JP3879161B2 - ディジタルチューナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル放送により供給される番組情報を受信するディジタルチューナに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の圧縮符号化技術の進歩等を背景として、テレビ番組の多チャンネル化が実現可能となり、ディジタル放送によりテレビ番組を配信するサービスの実施化が進められている。こうした放送の多チャンネル化により、様々なジャンルに特化した番組を数多く提供することが可能となり、利用者は番組の選択肢が広がり、バラエティに富んだ情報を享受できるようになっている。
しかし、一方では、多チャンネル化によってチャンネル数が極めて多くなったために(現状では数十ないし百程度)、利用者が目的のチャンネルを探し出すまでに時間がかかり、そのための負担も大きくなっている。
こうした問題を解決すべく、従来のディジタル放送受信用のチューナ(ディジタルチューナ)の中には、番組の視聴中に現在放送されている他の番組やこれから放送される番組のスケジュールを示す番組案内を番組の画面に重ねて表示させ、利用者がリモコン等を操作して所望の番組を画面から選択できるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、番組案内の基となる情報は、主として画像情報を圧縮符号化したものであるため、これを表示させるにはデコード処理を行ってから番組案内画面を生成する必要がある。従来のディジタルチューナでは、このような処理を番組の再生と並行して番組案内の表示要求があってから迅速に行わなければならなかったため、CPUの処理負担が集中し、一時的に視聴中の番組の映像と音声が中断されることがあった。
【0004】
この発明は、このような背景の下になされたもので、ディジタル放送において番組の視聴中に番組案内を表示させるときの処理負担を軽減し、番組案内の表示によって視聴中の番組の映像と音声が中断されることのないディジタルチューナを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ディジタル放送により圧縮符号化されたかたちで供給される、各チャンネルの番組情報と各チャンネルの放送内容を案内する番組案内情報のうち、指定されたチャンネルの番組情報を受信およびデコードしこの結果を再生装置へ送出するとともに、要求に応じて前記番組案内情報を受信およびデコードしこの結果を前記番組情報のデコード結果と画像合成して前記再生装置へ送出するディジタルチューナにおいて、前記指定されたチャンネルの番組情報のデコード処理と並行して、供給される番組案内情報が更新されるタイミングと同期して該番組案内情報を受信およびデコードするデコード手段と、デコードされた番組案内情報を記憶する記憶手段と、前記デコード手段によってデコードされた番組案内情報によって前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段とを備え、番組案内の表示要求に応じて、前記記憶手段からデコードされた番組案内情報を読み出し、これを前記指定されたチャンネルの番組情報のデコード結果と画像合成して前記再生装置へ送出することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記デコード手段は、放送波に含まれるタグ信号に基づいて番組案内情報が更新されるタイミングを検出することを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
A:実施形態の構成
図1はこの発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、1はアンテナであり、通信衛星(CS)あるいは放送衛星(BS)を介し送信される放送波を受信する。この放送波は、各チャンネルの番組情報(主として映像信号および音声信号をディジタル圧縮符号化したもの)および番組案内情報(後述する)からなるが、必要に応じてテキストのタグ信号も付加される。
【0008】
ここに、番組案内情報とは、放送中の番組を案内したりあるいはこれから放送される番組のスケジュールを表示して利用者に所望の番組を選択させるための情報であって、主として静止画の画像信号をディジタル圧縮符号化した信号からなっている。この番組案内情報は、各チャンネルの番組情報に重畳されたかたちで供給される。
【0009】
2はディジタルチューナであり、アンテナ1より取り込まれる受信情報をデコードしこれをテレビ受像器3へ供給する。テレビ受像機3は、チューナ2より供給される映像信号に対応した映像をモニタに表示するとともに、該チューナ2より供給される音声信号に対応した音声をスピーカより発音する。
【0010】
以下、ディジタルチューナ2の構成について説明する。まず、20は、アンテナ1が受信した放送波の信号を取り込むチューナ部である。このチューナ部20は、後述するCPU22の制御の下に、操作者によって指定されたチャンネルの番組情報を受信する。また、所定のタイミングで後述する番組案内情報を受信する。
【0011】
また、21は、受信情報をデコード(すなわち復号化、伸長等の復元処理)するデコーダである。このデコーダ21は、指定されたチャンネルの番組情報をデコードするが、所定のタイミングで番組情報のデコード処理と並行して該番組情報に重畳された番組案内情報をデコードする。
