JP3878569B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線測定装置に関し、特に放射線の飛来方向を判定するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線測定装置としては、各種の装置が知られている。モニタリングポストは、地理上に設定された各放射線測定地点に固定的に設置され、その放射線測定地点において環境放射線を継続的にあるいは定期的にモニタリングする装置である。具体的には、モニタリングポストは、例えば放射性物質取扱施設から放射性同位元素が放出されてしまった場合にその放射線同位元素から出る放射線や当該施設から放射されてくる放射線を測定するものである。なお、それ以外にも、サーベイメータ、エリアモニタなどの各種の放射線測定装置が知られている。
【0003】
上記のような周囲から飛来する放射線を測定する放射線測定装置においては、放射線の飛来方向(入射方向)を特定することが求められる。従来においては、単一の検出器に対して特定方向のみに指向性をもたせるためのコリメータを装着し、それにより構成されるユニットを水平面内で回転させるものが知られている。そのような装置では、回転に伴って取得される線量分布のピーク方位から放射線の飛来方向を特定できる。
【0004】
なお、以下の特許文献1には、エネルギー特性の改善のために前後配置された2つの半導体センサを用いることが開示されているが、放射線の飛来方向を判別するための構成は示されていない。以下の特許文献2には、コリメータを用いることなく放射線の入射方向を判別する装置が開示されているが、その判別に当たっては特有の現象(コンプトン散乱)が利用されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−109038号公報
【特許文献2】
特開平9−101371号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
モニタリングポストなどに代表される周囲から飛来する放射線を測定する放射線測定装置において、大型の可動部などを用いることなく、異常時において放射線の飛来方向を判別することが要望されている。
【0007】
本発明の目的は、大型の可動部などを用いることなく、放射線の飛来方向を判別できる放射線測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放射線測定地点に設置され、その放射線測定地点の周囲から飛来する放射線を測定する放射線測定装置において、水平方向における互いに異なる方向に主感度方向が設定された複数の水平測定ユニットと、前記複数の水平測定ユニットからの出力信号を処理する演算部と、を含み、前記各水平測定ユニットは、当該水平測定ユニットの主感度方向における前方に配置された前センサと、当該水平測定ユニットの主感度方向における後方に配置された後センサと、前記後センサを収容し、放射線を減弱する遮蔽部材と、を含み、前記演算部は、前記各水平測定ユニットごとに前記前センサの計数値と前記後センサの計数値の比を演算して出力する比演算手段を含み、前記各水平測定ユニットごとの比に基づいて放射線の飛来方向を判定し得ることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、例えば東西南北に主感度方向(最大感度方向)を向けて4つの水平測定ユニットが固定配置される。各水平測定ユニットは前センサ及び後センサを具備する。各水平測定ユニットにおいて、前方から放射線が飛来すると、その放射線は前センサで検出され、また、遮蔽部材(前面部)を通過して(その場合、併せて前センサの通過もあり得る)、後センサで検出される。つまり、前方から飛来する放射線に対して、前センサ及び後センサは両者ともある程度の感度を有し、例えば同程度の感度を有する。望ましくは、後センサを前センサよりも大きな有感面積をもったものとし、遮蔽部材による減弱があっても、前方から飛来する放射線に対して、両センサが一対一の感度を示すようにしてもよい。
【0010】
一方、各水平測定ユニットにおいて、後方から放射線が飛来すると、その放射線は遮蔽部材(後面部)を通過して後センサで検出され、また、遮蔽部材(後面部及び前面部の両方)を通過し(その場合、併せて後センサの通過もあり得る)、これにてかなり減弱されてから、前センサへ到達する。つまり、後方から飛来する放射線に対して、後センサはある程度の感度を有するが、前センサはほとんど感度を有しないか少なくとも後センサより相当程度低い感度を有する。
【0011】
その結果、各水平測定ユニットごとにおける前センサの計数値と後センサの計数値の比は放射線の飛来方向(特に前後)に依存したものとなる。そこで、比演算手段がそれらの比を演算する。飛来方向の判定は、表示された複数の比を相互に対比観察して人為的に行うこともできるが、それを自動的に判定するのが特に望ましい。
【0012】
