JP3879754B2 - 帯域制御装置およびプログラム - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、メモリ容量を抑制しつつ複数のクラス毎に帯域保証および帯域制限を付与することができ、しかも端末のインタフェース全体の通信帯域を各クラスの帯域制限とは独立して制限することのできる帯域制御装置およびプログラムを提供することを目的としている。
請求項1記載の帯域制御装置にあっては、複数のクラスのうち何れかに属するパケットを通信網に送信するにあたって、前記各クラス毎に帯域制限または帯域保証を行う帯域制御装置において、前記通信網にパケットを送信する送信装置の通信帯域を当該送信装置に対して許可された許容帯域幅(Ls)以下に抑制するために、次に該送信装置からパケットを送信できる最先時刻であるインタフェース制限時刻(IRL)を記憶する第1のレジスタ(32)と、前記各クラス毎に設けられ、対応するクラスの許容帯域以下に当該クラスの通信帯域を抑制するために次に当該クラスのパケットを送信できる最先時刻であるクラス制限時刻(RL−m)を記憶する第2のレジスタ(42−m)と、前記各クラス毎に設けられ、対応するクラスの保証帯域以上の通信帯域を当該クラスに付与するために次に当該クラスのパケットを送信すべき最終時刻であるクラス保証時刻(RG−m)を記憶する第3のレジスタ(44−m)と、前記各クラスの中から、これらクラスの前記クラス制限時刻(RL−m)および前記クラス保証時刻(RG−m)に基づいて、パケットを送信すべき一のクラスを送信対象クラスに決定するクラス決定手段(SP30〜SP46)と、該送信対象クラスに属するパケットを送信する送信手段(14,SP48)と、該送信対象クラスに属するパケットのデータ量に基づいて、前記インタフェース制限時刻(IRL)と、該送信対象クラスのクラス制限時刻(RL−m)と、該送信対象クラスのクラス保証時刻(RG−m)とを再計算し、これらの再計算結果を前記第1ないし第3のレジスタに格納する再計算手段(SP50)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の帯域制御装置において、前記クラス決定手段(SP30〜SP46)は、前記各クラスのうち前記クラス保証時刻(RG−m)が現在時刻(SC)よりも遅れているクラスが検出された(SP34において「NO」と判定された)場合には、前記インタフェース制限時刻(IRL)にかかわらず該検出されたクラスを前記送信対象クラスとして決定する一方、前記クラス保証時刻(RG−m)が現在時刻(SC)よりも遅れているクラスが存在しない(SP34において「NO」と判定された)場合には、現在時刻(SC)が前記インタフェース制限時刻(IRL)を越えていることを条件として、送信すべきパケットを有する(FL−m=1である)クラスであって現在時刻が前記クラス制限時刻(RL−m)に達していないクラスの中から前記クラス保証時刻(RG−m)が最先であるクラスを前記送信対象クラスとして決定することを特徴とする。
また、請求項3記載のプログラムにあっては、複数のクラスのうち何れかに属するパケットを通信網に送信するにあたって、前記各クラス毎に帯域制限または帯域保証を行うために処理装置によって実行される帯域制御プログラムにおいて、前記通信網にパケットを送信する送信装置の通信帯域を当該送信装置に対して許可された許容帯域幅(Ls)以下に抑制するために、次に該送信装置からパケットを送信できる最先時刻であるインタフェース制限時刻(IRL)を第1のレジスタ(32)から読出す第1の読出し過程(SP36)と、対応するクラスの許容帯域以下に当該クラスの通信帯域を抑制するために、次に当該クラスのパケットを送信できる最先時刻であるクラス制限時刻(RL−m)を、前記各クラス毎に設けられた第2のレジスタ(42−m)から読出す第2の読出し過程(SP44)と、対応するクラスの保証帯域以上の通信帯域を当該クラスに付与するために、次に当該クラスのパケットを送信すべき最終時刻であるクラス保証時刻(RG−m)を、前記各クラス毎に設けられた第3のレジスタ(44−m)から読出す第3の読出し過程(SP30,SP38)と、前記各クラスの中から、これらクラスの前記クラス制限時刻(RL−m)および前記クラス保証時刻(RG−m)に基づいて、パケットを送信すべき一のクラスを送信対象クラスに決定するクラス決定過程(SP30〜SP46)と、該送信対象クラスに属するパケットを送信する送信