【0012】
CPU22は、バスBUSを介し接続されるチューナ2の各部を制御する。すなわち、このCPU22は、ROM23に記憶された所定の制御プログラムを実行することにより、後述する種々の動作を実現する。RAM24は、ROM23から制御プログラムがロードされる等、CPU22のワークエリアとして用いられる。
【0013】
25はAV(オーディオ/ビジュアル)・I/F(インタフェース)であり、デコードされた番組情報または番組案内情報をさらにテレビ受像器3において再生可能な信号に変換する。また、26は操作I/Fであり、リモコンRから発信される操作に対応した光信号を受信しこれを電気信号に変換してバスBUSに出力する。
【0014】
ここで、リモコンRは、操作者が種々の操作を行う操作子からなる操作面およびその操作に対応した光信号を発信する回路を有している。図2はリモコンRの操作面の構成例を示す平面図である。同図において、R0は電源のオン/オフを指示するための電源ボタン、R1,R2は音量を加減するためのボリュームアップキーおよびボリュームダウンキー、R10はチャンネル番号を入力するためのテンキー、R20はチャンネル選択等の入力結果を確定するための選択キー、R21,R22はチャンネルを順方向または逆方向に切り換えるための矢印キー、R30は番組案内の表示およびその終了を指示するための番組案内キー、R31〜34は番組案内画面において番組選択を行うためのカーソル移動キー、R40は入力操作の取り消しや処理の中止を指示するための取消キー、R50は入力を案内するためのメッセージや入力情報を表示する液晶パネルである。このリモコンRは、上述した各操作子に対する操作を検出し該操作に対応した光信号を発信する。
【0015】
さて、再び図1に戻ってディジタルチューナ2の構成を説明する。図1において、28はICカードCDが挿入されるカードI/Fであり、CPU22の制御の下にICカードCDに対しデータの読み出しおよび書き込みを行う。ICカードCDには、利用者のID番号(すなわち利用者固有の識別番号)やその利用者の利用状況に応じた課金をするための利用履歴に関する情報が記録される。このICカードCDがカードI/F28に挿入されると、ID番号を基に利用者の認証が行われ、当該チューナ2の使用が可能となる。
【0016】
また、30は電話回線Nに接続されたモデムであり、CPU22から供給されるデータ信号によって変調した伝送信号を電話回線Nへ送出する一方、電話回線Nを介し送信されてくる伝送信号を復調し得られるデータ信号をCPU22へ供給する。すなわち、このディジタルチューナ2は、電話回線Nを介してディジタル放送のサービスセンタに設置されたホストコンピュータ(図示略)と接続されており、ICカードCDに記録された利用履歴に応じて課金処理されるようになっている。
【0017】
また、32は、種々のデータが格納されるハードディスクである。前述の番組案内情報のデコード結果もこのハードディスク32に格納される。ディジタル放送により供給される番組案内情報は所定のタイミングで更新されることから、その周期に合わせて番組案内情報を受信およびデコードし、ハードディスク32の記憶内容を更新するようになっている。なお、供給される番組案内情報が更新されるタイミングは、更新を知らせるタグ信号が放送波に含められて供給されることにより、チューナ2側にて検出可能となっている。
【0018】
B:実施形態の動作
次に、上記構成からなる実施形態の動作を説明する。
まず、ディジタルチューナ2に電源が投入されると、CPU22は、ROM23から制御プログラムをロードし、これを実行する。これにり、種々のイベントに応じて以下に示す処理を行う。
【0019】
(1)番組情報の再生
電源投入後、CPU22は、現在選択されているチャンネルの番組情報を受信すべく、同調すべきチャンネルを指定する制御信号をチューナ部20へ供給する。これにより、チューナ部20は、CPU22から供給される制御信号に基づき、指定されたチャンネルの番組情報を受信する。この受信された番組情報は、デコーダ21によってデコードされ、AV・I/F25へ出力される。AV・I/F25に供給されたデコード済の番組情報は、さらにテレビ受像機3によって再生可能な信号に変換され、該受像機3へ供給される。これにより、テレビ受像機3においては、選択されている番組の映像と音声が再生される。
【0020】
(2)番組案内情報の更新
上述した番組情報の再生中において、番組案内情報の更新を知らせるタグ信号を受信すると、CPU22は、これを検出し、以後、番組情報の再生処理と並行して以下の番組案内情報の更新処理を行う。
すなわち、番組情報に重畳された番組案内情報をチューナ部20より受信し、デコーダ21によってこれをデコードする。そしてこのデコード結果をハードディスク32の所定領域に書き込む。このように、CPU22は、放送波の中からタグ信号を検出する度に、バスBUSに接続された各部を制御することにより上述した処理を実行し、ハードディスク32に記憶されたデコード済の番組案内情報を更新する。
【0021】
(3)番組案内情報の表示
同じく番組情報の再生中において、操作者がリモコンRの番組案内キーR30を押圧すると、CPU22は、これを検出し、以後、番組情報の再生処理と並行して、番組案内情報の表示処理を行う。