なお、判定精度を高めるため、例えば、環境線量が一定値以下の場合、各水平ユニット間で比について大差がない場合(それらの比のバラツキ度合いが一定値以下の一様性を示す場合)、前後関係にある水平測定ユニット間で比が同程度になった場合(つまり、それらの比の差が一定値以下の場合)などにおいて、方向判定を回避するエラー処理を行ってもよい。つまり、求められた複数の比、計数値、線量などを参酌して、判定可能条件を満たす場合だけ方向判定を実行するものである。
【0013】
上記の演算部が有する各機能はハードウエアによって構成されてもよいし、プログラム動作するプロセッサなどによって構成されてもよい。
【0014】
望ましくは、前記演算部は、前記各水平測定ユニットごとの比の相互比較に基づいて放射線の飛来方向を判定する方向判定手段を含む。
【0015】
この構成によれば、方向を自動的に判定できる。最大の比を提供した水平測定ユニットの主感度方向を大凡の飛来方向として判定してもよいし、最大の比を提供した水平測定ユニットの主感度方向と2番目に大きな比を提供した水平測定ユニットの主感度方向との間で、それぞれの比の大きさに基づいて線形の重み付け補間を行って、より細かく飛来方向を判定するようにしてもよい。更に、全部の水平ユニットについての比を用いて飛来方向を判定するようにしてもよい。
【0016】
望ましくは、前記方向判定手段は、前記各水平測定ユニットごとに前記前センサの計測値を前記後センサの計測値で割って求めた比の中で最大の比を特定する手段を含み、前記最大の比に基づいて放射線の飛来方向が判定される。
【0017】
望ましくは、前記方向判定手段は、前記各水平測定ユニットごとの比が一様である場合に放射線の飛来方向の判定を回避し、前記各水平測定ユニットごとの比が一様でない場合に放射線の飛来方向を判定する。ここで、各水平測定ユニットごとの比が一様とは望ましくは各水平測定ユニットごとの比の全てが一定範囲内にあることをいい、そのような場合には放射線の飛来方向の判定を回避する。
【0018】
望ましくは、前記遮蔽部材は、前記後センサの前面側に設けられた前面部と、前記後センサの後面側に設けられた後面部と、前記後センサの側面側に設けられた側面部と、を有し、前記前センサと前記後センサは前記前面部を介して積層され、前記前センサは前記後センサよりも小さなサイズを有する。
【0019】
望ましくは、前記演算部は、前記複数の水平測定ユニットによる測定結果を用いて線量を演算する線量演算手段を含む。望ましくは、垂直上方に主感度方向を向けて少なくとも1つの垂直測定ユニットが配置され、前記線量演算手段は更に前記垂直測定ユニットによる測定結果を併せて用いて線量を演算する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1には、本発明に係る放射線測定装置の要部構成が示されており、図1には、放射線測定装置としてのモニタリングポストの測定部10が示されている。
【0022】
モニタリングポストは、周知のように、放射線測定地点に設置され、その放射線測定地点の周囲から飛来する放射線(環境放射線)を継続的又は定期的に測定する装置である。ちなみに、それによる測定結果は当該モニタリングポスト内に蓄積され、あるいは通信媒体を介してセンターへ伝送される。図1において、測定部10はそれ全体として垂直に起立した円筒形状を有しており、ケース12内には複数の測定ユニットが収容されている。ケース12の上部は図1においてはフラットな形態を有しているが、その上部がドーム状の形状を有していてもよい。ケース12は例えば樹脂などによって構成され、そのケース12を放射線はそのまま通過する。
【0023】
ケース12内に配置された複数の測定ユニットは、主感度方向を水平方向(θ方向)に向けた4つの測定ユニットと、主感度方向を上方に向けた2つの測定ユニットとからなる。具体的に説明すると、水平方向において互いに90°の角度間隔をもって測定ユニット14から測定ユニット20までの4つの測定ユニットが設けられている。ここで、測定ユニット14は水平方向の角度θ=0°に対応し、測定ユニット16はθ=90°に対応し、測定ユニット14の裏側に配置された測定ユニットはθ=180°に対応し、測定ユニット20はθ=270°に対応する。すなわち、それら4つの測定ユニットは東西南北の方向を主感度方向として設けられている。
【0024】
図2には、図1に示される複数のユニットを上方から見た様子が示されている。すなわち、図2には主感度方向を垂直上方に向けて配置された2つの測定ユニット22,24が示されている。すなわち、垂直面内における角度をφとすると、それらの測定ユニット22,24はφ=0°に対応する。もちろん、垂直方向に対しては1つの測定ユニットのみを設けてもよいし、あるいはそのような垂直方向への感度が特に求められない場合には、垂直方向用の測定ユニットの配置を省略することもできる。
【0025】
図1及び図2に示されるように、各測定ユニットは、ベース13上に配置されたフレーム15によって支持されている。なお、ベース13の下方には必要に応じて他の検出器や信号処理回路などが設けられてもよく、それらについては図示省略されている。