過程(SP48)と、該送信対象クラスに属するパケットのデータ量に基づいて、前記インタフェース制限時刻(IRL)と、該送信対象クラスのクラス制限時刻(RL−m)と、該送信対象クラスのクラス保証時刻(RG−m)とを再計算し、これらの再計算結果を前記第1ないし第3のレジスタに格納する再計算手段(SP50)とを実行することを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項3記載のプログラムにおいて、前記クラス決定過程(SP30〜SP46)は、前記各クラスのうち前記クラス保証時刻(RG−m)が現在時刻(SC)よりも遅れているクラスが検出された(SP34において「NO」と判定された)場合には、前記インタフェース制限時刻(IRL)にかかわらず該検出されたクラスを前記送信対象クラスとして決定する一方、前記クラス保証時刻(RG−m)が現在時刻(SC)よりも遅れているクラスが存在しない(SP34において「NO」と判定された)場合には、現在時刻(SC)が前記インタフェース制限時刻(IRL)を越えていることを条件として、送信すべきパケットを有する(FL−m=1である)クラスであって現在時刻が前記クラス制限時刻(RL−m)に達していないクラスの中から前記クラス保証時刻(RG−m)が最先であるクラスを前記送信対象クラスとして決定することを特徴とする。
次に、本発明の一実施例のルータ装置の構成を図1を参照し説明する。
図1において100は本実施例のルータ装置であり、その内部に設けられたCPU2は、フラッシュメモリ4に格納された制御プログラムに基づいて、バス10を介してルータ装置100内の各部を制御する。6はRAMであり、CPU2のワークメモリとして使用される。8はタイマであり、現在時刻を計時するとともに、必要に応じてCPU2に対してタイマ割込みを発生させる。12はLANインタフェースであり、図示せぬローカルエリアネットワーク(LAN)に接続される。このLANには、Webサーバ、クライアントコンピュータ等が必要に応じて接続される。14はWANインタフェースであり、モデム24を介してインターネット26に接続される。16はVoIP(Voice over IP)アダプタであり、電話機22から受信される音声信号および制御信号をIPパケットに変換しWANインタフェース14を介して送信するとともに、WANインタフェース14を介して受信したIPパケットを音声信号または制御信号に変換し電話機22に供給する。
次に、本実施例において使用される各種データを図2を参照し説明する。図において30はシステムカウンタであり、逐次更新される現在時刻SCを記憶する。32はインタフェース帯域制限レジスタであり、インタフェース帯域制限時刻データIRLを記憶する。ここで、この制限時刻データIRLについて説明しておく。ルータ装置100がWANインタフェース14を介してインターネット26に送信できるデータの通信帯域すなわちデータの伝送速度には制限がある。この制限(インタフェース許容帯域幅)を「Ls ビット毎秒」とする。いま、ある時刻t1に「Pビット」のIPパケットの送信を開始したのであれば、当該IPパケットのために確保しておくべき時間は「P/Ls」である。従って、現在時刻SCが「t2=t1+P/Ls」に達するまで、原則として他のIPパケットをWANインタフェース14から送信することはできない。制限時刻データIRLは、この時刻t2に相当するデータである。34はパケットバッファ領域であり、WANインタフェース14またはVoIPアダプタ16を介して供給されたIPパケットの実体がここに格納される。
3.1.IPパケットの受信処理
次に、本実施例の動作を説明する。
LANインタフェース12またはVoIPアダプタ16を介して、WANインタフェース14から送信すべきIPパケットが受信されると、図3に示すIPパケット受信ルーチンが起動される。図3において処理がステップSP10に進むと、受信されたIPパケットの実体がパケットバッファ領域34に格納される。次に、処理がステップSP11に進むと、当該IPパケットの送信元のローカルIPアドレス、またはIPプロトコルの上位のプロトコル(TCP、UDP等)に応じて、当該IPパケットが何れかのクラスに分類される。ここで、分類先のクラスの番号を「m」とする。