すなわち、ハードディスク32に記憶されたデコード済の番組案内情報を読み出し、これを番組情報のデコード結果と画像合成し、AV・I/F25へ出力する。これにより、テレビ受像機3においては、番組の映像画面上の一部領域に番組案内画面が重ねて表示される一方、番組の音声は番組案内画面が表示される前と同様継続して発音される。
【0022】
このように、番組案内の表示要求が生じてから番組案内情報を受信およびデコードをする訳ではないので、CPU22の処理負担が集中せず、番組情報の再生に悪影響を及ぼすことがない。一方、番組案内情報の受信およびデコードは、前述のように番組案内の表示要求とは異なるタイミングで実行されるため、特に迅速に処理する必要性がなく、したがって、この間もCPU22の処理負担が極端に集中することはない。
【0023】
(4)番組選択
上述した番組案内画面において、操作者がリモコンRのカーソル移動キーR31〜34を操作して所望のチャンネルにカーソル位置を合わせ、選択キーR20を押圧すると、CPU22は、画面上の位置座標とチャンネルとの対応関係から(この情報は放送波として番組案内情報に含めて供給される)、選択されたチャンネルを認識し、チャンネルの切り換えをチューナ部20に指定する。これにより、チューナ部20は、切換先のチャンネルに同調し、当該チャンネルの番組情報を受信する。こうして、テレビ受像機3においては切換先チャンネルの番組情報が再生される。また、この切り換えによって番組案内画面は消去される。
【0024】
C:変形例
(1)なお、実施形態では衛星放送としたが、本発明は、これに限らず、地上波放送やCATV等の有線放送にも適用可能である。要はチューナ側でデコードを必要とするディジタルの番組情報を多チャンネルで放送する形態であれば適用でき、放送の形態によって限定されるものではない。
【0025】
(2)また、実施形態では、番組案内情報の更新タイミングをタグ信号によってチューナ2に知らせるようにしたが、このような形態に限らず、番組案内情報の更新周期を固定的なものとし、チューナ2にはその周期を予め設定しておくようにしてもよい。あるいは、予め更新スケジュールを示すタタグ信号を送信しておき、チューナ2は、この更新スケジュールによって指定された時刻に番組案内情報の更新処理を行うようにしてもよい。
【0026】
(3)また、実施形態では、番組案内情報を各チャンネルの番組情報に重畳したかたちで供給するようにしたが、このような形態に限らず、番組案内情報を供給するための独立したチャンネルを設けるようにしてもよい。この場合、番組案内情報の更新処理を行うには、チューナ部20が番組情報のチャンネルと番組案内情報のチャンネルを交互に高速に切り換えて双方の信号を並行して受信することになる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、番組案内の表示要求とは異なるタイミングで番組案内情報を受信およびデコードしておき、番組案内の表示要求があったときにはこれを再生するだけでよいので、番組の視聴中に番組案内を表示させるときの処理負担が軽減され、番組案内の表示によって視聴中の番組の映像と音声が中断されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態におけるリモコンRの操作面の構成例を示す平面図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…ディジタルチューナ、3…テレビ受像器、20…チューナ部、21…デコーダ(デコード手段)、22…CPU(デコード手段、更新手段)、23…ROM、24…RAM、25…AV・IF、26…操作IF、28…カードIF、30…モデム、32…ハードディスク(記憶手段)、BUS…バス、CD…ICカード、R…リモコン。

Claims (2)

  1. ディジタル放送により圧縮符号化されたかたちで供給される、各チャンネルの番組情報と各チャンネルの放送内容を案内する番組案内情報のうち、指定されたチャンネルの番組情報を受信およびデコードしこの結果を再生装置へ送出するとともに、要求に応じて前記番組案内情報を受信およびデコードしこの結果を前記番組情報のデコード結果と画像合成して前記再生装置へ送出するディジタルチューナにおいて、
    前記指定されたチャンネルの番組情報のデコード処理と並行して、供給される番組案内情報が更新されるタイミングと同期して該番組案内情報を受信およびデコードするデコード手段と、
    デコードされた番組案内情報を記憶する記憶手段と、
    前記デコード手段によってデコードされた番組案内情報によって前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段とを備え、
    番組案内の表示要求に応じて、前記記憶手段からデコードされた番組案内情報を読み出し、これを前記指定されたチャンネルの番組情報のデコード結果と画像合成して前記再生装置へ送出することを特徴とするディジタルチューナ。
  2. 前記デコード手段は、放送波に含まれるタグ信号に基づいて番組案内情報が更新されるタイミングを検出することを特徴とする請求項1記載のディジタルチューナ。
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