【0026】
図1及び図2に示されるように、各測定ユニットはそれぞれ2つの放射線検出センサを有している。具体的には、例えば測定ユニット14に着目すると、それは前センサ14A及び後センサ14Bを有している。このことは水平方向に主感度方向を向けた他の測定ユニットについても同様であり、また図2に示されるように垂直上方へ感度方向を向けた測定ユニット22,24についても同様である。すなわち、例えば、測定ユニット22は前センサ22A及び後センサ22Bを有し、測定ユニット24は前センサ24A及び後センサ24Bを有する。
【0027】
なお、上記の構成例においては、水平方向に4つの測定ユニットが配置されていたが、少なくとも3つ以上の測定ユニットがあれば有意な方向判別を行うことができる。
【0028】
上述した各測定ユニットは本実施形態において同一の構造及び形態を有しており、その一例として図3には測定ユニット14についての拡大断面図が示されている。
【0029】
図3において、ユニットプレート52及びユニットカバー50によってユニットケースが構成されており、そのユニットケース内にはPC板54が固定配置されている。なお、ユニットカバー50は例えば樹脂などによって構成され、ユニットプレート52は樹脂などによって構成される。PC板54は回路基板として用いられ、それは以下に説明する各部材をマウントした支持基板として機能する。PC板54上には、中空の第2遮蔽材56が固定配置されている。この第2遮蔽材56は例えば銅によって構成されるものであり、放射線の減弱作用を有する(エネルギー感度特性の調整機能も有する)。第2遮蔽材56は大別して前面部56A、後面部56B及び側面部56Cによって構成される。前面部56Aの厚みは1.2mmであり、後面部56B及び側面部56Cの厚みは例えば1.5mmである。もちろんそのような数値は一例であって、前面部、側面部及び後面部の全体を一様の厚さで構成することもできる。いずれにしても、その内部に収容される後センサ14Bの全体を包み込むように第2遮蔽材56が設けられている。第2遮蔽材56の前面側すなわち主感度方向100側には第1遮蔽材57がそれを覆うように設けられている。すなわち、前面部56Aの主感度方向100側の全域が第1遮蔽材57によって覆われており、その第1遮蔽材57は例えば0.2mmの厚みを有する鉛箔によって構成される。この第1遮蔽材57は、主として、前方から飛来する放射線に対して後センサ14Dについてのエネルギー感度特性を調整するために設けられる。
【0030】
その第1遮蔽材57の前面側には図示されるように前センサ14Aが固定配置されている。なお、ユニットカバー50内には各部材を保持するためのクッション材などが設けられているがそれらについては図示省略されている。
【0031】
ここで前センサ14A及び後センサ14Bについて詳述する。それらのセンサ14A,14Bはいずれも本実施形態において半導体型の放射線センサである。前センサ14Aの有感面62のサイズは例えば3×3mm2であり、後センサ14Bの有感面58のサイズは10×10mm2である。すなわち、前センサ14Aよりも後センサ14Bの方が大きな有感面を有しており、それら単体の感度を比較した場合、前センサ14Aより後センサ14Bの方が例えば10倍ほど感度が高い。
【0032】
ただし、後センサ14Bはそれ全体が第2遮蔽材56によって取り囲まれているため、後センサ14Bについての感度はそれ単体よりも低減されている。
【0033】
その結果、本実施形態においては、前方から飛来する放射線に対して、前センサ14A及び後センサ14Bが共に同程度の感度を有し、すなわちそれらの感度の大きさは1対1である。一方、後側から飛来する放射線に対しては後センサ14Bはある程度の感度を有するが、前センサ14Aはほとんど感度を有しない。すなわち、後センサ14Bは、その前方側及びその後方側のいずれも同程度の遮蔽がなされており、すなわち前方及び後方の両者とも同程度の感度を有するが、前センサ14Aについては、その前方側においては実質的な遮蔽が行われていないのに対し、その後方側においては前面部56A及び後面部56Bの2つの大きな減弱作用が発揮され(更に、後センサ14B自体による影響もある)、その結果、後方側からの感度が著しく低減されている。例えば、後方からの放射線に対して、後センサの感度を1とすると、前センサの感度は100分の1である。
【0034】
図4には、測定ユニットについての水平方向すなわちθ方向の感度特性が示されている。上述したように、水平方向については4つの測定ユニットが配置されており、102A,102B,102C,102Dはそれぞれの測定ユニットについての水平方向の感度特性を示している。各感度特性102A,120B,102C,102Dは前センサ及び後センサの感度を総合した感度特性である。図示されるように前方側に対しては広い範囲にわたって大きな感度が実現されているが、その一方、後方側についての感度はかなり小さい。そして、モニタリングポスト全体としてはθ方向の360°にわたってほぼ均一な感度特性が得られている。すなわちモニタリングポスト全体としては無指向性である。