CPU2においては、所定時間毎に「送信スケジュール割込」なる割込が発生する。この割込が発生すると、図4に示す送信スケジュール割込処理ルーチンが起動される。図において処理がステップSP30に進むと、全てのクラスx(x=1,2,…,n)の中から送信待ちフラグFL−xが“1”である一または複数のクラスが検索され、これらの中から保証時刻データRG−xが最小であるクラスが検索される。次に、処理がステップSP32に進むと、この検索されたクラスの番号が変数mに格納される。次に、処理がステップSP34に進むと、クラスmの保証時刻データRG−mが現在時刻SC未満であるか否かが判定される。
ステップSP34において「NO」と判定されると、処理はステップSP36に進む。なお、ステップSP34では、最小の保証時刻データであるRG−mに対して「RG−m<SC」の条件が満たされるか否かが判断されるため、ここで「NO」と判定された場合は、IPパケットの送信を必要とする全てのクラスxについて「RG−x<SC」が成立することになり、現状では全クラスの保証帯域が確保されていることに他ならない。さて、ステップSP36においては、インタフェース帯域制限時刻データIRLが現在時刻SC未満であるか否かが判定される。仮に制限時刻データIRLが現在時刻SC未満であるときにIPパケットを送信すると、WANインタフェース14全体の許容帯域を越えた状態でIPパケットが伝送されることになるため、ここで「NO」と判定されると、本ルーチンの処理が直ちに終了する。
次に、ステップSP34において「YES」と判定された場合、すなわち「RG−m<SC」の条件が満たされた場合の処理を説明する。「RG−m<SC」の条件が満たされたということは、少なくともクラスmに対しては保証帯域が確保されていないということに他ならない。ここでは、当該クラスmに対して、上述したステップSP48〜SP54の処理が直ちに実行され、クラスmに係るIPパケットが送信される。この場合には、上述したステップSP36のように現在時刻SCが制限時刻データIRLを越えているか否かの判断が行われない。
次に、上記ステップSP50における制限時刻データIRL,RL−mおよび保証時刻データRG−mの再計算方法を図5(a)〜(c)を参照し説明する。なお、これらの図は各時刻データの値を時刻軸上の位置によって表したものであり、ステップSP50による更新が実行される前の時刻データは各時刻データの名称の後に「0」を付し、更新後の時刻データは各時刻データの名称の後に「1」を付す。
図5(a)において、インタフェース帯域制限時刻データIRLの更新値IRL1は、下式(1)により計算される。
IRL1 = max(IRL0, SC)+P/Ls (1)
式(1)においてPは送信されたパケットのデータ量(ビット)、Lsはインタフェース許容帯域幅(ビット毎秒)である。
RL−m1 = SC+P/Lcm (2)
式(2)においてLcmは、クラスmの許容帯域幅(ビット毎秒)である。クラスmのIPパケットは、制限時刻データRL−mが現在時刻SC未満であるときにのみ送信されるため(ステップSP44参照)、制限時刻データRL−m1の決定に際して基準となりうるタイミングは現在時刻SCのみであり、更新前の制限時刻データRL−m0は考慮する必要がない。
RG−m1 = min(RG−m0, SC)+P/Gcm (3)
式(3)においてGcmはクラスmの保証帯域幅(ビット毎秒)である。クラスmのIPパケットは、通常は「RG−m0>SC」である状況において出力されるため、かかる場合は現在時刻SCを基準として次の保証時刻データRG−m1を決定すると、全体としてクラス保証帯域幅Gcm以上の通信帯域をクラスmに対して確保することができる。しかし、「RG−m0<SC」である状態(ステップSP34において「YES」と判定された状態)においてIPパケットが送信されたのであれば、その時点において短期的にはクラス保証帯域幅Gcmが確保されていないことになる。そこで、かかる場合には平均値としてクラス保証帯域幅Gcmを確保すべく、更新前の保証時刻データRG−m0を基準として更新値RG−m1を決定すべきである。従って、本実施例においては、保証時刻データの更新値RG−m1は、「min(RG−m0, SC)」を基準として決定される。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、CPU2上で動作するプログラムによって帯域制限および保証処理を実行したが、これらの処理と等価な処理をハードウエアによって実行してもよい。
(2)上記実施例においては、CPU2上で動作するプログラムによって帯域制限および保証処理を実行したが、これらのプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
