発明の変位制御デバイスにおける圧電素子の加工方法の一例を示す説明図である。
【図15】 本発明の変位制御デバイスを用いたアクチュエータの一実施形態を示す平面図である。
【図16】 本発明の変位制御デバイスを用いたアクチュエータの別の実施形態を示す斜視図(a)及び断面図(b)である。
【図17】 本発明の変位制御デバイスを用いたアクチュエータの更に別の実施形態を示す平面図(a)及び断面図(b)である。
【図18】 本発明の変位制御デバイスを用いたアクチュエータの更に別の実施形態を示す平面図(a)及び断面図(b)である。
【符号の説明】
1…固定板、2…連結板、2F…連結板の先端面、3A〜3D…振動板、4A〜4D…圧電素子、5・5A・5B…基板、6・6A・6B…凹部、9…切欠部、10…間隙部、11…ひんじ部、21A〜21D…電極リード、22…絶縁層、23…シールド層、36〜41…変位制御デバイス、36A・36B、39A〜39H…変位制御デバイス、51〜53…シート部材、54…基準孔、55…窓部、61〜64…アクチュエータ、67…軸芯、68…回転体、69…搬送物、85…第1電極、86…圧電膜、87…第2電極、88…圧電素子、89…振動板、90…圧電膜、91…第1電極、92…第2電極、93…隙間部、94A・94B…圧電素子、101…物体。

Claims (12)

  1. 連結板が2枚の振動板によって挟持され、かつ、当該連結板が基板に形成された凹部の底面に接合されると共に、当該振動板が少なくとも当該凹部の側面と接合されてなり、
    当該振動板の厚みは当該連結板及び当該基板のそれぞれの厚みより薄く、かつ、当該振動板、当該連結板及び当該基板は、それぞれの一面が連続面となるように接合されると共に、当該基板の厚み方向に非対称に形成されてなる変位制御デバイスであって、
    少なくとも2個の独立した膜型圧電/電歪素子が、当該振動板の片面又は両面に形成されていると共に、当該振動板の両方に分配して配設され、
    当該連結板の長手方向をY軸、当該連結板を挟持する2枚の当該振動板を結ぶ方向をX軸、当該基板の厚み方向をZ軸としたとき、当該連結板が、そのX軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動されることを特徴とする変位制御デバイス。
  2. 当該連結板の一端に固定板が接合されてなることを特徴とする請求項1記載の変位制御デバイス。
  3. 長手方向における一端が少なくとも2枚の振動板によって挟持され、かつ、他端が別の少なくとも2枚の振動板によって挟持された連結板が、対向する凹部を有し、互いの凹部の一方の側面を繋げてなる連続面を形成する基板の、対向する当該凹部の底面間に跨ぐように設けられると共に、当該振動板は少なくとも当該凹部の側面とも接合され、固定板が当該固定板の長手方向が当該振動板が当該連結板を挟持する方向と平行になるように当該連結板に接合されてなり、
    当該振動板の厚みは当該連結板、当該固定板及び当該基板のそれぞれの厚みより薄く、かつ、当該振動板、当該連結板、当該固定板及び当該基板は、それぞれの一面が連続面となるように接合されると共に、当該基板の厚み方向に非対称に形成されてなる変位制御デバイスであって、
    少なくとも2個の独立した膜型圧電/電歪素子が、当該振動板の片面又は両面に形成されていると共に、少なくとも当該連結板の一方の端部にある当該連結板を挟持する少なくとも2枚の振動板の両方に配設され、
    当該連結板の長手方向をY軸、当該連結板を挟持する2枚の当該振動板を結ぶ方向(当該固定板の長手方向)をX軸、当該基板の厚み方向をZ軸としたとき、当該固定板が、そのY軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動されることを特徴とする変位制御デバイス。
  4. 当該固定板と当該連結板との接合部に、当該連結板の幅方向の距離を、当該固定板内に至るまで長く形成した切欠部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の変位制御デバイス。
  5. 当該連結板が当該固定板の長手方向に2分割されると共に分割されて形成された少なくとも2枚の連結板に当該固定板が接合されてなることを特徴とする請求項3又は4記載の変位制御デバイス。
  6. 当該圧電/電歪素子及び当該圧電/電歪素子の電極に導通する電極リードが、樹脂若しくはガラスからなる絶縁層により被覆されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の変位制御デバイス
  7. 当該樹脂がフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項6記載の変位制御デバイス
  8. 当該絶縁層の表面上に、更に導電性部材からなるシールド層が形成されてなることを特徴とする請求項6又は7記載の変位制御デバイス
  9. 少なくとも当該基板、当該連結板、当該振動板が、完全安定化ジルコニア或いは部分安定化ジルコニアからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の変位制御デバイス
  10. 独立した2個以上の圧電/電歪素子の駆動によって、連結板若しくは固定板が、そのX軸変位位置又はY軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値とな るヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動される請求項1〜9のいずれか一項に記載の変位制御デバイスを複数用いてなるアクチュエータであって、
    当該固定板どうしが当該固定板の中心線が略平行となるように配設され、及び/又は当該連結板どうしが当該連結板の中心線が略平行となるように配設されてなることを特徴とするアクチュエータ
  11. 独立した2個以上の圧電/電歪素子の駆動によって、連結板若しくは固定板が、そのX軸変位位置又はY軸変位位置に対して直交する軸方向変位位置が多値となるヒステリシス様の変位軌跡を描くように駆動される請求項1〜9のいずれか一項に記載の変位制御デバイスを複数用いてなるアクチュエータであって、
    当該変位制御デバイスを周設してなることを特徴とするアクチュエータ
  12. 複数の当該変位制御デバイスが、当該固定板の中心線が互いに交差するように、又は当該連結板の中心線が互いに交差するように、当該固定板若しくは当該連結板の先端が当該中心線の交差する点に向けて配設されてなることを特徴とする請求項11記載のアクチュエータ
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