【0035】
図5には、垂直方向すなわちφ方向についての感度特性が示されている。ここで符号104Aは垂直上方に向けて配置された2つの測定ユニットについての合成感度特性を示しており、符号104B,104Cはそれぞれ水平方向に主感度方向を向けて配置された互いに反対を向く2つの測定ユニットについての感度特性を示している。この図に示されるように、垂直方向についてもモニタリングポスト全体として均一な感度特性を得ている。
【0036】
図6には、本実施形態の放射線測定装置についての全体構成がブロック図として示されている。
【0037】
測定部10は上述したように複数の測定ユニットで構成され、本実施形態では6個の測定ユニットからなる。図6においてはそれらの内で代表して測定ユニット14及び測定ユニット24が示されている。測定ユニット14については前センサ14A,後センサ14Bが図示され、測定ユニット24に関しては前センサ24A及び後センサ24Bが図示されている。
【0038】
それらの複数の測定ユニット14,24ごとに信号処理部30が設けられている。各信号処理部30は前センサ14A,24Aに対応した信号処理回路30Aと後センサ14B,24Bに対応した信号処理回路30Bとを有している。各信号処理回路30A,30Bはそれぞれ同一の構成を有し、アンプ、波高弁別器、カウンタなどの計数値演算回路を有している。そして、各信号処理回路30からそれによって求められた計数値が演算制御部32へ出力されている。演算制御部32は例えば所定プログラムによって動作するマイクロプロセッサなどによって構成されてもよい。
【0039】
なお、演算制御部32は、例えば通信線を介してセンターに接続されており、そのセンターからの所定の指令を受けて放射線測定の制御あるいはデータの読み出し管理などを行っている。
【0040】
図7には、演算制御部32についての各機能がブロックとして示されている。ここで、A2,A1とB2,B1と、C2,C1と、D2,D1は4つの測定ユニットについての前センサの計数値と後センサの計数値とを示している。また、E2,E1とF2,F1は2つの垂直上方を向いた測定ユニットについての前センサの計数値と後センサの計数値とを表している。
【0041】
最初に線量演算器68について説明すると、その線量演算器68にはこの例において、全てのセンサの計数値A2,A1,・・・F2,F1が入力されており、線量演算器68はそれらの計数値に対する加算処理あるいは重み付け加算処理によって環境放射線についての線量を演算する。
【0042】
一方、水平方向に向いた4つの測定ユニットに対応して4つの比演算器64A,64B,64C,64Dが設けられている。各比演算器64A、64B,64C,64Dは前センサの計数値と後センサの計数値の比を求めるものであり、具体的には前センサの計数値を後センサの計数値で割る割り算を実行している。その結果として、4つの比R1,R2,R3、R4が求められる。それらが方向判定器66に入力される。
【0043】
上述したように、前方からの放射線に対して、前センサ及び後センサも同程度の感度するが、後方向からの放射線に対しては、後センサはある程度の感度を有するものの、前センサはほとんど感度を有していない。したがって、それらのセンサの計数値の比は、放射線の飛来方向が前方である場合に最も大きく、そこから後ろ側へ回り込むに従って徐々に小さくなる。そして、測方や後方においては計数値の比は極めて小さくなる。
【0044】
方向判定器66は、上記の原理を用いて、4つの比R1,R2,R3、R4の中で最大の比を特定することにより、その最大の比を与える測定ユニットの主感度方向として放射線の大凡の飛来方向を判定している。本実施形態においては東西南北の4つの方向判別しか行えないが、一般に、地理上の複数の地点にモニタリングポストが設置されているため、センター側では各モニタリングポストにおいて判別された飛来方向を総合考慮することにより放射線の異常発生地点を特定することが可能である。
【0045】
もちろん、例えば45°ごとに測定ユニットを配置すれば、より方位判別精度を高めることができる。さらに、最大の比及び2番目に大きい比を特定し、それらの2つの比に対応する2つの測定ユニットの主感度方向に基づき、例えば2つ比をパラメータとする重み付け補間処理などにより中間的な方向を演算により算出するようにしてもよい。更に、R1〜R4の全てを重み付け値として補間処理を実行して飛来方向を判定するようにしてもよい。
【0046】
ちなみに、線量が低い場合においては方向判別精度が低下し、あるいは方向判別の必要がないために、そのような低線量状態においては方向判定を行わないようにするのが望ましい。すなわち、線量が一定値以上の場合に方向判定器66を機能させるものである。
【0047】