Claims (4)
- 複数のクラスのうち何れかに属するパケットを通信網に送信するにあたって、前記各クラス毎に帯域制限または帯域保証を行う帯域制御装置において、
前記通信網にパケットを送信する送信装置の通信帯域を当該送信装置に対して許可された許容帯域幅以下に抑制するために、次に該送信装置からパケットを送信できる最先時刻であるインタフェース制限時刻を記憶する第1のレジスタと、
前記各クラス毎に設けられ、対応するクラスの許容帯域以下に当該クラスの通信帯域を抑制するために次に当該クラスのパケットを送信できる最先時刻であるクラス制限時刻を記憶する第2のレジスタと、
前記各クラス毎に設けられ、対応するクラスの保証帯域以上の通信帯域を当該クラスに付与するために次に当該クラスのパケットを送信すべき最終時刻であるクラス保証時刻を記憶する第3のレジスタと、
前記各クラスの中から、これらクラスの前記クラス制限時刻および前記クラス保証時刻に基づいて、パケットを送信すべき一のクラスを送信対象クラスに決定するクラス決定手段と、
該送信対象クラスに属するパケットを送信する送信手段と、
該送信対象クラスに属するパケットのデータ量に基づいて、前記インタフェース制限時刻と、該送信対象クラスのクラス制限時刻と、該送信対象クラスのクラス保証時刻とを再計算し、これらの再計算結果を前記第1ないし第3のレジスタに格納する再計算手段と
を有することを特徴とする帯域制御装置。 - 前記クラス決定手段は、前記各クラスのうち前記クラス保証時刻が現在時刻よりも遅れているクラスが検出された場合には、前記インタフェース制限時刻にかかわらず該検出されたクラスを前記送信対象クラスとして決定する一方、前記クラス保証時刻が現在時刻よりも遅れているクラスが存在しない場合には、現在時刻が前記インタフェース制限時刻を越えていることを条件として、送信すべきパケットを有するクラスであって現在時刻が前記クラス制限時刻に達していないクラスの中から前記クラス保証時刻が最先であるクラスを前記送信対象クラスとして決定することを特徴とする請求項1記載の帯域制御装置。
- 複数のクラスのうち何れかに属するパケットを通信網に送信するにあたって、前記各クラス毎に帯域制限または帯域保証を行うために処理装置によって実行される帯域制御プログラムにおいて、
前記通信網にパケットを送信する送信装置の通信帯域を当該送信装置に対して許可された許容帯域幅以下に抑制するために、次に該送信装置からパケットを送信できる最先時刻であるインタフェース制限時刻を第1のレジスタから読出す第1の読出し過程と、
対応するクラスの許容帯域以下に当該クラスの通信帯域を抑制するために、次に当該クラスのパケットを送信できる最先時刻であるクラス制限時刻を、前記各クラス毎に設けられた第2のレジスタから読出す第2の読出し過程と、
対応するクラスの保証帯域以上の通信帯域を当該クラスに付与するために、次に当該クラスのパケットを送信すべき最終時刻であるクラス保証時刻を、前記各クラス毎に設けられた第3のレジスタから読出す第3の読出し過程と、
前記各クラスの中から、これらクラスの前記クラス制限時刻および前記クラス保証時刻に基づいて、パケットを送信すべき一のクラスを送信対象クラスに決定するクラス決定過程と、
該送信対象クラスに属するパケットを送信する送信過程と、
該送信対象クラスに属するパケットのデータ量に基づいて、前記インタフェース制限時刻と、該送信対象クラスのクラス制限時刻と、該送信対象クラスのクラス保証時刻とを再計算し、これらの再計算結果を前記第1ないし第3のレジスタに格納する再計算手段と
を実行することを特徴とするプログラム。 - 前記クラス決定過程は、前記各クラスのうち前記クラス保証時刻が現在時刻よりも遅れているクラスが検出された場合には、前記インタフェース制限時刻にかかわらず該検出されたクラスを前記送信対象クラスとして決定する一方、前記クラス保証時刻が現在時刻よりも遅れているクラスが存在しない場合には、現在時刻が前記インタフェース制限時刻を越えていることを条件として、送信すべきパケットを有するクラスであって現在時刻が前記クラス制限時刻に達していないクラスの中から前記クラス保証時刻が最先であるクラスを前記送信対象クラスとして決定することを特徴とする請求項3記載のプログラム。
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