また、互いに反対方向を向く2つの測定ユニット間においてお互いの比が同程度である場合などにおいては方向判別精度が低下するかあるいはその判定の確実性に問題が生じるため、そのようなエラー条件が満たされた場合には方向判定を行わないようにするのが望ましい。一般的には、4つの比R1,R2,R3、R4の中で特定の比のみが際だって大きいような場合に方向判定を行うのが望ましい。また、4つの比が一様性の条件を満たす場合に方向判定を回避するのが望ましい。
【0048】
なお、上述した原理を拡張して上方に向いた測定ユニットについても比を演算し、その比と水平方向において求められた最大の比との両者の大きさ関係から、φ方向についての放射線の飛来方向の判定を行うことも可能である。ただし、モニタリングポストの用途を考えた場合、一般的には水平方向についての飛来方向の判別を行えば充分である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大型の可動部などを用いることなく、放射線の飛来方向を判別できる実用的価値の高い放射線測定装置を提供することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る放射線測定装置の要部構成を示す断面図である。
【図2】 本実施形態に係る放射線測定装置の要部構成を示す上面図である。
【図3】 測定ユニットの具体的な構成例を示す断面図である。
【図4】 測定ユニットについての水平方向の感度特性を示す図である。
【図5】 測定ユニットについての垂直方向の感度特性を示す図である。
【図6】 放射線測定装置としてのモニタリングポストの全体構成を示すブロック図である。
【図7】 図6に示す演算制御部が有する各機能を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 測定部、14,16,20,22,24 測定ユニット、14A,22A,24A 前センサ、14B,22B,24B 後センサ、64A,64B,64C,64D 比演算器、66 方向判定器、68 線量演算器。

Claims (7)

  1. 放射線測定地点に設置され、その放射線測定地点の周囲から飛来する放射線を測定する放射線測定装置において、
    水平方向における互いに異なる方向に主感度方向が設定された複数の水平測定ユニットと、
    前記複数の水平測定ユニットからの出力信号を処理する演算部と、
    を含み、
    前記各水平測定ユニットは、
    当該水平測定ユニットの主感度方向における前方に配置された前センサと、
    当該水平測定ユニットの主感度方向における後方に配置された後センサと、
    前記後センサを収容し、放射線を減弱する遮蔽部材と、
    を含み、
    前記演算部は、前記各水平測定ユニットごとに前記前センサの計数値と前記後センサの計数値の比を演算して出力する比演算手段を含み、
    前記各水平測定ユニットごとの比に基づいて放射線の飛来方向を判定し得ることを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記演算部は、前記各水平測定ユニットごとの比の相互比較に基づいて放射線の飛来方向を判定する方向判定手段を含むことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記方向判定手段は、前記各水平測定ユニットごとに前記前センサの計測値を前記後センサの計測値で割って求めた比の中で最大の比を特定する手段を含み、前記最大の比に基づいて放射線の飛来方向が判定されることを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項2記載の装置において、
    前記方向判定手段は、前記各水平測定ユニットごとの比が一様である場合に放射線の飛来方向の判定を回避し、前記各水平測定ユニットごとの比が一様でない場合に放射線の飛来方向を判定することを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記遮蔽部材は、
    前記後センサの前面側に設けられた前面部と、
    前記後センサの後面側に設けられた後面部と、
    前記後センサの側面側に設けられた側面部と、
    を有し、
    前記前センサと前記後センサは前記前面部を介して積層され、
    前記前センサは前記後センサよりも小さなサイズを有することを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記演算部は、前記複数の水平測定ユニットによる測定結果を用いて線量を演算する線量演算手段を含むことを特徴とする放射線測定装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    垂直上方に主感度方向を向けて少なくとも1つの垂直測定ユニットが配置され、
    前記線量演算手段は更に前記垂直測定ユニットによる測定結果を併せて用いて線量を演算することを特徴とする放射線測定装置。
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